JPH1190810A - 研磨用布帛 - Google Patents
研磨用布帛Info
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Abstract
する。 【解決手段】 単繊維繊度が0.08〜0.5デニ−ル
である極細繊維を主体とする布帛であって、目付が50
〜300g/m2 である研磨用布帛である。
Description
適した研磨用布帛に関し、該加工方法により磁気記録媒
体を製造する方法に関する。
発達に伴い、その外部記憶装置としてハ−ドディスク等
の磁気記録媒体が多用されるようになってきた。この磁
気記録媒体としてはアルミニウム合金基板にアルマイト
処理やニッケル−リンメッキ等の非磁性メッキ処理を施
した後に、クロム等の下地層を被覆し、ついでコバルト
(Co)系合金の磁性薄膜層を被覆し、さらに炭素質の
保護膜で被覆したものが使用されている。
を図るために該媒体表面に、微細な溝を形成させる「テ
クスチャ−加工」と称される表面加工処理が施される。
このテクスチャ−加工を施す方法としてはたとえば固定
砥粒式の研磨テ−プを用いるテ−プ研磨や遊離砥粒のス
ラリ−を研磨テ−プ表面に付着させて研磨を行うスラリ
−研磨などが知られている。
工のうち、テ−プ研磨による場合には耐摩耗性を得るた
めに基板表面処理(表面粗さの低下、仕上げ加工の強化
など)を行うと基板表面のテクスチャ−ノイズ[基板表
面のくいこみや深い谷の発生等に起因する。]が発生
し、得られる磁気記録媒体の電磁変換特性が大きく低下
する問題があった。
磨による場合よりも基板表面のテクスチャ−ノイズの発
生は低減されるが、ウネリが発生して電磁変換特性の顕
著な効果は見られない。
による研磨屑が磁気記録媒体の基板上に残り、その研磨
屑によりテクスチャ−ノイズが発生するという問題も有
していた。そこで、本発明の目的は、ハ−ドディスク等
の磁気記録媒体の表面にテクスチャ−加工を施す際に、
その表面に均一な凹凸を形成できる研磨テ−プを提供す
ることであり、該研磨テ−プに好適な布帛を提供するも
のである。さらに、本発明の他の目的は研磨屑をハ−ド
ディスク等の磁気記録媒体上に残留させることがなく、
かつ研磨屑を排出できる研磨テ−プを提供するものであ
る。
度が0.08〜0.5デニ−ルであり、少なくとも2種
類のポリマ−からなる極細繊維を主体とする布帛であっ
て、目付が50〜300g/m2 、である研磨用布帛を
提供することによって達成される。以下本発明について
詳細について説明する。
単繊維繊度が0.08〜0.5デニ−ル、好ましくは
0.1〜0.4デニ−ルである。極細繊維の単繊維繊度
が0.08デニ−ル未満の場合には繊維強度が弱くな
り、研磨テ−プとして使用した際に繊維が切断されて研
磨屑とともに塵が発生し、ハ−ドディスク等の磁気記録
媒体(以下、単にハ−ドディスクまたはディスクと称す
る)上にこれらが残留して電磁変換特性が大きく低下す
ることになる。一方、単繊維繊度が0.5デニ−ルを越
えると、研磨屑を運び去る、すなわち研磨テ−プで研磨
屑を排出することができなくなり、ハ−ドディスク上に
研磨屑が残留してしまい、電磁変換特性が低下すること
になる。かかる極細繊維を構成するポリマ−としてはポ
リエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、これらの共
重合体、他成分の混合体などの繊維形成性ポリマ−を挙
げることができ、本発明においては、少なくとも2種類
のポリマ−からなる極細繊維で布帛が構成されているこ
とが好ましい。
ることも可能ではあるが、2種類以上の繊維形成性ポリ
マ−からなる海島型複合繊維や分割型複合繊維等から形
成される脱海繊維、分割繊維が好ましい。たとえばポリ
エステルとポリアミドとからなる多層貼合わせ型複合繊
維を、ポリアミドに対し膨潤性能を有するベンジルアル
コ−ルまたは安息香酸で処理、あるいは熱水で撹拌処理
することにより得られるフィブリル可繊維、該複合繊維
をポリエステルの加水分解剤であるアルカリ水溶液で処
理することにより得られるフブリル化繊維、該複合繊維
を仮撚捲縮加工とアルカリ減量加工との併用系で処理す
ることにより得られるフィブリル化繊維などを挙げるこ
とができる。またポリエステルを島成分に、ポリスチレ
