JPH1192141A - 炭酸カルシウム粉粒体の製造方法および炭酸カルシウム粉粒体とこれを用いた高分子用添加剤 - Google Patents

炭酸カルシウム粉粒体の製造方法および炭酸カルシウム粉粒体とこれを用いた高分子用添加剤

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JPH1192141A
JPH1192141A JP24900797A JP24900797A JPH1192141A JP H1192141 A JPH1192141 A JP H1192141A JP 24900797 A JP24900797 A JP 24900797A JP 24900797 A JP24900797 A JP 24900797A JP H1192141 A JPH1192141 A JP H1192141A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭酸カルシウムを乾式粉砕するにあたり、そ
の粉砕効率を高めて、十分に満足できる比表面積を得る
とともに、高分子用添加剤として用いたときの物性の低
下や着色などの問題を回避することを目的とする。 【解決手段】 炭酸カルシウム粗粒子を、この粗粒子1
00重量部あたり、低級モノカルボン酸0.01〜3重
量部および脂肪酸またはその塩0.01〜3重量部の存
在下に、乾式粉砕処理および分級処理して、比表面積が
20,000cm2/g以上となる超微粒子状の炭酸カル
シウム粉粒体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸カルシウム粉
粒体の製造方法および炭酸カルシウム粉粒体とこれを用
いた高分子用添加剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭酸カルシウムを乾式粉砕して、比表面
積を可及的に大きくした炭酸カルシウム微粒子を製造す
る方法は、既に、公知である。このような乾式粉砕方法
では、通常、粉砕助剤を添加して、粉砕効率を高め、炭
酸カルシウム微粒子からなる粉粒体の生産性を向上させ
るようにしている。
【0003】このような粉砕助剤としては、従来より、
トリエタノ―ルアミン、トリメタノ―ルアミン、リグニ
ンスルホン酸塩、クレゾ―ル、ジエチレングリコ―ルな
どが知られており、また、マレイン酸などの低級ジカル
ボン酸化合物とトリエタノ―ルアミンなどの有機アミン
化合物との併用系(特公平5−44420号公報)、ア
クリル酸またはメタクリル酸の重合体または共重合体の
塩(特公平7−100141号公報)などが、数多く提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公知の粉
砕助剤では、粉砕効率が低く、十分に満足できる比表面
積が得られなかつたり、製造される炭酸カルシウム粉粒
体を高分子用添加剤として用いたときに、高分子の物性
の低下や着色などの問題を生じることがあつた。とく
に、上記高分子の物性の低下や着色などの問題は、粉砕
効率を高めるため、粉砕助剤の添加量を増やしたとき
に、より顕著であつた。
【0005】本発明は、炭酸カルシウムを乾式粉砕する
にあたり、その粉砕効率を高めて、十分に満足できる比
表面積を得るとともに、高分子用添加剤として用いたと
きの物性の低下や着色などの問題を回避することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、炭酸カル
シウムの乾式粉砕に際し、粉砕助剤として、低級モノカ
ルボン酸と脂肪酸またはその塩を特定量使用すると、粉
砕効率が高められて、比表面積の大きい超微粒子状の炭
酸カルシウム粉粒体が得られ、しかもこの粉粒体は、微
粒子のひとつひとつに上記特定の粉砕助剤が被着され
て、これが二次凝集の発生を防ぎ、またゴムや合成樹脂
に対する相溶性や分散性の向上に寄与し、この粉粒体を
高分子用添加剤として用いたときに、従来のような物性
の低下や着色の問題などを生じるおそれがなく、むしろ
高分子の物性の向上に好結果をもたらすことを知り、本
発明を完成するに至つた。
【0007】すなわち、本発明は、炭酸カルシウム粗粒
子を、この粗粒子100重量部あたり、低級モノカルボ
ン酸0.01〜3重量部および脂肪酸またはその塩0.
01〜3重量部の存在下に、乾式粉砕処理および分級処
理することを特徴とする炭酸カルシウム粉粒体の製造方
法(請求項1〜7)に係るものである。
【0008】また、本発明は、上記方法で製造される炭
酸カルシウム粉粒体として、炭酸カルシウム微粒子の比
表面積が20,000cm2 /g以上であり、この微粒子
の表面が、炭酸カルシウム100重量部あたり、モノカ
ルボン酸0.01〜3重量部および脂肪酸またはその塩
0.01〜3重量部により、被覆されていることを特徴
とする炭酸カルシウム粉粒体(請求項8,9)と、上記
粉粒体からなることを特徴とする高分子用添加剤(請求
項10)とに係るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、粉砕助剤のひと
つとして使用する低級モノカルボン酸には、炭素数4以
下の飽和または不飽和脂肪族カルボン酸として、ギ酸、
酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、メタクリル酸が例示
され、これらの中でも、アクリル酸またはメタクリル酸
がとくに好ましい。また、これらの脂肪族カルボン酸の
ほか、安息香酸などの芳香族カルボン酸を使用すること
もできる。
【0010】本発明において、粉砕助剤の他のひとつと
して使用する脂肪酸には、炭素数6以上の脂肪酸とし
て、カプロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、ベヘニン酸、牛脂脂肪酸、ヒマシ硬化脂肪酸、
パルミトレイン酸、オレイン酸、リノ―ル酸が例示され
る。その塩には、水不溶性金属塩として、カルシウム
塩、アルミニウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、バリウ
ム塩または鉛塩が例示される。これら脂肪酸またはその
塩の中でも、ステアリン酸またはステアリン酸のカルシ
ウム塩、アルミニウム塩、マグネシウム塩もしくは亜鉛
塩が好ましい。
【0011】これらの粉砕助剤は、粉砕原料である炭酸
カルシウム粗粒子100重量部あたり、低級モノカルボ
ン酸が0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜1.
