JPH119276A - α‐1→3結合含有糖類生成酵素遺伝子およびその使用 - Google Patents
α‐1→3結合含有糖類生成酵素遺伝子およびその使用Info
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- JPH119276A JPH119276A JP9163110A JP16311097A JPH119276A JP H119276 A JPH119276 A JP H119276A JP 9163110 A JP9163110 A JP 9163110A JP 16311097 A JP16311097 A JP 16311097A JP H119276 A JPH119276 A JP H119276A
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Abstract
規模な製造技術を提供する。 【解決手段】 特定のアミノ酸配列を有し、かつ澱粉及
びその分解物の中から選ばれた基質に作用して糖受容体
へのα‐1→3結合のグルコース転移またはα‐1→3
およびα‐1→4結合のグルコース転移を優先的に触媒
する糖転移酵素活性を有するタンパク質をコードするD
NA配列。上記のDNA配列を含有する発現ベクター、
およびこの発現ベクターにより形質転換された細胞(好
ましくは酵母、特に Candida utilis)。上記の形質転
換細胞を培養し、この培養物中から、澱粉及びその分解
物の中から選ばれた基質に作用して糖受容体へのα‐1
→3結合のグルコース転移またはα‐1→3およびα‐
1→4結合のグルコース転移を優先的に触媒する糖転移
酵素活性を有するタンパク質を採取することを特徴とす
る、糖転移酵素の製造法。上記の糖転移酵素を、澱粉お
よびその分解物から選ばれる基質と接触させることを特
徴とする、α‐1→3結合を分子内に含むニゲロオリゴ
糖の製造法。
Description
物の中から選ばれた基質に作用して糖受容体へのα‐1
→3結合、またはα‐1→3およびα‐1→4結合のグ
ルコース転移を優先的に触媒する糖転移酵素の遺伝子に
関するものであり、より具体的には、例えば澱粉及びそ
の分解物の中から選ばれた基質の非還元末端グルコース
部の3位に、グルコース単位をα‐1→3結合する糖転
移活性を有し、α‐1→3結合を分子内に含む糖類、特
にニゲロース(3‐O‐α‐D‐グルコピラノシルグル
コース)等のオリゴ糖を生成する活性を有する糖転移酵
素の遺伝子に関するものである。
スミド、該プラスミドにより形質転換された生物(微生
物、動植物細胞など)、該形質転換体を用いた糖転移酵
素の製造法、該組換え酵素を用いた糖類の製造方法、特
にニゲロース、ニゲロシルグルコース、ニゲロシルマル
トース等のニゲロオリゴ糖の製造方法および遺伝子組換
えによって得られる上記転移酵素に関するものである。
合を含む糖類、特にニゲロオリゴ糖を製造するうえで産
業上重要な酵素であり、本発明によって得られた形質転
換体は本酵素を著量に生産し、これら酵素を用いる産業
界(食品、医薬など)に大いに貢献するものである。
立体構造に応じ、従来から甘味料、医薬品、酵素の検定
用基質、あるいは種々の薬品中間体などの用途に使用さ
れている。天然のものに加え、これまでマルトオリゴ
糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、カップリ
ングシュガー等のオリゴ糖が開発されている。
コピラノシルグルコース)、ニゲロシルグルコース(3
‐O‐α‐D‐グルコピラノシルマルトース)等のα‐
1→3結合を分子中に有するニゲロオリゴ糖について、
免疫賦活活性(特開平9−52834号公報)等の生理
活性を有することが明らかにされた。また機能性食品素
材(特開平3−22958号公報)としての用途につい
ても注目され、本糖の安価な供給が望まれている。
蜂蜜、麹汁、ビール等に含まれることが知られている
が、天然には極く僅かにしか存在しない。また本糖の生
産方法としてはAspergillus niger の菌糸中に含まれる
3‐O‐α‐D‐グルコピラノシルグルコースを構成糖
として含むニゲランを部分酸加水分解する方法、あるい
はα‐1→3結合、α‐1→4結合を有するElsinoe 属
微生物産生の特種な多糖エルシナンをα‐アミラーゼで
酵素分解(特開昭55−19004号公報)する方法が
知られているが、本糖の安価な供給には至っていない。
また一般に利用可能な澱粉分解物等の基質から本糖を酵
素的または化学的に取得しようとする試みに関しても、
公知のα‐グルコシダーゼによる縮合、転移反応では本
糖は極く僅かしか生成しないほか(フジモト、H.、ニ
シダ、H.、及びアジサカ、K. 、:Agric.Biol.Che
m.、52、1345- 、1988)、Aspergillus oryz
aeの酵素による、マルトースからニゲロースの生成につ
いても学術報告はあるもののの、その生成量は少なく実
用上の価値は少なかった。
に属するある種の菌株が、優先的にα‐1→3結合への
転移反応を触媒する糖転移酵素を産生することを見いだ
しており、該酵素を用いて、適当な基質、特にマルトオ
リゴ糖に作用させ、α‐1→3結合を分子内に含むニゲ
ロース等のオリゴ糖を高収率で製造する方法を提案して
いる(特開平7−59559号公報)。
は、本酵素の大量取得が望まれる。従来の菌株育種方法
は、主として、紫外線や変異誘発剤によって得られる糖
転移酵素生産菌の変異株を選抜する方法に限られていた
ため、安定な変異体を単離するのが困難な場合もある。
また、従来法による育種の場合、好まざる形質変化を伴
うことも多い。
生産のためには、本酵素の遺伝子を取得し、遺伝子工学
的にそれを生産することが望まれる。さらに、遺伝子を
取得出来れば変異体を作成することにより、活性の高い
酵素を得ることができ、更には蛋白工学の技術を用い
て、耐熱性、耐pH性の向上、反応速度が増大された酵素
を得ることも期待できる。
先的にα‐1→3結合への転移反応を触媒する糖転移酵
素の部分アミノ酸配列情報をもとに、当該酵素の生産菌
(Ac remonium sp. S4G13)から調製したcDNAライブラリ
ーより当該酵素をコードする遺伝子を取得することに成
功し、さらに酵母等の微生物での発現にも成功した。本
発明はそれらの知見に基づいて完成されたものである。
従って本発明は該酵素の遺伝子を提供するものである。
さらに、該遺伝子を含む組換えプラスミド、該プラスミ
ドにより形質転換された生物、該形質転換体を用いた組
換え糖転移酵素及びその製造法、該組換え糖転移酵素を
用いた、α‐1→3結合を分子内に含む糖類、特にニゲ
ロオリゴ糖の製造方法を提供するものである。
は、澱粉及びその分解物の中から選ばれた基質に作用し
て糖受容体へのα‐1→3結合のグルコース転移または
α‐1→3およびα‐1→4結合のグルコース転移を優
先的に触媒する糖転移酵素活性を有するタンパク質をコ
ードする遺伝子であり、より具体的には、配列番号2の
アミノ酸番号1〜922で示されるアミノ酸配列または
アミノ酸番号30〜922で示されるアミノ酸配列と実
質的に同一のアミノ酸配列(該アミノ酸配列またはその
1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入もしくは
付加されたアミノ酸配列)を有し、かつ例えば、澱粉及
びその分解物の中から選ばれた基質の非還元末端グルコ
ース部の3位に、グルコース単位をα‐1→3結合する
糖転移活性を有し、α‐1→3結合を分子内に含むニゲ
ロース(3‐O‐α‐D‐グルコピラノシルグルコー
ス)等のオリゴ糖を生成する活性を有する糖転移酵素を
コードするDNA配列である。
配列を含む組換えプラスミドであり、本発明による形質
転換体は上記の組換えプラスミドにより形質転換された
細胞(微生物、動植物細胞等)である。
の形質転換細胞を培養し、この培養物中から、澱粉及び
その分解物の中から選ばれた基質に作用して糖受容体へ
のα‐1→3結合のグルコース転移またはα‐1→3お
よびα‐1→4結合のグルコース転移を優先的に触媒す
る糖転移酵素活性を有するタンパク質を採取することを