ンまたはスルホイソフタル酸を共重合した共重合ポリエ
ステルを海成分にした海島型複合繊維の海成分を溶解除
去して得られる極細繊維を挙げることができる。該複合
繊維を構成するポリマ−の組合わせは所望に応じて適宜
設定し得るが、後述するテクスチャ−加工、とくにスラ
リ−研磨における遊離砥粒量の軽減などを考慮すると、
遊離砥粒スラリ−が付着し易い親水性ポリマ−と、親油
性ポリマ−との組み合わせ、たとえばポリエステルとポ
リアミド等の組み合わせが好ましい。
面形状は従来一般的に用いられている円形断面でもよい
が、ハ−ドディスク上に均一な凹凸を形成するために
は、20度以上120度以下の角度を少なくとも2つ有
する断面であることが好ましい。かかる角度を有する断
面にすることにより、テクスチャ−加工表面の研磨屑の
拭き取りが十分行われ、満足すべきクリ−ニング効果が
得られる。ハ−ドディスク面に対する極細繊維の角度に
より前述のクリ−ニング効果は大きく相違するのであ
る。前述の角度外の角度を少なくとも2つ有する断面形
状の極細繊維、丸断面の極細繊維は微小な研磨屑を拭き
取る効果が低下する。より好ましい角度は30度以上、
110度以下である。
断面形状であることが微小な研磨屑の拭き取り性の点で
好ましい。この偏平断面とは3つまたは4つの角を有
し、偏平度(最長辺/最短辺)が1以上、とくに1.5
以上であることを示す。そして、本発明の布帛は、上記
で規定される偏平度が異なる極細繊維で主として構成さ
れていることが好ましく、「偏平度が異なる」とは布帛
を主として構成する全ての極細繊維の偏平度が異なるこ
とを意味するのみならず、布帛を主として構成する極細
繊維が少なくとも2種類の偏平度を有していることを意
味する。
平度が異なる極細繊維(糸条)で構成されていることが
好ましく、かかる断面形状および偏平度の極細繊維を主
体として構成されている布帛は糸条間に適当な空隙が生
じ、拭き取られた微小な研磨屑が順次該空隙内に押し込
められ、極限に至るまで拭き取られた汚れ部分は再付着
することがない。また角度を有することから腰があり、
テクスチャ−加工作業耐久性をも有するのである。
である。不織布は通常の長繊維または短繊維からなるウ
エッブをニ−ドルパンチまたはウオ−タ−パンチによる
処理を施したもの、メルトブロ−法により形成されたも
の等を挙げることができ、不織布の製造方法はとくに限
定されるものではない。また織物としては通常は平織物
が適用されるが、朱子織、綾織、梨地織、緯サテン二重
織等、いかなる織組織でも適用できる。編物としては経
編、丸編いずれの編組織も適用できる。このような布帛
はは本発明の目的を阻害しない範囲でバインダ−繊維や
樹脂を含有していてもよい。さらには表面をカレンダ−
加工したり、ニ−ドルやウオ−タ−ジェトによるパンチ
ング処理や起毛処理を施してもさしつかえない。上述の
極細化は布帛を形成した後に脱海処理や剥離・分割処理
が施されて極細繊維化されてもよい。
で形成されていてもよいが、本発明の効果を満足するに
は該布帛を構成する繊維の20重量%以上が上述の極細
繊維であることが好ましい。該布帛をテクスチャ−加工
用研磨テ−プとして使用する場合には上述の極細繊維1
00%で形成されていることが、ハ−ドディスクのテク
スチャ−加工性、研磨屑のクリ−ニング性の点で好まし
い。そして目付は50〜300g/m2 、とくに80〜
280g/m2 であることが好ましく、後述するテクス
チャ−加工用研磨テ−プとしての強度を保持する上で必
要である。
る際のテクスチャ−加工は、遊離砥粒と上述の布帛から
なる研磨テ−プとを用いるスラリ−研磨によって行われ
る。このテクスチャ−加工において、研磨テ−プは乾燥
時と湿潤時の縦方向の強度の差が10kg/2.5cm
幅以下であることが好ましい。なお、乾燥時とは室温2
0℃、湿度40%の条件下に放置したときを示し、湿潤
時とは布帛を水に十分浸漬した後、雫を落とし、室温2
0℃、湿度40%の条件下に放置した状態を示す。該研
磨テ−プの乾燥時と湿潤時との強度差が大きいと研磨テ
−プによる砥粒のハ−ドディスク面への押しつけ力が不
均一となり、基板表面を均一に研磨することができず、
基板表面のくいこみや深い谷が形成されることになる。
基板表面を均一に研磨することを考慮すると、上述の強
度差とともに、湿潤時の30%伸長時の強度が6.0k
