JP2777958B2 - MboI制限・修飾系酵素遺伝子及び製造方法 - Google Patents
MboI制限・修飾系酵素遺伝子及び製造方法Info
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Description
有用な制限酵素及び修飾酵素に関し、更に詳細にはMb
oI制限酵素及び修飾酵素及びその製造方法に関する。
年にモラキセラ ボヴィス( Moraxella bovis )ATC
C10900より単離され、その生化学的研究がなされ
てきた。MboI制限・修飾系酵素は、DNAを切断す
る活性を有するMboI制限酵素とMboI制限酵素に
よる切断よりDNAを保護するMboI修飾酵素により
構成される。MboI制限酵素は、典型的II型制限酵素
であり、DNA塩基配列中二回転対称構造の4塩基から
なる配列(5′−GATC−3′)を認識し、その認識
配列のGの5′側を、5′突出となるように切断する酵
素である。一方、MboI修飾酵素は、MboI制限酵
素の上記認識配列のAをメチル化することにより、Mb
oI制限酵素による切断よりDNAを保護する機能を有
する酵素である。 従来から知られているMboI制限
酵素の製造方法としては、ゲリナス( Gelinas )の方法
がある。ゲリナスは、前出の Moraxella bovis ATC
C10900(以下、Mbo菌と略記する)より回収す
る方法を確立している。当該方法はジャーナル オブ
モレキュラー バイオロジー( Journal ofMolecular B
iology ) 第114巻、第169頁(1977)に記載
されている。MboI修飾酵素の製造方法については、
いまだ詳細な確立した方法の報告はない。しかしなが
ら、Mbo菌より得られるMboI制限酵素及びMbo
I修飾酵素の含量は少なく、両酵素を大量に得ることは
困難であった。また、Mbo菌は、MboI制限酵素及
び修飾酵素のほか、MboII制限酵素及び修飾酵素も同
時に生産するため、MboI制限酵素及び修飾酵素のみ
を製造するための操作は煩雑であった。一方、MboII
制限・修飾系酵素の遺伝子の単離及び当該遺伝子を種々
のベクターに結合してクローニングする方法については
ボクラゲ( Bocklage) 等によってヌクレイック アシ
ッズ リサーチ( Nucleic Acids Research )第19
巻、第1007頁(1991)に記載されているが、M
boI制限・修飾系酵素の遺伝子についてはいまだに明
らかにされていない。
oI制限・修飾系酵素遺伝子を提供し、MboI制限酵
素及び修飾酵素の工業的製造に適したMboI制限・修
飾系酵素の遺伝子を含むプラスミドを導入した新規微生
物、特に大腸菌を創製し、該微生物を用いたMboI制
限酵素及び修飾酵素の製造方法を提供することにある。
発明の第1の発明は、配列表の配列番号3で表される塩
基配列中に含有されるMboI制限・修飾系酵素の遺伝
子に関する。また本発明の第2の発明は、MboI制限
酵素及び/又は修飾酵素の製造方法に関する発明であっ
て、上記第1の発明のMboI制限・修飾系酵素の遺伝
子が組込まれたプラスミドを保有する微生物を培養し、
培養物よりMboI制限酵素及び/又は修飾酵素を採取
することを特徴とする。
DNAを切断する活性を有するMboI制限酵素をコー
ドする遺伝子と、MboI制限酵素による切断よりDN
Aを保護するMboI修飾酵素をコードする遺伝子を含
んでいる。
素の遺伝子とは、制限及び修飾の両酵素遺伝子をもつ遺
伝子とその各個別の遺伝子との両者を統合した意味の用
語である。換言すれば、制限及び/又は修飾酵素遺伝子
を意味する。これらの遺伝子は、単独あるいは複合体の
形で利用できる。
ドを用いる場合、そのプラスミドは両遺伝子を同一のプ
ラスミドに組込んだものでも、あるいは両遺伝子を各個
別に複数のプラスミドに組込んだもののいずれであって
もよい。
修飾系酵素遺伝子を含むDNA断片をクローニングする
