JPH1189004A - 移動体における受電装置及び移動体 - Google Patents

移動体における受電装置及び移動体

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JPH1189004A
JPH1189004A JP9247174A JP24717497A JPH1189004A JP H1189004 A JPH1189004 A JP H1189004A JP 9247174 A JP9247174 A JP 9247174A JP 24717497 A JP24717497 A JP 24717497A JP H1189004 A JPH1189004 A JP H1189004A
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JP
Japan
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power receiving
electric wire
iron core
winding portion
receiving device
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Application number
JP9247174A
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English (en)
Inventor
Sunao Kondo
直 近藤
Masami Takasabu
正己 高三
Taiji Ootachi
泰治 大立
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受電装置のコアに鉄心を使用したときの渦電
流による発熱を小さく抑え、コアを鉄心にして割れや欠
け等の不具合を防止する。 【解決手段】 受電装置9は、E型鉄心10と、その中
央脚部10aに巻回された受電用コイル11とを備え
る。E型鉄心10はE型単板12を積層した積層構造で
あって、各単板12の積層面は接着剤により絶縁されて
いる。中央脚部10aの両端面において受電用コイル1
1はE型鉄心10の背面側に折り曲げられ、屈曲状態に
保持されている。このため、電線13を流れる電流によ
り作られる磁束は、中央脚部10aの両端面に垂直に作
用し難くなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体が走行する
案内レールに配線された給電線を流れる電流から電磁誘
導作用により電力を受電する移動体における受電装置及
び移動体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、工場や倉庫内に架設または敷設さ
れた案内レールを移動して荷の搬送作業を行う搬送体
(移動体)が知られている。この種の搬送体の給電方法
として、案内レールに配線された給電線に交流(高周波
電流)を流し、給電線に対向させた状態に移動体に取付
けられたピックアップユニットにより、給電線を流れる
交流から電磁誘導作用を利用して電力を取り込む非接触
給電システムが知られている(例えば特開平5−207
606号公報等)。
【0003】この種の非接触給電システムでは、図13
に示すようにピックアップユニット81は、案内レール
(図示せず)に平行に配線された2本の給電線82に対
向配置されるE型コア83と、その中央脚部83aに巻
回された受電用コイル84とを備える。給電線82を流
れる高周波電流によりE型コア83には同図に矢印で示
す向きに磁束が通る磁気回路が形成され、この磁気回路
に基づき受電用コイル84に起電力が誘起される。
【0004】しかし、従来のコア83はフェライト製で
あったため、その製造時における加工が困難なうえ、使
用時においても欠けや割れ等の問題があった。欠けや割
れが発生するとコア83に磁気回路が形成されない部分
ができて受電効率の低下を招く。そこで、コア83を鉄
(例えばケイ素鋼)等の金属からなる強磁性材料で製造
することが考えられる。例えば図14に示すようにE字
状のケイ素鋼等の単板85を複数枚積層させて接合し、
コア(積層鉄心)83を製造する。このような金属製の
コア83とすれば、欠けや割れ等の問題が解消される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図14に示
すように、コア83の中央脚部83aは、その長手方向
の端面付近では側面三方向を受電用コイル84の電線に
よって囲まれている。従って、中央脚部83aの端面付
近は他の部分よりも受電用コイル84が作る磁束φの影