5重量部、脂肪酸またはその塩が0.01〜3重量部、
好ましくは0.05〜1.5重量部となる割合で用いら
れる。この範囲内において、炭酸カルシウム粉粒体から
なる製品に求められる比表面積に応じて、また高分子用
添加剤としての用途目的に応じて、最適の使用量を選択
することができる。
【0012】本発明においては、このような特定量の低
級モノカルボン酸と脂肪酸またはその塩との存在下で、
炭酸カルシウム粗粒子を乾式粉砕処理する。粉砕原料と
しての炭酸カルシウム粗粒子としては、公知の各種方法
で調製される重質炭酸カルシウムとして知られるもの
が、いずれも使用可能である。通常は、その比表面積が
15,000cm2 /g以下となる粒子径の大きいものが
用いられるが、場合により、上記よりも小さな粒子径を
有するものを用いてもよい。
【0013】乾式粉砕処理は、粉砕媒体を用いて行うの
がよい。粉砕媒体には、ガラス球、セラミツクス球、鋼
球などがあり、粉砕効果上、鋼球が好ましい。鋼球の直
径は1.5〜20mm、好ましくは4.5〜11mmであ
る。微粉砕機には、転動ボ―ルミル、チユ―ブミル、コ
ニカルミル、振動ボ―ルミル、塔式粉砕機としてタワ―
ミル、攪拌槽ミルとしてアトライタ、セントリ―ミルな
どがあり、とくにチユ―ブミル、振動ボ―ルミル、タワ
―ミル、アトライタが好ましい。
【0014】この乾式粉砕処理において、粉砕助剤のひ
とつである低級モルカルボン酸は、粉砕媒体の鋼球に炭
酸カルシウム粗粒子を適量付着させて、摩擦、せん断作
用による粉砕を助け、粉砕時の鋼球の擦りあいにて発生
する鉄粉の混入を防止する。また、粉砕助剤の他のひと
つである脂肪酸またはその塩は、鋼球と炭酸カルシウム
との付着性を適度に弱めて、粉砕後の微粒子が鋼球表面
から速やかに離脱し、別の炭酸カルシウム粗粒子が付着
しやすくなるように作用する。これらの両働きにより、
従来の粉砕助剤に比べて、高い粉砕効率が得られる。
【0015】この乾式粉砕処理後、常法により、分級処
理する。分級処理は、渦状気流分級機を用いて行うのが
好ましい。渦状気流分級機には、安川商事(株)製の
「ミクロプレツクス」、日清エンジニアリング(株)製
の「タ―ボクラシフアイヤ」、日本ドナルドソン(株)
製の「アキユカツト」、日本ニユ―マチツク(株)製の
「デイスパ―ジヨンセパレ―タ」などがあり、とくに上
記「ミクロプレツクス」、「タ―ボクラシフアイヤ」が
好ましく用いられる。
【0016】このような分級処理においては、処理物中
に含まれる前記の低級モノカルボン酸と脂肪酸またはそ
の塩が分級助剤としての役割をも果たし、分級精度や分
級歩留りに好結果がもたらされる。なお、上記の分級処
理では、炭酸カルシウム微粒子と粗粒子との集合状態に
あるものを解砕しながら、分級するが、この解砕を効率
的に行うために、粉砕処理後、適宜の解砕機を用いて解
砕処理したのち、上記分級機を用いて分級処理するよう
にしてもよい。
【0017】このようにして製造される炭酸カルシウム
粉粒体は、比表面積が20,000cm2 /g以上、好ま
しくは25,000cm2 /g以上、さらに好ましくは3
0,000cm2 /g以上(通常50,000cm2 /gま
で)となる超微粒子の粉粒体からなり、かつ各微粒子の
表面が前記の助剤で被覆されている、つまり、炭酸カル
シウム100重量部あたり、低級モノカルボン酸0.0
1〜3重量部および脂肪酸またはその塩0.01〜3重
量部により被覆されている。
【0018】このため、この炭酸カルシウム粉粒体は、
各粒子表面を被覆する上記材料、とくに脂肪酸またはそ
の塩により、その後の二次凝集化が防がれるとともに、
この粉粒体を、ゴム、合成樹脂などの高分子用添加剤と
して用いたときに、上記材料のうちの低級モノカルボン
酸によつて上記高分子との相溶性が向上し、また脂肪酸
またはその塩により上記高分子中での分散性が向上す
る。
【0019】このように、上記炭酸カルシウム粉粒体
は、各粒子が超微粒子で構成されて、かつ上記被覆材料
の効果的作用により、高分子用添加剤として用いたとき
に、絶縁抵抗の低下、熱収縮防止などの機能に好結果を
もたらし、しかも、高分子本来の物性を低下させる心配
