JP2001354942A - 導電性接着剤ならびに実装構造体およびその製造方法 - Google Patents

導電性接着剤ならびに実装構造体およびその製造方法

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JP2001354942A
JP2001354942A JP2000180399A JP2000180399A JP2001354942A JP 2001354942 A JP2001354942 A JP 2001354942A JP 2000180399 A JP2000180399 A JP 2000180399A JP 2000180399 A JP2000180399 A JP 2000180399A JP 2001354942 A JP2001354942 A JP 2001354942A
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metal
mounting structure
electronic component
terminal electrode
conductive adhesive
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JP2000180399A
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Hiroteru Takezawa
弘輝 竹沢
Yukihiro Ishimaru
幸宏 石丸
Takashi Kitae
孝史 北江
Tsutomu Mitani
力 三谷
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な接着強度が得られる導電性接着剤、な
らびに信頼性が高い実装構造体およびその製造方法を提
供する。 【解決手段】 複数の電子部品の端子電極を電気的に接
続するための接着剤であって、導電性フィラーである金
属粒子と有機分子とを含み、有機分子が、金属粒子を構
成する金属に対して配位結合またはイオン結合する第1
の官能基と、端子電極を構成する金属に対して配位結合
またはイオン結合する第2の官能基とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性接着剤なら
びに実装構造体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境調和に対する意識の高まりか
ら、電機業界に対しては電子部品の実装に用いられてい
る鉛入りはんだの全廃を求める動きが具体化しつつあ
る。
【0003】鉛フリー実装技術としては、鉛レスはんだ
を用いた実装技術の開発が盛んに行われており一部実用
化が始まっている。しかし、鉛レスはんだを用いる場
合、実装温度が上昇して弱耐熱部品へ与える影響が大き
くなることや、電子部品の電極の鉛レス化が困難なこと
など、数々の課題が残されている。
【0004】一方、導電性接着剤を用いた実装は、鉛レ
ス化以外にも以下のような種々のメリットがある。第1
に、処理温度が150℃程度とはんだに比べて低いため
電子部品への影響が少なくなる。第2に、導電性接着剤
の比重がはんだの半分程度であるため、電子機器の軽量
化がより容易になる。第3に、はんだとは異なり、導電
性接着剤は金属材料ではないため、耐疲労性が優れてい
る。
【0005】したがって、導電性接着剤を用いた実装を
はんだ代替技術として適用することによって、環境調和
と高信頼性とを満足した新しい実装の実現が期待でき
る。導電性接着剤を用いた従来の実装構造体の一例につ
いて、電子部品の端子電極と導電性フィラーとの接触部
分を図4に示す。従来の実装構造体では、端子電極の金
属1と導電性フィラーの金属2とは、金属表面に存在す
る水酸基を介して、水素結合3で結びついていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、導電性
接着剤を用いた従来の実装では、結合力が十分でない水
素結合によって端子電極の金属と導電性フィラーの金属
とが結合しているため、はんだ実装と比較して接着強度
が劣り、実用化が容易でないという問題があった。
【0007】絶縁性接着剤の接着強度を向上させる技術
としては、カップリング剤と呼ばれる、金属および樹脂
の両方に化学結合する材料を、絶縁性接着剤中に添加す
るか、電極上に予め設けておく方法が実用化されている
(たとえば、機能性接着剤の開発と最新技術、宮入裕夫
編、株式会社シーエムシー発行、179頁)。これによ
