JPH1192751A - 耐熱性に優れる樹脂用帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents
耐熱性に優れる樹脂用帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物Info
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- JPH1192751A JPH1192751A JP20679098A JP20679098A JPH1192751A JP H1192751 A JPH1192751 A JP H1192751A JP 20679098 A JP20679098 A JP 20679098A JP 20679098 A JP20679098 A JP 20679098A JP H1192751 A JPH1192751 A JP H1192751A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】カチオン型帯電防止剤の耐熱性を向上させるこ
とにより、熱成形時や加熱混練時に熱分解を起こさない
樹脂用帯電防止剤を提供する。 【解決手段】対アニオン(a)および分子内に1個のカ
チオン性基(b)を有する化合物(A)からなり、該対
アニオン(a)が超強酸であり、かつ該カチオン性基
(b)が非イオン性分子鎖(c)と結合していることを
特徴とする樹脂用帯電防止剤。
とにより、熱成形時や加熱混練時に熱分解を起こさない
樹脂用帯電防止剤を提供する。 【解決手段】対アニオン(a)および分子内に1個のカ
チオン性基(b)を有する化合物(A)からなり、該対
アニオン(a)が超強酸であり、かつ該カチオン性基
(b)が非イオン性分子鎖(c)と結合していることを
特徴とする樹脂用帯電防止剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性に優れる樹脂
用帯電防止剤に関する。さらに詳しくは、樹脂成形時や
加熱混練時の熱履歴によっても帯電防止効果が低下しな
い耐熱性に優れた樹脂用帯電防止剤;およびこれを含有
する耐熱性に優れた帯電防止性樹脂組成物に関するもの
であり、電気器具の計器カバー、ハウジング等の広範囲
にわたって利用することができる樹脂組成物に関する。
用帯電防止剤に関する。さらに詳しくは、樹脂成形時や
加熱混練時の熱履歴によっても帯電防止効果が低下しな
い耐熱性に優れた樹脂用帯電防止剤;およびこれを含有
する耐熱性に優れた帯電防止性樹脂組成物に関するもの
であり、電気器具の計器カバー、ハウジング等の広範囲
にわたって利用することができる樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカチオン型樹脂用帯電防止剤は耐
熱性が不足しているため、樹脂成形時や他の添加剤との
加熱混練時に帯電防止剤が熱分解を起こし、帯電防止効
果の低下や着色や不透明化などの外観不良の原因となっ
ている。
熱性が不足しているため、樹脂成形時や他の添加剤との
加熱混練時に帯電防止剤が熱分解を起こし、帯電防止効
果の低下や着色や不透明化などの外観不良の原因となっ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、カチオン型帯電防止剤の耐熱性を向上させ
ることにより、熱成形時や加熱混練時に熱分解を起こさ
ない樹脂用帯電防止剤を提供することにある。
する課題は、カチオン型帯電防止剤の耐熱性を向上させ
ることにより、熱成形時や加熱混練時に熱分解を起こさ
ない樹脂用帯電防止剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは高温条件
下でも熱分解を起こさないカチオン性化合物について鋭
意検討した結果、耐熱性に優れるカチオン型樹脂用帯電
防止を見いだし、本発明に到達した。
下でも熱分解を起こさないカチオン性化合物について鋭
意検討した結果、耐熱性に優れるカチオン型樹脂用帯電
防止を見いだし、本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、対アニオン(a)およ
び分子内に1個のカチオン性基(b)を有する化合物
(A)からなり、該対アニオン(a)が超強酸であり、
かつ該カチオン性基(b)が非イオン性分子鎖(c)と
結合していることを特徴とする樹脂用帯電防止剤であ