が少なく、高分子の種類によつては引張強さや曲げ強さ
などの物性をむしろ向上させるという、格段にすぐれた
性能を発揮する。また、上記被覆材料は、耐熱性にすぐ
れており、従来公知の粉砕助剤であるトリエタノ―ルア
ミンなどの有機アミン化合物とは異なり、高分子を着色
化させる心配がなく、変色のない高分子成形体の製造を
可能とする。
【0020】ところで、従来技術においては、乾式粉砕
後の炭酸カルシウム粉粒体の二次凝集を防止し、また高
分子に対する相溶性や分散性の向上をはかるために、乾
式粉砕後に、上記粉粒体を薬剤とともに高速ミキサで処
理して、炭酸カルシウムの粒子表面に上記薬剤を付着さ
せるという方法がとられていた。このような薬剤とし
て、脂肪酸またはその塩を用いることも知られている。
【0021】しかし、上記従来の薬剤処理された炭酸カ
ルシウム粉粒体は、粉砕効率の点より、比表面積が通常
20,000cm2 /g以下となる、粒子径のかなり大き
なもので、しかもこの各粒子が静電気、水分などの影響
で既に集合体として存在し、薬剤処理のための高速ミキ
サでは各粒子に解砕する能力がないため、上記集合体の
表面にのみ薬剤が付着する。この集合体は高分子と混練
する際破壊されるが、集合体内部の粒子表面には薬剤が
付着していないことより、高分子に対する相溶性や分散
性の改善という点で十分な効果が発現されない。
【0022】これに対し、本発明の炭酸カルシウム粉粒
体は、各粒子の粒子径が従来に比べより小さくなつてい
るとともに、各粒子のひとつひとつに粉砕助剤として用
いた薬剤が均一に付着した構成となつており、しかも、
上記薬剤が低級モノカルボン酸と脂肪酸またはその塩と
の混合系で構成されていることにより、二次凝集の防止
効果はもちろんのこと、高分子に対する相溶性および分
散性の改善という点で従来に比べ格段にすぐれた効果を
発揮する。また、このような効果が、乾式粉砕時に粉砕
助剤として添加することにより、達成されることから、
上記従来の乾式粉砕後の薬剤処理に比べ、工程上および
経済上有利となり、高品質でかつ安価な炭酸カルシウム
粉粒体を提供できるという効果が奏される。
【0023】なお、上記本発明の炭酸カルシウム粉粒体
は、あくまでも、各粒子の粒子径が前記のように小さく
され、かつその粒子表面に上記特定の薬剤が特定量付着
していることを特徴とする。したがつて、このような粉
粒体を上記以外の方法で製造してもよいことはもちろん
である。たとえば、製造工程や経済上の有利さを無視す
れば、上記以外の方法で上記同様の炭酸カルシウム粉粒
体を得たのちに、上記同様の薬剤付着処理などの後処理
を施して、製造してもよい。
【0024】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。以下、部とあるのは重量部を意味す
る。また、炭酸カルシウム粉粒体の比表面積は、島津製
作所製の粉体比表面積測定装置「SS−100」により
測定した値である。
【0025】実施例1−1 内径1,100mm、長さ500mmのポツトミルに、粉砕
媒体として直径9mmの鋼球80Kgを入れ、これに比表面
積11,000cm2 /gの炭酸カルシウム粗粒子4Kgを
投入し、さらに粉砕助剤として、上記の炭酸カルシウム
100部に対して、メタクリル酸0.15部およびステ
アリン酸亜鉛0.1部を投入したのち、回転数30rp
mで4時間かけて、乾式粉砕処理した。
【0026】この乾式粉砕処理により、炭酸カルシウム
粉の比表面積は、21,400cm2/gとなつた。その
後、粉砕媒体である鋼球と炭酸カルシウム粉とを篩によ
り分離し、孔径0.5mmのスクリ―ンを取り付けたホソ
カワミクロン(株)製の「ホソカワ/マイクロバンタム
ミル」で粉砕時に二次凝集した炭酸カルシウム粉を解砕
処理した。ついで、安川商事(株)製の風力分級機「ミ
クロプレツクス132MP」を使用し、そのガイド弁の
間隔を0.5mm、原料供給量を1Kg/時間に調整して、
分級処理し、炭酸カルシウム粉粒体を製造した。
【0027】実施例1−2 粉砕助剤として、炭酸カルシウム100部に対して、メ
タクリル酸0.3部およびステアリン酸カルシウム0.
