JP2002134340A - 非接触給電トランス - Google Patents

非接触給電トランス

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JP2002134340A
JP2002134340A JP2000321754A JP2000321754A JP2002134340A JP 2002134340 A JP2002134340 A JP 2002134340A JP 2000321754 A JP2000321754 A JP 2000321754A JP 2000321754 A JP2000321754 A JP 2000321754A JP 2002134340 A JP2002134340 A JP 2002134340A
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Mitsuyoshi Kuroda
光義 黒田
Atsushi Okuno
敦 奥野
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Shinko Electric Co Ltd
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Shinko Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コアの構造を工夫し、給電トランスを小さく
して電力伝達効率を向上させると共に、1次側給電線が
コアや2次巻線に接触する虞のないようにする。 【解決手段】 歯型コアを2個設けて、一方の歯型コア
は2次巻線専用のコアとし、他方の歯型コアは1次側の
給電線専用のコアとする。つまり、歯型のコアA42
は、中央凸部42b、42c、42dに、各々2次巻線
44a、44b、44cを巻回する。そして、各2次巻
線は直列または並列に接続して出力を取り出す。一方、
歯型のコアB43は、二組の給電線の往復路となる給電
線45a、45b及び給電線45c、45dを、それぞ
れ各磁極の隙間に貫通させる。これにより、トランス効
率が向上して小型化を図ることができると共に、給電線
の2次巻線への接触防止が可能となる。しかも、給電線
の発生磁束による各2次巻線の誘起電圧により、出力に
高電圧または大電力を取り出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非接触給電トラン
スの構造に関し、特に、搬送システムに利用される走行
体の使用電力を非接触で給電する非接触給電装置に用い
られる非接触給電トランスの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、倉庫内や工場内等において、案内
レール等の軌道に沿って搬送車を走行させ、この搬送車
によって被搬送物(積荷)を搬送する搬送システムが広
く利用されている。この搬送車には、リニアモータなど
の走行モータが搭載されていて、この走行モータの駆動
によって搬送車は走行される。そして、走行モータヘの
給電方法として、搬送車側に設けた集電子を給電線に接
触させて、電力を給電する方法に替えて、搬送車の側に
ピックアップコィルと称される2次巻線を給電線の近傍
に配置し、いわゆるトランスの電磁誘導作用によって、
前記ピックアップコイルに誘導起電力を発生させて、非
接触で給電する方法が実施されている。
【0003】また、非接触給電方法は、搬送物を一時的
に保管するためのストッカにも適用されている。このス
トッカは、搬送物を収納するための棚と、この棚に搬送
物を入出庫するためのスタッカとを備える。このスタッ
カは、棚の正面横方向に移動するための走行用モータ
と、搬送物を載置するためのテーブルを駆動する駆動用
モータを搭載しており、これらモータを作動させるため
の電源の供給を非接触給電方式により行っている。
【0004】次に、図1ないし図4を参照して、従来の
非接触給電装置の給電原理について詳細に説明する。図
1は、曲線部と直線部とを有する軌道Rを搬送車Bが走
行する概念図であり、図2は、1次側給電線10と、搬
送車Bに搭載された電源装置20との関係を示す概略回
路図であり、図3は、ピックアップコイル(2次側コイ