る。
び分子内に1個のカチオン性基(b)を有する化合物
(A)からなり、該対アニオン(a)が超強酸であり、
かつ該カチオン性基(b)が非イオン性分子鎖(c)と
結合していることを特徴とする樹脂用帯電防止剤であ
る。
【0006】
【発明実施の形態】本発明の樹脂用帯電防止剤は、対ア
ニオン(a)および分子内に1個のカチオン性基(b)
を有する下記一般式で示される化合物(A)からなる。
式中、Qは窒素原子またはリン原子であり、置換基R1
〜R4はその基中に非イオン性分子鎖(c)を含有して
いる。置換基R1〜R4のうちの2個が互いに結合して環
を形成していてもよい。また、X-は超強酸のアニオン
である。
ニオン(a)および分子内に1個のカチオン性基(b)
を有する下記一般式で示される化合物(A)からなる。
式中、Qは窒素原子またはリン原子であり、置換基R1
〜R4はその基中に非イオン性分子鎖(c)を含有して
いる。置換基R1〜R4のうちの2個が互いに結合して環
を形成していてもよい。また、X-は超強酸のアニオン
である。
【0007】本発明における対アニオン(a)は、超強
酸であり、好ましくはHammettの酸度関数(−H
0)が12以上の超強酸である。Hammettの酸度
関数(−H0)が12未満の場合、耐熱性が不十分とな
る。具体的な例として、プロトン酸(d)とルイス酸
(e)との組み合わせから誘導される超強酸(四フッ化
硼素酸、六フッ化リン酸など)、トリフロオロメタン
スルホン酸などの超強酸が挙げられる。
酸であり、好ましくはHammettの酸度関数(−H
0)が12以上の超強酸である。Hammettの酸度
関数(−H0)が12未満の場合、耐熱性が不十分とな
る。具体的な例として、プロトン酸(d)とルイス酸
(e)との組み合わせから誘導される超強酸(四フッ化
硼素酸、六フッ化リン酸など)、トリフロオロメタン
スルホン酸などの超強酸が挙げられる。
【0008】本発明におけるプロトン酸(d)の具体的
な例としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ
化水素などが挙げられる。また、本発明におけるルイス
酸(e)の具体的な例としては、三フッ化ホウ素、五フ
ッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素などが挙
げられる。
な例としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ
化水素などが挙げられる。また、本発明におけるルイス
酸(e)の具体的な例としては、三フッ化ホウ素、五フ
ッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素などが挙
げられる。
【0009】プロトン酸類(d)とルイス酸類(e)の
組み合わせは任意であるが、例えば四フッ化硼素酸、六
フッ化リン酸、塩化三フッ化硼素酸などが挙げられる。
さらにこれらの組み合わせ同士の混合物でもよい。
組み合わせは任意であるが、例えば四フッ化硼素酸、六
フッ化リン酸、塩化三フッ化硼素酸などが挙げられる。
さらにこれらの組み合わせ同士の混合物でもよい。
【0010】本発明のカチオン性基(b)は、窒素原子
またはリン原子が、炭化水素基、または非イオン性分子
鎖(c)で分断された炭化水素基と結合したものであ
る。カチオン性基(b)が含有する非イオン性分子鎖
(c)の具体的な構造としては、炭化水素基、エーテル
基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、イミ
ノ基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、カーボネート
基、シロキシ基、窒素原子もしくは酸素原子を含む複素
環構造の基などの2価の有機基である。これらの1種だ
け含有してもよいし2種以上含有してもよい。
またはリン原子が、炭化水素基、または非イオン性分子
鎖(c)で分断された炭化水素基と結合したものであ
る。カチオン性基(b)が含有する非イオン性分子鎖
(c)の具体的な構造としては、炭化水素基、エーテル
基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、イミ
ノ基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、カーボネート