ことに成功し、更にこれらのDNA断片全体あるいは一
部が同一又は個別のプラスミドに組込まれたプラスミド
を導入した微生物、特に大腸菌を培養することにより菌
体中に著量のMboI制限酵素及び/又はMboI修飾
酵素が蓄積し、これらの培養物より大量のMboI制限
酵素及び/又はMboI修飾酵素が単離できることを見
出し本発明を完成した。
係わる新規微生物、例えば大腸菌は次に例示する工程に
より得ることができる。 1)DNA供与体であるMbo菌から染色体DNAを抽
出し、染色体DNAの制限酵素部分分解産物を、あらか
じめ制限酵素で開裂しておいたMboI制限酵素の認識
配列をもつベクターに結合させる。 2)1)で作製したプラスミドライブラリーで dam mut
ant の大腸菌を形質転換し、プラスミド抽出法により d
amメチル化されていないプラスミドライブラリーを得
る。 3)2)で作製したプラスミドライブラリーをMboI
制限酵素で切断し、切断されないプラスミドすなわちM
boI修飾酵素が発現しているプラスミドを選択する。 4)Mbo菌より前述のゲリナスの方法によりMboI
制限酵素を精製する。このタンパクのアミノ酸配列を例
えばN末端側より一部決定し、それに対応するDNAを
合成する。 5)DNA供与体であるMbo菌から染色体DNAを抽
出し、染色体DNAの制限酵素完全分解産物を4)で合
成したDNAをプローブとしサザンハイブリダイゼーシ
ョンを行い、プローブDNAと同一配列を含むDNA断
片を選択する。 6)5)で選択したDNA断片を制限酵素で開裂したプ
ラスミドと結合させる。こうして作製した、少なくとも
制限酵素遺伝子の一部を含むプラスミドと3)で選択し
た修飾酵素遺伝子を含むプラスミドとを大腸菌に形質転
換により導入する。 7)6)で作製した形質転換体のMboI制限酵素及び
修飾酵素活性を解析し、制限酵素及び修飾酵素を生産す
る新規微生物を得る。
体を回収し、それより抽出する。抽出、精製、制限酵素
による切断などは、公知の方法を用いることができる。
当該方法の詳細はトーマス( Thomas ) ほか著、プロセ
デュアス イン ヌクレイック アシッズ リサーチ
( Procedures in Nucleic Acids Research ) 、第53
5頁、ハーパー アンド ロー( Harper and Row ) 出
版(1966年)及びサムブルック( Sambrook ) ほか
著、モレキュラー クローニング( Molecular Cloning
)、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー
( Cold Spring Harbor Laboratory )出版(1989
年)に記載されている。
方法で行うことができる。プラスミドとしては公知のも
のが使用できるが、例えばpBR322等が挙げられ
る。なおpBR322はMboI制限酵素の認識配列を
含んでおり、MboI修飾酵素の遺伝子のスクリーニン
グを容易に行うことができる。
は公知の方法によるものである。プラスミドを大腸菌宿
主に導入する当該方法の詳細にはジャーナル オブ モ
レキュラー バイオロジー、第166巻、第557頁
(1983年)に記載されているハナハン( Hanahan )
の方法がある。
はアルカリ法で行う。調製したプラスミドのうちMbo
I修飾酵素の遺伝子をコードしていて、且つ発現してい
るものは、MboI制限酵素による切断に対して保護さ
れているので選択できる。その結果、約4kbのMbo
菌由来のDNA断片を含むプラスミドが選択された。
の決定は、精製したタンパクをPVDF(ポリビニリデ
ン ジフルオライド)膜に移し、自動アミノ酸シーケン
サーにより行う。当該方法は、ザ ジャーナル オブ
バイオロジカル ケミストリー( The Journal of Biol
ogical Chemistry )、第262巻、第10035頁(1
987年)に記載のポール マツダイラ( Paul Matsud