ると、絶縁性接着剤のバインダ樹脂と電極金属との間に
化学結合が形成され、接着強度が改善される。
【0008】しかしながら、この方法を導電性接着剤に
適用しても、はんだ実装と同等レベルの接合強度を得る
ことは困難であった。これは、導電性接着剤の90質量
%程度が無機フィラーであり、バインダ樹脂は10質量
%程度であるため、バインダ樹脂と電極金属との間の接
着強度を改善しても導電性接着剤全体としての接着強度
はあまり改善されないためである。
【0009】以上のように、従来の導電性接着剤では十
分な接着強度が得られず、また、従来の導電性接着剤を
用いた実装構造体では信頼性が十分ではないという問題
があった。
【0010】上記問題を解決するため、本発明は、十分
な接着強度が得られる導電性接着剤、ならびに信頼性が
高い実装構造体およびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の導電性接着剤は、複数の電子部品(電子機
器を構成する部品)の端子電極を電気的に接続するため
の導電性接着剤であって、導電性フィラーである金属粒
子と有機分子とを含み、有機分子が、金属粒子を構成す
る金属に対して配位結合またはイオン結合する第1の官
能基と、端子電極を構成する金属に対して配位結合また
はイオン結合する第2の官能基とを含むことを特徴とす
る。上記本発明の導電性接着剤では、金属粒子を構成す
る金属および端子電極を構成する金属と上記有機分子と
が結合力が強い結合によって結合されるため、十分な接
着強度が得られる導電性接着剤が得られる。
【0012】また、本発明の実装構造体では、第1の電
子部品と第2の電子部品とを備え、第1の電子部品の端
子電極と第2の電子部品の端子電極とが導電性接着剤に
よって電気的に接続されている実装構造体であって、導
電性接着剤が導電性フィラーである金属粒子を含み、第
1の電子部品の端子電極および第2の電子部品の端子電
極から選ばれる少なくとも1つの電極を構成する金属と
金属粒子を構成する金属とが、1つの有機分子に化学結
合していることを特徴とする。上記本発明の実装構造体
では、端子電極を構成する金属と導電性接着剤中の金属
粒子を構成する金属とが1つの有機分子を介して化学結
合で強力に固定されるため、実装された電子部品が外れ
にくく、信頼性が高い実装構造体が得られる。
【0013】上記実装構造体では、金属粒子を構成する
金属と有機分子とが配位結合またはイオン結合によって
結合しており、電極を構成する金属と有機分子とが配位
結合またはイオン結合によって結合していることが好ま
しい。配位結合およびイオン結合は結合力が大きいた
め、特に信頼性が高い実装構造体が得られる。
【0014】上記実装構造体では、有機分子が、金属粒
子を構成する金属に対して配位結合またはイオン結合す
る第1の官能基と、電極を構成する金属に対して配位結
合またはイオン結合する第2の官能基とを含むことが好
ましい。上記構成によれば、金属粒子を構成する金属、
および端子電極を構成する金属と上記金属粒子とがイオ
ン結合または配位結合によって結合され、特に信頼性が
高い実装構造体が得られる。
【0015】上記実装構造体では、導電性接着剤が有機
分子を含むことが好ましい。上記構成によれば、端子電
極を構成する金属および金属粒子を構成する金属と、上
記有機分子とが容易に結合される。
【0016】また、本発明の実装構造体の製造方法は、
第1の電子部品と第2の電子部品とを備える実装構造体
の製造方法であって、第1の電子部品の端子電極および
第2の電子部品の端子電極から選ばれる少なくとも1つ
の電極上に有機分子を塗布する第1の工程と、第1の電
子部品の端子電極と第2の電子部品の端子電極とを、導
電性フィラーである金属粒子を含む導電性接着剤を用い
て電気的に接続する第2の工程とを含み、有機分子が、
金属粒子を構成する金属に対して配位結合またはイオン
結合する第1の官能基と、電極を構成する金属に対して
配位結合またはイオン結合する第2の官能基とを含むこ
とを特徴とする。上記本発明の製造方法では、電極上に
塗布された有機分子が、金属粒子を構成する金属と端子
電極を構成する金属とに化学結合するため、信頼性が高
い実装構造体を製造できる。
【0017】上記製造方法では、導電性樹脂が有機分子
を含むことが好ましい。上記構成によれば、有機分子に
よる化学結合を特に容易に生じさせることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0019】(実施形態1)実施形態1では、本発明の
