JP5437650B2 - 非接触給電装置 - Google Patents
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Description
この非接触給電装置は、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、給電側である1次側のコイルから、受電側である2次側のコイルへと電力を供給する。すなわち、地面等に定置された1次側コイルでの磁束形成により、エアギャップを存しつつ、非接触で近接対応位置せしめられ電気自動車等に搭載された2次側コイルに、誘導起電力を生成して電力を供給する(後述する図6の(1)図等を参照)。
そして、このような非接触給電装置では、充電効率の向上,大電力の供給,エアギャップの拡大,小型軽量化等のニーズが高まっており、このような各ニーズに対応すべく、いわゆるフラット構造の渦巻きコイルの開発,実用化も、最近進展している。(後述する図6の(2)図等を参照)。
すなわち、エアギャップの拡大は、非接触給電システムの普及促進に資する所が大である反面、励磁無効電力の増大が必要となる。つまり、大エアギャップのもとで大電力を供給するためには、見合った磁束を磁路に発生させることが必要であり、つまりは1次側コイルや2次側コイルに入力される励磁無効電力の増大を図る必要がある。
そして、この励磁無効電力は、コイル電圧×コイル電流で表わされるが、銅損増加によるジュール熱損失増大,効率低下を避けるためには、電流を制限して電圧を上げる必要がある。
このように、エアギャップ拡大のためには、励磁無効電力の増大を必要とし、コイル電圧の600Vを超える高圧化が必要となる。しかしながら実用化面からは、このようなコイル電圧の高圧化は、コイルのみならず、そのコイルに給電するケーブルや電源を含む、電気機器,使用部品等の高圧化も必要となる。
そして、規格上600Vを超えると、電気機器,使用部品等が、従来の低電圧用ではなく高電圧用となり、定格が大きくなると共にその絶縁対策等に鑑み、製造コスト,設置工事コスト,メンテナンスコスト等の諸コスト高を招く、という問題が指摘されていた。
本発明の非接触給電装置は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、大ギャップ化と大電力供給とが、1次側や2次側のコイルその他の高電圧化を伴うことなく実現され、第2に、しかもこれが簡単容易に、高電圧化コストや絶縁対策コストにも優れて実現される、非接触給電装置を提案することを目的とする。
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。
この非接触給電装置は、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、1次側のコイルから2次側のコイルに、エアギャップを存し非接触で近接対応位置しつつ電力を供給する。
そして該非接触給電装置は、該エアギャップ拡大ニーズと大電力供給ニーズとに対応して、励磁無効電力を増大するため、600V規格を超える高電圧化が部分的に採用されている。
そして該エアギャップの磁路に、共振回路を構成する共振コイルが配設されている。該共振回路は、該1次側の電源回路や該2次側の負荷側回路から独立しており、該共振コイルは、該エアギャップの磁路に対し励磁無効電力を供給する。
これに対し、該1次側の電源回路および該2次側の負荷側回路は、その電気機器,使用部品が、すべて高電圧化されることなく、600V規格の制約下の低電圧用よりなる。これと共に、絶縁対策が講じられていないこと、を特徴とする。
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)非接触給電装置では、給電に際し、2次側のコイルが1次側のコイルに対し、エアギャップを存して近接対応位置せしめられる。
(2)そして1次側では、コイルに通電されて磁束が形成され、もって磁束の磁路が、2次側のコイルとの間に形成される。
(3)もって、1次側のコイルと2次側のコイルが電磁結合され、2次側のコイルに誘導起電力が生成される。
(4)このような電磁誘導の相互誘導作用により、電力が1次側から2次側へと供給される。
(5)さて、本発明の非接触給電装置では、エアギャップの磁路に、独立した共振回路の共振コイルが配設されている。
(6)そしてこの共振コイルから、エアギャップの磁路に励磁無効電力が供給される。
(7)従って、大電力供給に際しエアギャップを拡大しても、励磁無効電力の増大については、簡単な構成の独立した共振回路のみの高電圧化により、対応可能である。
(8)そして、これらは簡単な構成の共振回路により、容易に実現され、その絶縁対策も容易である。