aira )の方法である。配列表の配列番号1にMboI制
限酵素のN末端アミノ酸配列を示す。このアミノ酸配列
より、プローブDNA、例えば配列表の配列番号2に示
すDNAを合成すればよい。
法による。得られたDNA断片は、プローブDNAと相
補的な配列をもつ。すなわち、少なくともMboI制限
酵素地図の一部を含む。
とする制限酵素の遺伝子全体を組込んでいるか否かを確
認しなくてはならない。この確認の方法は以下のように
行う。すなわち、得られたMboI制限酵素遺伝子を含
むと考えられるDNA断片を制限酵素で開裂したプラス
ミドに結合させる。こうして作製したMboI制限酵素
遺伝子を含むと考えられるプラスミドと、既に得られて
いるMboI修飾酵素遺伝子を含むプラスミドとを形質
転換によって大腸菌に導入し新規微生物を創製する。得
られた新規微生物についてMboI制限酵素活性を解析
する。
は、次のようなイン ビトロ( invitro ) の方法によ
り調べることができる。試験するクローンを培養し、そ
の培養物を粉砕し、超遠心分離を行い残渣を除去した上
清を用い、緩衝液〔10mMトリスHCl(pH8.
0)−7mM MgCl2 −150mM KCl−7m
M 2−メルカプトエタノール−0.01%BSA〕
中、damメチル化されていないDNAを基質として、
37℃で制限酵素反応を行いアガロースゲル電気泳動に
より解析することができる。当該方法を用いて、上記新
規微生物についてMboI制限酵素活性を解析したとこ
ろ活性が認められた。このことからMboI制限・修飾
系遺伝子を単離できたことが確認された。
コードしているDNA断片を連結して作製したプラスミ
ドをpMMboI、Mbo菌由来のMboI制限酵素遺
伝子をコードしているDNA断片を連結して作製したプ
ラスミドをpRMboIと命名した。これら両プラスミ
ド及び公知のプラスミドpNT203〔ジーン(Gene)、
第29巻、第199〜209頁(1984)に記載〕を
大腸菌、例えば大腸菌MC1061株に導入して形質転
換法によって得られる新規微生物は Escherichia coli
MC1061/pMboIと命名、表示され、工業技術
院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第12717号
(FERM P−12717)として寄託されている。
ているDNA断片の塩基配列を例えばヤニッシュ−ペロ
ン( Yanisch-Perron ) らの方法に従ってディレーショ
ンミュータントを作成した後ダイデオキシ法によって決
定することができる。
に挿入されているDNA断片は一部重複していた。つま
り、pMMboI及びpRMboIに挿入されているD
NA断片は連続していた。その塩基配列を配列表の配列
番号3に示す。すなわち、配列表の配列番号3に示され
る塩基配列のうち塩基番号1〜2222の部分がpRM
boIに、塩基番号1666〜2659の部分がpMM
boIに挿入されていた。
を用いてオープン リーディングフレーム(ORF)の
検索を行うことができる。その結果、配列表の配列番号
3に示される塩基配列中、塩基番号1〜850、855
〜1694、1699〜2517の3か所にORFが存
在しており、それぞれをmboA、mboB、mboC
と命名した。
存在しているのでmboCはMboI修飾酵素をコード
する遺伝子であると決定した。また、mboB遺伝子か
ら推定されるアミノ酸配列は配列表の配列番号1に示さ
れるMboI制限酵素タンパクのN末端アミノ酸配列と
一致することから、mboBはMboI制限酵素をコー
ドする遺伝子であると決定した。
している領域を除いた後、大腸菌に導入し、インビボで
のMboI修飾酵素の活性を測定した。その結果修飾活
性が認められたため、mboA遺伝子はMboI修飾酵
素をコードしていると決定した。
来のDNA断片に含まれているmboA遺伝子は開始コ
ドンを含まないことから5′側が欠けていると考えられ