特徴とするものである。
記遺伝子の発現産物である。すなわち、本発明による糖
転移酵素は、配列番号2のアミノ酸番号1〜922で示
されるアミノ酸配列またはアミノ酸番号30〜922で
示されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を
有し、かつ澱粉及びその分解物の中から選ばれた基質に
作用して糖受容体へのα‐1→3結合のグルコース転移
またはα‐1→3およびα‐1→4結合のグルコース転
移を優先的に触媒する糖転移酵素活性を有するタンパク
質である。
分子内に含む糖類、特にニゲロオリゴ糖の製造方法は、
上記組換え糖転移酵素を、澱粉及びその分解物の中から
選ばれた基質と接触させる工程を含んでなるものであ
る。
及びその分解物の中から選ばれた基質に作用して糖受容
体へのα‐1→3(またはα‐1→3およびα‐1→
4)結合のグルコース転移を優先的に触媒する糖転移酵
素活性を有するタンパク質をコードするDNA配列であ
り、優先的にα‐1→3結合への転移反応を触媒する糖
転移酵素の部分アミノ酸配列情報をもとに、当該酵素の
生産菌(Ac remonium sp. S4G13)から調製したcDNAライ
ブラリーより当該酵素をコードする遺伝子を取得するこ
とに成功し、さらに酵母等の微生物での発現にも成功す
ることによって決定されたものである。
(後記する実施例6参照)で形質転換された、本発明糖
転移酵素を著量に発現する酵母キャンディダ・ユティリ
スIFO0988RNG11は、工業技術院生命工学技
術研究所に平成9年(1997年)6月5日に受託番号
FERM BP−5959の番号のもと寄託されてい
る。
およびα1→4結合)をもたらす糖転移酵素には互いに
性質の良く似た2種類の酵素が存在し、それぞれが分子
量が異なる2つのサブユニットから成ることが明らかに
されている。特定の蛋白質をコードする遺伝子を単離す
る場合、蛋白質の部分アミノ酸配列を決定し、その縮重
コドンからなる混合オリゴヌクレオチドをプロープとし
て遺伝子ライブラリーから単離することが可能である。
また、本発明において実施したようなPCRによる部分断
片の取得の後、その断片をプロープとして遺伝子ライブ
ラリーから単離することも可能である。しかしながら、
本酵素のように酵素が2種類のサブユニットからなるヘ
テロオリゴマー分子である場合、2つのサブユニットが
それぞれ異なる遺伝子に独立してコードされる可能性が
ある。また、それらがひとつの遺伝子から由来するにし
ても2つのサブユニットをコードする領域が構造遺伝子
のなかでどのような位置関係となっているかなどその構
造については予測ができない。
のペプチドマップがほぼ同一であることを明らかにし
た。この結果は2種類の酵素のポリペプチド部分が同一
であって、それらの分子量の違いは糖鎖修飾の差異によ
るものであることを示唆するものである。そして、この
うちの1つについて2つのサブユニット双方の部分アミ
ノ酸配列を決定した。さらにPCRによる部分断片の取得
の後、その断片をプロープとしたcDNAのクローニングに
成功し、遺伝子構造を解析することによってこれら2つ
のサブユニットが同一の遺伝子にコードされることを明
らかにした。すなわち、α1→3結合をもたらす糖転移
酵素は、それをコードする遺伝子から1つのポリペプチ
ドとして生成され、まず、1〜29番目のペプチド(シ
グナルペプチド)が除かれた後、さらに490番目のア
ミノ酸のC端側で切断されることにより2つの成熟型サ
ブユニットへとプロセスされていることが明らかにされ
た。
ードされる糖転移酵素は、配列番号2のアミノ酸番号1
〜922、または30〜490および490番目のアミ
ノ酸のC末端側でプロセシングを受けることにより生じ
た2つのサブユニットからなるものである。
DNA断片 本発明による糖転移酵素をコードしている遺伝子を含む
DNA断片の具体例としては、図2に示される制限酵素
地図で表されるDNA断片が挙げられる。この断片は、
Acremonium属に属する菌体、より好ましくはAcremonium
に属するS4G13株より調製されるmRNAを鋳型とした
cDNAライブラリーより単離することができる。Acremoni
umに属するS4G13株からのその好ましい単離法につ
いては後記する実施例において詳細に説明されている。
本発明による糖転移酵素遺伝子は、配列番号2(糖転移
酵素遺伝子から推定されるアミノ酸配列およびそれをコ
ードするDNAの塩基配列)のアミノ酸番号1〜922
もしくはアミノ酸番号30〜922で示されるアミノ酸
配列、または該アミノ酸配列において1もしくは複数
(たとえば1もしくは数個)のアミノ酸が置換、欠失、
挿入もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつ上記
の酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA配列
である。
よる糖転移酵素をコードするDNA配列の好ましい具体
例としては、配列番号1(糖転移酵素遺伝子の全長を含
むpNG3のEcoRI部位に挿入された断片の全塩基
配列)に示される塩基配列の120番目から2885番
目(配列番号2におけるアミノ酸番号1〜922に相
当)までの塩基配列および塩基配列の207番目から2
885番目(配列番号2におけるアミノ酸番号30〜9
22に相当)が挙げられる。
をコードする塩基配列は、いわゆるコドン表を参照して
決定することができる。よって配列番号2に示されるア
ミノ酸配列をコードする種々の塩基配列を適宜選択する
ことが可能である。本発明の好ましい態様において、配
列番号2のアミノ酸番号1〜922または30〜922
に示されるアミノ酸配列をコードするDNA配列 と
は、配列番号1に示される塩基配列の120番から28
85番または207から2885番の配列を有するも
の、およびその縮重関係にあるコドンが使用されている
部分以外は同一の塩基配列を有し且つ上記のアミノ酸を
コードする塩基配列、更には該配列において1もしくは
複数(たとえば1もしくは数個)のコドンが置換、欠
失、挿入もしくは付加された塩基配列をも包含するもの
である。配列番号1に示される塩基配列の120番から
2885番または207から2885番までの配列を有
するDNA断片は塩基配列が決定されていることから、
そのDNA断片を取得する一つの手段は核酸合成の手法
たとえば、DNA/RNAシンセサイザー(モデル39
2,アプライドバイオシステムズ)を用い、そのマニュ
アルに記載の方法に従って製造することができる。また
この配列は、前記したAcremonium属に属する菌体、より
好ましくはAcremoniumに属するS4G13株から遺伝子
工学的な手法を用いて得ることが出きる。例えば、Mole
cular Cloning: A Laboratory Manual (Sambrook、 Mani
atis ら、 Cold Spring Harbour Laboratory Press(198
9))などに記載の方法で好ましく行なうことができる。
具体的な方法は、後記する実施例に詳細に説明されてい
る。
を特徴とするものである。すなわち、澱粉及びその分解
物の中から選ばれた基質に作用して糖受容体へのα‐1
→3(またはα‐1→3およびα‐1→4)結合のグル
コース転移を優先的に触媒する活性である。より具体的
には、例えば澱粉及びその分解物の中から選ばれた基質
の非還元末端グルコース部の3位に、グルコース単位を
α‐1→3結合してα‐1→3結合を分子内に含むニゲ
ロース(3‐O‐α‐D‐グルコピラノシルグルコー
ス)等のオリゴ糖を生成する活性、で特徴付けられる。
従って本発明による糖転移酵素は、澱粉及びその分解物
から、α‐1→3結合を分子内に含むニゲロース(3‐
O‐α‐D‐グルコピラノシルグルコース)等のオリゴ
糖を生成することができる。
ミノ酸配列は、具体的には、配列表の配列番号2で示さ
れるアミノ酸配列のアミノ酸番号1〜922のアミノ酸
配列、または該アミノ酸配列において1もしくは複数
(1もしくは数個)のアミノ酸の挿入、置換、または欠
失、若しくは両末端への付加がなされたものであって、
