JPH1187106A - Ptc素子の製造方法 - Google Patents
Ptc素子の製造方法Info
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- JPH1187106A JPH1187106A JP9242360A JP24236097A JPH1187106A JP H1187106 A JPH1187106 A JP H1187106A JP 9242360 A JP9242360 A JP 9242360A JP 24236097 A JP24236097 A JP 24236097A JP H1187106 A JPH1187106 A JP H1187106A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- sheet
- heating
- crystalline polyolefin
- ptc element
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 20℃においては極めて低い比抵抗を示し、
ピーク時には比抵抗が大きく、狭い温度範囲で比抵抗が
急激に上昇するPTC素子の製造方法を提供する。 【解決手段】 結晶性ポリオレフィンと導電性フィラー
とを混合し、混合物を成形して導電性シートを形成し、
得られた導電性シートの両面に金属板の電極を形成し、
しかる後に、結晶性ポリオレフィンの融点−5℃より低
い温度に加熱し、次いで、該加熱温度より低い温度に冷
却する加熱・冷却処理を繰り返し施すPTC素子の製造
方法。
ピーク時には比抵抗が大きく、狭い温度範囲で比抵抗が
急激に上昇するPTC素子の製造方法を提供する。 【解決手段】 結晶性ポリオレフィンと導電性フィラー
とを混合し、混合物を成形して導電性シートを形成し、
得られた導電性シートの両面に金属板の電極を形成し、
しかる後に、結晶性ポリオレフィンの融点−5℃より低
い温度に加熱し、次いで、該加熱温度より低い温度に冷
却する加熱・冷却処理を繰り返し施すPTC素子の製造
方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PTC(Positive
Temperature Coefficient、正温度係数)素子の製造方
法に関するものである。
Temperature Coefficient、正温度係数)素子の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PTC素子としては、従来、チタン酸バ
リウム系のものが最もよく知られている。しかし、最近
では、小形で低抵抗化ができるということから、高分子
物質中に導電性粒子を均一に分散させた導電性シートを
用いたPTC素子が開発されている。例えば、特開昭6
1−218117号公報、特開昭62−167358号
公報、特公昭64−3322号公報、特公平4−287
43号公報には、ポリオレフィン等の結晶性高分子と、
カーボンブラック、導電性ニッケル粒子等の導電性粒子
から成る導電性シートと電極から構成されるPTC素子
が開示されており、上記公報に開示されているPTC素
子は、いずれの場合にも、室温においては低い比抵抗を
示し、ピーク時においては高い比抵抗を示す。しかし、
低い比抵抗値から高い比抵抗値までに変化する温度の範
囲が広いので、過電流保護素子として用いる場合、比較
的低い電流値で素子が高抵抗状態に移行することにな
る。そのため、大電流の流れる回路に適用することが難
しく、使用範囲が狭いという欠点を有していた。
リウム系のものが最もよく知られている。しかし、最近
では、小形で低抵抗化ができるということから、高分子
物質中に導電性粒子を均一に分散させた導電性シートを
用いたPTC素子が開発されている。例えば、特開昭6
1−218117号公報、特開昭62−167358号
公報、特公昭64−3322号公報、特公平4−287
43号公報には、ポリオレフィン等の結晶性高分子と、
カーボンブラック、導電性ニッケル粒子等の導電性粒子
から成る導電性シートと電極から構成されるPTC素子
が開示されており、上記公報に開示されているPTC素
子は、いずれの場合にも、室温においては低い比抵抗を
示し、ピーク時においては高い比抵抗を示す。しかし、
低い比抵抗値から高い比抵抗値までに変化する温度の範
囲が広いので、過電流保護素子として用いる場合、比較
的低い電流値で素子が高抵抗状態に移行することにな