ル)23が巻回された給電トランス(変成器)21及び
軌道側壁Waの部分を示す横断面図であり、図4は、軌
道Rの直線部における軌道側壁Waと給電トランス21
との配置を示す平面摸式図である。図2及び図3におい
て、軌道Rを構成する軌道側壁Waの側方には、往復線
路からなる給電線10が設けられ、この給電線10の往
路および復路をなす給電線10aと同10bとが上下に
所定間隔をおき、しかも軌道側壁Waとの間に一定の間
隔をおいてこれと平行に配置されている。また、図3に
示されるように、各給電線10a,10bは軌道側壁W
aの側面にステー1を介して支持されている。尚、以下
の説明では、非接触給電トランスを単に給電トランスと
いう場合がある。
【0005】また、図2に示されるように、軌道に沿っ
て走行する搬送車は、電源装置20を搭載しており、こ
の電源装置20を構成する給電トランス21は、図3に
示されるように、断面E字形をしたコア22の中央凸部
22aに2次側コイルであるピックアップコイル23が
巻回され、コア22の中央凸部22aと上方凸部22b
との間に、往復線路(給電線10)をなす一方の給電線
10aが配置されていると共に、中央凸部22aと下方
凸部22cとの間に、他方の給電線10bが配置されて
いる。
【0006】そして、1次側の給電線10に、高周波の
電流が供給されると、2つに折り曲げられた各給電線1
0a,10bの周囲には、これらに流れる電流の向きが
逆であるために、図3で矢印で示されるように、互いに
逆方向の磁束が発生し、該磁束の変化により、2次側コ
イルであるピックアップコイル23には、誘導起電力が
発生して(つまり電圧が誘起されて)、1次側の給電線
10から2次側コイル(ピックアップコイル23)に非
接触で電力が供給される。
【0007】また、図2に示されるように、搬送車の電
源装置20は、共振コンデンサ24、整流回路25、定
電圧回路26、ドライバ27を備えており、ピックアッ
プコイル23に発生した誘導起電力は、整流回路25で
直流に変換された後に、定電圧回路26で一定電圧に制
御されて走行モータ28に供給され、この走行モータ2
8の回転によって、図1に示すように搬送車Bは軌道R
に沿って走行する。
【0008】また、搬送車の電源装置20において、ピ
ックアップコイル23と、これに並列に接続された共振
コンデンサ24とで共振回路が構成され、この共振回路
によって、非接触給電時における無効電力を少なくし
て、電力伝送効率を高めている。この共振回路の共振周
波数(fo)は、ピックアップコイル23のインダクタ
ンスを(L)とし、共振コンデンサ24の静電容量を
(C)とした場合には、〔fo≒(1/2π)×(L×
C)-(1/2)〕で表わされ、1次側の給電線10に流れる
電流の周波数と等しい場合(つまり、共振周波数の場
合)に、1次側から2次側への電力伝送効率が最大とな
ることが知られている。
【0009】すなわち、走行モータ28を利用した搬送
システムにおいては、搬送用軌道に沿って電力供給用の
ケーブル(給電線10)を設置して高周波電流を流し、
給電トランス21の電磁結合により、2次側コイル(ピ
ックアップコイル23)から動力電源を得て、搬送車B
の走行モータ28へ駆動電力を供給する非接触給電方式
が実用化されている。このとき、給電線10に流す動力
用の電流は、通常、通信用信号を重畳するためにノイズ
を低減する必要があり、また、給電線10からの放射ノ
イズを軽減する意味からも、高調波成分を極力含まない
正弦波電流が適用される。このような正弦波電流は給電
線10のインダクタンスと、ピックアップコイル23の
端子間に別途用意した共振コンデンサ24との共振回路
によって生成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図3から明
らかなように、給電トランス21は、E型のコア22の
中央脚(中央凸部22a)に2次側コイル(ピックアッ
プコイル23)を巻回すると共に、1次側の給電線10
a,10bをコアの隙間に非接触で貫通させる必要があ
る。しかも、図4に示されるように、搬送車に搭載され
た給電トランス21は、給電線10(10a、10b)
を非接触で貫通しながら走行移動させるものである。こ
のため、図3に示す給電トランス21は、走行移動時の
