JP2003092808A - リニアモータ - Google Patents
リニアモータInfo
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- JP2003092808A JP2003092808A JP2001286265A JP2001286265A JP2003092808A JP 2003092808 A JP2003092808 A JP 2003092808A JP 2001286265 A JP2001286265 A JP 2001286265A JP 2001286265 A JP2001286265 A JP 2001286265A JP 2003092808 A JP2003092808 A JP 2003092808A
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- JP
- Japan
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- linear motor
- carrier
- conductors
- primary
- current
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- Pending
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- Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)
- Linear Motors (AREA)
- Current-Collector Devices For Electrically Propelled Vehicles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 1次側往復導線電流から永久磁石部に作用す
る磁場を最も小さくすることにより、永久磁石の減磁に
よる特性の劣化を防止することができるリニアモータを
提供すること。 【解決手段】 着磁の方向が互いに逆向きとなる永久磁
石1を搬送車2の走行方向に沿って交互に並べるととも
に、軌道側に固定した1次側往復導線51、52の電流
を、搬送車2に搭載した2次側ピックアップコイル3
1、32に電磁結合させ、搬送車2に搭載したリニアモ
ータの電機子コイル4に非接触で給電するリニアモータ
において、搬送車2の左右両側に2次側ピックアップコ
イル31、32と1次側往復導線51、52とを配設す
るとともに、各1次側往復導線51、52の略水平方向
で互いに対向する導線に流れる電流の向きを同方向にす
る。
る磁場を最も小さくすることにより、永久磁石の減磁に
よる特性の劣化を防止することができるリニアモータを
提供すること。 【解決手段】 着磁の方向が互いに逆向きとなる永久磁
石1を搬送車2の走行方向に沿って交互に並べるととも
に、軌道側に固定した1次側往復導線51、52の電流
を、搬送車2に搭載した2次側ピックアップコイル3
1、32に電磁結合させ、搬送車2に搭載したリニアモ
ータの電機子コイル4に非接触で給電するリニアモータ
において、搬送車2の左右両側に2次側ピックアップコ
イル31、32と1次側往復導線51、52とを配設す
るとともに、各1次側往復導線51、52の略水平方向
で互いに対向する導線に流れる電流の向きを同方向にす
る。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石を用いた
非接触給電のリニアモータに関し、特に、1次側往復導
線電流から永久磁石部に作用する磁場を最も小さくする
ことにより、永久磁石の減磁による特性劣化を防止する
ことができるリニアモータに関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えば、半導体、液晶等を製造する工程
における搬送においては、これらの工程におけるクリー
ンな環境を汚染することは極度に忌避される。そこで、
接触による発挨を回避するために、これらの搬送を行う
搬送車への電力供給についても、電源に接続された導線
を1次側として固定的に配置し、この1次側に流れる電
流に対し、磁性コアに巻線を巻回した2次側ピックアッ
プコイルを搬送車に搭載し、電磁誘導現象を利用して、
非接触的に電力を取る非接触給電装置を備えた可動の搬
送車からなる搬送システムが使用されている。 【0003】また、搬送車の駆動に関しても、回転モー
タによる動輪駆動に伴なう発挨と、動輪ならびにレール
の磨耗を大幅に減らするために、軌道側に並べた永久磁
石を用いたリニアモータによるダイレクトドライブが行
われるようになってきている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