た。そこで更に上流領域を、配列表の配列番号2で示さ
れる前述のオリゴヌクレオチドをプローブとしたプラー
クハイブリダイゼーションを行って単離した。
つクローンは約5.1kbのMbo菌由来のDNAを含
んでいた。このDNA断片の塩基配列を一部決定したと
ころ、pRMboIに挿入されているMboI制限酵素
遺伝子を含む約2.1kbの領域を完全に含んでいた。
また、MboA遺伝子の上流領域の塩基配列が明らかに
なった。該塩基配列を配列表の配列番号4に示される塩
基配列の塩基番号1〜168に示す。
に当っては、通常のエシェリヒア属の微生物の生育に適
した条件を採りうる。
1/pMboIを培養し、培養物からMboI制限酵素
及び修飾酵素を回収するに当っては、例えば培養物より
菌体を集菌後、超音波破砕、超遠心分離等により酵素を
抽出し、次いで除核酸法、塩析法、アフィニティクロマ
トグラフィー法、ゲルろ過法、イオン交換クロマトグラ
フィー法等を組合せ精製すればよく、この方法により、
MboI制限酵素及び/又は修飾酵素を大量に得ること
ができる。
これらの実施例に限定されるものではない。
トル、酵母エキス5g/リットル、塩化ナトリウム5g
/リットル、ブレイン ハート インフュージョン5g
/リットル)100ml中37℃で1晩培養した後、遠
心分離により集菌した。当該菌体を10mlの25mM
トリスHCl(pH8.0)−50mM グルコース
−10mM EDTA液に懸濁しリゾチームを同液に2
mg/mlになる様に溶かしたものを1.0ml加えか
くはんし、37℃で15分静置した。次に当該溶液に2
8mlの100mM NaCl−100mM トリスH
Cl(pH8.0)溶液を加えかくはんし、更に4ml
の10%SDS溶液を加えかくはんし、37℃で1時間
静置した。当該溶液に10%SDS−8%サルコシル
( Sarcosyl ) 溶液を1ml加えかくはんし、60℃で
15分静置した。当該溶液を静置後、等容量のフェノー
ル:クロロホルム(1:1)混液を加え、10分間穏や
かにかくはんした後、遠心分離(5000g、10分)
により、水層とクロロホルム層を分離した。分離後水層
を取り、これに等量のイソプロピルアルコールを加えか
くはんし、0℃で10分間静置した後、遠心分離(13
500g、10分)により沈殿を回収した。これを70
%エタノールで洗浄し、10mlのTE溶液〔10mM
トリスHCl(pH8.0)−1mM EDTA〕に
溶解させ、4℃で保存した。
限酵素AluIの1ユニットと緩衝液〔10mM トリ
スHCl(pH7.5)−10mM MgCl2 −1m
M ジチオスレイトール〕中、37℃で1〜10分間反
応させ、アガロースゲル電気泳動を行い、ゲルより3〜
7kbの断片を回収した。このDNA断片をあらかじめ
EcoRVで開裂しておいたpBR322に結合した
後、このプラスミドで大腸菌GM33(dam- )を形
質転換した。こうして得られた形質転換体からアルカリ
法によってプラスミドを調製した。
した。このときMboI修飾酵素が発現しているプラス
ミドは切断されない。こうして得られた切断されている
あるいは切断されていないDNAの混合物で大腸菌GM
33を形質転換した。切断されていないプラスミドのみ
が大腸菌中に導入されるので、アンピシリンを含むプレ
ートで形質転換体を選択し、MboI修飾酵素遺伝子を
含んでいる形質転換体を得た。
のMbo菌由来のDNA断片を含んでいた。そこでMb
oI修飾酵素遺伝子の位置を限定するために、当該DN
A断片をエキソヌクレアーゼIII (宝酒造社製)及びマ
ングビーンヌクレアーゼ(宝酒造社製)を用いて末端か
ら削って様々な大きさのDNA断片をもつプラスミドを
作製し、修飾酵素活性を測定した。その結果MboI修
飾酵素遺伝子は図1の制限酵素地図で表される約1.2
kbのDNA断片上に存在することがわかった。この
1.2kb DNA断片をプラスミドpACYC184
に結合させて作製したプラスミドをpMMboIと命名
