JP2002025339A - 実装構造体およびその製造方法 - Google Patents

実装構造体およびその製造方法

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JP2002025339A
JP2002025339A JP2000200870A JP2000200870A JP2002025339A JP 2002025339 A JP2002025339 A JP 2002025339A JP 2000200870 A JP2000200870 A JP 2000200870A JP 2000200870 A JP2000200870 A JP 2000200870A JP 2002025339 A JP2002025339 A JP 2002025339A
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conductive adhesive
modified resin
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layer
resin
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JP2000200870A
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Hiroteru Takezawa
弘輝 竹沢
Yukihiro Ishimaru
幸宏 石丸
Takashi Kitae
孝史 北江
Tsutomu Mitani
力 三谷
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接着強度、耐湿信頼性に優れた実装構造体の提
供。 【解決手段】電気構造物1、3に電気的に接続される導
電性接着剤5として、金属と結合する変性樹脂を含んた
ものを用いて実装構造体を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品における
はんだフリー実装、特に導電性接着剤を用いた実装構造
体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境調和に対する意識の高まりか
ら、電機業界に対しては電子部品の実装に用いられてい
る鉛入りはんだの全廃を求める動きが具体化しつつあ
る。
【0003】鉛フリー実装技術としては、鉛フリーはん
だを用いた実装技術の開発が盛んに行われており、一部
実用化が始まっている。しかし、実装温度の上昇による
弱体熱部品への影響が大きいことや、部品電極の鉛フリ
ーが困難であることなど、数多くの課題が残されてい
る。
【0004】一方、はんだ自体を使わない実装技術も提
案されている。導電性接着剤を用いた実装がこれにあた
り、この実装技術には鉛フリーを実現できうえに、以下
に示す利点がある。
【0005】第1に、処理温度が150℃程度であって
はんだと比較してかなり低温であり、実装部品に対する
耐熱性の要求を低くでき、その分、実装部品の製造コス
トを削減できる。第2に、電性接着剤の比重は、はんだ
の半分程度であるために、電子機器の軽量化に有利であ
る。第3に、導電性接着剤は、金属粒子とバインダ樹脂
から構成された複合材料であり、金属のみから成るはん
だと比較して、耐熱疲労性が優れている。
【0006】このような利点からみて、導電性接着剤を
用いた実装構造を実用化できれば、環境調和・高信頼性
・低コスト化を満足した新しい実装構造を実現すること
ができる。
【0007】しかしながら、導電性接着剤を用いた実装
構造は、はんだと比較して接着強度が劣り、このことが
実用化を推進するうえでの妨げとなっていた。
【0008】絶縁性接着剤の接着強度を向上させる技術
としては、カップリング剤と呼ばれる材料を導電性接着
剤中に添加するか、電極上に予め設けておく方法が一般
的である(たとえば、機能性接着剤の開発と最新技術、
宮入裕夫編、株式会社シーエムシー発行、179頁)。
これによると、絶縁性接着剤の樹脂と電極金属との間に
化学結合が形成され、接着強度が改善される。
【0009】しかしながら、カップリング剤によって接
着強度を高めても、接着強度はまだ十分といわざるを得
なかった。
【0010】さらには、導電性接着剤を用いた接続構造
には、接着強度が低いことに起因して、良好な耐湿信頼
