JPH1187908A - はんだ付けの後処理方法、及びプリント基板 - Google Patents

はんだ付けの後処理方法、及びプリント基板

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JPH1187908A
JPH1187908A JP24500797A JP24500797A JPH1187908A JP H1187908 A JPH1187908 A JP H1187908A JP 24500797 A JP24500797 A JP 24500797A JP 24500797 A JP24500797 A JP 24500797A JP H1187908 A JPH1187908 A JP H1187908A
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JP
Japan
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solder
chain
compound
formula
perfluoroalkyl
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Application number
JP24500797A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Sasaki
佐々木  洋
Saburo Shoji
三良 庄司
Kenichi Kawashima
憲一 川島
Yutaka Ito
伊藤  豊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
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Publication of JPH1187908A publication Critical patent/JPH1187908A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/34Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by soldering
    • H05K3/3457Solder materials or compositions; Methods of application thereof
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
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    • H05K3/34Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by soldering
    • H05K3/3489Composition of fluxes; Methods of application thereof; Other methods of activating the contact surfaces

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  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プリント基板等のはんだの腐食を抑える簡便な
方法を提供することにより、湿度による腐食の発生しに
くいプリント基板を提供すること。 【解決手段】該はんだを溶融し、搭載素子を基板に固着
後、該はんだの表面に式(1)、或いは式(2)で示さ
れる含フッ素化合物を塗布することを特徴とするはんだ
付けの後処理方法。 【化21】 (Rfはパーフルオロポリオキシアルキル鎖,パーフル
オロポリオキシアルキレン鎖,パーフルオロアルキル
鎖、或いはパーフルオロアルキレン鎖。Rf′はパーフ
ルオロポリオキシアルキル鎖、或いはパーフルオロアル
キル鎖。−X−はRfとSiとの接続部分。−Y−はR
f′とSiとの接続部分。−Rは−OCH3,−OC25
−CH3、或いは−C25であり、−SiR3の−Rのう
ち最低1つは−OCH3、或いは−OC25。nは1、
或いは2。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大型コンピュータ
ー,パソコン,ワークステーション,ワードプロセッ
サ、及びその周辺機器であるレーザープリンタ,光磁気
ディスクの記録・再生装置,CD−ROMの再生装置,
その他車載の各種制御機器,船舶や航空機搭載の各種機
器等の物品に用いられる半導体実装用プリント基板、そ
れを用いた物品、及びその半導体実装用プリント基板作
製の際用いるはんだ付けの後処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体実装用等のプリント基板の端子同
士の接合や端子と金属線の接合等の、いわゆる金属同士
の接合においてはんだはその接合材として多方面で用い
られている。はんだの構成材料としてはSn,Pbのも
のが多く用いられている。Sn:Pb=62〜63:3
7〜38のはんだは融点が約183〜185℃と低融点
であるためプリント基板への素子の溶接等に幅広く用い
られている。また熱に弱い素子の接合や、はんだゴテが
使えないような入り組んだ部分への接合の際にその周辺
を加熱することではんだを溶融したい場合は用いるはん
だが更に低融点であることが望まれる。そこで低融点化
を図るためBi,In,Cd等の金属を添加したものも
ある。例えばSn:Pb:Bi=25:25:50のは
んだは融点が約97℃、Sn:In=48:52のはん
だは融点が約117℃、Sn:Pb:Cd=50:3
2:18のはんだは融点が約145℃というように融点
を下げることが可能になる。ただコンピューターの装置
の内部等は使用中には80℃程度まで温度が上昇するこ
とがある。そのため融点はマージンも考え、現状で90
℃以上は必要である。
【0003】また接合したはんだは空気中の水分等で腐
食することがある。腐食は主にその金属が酸化物や水酸
化物等に変わることである。大型のコンピューター等は
空調の完備しているところに置かれているが、自動車の
制御部分は自動車の室内やエンジン近傍であるため温度
・湿度の変化の激しい環境にさらされる。また工事現場