g/2.5cm以下であることが好ましい。かかる強度
が6.0kg/2.5cmを越えると、遊離砥粒を含む
スラリ−により湿潤状態の研磨テ−プがハ−ドディスク
面に押さえ付けられ、水分が絞りだされて硬くなって乾
燥状態となり、基板表面に砥粒が強く押さえ付けられ、
基板表面のくいこみや深い谷などのテクスチャ−ノイズ
が発生しやすくなる。
れば、遊離砥粒に対する砥粒保持力や砥粒押し付け時の
クッション性が適当にバランスして、基板表面に対する
くいこみや深い谷などの発生を著しく効果的に抑制する
ことができる。
しては、たとえばホワイトアルミナ系、シリコンカ−バ
イト系、ダイヤモンド系等を用いることができ、該砥粒
の粒径は1〜10μmであることが好ましい。かかる遊
離砥粒は、、水または水をベ−スとする液体中に分散媒
とともに懸濁させた液体スラリ−の形態で研磨液として
用いられる。
に微細な凹凸を形成させる公知の方法であり、図1に示
すように、矢印のAの方向に回転しているディスク状基
板1の表裏両面に、各々2本ずつ計4本の研磨テ−プ2
をコンタクトロ−ラ3で押し付けると共に、研磨テ−プ
2の研磨面側に研磨液を供給してスラリ−研磨を行う。
コンタクトロ−ラ3はロ−ラ押さえのシリンダ−によっ
て基板1の表面に研磨テ−プ2を所定の力で押圧してい
る。研磨テ−プ2は矢印Bの方向に走行しており、基板
1の面には常に新しいテ−プ面が接触する状態で研磨さ
れる。研磨テ−プ2はコンタクトロ−ラ3の往復運動に
よりCの方向に振動して基板1の全面を研磨できるとと
もに基板1上に研磨テ−プ2により研磨されて形成され
る条痕の交差する角度が所定の角度になるように構成さ
れている。
磨条件としては、通常のテクスチャ−加工条件が適用で
きる。たとえば、遊離砥粒を懸濁した研磨液スラリ−の
砥粒濃度が0.05〜1.0重量%、研磨液の供給量が
4〜12ミリリットル/分、ディスクの回転数が50〜
500rpm、研磨テ−プのディスクの径方向への往復
運動が50回/分以上、シリンダ−の押付圧力が1.0
〜3.0kg/cm2・G、研磨時間が5〜30秒、研
磨テ−プの送り速度が1〜10mm/秒の範囲が好適に
用いられる。
−を研磨テ−プと基板との間に供給して、該スラリ−を
研磨直前でテ−プ上に塗布しているが、該スラリ−は事
前にテ−プ上に塗布されていてもさしつかえない。
施すことにより、ディスク表面に、平均粗さが120オ
ングストロ−ム以下、とくに30〜100オングストロ
−ム、最大突起高さが400オングストロ−ム以下、と
くに50〜300オングストロ−ムの凹凸が形成され、
形成された条痕の交差する角度が10〜40°の条痕パ
タ−ンが形成される。ディスクの表面形状はJIS B
0601の表面粗さに準じて測定された値である。
件、砥粒径、ディスク周速度、テ−プ送り速度、研磨テ
−プの往復運動、シリンダの押付圧力、研磨時間などを
上述の範囲内で調節することにより達成することができ
る。
表面には、下地層として、通常の場合、クロムをスパッ
タリングによって形成する。このクロム下地層の膜厚は
通常50〜2000オングストロ−ムである。ついで該
クロム下地層の上に、磁性層、保護層が順次形成され
る。磁性層としては、Co−Cr、Co−Ni、または
Co−Cr−X、Co−Ni−X、Co−W−X等で示
されるCo系合金の薄膜層が好適である。なお、Xとし
てはLi、Si、Ca、Ti、V、Cr、Ni、As、
Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Ag、Sb、H
f、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、La、
Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Euよりなる群から選
択される1種または2種以上の元素を挙げることができ
る。
通常、スパッタリング等の手段によって基板の下地層上
に被着形成され、その膜厚は、通常100〜1000オ
ングストロ−ムの範囲である。
は炭素質膜が好ましく、炭素質膜層は、通常アルゴン、
He等の希ガスの雰囲気下または少量の水素の存在下で
カ−ボンをタ−ゲットとしてスパッタリングによりアモ
ルファス状カ−ボン膜や水素化カ−ボン膜として被着形