2部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、乾式
粉砕処理した。この乾式粉砕処理により、炭酸カルシウ
ム粉の比表面積は、22,300cm2 /gとなつた。そ
の後、実施例1−1と同様にして、解砕処理および分級
処理して、炭酸カルシウム粉粒体を製造した。
【0028】実施例1−3 粉砕助剤として、炭酸カルシウム100部に対して、ア
クリル酸0.2部およびステアリン酸バリウム0.15
部を使用した以外は、実施例1−1と同様にして、乾式
粉砕処理した。この乾式粉砕処理により、炭酸カルシウ
ム粉の比表面積は、21,800cm2 /gとなつた。そ
の後、実施例1−1と同様にして、解砕処理および分級
処理して、炭酸カルシウム粉粒体を製造した。
【0029】実施例1−4 粉砕助剤として、炭酸カルシウム100部に対して、ア
クリル酸0.5部およびオレイン酸0.4部を使用した
以外は、実施例1−1と同様にして、乾式粉砕処理し
た。この粉砕処理により、炭酸カルシウム粉の比表面積
は、23,500cm2 /gとなつた。その後、実施例1
−1と同様にして、解砕処理および分級処理して、炭酸
カルシウム粉粒体を製造した。
【0030】比較例1−1 粉砕助剤として、炭酸カルシウム100部に対して、ト
リエタノ―ルアミンを0.2部用いるようにした以外
は、実施例1−1と同様にして、乾式粉砕処理した。こ
の粉砕処理により、炭酸カルシウム粉の比表面積は、1
2,200cm2 /gとなつた。その後、実施例1−1と
同様にして、解砕処理および分級処理して、炭酸カルシ
ウム粉粒体を製造した。
【0031】比較例1−2 粉砕助剤として、炭酸カルシウム100部に対して、ト
リエタノ―ルアミンを0.5部用いるようにした以外
は、実施例1−1と同様にして、乾式粉砕処理した。こ
の粉砕処理により、炭酸カルシウム粉の比表面積は、1
7,300cm2 /gとなつた。その後、実施例1−1と
同様にして、解砕処理および分級処理して、炭酸カルシ
ウム粉粒体を製造した。
【0032】比較例1−3 粉砕助剤として、炭酸カルシウム100部に対して、メ
タクリル酸を0.5部用いるようにした以外は、実施例
1−1と同様にして、乾式粉砕処理した。この乾式粉砕
処理により、炭酸カルシウム粉の比表面積は、10,5
00cm2 /gとなつた。その後、実施例1−1と同様に
して、解砕処理および分級処理して、炭酸カルシウム粉
粒体を製造した。
【0033】比較例1−4 粉砕助剤として、炭酸カルシウム100部に対して、ス
テアリン酸カルシウムを0.5部用いるようにした以外
は、実施例1−1と同様にして、乾式粉砕処理した。こ
の粉砕処理により、炭酸カルシウム粉の比表面積は、1
7,800cm2/gとなつた。その後、実施例1−1と
同様にして、解砕処理および分級処理して、炭酸カルシ
ウム粉粒体を製造した。
【0034】上記の実施例1−1〜4および比較例1−
1〜4で製造した各炭酸カルシウム粉粒体について、そ
の比表面積を調べたところ、下記の表1に示されるとお
りであつた。なお、同表には、参考のために、使用した
粉砕助剤の種類とその使用量(炭酸カルシウム100部
に対する使用部数)を併記した。
【0035】
【0036】上記表1の結果から、実施例1−1〜4で
製造した炭酸カルシウム粉粒体は、いずれも、比表面積
が35,000cm2 /g以上と大きくなつており、超微
粒子化されていることが明らかである。また、電子顕微
鏡およびX線分析装置による観察で、炭酸カルシウム微
粒子の各粒子表面が粉砕助剤として使用した低級モノカ
ルボン酸と脂肪酸またはその塩とにより被覆されている
ことも確認できた。
【0037】これに対し、粉砕助剤としてトリエタノ―
ルアミンを使用した比較例1−1,2の炭酸カルシウム
粉粒体は、粉砕効率が低いために、比表面積が小さくな
つており、しかもトリエタノ―ルアミンの使用量を多く
した比較例1−2の炭酸カルシウム粉粒体は、乾式粉砕
中に鋼球の擦り合いで発生した鉄粉の混入がみられ、灰
色に着色していた。また、低級モノカルボン酸をこれ単
独で使用した比較例1−3の炭酸カルシウム粉粒体と、
さらに脂肪酸塩をこれ単独で使用した比較例1−4の炭
酸カルシウム粉粒体は、ともに、実施例1−1〜4に比
べて、比表面積が小さくなつており、後者の比較例1−
4の炭酸カルシウム粉粒体は、乾式粉砕中に鋼球の擦り
合いで発生した鉄粉の混入が多少認められた。
【0038】実施例2−1 安川商事(株)製の「バイブロミル」(YAMH形バツ
チタイプ、ドラム容量20リツトル)に、粉砕媒体とし
て直径4.5mmの鋼球80Kgを入れ、これに比表面積
8,000cm2 /gの炭酸カルシウム粗粒子4Kgを投入
し、さらに粉砕助剤として、上記の炭酸カルシウム10
0部に対して、メタクリル酸0.2部およびステアリン
酸0.15部を投入し、1時間かけて、乾式粉砕処理し