基、シロキシ基、窒素原子もしくは酸素原子を含む複素
環構造の基などの2価の有機基である。これらの1種だ
け含有してもよいし2種以上含有してもよい。
【0011】本発明のカチオン型樹脂用帯電防止剤の製
造方法を以下に示す。
造方法を以下に示す。
【0012】本発明のカチオン型樹脂用帯電防止剤は、
通常、例えば第3級アミンを塩化メチルなどのアルキル
化剤との反応により塩化4級アンモニウム塩とし、次に
本発明の対アニオン(a)のナトリウム塩(例えば四フ
ッ化硼素酸ナトリウムなど)により塩交換反応を行うこ
とにより得られる。この塩交換反応は室温で起こり、ま
た必要により生成した塩化ナトリウムなどの塩は除去す
る。メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ルなどの低級アルコール等の有機溶剤や水などの溶剤中
で行うことが望ましい。さらに第3級アミンとジメチル
炭酸により得られる4級アンモニウム塩に四フッ化硼素
酸水溶液を加えて塩交換反応を行う方法がある。
通常、例えば第3級アミンを塩化メチルなどのアルキル
化剤との反応により塩化4級アンモニウム塩とし、次に
本発明の対アニオン(a)のナトリウム塩(例えば四フ
ッ化硼素酸ナトリウムなど)により塩交換反応を行うこ
とにより得られる。この塩交換反応は室温で起こり、ま
た必要により生成した塩化ナトリウムなどの塩は除去す
る。メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ルなどの低級アルコール等の有機溶剤や水などの溶剤中
で行うことが望ましい。さらに第3級アミンとジメチル
炭酸により得られる4級アンモニウム塩に四フッ化硼素
酸水溶液を加えて塩交換反応を行う方法がある。
【0013】また、本発明のカチオン性基(b)の分子
量は特に低分子量のものには限定されず、出発物質とし
て1個のアミノ基を末端または分子鎖中に有するオリゴ
マー(例えば、分子量1000の末端アミノ基含有ポリ
プロピレングリコール変性物など)を同様にアルキル化
剤で4級化塩とし、次に目的の対アニオンのナトリウム
塩(例えば四フッ化硼素酸ナトリウムなど)により塩交
換反応を行うことによっても得られる。このようにして
得られた本発明の帯電防止剤は通常固状のものである。
水または温湯には不溶ないし難溶のものがほとんどであ
る。
量は特に低分子量のものには限定されず、出発物質とし
て1個のアミノ基を末端または分子鎖中に有するオリゴ
マー(例えば、分子量1000の末端アミノ基含有ポリ
プロピレングリコール変性物など)を同様にアルキル化
剤で4級化塩とし、次に目的の対アニオンのナトリウム
塩(例えば四フッ化硼素酸ナトリウムなど)により塩交
換反応を行うことによっても得られる。このようにして
得られた本発明の帯電防止剤は通常固状のものである。
水または温湯には不溶ないし難溶のものがほとんどであ
る。
【0014】本発明の使用対象の熱可塑性樹脂(II)
としては、アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸、ポリメ
タクリル酸エステル、ポリアクリル酸など)、ポリオレ
フィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、
ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ABS系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂などの樹脂が挙げられる。
としては、アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸、ポリメ
タクリル酸エステル、ポリアクリル酸など)、ポリオレ
フィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、
ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ABS系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂などの樹脂が挙げられる。
【0015】本発明の樹脂用帯電防止剤(I)の添加量
は、樹脂用帯電防止剤(I)/熱可塑性樹脂(II)が
重量比で、通常0.1/99.9〜10/90、好まし
くは0.1/99.9〜5/95である。