の掘削機器等の装置の制御に使われるコンピューターも
事務室等の室内に比べて温度・湿度の変化の激しい環境
にさらされる。そのためこうした環境では腐食はより進
みやすい。更に火山,温泉,焼却炉の近くでは空気中の
SOxの濃度が高く、交通量の多い道路の近くでは空気
中のNOxの濃度が高い。こうした環境でも腐食は進み
やすい。はんだ材料としては特にPbやIn等では腐食
が進みやすい。腐食が進むと導電性が低下したり接合部
分が剥がれやすくなる等の問題がある。更にPbの場
合、別の問題も発生する。Pbは水分と接することによ
って酸化鉛(PbO)に変化する。その際PbOの結晶
は木の枝のように成長する。そのためはんだ接合部分の
近傍にその接合部分と接続しない端子がある場合、その
端子にPbOの結晶が接触し、その間を電流が流れるこ
とによって、短絡や場合によっては関係する回路の破損
につながるといった問題に発展する可能性がある。これ
を防止する手段の一つとして用いるはんだをPbに比べ
てイオン化傾向が小さいSnの添加量の多いものにする
方法が採られている。ただSnの添加量を多くするとは
んだの融点や接合強度が変わってくる。またSnだけで
は十分な防食効果が得られない場合もある。その場合は
Cdを添加する方法が採られる。また最近でははんだ母
材中に撥水性を有する四フッ化エチレン等を混ぜること
によってはんだへの水滴の付着を防止し耐食性の向上を
図った例(特開平8− 10981 号)がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしCdは水質汚染
物質として有名であるばかりでなく強い発ガン性を有し
ている。そのためCdを添加したはんだを用いたプリン
ト基板、或いはその基板を用いた装置を廃棄した場合、
廃棄場所周辺の環境汚染につながることが懸念される。
【0005】また撥水性を上げるため四フッ化エチレ
ン、或いはパーフルオロアルキル鎖を有する化合物等の
フッ素系の材料を添加すると、その添加量が多い場合は
接合部でのはんだの付着性が下がり、はんだの接合性が
下がる恐れがある。またはんだを溶融する際にはんだコ
テを用いる場合、コテのはんだを溶融する部分の表面温
度ははんだの融点より50℃以上高くないとはんだ付け
の際の操作性が悪い。この時コテによる加熱によって添
加したフッ素系の材料のCF結合が切れ、HF等の有害
性の高い物質が発生する恐れがある。HFは強酸である
ためはんだの腐食を誘発ばかりでなくそのはんだの近傍
の素子等の劣化を引き起こす可能性もある。またはんだ
を加熱炉等で溶融する場合、その炉の内部が傷む恐れも
ある。
【0006】更にコンピュ−タ−等に搭載される半導体
実装基板ははんだ付けの個所が極めて多く、しかも1台
の装置で搭載される枚数も多い。そのため簡便,敏速、
且つ確実に必要個所が防食処理される必要がある。
【0007】本発明の目的は上記手段に代わる新規のは
んだの防食方法を提供することにある。更にこの防食方
法を用いた耐水性の高いプリント基板、及びその基板を
用いた耐水性の高い物品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、以下の手段で上記問
題が解決することを見出し、本発明に至ったものであ
る。
【0009】(1)少なくとも金属成分としてSn,P
b,Bi,Inから選ばれる金属を1種類以上含有する
ことを特徴とするはんだ材料を用いて行うはんだ付けの
後処理方法において、該はんだを溶融し、素子に固着
後、該はんだの表面に式(1)で示される含フッ素化合
物を塗布することを特徴とするはんだ付けの後処理方
法。
【0010】
【化7】 Rf(CO2H)n …(化7) (Rfはパーフルオロポリオキシアルキル鎖,パーフル
オロポリオキシアルキレン鎖,パーフルオロアルキル
鎖、或いはパーフルオロアルキレン鎖。nは1、或いは
2。) (2)少なくとも金属成分としてSn,Pb,Bi,I
nから選ばれる金属を1種類以上含有することを特徴と
するはんだ材料を用いて行うはんだ付けの後処理方法に
おいて、該はんだを溶融し、素子に固着後、該はんだの
表面に式(2)で示される含フッ素化合物を塗布するこ
とを特徴とするはんだ付けの後処理方法。
【0011】
【化8】
【0012】(Rfはパーフルオロポリオキシアルキル
鎖,パーフルオロポリオキシアルキレン鎖,パーフルオ
ロアルキル鎖、或いはパーフルオロアルキレン鎖。R
f′はパーフルオロポリオキシアルキル鎖、或いはパー
フルオロアルキル鎖。−X−はRfとSiとの接続部
分。−Y−はRf′とSiとの接続部分。−Rは−OC
H3,−OC25,−CH3、或いは−C25であり、−
SiR3の−Rのうち最低1つは−OCH3、或いは−O
25。nは1、或いは2。) (3)少なくとも製造の1工程に金属成分としてSn,
Pb,Bi,Inから選ばれる金属を1種類以上含有す
るはんだ材料を用いて製造されることを特徴とする半導
体実装用プリント基板において、その製造工程で該はん
だを溶融し、素子に固着後、該はんだの表面に式(1)
で示される含フッ素化合物を塗布する工程を含むことを
特徴とする半導体実装用プリント基板。
【0013】
【化9】 Rf(CO2H)n …(化9) (Rfはパーフルオロポリオキシアルキル鎖,パーフル
オロポリオキシアルキレン鎖,パーフルオロアルキル
鎖、或いはパーフルオロアルキレン鎖。nは1、或いは
2。) (4)少なくとも製造の1工程に金属成分としてSn,
Pb,Bi,Inから選ばれる金属を1種類以上含有す
るはんだ材料を用いて製造されることを特徴とする半導
体実装用プリント基板において、その製造工程で該はん
だを溶融し、素子に固着後、該はんだの表面に式(2)
で示される含フッ素化合物を塗布する工程を含むことを
特徴とする半導体実装用プリント基板。
【0014】
【化10】
【0015】(Rfはパーフルオロポリオキシアルキル
鎖,パーフルオロポリオキシアルキレン鎖,パーフルオ
ロアルキル鎖、或いはパーフルオロアルキレン鎖。R
f′はパーフルオロポリオキシアルキル鎖、或いはパー
フルオロアルキル鎖。−X−はRfとSiとの接続部
分。−Y−はRf′とSiとの接続部分。−Rは−OC
H3,−OC25,−CH3、或いは−C25であり、−
SiR3の−Rのうち最低1つは−OCH3、或いは−O
25。nは1、或いは2。) (5)少なくとも製造の1工程に金属成分としてSn,