た。
【0039】この乾式粉砕処理により、炭酸カルシウム
粉の比表面積は、20,800cm2/gとなつた。その
後、粉砕媒体である鋼球と炭酸カルシウム粉とを篩によ
り分離し、孔径0.5mmのスクリ―ンを取り付けたホソ
カワミクロン(株)製の「ホソカワ/マイクロバンタム
ミル」で粉砕時に二次凝集した炭酸カルシウム粉を解砕
処理した。ついで、安川商事(株)製の風力分級機「ミ
クロプレツクス132MP」を使用し、そのガイド弁の
間隔を0.7mm、原料供給量を2Kg/時間に調整して、
分級処理し、炭酸カルシウム粉粒体を製造した。
【0040】実施例2−2 粉砕助剤として、炭酸カルシウム100部に対して、ア
クリル酸0.3部およびステアリン酸0.2部を用いた
以外は、実施例2−1と同様にして、乾式粉砕処理し
た。この粉砕処理により、炭酸カルシウム粉の比表面積
は、21,300cm2 /gとなつた。その後、実施例2
−1と同様にして、解砕処理および分級処理して、炭酸
カルシウム粉粒体を製造した。
【0041】実施例2−3 粉砕助剤として、炭酸カルシウム100部に対して、ア
クリル酸0.2部およびステアリン酸鉛0.1部を使用
した以外は、実施例2−1と同様にして、乾式粉砕処理
した。この粉砕処理により、炭酸カルシウム粉の比表面
積は、19,500cm2 /gとなつた。その後、実施例
2−1と同様にして、解砕処理および分級処理して、炭
酸カルシウム粉粒体を製造した。
【0042】比較例2 粉砕助剤として、炭酸カルシウム100部に対して、ジ
エチレングリコ―ルを0.4部用いるようにした以外
は、実施例2−1と同様にして、乾式粉砕処理した。こ
の粉砕処理により、炭酸カルシウム粉の比表面積は、1
6,800cm2 /gとなつた。その後、実施例2−1と
同様にして、解砕処理および分級処理して、炭酸カルシ
ウム粉粒体を製造した。
【0043】上記の実施例2−1〜3および比較例2で
製造した各炭酸カルシウム粉粒体について、その比表面
積を調べたところ、下記の表2に示されるとおりであつ
た。なお、同表には、参考のために、使用した粉砕助剤
の種類とその使用量(炭酸カルシウム100部に対する
使用部数)を併記した。
【0044】
【0045】上記表2の結果から、実施例2−1〜3で
製造した炭酸カルシウム粉粒体は、いずれも、比表面積
が31,000cm2 /g以上と大きくなつており、超微
粒子化されていることが明らかである。また、電子顕微
鏡およびX線分析装置による観察で、炭酸カルシウム微
粒子の各粒子表面が粉砕助剤として使用した低級モノカ
ルボン酸と脂肪酸またはその塩とにより被覆されている
ことも確認できた。これに対して、粉砕助剤としてジエ
チレングリコ―ルを使用した比較例2の炭酸カルシウム
粉粒体は、粉砕効率が低いために、比表面積が小さくな
つている。
【0046】実施例3−1 内径1,100mm、長さ4,000mmのチユ―ブミル
に、粉砕媒体として直径11mmの鋼球9,300Kgを入
れ、これに比表面積14,300cm2 /gの炭酸カルシ
ウム粗粒子を400Kg/時間の投入量で投入し、さらに
粉砕助剤として、上記の炭酸カルシウム100部に対し
て、メタクリル酸が0.25部およびステアリン酸亜鉛
が0.1部となる割合で連続的に投入し、回転数28r
pmで、連続的に乾式粉砕処理した。
【0047】この乾式粉砕処理により、炭酸カルシウム
粉の比表面積は、18,900cm2/gとなつた。続い
て、孔径0.4mmのスクリ―ンを取り付けた(株)奈良
機械製作所製の「自由粉砕機M−4」で粉砕時に二次凝
集した炭酸カルシウム粉を解砕処理した。ついで、安川
商事(株)製の風力分級機「ミクロプレツクス132M
P」を使用し、そのガイド弁の間隔を1mm、原料供給量
を3Kg/時間に調整して、分級処理し、炭酸カルシウム
粉粒体を製造した。
【0048】実施例3−2 粉砕助剤として、炭酸カルシウム100部に対して、メ
タクリル酸が0.2部およびステアリン酸アルミニウム
が0.15部となるように、投入した以外は、実施例3
−1と同様にして、乾式粉砕処理した。この処理によ
り、炭酸カルシウム粉の比表面積は19,200cm2
gとなつた。その後、実施例3−1と同様にして、解砕
処理および分級処理して、炭酸カルシウム粉粒体を製造
した。
【0049】実施例3−3 粉砕助剤として、炭酸カルシウム100部に対して、ア
クリル酸が0.4部およびステアリン酸鉛が0.2部と
なるように、投入した以外は、実施例3−1と同様にし
て、乾式粉砕処理した。この乾式粉砕処理により、炭酸
カルシウム粉の比表面積は21,100cm2 /gとなつ
た。その後、実施例3−1と同様にして、解砕処理およ
び分級処理して、炭酸カルシウム粉粒体を製造した。
【0050】比較例3 粉砕助剤として、炭酸カルシウム100部に対して、マ
レイン酸が0.2部およびトリエタノ―ルアミンが0.