は、樹脂用帯電防止剤(I)/熱可塑性樹脂(II)が
重量比で、通常0.1/99.9〜10/90、好まし
くは0.1/99.9〜5/95である。
【0016】本発明の帯電防止剤の添加方法は、帯電
防止剤とペレットまたは粉末状の樹脂とを混合機で所定
濃度になるように配合し均一に混合後、押し出し機で加
熱溶融混練して樹脂組成物を得、次に加熱成形機または
射出成形機等を用いて常法に従って成形加工する方法
や、あらかじめ高濃度の帯電防止剤を配合したいわゆ
るマスターバッチを作成しておき、次いで帯電防止剤を
含まない樹脂でこれを所定の濃度まで希釈してから成形
加工する方法等が挙げられ、好ましくは後者のマスター
バッチ法である。また、本発明の帯電防止剤は必要によ
り、他の添加剤、例えば安定剤(例えば酸化防止剤、紫
外線吸収剤、老化防止剤)、滑剤(例えばシリカ、ワッ
クス、脂肪酸エステル)、無機充填剤(例えば酸化チタ
ン、炭化カルシウム)、難燃剤(例えばヘキサブロモベ
ンゼン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム)、
顔料などを一緒に添加してもよい。本発明の帯電防止剤
を添加した樹脂の形態としては、注型物、射出物、シー
ト状やフィルムなどの成型品があげられる。
防止剤とペレットまたは粉末状の樹脂とを混合機で所定
濃度になるように配合し均一に混合後、押し出し機で加
熱溶融混練して樹脂組成物を得、次に加熱成形機または
射出成形機等を用いて常法に従って成形加工する方法
や、あらかじめ高濃度の帯電防止剤を配合したいわゆ
るマスターバッチを作成しておき、次いで帯電防止剤を
含まない樹脂でこれを所定の濃度まで希釈してから成形
加工する方法等が挙げられ、好ましくは後者のマスター
バッチ法である。また、本発明の帯電防止剤は必要によ
り、他の添加剤、例えば安定剤(例えば酸化防止剤、紫
外線吸収剤、老化防止剤)、滑剤(例えばシリカ、ワッ
クス、脂肪酸エステル)、無機充填剤(例えば酸化チタ
ン、炭化カルシウム)、難燃剤(例えばヘキサブロモベ
ンゼン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム)、
顔料などを一緒に添加してもよい。本発明の帯電防止剤
を添加した樹脂の形態としては、注型物、射出物、シー
ト状やフィルムなどの成型品があげられる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中
の部は重量部を示す。
が、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中
の部は重量部を示す。
【0018】製造例1 攪拌機及び温度計を取り付けた1Lのオートクレーブに
ジラウリルメチルアミン367gとイソプロパノール3
00gを加えて攪拌しながら反応容器中の温度を80℃
に保ち、メチルクロライド60gを1時間かけて徐々に
滴下後、同温度で4時間熟成した。イソプロパノールを
留去後、水300gと四フッ化硼素酸ナトリウム110
gを加え、室温で1時間攪拌した。析出した塩を濾過し
た後、水洗を行い、減圧乾燥後、本発明の帯電防止剤
(A−1)を得た。このものは常温で白色、軟固体、水
難溶性であった。
ジラウリルメチルアミン367gとイソプロパノール3
00gを加えて攪拌しながら反応容器中の温度を80℃
に保ち、メチルクロライド60gを1時間かけて徐々に
滴下後、同温度で4時間熟成した。イソプロパノールを
留去後、水300gと四フッ化硼素酸ナトリウム110
gを加え、室温で1時間攪拌した。析出した塩を濾過し
た後、水洗を行い、減圧乾燥後、本発明の帯電防止剤
(A−1)を得た。このものは常温で白色、軟固体、水
難溶性であった。
【0019】製造例2 攪拌機及び温度計を取り付けた1Lのオートクレーブに
ステアリルジメチルアミン297gとイソプロパノール
300gを加えて攪拌しながら反応容器中の温度を80
℃に保ち、メチルクロライド60gを1時間かけて徐々
に滴下後、同温度で4時間熟成した。イソプロパノール
を留去後、水300gとトリフルオロメタンスルホン酸
ナトリウム150gを加え、室温で1時間攪拌した。析
出した塩を濾過した後、水洗を行い、減圧乾燥後、本発
明の帯電防止剤(A−2)を得た。このものは常温で白
色、軟固体、水難溶性であった。
ステアリルジメチルアミン297gとイソプロパノール
300gを加えて攪拌しながら反応容器中の温度を80