導電性接着剤について一例を説明する。本発明の導電性
接着剤は、複数の電子部品の端子電極を電気的に接続す
るための導電性接着剤であって、導電性フィラーである
金属粒子とバインダ樹脂と有機分子(有機化合物である
分子。以下、有機分子Aという場合がある。)とを含
み、有機分子Aが、金属粒子を構成する金属(以下、金
属Mfという場合がある)に対して配位結合またはイオ
ン結合する第1の官能基(以下、Lfという場合があ
る)と、上記端子電極を構成する金属(以下金属Meと
いう場合がある)に対して配位結合またはイオン結合す
る第2の官能基(以下、Leという場合がある)とを含
むことを特徴とする。
【0020】上記電子部品には、様々な電子部品を用い
ることができ、具体的には、たとえば、トランジスタ、
抵抗、コンデンサ、集積回路、CSP(チップ・サイズ
・パッケージ)、QFP(クワッド・フラット・パッケ
ージ)等のパッケージ部品、プリント基板等の基板など
を用いることができる。上記電子部品の端子電極は金属
Meを含み、具体的には、たとえば、Cu、SnPb合
金、AgPd合金、Agなどからなる。
【0021】金属粒子を構成する金属Meには、たとえ
ば、Ag、Cu、Ni、AgPd合金、Agでコートし
たCuが用いられる。導電性接着剤中の金属粒子の含有
量については特に制限がないが、たとえば、80質量%
〜95質量%であり、好ましくは、85質量%〜92質
量%である。
【0022】上記バインダ樹脂には、たとえば、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂
を用いることができる。
【0023】導電性接着剤中の有機分子Aの含有量は、
たとえば、1質量%〜20質量%であり、2質量%〜4
質量%が好ましい。上記有機分子Aには、たとえば、以
下の一般式(1)で表される分子を用いることができ
る。
【0024】 (Lf)m−R−(Le)n ・・・(1) (式中、Lfは金属粒子の金属Mfに対して配位結合ま
たはイオン結合する官能基を表し、Rは任意の分子鎖を
表し、Leは電子部品の端子電極を構成する金属Meに
対して配位結合またはイオン結合する官能基を表し、m
およびnはそれぞれ1以上の整数を表す。mとnとは同
じでも異なってもよい。) 上記有機分子Aは、第1の官能基Lfと第2の官能基L
eとを備え、金属MfおよびMeの両方に化学結合する
ため、金属粒子と端子電極との間を強固に橋かけするこ
とができる。
【0025】LfとLeに用いることができる、具体的
な官能基について説明する。配位結合を形成させる場合
は、金属に配位する配位子、すなわち、アミノ基(−N
2)、アミノ酢酸基(−N(CH2COOH)2)、ポ
リアミン基、カルボキシル基(−COOH)、アミノカ
ルボキシル基(−N(COOH)2)、ジケトン基、ク
ラウンエーテル基、イミダゾール基、チオール基(−S
H)等を用いることができる。イオン結合を形成させる
場合、金属と塩を形成する陰イオン、すなわち、スルホ
ン酸基(−SO3H)、アミノハロゲン基等を用いるこ
とができる。
【0026】また、LfとLeとの組み合わせとして
は、Lfが金属Mfと選択的に結合する官能基であり、
Leが金属Meと選択的に結合する官能基であることが
望ましい。LfとLeとが、共に金属Mfおよび金属M
eの両方に結合しやすい場合、LfおよびLeが一方の
金属のみに結合して、両金属の橋かけが有効に形成され
ない場合がある。すなわち、本発明の導電性接着剤に含
まれる金属粒子の金属Mfは、端子電極の金属Meと異
なっていることが好ましく、LfとLeとがそれぞれ、
MfとMeとに選択的に結合しやすい官能基であること
が好ましい。たとえば、金属MfがAgからなり、金属
MeがCuやSnPbの場合、Lfとしては、チオール
基、クラウンエーテル基またはスルホン酸基が好まし
く、Leとしては、ポリアミン基またはアミノ酢酸基等
が好ましい。
【0027】分子鎖Rには、たとえば、−(CH2)n
(n=1〜4)、−(OCH2)n−(n=1〜4)、−C
64−(フェニレン基)を用いることができる。
【0028】上記一般式(1)で表される有機分子とし
て、具体的には、たとえば、以下の式(2)で表される
化合物や、(CH2COOH)2N−C64−SHなどが挙
げられる。
【0029】
【化1】
【0030】上記式(2)で表される有機分子は、金属
Mfが銀であり、金属Meが銅である場合などに好適で
ある。
【0031】上記実施形態1の導電性接着剤では、導電
性フィラーである金属粒子を構成する金属Mfと端子電
極を構成する金属Meとが、導電性接着剤に含まれる有
