JP3649873B2 - Cvd法による薄膜形成方法および薄膜ならびに摺動部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマを利用したCVD法により基板上に薄膜を形成する方法および薄膜ならびに摺動部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラズマ中で原料ガスを分解することにより薄膜を形成するプラズマCVD法は、比較的低温で薄膜を形成する方法として広く用いられており、原料ガスを適宜調整することにより、種々の組成の薄膜を形成することができる。このようなCVD法により、高い硬度を有するダイヤモンド状炭素薄膜や、低い摩擦係数を有する窒化炭素(CN)薄膜及びケイ化炭素(CSi)薄膜などの種々の薄膜を形成することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、薄膜の硬度が高く、摩擦係数の小さな機能性を有する薄膜を形成する方法およびその薄膜ならびにその薄膜を保護膜として用いる摺動部品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の局面に従う薄膜形成方法は、プラズマを利用したCVD法により基板上に薄膜を形成する方法であり、原料ガスをプラズマ中で分解することにより基板上に硬質炭素薄膜からなる第1の薄膜層を形成する工程と、原料ガスをプラズマ中で分解するとともに、イオンまたはラジカルを基板に照射して、第1の薄膜層上に窒化炭素薄膜からなる第2の薄膜層を形成する工程とを備えている。
【0005】
本発明の第1の局面において、第2の薄膜層を形成する際に、照射するイオンまたはラジカルは、一般に、原料ガスの主成分元素と異なる元素のイオンまたはラジカルである。例えば、第1の薄膜層として炭素系薄膜を形成し、第2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成する場合には、一般にCH4 などの炭素を主成分とする原料ガスを用い、基板に照射するイオンまたはラジカルとして、窒素のイオンまたはラジカルを照射する。しかしながら、第2の薄膜層を形成する際に照射するイオンまたはラジカルは、原料ガスの主成分元素と同じ元素のイオンまたはラジカルであってもよい。
【0006】
また、本発明の第1の局面に従う薄膜形成方法においては、第2の薄膜層を形成する際のイオンまたはラジカルの照射エネルギー及び照射量を成膜時間とともに変化させてもよい。このようにイオンまたはラジカルの照射エネルギー及び照射量を変化させることにより、イオンまたはラジカルの照射により第2の薄膜層内に導入される成分の膜厚方向の分布を変化させることができる。
【0007】
イオンまたはラジカルの照射エネルギーを成膜時間とともに減少させ、イオンまたはラジカルの照射量を成膜時間とともに増加させることにより、イオンまたはラジカルの照射によって導入される成分の濃度が、第2の薄膜層の表面に近づくに連れて高くなるような濃度勾配を第2の薄膜層に付与することができる。
【0008】
上記のような濃度勾配を第2の薄膜層に付与することにより、第2の薄膜層の表面において付与される機能をより高めることができる。例えば、窒化炭素薄膜の場合、第2の薄膜層表面での摩擦係数を表面に近づくに連れて低くすることができる。このような濃度勾配を設けることにより、さらに密着性が良好で、かつ十分に機能が付与された薄膜を得ることができる。
【0009】
本発明の第2の局面に従う薄膜形成方法は、プラズマを利用したCVD法により基板上に薄膜を形成する方法であり、原料ガスをプラズマ中で分解することにより基板上に硬質炭素薄膜からなる第1の薄膜層を形成する工程と、基板に高周波電力を印加して基板にバイアス電圧(自己バイアス電圧)を発生させながら、原料ガスをプラズマ中で分解するとともに、イオンまたはラジカルを基板に照射して、第1の薄膜層の上に窒化炭素薄膜からなる第2の薄膜層を形成する工程とを備えている。
【0010】
