JPH1192879A - フェライト系耐熱鋼 - Google Patents
フェライト系耐熱鋼Info
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Abstract
化せず、優れた長時間クリープ強度を発揮することので
きるフェライト系耐熱鋼を提供する。 【解決手段】 Cr含有量が重量%で、8.0 〜13.0%で
あって、RhおよびIrの少なくとも1種が合計重量%
で0.3 〜5.0 %含有されている高Crフェライト系耐熱
鋼とする。
Description
ト系耐熱鋼に関するものである。さらに詳しくは、この
出願の発明は、630 ℃を超える高温でも耐水蒸気酸化性
が劣化せず、優れた長時間クリープ強度を発揮すること
のできる高Crフェライト系耐熱鋼に関するものであ
る。
学工業装置等は、一般に、高温、高圧下で長時間使用さ
れるため、これらの装置に用いられる耐熱鋼は、そのよ
うな使用温度における強度、耐食性及び耐酸化性ととも
に、常温での靱性等に優れることが要求される。
鋼(たとえばJIS−SUS321H鋼、同SUS34
7H鋼)、低合金鋼(たとえばJIS−STBA24
(2・1/4 Cr−1Mo))、また、9〜12Cr系の
高Crフェライト鋼(たとえばJIS−STBA26
(9Cr−1Mo鋼))等が知られている。中でも高C
rフェライト鋼は、低合金鋼に対し、500 〜650 ℃の温
度域での強度及び耐食性に優れている。また、高Crフ
ェライト鋼は、オーステナイト系ステンレス鋼に比べ、
熱伝導率が高く、しかも熱膨張率が小さいため、耐熱疲
労性に優れ、スケール剥離が起こりにくい。さらには、
応力腐食割れを起こしにくいという長所もある。
ために、ボイラの蒸気条件の高温化、高圧化が進められ
ており、現状の超臨界圧条件538 ℃、246 気圧から650
℃、350 気圧という超々臨界条件での操業が将来計画さ
れている。このような蒸気条件の変化にともないボイラ
用鋼管に要求される性能はますます過酷化し、上記高C
rフェライト鋼でも適用が難しくなりつつある。それと
言うのも、高Crフェライト鋼は、高温における長時間
クリープ強度及び耐酸化性が低下する傾向にあり、特に
耐水蒸気酸化特性の点からは630 ℃程度までが限界であ
ると考えられているからである。ここで、水蒸気酸化と
は、高温高圧の水蒸気に曝される表面で生じる酸化現象
を言う。水蒸気酸化が起こると、鋼表面には酸化皮膜
(スケール層)が生成するが、このスケール層は、温度
変化にともなって剥離しやすくなる。スケール層の剥離
は、上記ボイラ用鋼管の場合には、詰まり等のトラブル
の原因となる。
するために、Wの含有が考えられている。たとえば特開
平3−97832 号公報には、W含有量を従来品よりも高く
した高Crフェライト鋼が記載されている。また、特開
平4−371551号及び特開平4−371552号の両公報には、
W及びMoを含有し、MoとWの含有量を適正な割合に
調整するとともに、Co及びBの両者を含有する、高温
強度及び靱性の向上した高Crフェライト鋼が記載され
ている。
れもWを多量に含有しており、高温クリープ強度には優
れるが、Wは、Mo、Cr等とともにフェライト生成元
素であるため、多量となると、鋼中にδ−フェライト相
が生成し、靱性が低下する。このような靱性低下に対し
ては、高Crフェライト鋼の組織をマルテンサイト組織
単相とすることが有効である。そこで、たとえば特開平
5−263196号公報には、Cr含有量を従来品より低くし
た耐熱鋼が記載されている。また、特開平5−311342号
から311346号公報には、オーステナイト生成元素である
Ni、Cu、Co等を含有することにより、δ−フェラ
イト相の生成を抑制し、靱性の改善を図った高Crフェ
ライト鋼が記載されている。
報に記載された耐熱鋼では、Mo、Ni等が、鋼表面に
生成するCr2 O3 を主体とするスケール層を緻密で安
定なコランダム型から脆いスピネル型に変化させるた
め、剥離が発生し、耐水蒸気酸化性が劣化する。また、
上記特開平5−311342号公報等に記載された高Crフェ
ライト鋼は、Ni、Cu等を多量に含有するため、A1
変態点及びA3 変態点が低い。その結果、焼きもどし軟
化抵抗が小さく、また、炭窒化物の凝集粗大化も早く、
長時間クリープ強度が低くなる。さらには、含有するN
i、Cu等は、特開平5−263196号公報に記載された耐
熱鋼の場合と同様に、スケール層を脆い構造に変え、耐
水蒸気酸化性を劣化させる。
事情に鑑みてなされたものであり、従来の高Crフェラ
イト鋼の欠点を解消し、630 ℃を超える高温でも耐水蒸
気酸化性が劣化せず、優れた長時間クリープ強度を発揮
することのできる高Crフェライト鋼を提供することを
課題としている。
を解決するものとして、Cr含有量が重量%で8.0 〜1
3.0%であって、Rh(ロジウム)およびIr(イリジ
ウム)の少なくとも1種が合計重量%で0.3 〜5.0 %含
有されていることを特徴とする耐水蒸気酸化性と高長時
間クリープ強度とを有するフェライト系耐熱鋼(請求項
1)を提供する。
いて、その態様の一つとして、重量%で、Rh0.3 〜5.