性が得られないという不都合がある。すなわち、導電性
接着剤を用いて実装した実装構造体を、高温高湿雰囲気
下に放置すると、電極と導電性接着剤の界面に水分が浸
入して電極金属を酸化させる結果、接続抵抗の上昇を招
くことが一般的に知られている。
【0011】このように、導電性接着剤を用いた実装に
は、接着強度、耐湿性といった問題があり、このことが
実用化を推進するうえでの妨げとなっていた。
【0012】本発明は、導電性接着剤を用いた実装構造
の接着強度と耐湿性とをさらに向上させることを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の実装構造体は、
上述の目的を達成するために、電気構造物と、この電気
構造物に電気的に接続された導電性接着剤とを有し、金
属と結合する変性樹脂を前記導電性接着剤が含んでい
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、電気構造物と、この電気構造物に電気的に接続され
た導電性接着剤とを有し、金属と結合する変性樹脂を前
記導電性接着剤が含んでおり、これにより、次のような
作用を有する。すなわち、金属と結合する変性樹脂によ
り導電性接着剤は電気構造物(具体的には、電気構造物
の端子電極等)に対して強固に接着されることになる。
【0015】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に係る実装構造体であって、前記導電性接着剤は、少
なくとも、前記電気構造物に当接する部位に前記変性樹
脂を含んでいることに特徴を有しており、これにより、
次のような作用を有する。すなわち、導電性接着剤は、
少なくとも電気構造物に当接する部位に変性樹脂を含ん
でいるので、請求項1の構成で発揮できる作用効果(電
気構造物に対する接着性の向上)を、さらに確実なもの
とすることができる。
【0016】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1に係る実装構造体であって、前記導電性接着剤は、前
記電気構造物に当接する第一層と、前記電気構造物に当
接しない第二層とを備え、前記第一層は、前記第二層に
比べて前記変性樹脂をより多く含んでいることに特徴を
有しており、これにより次のような作用を有する。すな
わち、導電性接着剤は、その第一層が含有する変性樹脂
により電気構造物に強固に接着されることになる。
【0017】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1ないし3のいずれかに係る実装構造体であって、前記
導電性接着剤が電気的に接続されたもう一つの電気構造
物を有し、このもう一つの電気構造物と前記電気構造物
とは、前記導電性接着剤を介して互いに電気的に接続さ
れていることに特徴を有しており、これにより、次のよ
うな作用を有する。すなわち、実装構造物どうしが導電
性接着剤を介して強固に接着されることになる。
【0018】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1ないし4のいずれかに係る実装構造体であって、前記
変性樹脂は陰イオンを有するものであることに特徴を有
しており、これにより次のような作用を有する。すなわ
ち、変性樹脂が有する陰イオンと電気構造物が有する金
属成分とがイオン結合することで、導電性接着剤は電気
構造物に強固に接着されることになる。
【0019】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
1ないし4のいずれに係る実装構造体であって、前記変
性樹脂は配位子を有するものであることに特徴を有して
おり、これにより次のような作用を有する。すなわち、
変性樹脂が有する配位子と電気構造物が有する金属成分
とが配位結合することで、導電性接着剤は電気構造物に
強固に接着されることになる。
【0020】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
1ないし4のいずれかに係る実装構造体であって、前記
変性樹脂は多座配位子を有するものであることに特徴を
有しており、これにより次のような作用を有する。すな
わち、変性樹脂が有する多座配位子と電気構造物が有す
る金属成分とがキレート結合することで、導電性接着剤
は電気構造物に強固に接着されることになる。
