JP2010132897A - 無機化合物含有重合体の製造方法、熱可塑性樹脂組成物、及び成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム系無機化合物(a1)、及び、必要に応じてリン酸系化合物(a3)を含む水分散液中で、ビニル単量体(a2)を重合する無機化合物含有重合体の製造方法。
【選択図】なし
Description
金属チタン製の撹拌機付き反応容器(内容積 60L) にSi濃度0.01Mのオルト珪酸ナトリウム溶液8.6Lを入れ、撹拌した。次にAl濃度0.01Mの塩化アルミニウム溶液を21L入れ30分撹拌した。次いで、0.01MのNaOH溶液18.5L を1時間かけて添加した。このときのサスペンションのpHは4.5(25℃)であった。そして、このサスペンションを95℃に昇温させ、24時間保持した後、24時間かけて室温まで冷却した。このときの反応サスペンションのpHは4.2で、極めて透明度の高いものであった。反応終了後のサスペンションに1%アンモニア水溶液を撹拌しながら添加して、pH9.0に調整した後、撹拌を停止して、8時間静置し、反応容器の底部に凝集した沈殿物を得た。反応容器の上部の透明度が高い液を除去し、底部の沈殿物を吸引式濾過器で通水濾過して、濾過液の導電度が100マイクロジーメンス以下になるまで、水洗を行ない、やや白色を帯びたペーストを得た。
金属チタン製の撹拌機付き反応容器(内容積 60L) にSi濃度0.01Mのオルト珪酸ナトリウム溶液8.6Lを入れ、撹拌した。次にAl濃度0.01Mの塩化アルミニウム溶液を21L入れ30分撹拌した。次いで、0.01MのNaOH溶液18.5L を1時間かけて添加した。このときのサスペンションのpHは4.5(25℃)であった。そして、このサスペンションを95℃に昇温させ、24時間保持した後、24時間かけて室温まで冷却した。このときの反応サスペンションのpHは4.2で、極めて透明度の高いものであった。得られた「水分散型イモゴライト(2)」の固形分は0.04%であった。
製造例1で得た水分散型イモゴライト(1)を、凍結乾燥機でマイナス40℃から徐々に昇温して、28時間の乾燥を行ない、粉体状イモゴライトを得た。
X線回折装置((株)リガク製RINT2500(商品名))を用いて、加速電圧は40kV、加速電流は300mAにより、Cu−Kα線を照射し、回折角(2θ)5〜85°の範囲における回折パターンを測定した。
透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製JEM-1200EXII(商品名))を用いて、加速電圧100KV、倍率10万倍で観察した。
フーリエ変換赤外分光光度計((株)島津製作所製FTIR−8700(商品名))を用いて、KBr法で調整した試料を、透過法により400〜4000cm-1の範囲における吸収スペクトルを測定した。
X線回折パターンにおいて、回折角(2θ)6°、11°、16°付近にブロードなピークを確認した。また、TEMの観察において、繊維状の像を確認した。また、IRの測定において、Si−O−Al結合に由来するイモゴライト特有のダブレット吸収を950〜1000cm-1付近に確認した。
比表面積測定装置(ユアサアイオニクス(株)製モノソーブ(商品名))を用いて、試料を120℃、2時間脱気した後に測定した。
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた反応容器に、脱イオン水200部、製造例1で得た水分散型イモゴライト(1)0.1部(固形分換算)、メタクリル酸スルホエチルとメチルメタクリレートの共重合体のナトリウム塩0.02部を仕込み、混合した。次いで、メチルメタクリレート100部、オクチルメルカプタン0.1部、アゾビスイソブチロニトリル0.05部を添加した。窒素気流下で80℃に昇温して、2時間攪拌した後、90℃に昇温して30分攪拌した。内容物を冷却した後、生成物を濾取、乾燥し、無機化合物含有重合体(A−1)を得た。
成形体を目視観察した、また、成形体の全光線透過率を、JIS K7362−1に準拠して(試験片の厚み:2mm、光が透過する開口部の直径:6mm)測定した。以下の基準により成形外観を評価した。
◎:0.1mm以上の凝集物が観察されず、全光線透過率が90%以上。
○:0.1mm以上の凝集物が観察されず、全光線透過率は90%未満。
△:0.1mm以上の凝集物が成形体中に分散している。
×:0.1mm以上の凝集物が成形体中に偏在している。
成形体の表面硬度を、JIS K−5400に準拠して、測定し評価した。
成形体の表面を乾いた綿布で10回摩擦した後、成形体表面を平面上のたばこの灰に一定の距離を隔てて近づけた際の、灰の付着性を評価した。尚、評価は、23℃、50%RHの環境下で行なった。また、成形体は、予めこの環境下で一日放置して用いた。
○:10mmの距離まで近づけても灰が付着しない。
△:50mmの距離まで近づけても灰が付着しないが、10mmの距離まで近づけると灰が付着する。
×:50mmの距離で灰が付着する。
反応容器に、アシッドホスホオキシエチルメタクリル酸エステル(商品名「ホスマーM」、ユニケミカル(株)製)0.1部を、更に加えて仕込んだこと以外は、実施例1と同様にして、無機化合物含有重合体(A−2)を製造し、これを用いて成形体を製造し、評価を行なった。結果を表1に示す。