した。
アミノ酸配列の決定及びプローブDNAの作製 Mbo菌より精製されたMboI制限酵素タンパクをS
DSポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した後、PV
DF膜に移し、クマシー ブリリアント ブルー R−
250により染色し、10%酢酸−50%メタノールで
脱色した。MboI制限酵素タンパクの部分を切り取
り、アミノ酸シークエンサーに供し自動エドマン分解に
より、前出配列表の配列番号1で表されるN末端アミノ
酸配列を決定した。次にこの配列に基づき、同配列番号
2で表される23merのオリゴヌクレオチドを合成し
た。
配列表の配列番号2で表されるオリゴヌクレオチドをプ
ローブとしてサザンハイブリダイゼーションを行った。
その結果、2.1kbのEcoRI−XmnI断片がプ
ローブDNAと同一配列をもつことが推定された。そこ
で、Mbo菌染色体DNA10μgを100ユニットの
制限酵素EcoRI及びXmnIと反応させ、0.7%
シーケムジー ティー ジー(Seakem GTG)アガロ
ースゲルを用いて電気泳動し、2.1kbのDNA断片
をDEペーパーに吸着させ、ゲルより抜き出した。その
後エタノール沈殿によりDNA断片を回収し、EcoR
Iリンカーを結合させた。このDNA断片をλgt10
ベクターに結合した後、パッケージングして大腸菌C6
00(Hf1)株に感染させた。こうして得られたプラ
ークをニトロセルロース膜に移し、(5)で得られた合
成DNAをプローブとしてプラークハイブリダイゼーシ
ョンを行い、プローブDNAと同一配列をもつプラーク
を得た。このλファージDNA組換体を調製し、図2の
制限酵素地図で表される約2.1kbのMbo菌由来の
DNA断片を制限酵素EcoRIで切り出し、プロシー
ディングズ オブ ザ ナショナル アカデミー オブ
サイエンシーズ オブ ザUSA( Proceedings of
the National Academy of Sciences of the USA )、第
80巻、第7137〜7141頁(1983)に記載さ
れているプラスミドpKH1のEcoRIサイトに結合
してMboI制限酵素遺伝子を含むと考えられるプラス
ミドを作製した。当該プラスミドをpRMboIと命名
した。プラスミドpMMboI,pRMboI及びpN
T203により大腸菌MC1061を形質転換し、イン
ビボでMboI制限酵素活性を測定したところ、活性
が認められた。そこで、これらのプラスミドを保有する
大腸菌を Escherichiacoli MC1061/pMboI
と命名、表示し、工業技術院微生物工業技術研究所に寄
託した(FERM P−12717)。
解析 pMMboI及びpRMboIに挿入されているDNA
断片の塩基配列を、エキソヌクレアーゼ III、及びマン
グビーンヌクレアーゼを用いてディレーションミュータ
ントを作成した後、ダイデオキシ法で決定した。その結
果、pMMboI及びpRMboIに挿入されているD
NA断片は一部重複していた。つまりpMMboI及び
pRMboIに挿入されているDNA断片は連続してい
た。その連続した塩基配列を配列表の配列番号3に示
す。すなわち、配列表の配列番号3に示される塩基配列
のうち、塩基番号1〜2222の部分がpRMboI
に、塩基番号1666〜2659の部分がpMMboI
に挿入されていた。
を行った。その結果配列表の配列番号3に示される配列
中、塩基番号1〜850、855〜1694、1699
〜2517の3か所にORFが存在しており、それぞれ
をmboA、mboB、mboCと命名した。それぞれ
のORFに対応するアミノ酸配列も配列表の配列番号3
に示す。
を除いた後、ライゲーションしてmboAとmboBの
一部を含むプラスミドpRMboIDを得た。当プラス
ミドを大腸菌GM33(dam- )に形質転換によって
導入し、得られた形質転換体からプラスミドを抽出し、