【0021】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
1ないし7のいずれかに係る実装構造体であって、前記
変性樹脂と前記導電性接着剤のバインダ樹脂との間に共
有結合が形成されていることに特徴を有しており、これ
により次のような作用を有する。すなわち、変性樹脂と
バインダ樹脂とが共有結合するので、導電性接着剤に変
性樹脂を混合したにもかかわらず、硬化時の導電性接着
剤の機械的強度や耐湿性能を十分高く維持することがで
きるようになる。
【0022】本発明の請求項9に記載の発明は、実装構
造体の製造方法において、第一、第二の電気構造物の端
子電極を、金属に結合する変性樹脂を溶解した溶液に浸
漬する工程と、前記端子電極から前記溶液の溶媒成分を
蒸発除去することで前記端子電極に前記変性樹脂を含む
層を形成する工程と、前記第一の電気構造物の前記端子
電極上に形成した前記変性樹脂を含む層に、導電性接着
剤を塗布する工程と、前記端子電極どうしを互いに当接
させて前記第一の電気構造物に前記第二の電気構造物を
搭載する工程と、前記導電性接着剤を加熱加圧により硬
化させる工程とを含むことに特徴を有しており、これに
より次のような作用を有する。すなわち、前記変性樹脂
の層と導電性接着剤とは互いの樹脂成分を介して強固に
接着される。そして、前記変性樹脂を含む層は、端子電
極の金属成分に対して強固に接着される。これにより、
導電性接着剤は、前記変性樹脂を介して第一、第2の電
気構造物の端子電極に強固に接着されることになる。こ
こで、導電性接着剤と各端子電極との間には、絶縁性を
有する変性樹脂の層が介在することになるので、導電性
接着剤と端子電極との間の電気導通にとって変性樹脂の
層が障害となることが危惧される。しかしながら、変性
樹脂は単分子反応により膜形成されるものであって、形
成される変性樹脂を含む層の膜厚は非常に薄いものとな
る。そのため、導電性接着剤を硬化する際に加える加熱
加圧処理により、導電性接着剤の導電フィラは変性樹脂
の層を突き破って端子電極にたやすく当接することがで
きる。したがって、変性樹脂の層が電気導通にとって障
害となることはない。
【0023】以下、本発明の実装構造体の一実施形態に
ついて図1を参照して説明する。
【0024】この実装構造体は、電子部品等の第一の電
気構造物1と、回路基板等の第二の電気構造物3とが、
導電性接着剤5を介して電気的に接続されている。具体
的には、第一の電気構造物1の端子電極2と、第二の電
気構造物3の端子電極4とが、導電性接着剤5を介して
電気的に接続されている。なお、図中、符号8は導電性
接着剤5が含有する導電性フィラである。
【0025】このような構成を有する実装構造体におい
て、本実施形態は、導電性接着剤5の構成に特徴があ
る。すなわち、導電性接着剤5は、第一層6、第二層7
を有している。第一層6は端子電極2、4に当接する層
である。第二層7は、両第一層6、6の間に介在する中
間層である。本発明は、このように配置された第一層
6、第二層7の組成に特徴がある。すなわち、導電性接
着剤5は金属と結合する変性樹脂を含んでおり、しか
も、第一層6は、第二層7に比べて前記変性樹脂の含有
率が高い構成となっている。ここで、金属と結合する変
性樹脂とは、樹脂成分の骨格内に、金属と結合する特性
を備えた官能基が結合した構造を有するものをいう。
【0026】この構成により、本実施形態の実装構造体
は、従来の実装構造体と比較して、接着強度ならびに耐
湿信頼性が優れたものとなっている。その理由を以下に
説明する。本発明の実装構造体では、第一層6が、金属
と結合する変性樹脂を多量に含んでいるため、この変性
樹脂が端子電極2、4の金属成分とイオン結合、配位結
合、ないしキレート結合する力を主として、導電性接着
剤5は端子電極2、4に接着している。
【0027】これに対して、従来の導電性接着剤は金属
と結合する変性樹脂をほとんど含んでおらず、樹脂成分
と端子電極の成分とが水素結合あるいはファンデルワー
ルス力で結合する力を主として、導電性接着剤は端子電
極に接着している。変性樹脂と金属成分とのイオン結合
による接着力と、未変性樹脂と金属成分との水素結合あ
るいはファンデルワールス力で結合する力による接合力
とを比較すると、前者の方がはるかに強い力となる。こ
れにより、本実施形態の実装構造体は、従来の実装構造
体と比較して、端子電極2、4と導電性接着剤5との接
着強度が格段に向上している。また、そのことにより、