且つ上記した糖転移酵素活性を依然として保持する、改
変された配列を包含するものとする。その改変配列にお
ける糖転移酵素活性の保持とは、その活性を利用した実
際の使用態様において、配列番号2に示される配列を全
て有するポリペプチドと、同一の条件でほぼ同様の利用
が可能な程度の活性が維持されていることをいうものと
する。このような改変された配列は、配列番号2に示さ
れている配列を参照すれば、当業者であれば格別の困難
なしに選択し、製造可能であることは明らかである。
表の配列番号2のアミノ酸番号30番から922番まで
に示されるアミノ酸配列が提供される。この配列は、本
酵素が培地に分泌される過程で、1〜29番に存在する
ペプチドが切断されることにより得られる場合のもので
あり、培地中に回収される酵素は、天然体であっても組
換え体であっても実質的にこの配列を含む(上記改変配
列を包含する)ものである。さらに前述のように、部分
アミノ酸配列分析、および遺伝子構造解析によって天然
体の2つのサブユニットが、前駆体ポリペプチドがその
490番目のアミノ酸のC末端側で切断されることによ
り生じたものであることが明らかにされている。従っ
て、本発明のもう一つの態様による糖転移酵素のアミノ
酸配列は、配列表の配列番号2で示されるアミノ酸配列
のアミノ酸番号30〜922のアミノ酸配列、または該
アミノ酸配列において1もしくは複数(1もしくは数
個)のアミノ酸の挿入、置換、または欠失、若しくは両
末端への付加がなされたものであって、且つ上記した糖
転移酵素活性を依然として保持する改変された配列を包
含するものとする。
ードされるタンパク質には、性質の良く似た2種類の酵
素が存在し、これらのペプチドマップがほぼ同一である
ことは前述したところであり、他方の酵素タンパク質は
上記改変配列に包含されるものである。なお、後述のよ
うに本発明遺伝子を酵母で分泌発現させた場合、この酵
素タンパク質は糖鎖が結合した形で得られ、糖鎖の切断
によって糖鎖のない酵素タンパク質とすることができる
が、これらも糖転移酵素活性を保持している限り本発明
の酵素に包含される。
に属するS4G13株は、本発明者らが群馬県の土壌か
ら分離した菌株であって以下のような性質を示すもので
ある。 (1)成育 麦芽寒天培地、ツアペック培地、オートミール培地、P
DA培地、MY培地での成育は緩やかであり、20℃
10日間で直径15−36mmに達する。集落は最初やや
黄色を帯びた白色で、後に淡橙色を呈する。
を呈する。成育はpH4〜10.5で最適pHは中性付近、
成育温度範囲は摂氏20〜35度で、最適成育温度は摂
氏25〜30度である。 (2)形態 菌糸の直径は0.5〜3.0μmで、無色で菌糸には隔壁
が認められる。 (3)分生子 分生子は亜球形(1〜2X4〜5μm)で、無色、球状
に塊る。分生子柄は無色で細長く先細りし、無分岐ある
いは輪生状に菌糸側面より突出している。
と、本菌はAcremonium属に属しており、Acremonium sp.
S4G13と命名した。本菌は平成5年8月2日付けにて工
業技術院生命工学工業技術研究所にFERM BP-4373として
国際寄託されている。本発明による糖転移酵素遺伝子
(DNA配列)の由来源としては、Acremonium属に属
し、かつまた上述の性能を有する真菌、例えばAcremoni
um sp. S4G13およびその変種がその代表例としてあげら
れる。
体を接種し、常法に従い培養すればよい。培地中には、
資化しうる炭素源及び窒素源を適量含有せしめると好ま
しい。この炭素源窒素源については、特に制限はない
が、例えば、コーングルテン、大豆粉、コーンスティー
プリカー、カザミノ酸、酵母エキス、ペプトン、肉エキ
ス等が挙げられる。
ド結合を有するポリサッカライドまたはオリゴサッカラ
イド、例えば澱粉やその分解物、加工物やマルトース、
マルトオリゴ糖などの資化し得るマルトオリゴ糖が挙げ
られる。中でも、マルトース、マルトオリゴ糖などが好
ましい。その他に、リン酸、Mg2+、Ca2+、Mn2+、
Co2+、Na+、K+等の無機塩や、さらに有機微量栄養
源を適宜培地中に添加することもできる。
転移酵素の製造 1)発現ベクター 本発明による糖転移酵素をコードするDNA断片を、宿
主細胞内で複製可能であるか、あるいは染色体に組み込
まれかつ同遺伝子が発現可能な状態で含むDNA分子、
特に発現ベクターの形態として宿主細胞の形質転換を行
なえば、宿主細胞において本発明による糖転移酵素を産
生させることができる。
よる糖転移酵素をコードする遺伝子を含んだDNA分
子、特に発現ベクターが提供される。このDNA分子
は、ベクター分子に本発明による糖転移酵素をコードす
るDNA断片を組み込むことによって得ることが出き
る。本発明の好ましい態様によれば、このベクターはプ
ラスミドである。
Molecular Cloning:A Labor
atory Manualに記載の方法に準じて行なう
ことが出きる。
用する宿主細胞の種類を勘案しながら、ウイルス、プラ
スミド、コスミドベクターなどから適宜選択できる。例
えば、宿主細胞が枯草菌の場合はpUB系のプラスミ
ド、大腸菌の場合はλファージ系のバクテリオファー
ジ、pBR、pUC系のプラスミド、酵母の場合はYE
p、YCp系、YIP系のベクター、あるいは後記する
実施例で使用されるpCRAL10、pCRAL11が
挙げられる。
ーを含むのが好ましく、選択マーカーとしては薬剤耐性
マーカー、栄養要求マーカー遺伝子を使用することがで
きる。
のDNA分子は、糖転移酵素遺伝子の発現に必要なDN
A配列、例えばプロモーター、ターミネーター、リボゾ
ーム結合部位、転写終結シグナルなどの転写調節信号、
翻訳調節信号などを有しているのが好ましい。
ズブチリシン、SPAC等のプロモーター、酵母ではアルコ
ールデヒドロゲナーゼ(ADH)、酸性フォスファターゼ
(PHO)、ガラクトース遺伝子(GAL)、グリセルアルデ
ビド3リン酸脱水素酵素遺伝子(GAP)等のプロモータ
ーが好ましく用いることができる。配列番号2に示して
いるアミノ酸配列のアミノ酸番号1番から922番まで
の配列にはシグナルペプチドを含んでおり、後記する実
施例で示すようにこの配列をそのまま、酵母由来のプロ
モーター、ターミネーターに挿入し酵母に導入して分泌
発現をさせることが出きる。シグナルペプチドの使用
は、培養上清からの精製も容易になるので好ましい。ま
た、シグナルペプチドを酵母由来のもの(たとえばイン
ベルターゼシグナル、酸性フォスファターゼシグナル、
α‐ファクターシグナルなど)に置き換えることも好ま
しい。また、大腸菌においては、一般に慣用されるlac
プロモーターを用いたところ目的の酵素は発現されなか
ったが、プロモーターとしてラクトースオペロン(lac
)、トリプトファンオペロン(trp )等を用い、シャ
ペロニンを同時に発現させる等の工夫をすれば発現が可
能になることも考えられる。
細胞に導入した形質転換細胞、および形質転換細胞を培
養して培養物から糖転移酵素を得る糖転移酵素の製造法
が提供される。
して一般的な方法を用いることができ、通常1〜4日程
度の培養により細胞内または細胞外の培養物中に糖転移
酵素が生成蓄積される。培養条件(培地、pH、温度
等)に関しては、例えば、細菌では25〜37℃、酵母
では25〜30℃、真核細胞では37℃程度が一般的で
あり、たとえば遺伝子発現実験マニュアル(講談社)等
を参照することができる。
菌、Candida utilis、Saccaromyces cerevisiae 、Pichi
a Pastoris等の酵母以外に、高等真核生物(例えばCH
O細胞など)を用いることができる。枯草菌としてはBa
cillus属に属する微生物を用いることが好ましい。該属
には蛋白質を菌体外へ分泌する株(たとえば、Baci llus
subtilisなど)が存在することが知られている。また
プロテアーゼを殆ど分泌しない株も知られており、この
ような株を宿主として用いることも好ましい。本発明に
おいては、宿主細胞として酵母または細菌が好ましい
が、酵母がより好ましく、特にCandida utilisが好まし
い。後記する実施例に示すように、食用酵母であるCand
ida utilisを宿主としてGAPプロモーターの支配下にこ