振動や機構部分のガタなどを考慮して、走行中に給電線
10a,10bがコア22の側壁やピックアップコイル
23などに物理的に接触しないような大きな隙間を設け
る必要がある。
【0011】このため、給電線10a,10bとコア2
2及びピックアップコイル23との間のエアギャップが
大きくなって給電トランス21の磁気結合が悪くなり、
結果的にトランスの電圧変換効率が悪くなってしまう。
従って、2次側コイル(ピックアップコイル23)への
変換電力が低下してしまうので、電力を多く伝達するた
めには、必然的に、給電トランス21を大きくしなけれ
ばならない。つまり、給電線10a,10bが給電トラ
ンス21に物理的に接触しないようにするためにコア2
2の隙間を大きくすることと、隙間を大きくしたことに
よる電圧変換効率の低下との相乗的な逆効果によって、
必要電力を得るためには給電トランス21は増々大きく
なってしまう。
【0012】また、従来の給電トランスの構造では、2
次側のピックアップコイル23の直近に給電線10a,
10bが通るため、走行中の振動などによって給電線1
0a,10bとピックアップコイル23が接触して、ピ
ックアップコイル23を絶縁破壊させる虞もある。この
ような事態は、給電トランス21を小さくしてコア22
の隙間を可能な限り小さくしようとするほど生じやすく
なる。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、コアの構造を工夫することに
より、給電トランスを小さくして電力伝達効率を向上さ
せると共に、走行中に1次側給電線がコアや2次側コイ
ルに接触する虞のないようにすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の非接触給電トランスは、1次側の給電線
を貫通する第1の磁性体コア(例えば後述するコアB3
3に相当する構成要素)と、2次巻線を実装する第2の
磁性体コア(例えば後述するコアA32に相当する構成
要素)とを備え、第1の磁性体コアと第2の磁性体コア
とで磁気回路を形成し、給電線に供給される電力を2次
巻線より取り出すように構成されたことを特徴とする。
すなわち、このような構成の非接触給電トランスにすれ
ば、給電線が2次巻線の近傍に存在しないので、給電線
が2次巻線に接触して2次巻線を絶縁破壊させる虞はな
くなる。さらに、2次巻線を巻く磁性体コアには給電線
が存在しないので、2次巻線を実装効率よく巻くことが
できる。よって、非接触給電トランスの大きさを小さく
することができる。
【0015】また、本発明の非接触給電トランスは、前
記発明において、第2の磁性体コアは、複数の2次巻線
をそれぞれ巻回できる複数の磁極を備え、第1の磁性体
コアは、第2の磁性体コアの各磁極に対応して磁路が形
成されるような磁極を備え、給電線は、同一線路の折り
返し毎に、第1の磁性体コアの各磁極間の隙間を貫通
し、第2の磁性体コアの各磁極に巻回された複数の2次
巻線は、それぞれ直列または並列に接続され、給電線へ
の供給電力は、複数の2次巻線の直列端または並列端よ
り取り出されることを特徴とする。
【0016】すなわち、本発明の非接触給電トランスに
よれば、大きな供給電力を必要とするトランスを実現す
る場合、複数の独立トランスを用いることによる分割損
を排除し、1つのコアに複数の2次巻線を巻回して、こ
れらの2次巻線を直列或いは並列接続して大電力を得て
いる。
【0017】また、本発明の非接触給電トランスは、前
記発明において、給電線は、同一線路の折り返し往復路
を一組として、各折り返し毎に第1の磁性体コアの各磁
極間の隙間に貫通され、第2の磁性体コアの各磁極毎に
巻回される2次巻線の個数は、給電線の往復路毎に1個
の2次巻線が巻回されるような個数であることを特徴と
する。すなわち、給電線の往復路の各々によって発生す
る磁束が、最大限に、各2次巻線を巻回する磁極の磁路
を通過するよに、2次巻線を配置することが望ましい。
そのためには、給電線の往復路に挟まれた磁極に対応す
る第2の磁性体コアの磁極毎に2次巻線を巻回すること
が最も望ましい。
【0018】また、本発明の非接触給電トランスは、前
記発明において、第1の磁性体コアは奇数の磁極を備
え、偶数の磁極間隙間の各々に給電線の折り返し線路が
貫通され、第2の磁性体コアは、両側の磁極を除く各磁