15部となるように、投入した以外は、実施例3−1と
同様にして、乾式粉砕処理した。この粉砕処理により、
炭酸カルシウム粉の比表面積は19,300cm2 /gと
なつた。その後、実施例3−1と同様にして、解砕処理
および分級処理して、炭酸カルシウム粉粒体を製造し
た。
【0051】上記の実施例3−1〜3および比較例3で
製造した各炭酸カルシウム粉粒体について、その比表面
積を調べたところ、下記の表3に示されるとおりであつ
た。なお、同表には、参考のために、使用した粉砕助剤
の種類とその使用量(炭酸カルシウム100部に対する
使用部数)を併記した。
【0052】
【0053】上記表3の結果から、実施例3−1〜3で
製造した炭酸カルシウム粉粒体は、いずれも、比表面積
が25,000cm2 /g以上と大きくなつており、超微
粒子化されていることが明らかである。また、電子顕微
鏡およびX線分析装置による観察で、炭酸カルシウム微
粒子の各粒子表面が粉砕助剤として使用した低級モノカ
ルボン酸と脂肪酸またはその塩とにより被覆されている
ことも確認できた。
【0054】なお、粉砕助剤としてマレイン酸とトリエ
タノ―ルアミンを用いた比較例3の炭酸カルシウム粉粒
体においても、実施例3−2とほぼ同等の比表面積が得
られているが、後述するように、高分子用添加剤として
利用したとき、体積固有抵抗値の低下や熱劣化による着
色化などの問題がある。
【0055】実施例4−1 内径1,100mm、長さ500mmのポツトミルに、粉砕
媒体として直径9mmの鋼球80Kgを入れ、これに比表面
積12,000cm2 /gの炭酸カルシウム粗粒子4Kgを
投入し、さらに粉砕助剤として、上記の炭酸カルシウム
100部に対して、アクリル酸0.15部およびステア
リン酸マグネシウム0.2部を投入したのち、回転数3
0rpmで4時間かけて、第1次の乾式粉砕処理を施し
た。引き続いて、粉砕助剤として、上記の炭酸カルシウ
ム100部に対して、アクリル酸0.4部およびステア
リン酸亜鉛0.3部を投入したのち、回転数30rpm
で4時間かけて、第2次の乾式粉砕処理を施した。
【0056】この乾式粉砕処理により、炭酸カルシウム
粉の比表面積は、28,300cm2/gとなつた。その
後、粉砕媒体である鋼球と炭酸カルシウム粉とを篩によ
り分離し、孔径0.4mmのスクリ―ンを取り付けたホソ
カワミクロン(株)製の「ホソカワ/マイクロバンタム
ミル」で粉砕時に二次凝集した炭酸カルシウム粉を解砕
処理した。ついで、日清エンジニアリング(株)製の空
気分級機「タ―ボクラシフアイアTC−15N型」を使
用し、回転数15,000rpm、原料供給量1.8Kg
/分に調整して、分級処理し、炭酸カルシウム粉粒体を
製造した。
【0057】実施例4−2 第1次の乾式粉砕処理における粉砕助剤として、炭酸カ
ルシウム100部に対して、メタクリル酸0.2部およ
びステアリン酸亜鉛0.15部を使用し、また第2次の
乾式粉砕処理における粉砕助剤として、炭酸カルシウム
100部に対して、メタクリル酸0.6部およびステア
リン酸0.5部を使用した以外は、実施例4−1と同様
にして、乾式粉砕処理した。この処理により、炭酸カル
シウム粉の比表面積は31,100cm2 /gとなつた。
その後、実施例4−1と同様にして、解砕処理および分
級処理して、炭酸カルシウム粉粒体を製造した。
【0058】実施例4−3 第1次の乾式粉砕処理における粉砕助剤として、炭酸カ
ルシウム100部に対して、メタクリル酸0.15部お
よびステアリン酸カルシウム0.2部を用い、第2次の
乾式粉砕処理における粉砕助剤として、炭酸カルシウム
100部に対して、アクリル酸0.5部およびステアリ
ン酸マグネシウム0.4部を用いた以外は、実施例4−
1と同様にして、乾式粉砕処理した。この処理により、
炭酸カルシウム粉の比表面積は29,500cm2 /gと
なつた。その後、実施例4−1と同様に、解砕処理およ
び分級処理して、炭酸カルシウム粉粒体を製造した。
【0059】比較例4 第1次の乾式粉砕処理における粉砕助剤として、炭酸カ
ルシウム100部に対して、トリメチルアミン0.35
部を使用し、また第2次の乾式粉砕処理における粉砕助
剤として、炭酸カルシウム100部に対して、トリメチ
ルアミン0.9部を使用した以外は、実施例4−1と同
様にして、乾式粉砕処理した。この処理により、炭酸カ
ルシウム粉の比表面積は26,300cm2 /gとなつ
た。その後、実施例4−1と同様にして、解砕処理およ
び分級処理して、炭酸カルシウム粉粒体を製造した。
【0060】上記の実施例4−1〜3および比較例4で
製造した各炭酸カルシウム粉粒体について、その比表面
積を調べたところ、下記の表4および表5に示されると
おりであつた。なお、両表には、参考のために、使用し
た粉砕助剤の種類とその使用量(炭酸カルシウム100
部に対する使用部数)を併記した。
【0061】
【0062】
【0063】上記表4の結果から、実施例4−1〜3で
製造した炭酸カルシウム粉粒体は、粉砕助剤の使用量を
多くすることにより、比表面積が42,000cm2 /g
以上と大きくなつており、前記の実施例1〜3よりもさ
らに超微粒子化されていることが明らかである。また、
電子顕微鏡およびX線分析装置による観察で、炭酸カル
シウム微粒子の各粒子表面が粉砕助剤として使用した低
級モノカルボン酸と脂肪酸またはその塩とにより被覆さ
れていることも確認できた。
【0064】なお、上記の実施例4−1〜3において、
