JPH11313683A - 新規キシロシダーゼ遺伝子、ベクター、それを用いた形質転換体及びその利用 - Google Patents
新規キシロシダーゼ遺伝子、ベクター、それを用いた形質転換体及びその利用Info
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- JPH11313683A JPH11313683A JP10140579A JP14057998A JPH11313683A JP H11313683 A JPH11313683 A JP H11313683A JP 10140579 A JP10140579 A JP 10140579A JP 14057998 A JP14057998 A JP 14057998A JP H11313683 A JPH11313683 A JP H11313683A
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Abstract
供。 【解決手段】 アスペルギルス・オリゼからキシロシダ
ーゼ遺伝子を取り出し、その DNA配列を決定し、これを
アスペルギルス属菌株に移入して形質転換体を作成す
る。この形質転換体を用いてキシロシダーゼを産生す
る。該キシロシダーゼを用いてキシロオリゴ糖からキシ
ロースを工業的有利に製造することができる。
Description
オリゼ(Aspergillus oryzae) から得られた新規キシロ
シダーゼ遺伝子、これを含むベクター、そのベクターを
アスペルギルス属菌に移入した形質転換体およびその利
用に関する。アスペルギルス・オリゼのキシロシダーゼ
はキシロースを生成する、産業上重要な酵素であり、本
発明によって得られた形質転換体はキシロシダーゼを著
量に生産し、これらの酵素を用いる産業界に大いに貢献
するものである。
ロオリゴ糖に作用して、キシロースを生成する加水分解
酵素である。従来、キシロースの製造は、植物原料を塩
酸分解することにより得られる場合が多いが、精製操作
が煩雑であり、さらに廃液処理等の問題がある。また、
キシロシダーゼを用いてキシロースを酵素分解により得
る方法もあるが、キシロシダーゼの生産が充分に行なわ
れず、この方法で工業的に多量のキシロースを製造する
ことは困難であった。また、従来、一般に微生物を変異
させてその産生する酵素活性を高めたり生産量を多くし
たりすることは行なわれている。このような菌株の育種
法は主に、紫外線や変異誘発剤によって得られる変異株
から選択する方法に限られている。しかし、これらの育
種方法は、安定な変異株を単離するのが困難である。ま
た、キシロシダーゼのみが高生産にならず、本来あった
形質が欠失あるいは変更されてしまうなどの欠点を有し
ている。その結果現在までに本来あった形質を実質的に
有し、キシロシダーゼの生産性のみが上昇した実用菌株
の育種は成功していない。
キシロシダーゼ生産における問題点を解決することを目
的としてなされたものである。すなわち、本発明は微生
物の形質を実質的に欠失あるいは変更することなくキシ
ロシダーゼのみを著量生産する微生物を開発し、そこか
らキシロシダーゼを得ることを課題としてなされたもの
である。
な課題を達成するために各方面から検討した結果、目的
とする微生物を創製するためには、古典的な変異法によ
るよりもキシロシダーゼの遺伝子を単離し、これを直接
使用して遺伝子操作によりキシロシダーゼ産生菌株を得
ることが最も好ましいという観点にたった。特に、黄麹
菌の1種であるアスペルギルス・オリゼ由来のキシロシ
ダーゼ遺伝子の構造については、全く未知であり、ま
た、該遺伝子の単離すらされていないのが実状である。
この観点にたち、キシロシダーゼ生産菌として知られて
いるアスペルギルス・オリゼのキシロシダーゼ遺伝子に
着目した。そして研究、検討を重ねた結果、同菌由来の
染色体 DNAライブラリーを作成し、目的とするキシロシ
ダーゼをコードする遺伝子をクローニングすることに成
功した。そして更に、これらクローン化することに成功
したキシロシダーゼをコードする遺伝子を有する染色体
DNA断片およびcDNA についてこれらをアスペルギルス
属菌 (例えばアスペルギルス・オリゼ、アスペルギルス
・カワチ等) といった宿主ベクター系に移入することに
成功し、得られた形質転換体においてもこれらの遺伝子
が発現することも確認した。更にまた同菌のmRNAから合
成したcDNA よりキシロシダーゼ遺伝子をコードする遺
伝子をRACE法を用いてクローニングすることに成功し
た。
・オリゼのキシロシダーゼ遺伝子に着目し、アスペルギ
ルス・オリゼのゲノムDNA の制限酵素断片よりキシロシ
ダーゼをコードするDNA 断片をクローン化し、これをア