極にそれぞれ1個ずつの2次巻線が巻回されていること
を特徴とする。すなわち、1次側の給電線は往復路がコ
アの隙間を貫通する1対となるので、当然、奇数の磁極
を備えて偶数の磁極間隙間を備える必要がある。そし
て、2次巻線は、第2の磁性体コアの両側の磁極を除く
中間の各磁極にそれぞれ1個ずつ巻回すれば、奇数個の
2次巻線が最大効率の磁路となるように配置される。
【0019】また、本発明の非接触給電トランスは、前
記発明において、第2の磁性体コアは、5個の磁極によ
って構成されて3個の2次巻線を備え、第1の磁性体コ
アは、5個の磁極によって構成されて二組の往復路の前
記給電線が貫通されることを特徴とする。すなわち、実
施しやすい一つの実施例としては、例えば、図6に示す
ように、各々が5個の磁極を有した第1の磁性体コアと
第2の磁性体コアとを用意し、第2の磁性体コアの中央
の3個の磁極に各々1個ずつ合計3個の2次巻線を巻回
する。さらに、第1の磁性体コアの4個の隙間には給電
線の二組の往復路を貫通する。このような1組のコア構
成のトランスにすれば、トランスの分割損がなくなるの
で、1台のトランスで大電力を供給することができる。
しかも、給電線が2次巻線に接触しない構造を実現する
ことができる。
【0020】また、本発明の非接触給電トランスを、軌
道を走行する走行体へ非接触で電力を給電する非接触給
電装置に用いれば、走行体の走行中に1次側の給電線が
2次巻線に接触して2次巻線を絶縁破壊させる虞がなく
なるので、極めて信頼性の高い搬送システムを実現する
ことができる。さらに、非接触給電トランスの大きさを
小さくすることができるので、走行体の搬送スペースを
有効にとることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明にお
ける非接触給電トランスの実施の形態について詳細に説
明する。図5は、本発明における非接触給電トランスの
第1の実施の形態の構造図である。第1の実施の形態で
は、E型コアを2個設けて、1個を1次側給電線の専用
コアとし、他の1個を2次側ピックアップコイルの専用
コアとしている。すなわち、図5において、給電トラン
ス31は、断面E字形をしたコアA32と断面E字形を
したコアB33が付き合わせになっている。
【0022】そして、コアA32の中央凸部32aに
は、ピックアップコイル(以下、2次巻線という)34
が、上方凸部32bと下方凸部32cとの隙間にほぼ一
杯に巻回されている。すなわち、コアA32には1次側
の給電線を貫通させないので、2次巻線34を可能な限
り隙間なく巻回することによって巻線のスペース効率を
よくしている。また、他方のコアB33には、1次側の
給電線の往復電流路となる給電線10a及び給電線10
bが、それぞれ、中央凸部33aと上方凸部32b、及
び中央凸部33aと下方凸部32cとの間に所定の隙間
を設けて貫通されている。すなわち、給電線10a及び
給電線10bは、給電トランス31の移動中にコア33
Bの何れの壁にも接触しない程度に隙間が設けられてい
る。
【0023】このように構成されたコアA32とコアB
33を、所望のギャップgを設けて突き合わせることに
よって給電トランス31を構成している。そして、給電
線35aに図の符号のように紙の裏から表へ向かう電流
が流れると、コアA32とコアB33との間で、図の2
点鎖線の矢印のような磁路m1に磁束が流れる。また、
給電線35bに図の符号のように紙の表から裏へ向かう
電流が流れると、コアA32とコアB33との間で、図
の2点鎖線の矢印のような磁路m2に磁束が流れ、2次
巻線34に巻数に比例した電圧が誘起される。以降、2
次巻線34からの電圧が電源装置に取り出されて走行モ
ータに供給されるのは従来技術で述べた通りである。
【0024】ここで、第1の実施の形態の給電トランス
31によれば、給電線35a、35bが、2次巻線34
とは別のコアであるコアb33に貫通されているので、
給電線35a、35bが2次巻線34に接触することは
なくなり、2次巻線34を絶縁破壊させる虞はなくな
る。また、コアB33は、給電線35a、35bを貫通
できる深さの凹部を設けたコアであればよく、コアA3
2に比べて厚さの薄いものでよいので、給電トランス3
1全体を厚くする弊害にはならない。さらに、2次巻線