永久磁石を用いたリニアモータと非接触給電とを組み合
わせ、長期間の実験をした後、軌道に敷設したフェライ
ト磁石の特性を調べた結果、特定の位置に敷設したフェ
ライト磁石すべてについて、減磁により特性が劣化して
いることが判明した。特定の位置とは、搬送車が分岐・
合流するときに非接触給電が途切れることがないよう
に、分岐・合流部以外では片側給電であるところを搬送
車の左右両側にある1次側往復導線からの同時給電が行
われている位置であり、この位置では、永久磁石の両斜
め上方にそれぞれ1次側往復導線が配設されている。 【0005】半導体、液晶等を製造する工程における搬
送においては、これらの工程におけるクリーンな環境を
汚染することは極度に忌避されるので、軌道外周をアル
ミニウム製の外壁で覆い、軌道の発塵のクリーンな環境
への漏れを極力小さくしている。クリーン搬送における
非接触給電システムでは10kHz近傍の高周波電流が
使われており、1次往復電流が作る磁場はアルミニウム
製の外壁に誘起される渦電流の反作用磁場のために、ア
ルミニウム製の外壁の外へ漏れ難く、フェライト磁石が
存在する空間へ閉じ込められる傾向がある。 【0006】フェライト磁石はほぼ絶縁物に近いので、
フェライトに誘起される渦電流は小さく、その発生渦電
流損は小さいと考えられる。他方、フェライトは電磁波
吸収材として使われることがある。この電磁波吸収に寄
与する損失の一つにフェライトが絶縁物即ち誘電体であ
ることによる誘電体損失があるが、通常、電波であるメ
ガHz、ギガHz級の超高周波領域で起こりうる損失で
ある。非接触給電システムに使われる10kHz程度の
高周波電流がフェライトに誘電体損失を発生する電場を
誘起するとは考え難い。そこで、上記した特定の位置に
敷設したフェライト磁石すべての特性が劣化した原因と
しては、フェライト磁石内部において磁場の強さHに対
して磁束密度Bが時間的に遅れる磁気的ヒステリシス現
象による損失と推定される。いずれにせよ、1次側往復
導線に流れる電流がフェライト磁石部に作る磁場の大き
さが、フェライト磁石減磁による特性の劣化のキーを握
ると考えられる。 【0007】本発明は、叙上の如き実状に鑑み、磁場解
析をして得られた、フェライト磁石部に作られる磁場を
小さくできる1次側往復導線電流の知見に基づいてなさ
れたものであり、1次側往復導線電流から永久磁石部に
作用する磁場を最も小さくすることにより、永久磁石の
減磁による特性の劣化を防止することができるリニアモ
ータを提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のリニアモータは、着磁の方向が互いに逆向
きとなる永久磁石を搬送車の走行方向に沿って交互に並
べるとともに、軌道側に固定した1次側往復導線の電流
を、搬送車に搭載した2次側ピックアップコイルに電磁
結合させ、搬送車に搭載したリニアモータの電機子コイ
ルに非接触で給電するリニアモータにおいて、搬送車の
左右両側に2次側ピックアップコイルと1次側往復導線
とを配設するとともに、各1次側往復導線の略水平方向
で互いに対向する導線に流れる電流の向きを同方向とし
たことを特徴とする。 【0009】このリニアモータは、左右両側の1次側往
復導線の略水平方向で互いに対向する導線に流れる電流
の向きを同方向としたことから、これら1次側往復導線
で同時に給電するときに同方向に流れる電流が、永久磁
石部に作る磁場を最も小さくすることができ、これによ
り、永久磁石の減磁による特性の劣化を防止し、リニア
モータの信頼性を向上させるとともに、永久磁石の磁化
強度を維持し、長寿命化を図ることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明のリニアモータの実
施の形態を図面に基づいて説明する。 【0011】図1に、本発明のリニアモータの一実施例
を示す。このリニアモータは、着磁の方向が互いに逆向
きとなる永久磁石1を搬送車2の走行方向(紙面の直交
方向)に沿って交互に並べるとともに、軌道側アルミニ
ウム製の外壁6の内側に固定された1次側往復導線5
1、52に流した電流に対して、搬送車2に搭載した磁
性コアに巻線を巻回した2次側ピックアップコイル3
1、32を電磁結合させ、搬送車2に搭載したリニアモ
ータの電機子コイル4に非接触で給電する構成を有して
いる。そして、このリニアモータは、例えば、搬送車2
が分岐・合流するときに非接触給電が途切れることがな
いように、搬送車の左右両側に2次側ピックアップコイ
ル31、32と1次側往復導線51、52とを配設する
とともに、この左右両側の1次側往復導線51、52か
ら同時に給電をするときに、1次側往復導線51、52
の略水平方向で互いに対向する導線51a及び52a、
51b及び52bに流れる交番電流の同一時刻における