スペルギルス・カワチの宿主ベクター系に移入する形質
転換体を得ることに成功した。ここで得られたキシロシ
ダーゼ高生産アスペルギルス属菌の組換え体の一例は、
Aspergillus kawachii XYL1 として工業技術院生命工
学工業技術研究所に寄託されている (受託番号FERM P-1
6721)。
たものである。すなわち、本発明は、次のキシロシダー
ゼ遺伝子、これを含むベクター、このベクターをアスペ
ルギルス属菌に移入した形質転換体及びこの形質転換体
を用いてキシロシダーゼを生産する方法に関する。 (1) 配列表配列番号1または配列番号2の塩基配列を含
み、キシロシダーゼ遺伝子のプロモーター及び/又はタ
ンパク質をコードする領域を含む DNA。なお、配列表配
列番号1は、塩基配列の1〜314 がプロモーター領域で
あり、315〜2708がタンパクコード領域であり、2709〜2
711(TAG) がストップコドンであり、2712〜5021がター
ミネーター領域である。また、配列表配列番号2には、
2395〜2397にストップコドン(tag) がある。 (2) 配列表配列番号2の塩基配列で示されるアスペルギ
ルス・オリゼのキシロシダーゼのcDNA配列。 (3) 配列表配列番号3のアミノ酸配列をコードするキシ
ロシダーゼ。 (4) キシロシダーゼ遺伝子のDNAを連結したアスペルギ
ルス属菌由来のベクター。 (5) このベクターをアスペルギルス属菌に移入すること
によって得られる、高キシロシダーゼ生産能を有する形
質転換体。 (6) この形質転換体を用いることによってキシロシダー
ゼを効率的に著量に製造する方法。 なお、本発明の DNA及びキシロシダーゼは、配列表に示
される DNA配列あるいはアミノ酸配列ばかりではなく、
これらの配列と相同性を有し、同様の性質を示すものも
包含される。
が、本発明に用いた染色体DNA 、mRNAおよびキシロシダ
ーゼ酵素の供与体はアスペルギルス・オリゼであり、例
えばアスペルギルス・オリゼHL15株である。
は、以下のように調製する。 1) 染色体 DNAの調製 黄麹菌、例えばアスペルギルス・オリゼHL15株をYPD
培地 (2%グルコース、2%ポリペプトン、1%酵母エ
キス(pH6.0)) で培養し、得られる菌体を集菌し、この
菌体を公知の方法 (Iimura, Agric. Biol. Chem., 51,
323-328(1987))に準じてフェノールで抽出し、精製して
染色体DNAを得る。 2) プローブの合成 アスペルギルス・オリゼHL15株の生産するキシロシダー
ゼをリシルエンドペプチダーゼにより分解し (綱沢ら、
蛋白質 核酸 酵素、31, 629, 1986)、2つのペプチド
フラグメントを得、それぞれについてアミノ酸配列をプ
ロテインシークエンサー(アプライドバイオシステム社
製、491 型)により決定する。得られたそれぞれのアミ
ノ酸配列に対応する DNAを合成し、これを後述のプラー
クハイブリダイゼーションのプローブとして使用する。
(TaKaRa酒造社製)によって部分分解し、9-23kbの DNA
断片を得、このDNA断片をファージベクター(lDASH II,
STRATAGENE社製)に導入する。この組み換え体ファー
ジを、in vitroパッケージング後、宿主の大腸菌XL1-Bl
ue (P2)株 (STRATAGENE社製) を公知の方法 (モレキュ
ラー・クローニング、p2.82-2.107、コールド・スプリ
ング・ハーバー・ラボラトリー(1982)) により形質転換
して染色体 DNAのライブラリーを得る。 4) クローンの調製 この染色体 DNAのライブラリーを上記のプローブを用い
てプラークハイブリダイゼーション法 (モレキュラー・
クローニング(Molecular Cloning) p2.108-2.113 、コ
ールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(1982))
によりスクリーニングし、ポジティブプラークを得、こ
のポジティブプラークから目的のファージ DNAを得る。
このファージ DNAをBamHI, PstI 等の制限酵素により消
化し、得られるDNA 断片をpUC119(TaKaRa酒造社製)等
のプラスミドベクターに導入して組み換え体 DNAを得、
この組み換え体 DNAで宿主(大腸菌 JM109株等)を形質
転換して目的のクローンを得る。 5) 塩基配列の解析 キシロシダーゼ遺伝子の塩基配列の決定は、キロシーケ
ンス法、サイクルシーケンス法等の公知の方法により行
なう。
転換 上記で得られた DNA断片をアスペルギルス属菌、例えば
アスペルギルス・オリゼあるいはアスペルギルス・カワ
チのベクターとして例えば、sC遺伝子(Biosci.Biotech.