接着界面での密着性が向上し、界面への水分の浸入を抑
制できるため、耐湿信頼性も向上している。
【0028】なお、本実施形態の実装構造体は、金属に
結合する変性樹脂の具体例として陰イオンを有する変性
樹脂を用いて、変性樹脂と端子電極2、4とをイオン結
合させることができるほか、配位子を有する変性樹脂を
用いて、変性樹脂と端子電極2、4とを配位結合させる
ことができる。配位子とは、金属と配位結合を形成する
官能基のことをいう。配位子を有する変性樹脂を用いた
場合、端子電極2、4と導電性接着剤5の接着界面にお
いて、水分の存在によって、イオン結合より解離しにく
い強い配位結合が形成されるため、接着強度および耐湿
信頼性がさらに優れたものとなる。
【0029】さらには、変性樹脂の具体例として多座配
位子を有する変性樹脂を用いることもできる。多座配位
子とは、金属に配位可能な配位子を1分子に2個以上有
するものをいう。多座配位子は、2個以上の配位子が1
個の金属原子に配位して、キレート結合を形成する。キ
レート結合が形成されれば、結合内の電子は自由に運動
することができ、その結果、単なる配位結合よりもはる
かに強い結合となる。この構成により、端子電極2、4
と導電性接着剤5の接着界面における接着強度および耐
湿信頼性がさらに優れたものとなる。
【0030】なお、金属に結合する変性樹脂として、上
述したいずれの樹脂を用いたとしても、第一層6と第二
層7との間に共有結合が形成されるために、導電性接着
剤5全体としてみた場合でも、そのバルク強度は十分に
良好なものとなる。
【0031】また、上述した実施形態では、金属に結合
する変性樹脂を第一層6にのみ多量に含有させ、第二層
7には、ほとんど変性樹脂を含有させないという構成で
あったが、導電性樹脂5全体に含有させても良い。この
場合には、導電性樹脂5を第一層6と第二層7とに分離
する必要はなくなる。
【0032】本発明の実装構造体の製造方法について説
明する。
【0033】図2(a)に示すように、金属に結合する
変性樹脂(未硬化状態)を溶媒に溶解させた溶液10
に、第一および第二の電気構造物1、3の端子電極2、
4を選択的に浸漬する。これにより、端子電極2、4上
に第一層6の基となる層6を形成する。なお、図2
(a)では、第一の電気構造物1に上記した層6を形成
する状態を示しているが、第二の電気構造物3にも同様
にして上記した層を形成するのはいうまでもない。ま
た、上記変性樹脂としては、陰イオンを有する変性樹
脂、配位子を有する変性樹脂、多座配位子を有する変性
樹脂のうちのいずれか一つ、ないしは、これら変性樹脂
を複数混合したものを用いる。
【0034】次に、図2(b)に示すように、前記溶媒
を蒸発除去することで、上記した層6をそれぞれ第一層
6とする。このとき、第一層6は端子電極2、4の金属
成分と単分子反応するため、形成される第一層6は極め
て薄い厚みを有したものとなる。
【0035】次に、図2(c)に示すように、第一の電
気構造物1の第一層6の上に、第二層7となる導電性接
着剤の層7をスクリーン印刷等の手法によって形成す
る。層7を構成する導電性接着剤としては、導電性フィ
ラ8を含有するものの金属に結合する変性樹脂をほとん
ど含まない、通常の導電性接着剤を用いる。そして、図
2(d)に示すように、第二の電気構造物3を、第一の
電気構造物1に搭載し、さらに、導電性接着剤の層7に
加熱加圧等の処理を加えることで硬化させる。
【0036】ここで、導電性接着剤の層7を構成するバ
インダ樹脂と、第二層7を構成する変性樹脂とは、加熱
硬化の際にお互いに重合し合って両者の間に共有結合が
形成される。そのため、第一層6と第二層7とは互いに
強固に一体化して導電性接着剤5となる。そして、第一
層6の変性樹脂の中に残存している溶媒を完全に蒸発除
去することで第二層7が完成する。
【0037】このとき、第一層6自体は電気導通性を有
していないいもかかららず、第一層6は端子電極2、4
間の電気導通性の妨げとはならない。以下、その理由を
説明する。第一層6は端子電極2、4との単分子反応に
より形成されるために分子単位といった非常に厚みの薄
い形態となっている。そのため、第二の電気構造物3を
搭載する際や層7を硬化させる際に実装構造体に加えら
れる加圧処理により、第二層7に含まれる導電性フィラ
8が比較的簡単に第一層6を突き破って端子電極2、4
に当接して電気的に接続される。このように、形成当初