機分子によって橋かけされ、強固に固定される。このた
め、実施形態1の導電性接着剤によれば、十分な接着強
度で複数の電子部品を電気的に接続できる。
【0032】(実施形態2)実施形態2では、本発明の
実装構造体について一例を説明する。実施形態2の実装
構造体の断面図を、図1に模式的に示す。
【0033】図1を参照して、実施形態2の実装構造体
10は、第1の電子部品11と第2の電子部品12とを
備え、第1の電子部品11の端子電極11aと、第2の
電子部品12の端子電極12aとが、導電性接着剤13
によって電気的に接続されている。
【0034】第1の電子部品11と第2の電子部品12
とには、それぞれ、実施形態1で説明した電子部品を用
いることができる。たとえば、第1の電子部品11には
抵抗などを用いることができ、第2の電子部品12には
プリント基板などの基板を用いることができる。端子電
極11aおよび端子電極12aは、金属を含む。なお、
端子電極11aを構成する金属と端子電極12aを構成
する金属とは同じでも異なってもよい。
【0035】導電性接着剤13は、導電性フィラーであ
る金属粒子とバインダ樹脂とを含み、必要に応じて有機
分子Aをさらに含む。金属粒子は、実施形態1で説明し
たものと同様(金属Mfからなる)であるので重複する
説明は省略する。
【0036】実装構造体10では、第1の電子部品11
の端子電極11aおよび第2の電子部品12の端子電極
12aから選ばれる少なくとも1つの電極(好ましくは
両方)を構成する金属Me(実施形態1で説明したもの
と同様)と金属粒子を構成する金属Mfとが、ともに1
つの有機分子(少なくとも上記電極と導電性接着剤との
界面に存在する)に化学的に結合している。すなわち、
金属Meと金属Mfとが、共通の有機分子を介して化学
的に結合している。この結合の様子を、図2に模式的に
示す。図2を参照して、端子電極の金属21(端子電極
11aまたは端子電極12aに対応する)と導電性接着
剤中の金属粒子の金属22とは、1つの有機分子23に
化学的に結合している。具体的には、金属21と有機分
子23とが化学結合24によって結合しており、金属2
2と有機分子23とが化学結合25によって結合してい
る。
【0037】実装構造体10では、上記電極を構成する
金属Meと上記有機分子とが配位結合またはイオン結合
によって結合しており、金属Mfと上記有機分子とが配
位結合またはイオン結合によって結合していることが好
ましい。配位結合およびイオン結合は、ともに水素結合
よりも結合力が強い。このため、上記構成によれば、従
来の実装構造体と比べて、非常に信頼性が高い実装構造
体が得られる。
【0038】上記有機分子には、実施形態1で説明した
有機分子Aを用いることができ、具体的には、一般式
(1)で表される有機化合物を用いることができる。す
なわち、上記有機分子は、金属Mfに対して配位結合ま
たはイオン結合する第1の官能基Lfと、金属Meに対
して配位結合またはイオン結合する第2の官能基Leと
を備えることが好ましい。
【0039】実装構造体10は、実施形態1で説明した
本発明の導電性接着剤を用いて端子電極11aと端子電
極12aとを接着することにより製造できる。また、以
下の実施形態3で説明する実装構造体の製造方法によっ
ても製造できる。
【0040】実施形態2の実装構造体10では、端子電
極11aおよび端子電極12aから選ばれる少なくとも
1つの電極を構成する金属Meと金属粒子Mfとが、と
もに1つの有機分子に化学的に結合している。したがっ
て、実装構造体10では、端子電極と導電性接着剤とが
強固に接着され、信頼性が高い実装構造体が得られる。
なお、実装構造体10では、導電性接着剤中の金属粒子
と端子電極との間に有機分子が存在する場合があるが、
上記有機分子は単分子であるため、導電率に影響を及ぼ
すことはほとんどない。
【0041】(実施形態3)実施形態3では、本発明の
実装方法について一例を説明する。
【0042】実施形態3の実装方法は、第1の電子部品
と第2の電子部品とを備える実装構造体の製造方法であ
って、第1の電子部品の端子電極および第2の電子部品
の端子電極から選ばれる少なくとも1つ(好ましくは両
方)の電極上に有機分子Aを塗布する第1の工程と、第
1の電子部品の端子電極と第2の電子部品の端子電極と
を、導電性フィラーである金属粒子を含む導電性接着剤
を用いて電気的に接続する第2の工程とを含み、有機分
子Aが、金属粒子を構成する金属Mfに対して配位結合
またはイオン結合する第1の官能基Lfと、上記電極を
構成する金属Meに対して配位結合またはイオン結合す