得られたプラスミドがMboI制限酵素で切断されるか
否かを調べた。その結果、活性が認められたため、mb
oA遺伝子はMboI修飾酵素をコードしていることが
わかった。
ニング Mbo菌のゲノムDNAを制限酵素BglIIとXmnI
で完全分解した後、末端を平滑化しEcoRIリンカー
を結合した後にλgt10ベクターに挿入した。得られ
たライブラリーを形質転換により大腸菌に導入し、配列
表の配列番号2で表されるオリゴヌクレオチドをプロー
ブとして、プラークハイブリダイゼーションを行った。
こうして得られたプローブと相同配列をもつクローンは
約5.1kbのMbo菌由来のDNAを含んでいた。こ
のDNA断片の塩基配列を一部決定したところ、pRM
boIに挿入されているMboI制限酵素遺伝子を含む
約2.1kbの領域を完全に含んでいた。また、mbo
A遺伝子の上流領域の塩基配列が明らかになった。該塩
基配列を配列表の配列番号4に示される塩基配列の塩基
番号1〜168に示す。
061/pMboI(FERM P−12717)をア
ンピシリン100μg/mlを含む100mlのL培地
に接種し、30℃で6時間培養した後、42℃で15分
培養し、更に37℃で6時間培養した。集菌後、1.2
mlの10mM 2−メルカプトエタノール−0.15
%トリトンX−100を含む20mM リン酸カリウム
緩衝液(pH7.5)に懸濁し、超音波処理で菌を破砕
し、超遠心分離(10000g、30分)により、上清
を回収した。上清の活性を測定したところ、MboI制
限酵素が400,000ユニット、修飾酵素が8,00
0ユニット生産されていた。
シリン100μg/mlを含む2リットルのL培地に接
種し、30℃で6時間培養した後、42℃で15分培養
し、更に37℃で6時間培養した。集菌後、10gの湿
菌体を、20mlの10mM 2−メルカプトエタノー
ル−0.15%トリトンX−100を含む20mM リ
ン酸カリウム緩衝液(pH7.5)に懸濁し、超音波処
理で菌を破砕し、超遠心分離(10000g、30分)
により、上清を回収した。これに等量の緩衝液A〔20
mM KPB(pH7.5)−10mM 2−メルカプ
トエタノール−5%グリセリン〕を加え同緩衝液で平衡
化したホスホセルロースカラムに添加した。0〜1M塩
化カリウム直線濃度勾配により溶出し、MboI制限酵
素活性を含む画分を回収した。次にこの画分を緩衝液B
〔10mM KPB(pH7.5)−10mM 2−メ
ルカプトエタノール−5%グリセリン〕に対し透析し、
同緩衝液で平衡化したアフィ ゲル ブルー カラム
(バイオラッド社)に添加した。0〜0.75M塩化カ
リウム直線濃度勾配により溶出しMboI制限酵素活性
を含む画分約5mlを回収した。この画分を再び緩衝液
Bに対し透析し、ヘパリンセファロースカラムに添加し
0〜1M塩化カリウム直線濃度勾配により溶出した。回
収したMboI制限酵素活性を含む画分をセファデック
スG−100カラムに添加した。得られた活性画分の酵
素活性は約1,000,000ユニットであった。本精
製標本には他のエンドヌクレアーゼ、ホスファターゼ、
非特異的DNase等は夾雑していなかった。
シリン100μg/mlを含む2リットルのL培地に接
種し、30℃で6時間培養した後、42℃で15分培養
し、更に37℃で6時間培養した。集菌(10g湿菌)
後、30mlの緩衝液Aに懸濁し、超音波処理で菌を破
砕し、超遠心分離(10000g、30分)により、上
清を回収した。この上清に、2%になるように硫酸スト
レプトマイシン溶液を加え、かくはん後遠心により上清
を回収した。次に硫酸アンモニウム粉末を65%飽和と
なるように加え、超遠心分離(13500g、30分)
により回収した。この回収沈殿物を30mlの緩衝液B
〔10mM KPB(pH7.5)−10mM 2−メ
ルカプトエタノール−5%グリセリン〕に懸濁し、緩衝
液Bに対して透析した。続いて緩衝液Bで平衡化したヘ
パリンセファロースカラムに添加し、0.05M〜0.