の第一層6中には導電性フィラ8は存在しないものの、
最終的には第一層6を突き破る形態で第一層6中に導電
性フィラ8が存在するようになるので、第一層6が両端
子電極2、4間の電気的接続の妨げになることはない。
そのため、本製造方法により製造した実装構造体は、接
続抵抗値も従来の実装構造体と同等となる。
【0038】次に上記した金属に結合する変性樹脂の具
体例を挙げる。
【0039】陰イオンを有する変性樹脂において、含有
する陰イオンとしては、スルホン酸基イオン、燐酸イオ
ン、ホスファイトイオン等が挙げられる。
【0040】配位子を有する変性樹脂において含有する
配位子としては、カルボン酸基、ケトン基、アミノ基、
イミノ基、ニトリロ基、アゾ基、アミド基、イミド基、
ニトリル基、ピリジニウム基、アンモニウム基等が挙げ
られる。
【0041】多座配位子を有する変性樹脂が含有する多
座配位子としては、イミノジ酢酸基、メチレンイミノポ
リエチレンイミン基、エチレンジアミン酢酸基、メチレ
ンアミノメチレン燐酸基、イミノジプロピオン酸基等が
挙げられる。
【0042】上記した変性樹脂においてベースとなる樹
脂材料としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アル
キッド樹脂、アクリル樹脂など、導電性接着剤のバイン
ダ樹脂として一般的に用いられる樹脂が挙げられる。
【0043】本発明の実施例及び比較例について以下に
説明する。 (実施例1)本実施例の実装構造体を、図3を参照して
説明する。
【0044】ガラスエポキシ基材(30×30×0.6
mm)からなる絶縁基板15の端子電極(Cu)16上
に、Agフィラを導電性フィラ12として含む導電性接
着剤17を介して、1005 サイズのアルミナ製チッ
プ抵抗(0Ωジャンパー抵抗)13の端子電極(SnP
b)14が電気的に接続されている。
【0045】導電性接着剤17は、導電性フィラ12で
あるAgフィラ85wt%、バインダ樹脂14wt%、
分散剤等の添加剤1wt%から構成される。バインダ樹
脂の組成は、通常のビスフェノールF型エポキシ樹脂9
2wt%、および変性樹脂、すなわちその骨格に陰イオ
ンであるスルホン酸基を導入したビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂2wt%から構成される。そして、端子電極
14、16側に位置する第一層18は、スルホン酸基を
用いたビスフェノールF型エポキシ樹脂の割合が多い組
成で構成され、第一層18、18の間に位置する第二層
19は、通常のビスフェノールF型エポキシ樹脂が多い
組成で構成される。
【0046】この実装構造体を以下の方法にしたがっ
て、信頼性評価を行った。 (接着強度試験)治具を用いて両端を固定した絶縁基板
15の裏面中央に、基板厚み方向に沿って力20を加え
ていき、チップ抵抗13が絶縁基板15から外れるとき
の力を測定した。 (耐湿試験)実装構造体を高温高湿条件下(85℃、8
5%RH)に 1000時間放置して、試験前後での接続
抵抗の変化を測定した。
【0047】評価結果を以下に示す。従来の実装構造体
(後述する比較例1、比較例2)よりも接着強度は大幅
に改善され、耐湿試験での接続抵抗変化は大きく抑制さ
れた。 ・接着強度試験:4.8kgf ・耐湿試験:30mΩ→45mΩ (実施例2)本実施例は、基本的には実施例1と同じで
あるが、変性樹脂として、配位子であるニトリル基を骨
格に導入したビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いた
ことに特徴がある。なお、評価試験方法等は実施例1と
同じである。
【0048】評価結果を以下に示す。実施例1と比較し
て接着強度がさらに改善され、耐湿試験での接続抵抗変
化がさらに抑制された。 ・接着強度試験:6.9kgf ・耐湿試験:31mΩ→36mΩ (実施例3)本実施例は、基本的には実施例1と同じで
あるが、変性樹脂として、多座配位子であるイミノジ酢
酸基を骨格に導入したビスフェノールF型エポキシ樹脂
を用いたことに特徴がある。なお、評価試験方法等は実
施例1と同じである。
【0049】評価結果を以下に示す。実施例2と比較し
て接着強度がさらに改善され、耐湿試験での接続抵抗変
化もさらに抑制された。 ・接着強度試験:8.8kgf ・耐湿試験:31mΩ→32mΩ (実施例4)本実施例の実装構造体の製造方法について
説明する。