(9)さてそこで、本発明の非接触給電装置は、次の効果を発揮する。
第1に、大ギャップ化と大電力供給とが、1次側や2次側のコイルその他の高電圧化を伴うことなく、実現される。
本発明の非接触給電装置では、1次側のコイルと2次側のコイル間のエアギャップの磁路に、共振回路を配設して励磁無効電力を供給する。そして、エアギャップ拡大に伴う励磁無効電力の増大について、前述したこの種従来例のように、1次側や2次側のコイルその他の高電圧化によらず、共振回路を高電圧化することにより、対応する。
前述したこの種従来例のように、1次側や2次側のコイルのみならず、ケーブルや電源を含む電気機器,使用部品等を、すべて高電圧化することを要することなく、本発明では、独立した共振回路のみの高電圧化により、エアギャップを拡大した際の励磁無効電力増大に対応する。
このように本発明では、エアギャップ拡大による給電を、1次側や2次側の全体的高電圧化を伴うことなく、独立した共振回路のみの部分的な高電圧化により、実現する。大エアギャップ下のもとでの大電力供給への道が開け、例えば、300mmを超えるエアギャップのもとで、数kWオーダーの電力供給が可能となる。
第2に、しかもこれは簡単容易に、高電圧化コスト,絶縁対策コストにも優れて実現される。
本発明の非接触給電装置では、共振回路により、前述した大ギャップ化と大電力供給が実現される。前述したこの種従来例のように、1次側や2次側をすべて高電圧化し、もってその絶縁対策等に関し、製造コスト,設置工事コスト,メンテナンスコスト等々、諸コスト高を招くようなことはない。本発明では、簡単な構成で独立した共振回路のみについて、高電圧化対策,絶縁対策を講じれば良く、従来例に比しコストが大幅削減される。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
《非接触給電装置Aについて》
まず、図6の(2)図および図7を参照して、非接触給電装置Aについて、一般的に説明する。
非接触給電装置Aは、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、1次側1から2次側2に、エアギャップgを存して非接触で近接対応位置しつつ、電力を供給する。1次側1は、地面3等に定置されており、2次側2は、電動車輌4等の移動体に搭載されている。
これに対し、2次側2つまり受電側,ピックアップ側は、電気自動車や電車等の電動車輌4,その他の移動体に搭載されている。移動体としては、各種交通システム,カートシステム,遊戯施設,工場の搬送システム等も考えられる。2次側2は、これらの駆動用の他、非駆動用としても利用可能である。又、車載バッテリー6に接続されるのが代表的であるが、直接各種負荷に接続されることも考えられる。
そして、1次側1のコイル7と、2次側2のコイル8とは、給電に際し、例えば50〜150mm程度の僅かな間隙空間であるエアギャップgを存しつつ、非接触で近接対応位置される。給電に際しては、2次側2のコイル8が、図示のように1次側1のコイル7上で停止される停止給電方式が代表的であるが、1次側1のコイル7上を低速走行する移動給電方式も可能である。停止給電方式の場合、1次側1のコイル7と2次側2のコイル8とは、上下等で対をなす対称構造よりなる。
又、図示例では、2次側2のコイル8は、車載バッテリー6に接続されており、給電により充電されたバッテリー6にて、走行用モータ9が駆動される。図中10は、交流を直流に変換するコンバータ、11は、直流を交流に変換するインバータである。
非接触給電装置Aは、一般的にはこのようになっている。
次に、図6の(1)図を参照して、電磁誘導の相互誘導作用等について、一般的に説明しておく。
非接触給電装置Aにおいて、電磁誘導の相互誘導作用に基づき電力を供給することは、公知公用である。すなわち給電に際し、近接対応位置する1次側1のコイル7と、2次側2のコイル8との間で、コイル7での磁束形成により、コイル8に誘導起電力を生成させ、もってコイル7からコイル8へと電力を供給することは、公知公用である。
すなわち、まず1次側1のコイル7に対し2次側2のコイル8が、エアギャップgを介して近接対応位置し、1次側1のコイル7に、交流を励磁電流として通電することにより、磁界がコイル7導線の周囲に生じ、磁束がコイル7面に対して直角方向に形成される。
この1次側1のコイル7で形成された磁束が、2次側2のコイル8を貫き鎖交することにより、2次側2のコイル8に誘導起電力が生成され、もって磁場が形成され、磁界を利用して電力が送受される。コイル7側の磁束の磁気回路と、コイル8側の磁束の磁気回路とは、相互間にも磁束の磁気回路つまり磁路が形成されて、電磁結合される。
非接触給電装置Aでは、このような電磁誘導の相互誘導作用に基づき、給電が実施される。