響を大きく受ける。図15に示す通り、特に、中央脚部
83aの長手方向に平行な側面では磁束φが積層方向に
直交するので、各積層面に存在する接着剤による高抵抗
によって渦電流の発生が抑制されるのに対し、中央脚部
83aの両端面では磁束φが単板85の表面に垂直にそ
の厚み方向にできるので、単板85の表面に渦電流が発
生し易い。また、受電用コイル84が作る磁束φは主磁
束と逆行して主磁束を乱し、中央脚部83aの端面では
主磁束の乱れよる漏れ磁束が垂直方向に発生する。この
結果、中央脚部83aの端面表面域には、端面に垂直な
これらの磁束により図16に示すような渦電流(矢印
部)Iが発生し、この渦電流Iによって中央脚部83a
の両端面が発熱するという問題があった。
【0006】この中央脚部83aの両端面での発熱は、
受電用コイル84に熱損傷を与える原因になる。そのた
め、受電用コイル84の熱損傷を回避するために耐熱性
の高い被覆材を使用した電線を受電用コイル84のため
に使用しなければならず、この場合には電線が高価にな
るため、ピックアップユニット81の製造コストの上昇
を招く。よって、従来、このような理由からコア83を
ケイ素鋼等の金属製とすることは行われていなかった。
【0007】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的は、鉄心を使用したときに
問題になる渦電流による発熱を小さく抑え、受電装置の
コアを割れや欠け等の心配がない鉄心にすることができ
る移動体における受電装置及び移動体を提供することに
ある。第2の目的は、第1の目的を達成するうえにおい
て、鉄心の巻取部に電線を巻回させるときの作業を面倒
にさせないことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために請求項1に記載の発明では、案内レールを走行
する移動体に取付けられ、前記案内レールに沿って配線
された給電線を流れる交流から電磁誘導作用により電力
を得るための受電用コイルが鉄心の巻取部に巻回されて
なる受電装置であって、前記鉄心は積層構造を有する積
層鉄心であり、前記受電用コイルを構成する電線は、前
記巻取部の両端面に対して空隙もしくは非磁性の絶縁体
を介して所定距離を有して離れるように該巻取部に巻回
されている。
【0009】第1の目的を達成するために請求項2に記
載の発明では、案内レールを走行する移動体に取付けら
れ、前記案内レールに沿って配線された給電線を流れる
交流から電磁誘導作用により電力を得るための受電用コ
イルが鉄心の巻取部に巻回されてなる受電装置であっ
て、前記鉄心は積層構造を有する積層鉄心であり、前記
受電用コイルを構成する電線は、前記積層鉄心の巻取部
の両端面において該積層鉄心の背面側に屈曲させた状態
に保持されている。
【0010】請求項3に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記所定距離は、前記電線がその硬
度と前記巻取部に対する巻付け力とから決まる曲率をと
るときに該巻取部の端面との間にできる隙間より長い距
離であることをその要旨とする。
【0011】第2の目的を達成するために請求項4に記
載の発明では、請求項1又は請求項3に記載の発明にお
いて、前記電線は前記積層鉄心の巻取部の両端面におい
て、非磁性の絶縁体であるスペーサが介装されること
で、前記巻取部の端面と所定距離以上離れた状態に保持
されている。
【0012】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、前記スペーサは前記積層鉄心の巻取
部に取付けられたボビンである。請求項6に記載の発明
では、移動体には、請求項1〜請求項5のいずれか一項
に記載の前記受電装置が備えられている。
【0013】(作用)従って、請求項1に記載の発明に
よれば、移動体に取り付けられた受電装置では、案内レ
ールに沿って配線された給電線を流れる交流により、電
磁誘導作用により巻取部に巻回された受電用コイルに電
流が誘導される。受電用コイルが作る磁束は、巻取部の
積層方向に平行な側面では積層方向に直交するので、積
層面の高抵抗により渦電流が発生し難い。そして、巻取
部の両端面では受電用コイルの電線は、巻取部の端面か
ら空隙もしくは非磁性の絶縁体を介して所定距離を有し
て離れた状態にある。従って、受電用コイルにより巻取
部の端面に垂直な向きの磁束が作られても、その磁束が
巻取部の両端面に影響し難くなる。このため、巻取部の
両端面における渦電流の発生が抑制されてその両端面で
の発熱が小さく抑えられる。また、電線は積層鉄心の両
端面に対して所定距離だけ離れているため、仮に巻取部