乾式粉砕処理を第1次および第2次の二段に分けて行つ
ている理由は、一度に多量の粉砕助剤を使用すると、粉
砕媒体である鋼球の表面に炭酸カルシウム粗粒子が付着
するのが遅くなり、鋼球の擦り合いにより鉄粉が発生し
て、着色化するなどの弊害が出てくるおそれがあること
から、これをさけるようにしたものである。
【0065】また、上記表5の結果から、粉砕助剤とし
てトリメチルアミンを用いた比較例4では、粉砕助剤の
添加量を多くすることにより、炭酸カルシウム粉粒体の
比表面積を増大させることはできるが、後述するよう
に、高分子用添加剤としては、体積固有抵抗値の低下や
熱劣化による着色化などの問題がある。
【0066】実施例5 塩化ビニル樹脂〔日本ゼオン(株)製の「103E
P」〕100部、三塩基性硫酸鉛5部、ステアリン酸
0.5部、ジオクチルフタレ―ト(DOP)50部、表
6に示す炭酸カルシウム粉粒体60部を、三井三池製作
所製の「ヘンシエルミキサ―FM10/L」により常温
で混合したのち、江藤製作所製の「試験用小型ロ―ル4
−8型」を用いて、前ロ―ル温度162〜165℃、後
ロ―ル温度160〜163℃で、10分間混練りし、シ
―ト状に成形した。しかるのち、175℃に加温したホ
ツトプレスにより、90秒間プレスすることにより、厚
さが約1mmのシ―ト状試験片を作製した。
【0067】このシ―ト状試験片を室温になるまで放置
したのち、東亜電波(株)製の「極超絶縁計SM−10
E」により、体積固有抵抗値を測定した。結果は、表6
に示されるとおりであつた。なお、炭酸カルシウム粉粒
体を添加しない場合の上記体積固有抵抗値は、5.0×
1012であつた。
【0068】
【0069】上記表6の結果から、本発明の炭酸カルシ
ウム粉粒体によれば、これを軟質塩化ビニル樹脂に添加
することにより、体積固有抵抗値を大きく増大でき、ビ
ニル絶縁電線に応用可能であることがわかる。これに対
して、比較例1−2、比較例3および比較例4の炭酸カ
ルシウム粉粒体では、本発明のものに比べて、体積固有
抵抗値を増大できず、比較例4ではむしろ低下してお
り、しかも、いずれも、軟質塩化ビニル樹脂との混練り
中に粉砕助剤が熱劣化し、褐色に着色するため、カラ―
リング時に障害が起き、樹脂用充填剤には不適当であつ
た。
【0070】実施例6 塩化ビニル樹脂〔日本ゼオン(株)製の「103E
P」〕100部、DOP50部、ステアリン酸亜鉛0.
6部、ステアリン酸バリウム0.6部、表7に示す炭酸
カルシウム粉粒体50部を、三井三池製作所製の「ヘン
シエルミキサ―FM10/L」により、常温で混合した
のち、江藤製作所製の「試験用小型ロ―ル4−3型」を
用い、前ロ―ル温度160〜163℃、後ロ―ル温度1
57〜161℃で、10分間混練りし、シ―ト状に成形
した。しかるのち、(株)小平製作所製の「50TON
複動式ラミネ―ト成型機」により、プレス設定温度17
5℃で1分間プレスを行い、厚さが約1mmのシ―ト状試
験片を作製した。
【0071】このシ―ト状試験片を用いて、JIS−K
7113により、破断時の引張応力および伸び率を測定
した。結果は、表7に示されるとおりであつた。なお、
炭酸カルシウム粉粒体を添加しなかつたときの上記引張
応力は1.01kgf /mm2 、上記伸び率は240%であ
つた。
【0072】
【0073】上記表7の結果から、本発明の炭酸カルシ
ウム粉粒体によれば、これを熱収縮防止や増量剤などと
して、軟質塩化ビニル樹脂に添加したときに、上記樹脂
シ―トの引張応力や伸び率の低下を抑制でき、とくに引
張応力に関しては、無添加のものに比べ、むしろ大きく
なつていることがわかる。これに対し、比較例1−2、
比較例1−3、比較例1−4および比較例3の各炭酸カ
ルシウム粉粒体では、上記低下が本発明のものに比べて
大きく、しかも、比較例1−2および比較例3の炭酸カ
ルシウム粉粒体は、軟質塩化ビニル樹脂とのロ―ル混練
り中に褐色に着色し、カラ―リング時に障害が起きると
いう問題もあつた。
【0074】実施例7 天然ゴム(RSS#1)50部、スチレン−ブタジエン
ゴム(#1502)50部、酸化亜鉛5部、硫黄2.5
部、ステアリン酸1部、加硫促進剤として川口化学
(株)製の「アクセルDM」0.9部および同「アクセ
ルD」0.4部、表8に示した炭酸カルシウム粉粒体1
00部を、ロ―ル直径10インチ、長さ600mmのゴム
ロ―ルにより、10分間混練りしたのち、150℃に温
度設定したホツトプレスにより、10分間加硫処理し
た。
【0075】上記の加硫処理後、JIS K6301−
1975にしたがい、引張強さ、伸び、引裂強さ、屈曲
性および硬度を調べた。なお、屈曲性は、デマチヤ式試
験機を用いて、7,000回屈曲させたときに発生した
亀裂の長さで表した。また、硬度は、スプリング式硬さ
試験機を使用して測定した。これらの測定結果は、表8
および表9に示されるとおりであつた。
【0076】
【0077】
【0078】上記表8および表9の結果から、本発明の
炭酸カルシウム粉粒体によれば、これをゴム用添加剤と
して用いることにより、ゴム成形シ―トの引張強さ、伸
び、引裂強さ、屈曲性などの物性において、比較例の炭
酸カルシウム粉粒体に比べ、よりすぐれた結果が得られ
るものであることがわかる。
【0079】実施例8 ポリプロピレン樹脂〔東燃石油化学(株)製の「J24
0FX」〕100部、ステアリン酸1部、表10に示す
炭酸カルシウム粉粒体40部を、神戸製鋼所製の「バン
バリ―ミキサ−FARREL−BR型」(有効容積1.