Pb,Bi,Inから選ばれる金属を1種類以上含有す
るはんだ材料を用いて作製される半導体実装用プリント
基板を用いて製造される物品において、その製造工程で
該はんだを溶融し、素子に固着後、該はんだの表面に式
(1)で示される含フッ素化合物を塗布する工程を含ん
だ半導体実装用プリント基板が組み込まれていることを
特徴とする物品。
【0016】
【化11】 Rf(CO2H)n …(化11) (Rfはパーフルオロポリオキシアルキル鎖,パーフル
オロポリオキシアルキレン鎖,パーフルオロアルキル
鎖、或いはパーフルオロアルキレン鎖。nは1、或いは
2。) (6)少なくとも製造の1工程に金属成分としてSn,
Pb,Bi,Inから選ばれる金属を1種類以上含有す
るはんだ材料を用いて作製される半導体実装用プリント
基板を用いて製造される物品において、その製造工程で
該はんだを溶融し、素子に固着後、該はんだの表面に式
(2)で示される含フッ素化合物を塗布する工程を含ん
だ半導体実装用プリント基板が組み込まれていることを
特徴とする物品。
【0017】
【化12】
【0018】(Rfはパーフルオロポリオキシアルキル
鎖,パーフルオロポリオキシアルキレン鎖,パーフルオ
ロアルキル鎖、或いはパーフルオロアルキレン鎖。R
f′はパーフルオロポリオキシアルキル鎖、或いはパー
フルオロアルキル鎖。−X−はRfとSiとの接続部
分。−Y−はRf′とSiとの接続部分。−Rは−OC
H3,−OC25,−CH3、或いは−C25であり、−
SiR3の−Rのうち最低1つは−OCH3、或いは−O
25。nは1、或いは2。) 本発明の特徴の1つ目は、はんだを溶融固着させた後末
端がカルボキシル基の含フッ素化合物((1)式に示す
化合物)を塗布する操作を加える点である。
【0019】
【化13】 Rf(CO2H)n …(化13) またこの操作により変化したはんだの模式図を図1に示
す。
【0020】図1の1のはんだにおいて、その構成金属
と塗布した含フッ素化合物の末端のカルボキシル基がは
んだ表面で反応し2のカルボン酸塩を形成する。この塩
は水との親和性が低く、またはんだの表面を覆うように
形成されるので空気中の水分の浸透が妨げられ、腐食の
進行が抑えられる。
【0021】(1)式のRfはパーフルオロポリオキシ
アルキル鎖,パーフルオロポリオキシアルキレン鎖,パ
ーフルオロアルキル鎖、或いはパーフルオロアルキレン
鎖である。このうちパーフルオロポリオキシアルキル鎖
とパーフルオロアルキル鎖の化合物は一方の末端がカル
ボキシル基、もう一方の末端がFである。またnは1で
ある。パーフルオロポリオキシアルキレン鎖とパーフル
オロアルキレン鎖の化合物は両末端がカルボキシル基で
ある。またnは2である。
【0022】一方の末端がカルボキシル基、もう一方の
末端がFであるパーフルオロポリオキシアルキル鎖を有
する化合物、即ちパーフルオロポリオキシアルキルカル
ボン酸としてはDu Pont社製のKrytox157FS−L,Krytox1
57FS−M、或いはKrytox157FS−H(繰り返し単位は−
(CF(CF3)CF2O)α−)、ダイキン工業社製DEMNU
MSH(繰り返し単位は−(CF2CF2CF2O)α−)等
が挙げられる。両末端がカルボキシル基であるパーフル
オロポリオキシアルキレン鎖を有する化合物、即ちパー
フルオロポリオキシアルキレンジカルボン酸としてはア
ウジモント社製のFomblin Z-DIAC(繰り返し単位は−
(CF2CF2O)α−(CF2O)β−)が挙げられる。これ
らの平均分子量は1500前後から15000程度まで
のものがある。
【0023】一方の末端がカルボキシル基、もう一方の
末端がFであるパーフルオロアルキル鎖を有する化合
物、即ちパーフルオロアルキルカルボン酸としては具体
的にはトリフルオロ酢酸,パーフルオロプロピオン酸,
パーフルオロ酪酸,パーフルオロ吉草酸,パーフルオロ
ヘキサン酸,パーフルオロヘプタン酸,パーフルオロオ
クタン酸,パーフルオロノナン酸,パーフルオロデカン
酸,パーフルオロドデカン酸,パーフルオロテトラデカ
ン酸,パーフルオロヘキサデカン酸,パーフルオロオク
タデカン酸等が挙げられる。両末端がカルボキシル基で
あるパーフルオロアルキレン鎖を有する化合物、即ちパ
ーフルオロアルキレンジカルボン酸としては具体的には
テトラフルオロコハク酸,ヘキサフルオログルタル酸,
オクタフルオロアジピン酸,パーフルオロスベリン酸,
パーフルオロアゼライン酸等が挙げられる。
【0024】撥水性を高めるには分子中のフッ素原子の
割合が多い方が良い傾向がある。繰り返し単位が同じ場
合は分子量が大きいほど分子中のフッ素原子の割合が多
くなる。またはんだの接合部付近は回路から発生する熱
によってある程度加熱される。そのため長期使用の際は
含フッ素化合物が揮発する恐れがある。揮発を防ぐには
用いる含フッ素化合物は分子量の大きなものの方が望ま
しい。なお加熱の程度はその装置,回路系によって異な
る。そのため必要な分子量は用いる装置,回路系によっ
て異なる。
【0025】次に本発明の特徴の2つ目は、はんだを溶
融固着させた後末端がSiR3(Rのうち少なくとも1つ
はOCH3かOC25、残りはCH3,C25、或いはO
H)の含フッ素化合物((2)式に示す化合物)を塗布
する操作を加える点である。
【0026】
【化14】
【0027】またこの操作によりはんだ表面で起こる反
応を図2〜図5を用いて説明する。はんだに含有してい
る金属表面の一部は水と反応して水酸基を生じる。図2
にその模式図を示す。この水酸基と塗布した含フッ素化
合物の末端のSiR3 基がはんだ表面で反応しはんだ表
面に共有結合で結合する。図3〜図5にその模式図を示
す。この含フッ素化合物は水との親和性が低く、または
んだ表面を覆うように結合しているので空気中の水分の
浸透が妨げられ、腐食の進行が抑えられる。なおSiR
3 基と水酸基との反応は常温でも進行する。しかしその
反応を敏速に、且つ確実に進行させるためには(2)式
の化合物を塗布後加熱を行うことが望ましい。そのため
上記加熱操作を行う場合はその加熱温度で溶解しないは
んだを用いる必要がある。加熱温度、及び加熱時間はそ
れぞれ約120℃,10分間程度が必要であるが、これ
より低温でも十分な加熱時間があれば同様の効果が得ら
れる。
【0028】(2)式のRfは(1)式のRfと同じ範
疇の構造である。即ちパーフルオロポリオキシアルキル