【0050】ガラスエポキシ基材(30×30×0.6
mm)からなる絶縁基板15の端子電極16(Cu)
と、1005サイズのアルミナ製チップ抵抗13(0Ω
ジャンパー抵抗)の端子電極14(SnPb)とを、以
下の変性樹脂溶液にそれぞれ浸漬し、引き上げた後、前
記溶液中の溶媒を蒸発させるために80℃で15分オー
ブン中で加熱した。
【0051】絶縁基板15の端子電極16上に、市販の
導電性接着剤(NH−010[商品名:ニホンハンダ
製])をスクリーン印刷し、マウンタを用いてチップ抵
抗13を搭載した後、導電性接着剤を硬化させるため
に、150℃で30分間オーブン中で加熱した。本実施
例で用いる変性樹脂溶液の組成; ・変性樹脂;スルホン酸基を骨格に導入したビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂(5wt%) ・溶媒;イソプロピルアルコール(95wt%) この実装構造体を、実施例1に示した方法にしたがっ
て、各信頼性評価を行った。
【0052】評価結果を以下に示すが、本実施例では、
実施例1の実装構造体とほぼ同等の結果が得られた。 ・接着強度試験:4.7kgf ・耐湿試験:30mΩ→46mΩ (実施例5)本実施例では、基本的には実施例4の製造
方法と同等の方法により実装構造体を製造するものの、
変性樹脂として、配位子であるニトリル基をその骨格に
導入したビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いること
に特徴がある。なお、評価試験方法等は実施例4と同じ
である。
【0053】評価結果を以下に示すが、本実施例では、
実施例2の実装構造体とほぼ同等の結果が得られた。 ・接着強度試験:7.0kgf ・耐湿試験:30mΩ→35mΩ (実施例6)本実施例では、基本的には実施例4の製造
方法と同等の製造方法により実装構造体を製造するもの
の、変性樹脂として、多座配位子であるイミノジ酢酸基
を骨格に導入したビスフェノールF型エポキシ樹脂を用
いたものである。なお、評価試験方法等は実施例4と同
じである。
【0054】評価結果を以下に示すが、本実施例では、
実施例3の実装構造体とほぼ同等の結果が得られた。 ・接着強度試験:8.9kgf ・耐湿試験:31mΩ→31mΩ (比較例1)比較例1として作製した従来の実装構造体
について図4を参照して説明する。
【0055】ガラスエポキシ基材(30×30×0.6
mm)からなる絶縁基板23の端子電極(Cu)24上
に、Agフィラからなる導電性フィラ26を含む市販の
導電性接着剤(NH−010[商品名:ニホンハンダ
製])24を介して、1005サイズのアルミナ製チッ
プ抵抗(0Ωジャンパー抵抗)21の端子電極(SnP
b)22を電気的に接続した。
【0056】導電性接着剤24のバインダ樹脂の組成
は、接続部のどの部分においてもほぼ一定である。
【0057】この実装構造体を実施例1に示した方法に
したがって、信頼性評価を行った。
【0058】評価結果を以下に示す。 ・接着強度試験:2.9kgf ・耐湿試験:31mΩ→78mΩ (比較例2)比較例2として作製した、カップリング剤
を用いた従来の実装構造体について説明する。
【0059】まず、シランカップリング剤(KBM50
3[商品名;信越化学製])のイソプロピルアルコール
溶液(シランカップリング剤濃度:0.5wt%)を準
備する。そして、ガラスエポキシ基材(30×30×
0.6mm)からなる絶縁基板23の端子電極(Cu)
24と、1005サイズのアルミナ製チップ抵抗(0Ω
ジャンパー抵抗)21の端子電極22(SnPb)と
を、上記シランカップリング剤溶液に30秒間浸漬して
引き上げる。さらに、室温で1時間放置したのち、10
5℃の温度で5分間加熱することで、各端子電極22、
24にカップリング剤の膜を形成する。
【0060】次に、Agフィラからなる導電性フィラを
含む市販の導電性接着剤(NH−105[商品名:ニホ
ンハンダ製])を、絶縁基板23の端子電極24にスク
リーン印刷し、マウンタを用いて端子電極24上にチッ
プ抵抗21を搭載する。そして、チップ抵抗21と絶縁
基板23とを、150℃の温度で30分間オープン中で
加熱することで導電性接着剤を硬化させる。これによ
り、チップ抵抗21の端子電極(SnPb)22を絶縁
基板23の端子電極24に電気的に接続した。
【0061】この実装構造体を実施例1に示した方法に
したがって、信頼性評価を行った。