0 %、Ir0.6 〜5.0 %であって、 0.3 %≦Rh+(1/2)Ir≦5.0 % の割合でRhおよびIrの少なくとも1種が含有されて
いるフェライト系耐熱鋼(請求項2)も提供する。
rの少なくとも1種が添加されてラス組織が微細化さ
れ、マルテンサイト相が強化されていることを特徴とす
る耐水蒸気酸化性と高長時間クリープ強度とを有するフ
ェライト系耐熱鋼(請求項3)をも提供する。さらに具
体的態様としては、この出願の発明は、重量%で、 C :0.06〜0.18%、 Si:0〜1.0 %、 Mn:0〜1.5 %、 P :0.030 %以下、 S :0.015 %以下、Cr:8.0 〜13.0%、 W :0〜4.0 %、 Mo:0〜2.0 %(ただし、W+2Mo≦4.0 %)、 Nb:0.030 〜0.14%、V :0.10〜0.50%、N :0〜0.10%、 B :0〜0.030 %、 O :0.010 %以下、sol.Al:0〜0.050 % 含有し、さらに、RhおよびIrの少なくとも1種を、
合計重量%で、0.3 〜5.0 %含有し、 残部:Fe及び不可避的不純物からなる ことを特徴とする上記いずれかのフェライト系耐熱鋼
(請求項4)を提供する。
発明のフェライト系耐熱鋼は、高長時間クリープ強度、
耐水蒸気酸化性等の特性と、鋼の化学成分及び金属組織
(ミクロ組織)との関係を詳細に検討した結果得られた
以下の知見に基づいて完成されたものである。 (1)長時間クリープ強度 Rh及びIrは、Coと同族で、オーステナイト生成元
素であり、鋼に含有させると、A1 変態点を著しく低下
させ、焼き戻し軟化抵抗を小さくすると従来では考えら
れていた。
rフェライト鋼では、Rh、Irを含有しても、A1 変
態点の低下は顕著でなく、また、Coに見られる炭窒化
物の凝集粗大化の助長作用も示さない。しかも、Rh、
Irの含有によりマルテンサイトラス組織が微細化さ
れ、マルテンサイト相が強化される。この現象は、従来
鋼に行われていた熱処理と同じ熱処理でも確認される。
焼き入れ状態での硬化は、従来鋼とさほどの差は認めら
れないが、焼き戻し軟化抵抗は著しく大きくなる。高C
rフェライト鋼は、焼きならし及び焼き戻し処理によっ
て炭窒化物が析出したマルテンサイト組織を有する。こ
のマルテンサイト組織は、630 ℃を超える高温では時間
につれて回復軟化しやすいが、これが抑制される。
おける長時間クリープ強度が飛躍的に改善され、優れた
長時間クリープ特性が維持される。 (2)耐水蒸気酸化性 Rh、Irの含有は、Mo、W等が多量に存在している
場合でも、Cr2 O3を主体とする緻密なコランダム型
のスケール層をスピネル型の脆い構造に変化させない。
このため、スケール層の破壊が生じず、630 ℃を超える
温度における耐水蒸気酸化性は劣化しない。