鎖,パーフルオロポリオキシアルキレン鎖,パーフルオ
ロアルキル鎖、或いはパーフルオロアルキレン鎖であ
る。
【0029】−X−としては−CONH(CH2)3−,
−CONH(CH2)2NH(CH2)3−,−CON(CH2
CH2NH2)(CH2)3−,−CH2O(CH2)3−,−(CH2)2O(C
H2)3−,−CH2S(CH2)3−,−(CH2)2S(C
2)3−,−(CH22−、或いは−O−(CH23
等が挙げられる。
【0030】(2)式のRf′は(1)式のRfのうち
の片末端がFのものと同じ範疇の構造である。即ちパー
フルオロポリオキシアルキル鎖、或いはパーフルオロア
ルキル鎖である。
【0031】>Y−としては−CON(CH2CH2NH
CO−)(CH23−(なおCH2)3−にSiR3が結合す
る)等が挙げられる。
【0032】−X−が−CONH(CH23−の化合物
はパーフルオロポリオキシアルキルカルボン酸,パーフ
ルオロアルキルカルボン酸,パーフルオロポリオキシア
ルキレンジカルボン酸、或いはパーフルオロアルキレン
ジカルボン酸と、構造がH2N(CH23SiR3のシラ
ンカップリング剤をアミド結合で結合させることによっ
て得られる。
【0033】−X−が−CONH(CH22NH(C
2)3−か−CON(CH2CH2NH2)(CH2)3−、或いは>Y−が
−CON(CH2CH2NH−)(CH23−の化合物は
パーフルオロポリオキシアルキルカルボン酸かパーフル
オロアルキルカルボン酸と、構造がH2N(CH2)2HN
(CH2)3SiR3のシランカップリング剤をアミド結合
で結合させることによって得られる。このシランカップ
リング剤を用いた場合、結合部位が−X−や>Y−の混
合物として得られるが、パーフルオロポリオキシアルキ
ルカルボン酸かパーフルオロアルキルカルボン酸の量が
モル数でシランカップリング剤の2倍量より多くなると
生成物のほとんどが結合部位が>Y−の形の化合物とな
る。
【0034】上記アミド結合を形成させる際はカルボキ
シル基を塩化チオニルやオキサリルクロリドでカルボン
酸クロライドに変換後にシランカップリング剤と反応さ
せることによって、或いはジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(以後DCCと略記する)等の縮合剤を用いてアミド
結合を形成させる。なお上記パーフルオロポリオキシア
ルキルカルボン酸,パーフルオロアルキルカルボン酸,
パーフルオロポリオキシアルキレンジカルボン酸、及び
パーフルオロアルキレンジカルボン酸としては(1)式
に示すものが挙げられる。
【0035】−X−が−CH2O(CH2)3−、或いは−
(CH2)2O(CH2)3−の化合物は末端がCH2OH の
パーフルオロポリオキシアルキル鎖を有する化合物、末
端がCH2OHのパーフルオロアルキル鎖を有する化合
物、両末端がCH2OHのパーフルオロポリオキシアル
キレン鎖を有する化合物、或いは両末端がCH2OH の
パーフルオロアルキレン鎖を有する化合物と、構造がC
l(CH2)3SiR3のシランカップリング剤をエーテル
結合で結合させることによって得られる。
【0036】上記エーテル結合は末端がCH2OH のパ
ーフルオロポリオキシアルキル鎖を有する化合物、末端
が(CH2)2OHかCH2OHのパーフルオロアルキル鎖
を有する化合物、両末端がCH2OH のパーフルオロポ
リオキシアルキレン鎖を有する化合物、或いは両末端が
CH2OH のパーフルオロアルキレン鎖を有する化合物
の水酸基をナトリウムアルコラートやリチウムアルコラ
ート等に変換後、シランカップリング剤と反応させるこ
とによって形成させる方法が好ましい。縮合剤として塩
酸等の酸を用いるとパーフルオロポリオキシアルキル鎖
やパーフルオロポリオキシアルキレン鎖が切断し目的の
化合物を得られなくなる恐れがある。
【0037】上記末端がCH2OH のパーフルオロポリ
オキシアルキル鎖を有する化合物としてはダイキン工業
社製DEMNUM SA(繰り返し単位は−(CF2CF2CF2O)α−)
や、パーフルオロポリオキシアルキルカルボン酸である
Du Pont社製のKrytox157FS−L,Krytox157FS−M、或い
はKrytox157FS−H(繰り返し単位は−(CF(CF3)CF2O)α
−)のカルボキシル基をLiAlH4 等で水酸基に還元
した化合物等が挙げられる。その他ダイキン工業社製2
−パーフルオロプロポキシ−2,3,3,3−テトラフ
ルオロプロパノール等も挙げられる。両末端がCH2
H のパーフルオロポリオキシアルキレン鎖を有する化
合物としてはアウジモント社製のFomblin Z−DOL(繰り
返し単位は−(CF2CF2O)α−(CF2O)β−)が挙
げられる。これらの平均分子量は1500前後から15
000程度までのものがある。
【0038】上記末端が(CH2)2OHかCH2OHのパ
ーフルオロアルキル鎖を有する化合物としては2,2,
2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペ
ンタフルオロプロパノ−ル、1H,1H−ヘプタフルオ
ロブタノール、2−(パーフルオロブチル)エタノ−
ル、2−(パーフルオロヘキシル)エタノ−ル、2−
(パーフルオロオクチル)エタノ−ル、2−(パーフル
オロデシル)エタノ−ル、2−(パーフルオロ−3−メ
チルブチル)エタノ−ル、2−(パーフルオロ−5−メ
チルヘキシル)エタノ−ル、2−(パーフルオロ−7−
メチルオクチル)エタノ−ル、2−(パーフルオロ−9
−メチルデシル)エタノ−ル、2H−ヘキサフルオロ−
2−プロパノール等がある。
【0039】上記両末端がCH2OH のパーフルオロア
ルキレン鎖を有する化合物としてはパーフルオロアルキ
レンジカルボン酸であるテトラフルオロコハク酸,ヘキ
サフルオログルタル酸,オクタフルオロアジピン酸,パ
ーフルオロスベリン酸,パーフルオロアゼライン酸等の
カルボキシル基をLiAlH4 等で水酸基に還元した化
合物等が挙げられる。
【0040】−X−が−CH2S(CH2)3−、或いは−
(CH2)2S(CH2)3−の化合物は末端がCH2IかC
2Brのパーフルオロポリオキシアルキル鎖を有する
化合物、末端がCH2IかCH2Brのパーフルオロアル
キル鎖を有する化合物、両末端がCH2IかCH2Brの
パーフルオロポリオキシアルキレン鎖を有する化合物、