Biochem., 61(8),1367-1369) 、amdS遺伝子等をマーカ
ーに持つプラスミド pUAMD3 (Journal of Fermentation
and Bioengineering, Vol. 74, No. 6,389-391(199
2))に挿入し、得られた DNAをアスペルギルス属菌に移
入し形質転換体を得る。形質転換方法としては、公知の
方法、例えばAgric. Biol. Chem., Vol.51, 323-328(19
87) に記載された方法あるいはこれに準じた方法がとら
れる。この方法によって形質転換体を得る。アスペルギ
ルス属菌としてはアスペルギルス・カワチ、アスペルギ
ルス・オリゼ、アスペルギルス・ソーヤ等が用いられ
る。このうちアスペルギルス・カワチはプロテアーゼの
生産量が低いため、過剰発現されたタンパク(酵素)は
分解を受け難く、目的とする外来タンパクの生産が増大
されるので望ましい。 7) キシロシダーゼcDNA の調製 アスペルギルス・オリゼのキシロシダーゼ遺伝子をアス
ペルギルス・カワチに移入し、キシロシダーゼ活性が上
昇した株を得た。この形質転換アスペルギルス・カワチ
をフスマ抽出物培地にて培養し、得られた菌体より Ana
l. Biochem. 162,156〜159(1987) に記載された方法に
よりmRNAを抽出し、Gene, Vol. 25, 263-269(1983)の記
載の方法にてcDNAを合成し、RACE法により目的のキシロ
シダーゼcDNAを単離する。このcDNAの塩基配列を決定し
たところ、配列表配列番号2の配列を有しており、ゲノ
ムより単離したキシロシダーゼ遺伝子にはイントロンは
存在していない。 8) 形質転換体によるキシロシダーゼの生産 キシロシダーゼ遺伝子を移入したアスペルギルス・カワ
チを、キシランを唯一の炭素源として培養したところ、
親株よりも高いキシロシダーゼ生産能を有していた。ま
た、キシロシダーゼ遺伝子を移入したアスペルギルス・
オリゼも親株より高いキシロシダーゼ生産能を有してい
た。なお、このアスペルギルス・カワチおよびアスペル
ギルス・オリゼともに、生育速度、タンパク生産量の点
でキシロシダーゼ遺伝子移入前のアスペルギルス・カワ
チおよびアスペルギルス・オリゼと顕著な差は認められ
ず、アスペルギルス・カワチおよびアスペルギルス・オ
リゼの形質を実質的に欠失あるいは変更するものではな
かった。
に説明する。なお、本発明はここに示される方法に限定
されるものではない。
調製 アスペルギルス・オリゼの染色体 DNA抽出は、以下の方
法により行った。まず、アスペルギルス・オリゼHL15株
の分生子をスラントより白金耳を用いてかきとり、これ
を 500ml容の三角フラスコに 150mlのYPD培地 (2%
グルコース、2%ポリペプトン、1%酵母エキス(pH6.