の遺伝子を発現させたところ、培地及びペリプラズム中
に高い酵素活性が認められた。酵母で発現させた場合、
糖鎖が結合した形で分泌されるが、必要に応じて切断酵
素(Endo-Hなど)により糖鎖を切断することができる。
さらに蛋白質の解析から、酵母においても天然型の酵素
同様、N端のシグナルの除去、ポリペプチド内部での切
断(サブユニットの形成)が生じることが明らかにされ
た。このことにより、組換え体において本発明遺伝子を
発現することによって活性型の本糖転移酵素を大量に生
産可能であることが示された。大腸菌を宿主とした場
合、本酵素は全く発現されなかったのに対して酵母では
発現した上、培地中に分泌された。さらにカビ(Acremo
nium S4G13株)と同一の部位でシグナルペプチドが切断
された上、酵素自体もSDS−PAGEでヘテロダイマ
ーになることが確認された。このことは、カビと同様に
内部配列がプロセシングを受けたと考えられ、全く予想
されないことであった。
組換え糖転移酵素の単離・精製には、公知の分離、精製
方法を適当に組み合わせて行なうことが出きる。これら
の分離、精製方法としては例えば塩沈殿、溶媒沈殿のよ
うな溶解性の差を利用する方法、透析、限外濾過、ゲル
濾過およびSDS−ポリアクリル電気泳動のような分子
量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィー
のような電荷の差を利用する方法、疎水クロマトグラフ
ィー、逆相クロマトグラフィーのような疎水性の差を利
用する方法、さらに等電点電気泳動のような等電点の差
を利用する方法等が挙げられる。具体的には、例えば実
施例7に記載のように糖転移酵素を精製できるが、一般
的な分離・精製法に関しては例えば蛋白質・酵素の基礎
実験法(南江堂)等を参照することができる。
1→3結合を分子内に含む糖類、特にニゲロース等のオ
リゴ糖の製造方法が提供される。すなわち、本発明によ
るオリゴ等の製造法は、上述のような本発明による糖転
移酵素を、澱粉およびその分解物から選択される基質に
作用させることを特徴とするものである。ここで澱粉の
分解物とは、アミロース及びアミロペクチンの分解物の
他、マルトオリゴ糖等をも包含するものである。基質と
しては澱粉、アミロースおよび/またはアミロペクチン
の分解物、マルトオリゴ糖等をそれぞれ単独で用いても
構わないが、α‐1→3結合を分子内に含むニゲロース
等のオリゴ糖の製造法の好ましい態様によれば、本発明
による組換え糖転移酵素とデンプン分解物、更に好まし
くはマルトオリゴ糖と混合し、接触させることにより、
α‐1→3結合を分子内に含むオリゴ糖(通常は種々の
重合度の混合物)を効率よく製造することができる。
ンプン分解物のグルコース重合度は特に制限されない
が、たとえば、α‐1→3結合を分子内に含むオリゴ糖
をシロップとして使用するのが一般的である食品の場合
には、重合度は2〜10程度、特定重合度・高純度品を
使用することを要求される医薬用途の場合には、所望の
オリゴ糖重合度・純度に適した基質の重合度・種類を選
択すれば良い。
酵素の形態(乾物、溶液など)やその他の反応条件によ
って大きく変化するが、通常糖転移酵素1Uに対して基
質0.0005〜0.5g、好ましくは糖転移酵素1U
に対して基質0.001〜0.1gである。また反応条
件に関しては、通常pH4〜10、好ましくは6〜9、
温度30〜65℃、好ましくは40〜60℃、反応時間
3〜96時間、好ましくは12〜48時間である。
は、糖受容体となる基質のグルコース重合度に依存し、
重合度の大きい基質を使用しても反応時間を長くすれば
重合度の小さいオリゴ糖を得ることもできるが、重合度
の小さいオリゴ糖を糖受容体として含む基質を使用すれ
ば、短時間でより効率的にα‐1→3結合含有の低重合
オリゴ糖を得ることができることはいうまでもない。
的のオリゴ糖は、通常の糖の分離精製法、たとえば脱
色、脱塩、濃縮糖を適宜組み合わせることにより精製す
ることができる。オリゴ糖の分離・精製の一般的方法に
関しては、例えば澱粉・関連糖質実験法(学会出版セン
ター)等を参照することができる。
明を更に具体的に説明するためのものであり、本発明が
以下の実施例の範囲のみに限定されるものではない。ま
た、操作手順は特に記載しない限りMolecular Cloning:
A Laboratory Manual (Sambrook、 Maniatis ら、 Cold
Spring Harbour Laboratory Press(1989))に記載の方
法に従った。また、以下の実施例に於て使用される本発
明糖転移酵素に特異的な活性測定方法は、本発明者らが
以前用いた方法に従った(特開平7−59559号公
報)。この活性測定方法の概要を示せば、以下の通りで
ある。
>特開平7−59559号公報に従い、酵素液0.2m
Lに対して2%マルトース(20mM リン酸ナトリウム pH
7.0に溶解したもの)0.4mLと40℃で1時間反応
させた。100℃5分で反応を停止した後、30U/m
Lのグルコアミラーゼ(生化学工業、1M酢酸ナトリウ
ムpH4.5に溶解したもの)0.1mLと40℃、2時間
反応させた。このサンプルについても100℃、5分で
反応を停止した後、以下の条件のHPLCで分析した。 カラム:Aminex HPX-42A(Bio-Rad) 移動相:超純水 カラム温度:80℃ 流速:0.6ml/min. 検出器:RI 上記条件下で、ピーク面積で全糖中1%のニゲロシルグ
ルコースを生成する酵素濃度を、1U/mLと便宜的に
定義した。 <本酵素のα‐グルコシターゼとしての活性測定方法>
特開平7−59559号公報と同様に行なった。即ち、
試験管にあらかじめ1.0mLの0.1Mリン酸緩衝液
pH7.0、および0.5mLの基質溶液(20mM
PNPG(シグマ)水溶液)を加え37℃5分間加熱を
行なった。その後、酵素溶液0.5mLを加え37℃で
15分間反応させた後、2.0mLの0.2M Na2
CO3溶液を加えて反応を停止させた。この溶液につい
て400nmの吸収の変化を測定し生成したp-Nitrophe
nol の量を測定し、1分間に1μMのp-Nitrophenol を
生成する活性を1unitと定義した。
分アミノ酸配列の決定 菌体の培養、および酵素精製は特開平7−59559号
公報に記載されている方法(実施例1〜4)に従った。
Acremonium sp. S4G13株(受託番号FERM BP-4373の
番号で工業技術院生命工学技術研究所に寄託されてい
る)において上記酵素は2種存在する。糖転移酵素
(1)、糖転移酵素(2)のそれぞれについて精製を行
なった。糖転移酵素(1)、糖転移酵素(2)の両者と
もSDS−PAGEでヘテロダイマーであり、分子量は
糖転移酵素(1)で約128000と約53000、糖
転移酵素(2)で約70000と約53000であっ
た。各糖転移酵素のそれぞれのサブユニット、計4サブ
ユニットについて、部分アミノ酸配列分析を岩松(生化
学 63、139〜143(1991))の方法によ
り、またN末端アミノ酸配列分析をMatsudaira T (J. B
iol.Chem. 262, 10035〜10038 ( 1987 ))の方法により
行なった。精製酵素を泳動用緩衝液(10%グリセロー
ル、2.5%SDS、2% 2−メルカプトエタノー
ル、62mMトリス塩酸緩衝液(pH6.8))に懸濁
させて、SDSポリアクリルアミド電気泳動に供した。
泳動後、エレクトロブロッティングにより当該酵素をゲ
ルより10cmX7cmのPVDF膜((ProBlo
t)アプライド バイオシステムズ)へ転写した。エレ
クトロブロッティング装置としてはザルトブロットII
s型(ザルトリウス社)を用い、(島津製作所編の(プ
ロテインシーケンサの試料前処理方法について(1))
にしたがって、エレクトロブロッティングを160mA
で1時間行なった。転写後、当該酵素の転写された部分
の膜を切り取り、その一部を直接気相プロテインシーク
エンサーで分析し、N末端アミノ酸配列を決定した。ま
た残りの膜は約300μlの還元用緩衝液(8M グア
ニジン塩酸、0.5M トリス塩酸緩衝液(pH8.