或いは両末端がCH2IかCH2Brのパーフルオロアル
キレン鎖を有する化合物と、構造がHS(CH2)3Si
3のシランカップリング剤をチオエーテル結合で結合
させることによって得られる。
【0041】上記チオエーテル結合は構造がHS(CH
2)3SiR3のシランカップリング剤のSH基をナトリウ
ムによってSNa基に、或いはリチウムによってSLi
基に変換後、末端がCH2IかCH2Brのパーフルオロ
ポリオキシアルキル鎖を有する化合物、末端がCH2
かCH2Brのパーフルオロアルキル鎖を有する化合
物、両末端がCH2IかCH2Brのパーフルオロポリオ
キシアルキレン鎖を有する化合物、或いは両末端がCH
2IかCH2Brのパーフルオロアルキレン鎖を有する化
合物と反応させることによって形成させることができ
る。
【0042】末端がCH2IかCH2Brのパーフルオロ
ポリオキシアルキル鎖を有する化合物,末端がCH2
かCH2Brのパーフルオロアルキル鎖を有する化合
物,両末端がCH2IかCH2Brのパーフルオロポリオ
キシアルキレン鎖を有する化合物、或いは両末端がCH
2IかCH2Brのパーフルオロアルキレン鎖を有する化
合物のCH2I基やCH2Br基は上記含フッ素鎖を有
し、末端がCH2OH の化合物のCH2OH基を塩化チ
オニルでCH2Clに変換後、ClをKIやNaBr等
でIやBrに変えることによって得られる。なお塩化チ
オニルの代わりに臭化チオニルを用いた場合、NaBr
等と反応させなくともCH2OH基はCH2Brに変換で
きる。ここで用いる末端がCH2IかCH2Brのパーフ
ルオロポリオキシアルキル鎖を有する化合物,末端がC
2IかCH2Brのパーフルオロアルキル鎖を有する化
合物,両末端がCH2IかCH2Brのパーフルオロポリ
オキシアルキレン鎖を有する化合物、或いは両末端がC
2IかCH2Brのパーフルオロアルキレン鎖を有する
化合物を合成する際の材料は上記エーテル結合を形成す
る際用いる末端がCH2OH のパーフルオロポリオキシ
アルキル鎖を有する化合物,末端が(CH2)2OHかC
2OHのパーフルオロアルキル鎖を有する化合物,両
末端がCH2OH のパーフルオロポリオキシアルキレン
鎖を有する化合物、或いは両末端がCH2OH のパーフ
ルオロアルキレン鎖を有する化合物等が挙げられる。
【0043】−X−が−(CH2)2−の化合物は(3,
3,3−トリフルオロプロピル)トリエトキシシラン、
1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエ
トキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ
デシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−
パーフルオロドデシルトリエトキシシラン等が挙げられ
る。
【0044】−X−が−O−(CH2)3−の化合物は3−
(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキ
シシラン等が挙げられる。
【0045】(1)、或いは(2)の化合物を塗布する
際はそれら化合物を溶解した溶液にはんだ付け後の基板
を浸し、引上げ,乾燥するディップ法を用いるのが簡便
である。塗布層を大きくすることで1度に処理する枚数
を多くでき、しかも基板全体を浸すことで防食の必要個
所をもらさず処理することができる。塗布溶液の溶剤は
揮発性の高いものを用いることで自然乾燥でも敏速に乾
燥することができるので処理速度は大幅に向上する。ま
たディップするための塗布層を設けられない場合ははん
だ付けした部分にはけ等を用いて(1)、或いは(2)
の化合物を塗布する方法も考えられる。これら塗布の際
用いる溶剤ははんだ付け後の基板を侵さないものであれ
ば特に制限を受けない。塗布後速やかに乾燥し、しかも
不燃性という点でパーフルオロアルカンを主成分とする
ものが好適である。具体的には3M社製のFC−72,
FC−75,FC−77等が挙げられる。
【0046】本発明のはんだの構成材料としてはSn,
Pbが挙げられる。この他融点を下げるためBi,I
n,Ga,Ag等が挙げられる。例えばSn:Pb:A
g=63:36:1のはんだは、Sn:Pb=62〜6
3:37〜38のもの(融点は約183℃)に比べて融
点が約5℃低下する。
【0047】本発明の式(1)の化合物ははんだの構成
金属とイオン性の結合を形成するので、化合物を塗布後
加熱等の処理の必要が無い簡便な方法である利点があ
る。式(2)の化合物ははんだと共有結合を形成し、この
結合は空気中のNOxやSOxの濃度が高い場所でも切
断しにくいという利点がある。
【0048】本発明のはんだの溶融方法ははんだコテに
よる加熱方法,基板全体を加熱炉に入れて加熱する方
法,IRランプによる加熱法,ベーパーリフロー法等が
挙げられる。
【0049】本発明のはんだを溶融させるための温度は
用いるはんだの融点より10〜50℃高い温度にするが
必要以上に高い温度にすると熱によって素子を破壊する
恐れがあるので注意を要する。
【0050】本発明のはんだの接合方法を採用したプリ
ント基板、及びそれを用いた種々の装置等物品の使用場
所としては一般の事務室,空調の整った部屋での使用は
もちろんのこと、湿度の高い環境,SOx,NOx等の
濃度の高い環境での使用が考えられる。このような環境
としては自動車の室内やエンジン近傍にある制御部位,
工事現場の掘削機器等の装置の制御に使われるコンピュ
ーター,火山,温泉,焼却炉,交通量の多い道路の近く
等が挙げられる。
【0051】
【発明の実施の形態】本発明を実施例により詳細に説明
する。
【0052】(実施例1)図6に示すようなプリント基
板の左右の端子同士を図7に示すようにはんだ(成分は
Sn:Pb=62:38)でつなぐ。
【0053】その後、住友3M社製メンディングテープ
を図8に示すようにはんだ付けしていない方の端子の上
に貼る。
【0054】次にDu Pont社製のKrytox157FS−L(平均分
子量は約2500)を3M社製の溶剤であるFC−72
に溶解する。なおKrytox157FS−Lの濃度は0.5wt%
である。この溶液に図8に示す基板を10分間浸す。基
板を引上げ、常温で1時間放置しFC−72を揮発させ
る。この基板を温度60℃・湿度90%の環境下に10
0時間放置する。その後基板からメンディングテープを
取り除く。