本発明の第2の局面において、第2の薄膜層を形成する際に、照射するイオンまたはラジカルは、一般に、原料ガスの主成分元素と異なる元素のイオンまたはラジカルである。例えば、第1の薄膜層として炭素系薄膜を形成し、第2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成する場合には、一般にCH4 などの炭素を主成分とする原料ガスを用い、基板に照射するイオンまたはラジカルとして、窒素のイオンまたはラジカルを照射する。しかしながら、第2の薄膜層を形成する際に照射するイオンまたはラジカルは、原料ガスの主成分元素と同じ元素のイオンまたはラジカルであってもよい。
【0011】
また、本発明の第2の局面に従う薄膜形成方法においては、第2の薄膜層を形成する際のイオンまたはラジカルの照射エネルギー及び照射量並びに基板に発生するバイアス電圧を成膜時間とともに変化させてもよい。このようにイオンまたはラジカルの照射エネルギー等を変化させることにより、イオンまたはラジカルの照射により第2の薄膜層内に導入される成分の膜厚方向の分布を変化させることができる。
【0012】
イオンまたはラジカルの照射エネルギー及び基板に発生するバイアス電圧を成膜時間とともに減少させ、イオンまたはラジカルの照射量を成膜時間とともに増加させることにより、イオンまたはラジカルの照射によって導入される成分の濃度が、第2の薄膜層の表面に近づくに連れて高くなるような濃度勾配を第2の薄膜層に付与することができる。
【0013】
上記のような濃度勾配を第2の薄膜層に付与することにより、第2の薄膜層の表面において付与される機能をより高めることができる。例えば、窒化炭素薄膜の場合、第2の薄膜層表面での摩擦係数を表面に近づくに連れて低くすることができる。このような濃度勾配を設けることにより、さらに密着性が良好で、かつ十分に機能が付与された薄膜を得ることができる。
【0014】
第2の局面においては、上述のように、基板に高周波電力を印加することにより、基板に負のバイアス電圧が発生する。このような負のバイアス電圧が発生すると、一般に正のイオンが基板に引きつけられ、優先的に薄膜内に導入される。従って、第2の局面において、第2の薄膜層形成の際に正のイオンを基板に照射すると、該イオンの薄膜内への取り込みが優先される。
【0015】
また、第2の局面においては、第1の薄膜層を形成させる際にも、基板に高周波電力を印加して基板にバイアス電圧を発生させ、この状態で第1の薄膜層を形成してもよい。
【0016】
本発明の第3の局面に従う薄膜形成方法は、プラズマを利用したCVD法により基板上に薄膜を形成する方法であり、原料ガスをプラズマ中で分解することにより基板上に硬質炭素薄膜からなる第1の薄膜層を形成する工程と、該原料ガスと、該原料ガスの主成分元素と異なる元素を含む第2の原料ガスとをプラズマ中で分解することにより、第1の薄膜層の上に窒化炭素薄膜からなる第2の薄膜層を形成する工程とを備えている。
【0017】
第3の局面においては、原料ガスと、第2の原料ガスとをプラズマ中で分解することにより、第1の薄膜層の薄膜成分と異なる元素を含有した第2の薄膜層を形成することができる。従って、例えば、第1の薄膜層として炭素系薄膜を形成し、第2の薄膜層として窒化炭素薄膜のように炭素と異なる元素を含有した薄膜を形成することができる。この場合、第2の原料ガスとして、窒素を含む原料ガスを用いる。
【0018】
第3の局面においては、第2の原料ガスの量を成膜時間とともに変化させてもよい。このように第2の原料ガスの量を成膜時間とともに変化させることにより、膜厚方向に第2の原料ガス中の元素の濃度分布を変化させることができる。例えば、第2の原料ガスを成膜時間とともに増加させることにより、第2の薄膜層の表面に近づくに連れて第2の原料ガス中の元素の濃度が高くなる濃度勾配を第2の薄膜層に付与することができる。
【0019】
本発明の薄膜は、上記本発明の第1の局面、第2の局面、及び第3の局面に従う薄膜形成方法により製造することができる薄膜である。すなわち、本発明の薄膜は、硬質炭素薄膜からなる第1の薄膜層と、第1の薄膜層の上に形成される窒化炭素薄膜からなる第2の薄膜層とを備えることを特徴とする薄膜である。
【0020】
上記本発明の第1の局面、第2の局面、及び第3の局面において、第1の薄膜層として、硬質炭素薄膜を形成し、第2の薄膜層として、窒素を含有させた炭素系薄膜を形成することにより、本発明の薄膜を形成することができる。
【0021】