製造例1で得た水分散型イモゴライト(1)を用いないこと以外は実施例1と同様にして、重合体(Q−1)を製造し、これを用いて成形体を製造し、評価を行なった。結果を表1に示す。
製造例1で得た水分散型イモゴライト(1)を用いないこと以外は実施例2と同様にして、重合体(Q−2)を製造し、これを用いて成形体を製造し、評価を行なった。結果を表1に示す。
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた反応容器に、製造例2で得た水分散型イモゴライト(2)0.4部(固形分換算、有姿1000部)を仕込み、室温で攪拌した。10%アンモニア水溶液1部(固形分換算)を加えて30分攪拌した後、アシッドホスホオキシエチルメタクリル酸エステル(商品名「ホスマーM」、ユニケミカル(株)製)0.04部を加えて30分攪拌した。次いで、メチルメタクリレート100部、オクチルメルカプタン0.1部、アゾビスイソブチロニトリル0.05部を添加した。窒素気流下で80℃に昇温して、2時間攪拌した後、90℃に昇温して30分攪拌した。内容物を冷却した後、生成物を濾取、乾燥し、無機化合物含有重合体(A−3)を得た。
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた反応容器に、粉体状イモゴライト0.1部、メチルメタクリレート100部、オクチルメルカプタン0.1部、アゾビスイソブチロニトリル0.05部を投入し、混合した。窒素気流下で80℃に昇温して、2時間保持した後、90℃に昇温して30分保持して、重合体(Q−3)を製造した。重合体(Q−3)を用いて、実施例1と同様にして、成形体を製造し、評価を行なった。結果を表3に示す。
粉体状イモゴライト0.1部、ポリメチルメタクリレート(商品名「アクリペットVH」、三菱レイヨン(株)製)100部を配合し、ニーダー(商品名「プラスチコーダー」、ブラベンダー社製、内容積50cm3)を用いて、バレル温度230℃で溶融ブレンドした。
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた反応容器に、脱イオン水225部、メチルメタクリレート99部、メチルアクリレート1部、オクチルメルカプタン0.2部、アルケニルコハク酸カリウム0.8部を投入し、混合した。窒素気流下で40℃に昇温させた後、過硫酸カリウム0.2部及び脱イオン水25部を添加した。3時間攪拌した後、冷却して、重合体(Q−4)のラテックスを得た。重合体(Q−4)のラテックスの固形分(140℃×30分間で加熱した際の不揮発分)は28%であった。
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた反応容器に、脱イオン水200部、製造例1で得た水分散型イモゴライト(1)10部(固形分換算)、アシッドホスホオキシエチルメタクリル酸エステル(商品名「ホスマーM」、ユニケミカル(株)製)10部、メタクリル酸スルホエチルとメチルメタクリレートの共重合体のナトリウム塩0.02部を投入し、混合した。これ以降の操作は実施例1と同様にして、無機化合物含有重合体(A−4)を製造した。
熱可塑性樹脂
ポリ乳酸:商品名「レイシアH−100」三井化学(株)製
バレル温度:200℃
ポリカーボネート:商品名「S1000」三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製
バレル温度:280℃
ポリプロピレン:商品名「EA9」三菱化学(株)製
バレル温度:230℃
得られた成形体を実施例1と同様に評価した。結果を表6に示す。
[結晶性]
示差走査熱量測定装置(商品名「DSC7」、パーキンエルマー製)を用いて、樹脂組成物を等温結晶化させて測定した。温度条件は、200℃で3分間保持した後、105℃まで急速冷却して保持した。
○:吸熱ピークが観察される。
×:吸熱ピークが観察されない。
表6に示す組成としたこと以外は、それぞれ実施例4〜6と同様に成形体を製造し、評価を行なった。結果を表6に示す。また、比較例6の樹脂の示差熱を実施例4の熱可塑性樹脂組成物と同様に測定し、図2に示す示差熱曲線を得て、結晶性について評価を行なった。結果を表6に示す。
Claims (5)
- アルミニウム系無機化合物(a1)を含む水分散液中で、ビニル単量体(a2)を重合する無機化合物含有重合体の製造方法。
- アルミニウム系無機化合物(a1)及びリン酸系化合物(a3)を含む水分散液中で、ビニル単量体(a2)を重合する無機化合物含有重合体の製造方法。
- 請求項1又は2記載の製造方法で得られる無機化合物含有重合体及び熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載の製造方法で得られる無機化合物含有重合体を成形して得られる成形体。
- 請求項3記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形体。
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