【0055】次にテスターで8の部分と11の部分の導
通を調べたところ、8の部分と11の部分の間では電流
は流れなかった。
【0056】また基板は図7の状態のままであり図9の
ように12と13のはんだが白色に変化したり、12と
13のはんだの間にはんだ由来の白色の析出物も見られ
なかった。
【0057】(比較例1)Krytox157FS−L溶液に浸さな
い以外は実施例1と同様に処理した基板の8の部分と1
1の部分の導通を調べたところ、8の部分と11の部分
の間で電流が流れた。
【0058】この基板は図9のように12と13のはん
だが白色に変化し、白色の固体18がはんだから析出し
た。12と13のはんだから析出した固体はお互い接触
し一緒になっていた。
【0059】よって実施例1の結果と合わせて考える
と、Krytox157FS−Lを塗布したことによりはんだの腐食
が抑えられることがわかった。
【0060】(実施例2)Krytox157FS−LのFC−72
溶液の代わりにダイキン工業社製DEMNUM SH(平均分子量
は約3500)の5wt%FC−72溶液を用いる以外
は実施例1と同様に処理した基板の8の部分と11の部
分の導通を調べたところ、8の部分と11の部分の間で
は電流は流れなかった。
【0061】また基板は図7の状態のままであり図9の
ように12と13のはんだの間に橋かけするような物質
の生成は見られなかった。
【0062】よって比較例1の結果と合わせて考える
と、DEMNUM SH を塗布したことによりはんだの腐食が抑
えられることがわかった。
【0063】(実施例3)Krytox157FS−LのFC−72
溶液の代わりにアウジモント社製Fomblin Z− DIAC
(平均分子量は約4000)の5wt%FC−72溶液
を用いる以外は実施例1と同様に処理した基板の8の部
分と11の部分の導通を調べたところ、8の部分と11
の部分の間では電流は流れなかった。
【0064】また基板は図7の状態のままであり図9の
ように12と13のはんだの間に橋かけするような物質
の生成は見られなかった。
【0065】よって比較例1の結果と合わせて考える
と、Fomblin Z−DIAC を塗布したことによりはんだの腐
食が抑えられることがわかった。
【0066】(実施例4)Krytox157FS−LのFC−72
溶液の代わりにダイキンファインケミカル研究所製パー
フルオロオクタデカン酸の5wt%FC−72溶液を用
いる以外は実施例1と同様に処理した基板の8の部分と
11の部分の導通を調べたところ、8の部分と11の部
分の間では電流は流れなかった。
【0067】また基板は図7の状態のままであり図9の
ように12と13のはんだの間に橋かけするような物質
の生成は見られなかった。
【0068】よって比較例1の結果と合わせて考える
と、パーフルオロオクタデカン酸を塗布したことにより
はんだの腐食が抑えられることがわかった。
【0069】(実施例5)Krytox157FS−LのFC−72
溶液の代わりにダイキンファインケミカル研究所製パー
フルオロオクタン酸の5wt%FC−72溶液を用いる
以外は実施例1と同様に処理した基板の8の部分と11
の部分の導通を調べたところ、8の部分と11の部分の
間では電流は流れなかった。
【0070】また基板は図7の状態のままであり図9の
ように12と13のはんだの間に橋かけするような物質
の生成は見られなかった。
【0071】よって比較例1の結果と合わせて考える
と、パーフルオロオクタン酸を塗布したことによりはん
だの腐食が抑えられることがわかった。
【0072】(実施例6)始めに(2)式の化合物の中
でRfがパーフルオロポリオキシアルキル鎖,−X−が
−CONH(CH2)3−,−Rが−OC25,nが1の化
合物の1つである化合物1の合成方法を記述する。
【0073】
【化15】
【0074】Du Pont社製クライトックス157FS−
L(平均分子量は約2500)(25重量部)をFC−
72(100重量部)に溶解し、これに塩化チオニル
(2重量部)と塩化メチレン(20重量部)を加え、撹
拌しながら48時間撹拌する。反応液中の塩化チオニル
やFC−72等をエバポレータで揮発させる。残渣を再
びFC−72(100重量部)に溶解し、これにチッソ
(株)製サイラエースS330(構造は3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン)(3重量部)、塩化メチレン
(20重量部)を加え12時間撹拌後、12時間静置す
る。上層の塩化メチレン層を除き、FC−72を室温で
エバポレータ、及び真空ポンプを用いて揮発させ、化合
物1を得る。
【0075】次にKrytox157FS−LのFC−72溶液の代
わりに上記方法で合成した化合物1の5wt%FC−7
2溶液を調製する。この溶液へ図8に示す基板を10分
間浸す。基板を引上げ、常温で1時間放置しFC−72
を揮発させる。更に120℃中に10分間放置する。
【0076】続いてこの基板を温度60℃・湿度90%
の環境下に100時間放置する。その後基板からメンデ
ィングテープを取り除く。
【0077】次にテスターで8の部分と11の部分の導
通を調べたところ、8の部分と11の部分の間では電流
は流れなかった。
【0078】また基板は図7の状態のままであり図9の
ように12と13のはんだの間に橋かけするような物質
の生成は見られなかった。
【0079】よって比較例1の結果と合わせて考える
と、化合物1を塗布し、その後加熱する操作を行ったこ
とによりはんだの腐食が抑えられることがわかった。
【0080】(実施例7)始めに(2)式の化合物の中
でRfがパーフルオロポリオキシアルキル鎖、−X−が
−CONH(CH2)3−,−Rが−OC25,nが1の化
合物の1つである化合物2の合成方法を記述する。
【0081】
【化16】
【0082】化合物2はDu Pont社製クライトックス1
57FS−L(25重量部)の代わりにダイキン工業
(株)製デムナムSH(平均分子量は約3500)(35
重量部)を用いる以外は実施例6記載の化合物1の合成
と同様の方法で行った。
【0083】次に化合物1のFC−72溶液の代わりに
化合物2の5wt%FC−72溶液を用いる以外は実施
例6と同様に処理した基板の8の部分と11の部分の導
通を調べたところ、8の部分と11の部分の間では電流
は流れなかった。
【0084】また基板は図7の状態のままであり図9の