34は専用のコアA32に巻回するので、コアA32の
隙間一杯に巻くことができ、もって、巻線の実装効率が
よくなり、コアA32が小さくても2次巻線の巻数を増
やすことができる。また、コアA32とコアB33のギ
ャップgを小さくすることができるため磁気結合がよく
なり、給電線35a、35bから2次巻線34への電力
伝達効率が向上する。これらの相乗効果によってトラン
ス効率が向上して、従来に比べ非接触給電トランスを一
層小さくすることができる。
【0025】前述の図3のような従来の非接触給電トラ
ンスの場合はE型コアが1個であったが、本発明の第1
の実施の形態の非接触給電トランスでは、E型コアを2
個突き合わせる構造になっているが、2次巻線の実装効
率の向上とトランス効率の向上とによって、トランス容
積としては従来の構造より小さくなっている。特に、非
接触給電トランスの厚さ方向(つまり、コイルの巻き枠
方向)の高さは、本実施の形態の構成によってかなり小
さくすることができる。さらに、2次巻線の絶縁破壊防
止の効果も顕著となる。
【0026】図6は、本発明における非接触給電トラン
スの第2の実施の形態の構造図である。第2の実施の形
態では、非接触給電トランスの給電パワーを大きくした
い場合にトランスの実装構造を小さくする構造を提案し
ている。すなわち、従来は、非接触給電トランスの給電
パワーを大きくしたい場合は、例えば、図3に示すよう
な給電トランスを3個、図の縦方向に配列して、各給電
トランス毎の2次巻線を直列接続して高い出力電圧を取
り出したり、各給電トランス毎の2次巻線を並列接続し
て大電流の出力電流を取り出したりしている。このよう
な方法では、図3に示すような給電トランスの3倍の大
きさになってしまい好ましくない。
【0027】そこで、本発明における第2の実施の形態
の給電トランスは、図6に示すように、歯型コアを2個
設けて、一方の歯型コアは2次巻線専用のコアとし、他
方の歯型コアは1次側の給電線専用のコアとする。すな
わち、図6は、2次巻線を3個設けた場合の実施の形態
であり、歯型のコアA42は、上部凸部42aと下部凸
部42eとの間に3個の中央凸部42b、42c、42
dが配置されている。また、歯型のコアB43も、コア
A42と対称な形状で、上部凸部43aと下部凸部43
eとの間に3個の中央凸部43b、43c、43dが配
置されている。尚、コアB43は給電線45a、45
b、45c、45dを貫通できるだけの凹部を備えたコ
アであればよいので、コアA42よりかなり薄いコアで
ある。
【0028】そして、コアA42は、中央凸部42bに
2次巻線A44aが巻かれ、中央凸部42cに2次巻線
B44bが巻かれ、中央凸部42dに2次巻線C44c
が巻かれ、これらの3個の2次巻線は直列に接続されて
電源装置に取り出されている。一方、コアB43は、一
組の1次側給電線の往復電流路となる給電線45a及び
給電線45bが、それぞれ、上部凸部43aと中央凸部
43b、中央凸部43bと中央凸部43cとの間に所定
の隙間を設けて貫通されており、他の一組の1次側給電
線の往復電流路となる給電線45c及び給電線45d
が、それぞれ、中央凸部43cと中央凸部43d、中央
凸部43dと下部凸部43eとの間に所定の隙間を設け
て貫通されている。
【0029】このように構成されたコアA42とコアB
43を、所望のギャップgを設けて突き合わせることに
よって給電トランス41を構成している。そして、給電
線45aに図の符号のように紙の裏から表へ向かう電流
が流れると、コアA42とコアB43との間で、図の2
点鎖線の矢印のような磁路m1に磁束が流れる。また、
給電線45bに図の符号のように紙の表から裏へ向かう
電流が流れると、コアA42とコアB43との間で、図
の2点鎖線の矢印のような磁路m2に磁束が流れる。同
様にして、給電線45cに図の符号のような電流が流れ
ると、コアA42とコアB43との間で、図の2点鎖線
の矢印のような磁路m3に磁束が流れ、給電線45dに
図の符号のような電流が流れると、コアA42とコアB
43との間で、図の2点鎖線の矢印のような磁路m4に
磁束が流れる。
【0030】この結果、2次巻線A44a、2次巻線B
44b、2次巻線C44cには、それぞれ巻数に比例し
た電圧が誘起され、これらの3個の2次巻線を直列接続