は、少なくともいずれかの添加が、重量%で0.3〜5
%、さらには、Rhの場合には0.3 重量%以上で、Ir
の場合には0.6 重量%で顕著となる。一方、5重量%を
超える多量となると、Rh、Irいずれの場合にも効果
は飽和する。そこで、Rh、Irの含有量は、それぞ
れ、0.3 〜5.0 重量%、0.6 〜5.0 重量%が適当であ
る。
含有する場合にも認められる。ただ、この場合には、効
果の顕著性及び飽和の観点から重量%で0.3 %≦Rh+
(1/2) Ir≦5.0 %が適当である。この発明のフェライ
ト系耐熱鋼における他の元素及びその含有量について
は、たとえば以下の通りの好ましい態様として説明され
る。 <1>C Cは、重要なオーステナイト生成元素であり、δ−フェ
ライト相の抑制効果を有する。また、鋼の焼き入れ性を
著しく高め、マルテンサイト相母相を形成するのに必要
不可欠な元素でもある。MC型(炭窒化物M(C,N)
という形態をとることもある。なお、MはV、Nb等の
合金元素である。)、M7 C3 型、及びM23C6 型の炭
化物を形成する。鋼が630 ℃を超える高温下で長時間使
用されると、微細なこれら炭化物(たとえばVC、Nb
C)の析出が進行し、長時間クリープ強度を維持する働
きをする。この効果を得るには、含有率0.06重量%以上
が必要である。一方、0.18重量%を超えると、炭化物の
凝集と粗大化が起こり、長時間クリープ強度を逆に低下
させてしまう。このため、Cの含有率は、0.06〜0.18重
量%が適当である。 <2>Si Siは、溶鋼の脱酸剤であると同時に、高温における耐
水蒸気酸化性を向上させるのに有効な元素でもある。だ
が、過剰となる場合には、鋼の靱性を低下させるので、
含有率は1.0 重量%以下が適当である。溶鋼の脱酸がA
lにより十分可能な時には、Siは省略してもよい。し
たがって、Siの含有率は、好ましくは0〜1.0 重量%
とする。 <3>Mn Mnは、通常、SをMnSとして固定し、鋼の熱間加工
性を向上させるために添加される元素であり、十分脱硫
された鋼には特に必要としないが、高応力下での短時間
クリープ強度の向上に有効ともなる。だが、含有率1.5
重量%を超えると、鋼の靱性低下を招く。そこで、Mn
の含有率は、0〜1.5 重量%が適当である。 <4>Cr Crは、高温における耐食性、耐酸化性、特に耐水蒸気
酸化性を確保する上で必要不可欠な元素である。Crの
含有により、鋼表面には、Cr酸化物を主体とする緻密
な酸化皮膜が形成され、この酸化皮膜が、鋼に高温にお
ける耐食性、耐酸化性(耐水蒸気酸化性を含む)を与え
る。
強度を向上させる働きも持っている。これらの効果を得
るためには、含有率8.0 重量%以上は必要である。た
だ、13.0重量%を超えると、δ−フェライト相が生成し
やすくなり、靱性の低下が起こる。Crの含有率は、8.