本発明の薄膜を形成する際には、原料ガスとして、メタンガスなどのような炭素を含む原料ガスを用いる。また、第1の局面及び第2の局面においては、基板に照射するイオンまたはラジカルとして、窒素のイオンまたはラジカルを照射する。また、第3の局面においては、窒素を含む第2の原料ガスを用いる。
【0022】
本発明において、第1の薄膜層となる硬質炭素薄膜は、結晶性のダイヤモンド薄膜であってもよいし、非晶質のダイヤモンド状炭素薄膜であってもよい。また、結晶構造を部分的に含むダイヤモンド状炭素薄膜であってもよい。
【0023】
本発明の薄膜において、第1の薄膜層及び第2の薄膜層の膜厚は特に限定されるものではないが、例えば、第1の薄膜層の膜厚としては、20Å〜3000Åの膜厚、第2の薄膜層としては、30Å〜4μm(40000Å)の膜厚を一般的な膜厚として挙げることができる。
【0024】
また、第2の薄膜層における窒素の含有量は、5〜40原子%程度が好ましい。
また、第2の薄膜層における窒素の濃度は、膜厚方向に変化していてもよい。また、好ましい実施形態においては、第2の薄膜層の表面に向かって膜厚方向に窒素の濃度が高くなるような濃度勾配を有している。
【0025】
また、本発明の第1の局面〜第3の局面に従う形成方法により形成される薄膜、及び本発明に従う薄膜においては、基板と第1の薄膜層の間に中間層を有していてもよい。このような中間層としては、例えば、Si、Ti、Zr、W、Mo、Ru、Ge等の単体及びこれらの酸化物、窒化物、炭化物等が挙げられる。このような中間層は、一般的な薄膜形成方法により形成することができ、例えば、マグネトロンRFスパッタリング法により形成することができる。このようなスパッタリング法では、上記単体をターゲットとして用い、例えばアルゴンプラズマ中のイオンでスパッタリングし、膜形成を行うことができる。このようなスパッタリングと同時にチャンバー内に酸素または窒素ガスを導入することにより、それらの単体の酸化物及び窒化物を中間層として形成することができる。また、炭化物は、スパッタリングと同時にチャンバー内に炭素を含むガス、例えばCH4 を導入することにより形成することができる。
【0026】
上記中間層の膜厚としては、例えば20Å〜3000Å程度の膜厚を挙げることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
第1の局面に従うECRプラズマCVD装置
図1は、本発明の第1の局面に従うECRプラズマCVD装置を示す概略断面図である。図1を参照して、真空チャンバー8には、プラズマ発生室4が設けられている。プラズマ発生室4には、導波管2の一端が取り付けられており、導波管2の他端には、マイクロ波供給手段1が設けられている。マイクロ波供給手段1で発生したマイクロ波は、導波管2及びマイクロ波導入窓3を通って、プラズマ発生室4に導かれる。プラズマ発生室4には、プラズマ発生室4内にアルゴン(Ar)ガスなどの放電ガスを導入させるためのガス導入管5が設けられている。また、真空チャンバー8には、メタン(CH4 )などの原料ガスを導入させるためのガス導入管12が設けられている。マイクロ波による高周波磁界と、プラズマ磁界発生装置6からの磁界を作用させることにより、プラズマ発生室4内に高密度のECRプラズマが形成される。真空チャンバー8内には、基板ホルダー7が設けられており、基板ホルダー7の上に基板9が載せられている。基板9に向かってイオンビームを照射できる位置に、イオンガン10が設けられている。このイオンガン10には、イオンの原料ガスを導入するためのガス導入管11が設けられている。
【0028】
実施例1
図1に示す装置を用い、本発明の第1の局面に従い、第1の薄膜層としてダイヤモンド状炭素薄膜を形成し、その上に第2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成する実施例について説明する。
【0029】
まず、ECRプラズマCVD法によりダイヤモンド状炭素薄膜を形成する。真空チャンバー8内を、10-5〜10-7Torrに排気し、次に、プラズマ発生室4内にArガスを2.5×10-4Torrとなるように供給して、プラズマ発生室4内にArプラズマを発生させる。真空チャンバー8には、原料ガスとしてのCH4 ガスを3.0×10-4Torrとなるように供給し、これをArプラズマによって分解し、基板9上にダイヤモンド状炭素薄膜を形成した。基板9としては、Si製の基板を用いた。成膜速度は800Å/分であり、膜厚は1200Åであった。