電流の向きが、例えば、図示のように同方向となるよう
にしている。 【0012】図4に、2次元磁場解析を行い、1次側往
復導線電流がフェライト磁石部に作るx方向磁場につい
てまとめたグラフを示す。図4において、aは上記の本
発明実施例のリニアモータの磁場を示し、bは、左右両
側の1次側往復導線51、52の互いに対向する導線に
流れる交番電流の同一時刻における電流の方向が逆方向
となるようにした図2に示す比較例のリニアモータの磁
場を示す。また、cは、例えば、図3に示すように、分
岐・合流部以外のように1次側往復導線51が片側にの
み配設されているリニアモータの磁場を示す。 【0013】図4より明らかなように、本発明のリニア
モータのように、左右両側の1次側往復導線51、52
の互い対向する導線に流れる電流の向きを同方向とした
場合には、比較例のように電流の向きを逆方向にした場
合に比較し、1次側往復導線電流がフェライト磁石部に
作るx方向の磁場は格段に小さく、また、1次側往復導
線51が片側にのみ配設されているリニアモータよりも
小さくなっている。この場合、1次側往復導線が片側に
のみ配設されているリニアモータでは、フェライト磁石
の減磁による特性の劣化が皆無であることは実証されて
おり、1次側往復導線電流がフェライト磁石部に作るx
方向磁場が1次側往復導線が片側にのみ配設されている
場合よりも小さくなる本発明のリニアモータにおいて
は、フェライト磁石の減磁による特性の劣化はないとい
える。 【0014】一方、1次側往復導線の電流がフェライト
磁石部に作る磁場にはy方向成分があるが、このy方向
成分の磁場は、永久磁石1の背後にあるアルミニウム製
の外壁6に誘起される渦電流の反作用のため、x方向成
分に比べて大きさが1桁小さい。しかも、x方向成分と
同様に、本発明の実施例のリニアモータのように、1次
側往復導線の互い対向する導線に流れる電流の方向を同
方向とした場合が、最もy方向成分の磁場が小さくな
る。本発明のように導体に流れる電流の向きを同一とし
た場合に、逆方向とした場合と比較して、永久磁石に作
用する磁場が小さくなる理由を以下に説明する。導体に
流れる電流は、導体を中心とする同心円状の同じ方向の
磁束を発生する。したがって、例えば、導体の左右にお
ける磁束の方向は互いに逆向きとなる。永久磁石が配設
される位置は対向した導体のそれぞれ右、左の位置であ
るから、対向した導体に流れる電流の向きを同一とした
場合には、左右の導体電流の作る磁束の方向は永久磁石
が配設される位置において互いに逆向きとなり、磁束の
相殺が起こり、永久磁石に採用する磁場が減少する。一
方、本発明によらない、対向した導体に流れる電流の向
きが互いに逆方向の場合には、導体に挟まれた永久磁石
が配設された空間において、左右の導体電流の作る磁束
の方向が同じとなり、磁束が加算され、永久磁石に作用
する磁場が増大することとなる。 【0015】このように、この本発明のリニアモータ
は、左右両側の1次側往復導線51、52の略水平方向
で互いに対向する導線51a及び52a、51b及び5
2bに流れる電流の向きを同方向としたことから、例え
ば、搬送車2が分岐・合流するときに非接触給電が途切
れることがないように、搬送車2の左右両側にある1次
側往復導線51、52で同時に給電をするときに、これ
ら1次側往復導線51a及び52a、51b及び52b
に同方向に流れる電流が、永久磁石部に作る磁場を最も
小さくすることができ、これにより、永久磁石1の減磁
による特性の劣化を防止し、リニアモータの信頼性を向
上させるとともに長寿命化することができる。その結
果、このリニアモータを用いた分岐・合流可能な搬送効
率のよいクリーン搬送システムの信頼性向上と長寿命化
が可能となる。 【0016】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明の構成はこの実施例の内容に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜に変更す
ることが可能である。 【0017】 【発明の効果】本発明のリニアモータによれば、左右両
側の1次側往復導線の略水平方向で互いに対向する導線
に流れる電流の向きを同方向としたことから、これら1
次側往復導線で同時に給電するときに同方向に流れる電
流が、永久磁石部に作る磁場を最も小さくすることがで
き、これにより、永久磁石の減磁による特性の劣化を防
止し、リニアモータの信頼性を向上させるとともに、永
久磁石の磁化強度を維持し、長寿命化を図ることができ
る。
非接触給電のリニアモータに関し、特に、1次側往復導
線電流から永久磁石部に作用する磁場を最も小さくする
ことにより、永久磁石の減磁による特性劣化を防止する