すれば、それぞれの2次巻線の誘起電圧を加算した電圧
が出力される。これによって電源装置に高電圧を取り出
すことができる。或いは、3個の2次巻線を並列接続し
て高電流を取り出すこともできる。
【0031】第2の実施の形態の給電トランスの場合
も、第1の実施の形態の場合と同様に、一組の一次給電
線の往復路を形成する給電線45a、45bと、他の一
組の一次給電線の往復路を形成する給電線45c、45
dは、それぞれ、2次巻線44a、44b、44cとは
別のコアであるコアB43に貫通されているので、各給
電線45a、45b、45c、45dが各2次巻線44
a、44b、44cに接触することはなくなり、各2次
巻線を絶縁破壊させる虞はなくなる。また、各2次巻線
44a、44b、44cは専用のコアA42に巻回する
ので、コアA42の隙間に巻線効率よく巻くことがで
き、もって、巻線の実装効率がよくなり、コアA42が
小さくても各2次巻線44a、44b、44c共に比較
的高い電圧を取り出すことができる。さらに、コアA4
2とコアB43のギャップgを小さくすることができる
ため磁気結合がよくなって各給電線45a、45b、4
5c、45dから2次巻線44a、44b、44cへの
電力伝達効率が向上する。これらの相乗効果と相俟って
2次巻線44a、44b、44cを直列接続すれば高い
出力電圧を取り出すことができる。
【0032】すなわち、前述の図3のような従来の非接
触給電トランスを3台用いて所望の高電圧を出力する場
合と比較すれは、図6の第2の実施の形態のような構成
による1台の非接触給電トランスで3個の2次巻線を直
列接続すれば、同じ高電圧を得るのに、非接触給電トラ
ンスの大きさを一段と小さくすることができる。さら
に、1次側の給電線が2次巻線側に存在しないので2次
巻線の絶縁破壊防止の効果も顕著となる。
【0033】尚、第2の実施の形態では2次巻線を3個
にした場合を例に挙げたが、さらに大電力を取り出すた
めに2次巻線の個数を多くすることもできる。すなわ
ち、大電力の非接触給電トランスを実現するために、2
次巻線の個数を多するほど、従来の非接触給電トランス
に比べて大きさの割合を一層小さくすることができる。
このような多巻線の非接触給電トランスを構成する場合
は、1次給電線の往復路をそれぞれ各コア凸部の隙間に
貫通させるため、貫通する1次給電線は偶数であり、2
次巻線の実装個数は1次給電線の本数より1つ少ない個
数となる。すなわち、1次給電線の本数pと2次巻線の
個数sとの関係は、s=p−1となる。従って、1次給
電線の本数pと2次巻線の個数sが、各々のコアの凸部
の隙間の全てに均等に実装できるような形状のコアを用
いて、一次給電線と2次巻線を実装すれば、1次給電線
が2次巻線に接触することなく、且つ容積の小さい非接
触給電トランスを実現することができる。
【0034】以上述べた実施の形態は本発明を説明する
ための一例であり、本発明は、上記の実施の形態に限定
されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が
可能である。すなわち、上記の実施の形態では2次巻線
が1個の場合と3個の場合について述べたが、これに限
ることはなく、5個、7個…と奇数で増やして行くこと
ができる。勿論、1次給電線が偶数であるので、2次巻
線は奇数であることは前述の通りである。さらに、この
ような構成の給電トランスは、走行モータの電力供給用
に限らず、あらゆる用途のトランスにも適用できること
はいうまでもない。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の非接触給
電トランスによれば、1次側の給電線は、2次巻線とは
別に設けたコアに貫通されているので、走行中などで給
電線が2次巻線に接触することはない。よって、走行車
の移動中に2次巻線を絶縁破壊させる虞はなくなる。ま
た、2次巻線は専用のコアに巻回するので、そのコアの
隙間一杯に巻くことができ、もって、巻線の実装効率が
よくなり、コアが小さくても2次巻線の巻数を増やすこ
とができる。さらに、2次巻線専用のコアと給電線専用
のコアのギャップを小さくすることができるため、磁気
結合がよくなって給電線から2次巻線への電力伝達効率
が向上する。これらの相乗効果によってトランス効率が