る第2の官能基Leとを含むことを特徴とする。
【0043】上記第1の電子部品、第2の電子部品、有
機分子A、金属MfおよびMe、第1の官能基Lf、お
よび第2の官能基Leについては、実施形態1で説明し
たものと同様であるため、重複する説明は省略する。
【0044】上記導電性接着剤は、金属粒子とバインダ
樹脂とを含み、さらに有機分子Aを含んでもよい。
【0045】上記第1の工程において、有機分子Aを端
子電極に塗布する方法としては、たとえば、有機分子A
のアルコール溶液や水溶液を端子電極に塗布し、アルコ
ールや水を加熱により蒸発除去するなどの方法が挙げら
れる。
【0046】上記実施形態3の製造方法では、端子電極
と導電性接着剤との界面に接着性改善剤として機能する
有機分子Aが存在する。そして、端子電極を構成する金
属Meと導電性接着剤中の金属粒子を構成する金属Mf
とが、ともに有機分子Aと化学結合することによって、
端子電極と金属粒子とが強固に橋かけされる。したがっ
て、実施形態3の製造方法によれば、信頼性が高い実装
構造体を製造できる。なお、上記実施形態3の製造方法
は、市販の任意の導電性接着剤を用いて実施することが
できるため、早期の実用化が可能である。さらに、実施
形態3の製造方法では接着界面のみに有機分子Aを配置
すればよく、同じ接着強度改善の効果を得るために必要
な有機分子Aの量が少なくなるため、実装構造体の製造
コストを削減できる。
【0047】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0048】(実施例1)実施例1では、実施形態2で
説明した本発明の実装構造体の一例について説明する。
【0049】実施例1では、第1の電子部品11として
3216サイズ0Ωジャンパー抵抗(端子電極11a:
Cu)を用い、第2の電子部品12としてガラスエポキ
シ基板(厚み:0.6mm、端子電極12a:Cu)を
用い、導電性接着剤13として市販の導電性接着剤(ニ
ホンハンダ製、NH−010、導電性フィラー:Ag粒
子)を用いた。実施例1の実装構造体では、ジャンパー
抵抗の端子電極とガラスエポキシ基板の端子電極とを、
導電性接着剤によって電気的に接続した。そして、ジャ
ンパー抵抗、およびガラスエポキシ基板の端子電極の金
属と、導電性接着剤の導電性フィラーの金属との間に
は、以下の結合が形成されている。
【0050】 Ag−S−C64−N(CH2COO)2=Cu ここで、MfはAgであり、MeはCuであり、Lfは
−SHであり、Rは−−C64−(パラ位を置換された
ベンゼン環)であり、Leは−N(CH2COO)2=であ
る。
【0051】上記の実装構造体について、図3に示した
方法にしたがって接着強度の測定を行った。具体的に
は、ガラスエポキシ基板31の裏側から、圧縮試験機を
用いて治具32で曲げ力を加えていき、ジャンパー抵抗
33がガラスエポキシ基板31から外れた時の力を接着
強度とした。
【0052】その結果、実施例1の実装構造体の接着強
度は55.86N(5.7kgf)であった。このよう
に、実施例1の実装構造体によれば、従来の実装構造体
(比較例1)と比較して4倍程度の接着強度を得ること
ができ、はんだを用いた実装構造体(比較例2)とほぼ
同等の接着強度が得られた。
【0053】(実施例2)実施例2では、実施形態2で
説明した本発明の実装構造体の他の一例について説明す
る。なお、実施例2の実装構造体は、実施例1の実装構
造体とは、ジャンパー抵抗の端子電極が焼結Cu厚膜で
ある点のみが異なるため、重複する説明は省略する。
【0054】実施例2の実装構造体について、実施例1
と同様の方法で接着強度を測定したところ、実施例1と
同等の接着強度である56.84N(5.8kgf)の
接着強度が得られた。
【0055】(実施例3)実施例3では、実施形態1で
説明した本発明の導電性接着剤について製造した一例を
説明する。実施例3の導電性接着剤は、バインダ樹脂
としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(13.5質量
部)および脂環式エポキシ樹脂(6.5質量部)、導
電性フィラーとしてリンペン状のAg粉(79質量
部)、硬化剤としてアミン系硬化剤であるエチルアミ
ン、ジエチレントリアミン(3.5質量部)、および
接着性改善剤として上記式(2)で表されるSH−C6
4−N(CH2COOH)2(4.5質量部)とを混練す
ることによって、作製した。
【0056】このように作製した導電性接着剤を用いて
実施例1で示した実装構造体を作製し、実施例1と同様