℃に保ち、メチルクロライド60gを1時間かけて徐々
に滴下後、同温度で4時間熟成した。イソプロパノール
を留去後、水300gとトリフルオロメタンスルホン酸
ナトリウム150gを加え、室温で1時間攪拌した。析
出した塩を濾過した後、水洗を行い、減圧乾燥後、本発
明の帯電防止剤(A−2)を得た。このものは常温で白
色、軟固体、水難溶性であった。
【0020】製造例3 攪拌機及び温度計を取り付けた1Lのオートクレーブに
ステアラミドエチルジエチルアミン372gとイソプロ
パノール300gを加えて攪拌しながら反応容器中の温
度を80℃に保ち、メチルクロライド60gを1時間か
けて徐々に滴下後、同温度で4時間熟成した。イソプロ
パノールを留去後、水300gと四フッ化硼素酸ナトリ
ウム110gを加え、室温で1時間攪拌した。析出した
塩を濾過した後、水洗を行い、減圧乾燥後、本発明の帯
電防止剤(A−3)を得た。このものは常温で白色、軟
固体、水難溶性であった。
ステアラミドエチルジエチルアミン372gとイソプロ
パノール300gを加えて攪拌しながら反応容器中の温
度を80℃に保ち、メチルクロライド60gを1時間か
けて徐々に滴下後、同温度で4時間熟成した。イソプロ
パノールを留去後、水300gと四フッ化硼素酸ナトリ
ウム110gを加え、室温で1時間攪拌した。析出した
塩を濾過した後、水洗を行い、減圧乾燥後、本発明の帯
電防止剤(A−3)を得た。このものは常温で白色、軟
固体、水難溶性であった。
【0021】実施例1 ポリカーボネート樹脂100部に製造例1で得られた樹
脂用帯電防止剤(A−1)4部を添加し、ヘンツェルミ
キサーをもちいて均一に混合、ついで270〜280℃
に設定した二軸押出機で溶融混練して樹脂組成物を得
た。得られた樹脂組成物を230℃、10分間加圧成形
機にかけて成形して、10cm×10cmで厚さ1mm
のプレート状の試料を得た。 実施例2、3 製造例2および3で得られた樹脂用帯電防止剤(A−
2)、(A−3)を用いる以外は実施例1と同様にして
試料を作成した。 比較例1、2 比較の帯電防止剤として、塩化ジラウリルメチルアンモ
ニウムおよび塩化ステアリルジメチルアンモニウムを用
いる以外は実施例1と同様にして比較のための試料を作
成した。
脂用帯電防止剤(A−1)4部を添加し、ヘンツェルミ
キサーをもちいて均一に混合、ついで270〜280℃
に設定した二軸押出機で溶融混練して樹脂組成物を得
た。得られた樹脂組成物を230℃、10分間加圧成形
機にかけて成形して、10cm×10cmで厚さ1mm
のプレート状の試料を得た。 実施例2、3 製造例2および3で得られた樹脂用帯電防止剤(A−
2)、(A−3)を用いる以外は実施例1と同様にして
試料を作成した。 比較例1、2 比較の帯電防止剤として、塩化ジラウリルメチルアンモ
ニウムおよび塩化ステアリルジメチルアンモニウムを用
いる以外は実施例1と同様にして比較のための試料を作
成した。
【0022】<試料の評価> (1)帯電防止性 試料を20℃、65%R.H.の温調室に48時間放置
後、同雰囲気下でアドバンテスト社製の超絶縁計を用い
て表面固有抵抗を測定した。その結果を表1に示す。 (2)耐熱性 成形直後とさらに160℃、80%R.H.で24
時間加熱した後のプレートの外観変化を観察した結果を
表1に示す。なお、ブランクとして、帯電防止剤を添加
しないポリカーボネート樹脂で評価した。
後、同雰囲気下でアドバンテスト社製の超絶縁計を用い
て表面固有抵抗を測定した。その結果を表1に示す。 (2)耐熱性 成形直後とさらに160℃、80%R.H.で24
時間加熱した後のプレートの外観変化を観察した結果を
表1に示す。なお、ブランクとして、帯電防止剤を添加
しないポリカーボネート樹脂で評価した。
【0023】
【表1】
【0024】特定の対アニオン性基を導入した本発明の
カチオン型帯電防止剤は耐熱性に優れ、過激な加熱条件
下で放置しても帯電防止性を保持しながら樹脂の変色を
起こさないことが認められる。
カチオン型帯電防止剤は耐熱性に優れ、過激な加熱条件
下で放置しても帯電防止性を保持しながら樹脂の変色を
起こさないことが認められる。
【0025】
【発明の効果】本発明の帯電防止剤及び樹脂組成物は従
来のものより熱安定性に優れ、成形温度の高い樹脂に添
加しても帯電防止性の低下や外観変色を起こさない。従
って、ポリカーボネート、ポリエステル等に使用すれ
ば、その樹脂が持っている透明性を阻害せず、従来品の