成される。この保護膜層の厚みは通常50〜500オン
グストロ−ムの範囲とされる。保護膜層の上には摩擦係
数を小さくするためにさらに潤滑膜を形成させてもよ
い。
の目付の布帛をテクスチャ−加工の研磨テ−プとして使
用することにより、研磨テ−プの遊離砥粒が良好に担持
され、効率的な加工が行われること、研磨テ−プにより
テクスチャ−加工表面の研磨屑の拭き取りが十分に行わ
れ、クリ−ニング効果が高いことなどの作用効果が奏さ
れ、テクスチャ−ノイズの発生を抑制し、良好なテクス
チャ−加工を行うことができる。
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。
0.70のポリエチレンテレフタレ−トを用い、別々の
押出機で溶融押出し、複合割合がナイロン6:ポリエチ
レンテレフタレ−ト=33:67(重量比)となるよう
にそれぞれギアポンプで計量した後、紡糸パック内に供
給し、口金温度290℃で吐出し、速度1000m/分
で巻き取った。ついで倍率2.9倍で75℃のロ−ラヒ
−タ−で延伸を施し、100℃のプレ−トヒ−タ−で熱
セットして150デニ−ル/48フィラメントの延伸糸
を得た。糸条の断面は、縦割り分割型断面(11層交互
貼り合わせ型)構造とした。ついで、該延伸糸を使用し
て、経糸密度100本/インチ、緯糸密度85本/イン
チの平織物を作製し、通常の加工工程を経て、水酸化ナ
トリウム濃度40g/リットル、95℃、10分間処理
条件によりアルカリ分割処理を行った。分割処理後の極
細繊維の単繊維繊度は平均0.25デニ−ルであり、平
織物の目付は155/m2 であり、乾燥時の縦方向の強
度と湿潤時の縦方向の強度との差は5.0kg/2.5
cmであった。また、該平織物を構成する極細繊維の断
面形状は、平均75〜95度の角度を2個有し、偏平度
が3〜8の範囲にあるものであった。
のNi−P合金メッキ処理したアルミニウム製ディスク
基板にテクスチャ−加工を施した。加工反り条件は通常
の処理条件を採用した。研磨液の砥粒濃度は0.4重量
%、研磨液供給量は9ミリリットル/分とした。テクス
チャ−加工を施した基板の表面の凹凸形状をテンコ−ル
接触式粗さ測定器を用い、JIS B 0601に準じ
て表面粗さを測定してみたところ、均一な凹凸が形成さ
れており、また研磨屑もなく、本発明の布帛を使用する
ことによりクリ−ニング効果にも優れていた。
タレ−トシ−トを使用し、同じ条件で、基板上にテクス
チャ−加工を施した。テクスチャ−加工を施した基板の
表面粗さを測定してみたところ、凹凸形状に斑があり、
また研磨屑も表面に残っていた。
した場合、ハ−ドディスクの表面に均一な凹凸が形成さ
れ、また研磨によって生じた研磨屑も該表面上に残留す
ることなく研磨屑を排出させることができ、クリ−ニン
グ効果にも優れたものである。
法を説明する斜視図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 単繊維繊度が0.08〜0.5デニ−ル
である極細繊維を主体とする布帛であって、目付が50
〜300g/m2 である研磨用布帛。 - 【請求項2】 断面形状が20度以上120度以下の角
度を少なくとも2つ有する断面である極細繊維を主体と
してなる請求項1記載の研磨用布帛。 - 【請求項3】 偏平度が異なる極細繊維を主体としてな
る請求項1記載の研磨用布帛。 - 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載の布帛から
なるテクスチャ−加工用研磨テ−プ。 - 【請求項5】 乾燥時の縦方向の強度と、湿潤時の縦方
向の強度との差が10kg/2.5cm幅以下であるこ
とを特徴とする請求項4記載のテクスチャ−加工用研磨
テ−プ。 - 【請求項6】 遊離砥粒と研磨テ−プとを用いたスラリ
−研磨によって行われるテクスチャ−加工において、研
磨テ−プとして請求項4または請求項5記載の研磨テ−
プを用いることを特徴とするテクスチャ−加工方法。 - 【請求項7】 基板表面に、請求項6記載のテクスチャ
−加工方法を施した後、磁気層を形成して磁気記録媒体
を製造する方法。 - 【請求項8】 請求項7記載の製造方法により製造され
た磁気記録媒体。
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