80M塩化ナトリウム直線濃度勾配により溶出を行っ
た。MboI修飾酵素活性を含む画分を回収し、緩衝液
Bに対して透析した。これを緩衝液Bで平衡化したDE
AE−セファデックス( Sephadex ) (A−50)カラ
ムに添加し、0.05M〜0.60M塩化ナトリウム直
線濃度勾配により溶出した。MboI修飾酵素活性を含
む画分を回収し、緩衝液Bに対して透析した後、あらか
じめ緩衝液Bで平衡化したホスホセルロースカラムに添
加し、0.05M〜1.0M塩化ナトリウム直線濃度勾
配により溶出した。得られた活性画分の酵素活性は約3
0,000ユニットであった。本精製標品にはエンドヌ
クレアーゼ、ホスファターゼ、非特異的DNaseなど
は夾雑していなかった。
MboI制限・修飾系酵素遺伝子が単離された。該遺伝
子を含有するプラスミドで形質転換した大腸菌により、
遺伝子工学において有用なMboI制限酵素及び/又は
修飾酵素を効率よく製造することが可能となった。
の制限酵素部位を示した図である。
の制限酵素部位を示した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 配列表の配列番号3で表される塩基配列
中に含有されるMboI制限・修飾系酵素の遺伝子。 - 【請求項2】 請求項1に記載のMboI制限・修飾系
酵素の遺伝子が組込まれたプラスミドを保有する微生物
を培養し、培養物よりMboI制限酵素及び/又は修飾
酵素を採取することを特徴とするMboI制限酵素及び
/又は修飾酵素の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5016828A JP2777958B2 (ja) | 1992-02-03 | 1993-01-08 | MboI制限・修飾系酵素遺伝子及び製造方法 |
US08/007,775 US5340733A (en) | 1992-02-03 | 1993-01-22 | MboI restriction-modification genes |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4636692 | 1992-02-03 | ||
JP4-46366 | 1992-02-03 | ||
JP5016828A JP2777958B2 (ja) | 1992-02-03 | 1993-01-08 | MboI制限・修飾系酵素遺伝子及び製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05276943A JPH05276943A (ja) | 1993-10-26 |
JP2777958B2 true JP2777958B2 (ja) | 1998-07-23 |
Family
ID=26353250
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5016828A Expired - Lifetime JP2777958B2 (ja) | 1992-02-03 | 1993-01-08 | MboI制限・修飾系酵素遺伝子及び製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5340733A (ja) |
JP (1) | JP2777958B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US6673588B2 (en) * | 2002-02-26 | 2004-01-06 | New England Biolabs, Inc. | Method for cloning and expression of MspA1l restriction endonuclease and MspA1l methylase in E. coli |
-
1993
- 1993-01-08 JP JP5016828A patent/JP2777958B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1993-01-22 US US08/007,775 patent/US5340733A/en not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
J.MOL.BIOL.114 P.169−179 (1977) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05276943A (ja) | 1993-10-26 |
US5340733A (en) | 1994-08-23 |
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