0))を入れたものに接種し、30℃で一昼夜培養した。こ
の培養液をナイロンフィルター濾過により集菌し、得ら
れた菌体を液体窒素中で粉砕した後、5mMトリスバッフ
ァー、0.5%ラウリル硫酸ナトリウム、50mM EDTA (pH8.
0) に懸濁した。この懸濁液に等量のTE飽和フェノール
(100mM トリス- 塩酸、10mM EDTA 、pH8.0 で平衡化し
たもの)を加え、染色体DNA を抽出した。抽出後の溶液
に、1/100 量のRNaseA(10mg/ml)を加え、37℃、30分間
反応させた後、1/10量の3M酢酸ナトリウム(pH5.2) およ
び 2.5倍量のエタノールを加えた。この溶液を20℃で1
時間放置後、遠心分離し、得られた沈殿を70%エタノー
ルで洗浄して乾燥後、TEバッファー(10mMトリスー塩
酸、1mM EDTA、pH8.0)に溶解した。
Sポリアクリルアミドゲル電気泳動において単一なバン
ドが得られるまで精製した。このキシロシダーゼをリシ
ルエンドペプチダーゼにより分解し、得られたペプチド
のアミノ酸配列をプロテインシーケンサー(アプライド
バイオシステム社製、491 型)により決定した。この配
列の中にGlu-Tyr-Asp-Leu-Ile-Ile-Phe-Ala-Gly-Gly か
らなるアミノ酸配列とAla-Gly-Tyr-Asp-Ile-Glu-Asn-Tr
p-Asp-Asn からなるアミノ酸配列が存在し、これらアミ
ノ酸配列に対応するDNA 塩基配列から、次の配列を有す
る29残基の合成 DNAプローブ(XYLD-1、XYLD-2、いずれ
も4種類のミックスプローブ)を作成した。 このXYLD-1、XYLD-2はそれぞれキシロシダーゼ遺伝子の
クローニング用のプローブとして用いるため各々10pmol
e のオリゴヌクレオチドの5'末端を(γ-32P)ATP
(アマシャム社製)およびT4ポリヌクレオチドキナー
ゼ(TaKaRa社製)を用いて放射性標識を行った。
クリーニング 制限酵素Sau3AIで部分消化したアスペルギルス・オリゼ
HL15株の染色体DNA 、9-23kbをλ DASH II(STRATAGENE
社製)に組み換え、アスペルギルス・オリゼHL15株の染
色体ライブラリーを構築した。得られたライブラリーを
大腸菌XL1-BlueMRA(P2)株(STRATAGENE社製)に導入し
(モレキュラー・クローニング、p2.82-2.107、コール
ド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(1982)の方法
による)、形質転換体約 100,000個を得た。これら形質
転換体約 100,000個から、前記の DNA混合配列XYLD-1を
プローブとして、プラークハイブリダイゼーション法
(モレキュラー・クローニング、p 2.108-2.113 、コー
ルド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(1982)) に
よりポジティブプラークを12株得た。
ー・クローニング、p73-81、コールド・スプリング・
ハーバー・ラボラトリー(1982)記載の方法に従って、組
み換え体ファージ DNAを単離した。単離したファージ D
NAを制限酵素 BamHI, EcoRI,PstI, SalI (TaKaRa 社製)
で消化し、アガロースゲル電気泳動で分離後、XYLD-2
をプローブとして、サザンハイブリダイゼーションを行
った。その結果、制限酵素PstIで生じてくる、約5kb の
DNA断片を得た。この DNA断片をプラスミドベクターpU
C119に組み換え、大腸菌JM109 に導入し、pXYL1 と命名
した。この菌株は、Escherichia coli XYL1 と表示さ
れ、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されてい
る (受託番号 FERM P-16720)。
ーゼを多量に分泌するアスペルギルス・カワチの形質転
換体の作製 前記(3) に記載のキシロシダーゼ遺伝子を含む5.0 kbp
PstI断片を、アスペルギルス・カワチの形質転換ベクタ
ーであるpUAMD3のPstIサイトに連結し、図1に示すpUAM
D-XYL1を作製した。前記(3) に記載のキシロシダーゼ遺
伝子はキシロシダーゼの構造遺伝子領域、プロモーター
領域、ターミネーター領域を含んでいると予想されたの
で、次のようにpUAMD-XYL1のアスペルギルス・カワチへ