5)、0.3%EDTA、2%アセトニトリル)に浸
し、1mgのジチオスレイトール(DTT)を加え、ア
ルゴン下で25℃、約1時間の還元を行なった。これに
3.0mgのモノヨード酢酸を0.5N水酸化ナトリウム
液10μlに溶かしたものを加え、遮光下で20分攪拌
した。PVDF膜をとりだし、2%アセトニトリルで充
分洗浄した後、0.5%ポリビニルピロリドン−40を
含む100mM酢酸に浸し、30分間静置した。このの
ち、PVDF膜を水で充分洗浄し、1mm四方に切断し
た膜を消化用緩衝液(8%アセトニトリル、90mMト
リス塩酸緩衝液(pH9.0))に浸し、アクロモバク
タープロテアーゼI(和光純薬)を1pmol加え、室
温で15時間消化した。その消化物をC18カラム(和
光純薬Wakosil AR II C18 300オングストローム 2.0X15
0mm )を用いた逆相高速液体クロマトグラフィー(日立
L6200)により分離し、各サブユニットについて
10種類のペプチド断片を得た。ペプチドの溶出溶媒と
してはA溶媒(0.05%トリフルオロ酢酸)、B溶媒
(0.02%トリフルオロ酢酸を含む2−プロパノール/
アセトニトリル 7:3)を用い、溶出はB溶媒に関
し、2〜50%の直線濃度勾配で0.25mL/minの
流速で40分間溶出させることにより行なった。糖転移
酵素(1)と糖転移酵素(2)のペプチドマップに差が
観察されなかった為、糖転移酵素(1)と糖転移酵素
(2)の違いは糖鎖の修飾等の違いによるものと予想し
た。そこで、糖転移酵素(2)についてのみ、得られた
断片化ペプチドについてアミノ酸配列分析を行なった。
分子量約70000の断片を2−AP、分子量約530
00の断片を3−APと命名した。得られた断片化ペプ
チドについてのアミノ酸配列決定試験を、気相プロテイ
ンシークエンサーPPSO−10型(島津製作所)を用
いマニュアルに従って自動エドマン分解法により行なっ
た。以下に得られた部分アミノ酸配列、およびN末端ア
ミノ酸配列を記す。部分アミノ酸配列に用いたアクロモ
バクタープロテアーゼIはリジン残基のカルボキシル基
側を特異的に切断する為、以下の配列にN末端側に括弧
書きでK(リジン)を記す。2-AP-8はN末端アミノ酸配
列であることが判明したため、括弧書きのK(リジン)
を除いた。2−APの消化物については、C18カラム
(ジーエルサイエンス Inertsil ODS-3 0.5x40mm)を用
いた逆相高速液体クロマトグラフィー(日立 L6200)
をオンライン化した質量分析機(PE Sciex API−II
I)で質量分析も合わせて行なった。この際の逆相高速
液体クロマトグラフィーの結果を図1に、また断片化ペ
プチドの質量分析結果を表1に示す。 表 1 断片化ペプチドの質量分析 ピークNo. 測定分子量 理論分子量 △ AP1 3020.8 3021.4 +0.6 AP2.3 4167.2 4166.9 −0.3 AP4 4049.0 4048.8 −0.2 AP5 2072.5 2072.1 −0.4 AP6 2631.0 2631.3 +0.3 ピークNo. アミノ酸配列 AP1 AVEEYGEIAGRPPMQPYWGLGFHQBK AP2.3 GFPPTPPPVREPPRELPGFABVLQPEGTEBEDGETAGSS AP4 DVSSBPGYAASNVQVSDTGLTADLTLAGEPBDAYGEDLK AP5 DLILEVTYETENRLHVK AP6 YLEYNTLGGVLDFYFFVGDSPSK Bはカルボキシメチルシステインを表す。なお、表1に
おけるアミノ酸配列中の各アミノ酸の略号は、B以外は
IUPAC−IUBに基づくものである。表1中、得ら
れた質量のうち、質量(M+H+)4167.2を有する
断片はAP2.3の分子量にほぼ一致し、そのC末端に
K(リジン)を有さないことから、この断片化ペプチド
が2−APのサブユニットのC末端断片であると推定し
た。すなわちアクロモバクタープロテアーゼIで消化し
た断片は、その酵素の基質特異性により、サブユニット
自身のC末端断片以外の断片はK(リジン)がC末端ア
ミノ酸残基となるためである。またN末端アミノ酸配列
の決定は2−APについてのみ行なった。 ・部分アミノ酸配列 2-AP-2 (K) AVEEYGEIAGRP 2-AP-4 (K) AVEEYGEIAGRPPMQPYWGLGFHQCK 2-AP-5 (K) GFPPTPPPVREPPRELPG 2-AP-8 DVSSCPGYAA 2-AP-9 (K) DLILEVTYETENRLHV 2-AP-10 (K) YLEYNTLGGVLDFYF 2-AP-11 (K) YGYQDAFMVAEVVY 3-AP-1 (K) SFTAGGR 3-AP-2 (K) AAFRDDWNADK 3-AP-3 (K) EIVVEVG 3-AP-5 (K) GELYIDDGESLEQ 3-AP-6 (K) GLPGRDLLYPEYAIHNK 3-AP-8 (K) FELLVALDND 3-AP-9 (K) QSEQGTPAVVPMFYVFPEDK 3-AP-10 (K) GTLELENQYFYGPGVLVAP 3-AP-11 (K) FEYAHGVVTLDGEFSED ・N末端アミノ酸配列(2−AP) DVSSCPGY
NAライブラリーの作製 特開平7−59559号公報に記載の方法(実施例1)
に従って、Acremoniumsp. S4G13株の菌体を取得した。
菌体11.8gよりRNA Extraction Kit(Pharmacia Bio
tech)を用いてトータルRNAを抽出した。抽出したトー
タルRNAからmRNAPurification Kit (Pharmacia Biotec
h)を用いてmRNAを精製した。mRNAよりoligo(dT)をプ
ライマーとしてSuperScriptTM Choice System for cDNA
Synthesisキット(GIBCO BRL)を用いてcDNAを合成しE
coRIアダプターを接続し、EcoRIで消化したλZipLoxTM
(GIBCO BRL)に接続(ライゲーション)した。Gigapac
kIII Gold(Stratagene)を用いてパッケージングを行
いライブラリーを完成させた。
ング 2‐AP‐4、2‐AP‐5、3‐AP‐6、3‐AP
‐9の部分アミノ酸配列を基にそれぞれセンスプライマ
ー、アンチセンスプライマーを設計し、実施例2で得た
mRNAを鋳型として12通りのRT‐PCRを行なっ
た。このうち2‐AP‐4(センスプライマー)、2‐
AP‐5(アンチセンスプライマー)の組み合わせ以外
に驚くべきことに、2‐AP‐4(センスプライマ
ー)、3‐AP‐6(アンチセンスプライマー)の組み
合わせにも増幅断片が認められた。以下に2‐AP‐4
(センスプライマー)、3‐AP‐6(アンチセンスプ
ライマー)の配列を示す。使用している記号は全てIU
PAC−IUBに基づく。 2-AP-4 KAVEEY AARGCNGTNGARGARTAY(センスプライマー) 3-AP-6 YAIHNK TTRTTRTGDATNGCRTA(アンチセンスプライマー) 上記プライマーを用いたRT−PCRの条件を以下に示
す。逆転写反応はランダムプライマー(宝酒造)を用い
て、逆転写酵素はSuper Script TM RNaseH Reverse Tra
nscriptase (GIBCO-BRL)を用い、添付のバッファーを用
いて行なった。PCRの条件は95度30秒、50度1
分、72度1分 で25サイクル行なった。結果約0.