向上して、従来に比べて非接触給電トランスを一層小さ
くすることができる。さらに、大容量の電力を供給する
給電トランスの場合、従来は、例えば3個など複数個の
トランスを組み合わせて、大電力を供給しなければなら
なかったが、本発明の非接触給電トランスによれば、1
台のトランスで大電力を供給することができる。しか
も、従来に比べて大きさを一層小さくすることができる
と共に、給電線が2次巻線に接触しない構造を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 曲線部と直線部とを有する軌道Rを搬送車B
が走行する概念図である。
【図2】 1次側給電線10と、搬送車Bに搭載された
電源装置20との関係を示す概略回路図である。
【図3】 ピックアップコイル(2次側コイル)23が
巻回された給電トランス(変成器)21及び軌道側壁W
aの部分を示す横断面図である。
【図4】 軌道Rの直線部における軌道側壁Waと給電
トランス21との配置を示す平面摸式図である。
【図5】 本発明における非接触給電トランスの第1の
実施の形態の構造図である。
【図6】 本発明における非接触給電トランスの第2の
実施の形態の構造図である。
【符号の説明】
10(10a、10b) 給電線 21、31、41 給電トランス 22 コア 23 ピックアップコイル(2次側コイル) Wa 軌道側壁 32、42 コアA 33、43 コアB 32a、33a、42b、42c、42d、43b、4
3c、43d中央凸部 32b、33b、42a、43a 上方凸部 32c、33c、42e、43e 下方凸部 34、44a、44b、44c 2次巻線 35a、35b、45a、45b、45c、45d 給
電線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次側の給電線を貫通する第1の磁性体
    コアと、2次巻線を実装する第2の磁性体コアとを備
    え、 前記第1の磁性体コアと前記第2の磁性体コアとで磁気
    回路を形成し、前記給電線に供給される電力を前記2次
    巻線より取り出すように構成されたことを特徴とする非
    接触給電トランス。
  2. 【請求項2】 前記第2の磁性体コアは、複数の2次巻
    線をそれぞれ巻回できる複数の磁極を備え、 前記第1の磁性体コアは、前記第2の磁性体コアの各磁
    極に対応して磁路が形成されるような磁極を備え、 前記給電線は、同一線路の折り返し毎に、前記第1の磁
    性体コアの各磁極間の隙間を貫通し、 前記第2の磁性体コアの各磁極に巻回された複数の2次
    巻線は、それぞれ直列または並列に接続され、 前記給電線への供給電力は、前記複数の2次巻線の直列
    端または並列端より取り出されることを特徴とする請求
    項1に記載の非接触給電トランス。
  3. 【請求項3】 前記給電線は、同一線路の折り返し往復
    路を一組として、各折り返し毎に第1の磁性体コアの各
    磁極間の隙間に貫通され、 前記第2の磁性体コアの各磁極毎に巻回される2次巻線
    の個数は、前記給電線の往復路毎に1個の2次巻線が巻
    回されるような個数であることを特徴とする請求項2に
    記載の非接触給電トランス。
  4. 【請求項4】 前記第1の磁性体コアは奇数の磁極を備
    え、偶数の磁極間隙間の各々に前記給電線の折り返し線
    路が貫通され、 前記第2の磁性体コアは、両側の磁極を除く各磁極にそ
    れぞれ1個ずつの2次巻線が巻回されていることを特徴
    とする請求項3に記載の非接触給電トランス。
  5. 【請求項5】 前記第2の磁性体コアは、5個の磁極に
    よって構成されて3個の2次巻線を備え、 前記第1の磁性体コアは、5個の磁極によって構成され
    て二組の往復路の前記給電線が貫通されることを特徴と
    する請求項4に記載の非接触給電トランス。
  6. 【請求項6】 軌道を走行する走行体へ非接触で電力を
    給電する非接触給電装置に用いられることを特徴とする
    請求項1〜請求項5の何れかに記載の非接触給電トラン
    ス。
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