の移入を行った。アスペルギルス・カワチをYPD 培地
(2%グルコース、2%ポリペプトン、1%酵母エキ
ス)で30℃、16時間振盪培養した後、得られた菌糸を無
菌水で洗浄した。この菌糸を細胞壁溶解酵素(50mMリン
酸緩衝液 pH6.0、5% NaCl 、0.5 mg/ml ノボザイム 2
34) に懸濁し、30℃、2時間振盪することによりプロト
プラスト化を図った。
ーでろ過することにより残存する菌糸を除去した。次に
このプロトプラスト 1.0×108 個を5% NaCl および 1
0mMCaCl2 を含む50mM Tris-HCl(pH7.5) 100μl に懸濁
し、これにプラスミドpUAMD-XYL1を加え室温に5分間放
置した後、等量のPEG溶液(70%ポリエチレングリコ
ール4000、50mM Tris-HCl(pH7.5)、10 mM CaCl2を含
む)を添加し室温似て10分間放置した。得られたプロト
プラストをamdS培地 (0.2% NaNO3、0.1 % K2HPO4、0.
05% MgSO4・H2O 、0.05%KCl 、0.001 % FeSO4、2 %
寒天、 pH5.5、1Mショ糖、10mMアセトアミド、15mM CsC
l 、1.5 %寒天) の平板上に塗布し、その上に軟寒天am
dS培地(0.5%寒天)を重層し、30℃で培養した。プラス
ミド pUAMD-XYL1 はアセトアミド分解酵素を含んでお
り、形質転換体はamdS培地上で良好に生育することがで
きた。得られた形質転換体をフスマ抽出物液体培地にお
いて30℃で72時間培養して得られた培養菌体を用いてキ
シロシダーゼ活性を測定した。その結果を表1に示し
た。
カワチを形質転換し、得られた形質転換体は、Aspergil
lus kawachii XYL1 として工業技術院生命工学工業技術
研究所に寄託した (受託番号 FERM P-16721)。
ギルス・オリゼの形質転換体の作製 前記実施例1と同様の方法でアスペルギルス・オリゼ中
にプラスミドpUAMD-XYL1を移入して、プラスミドpUAMD-
XYL1の移入されたアスペルギルス・オリゼを作製した。
得られた形質転換体を用いて麹を作製し、キシロシダー
ゼ活性を測定した。その結果を表2に示した。
用い、キロシークエンス用欠失キット(TaKaRa社製)を
用いて、ヘニコフ(Henikoff)の方法 (Gene)、28,p351
-359(1984))に従い、組み換え体プラスミドDNA 、pXYL1
遺伝子に種々の欠失が導入されたプラスミド DNAを作
製し、前項と同様に大腸菌 JM109株(TaKaRa社製)に形
質転換した。この様にして得られた大腸菌よりプラスミ
ド DNAを調製し、サイクルシーケンス(Innis, Proc. N
atl. Acad. Sci. USA. 85, p 9436-9440, 1988)を行っ
た。塩基配列の決定には、アプライドバイオシステム社
製、373A-18 型および 310型を使用した。その結果、配
列表配列番号3 に示すキシロシダーゼ遺伝子のコーディ
ング領域のDNA配列を得た。この全塩基配列は2394bp
であり、Met で始まる 798個のアミノ酸からなるペプチ
ドをコードする。
・オリゼ由来のキシロシダーゼ遺伝子のクローン化に成
功し、そのヌクレオチド配列が解明された。また本発明
においては、クローニングされた上記遺伝子をベクター
に挿入して宿主の形質転換を行うことにも成功した。上
述したことから明らかな如く、本発明によれば、本発明
キシロシダーゼ構造遺伝子の組み込まれた組み換え体DN
Aを含む微生物等を培養することにより、極めて短期間
のうちに、キシロシダーゼを効率よく多量に得ることが
できる。本酵素は、耐塩性および耐熱性を有しており、
食塩を含む溶液中でも十分活性を示す。また、上記遺伝
子は、蛋白質工学用試料として用いることができるの
で、本発明は、産業上極めて有用なものである。また、
キシロースは工業的にも多く使用されているが、その製
造方法はほとんど化学的分解法に頼っている。キシロシ
ダーゼを用いた酵素法によるキシロース生産を行うこと
により、さらに利用範囲を広げることができる。
を図示したものである。
シロシダーゼコード領域を示す。XYL1T はキシロシダー
ゼターミネーターを示す。amdSはアセトアミダーゼ遺伝
子を示す。
Claims (11)
- 【請求項1】 配列表配列番号1の塩基配列を含み、キ
シロシダーゼ遺伝子のプロモーター及び/又はタンパク