の両端面で多少の発熱があっても、その熱の影響も受け
難くなる。従って、巻取部に巻回された受電用コイルの
熱損傷が回避される。
【0014】請求項2に記載の発明によれば、移動体に
取り付けられた受電装置では、案内レールに沿って配線
された給電線を流れる交流により、電磁誘導作用により
巻取部に巻回された受電用コイルに電流が誘導される。
受電用コイルが作る磁束は、巻取部の積層方向に平行な
側面では積層方向に直交するので、積層面の高抵抗によ
り渦電流が発生し難い。一方、巻取部の両端面では、受
電用コイルの電線が積層鉄心の背面側に屈曲させた状態
に保持されているため、巻取部の両端面に対向する位置
には電線が存在しなくなる。このため、受電用コイルが
作る磁束が巻取部の両端面に垂直に作用することがな
い。従って、受電用コイルが作る磁束が巻取部の両端面
に渦電流を発生させることが抑えられ、発熱をもたらす
ことがなくなる。
【0015】請求項3に記載の発明によれば、巻取部に
巻回された電線は、巻取部の両端面に対し、電線の硬度
と巻取部に対する巻付け力とから決まる曲率をとるとき
に巻取部の端面との間にできる隙間より長い距離を有し
て離れる。つまり、電線と巻取部の両端面は、空隙もし
くは非磁性の絶縁体を挟んで通常の巻取りでできる隙間
より長い距離を離れることになる。
【0016】請求項4に記載の発明によれば、電線は積
層鉄心の巻取部の両端面に対し、非磁性の絶縁体である
スペーサが介装されることで、所定距離以上離れた状態
に保持される。受電用コイルを巻取部に取付ける際、巻
取部の両端面ではスペーサに電線を巻付ければよいの
で、電線の巻付作業がさほど面倒にならない。
【0017】請求項5に記載の発明によれば、積層鉄心
の巻取部に取付けたボビンに電線を巻付けることにより
受電用コイルが形成され、しかもボビンに巻付けられた
電線は巻取部の端面から所定距離離れる経路をとる。こ
のため、受電用コイルを巻取部に取付ける電線の巻付作
業がさほど面倒にならず、しかもボビンにより電線の巻
きずれも防止される。
【0018】請求項6に記載の発明によれば、移動体に
は請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の受電装置
が備えられているので、請求項1〜請求項5のいずれか
一項に記載の発明と同様の作用が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明を具体化した第1実施形
態を図1〜図6に基づいて説明する。
【0020】図6は移動体としての搬送体1を示す。搬
送体1は、工場や倉庫内の天井に架設された案内レール
2に懸垂状態に配備されている。搬送体1は前後一対の
駆動輪3及び従動輪(図示せず)と、複数組の案内輪4
とを備えている。各輪3,4等は本体1aの上部に水平
面内を回動可能に設けられた前後一対のステアリング部
5上に支持されることにより、案内レール2のカーブの
曲率に応じて操舵されるようになっている。また、ステ
アリング部5上には、駆動輪3を駆動させるための走行
用モータ6も配設されている。
【0021】案内レール2の側面(図6では右側面)に
は長手方向に所定間隔毎に多数の支持部材7が固定され
ており、各支持部材7に支持されることで給電線8が案
内レール2に沿って配線されている。給電線8は案内レ
ール2の終端側でループ状に折り返されており、搬送体
1の走行域では2本が上下方向に一定間隔をおいて互い
に平行になるように配線されている。給電線8は地上に
設置された電源装置(図示せず)にその両端が接続され
ており、給電線8には電源装置からの電力供給により高
周波電流が流れるようになっている。
【0022】また、各ステアリング部5上には受電装置
(ピックアップユニット)9が給電線8に非接触で対向
する姿勢で取付けられている。受電装置9は、積層鉄心
としての断面略E字状のE型鉄心(E型コア)10と、
E型鉄心10の巻取部としての中央脚部10aに巻回さ
れた受電用コイル11とを備える。受電用コイル11は
2本の給電線8間に挿入された状態に配置されている。
なお、受電装置9は1台の搬送体1につき電気的に直列
に接続された前後一対備えられている。
【0023】次に、受電装置9の構造を図1〜図3に基
づいて説明する。図1〜図3に示すようにE型鉄心10
は、ケイ素鋼からなるE字型の単板12が複数枚積層さ
れた積層構造を有する。各単板12は接着剤(電気絶縁
性)により積層状態に接着されており、各積層面は接着
剤による十分薄い接合層により電気的に高抵抗となって
いる。なお、単板12はケイ素鋼の平板(本実施形態で
は例えば厚さ1mm程度)をE字型の打抜型で打ち抜い