ことができるリニアモータに関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えば、半導体、液晶等を製造する工程
における搬送においては、これらの工程におけるクリー
ンな環境を汚染することは極度に忌避される。そこで、
接触による発挨を回避するために、これらの搬送を行う
搬送車への電力供給についても、電源に接続された導線
を1次側として固定的に配置し、この1次側に流れる電
流に対し、磁性コアに巻線を巻回した2次側ピックアッ
プコイルを搬送車に搭載し、電磁誘導現象を利用して、
非接触的に電力を取る非接触給電装置を備えた可動の搬
送車からなる搬送システムが使用されている。 【0003】また、搬送車の駆動に関しても、回転モー
タによる動輪駆動に伴なう発挨と、動輪ならびにレール
の磨耗を大幅に減らするために、軌道側に並べた永久磁
石を用いたリニアモータによるダイレクトドライブが行
われるようになってきている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
永久磁石を用いたリニアモータと非接触給電とを組み合
わせ、長期間の実験をした後、軌道に敷設したフェライ
ト磁石の特性を調べた結果、特定の位置に敷設したフェ
ライト磁石すべてについて、減磁により特性が劣化して
いることが判明した。特定の位置とは、搬送車が分岐・
合流するときに非接触給電が途切れることがないよう
に、分岐・合流部以外では片側給電であるところを搬送
車の左右両側にある1次側往復導線からの同時給電が行
われている位置であり、この位置では、永久磁石の両斜
め上方にそれぞれ1次側往復導線が配設されている。 【0005】半導体、液晶等を製造する工程における搬
送においては、これらの工程におけるクリーンな環境を
汚染することは極度に忌避されるので、軌道外周をアル
ミニウム製の外壁で覆い、軌道の発塵のクリーンな環境
への漏れを極力小さくしている。クリーン搬送における
非接触給電システムでは10kHz近傍の高周波電流が
使われており、1次往復電流が作る磁場はアルミニウム
製の外壁に誘起される渦電流の反作用磁場のために、ア
ルミニウム製の外壁の外へ漏れ難く、フェライト磁石が
存在する空間へ閉じ込められる傾向がある。 【0006】フェライト磁石はほぼ絶縁物に近いので、
フェライトに誘起される渦電流は小さく、その発生渦電
流損は小さいと考えられる。他方、フェライトは電磁波
吸収材として使われることがある。この電磁波吸収に寄
与する損失の一つにフェライトが絶縁物即ち誘電体であ
ることによる誘電体損失があるが、通常、電波であるメ
ガHz、ギガHz級の超高周波領域で起こりうる損失で
ある。非接触給電システムに使われる10kHz程度の
高周波電流がフェライトに誘電体損失を発生する電場を
誘起するとは考え難い。そこで、上記した特定の位置に
敷設したフェライト磁石すべての特性が劣化した原因と
しては、フェライト磁石内部において磁場の強さHに対
して磁束密度Bが時間的に遅れる磁気的ヒステリシス現
象による損失と推定される。いずれにせよ、1次側往復
導線に流れる電流がフェライト磁石部に作る磁場の大き
さが、フェライト磁石減磁による特性の劣化のキーを握
ると考えられる。 【0007】本発明は、叙上の如き実状に鑑み、磁場解
析をして得られた、フェライト磁石部に作られる磁場を
小さくできる1次側往復導線電流の知見に基づいてなさ
れたものであり、1次側往復導線電流から永久磁石部に
作用する磁場を最も小さくすることにより、永久磁石の
減磁による特性の劣化を防止することができるリニアモ
ータを提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のリニアモータは、着磁の方向が互いに逆向
きとなる永久磁石を搬送車の走行方向に沿って交互に並
べるとともに、軌道側に固定した1次側往復導線の電流
を、搬送車に搭載した2次側ピックアップコイルに電磁
結合させ、搬送車に搭載したリニアモータの電機子コイ
ルに非接触で給電するリニアモータにおいて、搬送車の
左右両側に2次側ピックアップコイルと1次側往復導線
とを配設するとともに、各1次側往復導線の略水平方向
で互いに対向する導線に流れる電流の向きを同方向とし
たことを特徴とする。 【0009】このリニアモータは、左右両側の1次側往
復導線の略水平方向で互いに対向する導線に流れる電流
の向きを同方向としたことから、これら1次側往復導線
で同時に給電するときに同方向に流れる電流が、永久磁
石部に作る磁場を最も小さくすることができ、これによ
り、永久磁石の減磁による特性の劣化を防止し、リニア
モータの信頼性を向上させるとともに、永久磁石の磁化
強度を維持し、長寿命化を図ることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明のリニアモータの実