【0030】
次に、イオンガン10に、ガス導入管11から窒素ガスを2×10-4Torrとなるように導入し、上記ECRプラズマCVD法によるダイヤモンド状炭素薄膜の形成と同時に、基板9上に窒素イオンを照射する。なお、この窒素イオン照射の際のイオンエネルギーと、イオン電流密度を、図2に示すように、成膜時間とともに変化させた。すなわち、イオンエネルギーは、第2の薄膜層の成膜時間の経過とともに2keVから0keVに低下するように変化させ、イオン電流密度は、第2の薄膜層の成膜時間の経過とともに、0から0.5mA/cm2 に増加するように変化させた。このようにして第2の薄膜層の形成を0.5分間行い、第2の薄膜層を400Åの膜厚に形成し、第1の薄膜層との合計で1600Åの薄膜を形成した。
【0031】
図3は、以上のようにして得られた薄膜を示す断面図である。図3に示すように、基板9の上に、ダイヤモンド状炭素薄膜からなる第1の薄膜層21が形成されており、第1の薄膜層21の上に、窒化炭素(CN)薄膜からなる第2の薄膜層22が形成されている。
【0032】
図4は、第2の薄膜層22を、2次イオン質量分析(SIMS)により評価した結果を示す図である。図4に示すように、第2の薄膜層において、内部から表面に向かって窒素の含有量が徐々に増加しており、窒素の濃度勾配を有していることがわかる。
【0033】
次に、得られたサンプルについて、密着性を評価するため、ビッカース圧子による押し込み試験(荷重:2kg)を行った。試験個数を50個とし、基板から薄膜が剥離した剥離個数を数えて評価した。比較例1−1として、ガス導入管12からCH4 ガスと同時にN2 ガスを4×10-4Torr導入し、ECRプラズマCVD法のみで、膜厚1600Åの窒化炭素薄膜を基板上に形成し、これについてもビッカース圧子押し込み試験を行い、その密着性を評価した。
【0034】
この結果、実施例1では、剥離個数が0個であったのに対し、比較例1−1においては剥離個数が40個であった。従って、本発明に従い、第1の薄膜層であるダイヤモンド状炭素薄膜の上に、第2の薄膜層である窒化炭素薄膜を形成することにより、基板に対する密着性が良好になることがわかる。
【0035】
次に、実施例1の薄膜について硬度の測定を行った。また上記比較例1−1の薄膜についても硬度の測定を行うとともに、比較例1−2として、上記第1の薄膜層の形成方法のみで、すなわちダイヤモンド状炭素薄膜のみの薄膜を膜厚1600Åとなるように形成し、これについても同様に硬度を測定した。
【0036】
この結果、比較例1−1の薄膜、すなわち非晶質の窒化炭素薄膜の硬度は2500Hv程度であったのに対し、実施例1の薄膜の硬度は、3400Hvであった。また、比較例1−2の硬度も同様に3500Hvであった。これらの結果から、本発明に従い、第1の薄膜層としてダイヤモンド状炭素薄膜を形成し、この上に第2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成することにより、全体としてはダイヤモンド状炭素薄膜とほぼ同等の硬度を有する薄膜を形成できることがわかる。
【0037】
次に、実施例1及び比較例1−2の薄膜について、摩擦係数を測定した。表面がダイヤモンド状炭素薄膜である比較例1−2の薄膜の摩擦係数は、0.18であったのに対し、実施例1の摩擦係数は0.13であり、かなり低くなることがわかった。
【0038】
第2の局面に従うECRプラズマCVD装置
図5は、本発明の第2の局面に従うECRプラズマCVD装置を示す概略断面図である。本装置においては、基板ホルダー7に高周波電力を印加するための高周波電源13が接続されている。高周波電源13を基板ホルダー7に接続する以外は、図1に示す装置と同様であるので、その説明を省略する。
【0039】
実施例2
図5に示すECRプラズマCVD装置を用いて、第1の薄膜層としてダイヤモンド状炭素薄膜を形成し、その上に第2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成する実施例について説明する。