0 〜13.0重量%が適当である。 <5>W Wは、クリープ強度を高め、高温での維持に有効な元素
の一つである。固溶状態にあってはマルテンサイト相母
相を強化し、高温下でFe7 W6 型のμ相、Fe2 W型
のLaves 相等を主体とする金属間化合物を形成し、これ
が微細に析出して長時間クリープ強度を向上させる。ま
た、Cr炭化物中にも一部固溶し、炭化物の凝集、粗大
化を抑制する。
る添加では析出強化が顕著となる。一方、4.0 重量%を
超えると、δ−フェライト相が生成しやすくなり、靱性
の低下が起こる。なお、他の強化元素で十分強化されて
いる場合には、Wは省略することも可能である。したが
って、Wの含有率は、0〜4.0 重量%が適当である。 <6>Mo Moは、Wと同様に、微量では固溶強化、1.0 重量%を
超える添加では析出強化に寄与し、クリープ強度を高め
る。Moの析出強化は、Wに比べ600 ℃以下の低温側で
顕著である。他の強化元素で十分強化されている場合に
は、Wと同様に、Moは省略することも可能である。
炭化物という形態では、高温で安定であり、長時間クリ
ープ強度の確保にも有効となる。2.0 重量%を超える
と、δ−フェライト相が生成しやすくなり、靱性が低下
するため、含有率は、0〜2.0 重量%が適当である。な
お、W及びMoを同時含有する場合には、含有率は、好
ましくは、W+2Mo≦4.0 重量%とする。 <7>V Vは、微細な炭窒化物を形成してクリープ強度を向上さ
せる。この効果は、含有率0.10重量%以上で現れ、0.50
重量%で飽和する。したがって、Vの含有率は、0.10〜
0.50重量%が適当である。 <8>Nb Nbは、窒化物及び炭窒化物を形成し、鋼の強度及び靱
性を向上させる。この効果は、含有率0.030 重量%以上
で現れ、0.14重量%で飽和する。したがって、Vの含有
率は、0.030 〜0.14重量%が適当である。 <9>N Nは、Cと同様に、重要なオーステナイト生成元素であ
り、δ−フェライト相の生成を抑制する効果を有する。
また、鋼の焼き入れ性を高め、マルテンサイト相を形成
する元素でもある。さらには、M(C、N)型炭窒化物
を形成する。
りδ−フェライト相の生成が十分抑制され、かつ、630
℃を超える高温におけるクリープ強度を重視する場合に
は、添加は特に必要でない。一方、焼き入れ性を十分高
め、δ−フェライト相の生成抑制を重視する場合には、
好ましく添加される。多量の添加は、窒化物の粗大化に
つながり、靱性の低下が著しくなる。しがって、Nの含
有率は、0〜0.10重量%が適当である。 <10>B Bは、微量の含有で、主にM23C6 型等の炭化物を微細
に分散析出させ、凝集粗大化を抑制する。高温長時間ク
リープ強度の向上に効果がある。また、厚肉材などで熱
処理後の冷却速度が遅い場合には、焼き入れ性を高め、
高温強度を向上させる。
望まれる場合に含有することができ、省略することも可
能である。含有する場合には、上記効果は、含有率0.00
05重量%以上で顕著となる。含有率が0.030 重量%を超
えると、粗大な析出物が現れ、靱性低下を引き起こすの
で、上限は0.030 重量%とする。したがって、Bの含有
率は、0〜0.030 重量%が適当である。 <11>sol.Al Alは、主に溶鋼の脱酸剤として添加される。鋼中で
は、Alは、酸化物とこれ以外の形態で存在し、後者
は、分析上、塩酸可溶Al(sol.Al)と呼ばれてい
る。上記脱酸効果が得られれば、sol.Alは、特に必要
ない。一方、0.050 重量%を超えると、クリープ強度の
低下を招く。sol.Alの含有率は、0〜0.050重量%が
適当である。 <12>P及びS P及びSは、各々、不可避的不純物として含まれる。熱
間加工性、溶接部の靱性等に悪影響を及ぼす元素である
ため、含有率はできる限り低くするのが好ましい。Pは
0.030 重量%以下、Sは0.015 重量%以下とする。 <13>O Oも不可避的不純物として含有されるが、粗大な酸化物
となって偏在すると、靱性等に悪影響を及ぼす。靱性を
確保する上では、極力含有率を抑えるのが好ましい。含
有率0.010 重量%以下であれば靱性への影響は十分小さ
い。そこで、Oの含有率は、0.010 重量%以下とする。
いては、工業的に用いられている通常の製造設備及び製
造プロセスにより製造することができる。たとえば、電
気炉、転炉等の炉で精錬し、脱酸剤及び合金元素を添加
して成分調整を行う。特に厳密な成分調整が必要な場合
には、合金元素を添加する前に、溶鋼に真空処理を行う
ことができる。
を、次いで、連続鋳造法又は造塊法によりスラブ、ビレ