て形成したものである。図1〜図3では単板12は実際
より厚めに描かれている。
【0024】中央脚部10aに巻回された受電用コイル
11は、中央脚部10aの両端面(積層方向両側の端
面)において、E型鉄心10の背面側に折り曲げた屈曲
状態に保持されている。また、受電用コイル11には、
フェライトコアに通常使用される電線13(耐熱性の被
覆材を使用しないもの)が使用されている。
【0025】受電用コイル11の形成方法は、電線13
を中央脚部10aの側面外周長よりも十分長い内周長の
長穴を形成するように予め巻付用の型などを用いて冗長
に巻回しておく。そして、このコイル状の電線13をそ
の長穴に中央脚部10aを挿通させるようにE型鉄心1
0に装着し、中央脚部10aの両端面においてコイル状
の電線13の弛みが均等になるようにする。そして、コ
イル状の電線13の両側に作った弛み部分を、E型鉄心
10の背面側に折り曲げ、例えばワニス等を含浸させて
固定することにより、受電用コイル11が図1に示すよ
うな屈曲状態に形態保持される。このため、中央脚部1
0aの両端面に対向する位置には電線13が存在してい
ない。なお、受電用コイル11の形態保持方法は、ワニ
ス等の含浸固定に限定されず、電線13の形態保持が可
能なその他の固定方法を採用することもできる。
【0026】次に、この受電装置9の作用を説明する。
給電線8を流れる高周波電流に基づきE型鉄心10には
図5に矢印で示す向きの主磁束を有する磁気回路が形成
される。この結果、受電用コイル11には給電線8を流
れる高周波電流と同周波数の電流が誘導される。このと
き、受電用コイル11を流れる電流により磁束φが形成
される。
【0027】しかし、受電用コイル11は中央脚部10
aの両端面においてE型鉄心10の背面側に屈曲状態に
保持され、中央脚部10aの両端面に対向する位置には
電線13が存在しない。つまり、中央脚部10aはその
両端面においてその側面二方向のみを受電用コイル11
に囲まれるだけとなる。このため、受電用コイル11を
流れる電流が作る磁束φが中央脚部10aの端面表面に
垂直に作用することがほぼなくなる。この結果、中央脚
部10aの両端面表面域に渦電流が発生し難くなり、中
央脚部10aの両端面における発熱が抑えられる。この
ため、電線13が通常の被覆材(耐熱性を特に高くはし
ていないもの)を使ったものであっても、その熱損傷を
心配する必要がない。
【0028】また、中央脚部10aの長手方向に平行な
側面には、受電用コイル11が作る磁束φが作用するこ
とになるが、各単板12間の接着剤でできた積層面がそ
の磁束φによる渦電流を遮断する働きをするため、中央
脚部10aの側面においても渦電流が発生し難い。この
ため、渦電流の発生による電力損失が小さく抑えられる
ため、受電装置9の受電効率が高いものになる。
【0029】以上詳述したように本実施形態によれば、
以下に示す効果が得られる。 (1)受電用コイル11の両端部分をE型鉄心10の背
面側に屈曲させた状態に保持したので、中央脚部10a
の両端面に垂直に磁束φが作用することを無くせ、中央
脚部10aの端面表面域における渦電流の発生を抑制す
ることができる。この結果、中央脚部10aの両端面に
おける発熱を小さくすることができる。
【0030】(2)中央脚部10aの発熱が小さく抑え
られることから、電線13の熱損傷の心配がなくなり、
耐熱性の被覆材を使用した高価な電線を使用する必要が
なくなるので、受電装置9のコアを鉄心にすることがで
きる。
【0031】(3)ケイ素鋼からなるE型鉄心10の使
用により、従来、フェライトコアで問題であった割れや
欠け等を無くすことができる。このため、フェライトコ
アにおいて割れや欠け等が受電効率を低下させていた問
題も解消され、受電装置9によれば長期にわたって高い
受電効率を維持することができる。
【0032】(4)電線13が中央脚部10aの端面に
接触していないので、仮に中央脚部10aの端面に僅か
な発熱があってもその熱による影響すら受け難い。よっ
て、受電用コイル11の熱損傷の心配を一層なくすこと
ができる。
【0033】(5)従来、発熱等の問題からフェライト
よりも優れた磁気特性を有しながら使用されずにいたケ
イ素鋼からなるE型鉄心10を使用するので、受電装置
9における電力変換効率を向上させることができる。
【0034】(第2実施形態)次に、本発明を具体化し
た第2実施形態を図7,図8に基づいて説明する。この
実施形態は、受電用コイル11をE型鉄心10の背面側
に屈曲状態に保持するのではなく、中央脚部10aの端
面から離間させた状態に保持する例である。なお、E型
鉄心10は前記第1実施形態と同じものである。