【0062】評価結果を以下に示す。 ・接着強度試験:3.2kgf ・耐湿試験:31mΩ→69mΩ 以上、本実施例および比較例で説明したように、本発明
の実装構造体は、従来の実装構造体と比較して接着強度
および耐湿信頼性が大幅に向上し、しかも、カップリン
グ剤を用いた構造に対しても格段に優れた接着性能が得
られる。以下、本発明の構成が優れた接着性能を得られ
る理由を、図5を参照して説明する。
【0063】まず、導電性接着剤と電気構造物(具体的
にはその端子電極等)との間にカップリング剤を介在さ
せた場合を説明する。カップリング剤は、ベースとなる
メタル成分(図5中、Mで表示)の骨格内に複数の官能
基(図5中、R3、R4で表示)が結合した構造を有し
ている。官能基R3は、金属表面の水酸化物と結合する
特性を有している。官能基R4は樹脂の水酸化物と結合
する特性を備えている。
【0064】このような構造では、官能基R3が電気構
造物表面の水酸化物と結合する一方、官能基R4が導電
性接着剤の樹脂成分(図5中、Bで表示)の水酸化物と
結合する。これにより、カップリング剤は酸素を介した
状態で、導電性接着剤と電気構造物とにそれぞれ結合
し、両者(導電性接着剤と電気構造物)の接着強度を高
めている。
【0065】しかしながら、このような接着構造では、
導電性接着剤と電気構造物とに対して酸素を介した間接
的な結合しか形成できず、そのために十分になる接着強
度が得られるとはいえない。例えば、接合箇所に水分が
侵入した場合、加水分解を起こして結合が切れる恐れが
ある。
【0066】一方、本発明で用いる導電性接着剤5は、
金属に結合するという特性を備えた変性樹脂を含有して
いる。この変性樹脂は、ベースとなる樹脂成分(図5
中、Aで表示)の骨格内に、複数の官能基(図5中、R
1、R2と表示)を結合させた構造を有している。官能
基R1は金属と結合する特性を有している。官能基R2
は樹脂成分と共重合する特性を有している。このような
構造では、官能基R1が電気構造物(具体的には、その
端子電極等)に直接結合(イオン結合、配位結合、キレ
ート結合等)する一方、官能基R2が導電性接着剤の樹
脂成分(図5中、Bで表示)と共重合する。なお、図5
に示した反応例では、電気構造物として、銅(Cu)を
用いたものを例示し、カップリング剤として、シラン
(Si)をメタル成分Mとするシランカップリンク剤を
用いたものを例示しているが、他の金属やたのカップリ
ング剤であっても同様であるのはいうまでもない。
【0067】本発明の構造では、電気構造物の金属成分
と導電性接着剤の樹脂成分Bとに対して、変性樹脂Aが
直接結合して両者(電気構造物と導電性接着剤)を接着
するので、その結合力は非常に強いものとなり、カップ
リング剤を用いた構造に比べても格段に向上している。
【0068】上述した各実施例においては、電子部品と
して1005サイズのチップ抵抗のみを例に示して説明
したが、他の表面実装部品やリード部品等に用いてもよ
いのは明らかである。また絶縁基板については、ガラス
エポキシ基板のみを示して説明したが、他の樹脂基板や
セラミック基板に適用しても良い。さらに、導電性接着
剤に含まれる導電性フィラとして Agフィラを有する
もののみを用いたが、他のフィラ、例えば Cu,N
i、Ag−Pb、Auコートプラスチック等を用いても
良い。
【0069】また、、端子電極金属として、CuとSn
Pbのみを示したが、絶縁基板や電子部品に一般的に使
用できる他の金属、すなわち、Au、Ag−Pb、Ag
等にも適用できる。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、導電性接着剤実装の課
題である、接着強度および耐湿信頼性を容易に解決する
ことができ、導電性接着剤を用いた実装技術の進展に大
きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の実装構造体の構造を示
す断面図である。
【図2】実施の形態の実装構造体の製造工程をそれぞれ
示す図である。
【図3】本発明の実施例の実装構造体の構造を示す断面
図である。
【図4】比較例の実装構造体の構造を示す断面図であ
る。
【図5】本発明の接着構造および従来の接着構造の説明
に供する図である。 1 電気構造物 2 端子電極 3 電気構造物
4 端子電極 5.導電性接着剤 6 第一層 7 第二層