施の形態を図面に基づいて説明する。 【0011】図1に、本発明のリニアモータの一実施例
を示す。このリニアモータは、着磁の方向が互いに逆向
きとなる永久磁石1を搬送車2の走行方向(紙面の直交
方向)に沿って交互に並べるとともに、軌道側アルミニ
ウム製の外壁6の内側に固定された1次側往復導線5
1、52に流した電流に対して、搬送車2に搭載した磁
性コアに巻線を巻回した2次側ピックアップコイル3
1、32を電磁結合させ、搬送車2に搭載したリニアモ
ータの電機子コイル4に非接触で給電する構成を有して
いる。そして、このリニアモータは、例えば、搬送車2
が分岐・合流するときに非接触給電が途切れることがな
いように、搬送車の左右両側に2次側ピックアップコイ
ル31、32と1次側往復導線51、52とを配設する
とともに、この左右両側の1次側往復導線51、52か
ら同時に給電をするときに、1次側往復導線51、52
の略水平方向で互いに対向する導線51a及び52a、
51b及び52bに流れる交番電流の同一時刻における
電流の向きが、例えば、図示のように同方向となるよう
にしている。 【0012】図4に、2次元磁場解析を行い、1次側往
復導線電流がフェライト磁石部に作るx方向磁場につい
てまとめたグラフを示す。図4において、aは上記の本
発明実施例のリニアモータの磁場を示し、bは、左右両
側の1次側往復導線51、52の互いに対向する導線に
流れる交番電流の同一時刻における電流の方向が逆方向
となるようにした図2に示す比較例のリニアモータの磁
場を示す。また、cは、例えば、図3に示すように、分
岐・合流部以外のように1次側往復導線51が片側にの
み配設されているリニアモータの磁場を示す。 【0013】図4より明らかなように、本発明のリニア
モータのように、左右両側の1次側往復導線51、52
の互い対向する導線に流れる電流の向きを同方向とした
場合には、比較例のように電流の向きを逆方向にした場
合に比較し、1次側往復導線電流がフェライト磁石部に
作るx方向の磁場は格段に小さく、また、1次側往復導
線51が片側にのみ配設されているリニアモータよりも
小さくなっている。この場合、1次側往復導線が片側に
のみ配設されているリニアモータでは、フェライト磁石
の減磁による特性の劣化が皆無であることは実証されて
おり、1次側往復導線電流がフェライト磁石部に作るx
方向磁場が1次側往復導線が片側にのみ配設されている
場合よりも小さくなる本発明のリニアモータにおいて
は、フェライト磁石の減磁による特性の劣化はないとい
える。 【0014】一方、1次側往復導線の電流がフェライト
磁石部に作る磁場にはy方向成分があるが、このy方向
成分の磁場は、永久磁石1の背後にあるアルミニウム製
の外壁6に誘起される渦電流の反作用のため、x方向成
分に比べて大きさが1桁小さい。しかも、x方向成分と
同様に、本発明の実施例のリニアモータのように、1次
側往復導線の互い対向する導線に流れる電流の方向を同
方向とした場合が、最もy方向成分の磁場が小さくな
る。本発明のように導体に流れる電流の向きを同一とし
た場合に、逆方向とした場合と比較して、永久磁石に作
用する磁場が小さくなる理由を以下に説明する。導体に
流れる電流は、導体を中心とする同心円状の同じ方向の
磁束を発生する。したがって、例えば、導体の左右にお
ける磁束の方向は互いに逆向きとなる。永久磁石が配設
される位置は対向した導体のそれぞれ右、左の位置であ
るから、対向した導体に流れる電流の向きを同一とした
場合には、左右の導体電流の作る磁束の方向は永久磁石
が配設される位置において互いに逆向きとなり、磁束の
相殺が起こり、永久磁石に採用する磁場が減少する。一
方、本発明によらない、対向した導体に流れる電流の向
きが互いに逆方向の場合には、導体に挟まれた永久磁石
が配設された空間において、左右の導体電流の作る磁束
の方向が同じとなり、磁束が加算され、永久磁石に作用
する磁場が増大することとなる。 【0015】このように、この本発明のリニアモータ
は、左右両側の1次側往復導線51、52の略水平方向
で互いに対向する導線51a及び52a、51b及び5
2bに流れる電流の向きを同方向としたことから、例え
ば、搬送車2が分岐・合流するときに非接触給電が途切
れることがないように、搬送車2の左右両側にある1次
側往復導線51、52で同時に給電をするときに、これ
ら1次側往復導線51a及び52a、51b及び52b
に同方向に流れる電流が、永久磁石部に作る磁場を最も
小さくすることができ、これにより、永久磁石1の減磁
による特性の劣化を防止し、リニアモータの信頼性を向
上させるとともに長寿命化することができる。その結
果、このリニアモータを用いた分岐・合流可能な搬送効
率のよいクリーン搬送システムの信頼性向上と長寿命化