の方法で接着強度を測定した。その結果、実施例1の実
装構造体とほぼ同等の接着強度である、56.84N
(5.8kgf)の接着強度が得られた。
【0057】(実施例4)実施例4では、実施形態3で
説明した本発明の製造方法によって、実装構造体を製造
した一例について説明する。
【0058】実施例4の製造方法では、まず、実施例1
で説明したジャンパー抵抗とガラスエポキシ基板とを用
意し、それぞれの端子電極を、表面処理剤に30秒間浸
漬したのち、100℃で15分間加熱することによって
溶剤を十分に蒸発させた。
【0059】ここで、表面処理剤には、式(2)で表さ
れるSH−C64−N(CH2COOH)2(5質量部)
と、イソプロピルアルコール(85質量部)と、ブチル
カルビトールアセテート(15質量部)とからなる表面
処理剤を用いた。上記工程によって、式(2)で表され
る有機分子を端子電極上に塗布した。
【0060】上記処理を行ったジャンパー抵抗とガラス
エポキシ基板とを、市販の導電性接着剤(ニホンハンダ
製NH−010、導電性フィラー:Ag粒子)を用いて
実装し、実装構造体を作製した。この実装構造体につい
て、実施例1で示した方法で接着強度を測定した結果、
実施例1および2とほぼ同等の接着強度である54.8
8N(5.6kgf)の接着強度が得られた。また、本
実施例の方法は、通常用いられているいかなる導電性接
着剤を用いた実装構造体にも容易に適用できるため、早
期の実用化が可能である。さらに、本実施例で用いた表
面処理剤は、10回以上は繰り返して使用することが可
能であり、用いる接着性改善剤の量が少量でよいため、
製造コストを削減できる。
【0061】(比較例1)比較例1では、従来の実装構
造体を評価した一例について説明する。比較例1で評価
した実装構造体は、実施例1で用いた実装構造体におい
て、導電性フィラーである金属粒子と端子電極の金属と
の間に、配位結合やイオン結合が存在しない構成とし
た。電子部品および導電性接着剤については、実施例1
と全く同じとした。この実装構造体について、実施例1
と同じ方法で接着強度の測定を行った結果、接着強度は
13.72N(1.4kgf)であった。
【0062】(比較例2)比較例2では、はんだを用い
て実装を行った従来の実装構造体について評価した一例
を説明する。比較例2で用いた実装構造体は、実施例1
で用いた実装構造体において、導電性接着剤の代わりに
共晶はんだ(Sn63Pb37)を用いた構成とした。電子
部品については、実施例1と全く同じとした。この実装
構造体について、実施例1と同じ方法で接着強度の測定
を行った結果、接着強度は57.82N(5.9kg
f)であった。
【0063】以上のように、本発明の導電性接着剤、実
装構造体、および実装構造体の製造方法を用いると、簡
便かつ低コストで接着強度の大幅な改善が実現できる。
【0064】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態および実施
例に限定されず本発明の技術的思想に基づき他の実施形
態に適用することができる。
【0065】たとえば、上記実施例では、実装構造体の
例として、チップ抵抗をプリント基板へ実装する場合の
みを示したが、本発明は、他の2次実装、たとえば、Q
FPやCSP等のパッケージ部品のプリント基板への実
装、LSIチップのプリント基板への実装に適用しても
よく、半導体実装、たとえば、CSPキャリア基板への
LSIチップの実装に適用してもよいことはいうまでも
ない。
【0066】また、上記実施例では、接着性改善剤とし
て、式(2)で表される有機分子のみを示したが、実施
の形態で述べた方法にしたがって官能基の選択をすれば
よいので、この材料には限定されない。
【0067】さらに、上記実施例では、導電性フィラー
がAg粒子であり、端子電極がCuである場合のみを示
したが、他の金属の場合も、実施の形態で述べたよう
に、その金属に選択的に反応する配位子を有した接着性
改善剤を選択すれば良いので、いかなる金属の組み合わ
せにも対応できる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導電接着
剤によれば、鉛フリーのはんだレス実装を実現でき、十
分な接着強度が得られる導電性接着剤を提供できる。
【0069】また、本発明の実装構造体によれば、鉛フ
リーのはんだレス実装を用いた実装構造体であって信頼
性が高い実装構造体が得られる。
【0070】また、本発明の実装構造体の製造方法によ
れば、鉛フリーのはんだレス実装を用いて信頼性が高い