ように用途の制限を受けることなく、種々の用途(例え
ば電気器具の計器カバー、ハウジング、フィルム等)に
適用しても良好な結果をもたらす。
来のものより熱安定性に優れ、成形温度の高い樹脂に添
加しても帯電防止性の低下や外観変色を起こさない。従
って、ポリカーボネート、ポリエステル等に使用すれ
ば、その樹脂が持っている透明性を阻害せず、従来品の
ように用途の制限を受けることなく、種々の用途(例え
ば電気器具の計器カバー、ハウジング、フィルム等)に
適用しても良好な結果をもたらす。
Claims (8)
- 【請求項1】 対アニオン(a)および分子内に1個の
カチオン性基(b)を有する化合物(A)からなり、該
対アニオン(a)が超強酸であり、かつ該カチオン性基
(b)が非イオン性分子鎖(c)と結合していることを
特徴とする樹脂用帯電防止剤。 - 【請求項2】 該カチオン性基(b)が、4級アンモニ
ウム塩基またはホスホニウム塩基である請求項1記載の
樹脂用帯電防止剤。 - 【請求項3】 該対アニオン(a)が、そのHamme
ttの酸度関数(−H0)が12以上の超強酸である請
求項1または2記載の樹脂用帯電防止剤。 - 【請求項4】 該対アニオン(a)がプロトン酸(d)
とルイス酸(e)との組み合わせの超強酸である請求項
1〜3のいずれか記載の樹脂用帯電防止剤。 - 【請求項5】 該プロトン酸(d)がフッ化水素、塩化
水素、臭化水素またはヨウ化水素であり、該ルイス酸
(e)が三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アン
チモンまたは五フッ化ヒ素である請求項4記載の樹脂用
帯電防止剤。 - 【請求項6】 該非イオン性分子鎖(c)が2価の炭化
水素基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、
エステル基、イミノ基、アミド基、イミド基、ウレタン
基、ウレア基、カーボネート基、シロキシ基および窒素
原子もしくは酸素原子を含む複素環構造からなる群から
選ばれる1種以上の基を含有する2価の有機基である請
求項1〜5のいずれか記載の樹脂用帯電防止剤。 - 【請求項7】 請求項1〜6いずれか記載の樹脂用帯電
防止剤(I)を熱可塑性樹脂(II)に含有させてなる
ことを特徴とする帯電防止性樹脂組成物。 - 【請求項8】 該樹脂用帯電防止剤(I)/熱可塑性樹
脂(II)が重量比で0.1/99.9〜10/90で
ある請求項7記載の帯電防止性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20679098A JP2909735B2 (ja) | 1997-07-25 | 1998-07-22 | 耐熱性に優れる樹脂用帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21553097 | 1997-07-25 | ||
JP9-215530 | 1997-07-25 | ||
JP20679098A JP2909735B2 (ja) | 1997-07-25 | 1998-07-22 | 耐熱性に優れる樹脂用帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1192751A true JPH1192751A (ja) | 1999-04-06 |
JP2909735B2 JP2909735B2 (ja) | 1999-06-23 |
Family
ID=26515870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20679098A Expired - Fee Related JP2909735B2 (ja) | 1997-07-25 | 1998-07-22 | 耐熱性に優れる樹脂用帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2909735B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6740413B2 (en) | 2001-11-05 | 2004-05-25 | 3M Innovative Properties Company | Antistatic compositions |
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