ように12と13のはんだの間に橋かけするような物質
の生成は見られなかった。
【0085】よって比較例1の結果と合わせて考える
と、化合物2を塗布し、その後加熱する操作を行ったこ
とによりはんだの腐食が抑えられることがわかった。
【0086】(実施例8)始めに(2)式の化合物の中
でRfがパーフルオロポリオキシアルキレン鎖,−X−
が−CONH(CH2)3−,−Rが−OC25、nが2の
化合物の1つである化合物3の合成方法を記述する。
【0087】
【化17】
【0088】化合物3はDu Pont社製クライトックス1
57FS−L(25重量部)の代わりにアウジモント社
製Fomblin Z−DIAC(平均分子量4000)(20重量
部)を用いる以外は実施例6記載の化合物1の合成と同
様の方法で行った。
【0089】次に化合物1のFC−72溶液の代わりに
化合物3の5wt%FC−72溶液を用いる以外は実施
例6と同様に処理した基板の8の部分と11の部分の導
通を調べたところ、8の部分と11の部分の間では電流
は流れなかった。
【0090】また基板は図7の状態のままであり図9の
ように12と13のはんだの間に橋かけするような物質
の生成は見られなかった。
【0091】よって比較例1の結果と合わせて考える
と、化合物3を塗布し、その後加熱する操作を行ったこ
とによりはんだの腐食が抑えられることがわかった。
【0092】(実施例9)始めに(2)式の化合物の中
でRfがパーフルオロポリオキシアルキル鎖,−Y−が
−CON(CH2CH2NHCO−)(CH2)3−,−Rが
−OCH3、nが2の化合物の1つである化合物4の合
成方法を記述する。
【0093】
【化18】
【0094】化合物4はチッソ(株)製サイラエースS
330の代わりにチッソ(株)製サイラエースS320
(構造はN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン)(1重量部)を用いる以外は実施
例6記載の化合物1の合成と同様の方法で行った。
【0095】次に化合物1のFC−72溶液の代わりに
化合物4の5wt%FC−72溶液を用いる以外は実施
例6と同様に処理した基板の8の部分と11の部分の導
通を調べたところ、8の部分と11の部分の間では電流
は流れなかった。
【0096】また基板は図7の状態のままであり図9の
ように12と13のはんだの間に橋かけするような物質
の生成は見られなかった。
【0097】よって比較例1の結果と合わせて考える
と、化合物4を塗布し、その後加熱する操作を行ったこ
とによりはんだの腐食が抑えられることがわかった。
【0098】(実施例10)化合物1のFC−72溶液
の代わりにヒドラス化学(株)製1H,1H,2H,2
H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン(以後化
合物5と略記する)の5wt%FC−72溶液を用いる
以外は実施例6と同様に処理した基板の8の部分と11
の部分の導通を調べたところ、8の部分と11の部分の
間では電流は流れなかった。
【0099】
【化19】
【0100】また基板は図7の状態のままであり図9の
ように12と13のはんだの間に橋かけするような物質
の生成は見られなかった。
【0101】よって比較例1の結果と合わせて考える
と、化合物5を塗布し、その後加熱する操作を行ったこ
とによりはんだの腐食が抑えられることがわかった。
【0102】(実施例11)化合物1のFC−72溶液
の代わりにヒドラス化学(株)製1H,1H,2H,2
H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン(以後化合
物6と略記する)の5wt%FC−72溶液を用いる以
外は実施例6と同様に処理した基板の8の部分と11の
部分の導通を調べたところ、8の部分と11の部分の間
では電流は流れなかった。
【0103】
【化20】
【0104】また基板は図7の状態のままであり図9の
ように12と13のはんだの間に橋かけするような物質
の生成は見られなかった。
【0105】よって比較例1の結果と合わせて考える
と、化合物6を塗布し、その後加熱する操作を行ったこ
とによりはんだの腐食が抑えられることがわかった。
【0106】(実施例12)温度60℃・湿度90%の
環境下に100時間放置する代わりに、10ミリリット
ルの30%硝酸を底の部分に入れた容量4リットルのガ
ラス製デシケーター内に常温で10時間放置する以外は
実施例11と同様に処理した基板のはんだを観察した。
なおデシケーター内には直径約2.5cm の穴が7個あい
たセラミック製天板がセットされており、基板はその天
板の上に置かれ、硝酸は天板の下に入れられている。
【0107】その結果はんだは図7の状態のままであり
変色や析出物は見られなかった。
【0108】(比較例2)化合物6の5wt%FC−7
2溶液に浸す操作を行わない以外は実施例12と同様に
処理した基板のはんだを観察した。
【0109】その結果はんだは白色に変化していた。た
だ図9の18のような析出物は見られなかった。
【0110】実施例12の結果と合わせて考えると、化
合物6によりはんだの腐食が抑えられることがわかっ
た。
【0111】
【発明の効果】本発明の方法を用いることによって簡便
な方法ではんだの腐食を抑えることが可能となった。ま
た本発明の方法を用いた基板を使って構成された装置等
の物品の湿度による影響を軽減することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により変化したはんだ表面、及び
近傍を模式的に示した図である。
【図2】溶融・固着したはんだ表面、及びその近傍の模
式図である。
【図3】本発明の方法によりはんだ表面で起こる反応を
模式的に示した図である。
【図4】本発明の方法によりはんだ表面で起こる反応を
模式的に示した図である。
【図5】本発明の方法によりはんだ表面で起こる反応を
模式的に示した図である。
【図6】本発明の実施例、及び比較例で用いるプリント
基板の説明図である。
【図7】本発明の実施例、及び比較例で用いるプリント
基板の説明図である。
【図8】本発明の実施例、及び比較例で用いるプリント
基板の説明図である。
【図9】本発明の実施例、及び比較例で用いるプリント
基板の説明図である。
【符号の説明】
1…溶融固着させたはんだ、2…(1)式で表される化