【0040】
まず、真空チャンバー8内を10-5〜10-7Torrに排気する。次に、プラズマ発生室4内にArガスを2.5×10-4Torrとなるように供給し、プラズマ発生室4内にArプラズマを発生させる。真空チャンバー8内には、原料ガスとしてのCH4 ガスを3.0×10-4Torrとなるように供給し、これをArプラズマで分解することにより、基板9の上に、ダイヤモンド状炭素薄膜を形成した。第1の薄膜層を形成する1.5分間の間は、基板バイアス電圧が−50Vとなるように、高周波電源13から、13.56MHzの高周波電力を印加した。成膜速度は800Å/分であり、第1の薄膜層の膜厚は1200Åであった。
【0041】
次に、イオンガン10に、ガス導入管11から、窒素ガスを2.5×10-4Torrとなるように導入し、上記ダイヤモンド状炭素薄膜の形成と同時に、基板9上に窒素イオンを照射する。第2の薄膜層の形成を0.5分間行い、膜厚400Åの第2の薄膜層としての窒化炭素薄膜を形成し、第1の薄膜層と合わせて合計1600Åの薄膜を形成した。なお、図6に示すように、第2の薄膜層の形成の間、イオンエネルギーを1keVから0keVに低下させ、イオン電流密度を0から0.5mA/cm2 まで増加させた。また、これとともに、図7に示すように、基板に発生する基板バイアス電圧を、−1kVから0kVに低下させた。これによって、実施例1と同様に表面に向かって窒素濃度が高くなる濃度勾配を有する第2の薄膜層を形成した。
【0042】
次に、得られたサンプルについて、密着性を評価するため、ビッカース圧子による押し込み試験(荷重:2kg)を行った。試験個数を50個とし、基板から薄膜が剥離した剥離個数を数えて評価した。比較例2−1として、ガス導入管12からCH4 ガスと同時にN2 ガスを4×10-4Torr導入し、ECRプラズマCVD法のみで、膜厚1600Åの窒化炭素薄膜を基板上に形成し、これについてもビッカース圧子押し込み試験を行い、その密着性を評価した。
【0043】
この結果、実施例2では、剥離個数が0個であったのに対し、比較例2−1においては剥離個数が40個であった。従って、本発明に従い、第1の薄膜層であるダイヤモンド状炭素薄膜の上に、第2の薄膜層である窒化炭素薄膜を形成することにより、基板に対する密着性が良好になることがわかる。
【0044】
次に、実施例2の薄膜について硬度の測定を行った。また上記比較例2−1の薄膜についても硬度の測定を行うとともに、比較例2−2として、上記第1の薄膜層の形成方法のみで、すなわちダイヤモンド状炭素薄膜のみの薄膜を膜厚1600Åとなるように形成し、これについても同様に硬度を測定した。
【0045】
この結果、比較例2−1の薄膜、すなわち非晶質の窒化炭素薄膜の硬度は2500Hv程度であったのに対し、実施例2の薄膜の硬度は、3400Hvであった。また、比較例2−2の硬度は、3500Hvであった。これらの結果から、本発明に従い、第1の薄膜層としてダイヤモンド状炭素薄膜を形成し、この上に第2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成することにより、ほぼ同等の硬度を有する薄膜を形成できることがわかる。
【0046】
次に、実施例2及び比較例2−2の薄膜について、摩擦係数を測定した。表面がダイヤモンド状炭素薄膜である比較例2−2の薄膜の摩擦係数は、0.18であったのに対し、実施例2の摩擦係数は0.13であり、かなり低くなることがわかった。
【0047】
実施例3
図5に示すECRプラズマCVD装置を用い、本発明の第3の局面に従い、第1の薄膜層としてダイヤモンド状炭素薄膜を形成し、その上に第2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成する実施例について説明する。なお、本実施例では、図5の装置におけるイオンガン10を使用しない。
【0048】