【0035】図7に示すように、積層鉄心としてのE型
鉄心10の中央脚部10aに巻回された受電用コイル1
1は、電線13が中央脚部10aの両端面から空隙を介
して、所定距離(数mm以上で例えば10mm)を隔て
た経路を通る状態に保持されている。つまり、電線13
を中央脚部10aに巻付けたときに、電線13の硬度と
巻付け力とから決まる通常の巻付けで中央脚部10aの
両端面にできる隙間よりも長く、電線13を中央脚部1
0aの両端面から離すようにしている。受電用コイル1
1の形態は例えばワニス等の含浸固定により保持してい
る。
【0036】ここで、所定距離は、中央脚部10aの両
端面での渦電流による発熱を抑えられるように設定され
る設計値であり、電線13を流れる電流値,電線13の
巻数,鉄心の電気抵抗値等の条件値に応じて決められる
ものである。なお、受電用コイル11が作る磁束φの中
央脚部10aの両端面における強さは、所定距離の3乗
に反比例する。
【0037】図8に示すように、中央脚部10aの両端
面においては、電線13は中央脚部10aの端面から所
定距離を隔てた経路を通っている。このとき、受電用コ
イル11が中央脚部10aの端面に垂直な向きに作る磁
束φが、中央脚部10aの端面に作用するときの強さ
は、その磁束φが作られた電線13の位置と中央脚部1
0aの端面との間の距離の3乗に反比例する。このた
め、受電用コイル11により作られ、中央脚部10aの
両端面に垂直に作用する磁束φはその強さが十分小さい
ものとなる。この結果、中央脚部10aの両端面におけ
る渦電流の発生が小さく抑制され、その渦電流による発
熱が小さいものとなる。また、受電用コイル11が中央
脚部10aの端面から離間しているので、仮に中央脚部
10aの端面に僅かな発熱があってもその熱の影響を受
け難い。よって、受電用コイル11の熱損傷の心配がな
くなるので、耐熱性の高い被覆材を有する高価な電線を
使用しなくて済む。その他、前記第1実施形態と同様の
効果が得られる。
【0038】(第3実施形態)次に、本発明を具体化し
た第3実施形態を図9に基づいて説明する。この実施形
態は、第2実施形態の効果を得るうえで、受電用コイル
11の巻き付け作業を簡単するためにスペーサを使用し
た例である。
【0039】図9に示すように、積層鉄心としてのE型
鉄心10(第1実施形態と同様の単板12の積層構造)
には、中央脚部10aの両端面にスペーサ15が接着さ
れている。スペーサ15は、中央脚部10aの幅(厚
さ)と同程度の幅を有し、先端部が円弧面に形成された
断面半長円状の柱状を有する。スペーサ15の材質は、
渦電流を流さない絶縁体で、しかも磁束を通さないよう
に磁性材料でないものである。本実施形態では樹脂また
はセラミック製である。
【0040】この構成によれば、中央脚部10aの両端
面に接着したスペーサ15の外周面に沿って電線13を
中央脚部10aに巻き付ければ、中央脚部10aの両端
面から所定距離離れた位置を電線13が通るように受電
用コイル11を配置できる。そして、スペーサ15は磁
性材料でない絶縁体(例えば樹脂やセラミック)である
ので、磁束φの中央脚部10aの端面への影響をスペー
サ15により十分遮断でき、しかも絶縁体であるスペー
サ15が渦電流により発熱することもない。
【0041】本実施形態のように受電用コイル11の形
態保持にスペーサ15を使用した構成としても、前記第
2実施形態と同様の効果を得ることができる。そして、
受電用コイル11を中央脚部10aに設ける際は、電線
13を中央脚部10aの両端面においてスペーサ15に
直接巻付ければよいので、電線13の巻付作業を前記第
2実施形態に比べて簡単にすることができる。また、ス
ペーサ15の先端部に形成された円弧面に電線13が巻
かれるため、電線13を傷めないように保護できる。
【0042】(第4実施形態)次に、本発明を具体化し
た第4実施形態を図10〜図12に基づいて説明する。
この実施形態は、中央脚部10aに巻回された受電用コ
イル11の巻きずれ防止を図る例である。
【0043】図10に示すように、E型鉄心10の中央
脚部10aにはボビン20が取付けられており、このボ
ビン20がスペーサの機能を兼ねている。ボビン20は
対称形状を有する一対の部品21,21からなり、各部
品21,21を中央脚部10aの両側面に接着剤等によ
り接着することで、ボビン20は中央脚部10aに取付
けられている。本実施形態では2つの部品21は樹脂製
であるが、セラミック製としてもよい。要するにボビン
20の材質は、磁性材料でない絶縁体であればよい。
【0044】図11に示すように、2つの部品21,2
1には、ボビン20の外周面上下縁部に相当する位置に
水平に外方に突出する上下一対の鍔部21aが形成され