9kbの断片が増幅された。この断片についてTAクロ
ーニングキット(Invitrogen)を用いてpT7Blueにサブ
クローニングを行なった。この断片について塩基配列を
オートシークエンサーABI370A(アプライド・バ
イオシステムズ)を用いて両側から決定し、アミノ酸配
列に変換したところ2-AP-4、3-AP-6と共に2-AP-11の配
列が存在し、この断片が糖転移酵素遺伝子の一部である
ことを確認した。又、同時に本酵素の2つのサブユニッ
トはそれぞれ同一の遺伝子にコードされていることを確
認した。上記約0.9kbの断片をプローブとしてスク
リーニングに用いた。プローブはMegaprime DNA labell
ing systems(Amersham)を用いα−32P d
CTP(110TBq/mmol)でラベルを行ない、
ライブラリーより約50.000クローンからプラークハイブ
リダイゼーションを行ない、22個のポジティブクローン
を得た。3個のクローン(No.3,6,21)について2次ス
クリーニングを実施してシングルプラークを得た。これ
らのクローンについて制限酵素解析を行なった結果を図
2に示す。No.3クローンのみ上流領域を長く含むクロー
ンであった為、このクローンについて解析を行なった。
この約3kbのEcoRI断片についてはpUC118(宝酒造)のE
coRI部位に挿入した。このプラスミドをpNG3と命名する
(図3)。挿入されていた約3kbのEcoRI断片につい
て塩基配列の決定を行なった。すなわち、pBluescriptI
I KS+ (Strategene)、またはpUC118(宝酒造)に細分化し
た断片をサブクローニングし、さらにエキソヌクレアー
ゼIIIおよびマングビーンヌクレアーゼを用いた連続し
た欠失変異体を作製することにより、種々の変異欠失を
もつプラスミドを作製し、2985bpからなるEcoRI断片の
配列を決定した(配列番号1)。予想される構造遺伝子
の領域の解析を行なったところ、922個から構成される
アミノ酸配列をコードするオープンリーディングフレー
ムが存在し(配列番号2)。このアミノ酸配列が決定し
た部分アミノ酸配列の全てを含んでいることを確認し
た。また決定したN末端アミノ酸配列も含んでいること
を確認した。
ディングフレームの取得 実施例3で確認した922アミノ酸をコードしているオー
プンリーディングフレームについて、5’上流側にXbaI
サイト、3’側にBglIIサイトを付加し、pNG3を鋳型と
してPCRを行ない増幅断片を得た。以下にセンス、ア
ンチセンスのプライマー配列を記す。 NigeNF(センスプライマー) GGTCTAGATATGGCTTTGTG
GGGGGCC Nige-R (アンチセンスプライマー)CCAGATCTCCTAGT
GCCTACCCTTTAATTTT pUC12のHindIII、PstI部位をクレノウでブラントにした
後、BglIIリンカー(GAGATCTG)を挿入しpUC12Bglを作
製した。プライマーNigeNF とNige-Rを用いてpNG3から
増幅させた断片をpUC12BglのXbaI、BglII部位に挿入
し、pUC12NigeSと命名した。pUC12NigeSはL
acZとの融合蛋白として糖転移酵素を発現できるよう
に設計されている。本プラスミドを用いて大腸菌(DH
5(東洋紡績))の形質転換を行なった。得られたクロ
ーンについて3mlの2xYT培地(100μg/ml
のアンピシリンを含む)で37℃12時間培養を行なっ
た。菌体を1500gで10分間遠心を行ない回収し
た。この菌体について、200μlの50mM Tri
s‐HCL(pH7.5)を加えて超音波破砕(トミ
ー、モデルUR‐20P)を行なったのち再度1500
0gで10分間遠心を行ない、上清を粗酵素とした。H
PLCを用いた糖転移酵素の測定を行なったが、本糖転
移酵素活性を確認することはできなかった。
ターミネーターを含む糖転移酵素発現プラスミドの構築 キャンディダ・ユティリスのグリセルアルデヒド3リン
酸デヒドロゲナーゼ(GAP)遺伝子のプロモーター、タ
ーミネーター断片は、それぞれJ.Bacteriol.177:7171-7
177(1995)記載の方法に従って得たCandida utilis IFO0
988株由来のゲノムDNAを鋳型としてPCRにより取得し
た。プロモーターとしては、開始コドン上流-976から開
始コドン直前-1までの974bpの断片(開始コドンAを+1
とする)を以下のプライマーを用いて取得した。 5′-AGCGGCCGCTAGCTTACAGCGAGCACTCAAATCTGCCC-3′ 5′-GGGATCCTCTAGATATGTTGTTTGTAAGTGTGTTTTGTATC-3′ これらプライマーにおいては5’側プライマー末端にNo
tIサイト、3’側開始コドン直前にXbaIとBamHIサイト
をそれぞれ付加して合成した。また、ターミネーターと
しては、終止コドン直後+1006から+1728までの723bpの
断片を取得した。プライマーとしては、 5′-GGGGATCCATTGTATGACTTTTATTTATGG-3′ 5′-CCCTGCAGGGATAAAGCTGAAGAATAAT-3′ を用い、5’側終止コドン直後にはBamHIサイト、3’
側にPstIサイトを付加して合成した。得られた2つの増
幅断片はTAクローニングキット(Invitrogen社)を用
いてpT7Blueにクローニングした。これら2つの断片は
それぞれ、NotI-BamHI断片と、BamHI-PstI断片として取
得した後、pBluescriptSK-のNotIとPstI間にクローニン
グして、プラスミドpGAPPT10を構築した。pUC12NigeSに
ついてはインサート領域をpGAPPT10のXbaI,BamHI部位に
挿入しpGAPNG1を作製した(図4)。
rDNA遺伝子座をターゲットとしたキャンディダ・ユテ
ィリス組み込み用糖転移酵素発現ベクターの構築 プラスミドpCLRE2(J.Bacteriol、177:7171-7177、95)から
ApaI分解により得られるribosomal DNAを含む約1.2kbの
断片をpBluescriptSK-のApaIサイトにクローン化してプ
ラスミドpCRA1を構築した。次にpCRA1をXhoIで分解後、
クレノウ酵素処理により平滑末端とし、SphIリンカー
(5′GGCATGCC3′)を付加してpCRA2を作製した。ま
た、pCRA1をAsp718で分解後、クレノウ処理により平滑
末端とし、NotIリンカー(5′AGCGGCCGCT3′)を付加し
てpCRA3を作製した。このプラスミドをNotIとBglIIで分
解することにより、0.5kbと0.7kbのNotI-BglII断片を回
収した。一方、pUC19 をHindIIIとEcoRIとで分解した
後、クレノウ処理によりそれぞれを平滑末端とした後Bg
lIIリンカー(5′CAGATCTG3′)を連結して構築したプ
ラスミドpUCBglをBglII分解した後、2種類のNotI-BglI
I断片をクローニングしてpCRA10を構築した(図5)。
また、マーカー遺伝子とするシクロヘキシミド耐性型L
41遺伝子に関しては、染色体に組み込まれるベクター
のコピー数をコントロールするために、プロモーターの
長さの異なる2種類の断片をPCRにより取得した。すな
わち、-405から+974までの断片と-184から+9