まず、真空チャンバー8内を10-5〜10-7Torrに排気する。次に、プラズマ発生室4内にArガスを2.5×10-4Torrとなるように供給し、プラズマ発生室4内にArのプラズマを発生させる。真空チャンバー8内には、原料ガスとしてのCH4 ガスを3.0×10-4Torrとなるように供給し、これをArプラズマにより分解することにより、基板9の上にダイヤモンド状炭素薄膜を形成する。第1の薄膜層を形成する1.5分間の間、基板バイアス電圧が−50Vとなるように、高周波電源13から高周波電力を基板ホルダー7に印加した。以上のようして、第1の薄膜層を成膜速度800Å/分で形成し、膜厚1200Åの第1の薄膜層を形成した。
【0049】
次に、ガス導入管12から、原料ガスであるCH4 ガスと共に、第2の原料ガスとしてのN2 ガスを導入し、CH4 ガスとN2 ガスの混合ガスを用いて、ECRプラズマCVD法により、上記第1の薄膜層の上に、第2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成した。第2の薄膜層を0.5分間形成することにより、400Åの窒化炭素薄膜を形成し、第1の薄膜層と合計して1600Åの薄膜とした。なお、第2の薄膜層形成の間、図8に示すように、第2の原料ガスとしての窒素ガスの量を、0から4×10-4Torrとなるように徐々に増加させた。
【0050】
以上の結果、実施例1及び実施例2と同様に、表面に向かって窒素濃度が高くなる濃度勾配を有する第2の薄膜層を形成した。
次に、得られたサンプルについて、密着性を評価するため、ビッカース圧子による押し込み試験(荷重:2kg)を行った。試験個数を50個とし、基板から薄膜が剥離した剥離個数を数えて評価した。比較例3−1として、ガス導入管12からCH4 ガスと同時にN2 ガスを4×10-4Torr導入し、ECRプラズマCVD法のみで、膜厚1600Åの窒化炭素薄膜を基板上に形成し、これについてもビッカース圧子押し込み試験を行い、その密着性を評価した。
【0051】
この結果、実施例3では、剥離個数が0個であったのに対し、比較例3−1においては剥離個数が40個であった。従って、本発明に従い、第1の薄膜層であるダイヤモンド状炭素薄膜の上に、第2の薄膜層である窒化炭素薄膜を形成することにより、基板に対する密着性が良好になることがわかる。
【0052】
次に、実施例3の薄膜について硬度の測定を行った。また上記比較例3−1の薄膜についても硬度の測定を行うとともに、比較例3−2として、上記第1の薄膜層の形成方法のみで、すなわちダイヤモンド状炭素薄膜のみの薄膜を膜厚1600Åとなるように形成し、これについても同様に硬度を測定した。
【0053】
この結果、比較例3−1の薄膜、すなわち非晶質の窒化炭素薄膜の硬度は2000Hv程度であったのに対し、実施例3の薄膜の硬度は、3200Hvであった。また、比較例3−2の硬度は、3500Hvであった。これらの結果から、本発明に従い、第1の薄膜層としてダイヤモンド状炭素薄膜を形成し、この上に第2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成することにより、全体としてはダイヤモンド状炭素薄膜に近い硬度を有する薄膜を形成できることがわかる。
【0054】
次に、実施例3及び比較例3−2の薄膜について、摩擦係数を測定した。表面がダイヤモンド状炭素薄膜である比較例3−2の薄膜の摩擦係数は、0.18であったのに対し、実施例3の摩擦係数は0.14であり、かなり低くなることがわかった。
【0055】
参考例1
図1に示す装置を用いて、第1の薄膜層としてダイヤモンド状薄膜を形成し、その上に第2の薄膜層としてケイ化炭素薄膜を形成する参考例について説明する。
【0056】
まず、実施例1と同様にして、第1の薄膜層として、膜厚1200Åのダイヤモンド状炭素薄膜を形成した。
次に、シランガスをガス導入管11から2×10-4Torrとなるように導入し、第2の薄膜層として、ケイ化炭素薄膜を形成した。なお、図9に示すように、イオンエネルギーを成膜時間とともに減少させ、電流密度を成膜時間とともに増加させた。第2の薄膜層を0.5分間形成することにより、400Åのケイ化炭素薄膜を形成し、第1の薄膜層と合計して1600Åとした。
【0057】
得られた薄膜における第2の薄膜層を、上記実施例1と同様にして、SIMSで分析したところ、図10に示すように、薄膜内部から表面に向かうに連れてSiの濃度が高くなる濃度勾配を有していることが確認された。
【0058】