ている。また、部品21には、中央脚部10aの外周面
と対向する内側面の中央脚部10aと相対する位置に凹
部21bが形成されている。凹部21bは中央脚部10
aの幅(厚さ)の半分程度の深さで、長手方向長さが中
央脚部10aの長手方向長さより若干長く形成されてい
る。各部品21は凹部21bにて中央脚部10aに嵌着
され、互いの接合面(内側面)を接着剤で接着すること
で中央脚部10aに組付けられている。部品21は両端
部において肉厚に形成されており、この肉厚部によって
ボビン20はその両端部において長手方向に膨出してい
る。ボビン20の膨出部が非磁性の絶縁体であるスペー
サとして機能する。
【0045】中央脚部10aに取付けられたボビン20
の外周面に電線13を巻回することで、受電用コイル1
1が形成される。ボビン20の両端部の膨出部に巻回さ
れることで、電線13は中央脚部10aの両端面から所
定距離(数mm以上で例えば10mm)離れた経路をと
ることになる。樹脂製のボビン20は非磁性であるた
め、受電用コイル11が作る磁束φの中央脚部10aの
端面への影響を十分遮断し、中央脚部10aの端面に垂
直な磁束φが作用することを十分抑える。このため、中
央脚部10aの端面での発熱が抑制される。しかもボビ
ン20は絶縁体であって渦電流が発生することがないの
で、磁束φによってボビン20自身が発熱することもな
い。
【0046】また、受電用コイル11を形成する際は、
電線13をボビン20に直接巻付ければよいので、電線
13の巻付作業を簡単にすることができ、ボビン20の
両端部が円弧状であるため、電線13を傷めず保護でき
る。さらにボビン20に巻き付けられた電線13は鍔部
21aで位置規制されるため、受電用コイル11の巻き
ずれを防止できる。
【0047】尚、本発明は上記各実施形態に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば
次のように具体化することもできる。 ○ 本発明はE型鉄心の適用に限定されず、その他の形
状の鉄心に広く適用することができる。例えばC型鉄心
で実施してもよい。C型鉄心はC字型単板を積層して形
成したもので、長手方向両端面との間に空隙もしくは非
磁性の絶縁体を介して電線が巻回されて受電用コイルが
形成される。C型鉄心で実施しても、その両端面での発
熱を抑えることができる。
【0048】○ ケイ素鋼のような金属結晶磁性材料に
代えて金属アモルファス磁性材料を採用してもよい。ア
モルファス磁性材料はアモルファスであるため、結晶質
であるケイ素鋼よりもかなり高い(例えば約4倍程度以
上)電気抵抗値を有し、渦電流を小さく抑えられる。そ
の結果、鉄心の材質による電気抵抗により中央脚部10
aの端面での発熱を抑制することができる。
【0049】○ 無人搬送車や自動倉庫におけるスタッ
カクレーンのようなその他の移動体における受電装置に
おいて実施することもできる。つまり、非接触給電を採
用する移動体に取り付けられる受電装置において広く実
施することができる。もちろん、移動体は荷の搬送作業
を行う搬送体に限定されるものではない。
【0050】前記実施形態から把握され、特許請求の範
囲に記載されていない発明を、その効果とともに以下に
記載する。 (イ)請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の発明
において、前記鉄心はE型鉄心であり、前記受電用コイ
ルは巻取部としての中央脚部の端面において空隙もしく
は非磁性の絶縁体を介して巻回されている。この構成に
よれば、E型鉄心の中央脚部の発熱を防止でき、受電用
コイルの熱損傷を防止できる。
【0051】(ロ)請求項4又は請求項5において、前
記スペーサは樹脂またはセラミック製である。この構成
によれば、請求項4又は請求項5に係る発明と同様の効
果が得られる。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1、請求項3
及び請求項6に記載の発明によれば、積層鉄心の巻取部
にその両端面に受電用コイルの電線を空隙もしくは非磁
性の絶縁体を介して巻回させることで、巻取部の端面か
ら電線を離したので、巻取部の端面での発熱を小さく抑
えることができる。従って、電線の熱損傷を防止できる
ようになるため、受電装置のコアとして欠けや割れ等の
心配のない鉄心を採用することができる。
【0053】請求項2及び請求項6に記載の発明によれ
ば、電線を積層鉄心の巻取部の両端面において積層鉄心
の背面側に屈曲させた状態に保持し、巻取部の両端面に
対向する位置を電線が通らないようにしたので、受電用
コイルにより作られ、巻取部の端面に垂直に作用する磁