次に、図4の(1)図、更には図5〜図7等を参照して、非接触給電装置Aの1次側1および2次側2の基本構成について、従来技術に基づき一般的に説明する。
まず、図4の(1)図の基本回路に示したように、1次側1のコイル7は、電源13に接続されている。電源13としては、数kHz〜60kHz程度、例えば20kHz〜30kHzの高周波インバータが使用される。
そして従来技術では、電源回路12について、コイル7と並列キャパシタ14にて、ループBの共振回路が設けられており、このループBの共振回路にて、エアギャップgの磁路に対し、励磁有効電力と共に励磁無効電力が供給されていた。
なお、図4の(1)図中に示した電源回路12において、15は、給電交流の高調波成分制限用のインダクタ、16,17は、直列1次共振回路を形成するキャパシタとインダクタ、18は回路抵抗、19はコイル7のコイル抵抗を示す。
コイル7の磁心コア20としては、フェライトコア等の強磁性体を用いられ、コイル7,8間のインダクタンスを増し電磁結合を強化すると共に、形成される磁束を誘導,収集,方向付けする。そして磁心コア20は、通常は図5に示したようにコイル7より大きな面積よりなり、フラットな平板状そして環状,略フランジ状をなし、コイル7と同心に配置されている。
なお図5中、21はモールド樹脂、22は発泡材、23はベースプレートである。モールド樹脂21は、コイル7や磁心コア20の位置決め固定用等として、発泡材22は、軽量化用等として用いられている。
そして図4の(1)図に示したように、この従来技術では、負荷側回路24にも、コイル8と並列キャパシタ26にてループCの共振回路が設けられており、このループCの共振回路によっても、前述した1次側1と同様、エアギャップgの磁路に対し励磁無効電力が供給されるようになっていた。なお、図4の(1)図の負荷側回路24において、27は負荷抵抗、28はコイル8のコイル抵抗を示す。
1次側1や2次側2は、このようになっている。
以下、図1〜図3を参照して、本発明について説明する。まず、本発明の概要について述べる。
この非接触給電装置Aは、上述したように、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、1次側1のコイル7から2次側2のコイル8に、エアギャップgを存し非接触で近接対応位置しつつ、電力を供給する。
ところで非接触給電装置Aは、エアギャップg拡大ニーズと大電力供給ニーズとに対応して、励磁無効電力を増大するため、600V規格を超える部分的高電圧化が採用されている。
そして、そのエアギャップgの磁路に、共振回路29を構成する共振コイルとして中継共振コイル30が、配設されている。共振回路29は、1次側1の電源回路12や2次側2の負荷側回路24から独立しており、中継共振コイル30は、エアギャップgの磁路に対し励磁無効電力を供給する。そして、単独で高電圧化され、絶縁対策される。
すなわち、このように励磁無効電力を供給する共振回路29は、600V規格の制約から外され、定格が大きい高電圧用よりなり、単独で高電圧化されることにより、上述した励磁無効電力増大のための部分的高電圧化機能を発揮すると共に、絶縁対策が講じられている。
これに対し、1次側1の電源回路12および2次側2の負荷側回路24は、ケーブルや電源13を含む電気機器使用部品が、すべて高電圧化されることなく600V規格の制約下の低電圧用よりなり、絶縁対策が講じられていない。
このような本発明について、更に詳述する。まず前述したように、図4の(1)図に示した非接触給電装置Aの基本回路として、従来技術では、1次側1のコイル7とキャパシタ14とからなるループBの共振回路にて、エアギャップgの磁路に励磁無効電力が供給されていた。又、2次側2のコイル8とキャパシタ26とからなるループCの共振回路からも、エアギャップgの磁路に励磁無効電力が供給されていた。
図3の(1)図,(2)図は、このような従来技術を磁気回路を用いて説明したものであり、(2)図が、前述した図4の(1)図の例に対応する。
すなわち、非接触給電装置Aの1次側1のコイル7と2次側2のコイル8間について、磁束φの磁路を形成させるべく励磁電流が通電されるが、この励磁電流と、磁束φによって発生する逆起電力の積が、励磁無効電力でもある。そして、この励磁無効電力は、コイル電圧×コイル電流で表わされるが、図3の(1)図の従来技術では、キャパシタ14がコイル7と共振することによって、コイル7から供給され、図3の(2)図では、これに加え、更にキャパシタ26がコイル8と共振することによっても、コイル8からも供給されている。従がって、他の条件が同一であれば、図3の(2)図の方が図3の(1)図よりも励磁無効電力が大となり、エアギャップgの拡大及び2次側2への大電力供給が可能となる。
励磁無効電力は、このように、いわゆるLC共振によって2次側2からも供給可能である。