次に、得られたサンプルについて、密着性を評価するため、ビッカース圧子による押し込み試験(荷重:2kg)を行った。試験個数を50個とし、基板から薄膜が剥離した剥離個数を数えて評価した。比較例4−1として、ガス導入管からCH4 ガスと同時にシランガスを1.0×10-4Torr導入し、ECRプラズマCVD法のみで、膜厚1600Åのケイ化炭素薄膜を基板上に形成し、これについてもビッカース圧子押し込み試験を行い、その密着性を評価した。
【0059】
この結果、参考例1では、剥離個数が0個であったのに対し、比較例4−1においては剥離個数が40個であった。従って、本発明に従い、第1の薄膜層であるダイヤモンド状炭素薄膜の上に、第2の薄膜層であるケイ化炭素薄膜を形成することにより、基板に対する密着性が良好になることがわかる。
【0060】
次に、参考例1の薄膜について硬度の測定を行った。また上記比較例4−1の薄膜についても硬度の測定を行うとともに、比較例4−2として、上記第1の薄膜層の形成方法のみで、すなわちダイヤモンド状炭素薄膜のみの薄膜を膜厚1600Åとなるように形成し、これについても同様に硬度を測定した。
【0061】
この結果、比較例4−1の薄膜、すなわち非晶質のケイ化炭素薄膜の硬度は2400Hv程度であったのに対し、実施例4の薄膜の硬度は、3400Hvであった。また、比較例4−2の硬度は、3500Hvであった。これらの結果から、第1の薄膜層としてダイヤモンド状炭素薄膜を形成し、この上に第2の薄膜層としてケイ化炭素薄膜を形成することにより、ほぼ同等の硬度を有する薄膜を形成できることがわかる。
【0062】
次に、参考例1及び比較例4−2の薄膜について、摩擦係数を測定した。表面がダイヤモンド状炭素薄膜である比較例4−2の薄膜の摩擦係数は、0.18であったのに対し、参考例1の摩擦係数は0.10であり、かなり低くなることがわかった。
【0063】
以上のように、第1の薄膜層としてダイヤモンド状炭素被膜を形成し、この上に第2の薄膜層として窒化炭素薄膜またはケイ化炭素薄膜を形成することにより、基板に対する密着性に優れ、かつ薄膜の硬度が高く、摩擦係数の小さな機能性を有する薄膜を形成することができる。
【0064】
上記実施例および参考例では、原料ガスとしてCH4 ガスを用い、ダイヤモンド状炭素被膜を第1の薄膜層として形成し、第2の薄膜層形成の際に、窒素イオン及びシリコンイオンを照射して窒化炭素またはケイ化炭素を形成する実施例および参考例を示したが、第2の薄膜層形成の際に炭素イオンを照射した場合にも、同様の効果が認められた。すなわち、第2の薄膜層として、第1の薄膜層よりも硬度の高いダイヤモンド状炭素薄膜を形成することができた。
【0065】
また、第2の薄膜層形成の際に、窒素と酸素の混合イオンを照射することにより、第2の薄膜層として酸素を含む窒化炭素膜を形成した場合も、同様に硬度が高く、かつ摩擦係数の低い薄膜を形成することができた。
【0066】
また、上記実施例では、第2の薄膜層形成の際にイオンを照射する実施例について説明したが、イオンに代えてラジカルを照射しても、同様の効果を得ることができる。なお、ラジカルの照射は、例えばラジカルガンを用いて行うことができる。
【0067】
本発明の薄膜形成方法により形成される薄膜及び本発明の薄膜は、電気シェーバーにおける内刃及び外刃などの摺動部品、回転圧縮機などのコンプレッサー及びVTRなどにおける摺動部品の保護膜として用いることができるものであり、さらには太陽電池の構成層としての保護膜、薄膜磁気ヘッドの摺動部分の保護膜、SAWデバイス伝搬膜、あるいはセンサー用薄膜などとしても適用することができるものである。
【0068】
【発明の効果】
本発明に従えば、硬度が高く、かつ摩擦係数の低い薄膜をプラズマCVD法により形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の局面に従うECRプラズマCVD装置の一例を示す概略断面図。
【図2】 本発明の第1の局面に従う実施例における第2の薄膜層形成の際のイオンエネルギー及びイオン電流密度の成膜時間に伴う変化を示す図。
【図3】 本発明に従う薄膜の一実施例を示す断面図。
【図4】 本発明に従う薄膜の一実施例における第2の薄膜層の膜厚方向の窒素の濃度分布を示す図。
【図5】 本発明の第2の局面に従うECRプラズマCVD装置の一例を示す概略断面図。