束の低減効果を高め、発熱の抑制効果を一層高めること
ができる。
【0054】請求項4及び請求項6に記載の発明によれ
ば、巻取部の両端面に非磁性の絶縁体であるスペーサを
介装させて巻取部に電線を巻き付けるようにしたので、
電線の巻取部に対する巻付作業がさほど面倒にならずに
済む。
【0055】請求項5及び請求項6に記載の発明によれ
ば、ボビンがスペーサを兼ねるようにしたので、電線の
巻取部に対する巻付作業が簡単で、しかも受電用コイル
の巻きずれを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における受電装置の斜視図。
【図2】受電装置の正面図。
【図3】受電装置の部分側面図。
【図4】中央脚部の端面付近を示す平面断面図。
【図5】E型鉄心に形成される磁気回路の説明図。
【図6】搬送体の正面図。
【図7】第2実施形態における受電装置の斜視図。
【図8】中央脚部の端面付近を示す平面断面図。
【図9】第3実施形態における受電装置の斜視図。
【図10】第4実施形態における受電装置の斜視図。
【図11】ボビンの斜視図。
【図12】受電装置の中央脚部付近を示す平断面図。
【図13】従来技術におけるE型鉄心の磁気回路の説明
図。
【図14】同じくE型鉄心の斜視図。
【図15】同じく中央脚部の端面付近を示す平面断面
図。
【図16】同じくE型鉄心の模式正面図。
【符号の説明】
1…移動体としての搬送体、2…案内レール、8…給電
線、9…受電装置、10…鉄心および積層鉄心としての
E型鉄心、10a…巻取部としての中央脚部、11…受
電用コイル、13…電線、15…スペーサ、20…ボビ
ン。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 案内レールを走行する移動体に取付けら
    れ、前記案内レールに沿って配線された給電線を流れる
    交流から電磁誘導作用により電力を得るための受電用コ
    イルが鉄心の巻取部に巻回されてなる受電装置であっ
    て、 前記鉄心は積層構造を有する積層鉄心であり、前記受電
    用コイルを構成する電線は、前記巻取部の両端面に対し
    て空隙もしくは非磁性の絶縁体を介して所定距離を有し
    て離れるように該巻取部に巻回されている移動体におけ
    る受電装置。
  2. 【請求項2】 案内レールを走行する移動体に取付けら
    れ、前記案内レールに沿って配線された給電線を流れる
    交流から電磁誘導作用により電力を得るための受電用コ
    イルが鉄心の巻取部に巻回されてなる受電装置であっ
    て、 前記鉄心は積層構造を有する積層鉄心であり、前記受電
    用コイルを構成する電線は、前記積層鉄心の巻取部の両
    端面において該積層鉄心の背面側に屈曲させた状態に保
    持されている移動体における受電装置。
  3. 【請求項3】 前記所定距離は、前記電線がその硬度と
    前記巻取部に対する巻付け力とから決まる曲率をとると
    きに該巻取部の端面との間にできる隙間より長い距離で
    ある請求項1に記載の移動体における受電装置。
  4. 【請求項4】 前記電線は前記積層鉄心の巻取部の両端
    面において、非磁性の絶縁体であるスペーサが介装され
    ることで、前記巻取部の端面と所定距離以上離れた状態
    に保持されている請求項1又は請求項3に記載の移動体
    における受電装置。
  5. 【請求項5】 前記スペーサは前記積層鉄心の巻取部に
    取付けられたボビンである請求項4に記載の移動体にお
    ける受電装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記
    載の前記受電装置を備えている移動体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009240121A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Panasonic Electric Works Co Ltd 非接触給電装置
JP2015012067A (ja) * 2013-06-27 2015-01-19 Tdk株式会社 ワイヤレス電力伝送用コイルユニット
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JP2020098919A (ja) * 2015-09-24 2020-06-25 株式会社Fuji 受電コイルおよび非接触給電システム

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