74までの断片の2種類を取得した(開始コドンATGのA
を+1とする)。この際、遺伝子の5’側プライマー末
端にはPstIサイトを付加し、3’側プライマー末端には
SalIサイトをもつ様にデザインした。PCRに用いたプラ
イマーの配列は、L41遺伝子の5’側プライマーとし
て、 5′-CCTGCAGGAAACGTAAACAAAGAGGTTTCA-3′ 5′-CCTGCAGGCCCACGCAACACCTGGTGTCTG-3′ 3’側プライマーとして、 5′-GGTCGACTCGCTTTTGTGCGTGTGTGCATT-3′ である。また、鋳型としてはpCLRE2を用いた。2つの増
幅断片はTAクローニングキット(Invitrogen社)を用
いてプラスミドpT7Blueにクローニングした。構築した
それぞれのプラスミドからこれら2種類の断片をPstI-S
alI断片として切り出してpCRA10に連結することによ
り、長いL41遺伝子断片を含むプラスミドpCRAL10と短い
L41遺伝子断片を含むプラスミドpCRAL11とを構築した
(図5)。これらのプラスミドpCRAL10とpCRAL11におい
ては組み込みのターゲット配列となるrDNA断片が2分割
され、その間にAmp耐性遺伝子を含むpUCプラスミド由来
の配列を組み込んだ構造となっている。このベクター
は、BglIIサイトで分解してから形質転換に用いるた
め、形質転換体にはターゲットDNA配列とその間のマー
カー遺伝子が組み込まれるが、pUCプラスミド由来のDNA
配列は組み込まれないという特徴を有する。pGAPNG1よ
りNotI-PstI断片として発現カセットを回収し、pCRAL1
0、pCRAL11のNotI、PstI部位に挿入し、pRNG10、pRNG11
を構築した(図6)。
・ユティリスでの発現、および同組換え糖転移酵素を用
いたニゲロオリゴ糖の製造 プラスミド、pRNG10、pRNG11、pCLRE2について各10μ
g、BglIIで分解した後、キャンディダ ユティリ
スATCC9950株を形質転換した。形質転換は電気
パルス法(WO/95/32289号実施例10参照)に
より行なった。パルス条件は電気容量を25μF、抵抗
値を1000オーム、電圧を5KV/cmとして行なっ
た。pRNG10、pRNG11由来の株について1株ずつそれぞれ
IFO0988RNG10株、IFO0988RNG1
1株と命名した。そして、菌体内、培養上清、およびペ
リプラズムの3画分について糖転移酵素の活性確認を行
なった。10mLのYPD培地(40μg/mLシクロヘキ
シミドを含む)で30度3日間培養した菌について、1
500g、5分間、4度で遠心を行い培養上清と菌体を
分離し、菌体は蒸留水で洗浄した。菌体についてバイオ
マニュアルシリーズ、酵母による遺伝子実験法(羊土社
p128〜130)の方法に準じて菌体内、およびペリプラ
ズムに分画した。すなわち50mM Tris-HCl pH 7.5 5mM M
gCl2 3mM DTT 1Mソルビトール1mM PMSFバッファーを2
倍量(1mL)加え、よく懸濁した。200μL(5m
g/mL)のザイモリエース100T(生化学工業)を加え
て30度1時間保温した後、1500g、5分間、4度
で遠心を行なった。沈殿について上記バッファー1mL
での洗浄を3回繰り返し、これら上清画分をペリプラズ
ム画分とした。沈殿については500μLのグラスビー
ズを加え、ボルテックスを行ない50mM Tris-HCl pH 7.5
で3回抽出し、遠心した上清を菌体内画分とした。活
性測定は前記HPLCを用いた方法にしたがった。ポジティ
ブコントロールであるAcremonium培養上清より精製した
酵素(特開平7−59559号公報実施例1参照)と反
応させたサンプルと同様に、IFO0988RNG10
株、IFO0988RNG11株についても培養上清画
分、およびペリプラズム画分と反応させたサンプルから
ニゲロース、ニゲロシルグルコース、ニゲロシルマルト
ースと一致するピークが得られた。図7に以下の条件で
IFO0988RNG11株の培養上清画分とマルトー
スとを反応させ、グルコアミラーゼで処理した反応液の
HPLCチャートを示す。酵素液20μLに対して2%マル
トース(20mM リン酸ナトリウム pH7.0に溶解したも
の)40μLと40℃で1時間反応させた。100℃5
分で反応を停止した後、30U/mLのグルコアミラー
ゼ(生化学工業、1M酢酸ナトリウムpH4.5に溶解した
もの)10μLと40℃、2時間反応させた。このサン
プルについても100℃、5分で反応を停止した後、以
下の条件のHPLCで分析した。 カラム:Amide-80(東ソー) 移動相:65%アセトニトリル カラム温度:30℃ 流速:1ml/min. ネガティブコントロールである、シクロヘキシミド遺伝
子のみを含むpCLRE2で形質転換した株の培養上清を用い
たものからは対応するピークは検出されなかった。そこ
でIFO 0988RNG11株の培養上清を7倍濃縮
し、脱塩をおこなったものを粗酵素として、10%マル
トースと反応させ、ニゲロシルグルコースに対応するピ
ークを上記条件のHPLCを用いて分取した。分取したサン
プルをエバポレーターで濃縮したものについて1H、
13C−NMR分析により、これがニゲロシルグルコー
スと一致することを確認した。表2に培地1mLあたり
の本糖転移酵素の活性(生産量)を示す。なお、培養上
清についてα‐グルコシダーゼとしての活性を測定した
ところ1.3×10-3u/mlであった。 表 2 IFO 0988RNG11株由来の本発明糖転移酵素の活性量 HPLCのピークから求めた酵素活性 培養上清 24.5(u/ml) 菌体内 0.00(u/ml) ペリプラズム 41.2(u/ml) また培養上清を14倍濃縮したもの、ポジティブコント
ロールであるAcremoniumより精製した酵素、及びネガテ
ィブコントロールであるpCLRE2で形質転換した株
の培養上清を14倍濃縮したものについて、EndoHで処
理し(生化学工業、プロトコールに従って処理を行なっ
た)、SDS-PAGEを行なったところ、遺伝子から予想され
る位置にIFO0988RNG11株由来の組換え糖転
移酵素はポジティブコントロールであるAcremonium由来
の精製酵素とほぼ完全に一致してバンドが現われた(図
8)。本酵素はAcremoniumに於ては、プロセシングを受
けるが、組換え体に於ても同様なプロセシングを受ける
ことを確認した。またIFO0988RNG11株培養
上清由来の組換え糖転移酵素についても実施例1の方法
に従って、N末端アミノ酸配列を決定したところ、Acre
moniumより精製した酵素のアミノ酸配列と同一であるこ
とを確認した。
成に重要な糖転移酵素および該酵素タンパク質をコード
するDNA配列、このDNA配列を含む発現ベクターお
よび形質転換体、該形質転換体を用いた糖転移酵素の製
造法、該糖転移酵素を用いたニゲロオリゴ糖の製造法が
提供された。本発明において、同一機能を有する2種類
の酵素のペプチドマップの近似性、上記糖転移酵素の全
アミノ酸配列、該酵素の2つのサブユニットのアミノ酸
配列が明らかにされた。また、上記の酵素タンパク質を
コードする遺伝子の塩基配列、および上記2つのサブユ
ニットが同一の遺伝子によってコードされていることが
明らかにされた。このことは、酵素が2種類のサブユニ