8 導電性フィラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北江 孝史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 三谷 力 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4J040 DF041 EB031 EC061 EC062 ED091 GA06 GA07 GA13 GA14 GA15 GA16 GA17 GA21 GA22 GA25 GA27 HA066 JB07 JB10 KA03 KA32 LA06 LA07 LA09 MA02 NA19 5E319 AA03 AB05 BB11 CC61 5G301 DA03 DA57 DD03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気構造物と、この電気構造物に電気的
    に接続された導電性接着剤とを有し、 金属と結合する変性樹脂を前記導電性接着剤が含んでい
    る、 ことを特徴とする実装構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の実装構造体であって、 前記導電性接着剤は、少なくとも、前記電気構造物に当
    接する部位に前記変性樹脂を含んでいる、 ことを特徴とする実装構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の実装構造体であって、 前記導電性接着剤は、前記電気構造物に当接する第一層
    と、前記電気構造物に当接しない第二層とを備え、前記
    第一層は、前記第二層に比べて前記変性樹脂をより多く
    含んでいる、 ことを特徴とする実装構造体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の実
    装構造体であって、 前記導電性接着剤が電気的に接続されたもう一つの電気
    構造物を有し、このもう一つの電気構造物と前記電気構
    造物とは、前記導電性接着剤を介して互いに電気的に接
    続されている、 ことを特徴とする実装構造体。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の実
    装構造体であって、 前記変性樹脂は陰イオンを有するものである、 ことを特徴とする実装構造体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれに記載の実装
    構造体であって、 前記変性樹脂は配位子を有するものである、 ことを特徴とする実装構造体。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれかに記載の実
    装構造体であって、 前記変性樹脂は多座配位子を有するものである、 ことを特徴とする実装構造体。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の実
    装構造体であって、 前記変性樹脂と前記導電性接着剤のバインダ樹脂との間
    に共有結合が形成されている、 ことを特徴とする実装構造体。
  9. 【請求項9】 第一、第二の電気構造物の端子電極を、
    金属に結合する変性樹脂を溶解した溶液に浸漬する工程
    と、 前記端子電極から前記溶液の溶媒成分を蒸発除去するこ
    とで前記端子電極に前記変性樹脂を含む層を形成する工
    程と、 前記第一の電気構造物の前記端子電極上に形成した前記
    変性樹脂を含む層に、導電性接着剤を塗布する工程と、 前記端子電極どうしを互いに当接させて前記第一の電気
    構造物に前記第二の電気構造物を搭載する工程と、 前記導電性接着剤を加熱加圧により硬化させる工程と、 を含むことに特徴とする実装構造体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015515029A (ja) * 2012-04-25 2015-05-21 エイチピーオー アセッツ エルエルシー 導電性レンズ接続部及びその作製方法
CN114846911A (zh) * 2020-09-29 2022-08-02 株式会社村田制作所 伸缩性安装基板以及伸缩性安装基板的制造方法

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