すなわち、1次側1の電源回路12や2次側2の負荷側回路24に接続されず完全に独立した共振回路29を設けて、中継共振コイル30とキャパシタ31とを配設する。そして、この共振用の中継共振コイル30を、1次側1のコイル7と2次側2のコイル8間に形成されるエアギャップgの磁路に置くと、この第三のコイルである中継共振コイル30から、励磁無効電力が供給される。このような共振回路29のコイル設置のもとに、電力伝送が可能となり非接触給電も可能となる。
例えば、1次側1のコイル7と共振回路29の中継共振コイル30とについて、両者の磁気回路間の電磁結合の度合つまり結合係数が1で、両者のコイル巻き径や巻き数も同じであるとすると、図3の(3)図の磁気回路の2次側2のコイル8から見た電気特性は、図3の(1)図の磁気回路の2次側2のコイル8から見たものと全く同一となる。つまり、両回路は2次側2のコイル8から見て等価である。しかし、この共振回路29のみを規格にある600Vの制約から外すことで、その制約を受ける図3の(2)図以上に励磁無効電力を大きくすることができる。
又、この非接触給電装置Aは、前述したように、2次側2のコイル8が、給電に際し、共振回路29の中継共振コイル30を介しつつ、1次側1のコイル7上で停止される停止給電方式よりなる。
本発明は、このようになっている。
次に、図1,図2を参照して、本発明の各例について説明する。まず、図1の(1)図に示した第1例では、共振回路29の中継共振コイル30は、1次側1のコイル7側に配設されている。
すなわち、この第1例の非接触給電装置Aにおいて、中継共振コイル30等の共振回路29は、1次側1の給電スタンド5(図7を参照)側,つまり地面3側に配設されており、代表例と言える。2次側2の電動車輌4側つまり受電側に、各々個別に配設するのではなく、1次側1の給電側に集中配設する例が、この非接触給電装置Aでは代表的と言える。
又、図1の(2)図に示した第2例のように、1次側1と2次側2との双方に、それぞれ共振回路29そして中継共振コイル30を配設して、運用することも考えられる。すなわち、この第2例の非接触給電装置Aでは、共振回路29が2回路配設されており、一方の共振回路29の中継共振コイル30は、1次側1のコイル7側に配設され、他方の共振回路29の中継共振コイル30は、2次側2のコイル8側に配設される。
この第3例においては、まず共振回路29は、基本的には1次側1つまり給電スタンド5等側に設けられており、給電に際し中継共振コイル30が、1次側1のコイル7とその上に停止された2次側2のコイル8との間に、挿入されて使用に供される。つまり、適宜必要に応じて、中継共振コイル30を使用に供することが可能となると共に、特に、2次側2の電動車輌4等の地上高に応じ必要な場合のみ、使用に供することが考えられる。
すなわち前述したように、この非接触給電装置Aでは、コイル7,コイル8,中継共振コイル30等は、いずれも環状に巻回されたフラット構造よりなるが、この第4例では、中継共振コイル30の環状の巻き径が、1次側1,2次側2のコイル7,8より大きく設定されている。
なお、このような第4例によらず、中継共振コイル30の巻き径を、1次側1のコイル7か、又は2次側2のコイル8のいずれか一方に対してのみ、大きく設定するようにすることも可能である。
いずれにしても、この第4例等の非接触給電装置Aでは、このように中継共振コイル30の巻き径を大きく設定したことにより、1次側1のコイル7又は/及び2次側2のコイル8に対し、エアギャップgの磁束φの磁路が、横方向つまりX,Y方向に向け、より広く設定されるようになる。
本発明の各例については、以上のとおり。
本発明の非接触給電装置Aは、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)非接触給電装置Aでは、給電に際し、電動車輌4等の移動体に搭載された受電側,2次側2が、地面3,路面,床面等に定置された給電スタンド5等の給電側,1次側1に対し、エアギャップgを存し非接触で近接対応位置せしめられる。そして図示例は、停止給電方式よりなる。
もって、2次側2のコイル8が、1次側1のコイル7上にて停止位置決め等される(図6の(2)図,図7を参照)。
すなわち、1次側1,電源回路12側のコイル7と、2次側2,負荷側回路24側のコイル8との間のエアギャップgについて、形成される磁束φの磁路に、他の回路から独立した共振回路29の中継共振コイル30が、第三のコイルとして配設されている。
従って、エアギャップg拡大に伴う励磁無効電力の増大については、この共振回路29のみの高電圧化により、対応するようになっている。