質をコードする領域を含む DNA。 - 【請求項2】 アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus
oryzae) から単離されたキシロシダーゼ遺伝子である請
求項1記載の DNA。 - 【請求項3】 配列表配列番号2の塩基配列を含み、キ
シロシダーゼ遺伝子のタンパク質をコードする領域を含
むcDNA。 - 【請求項4】 配列表配列番号3のアミノ酸配列をコー
ドするキシロシダーゼ。 - 【請求項5】 アスペルギルス属(Aspergillus) 菌由来
の請求項1〜3のいずれかに記載の DNAを含んだベクタ
ー。 - 【請求項6】 アスペルギルス属菌がアスペルギルス・
カワチ(Aspergilluskawachii) である請求項5記載のベ
クター。 - 【請求項7】 プラスミドpUAMD-XYL1である請求項6記
載のベクター。 - 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載のベクタ
ーをアスペルギルス属(Aspergillus)菌に移入すること
によって得られる、キシロシダーゼ酵素生産能を上昇せ
しめた形質転換体。 - 【請求項9】 アスペルギルス属菌がアスペルギルス・
カワチ(Aspergilluskawachii) である請求項8記載の形
質転換体。 - 【請求項10】 FREM P-16721である請求項9記載の形
質転換体。 - 【請求項11】 請求項8〜10のいずれかに記載の形
質転換体を培養し、培養物中のキシロシダーゼを産生せ
しめ、これを採取することを特徴とするキシロシダーゼ
製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10140579A JPH11313683A (ja) | 1998-05-07 | 1998-05-07 | 新規キシロシダーゼ遺伝子、ベクター、それを用いた形質転換体及びその利用 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10140579A JPH11313683A (ja) | 1998-05-07 | 1998-05-07 | 新規キシロシダーゼ遺伝子、ベクター、それを用いた形質転換体及びその利用 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11313683A true JPH11313683A (ja) | 1999-11-16 |
Family
ID=15271984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10140579A Pending JPH11313683A (ja) | 1998-05-07 | 1998-05-07 | 新規キシロシダーゼ遺伝子、ベクター、それを用いた形質転換体及びその利用 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11313683A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9012186B2 (en) | 2009-04-27 | 2015-04-21 | The Board Of Trustees Of The University Of Illinois | Hemicellulose-degrading enzymes |
EP2982749A1 (en) | 2014-08-04 | 2016-02-10 | Honda Motor Co., Ltd. | Thermostable beta-xylosidase belonging to gh family 3 |
EP2998317A1 (en) | 2014-09-17 | 2016-03-23 | Honda Motor Co., Ltd. | Thermostable ss-xylosidase belonging to gh family 3 |
EP3031912A1 (en) | 2014-12-12 | 2016-06-15 | Honda Motor Co., Ltd. | Thermostable ss-xylosidase |
-
1998
- 1998-05-07 JP JP10140579A patent/JPH11313683A/ja active Pending
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