実装構造体を製造できる。
【0071】このように、本発明によれば、導電性接着
剤を用いた実装における課題であった接着強度の大幅な
改善を達成することができ、導電性接着剤を用いたはん
だレス実装技術の発展に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実装構造体について一例を示す断面
図である。
【図2】 本発明の実装構造体について一例の構造を示
す模式図である。
【図3】 本発明の実装構造体の評価方法を示す模式断
面図である。
【図4】 従来の実装構造体について一例の構造を示す
模式図である。
【符号の説明】
10 実装構造体 11 第1の電子部品 11a、12a 端子電極 12 第2の電子部品 13 導電性接着剤 21、22 金属 23 有機分子 24、25 化学結合
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北江 孝史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 三谷 力 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4J040 DF001 EB051 EC001 EK001 HA066 HB14 HB20 HB22 HC01 HC23 HD03 KA32 LA09 NA20 5E319 AA03 AA07 AB05 AC04 BB11 5F044 KK02 LL07 5G301 DA03 DA06 DA10 DA11 DA42 DA55 DA57 DD01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子部品の端子電極を電気的に接
    続するための導電性接着剤であって、 導電性フィラーである金属粒子と有機分子とを含み、 前記有機分子が、前記金属粒子を構成する金属に対して
    配位結合またはイオン結合する第1の官能基と、前記端
    子電極を構成する金属に対して配位結合またはイオン結
    合する第2の官能基とを含むことを特徴とする導電性接
    着剤。
  2. 【請求項2】 第1の電子部品と第2の電子部品とを備
    え、前記第1の電子部品の端子電極と前記第2の電子部
    品の端子電極とが導電性接着剤によって電気的に接続さ
    れている実装構造体であって、 前記導電性接着剤が導電性フィラーである金属粒子を含
    み、 前記第1の電子部品の端子電極および前記第2の電子部
    品の端子電極から選ばれる少なくとも1つの電極を構成
    する金属と前記金属粒子を構成する金属とが、1つの有
    機分子に化学結合していることを特徴とする実装構造
    体。
  3. 【請求項3】 前記金属粒子を構成する金属と前記有機
    分子とが配位結合またはイオン結合によって結合してお
    り、前記電極を構成する金属と前記有機分子とが配位結
    合またはイオン結合によって結合している請求項2に記
    載の実装構造体。
  4. 【請求項4】 前記有機分子が、前記金属粒子を構成す
    る金属に対して配位結合またはイオン結合する第1の官
    能基と、前記電極を構成する金属に対して配位結合また
    はイオン結合する第2の官能基とを含む請求項2に記載
    の実装構造体。
  5. 【請求項5】 前記導電性接着剤が前記有機分子を含む
    請求項4に記載の実装構造体。
  6. 【請求項6】 第1の電子部品と第2の電子部品とを備
    える実装構造体の製造方法であって、 前記第1の電子部品の端子電極および前記第2の電子部
    品の端子電極から選ばれる少なくとも1つの電極上に有
    機分子を塗布する第1の工程と、 前記第1の電子部品の端子電極と前記第2の電子部品の
    端子電極とを、導電性フィラーである金属粒子を含む導
    電性接着剤を用いて電気的に接続する第2の工程とを含
    み、 前記有機分子が、前記金属粒子を構成する金属に対して
    配位結合またはイオン結合する第1の官能基と、前記電
    極を構成する金属に対して配位結合またはイオン結合す
    る第2の官能基とを含むことを特徴とする実装構造体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記導電性樹脂が前記有機分子を含む請
    求項6に記載の実装構造体の製造方法。
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