ットからなるヘテロオリゴマー分子の場合、2つのサブ
ユニットがそれぞれ異なる遺伝子に独立してコードされ
る可能性があり、また、たとえそれらが一つの遺伝子に
由来するとしても、2つのサブユニットをコードする領
域が構造遺伝子の中でいかなる位置関係になっているか
など、その構造については予測ができないことからすれ
ば、思いがけなかったことと解される。本発明によれ
ば、ニゲロオリゴ糖の生成に重要な糖転移酵素タンパク
質をコードする遺伝子の取得および酵母等の微生物での
発現(糖転移酵素の産生)に成功し、本発明DNA配列
を含む形質転換体により、該糖転移酵素を著量に製造す
ることができる。特に、食用酵母であるCandida utilis
を宿主としてGAPプロモーターの支配下にこの遺伝子
を発現させると著しく高い酵素活性が認められる。大腸
菌を宿主としてDH5を使用した場合には酵素は全く発
現せず、本発明糖転移酵素遺伝子のシグナル配列が、カ
ビ(Acremonium)のみならず酵母でも正しく機能して著
量の糖転移酵素の菌体外分泌を達成することが可能であ
ったこと、また該酵素自体もヘテロダイマーになること
が確認されたことは予測のできなかったことである。
ィーの結果を示した図である。
素地図である。
地図である。
ある。
の構築を表す図である。
築を表す図である。
を行なったキャンディダ・ユティリス(IFO0988
RNG11株)の培養上清とマルトースとを反応させた
後、グルコアミラーゼ処理を行ないHPLC分析を行な
った際のチャートを示す図である。
素、プラスミド pCRAL11を用いて形質転換を行
なったキャンディダ・ユティリス(IFO0988RN
G11株)の培養上清を14倍濃縮したもの、及びネガ
ティブコントロールであるプラスミドpCLRE2を用
いて形質転換を行なったキャンディダ・ユティリスの培
養上清を14倍濃縮したもの、およびそれらをEndo
‐H処理したもののSDS‐PAGEの電気泳動図(写
真)である。マーカーはSDS‐PAGEスタンダード
ブロードレンジ(BIO‐RAD)を用いた。
Claims (12)
- 【請求項1】配列番号2のアミノ酸番号1〜922で示
されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列において1
もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入もしくは付
加されたアミノ酸配列を有し、かつ澱粉及びその分解物
の中から選ばれた基質に作用して糖受容体へのα‐1→
3結合のグルコース転移またはα‐1→3およびα‐1
→4結合のグルコース転移を優先的に触媒する糖転移酵
素活性を有するタンパク質をコードするDNA配列。 - 【請求項2】配列番号2のアミノ酸番号30〜922で
示されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列において
1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入もしくは
付加されたアミノ酸配列を有し、かつ澱粉及びその分解
物の中から選ばれた基質に作用して糖受容体へのα‐1
→3結合のグルコース転移またはα‐1‐3およびα‐
1→4結合のグルコース転移を優先的に触媒する糖転移
酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA配列。 - 【請求項3】請求項1または2に記載のDNA配列を含
有する組換えプラスミド。 - 【請求項4】請求項3に記載のプラスミドにより形質転
換された細胞。 - 【請求項5】宿主細胞が酵母である、請求項4記載の形
質転換細胞。 - 【請求項6】酵母がCandida utilisである、請求項5記
載の形質転換細胞。 - 【請求項7】構造遺伝子として請求項1または2に記載
のDNA配列を、プロモーターとしてグリセルアルデヒ
ド3リン酸脱水素酵素遺伝子のプロモーターを含有する
組換えプラスミドにより形質転換されたCandida utili
s。 - 【請求項8】請求項4〜7のいずれか1項に記載の形質
転換細胞を培養し、この培養物中から、澱粉及びその分
解物の中から選ばれた基質に作用して糖受容体へのα‐
1→3結合のグルコース転移またはα‐1→3およびα
‐1→4結合のグルコース転移を優先的に触媒する糖転
移酵素活性を有するタンパク質を採取することを特徴と
する、糖転移酵素の製造法。 - 【請求項9】形質転換細胞が、構造遺伝子として請求項
1または2に記載のDNA配列を、プロモーターとして
グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素遺伝子のプロモ
ーターを含有する組換えプラスミドにより形質転換され
たCandida utilisである、請求項8記載の糖転移酵素の
製造法。 - 【請求項10】遺伝子組換え法によって得られ、配列番
号2のアミノ酸番号1〜922で示されるアミノ酸配
列、または該アミノ酸配列において1もしくは複数のア
ミノ酸が置換、欠失、挿入もしくは付加されたアミノ酸
配列を有し、かつ澱粉及びその分解物の中から選ばれた
基質に作用して糖受容体へのα‐1→3結合のグルコー
ス転移またはα‐1→3およびα‐1→4結合のグルコ
ース転移を優先的に触媒する糖転移酵素活性を有するタ
ンパク質。 - 【請求項11】遺伝子組換え法によって得られ、配列番
号2のアミノ酸番号30〜922で示されるアミノ酸配
列、または該アミノ酸配列において1もしくは複数のア
ミノ酸が置換、欠失、挿入もしくは付加されたアミノ酸
配列を有し、かつ澱粉及びその分解物の中から選ばれた
基質に作用して糖受容体へのα‐1→3結合のグルコー
ス転移またはα‐1→3およびα‐1→4結合のグルコ
ース転移を優先的に触媒する糖転移酵素活性を有する、
遺伝子組換えタンパク質。 - 【請求項12】請求項10または11に記載の糖転移酵
素活性を有するタンパク質を、澱粉およびその分解物か
ら選ばれる基質と接触させることを特徴とする、α‐1
→3結合を分子内に含む糖類の製造法。
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---|---|---|---|
JP16311097A JP4108154B2 (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | α‐1→3結合含有糖類生成酵素遺伝子およびその使用 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH119276A true JPH119276A (ja) | 1999-01-19 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019521660A (ja) * | 2016-06-02 | 2019-08-08 | ネステク ソシエテ アノニム | αグルカン |
-
1997
- 1997-06-19 JP JP16311097A patent/JP4108154B2/ja not_active Expired - Fee Related
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