が可能となる。 【0016】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明の構成はこの実施例の内容に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜に変更す
ることが可能である。 【0017】 【発明の効果】本発明のリニアモータによれば、左右両
側の1次側往復導線の略水平方向で互いに対向する導線
に流れる電流の向きを同方向としたことから、これら1
次側往復導線で同時に給電するときに同方向に流れる電
流が、永久磁石部に作る磁場を最も小さくすることがで
き、これにより、永久磁石の減磁による特性の劣化を防
止し、リニアモータの信頼性を向上させるとともに、永
久磁石の磁化強度を維持し、長寿命化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリニアモータの一実施例を示す正面断
面図である。 【図2】比較例のリニアモータを示す正面断面図であ
る。である。 【図3】1次側往復導線が片側のみにあるリニアモータ
を示す正面断面図である。 【図4】永久磁石部の磁場分布を示すグラフである。 【符号の説明】 1 永久磁石 2 搬送車 31 2次側ピックアップコイル 32 2次側ピックアップコイル 4 電機子コイル 51 1次側往復導線 52 1次側往復導線 6 軌道側アルミニウム製の外壁
面図である。 【図2】比較例のリニアモータを示す正面断面図であ
る。である。 【図3】1次側往復導線が片側のみにあるリニアモータ
を示す正面断面図である。 【図4】永久磁石部の磁場分布を示すグラフである。 【符号の説明】 1 永久磁石 2 搬送車 31 2次側ピックアップコイル 32 2次側ピックアップコイル 4 電機子コイル 51 1次側往復導線 52 1次側往復導線 6 軌道側アルミニウム製の外壁
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
H02K 41/03 B60L 13/02 V
Fターム(参考) 5H105 BA01 BA07 BB03 BB07 CC03
CC17 CC20 DD08 DD10 EE14
5H113 BB03 BB06 CC04 CC07 CD03
CD04 CD12 CD14 DA06 DB04
DB08 DB13 DC18 EE03
5H641 BB06 BB18 GG03 GG15 HH02
JA05
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 着磁の方向が互いに逆向きとなる永久磁
石を搬送車の走行方向に沿って交互に並べるとともに、
軌道側に固定した1次側往復導線の電流を、搬送車に搭
載した2次側ピックアップコイルに電磁結合させ、搬送
車に搭載したリニアモータの電機子コイルに非接触で給
電するリニアモータにおいて、搬送車の左右両側に2次
側ピックアップコイルと1次側往復導線とを配設すると
ともに、各1次側往復導線の略水平方向で互いに対向す
る導線に流れる電流の向きを同方向としたことを特徴と
するリニアモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001286265A JP2003092808A (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | リニアモータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001286265A JP2003092808A (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | リニアモータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003092808A true JP2003092808A (ja) | 2003-03-28 |
Family
ID=19109282
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001286265A Pending JP2003092808A (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | リニアモータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003092808A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2001
- 2001-09-20 JP JP2001286265A patent/JP2003092808A/ja active Pending
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