中継共振コイル30とキャパシタ31の簡単な構成よりなると共に、他の回路から独立した共振回路29のみを、高電圧化することにより、大きなエアギャップgのもとでも、1次側1から2次側2への大電力供給が可能となる。つまり大電力供給のもとでも、大エアギャップ化が可能となる。
本発明の作用等は、このようになっている。
なお、共振回路29の中継共振コイル30は、図示例ではフラット構造よりなるので、同じくフラット構造の1次側1や2次側2のコイル7,8間に、簡単容易に組み合わせて配設可能である。中継共振コイル30等の共振回路29を、1次側1に配設したり、2次側2に配設したり、1次側1や2次側2に共に配設したり、両者の中間付近にて出し入れ自在に配設する等々、配設ニーズに自在に対応可能である(図1,図2を参照)。
もって、1次側1のコイル7と2次側2のコイル8間について、X,Y方向への相対的横ズレ許容範囲が、より広くなる。コイル7とコイル8とが、少々前後,左右に距離寸法的にズレて対応位置しても、巻き径が大きい中継共振コイル30が介在することにより、確実な給電が実現可能となる。
まず、前提となる各構成条件については、次のとおり。
・電源13(インバータ):電流35A,電圧200V,周波数71.7kHz
・1次側1のコイル7:巻き径1m,3ターン
・同コイル7のインダクタンス:20.25μH
・2次側2のコイル8:巻き径1m,3ターン
・同コイル8のインダクタンス:20.25μH
・共振回路29の中継共振コイル30:巻き径1m,6ターン
・中継共振コイル30のインダクタンス:81μH
・コイル7と中継共振コイル30間の結合係数:0.3
・コイル7とコイル8間の結合係数:0.2
・コイル7とコイル8間のエアギャップg:300mm
・その他については、次のとおり。インダクタ15:19μH, キャパシタ16:4μF, インダクタ17:2.6μH, 電源回路12の回路抵抗18:10mΩ, コイル7のコイル抵抗19:10mΩ, コイル8のコイル抵抗28:10mΩ, 中継共振コイル30のコイル抵抗33:10mΩ, キャパシタ31:65nF, 負荷抵抗27:9Ω
・出力:6kW
・負荷電圧:200V
・1次側1のコイル7の電圧:280V
・中継共振コイル30の電流:110A
・中継共振コイル30の電圧:3.6kV
以上により、共振回路29の中継共振コイル30の発生する励磁無効電力は、3.6kV×110A=396kVAとなる。
そして、この励磁無効電力が、300mmのエアギャップgの磁路に対して供給されることにより、200V,6kWの出力が得られた。すなわち、2次側2の負荷側回路24の負荷抵抗27に発生する有効電力は、6kWとなった。
このように、本発明の非接触給電装置Aでは、300mmのエアギャップgで数kWオーダーの電力供給に成功した訳であるが、この種の装置において、これ迄このような電力供給が行われた例は、報告されていない。
実施例については、以上のとおり。
2 2次側
3 地面
4 電動車輌
5 給電スタンド
6 バッテリー
7 コイル
8 コイル
9 モータ
10 コンバータ
11 インバータ
12 電源回路
13 電源
14 キャパシタ
15 インダクタ
16 キャパシタ
17 インダクタ
18 回路抵抗
19 コイル抵抗
20 磁心コア
21 モールド樹脂
22 発泡材
23 ベースプレート
24 負荷側回路
25 磁心コア
26 キャパシタ
27 負荷抵抗
28 コイル抵抗
29 共振回路
30 中継共振コイル(共振コイル)
31 キャパシタ
32 モールド樹脂
33 コイル抵抗
A 非接触給電装置
B ループ
C ループ
g エアギャップ
φ 磁束
Claims (1)
- 電磁誘導の相互誘導作用に基づき、1次側のコイルから2次側のコイルに、エアギャップを存し非接触で近接対応位置しつつ電力を供給する、非接触給電装置において、
該非接触給電装置は、該エアギャップ拡大ニーズと大電力供給ニーズとに対応して、励磁無効電力を増大するため、600V規格を超える高電圧化が部分的に採用されており、
該エアギャップの磁路に、共振回路を構成する共振コイルが配設され、該共振回路は、該1次側の電源回路や該2次側の負荷側回路から独立しており、該共振コイルは、該エアギャップの磁路に対し励磁無効電力を供給し、
かつ、このように励磁無効電力を供給する該共振回路は、600V規格の制約から外され定格が大きい高電圧用よりなり、単独で高電圧化されることにより、上述した励磁無効電力増大のための部分的高電圧化機能を発揮すると共に、絶縁対策が講じられており、
これに対し、該1次側の電源回路および該2次側の負荷側回路は、その電気機器,使用部品が、すべて高電圧化されることなく、600V規格の制約下の低電圧用よりなると共に、絶縁対策が講じられていないこと、を特徴とする非接触給電装置。
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