ット又は鋼塊に鋳造した後、鋼管、鋼板等に成形する。
継ぎ目無し鋼管を製造する場合には、たとえばビレット
を押出し、又は鍛造によって製管することができる。鋼
板の場合には、スラブを熱間圧延し、熱延鋼板とするこ
とができる。この熱延鋼板を冷間圧延すると冷延鋼板が
得られる。熱間加工後に冷間圧延等の冷間加工を行う場
合には、通常の冷間加工に先立って、焼き鈍し及び酸洗
処理を行うのが好ましい。
き鈍し等の熱処理を行い、所定の特性に調整する。
系耐熱鋼についてさらに詳しく説明する。容量10kgの
真空高周波誘導炉で原料を溶解し、成分調整した。化学
組成は、表1に示した通りである。
に、得られたインゴットを温度1250〜1000℃で熱間鍛造
し、45mm角、長さ400mm にした。さらに、1100〜900
℃で熱間圧延し、15mm角とした。表1の実施例1〜6
に示される供試材については、次いで、1100℃で1時間
保持した後に空冷の焼きならし処理を行い、また、800
℃で1時間保持した後に空冷の焼き戻し処理を行った。
れる供試材に対しては、これらの鋼に通常行われる熱処
理を行った。すなわち、950 ℃で1時間保持した後に空
冷の焼きならし処理を行い、また、750 ℃で1時間保持
した後に空冷の焼き戻し処理を行った。これら比較例1
及び比較例2に示される供試材は、各々、ASTM−A
213−T91及びDIN−X20CrMoWV121
に規定される化学組成とした。
取し、高温クリープ強度及び耐水蒸気酸化性の評価を行
った。 [高温クリープ強度]クリープ破断試験で評価した。試
験条件は以下の通りとした。 試験温度:(1)650 ℃、(2)700 ℃ 応力 :(1)140MPa、(2)120MPa 測定項目:破断時間 [耐水蒸気酸化性]水蒸気酸化試験で評価した。試験条
件は以下の通りとした。
℃、140MPaでのクリープ破断時間は、いずれも3000時間
以上、700 ℃、120MPaでのクリープ破断時間は、いずれ
も100時間以上であった。また、700 ℃×1000時間の水
蒸気酸化試験におけるスケール層の厚さは、平均で77
μm以下であった。一方、比較例1及び比較例2に示さ
れる供試材は、クリープ破断時間が実施例1〜6に示さ
れる供試材に比べ著しく劣っていた。耐水蒸気酸化性に
ついては、比較例1に示される供試材は、スケール層の
厚さが実施例1〜6に示される供試材の2倍程度であ
り、耐水蒸気酸化性が劣る。
耐熱鋼は、630 ℃を超える高温において、耐水蒸気酸化
性が劣化せず、優れたクリープ強度を発揮することが確
認される。もちろんこの発明は、以上の実施形態によっ
て限定されるものではない。細部については様々な態様
が可能であることは言うまでもない。
って、630 ℃を超える高温でも耐水蒸気酸化性の劣化の
ない、優れた長時間クリープ強度を発揮するフェライト
系耐熱鋼が提供される。
Claims (4)
- 【請求項1】 Cr含有量が重量%で8.0 〜13.0%であ
って、RhおよびIrの少なくとも1種が合計重量%で
0.3 〜5.0 %含有されていることを特徴とする耐水蒸気
酸化性と高長時間クリープ強度とを有するフェライト系
耐熱鋼。 - 【請求項2】 重量%で、Rh0.3 〜5.0 %、Ir0.6
〜5.0 %であって、 0.3 %≦Rh+(1/2)Ir≦5.0 % の割合でRhおよびIrの少なくとも1種が含有されて
いる請求項1のフェライト系耐熱鋼。 - 【請求項3】 RhおよびIrの少なくとも1種が添加
されてラス組織が微細化され、マルテンサイト相が強化
されていることを特徴とする耐水蒸気酸化性と高長時間
クリープ強度とを有するフェライト系耐熱鋼。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかのフェライ
ト系耐熱鋼であって、重量%で、 C :0.06〜0.18%、 Si:0〜1.0 %、 Mn:0〜1.5 %、 P :0.030 %以下、 S :0.015 %以下、Cr:8.0 〜13.0%、 W :0〜4.0 %、 Mo:0〜2.0 %(ただし、W+2Mo≦4.0 %)、 Nb:0.030 〜0.14%、V :0.10〜0.50%、N :0〜0.10%、 B :0〜0.030 %、 O :0.010 %以下、sol.Al:0〜0.050 % 含有し、さらに、 RhおよびIrの少なくとも1種を、合計重量%で、0.
3 〜5.0 %含有し、 残部:Fe及び不可避的不純物からなることを特徴とす
るフェライト系耐熱鋼。
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