合物とはんだ構成金属との塩の層、3…プリント基板、
4〜7…銅箔の配線、8〜11…銅箔の配線のうちはん
だ付けしない方の端子、12,13…溶融固着させたは
んだ、14〜17…メンディングテープ貼り付け部分、
18…はんだからの析出物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 豊 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも金属成分としてSn,Pb,B
    i,Inから選ばれる金属を1種類以上含有するはんだ
    材料を用いて行うはんだ付けの後処理方法において、該
    はんだを溶融し、搭載素子を基板に固着後、該はんだの
    表面に式(1)で示される含フッ素化合物を塗布するこ
    とを特徴とするはんだ付けの後処理方法。 【化1】 Rf(CO2H)n …(化1) (Rfはパーフルオロポリオキシアルキル鎖,パーフル
    オロポリオキシアルキレン鎖,パーフルオロアルキル
    鎖、或いはパーフルオロアルキレン鎖。nは1、或いは
    2。)
  2. 【請求項2】少なくとも金属成分としてSn,Pb,B
    i,Inから選ばれる金属を1種類以上含有するはんだ
    材料を用いて行うはんだ付けの後処理方法において、該
    はんだを溶融し、搭載素子を基板に固着後、該はんだの
    表面に式(2)で示される含フッ素化合物を塗布するこ
    とを特徴とするはんだ付けの後処理方法。 【化2】 (Rfはパーフルオロポリオキシアルキル鎖,パーフル
    オロポリオキシアルキレン鎖,パーフルオロアルキル
    鎖、或いはパーフルオロアルキレン鎖。Rf′はパーフ
    ルオロポリオキシアルキル鎖、或いはパーフルオロアル
    キル鎖。−X−はRfとSiとの接続部分。−Y−はR
    f′とSiとの接続部分。−Rは−OCH3,−OC25
    −CH3、或いは−C25であり、−SiR3の−Rのう
    ち最低1つは−OCH3、或いは−OC25。nは1、
    或いは2。)
  3. 【請求項3】少なくとも製造の1工程に金属成分として
    Sn,Pb,Bi,Inから選ばれる金属を1種類以上
    含有するはんだ材料を用いて製造されることを特徴とす
    る半導体実装用プリント基板において、その製造工程で
    該はんだを溶融し、素子に固着後、該はんだの表面に式
    (1)で示される含フッ素化合物を塗布する工程を含む
    ことを特徴とする半導体実装用プリント基板。 【化3】 Rf(CO2H)n …(化3) (Rfはパーフルオロポリオキシアルキル鎖,パーフル
    オロポリオキシアルキレン鎖,パーフルオロアルキル
    鎖、或いはパーフルオロアルキレン鎖。nは1、或いは
    2。)
  4. 【請求項4】少なくとも製造の1工程に金属成分として
    Sn,Pb,Bi,Inから選ばれる金属を1種類以上
    含有するはんだ材料を用いて製造されることを特徴とす
    る半導体実装用プリント基板において、その製造工程で
    該はんだを溶融し、素子に固着後、該はんだの表面に式
    (2)で示される含フッ素化合物を塗布する工程を含む
    ことを特徴とする半導体実装用プリント基板。 【化4】 (Rfはパーフルオロポリオキシアルキル鎖,パーフル
    オロポリオキシアルキレン鎖,パーフルオロアルキル
    鎖、或いはパーフルオロアルキレン鎖。Rf′はパーフ
    ルオロポリオキシアルキル鎖、或いはパーフルオロアル
    キル鎖。−X−はRfとSiとの接続部分。−Y−はR
    f′とSiとの接続部分。−Rは−OCH3,−OC25
    −CH3、或いは−C25であり、−SiR3の−Rのう
    ち最低1つは−OCH3、或いは−OC25。nは1、
    或いは2。)
  5. 【請求項5】少なくとも製造の1工程に金属成分として
    Sn,Pb,Bi,Inから選ばれる金属を1種類以上
    含有するはんだ材料を用いて作製される半導体実装用プ
    リント基板を用いて製造される物品において、その製造
    工程で該はんだを溶融し、素子に固着後、該はんだの表
    面に式(1)で示される含フッ素化合物を塗布する工程
    を含んだ半導体実装用プリント基板が組み込まれている
    ことを特徴とする物品。 【化5】 Rf(CO2H)n …(化5) (Rfはパーフルオロポリオキシアルキル鎖、パーフル
    オロポリオキシアルキレン鎖、パーフルオロアルキル
    鎖、或いはパーフルオロアルキレン鎖。nは1、或いは
    2。)
  6. 【請求項6】少なくとも製造の1工程に金属成分として
    Sn,Pb,Bi,Inから選ばれる金属を1種類以上
    含有するはんだ材料を用いて作製される半導体実装用プ
    リント基板を用いて製造される物品において、その製造
    工程で該はんだを溶融し、素子に固着後、該はんだの表
    面に式(1)で示される含フッ素化合物を塗布する工程
    を含んだ半導体実装用プリント基板が組み込まれている
    ことを特徴とする物品。 【化6】 (Rfはパーフルオロポリオキシアルキル鎖,パーフル
    オロポリオキシアルキレン鎖,パーフルオロアルキル
    鎖、或いはパーフルオロアルキレン鎖。Rf′はパーフ
    ルオロポリオキシアルキル鎖、或いはパーフルオロアル
    キル鎖。−X−はRfとSiとの接続部分。−Y−はR
    f′とSiとの接続部分。−Rは−OCH3,−OC25
    −CH3、或いは−C25であり、−SiR3の−Rのう
    ち最低1つは−OCH3、或いは−OC25。nは1、
    或いは2。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016164873A (ja) * 2015-02-19 2016-09-08 積水化学工業株式会社 接続構造体の製造方法

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JP2016164873A (ja) * 2015-02-19 2016-09-08 積水化学工業株式会社 接続構造体の製造方法

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