7リツトル)により、練り温度160℃で、90秒間混
練りしたのち、ロ―ル直径10インチ、長さ500mmの
ゴムロ―ルに通して、シ―ト状に成形した。
【0080】このシ―ト状物をペレタイザにて3mm角に
切断したのち、射出成形機により、引張試験片(JIS
K7113−1982)を作製した。この試験片を用
い、JIS K7113により、引張強さおよび伸びを
測定した。結果は、表10に示されるとおりであつた。
同表には、炭酸カルシウム粉粒体を添加しなかつた場合
の試験結果を、参考として、併記した。
【0081】
【0082】つぎに、上記のシ―ト状物をペレタイザに
て3mm角に切断したのち、射出成形機により、曲げ試験
片(JIS K7203−1982)を作製した。この
試験片を用い、JIS K7203により、曲げ強さを
測定した。結果は、表11に示されるとおりであつた。
同表には、炭酸カルシウム粉粒体を添加しなかつた場合
の試験結果を、参考として、併記した。
【0083】
【0084】また、上記のシ―ト状物をペレタイザにて
3mm角に切断したのち、射出成形機により、衝撃試験片
(JIS K7110−1984)を作製した。この試
験片を用い、JIS K7110により、アイゾツト衝
撃強度を測定した。結果は、表12に示されるとおりで
あつた。同表には、炭酸カルシウム粉粒体を添加しなか
つた場合の試験結果を、参考として、併記した。
【0085】
【0086】上記の表10〜表12の結果から、本発明
の炭酸カルシウム粉粒体によれば、これをポリピロピレ
ン樹脂に添加することにより、樹脂成形シ―トの引張強
さ、伸び、曲げ強さ、アイゾツト衝撃強度において、比
較例の炭酸カルシウム粉粒体に比べ、よりすぐれた結果
が得られており、引張強さや曲げ強さなどの物性は、無
添加のものに比べて、より向上できるものであることが
わかる。
【0087】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、炭酸
カルシウム粗粒子の乾式粉砕に際し、粉砕助剤として、
低級モノカルボン酸と脂肪酸またはその塩を特定量使用
するようにしたことにより、粉砕効率が著しく高められ
て、比表面積の大きい超微粒子状の炭酸カルシウム粉粒
体を製造することができる。
【0088】しかも、この炭酸カルシウム粉粒体は、微
粒子のひとつひとつに上記特定の粉砕助剤が被着され
て、これが二次凝集の発生を防ぎ、またゴムや合成樹脂
に対する相溶性や分散性の向上に寄与し、この粉粒体を
高分子用添加剤として用いたときに、従来のような物性
の低下や着色の問題などを生じず、むしろ高分子の物性
の向上に好結果をもたらすという効果が奏される。
【0089】さらに、本発明では、このような炭酸カル
シウム粉粒体を、従来のように乾式粉砕後に薬剤付着処
理などの面倒な工程を付加することなく、上記特定の粉
砕助剤を乾式粉砕時に添加するだけの処理にて、生産性
良好に製造できることから、従来に比べて、格段に安価
な上記粉粒体を提供することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸カルシウム粗粒子を、この粗粒子1
    00重量部あたり、低級モノカルボン酸0.01〜3重
    量部および脂肪酸またはその塩0.01〜3重量部の存
    在下に、乾式粉砕処理および分級処理することを特徴と
    する炭酸カルシウム粉粒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 乾式粉砕処理を、粉砕媒体を用いて行う
    請求項1に記載の炭酸カルシウム粉粒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 分級処理を、渦状気流分級機を用いて行
    う請求項1に記載の炭酸カルシウム粉粒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 低級モノカルボン酸が、炭素数4以下の
    飽和または不飽和脂肪族カルボン酸である請求項1に記
    載の炭酸カルシウム粉粒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 低級モノカルボン酸が、アクリル酸また
    はメタクリル酸である請求項4に記載の炭酸カルシウム
    粉粒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 脂肪酸またはその塩が、炭素数6以上の
    脂肪酸またはその水不溶性金属塩である請求項1に記載
    の炭酸カルシウム粉粒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 脂肪酸またはその塩が、ステアリン酸ま
    たはステアリン酸のカルシウム塩、アルミニウム塩、マ
    グネシウム塩もしくは亜鉛塩である請求項6に記載の炭
    酸カルシウム粉粒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 炭酸カルシウム微粒子の比表面積が2
    0,000cm2 /g以上であり、この微粒子の表面が、
    炭酸カルシウム100重量部あたり、低級モノカルボン
    酸0.01〜3重量部および脂肪酸またはその塩0.0
    1〜3重量部により、被覆されていることを特徴とする
    炭酸カルシウム粉粒体。
  9. 【請求項9】 炭酸カルシウム微粒子の比表面積が2
    5,000cm2 /g以上である請求項8に記載の炭酸カ
    ルシウム粉粒体。
  10. 【請求項10】 請求項8または9に記載の炭酸カルシ
    ウム粉粒体からなることを特徴とする高分子用添加剤。
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