【図6】 本発明の第2の局面に従う実施例における第2の薄膜層形成の際のイオンエネルギー及びイオン電流密度の成膜時間に伴う変化を示す図。
【図7】 本発明の第2の局面に従う実施例における第2の薄膜層形成の際の基板バイアス電圧の成膜時間に伴う変化を示す図。
【図8】 本発明の第3の局面に従う実施例における第2の薄膜層形成の際の窒素量の成膜時間に伴う変化を示す図。
【図9】 本発明の第1の局面に従う他の実施例における第2の薄膜層形成の際のイオンエネルギー及びイオン電流密度の成膜時間に伴う変化を示す図。
【図10】 参考例1における第2の薄膜層中のSiの膜厚方向の濃度分布を示す図。
【符号の説明】
1…マイクロ波供給手段
2…導波管
3…導入窓
4…プラズマ発生室
5…ガス導入管
6…プラズマ磁界発生装置
7…基板ホルダー
8…真空チャンバー
9…基板
10…イオンガン
11…イオンガンのガス導入管
12…ガス導入管
13…高周波電源
21…第1の薄膜層
22…第2の薄膜層
Claims (13)
- プラズマを利用したCVD法により基板上に薄膜を形成する方法であって、
原料ガスをプラズマ中で分解することにより前記基板上に硬質炭素薄膜からなる第1の薄膜層を形成する工程と、
前記原料ガスをプラズマ中で分解するとともに、イオンまたはラジカルを前記基板に照射して、前記第1の薄膜層の上に窒化炭素薄膜からなる第2の薄膜層を形成する工程とを備えるCVD法による薄膜形成方法。 - 前記イオンまたはラジカルが、前記原料ガスの主成分元素と異なる元素のイオンまたはラジカルであることを特徴とする請求項1に記載のCVD法による薄膜形成方法。
- 前記イオンまたはラジカルの照射エネルギーを成膜時間とともに減少させ、前記イオンまたはラジカルの照射量を成膜時間とともに増加させることを特徴とする請求項1または2に記載のCVD法による薄膜形成方法。
- プラズマを利用したCVD法により基板上に薄膜を形成する方法であって、
原料ガスをプラズマ中で分解することにより前記基板上に硬質炭素薄膜からなる第1の薄膜層を形成する工程と、
前記基板に高周波電力を印加して前記基板にバイアス電圧を発生させながら、前記原料ガスをプラズマ中で分解するとともに、イオンまたはラジカルを前記基板に照射して、前記第1の薄膜層の上に窒化炭素薄膜からなる第2の薄膜層を形成する工程とを備えるCVD法による薄膜形成方法。 - 前記イオンまたはラジカルが、前記原料ガスの主成分元素と異なる元素のイオンまたはラジカルであることを特徴とする請求項4に記載のCVD法による薄膜形成方法。
- 前記イオンまたはラジカルの照射エネルギー及び前記基板に発生するバイアス電圧を成膜時間とともに減少させ、前記イオンまたはラジカルの照射量を成膜時間とともに増加させることを特徴とする請求項5に記載のCVD法による薄膜形成方法。
- 前記イオンまたはラジカルが、窒素のイオンまたはラジカルであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のCVD法による薄膜形成方法。
- プラズマを利用したCVD法により基板上に薄膜を形成する方法であって、
原料ガスをプラズマ中で分解することにより前記基板上に硬質炭素薄膜からなる第1の薄膜層を形成する工程と、
前記原料ガスと、前記原料ガスの主成分元素と異なる元素を含む第2の原料ガスとをプラズマ中で分解することにより、前記第1の薄膜層の上に窒化炭素薄膜からなる第2の薄膜層を形成する工程とを備えるCVD法による薄膜形成方法。 - 前記第2の原料ガスの量を成膜時間とともに増加させることを特徴とする請求項8に記載のCVD法による薄膜形成方法。
- 前記第2の原料ガスが、窒素を含むことを特徴とする請求項8または9に記載のCVD法による薄膜形成方法。
- 硬質炭素薄膜からなる第1の薄膜層と、
前記第1の薄膜層の上に形成される窒化炭素薄膜からなる第2の薄膜層とを備える薄膜。 - 前記第2の薄膜層は、前記第2の薄膜層の表面に向かって膜厚方向に窒素の濃度が高くなるような濃度勾配を有することを特徴とする請求項11に記載の薄膜。
- 請求項11または12に記載の薄膜を保護膜として用いる摺動部品 。
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