る。そのため、大電流の流れる回路に適用することが難
しく、使用範囲が狭いという欠点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この課題を解決するP
TC素子として、本発明者らは特開平8−298201
号公報において、20℃における比抵抗ρ20が1.8Ω
・cm以下であり、ピーク時の比抵抗ρP が2.0×1
06 Ω・cm以上であり、比抵抗が20℃における比抵
抗ρ20の106 倍になる温度Ta (℃)と比抵抗が20
℃における比抵抗ρ20の10倍になる温度Tb (℃)と
の差[Ta (℃)−Tb (℃)]が10℃以下であるP
TC素子を提案した。このようなPTC素子は20℃に
おける比抵抗が極めて低く、ピーク時の比抵抗が大き
く、狭い温度範囲で比抵抗が急激に上昇するので、大電
流の流れる回路にも好適に使用できる。しかしながら、
上記公報に開示されているPTC素子のうち、最もρ20
が低いものでも1.38Ω・cmであり、より小型で低
抵抗のPTC素子を開発するために、さらに比抵抗が低
いPTC素子の開発が望まれていた。
TC素子として、本発明者らは特開平8−298201
号公報において、20℃における比抵抗ρ20が1.8Ω
・cm以下であり、ピーク時の比抵抗ρP が2.0×1
06 Ω・cm以上であり、比抵抗が20℃における比抵
抗ρ20の106 倍になる温度Ta (℃)と比抵抗が20
℃における比抵抗ρ20の10倍になる温度Tb (℃)と
の差[Ta (℃)−Tb (℃)]が10℃以下であるP
TC素子を提案した。このようなPTC素子は20℃に
おける比抵抗が極めて低く、ピーク時の比抵抗が大き
く、狭い温度範囲で比抵抗が急激に上昇するので、大電
流の流れる回路にも好適に使用できる。しかしながら、
上記公報に開示されているPTC素子のうち、最もρ20
が低いものでも1.38Ω・cmであり、より小型で低
抵抗のPTC素子を開発するために、さらに比抵抗が低
いPTC素子の開発が望まれていた。
【0004】そこで、本発明の課題は、20℃において
は極めて低い比抵抗を示し、ピーク時には比抵抗が大き
く、しかも、狭い温度範囲で比抵抗が急激に上昇するP
TC素子の製造方法を提供することにある。
は極めて低い比抵抗を示し、ピーク時には比抵抗が大き
く、しかも、狭い温度範囲で比抵抗が急激に上昇するP
TC素子の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、結晶性ポリオレフ
ィンと導電性フィラーとを含む導電性シートを結晶性ポ
リオレフィンの融点−5℃より低い温度に加熱し、次い
で、該加熱温度より低い温度に冷却する加熱・冷却処理
を繰り返し施すことにより上記課題が解決できることを
見い出し、本発明に到達した。
を解決するために鋭意研究した結果、結晶性ポリオレフ
ィンと導電性フィラーとを含む導電性シートを結晶性ポ
リオレフィンの融点−5℃より低い温度に加熱し、次い
で、該加熱温度より低い温度に冷却する加熱・冷却処理
を繰り返し施すことにより上記課題が解決できることを
見い出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、結晶性ポリオ
レフィンと導電性フィラーとを混合し、混合物を成形し
て導電性シートを形成し、得られた導電性シートの両面
に金属板の電極を形成し、しかる後に、結晶性ポリオレ
フィンの融点−5℃より低い温度に加熱し、次いで、該
加熱温度より低い温度に冷却する加熱・冷却処理を繰り
返し施すことを特徴とするPTC素子の製造方法であ
る。
レフィンと導電性フィラーとを混合し、混合物を成形し
て導電性シートを形成し、得られた導電性シートの両面
に金属板の電極を形成し、しかる後に、結晶性ポリオレ
フィンの融点−5℃より低い温度に加熱し、次いで、該
加熱温度より低い温度に冷却する加熱・冷却処理を繰り
返し施すことを特徴とするPTC素子の製造方法であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明においては、結晶性ポリオレフィンと導電
性フィラーとを混合し、混合物を成形して導電性シート
を形成する。本発明において、結晶性ポリオレフィンは
導電性フィラーのマトリックスとなるものであるが、か
かる結晶性ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレンとプロピレンのコポリマー等のポリ
オレフィンが挙げられ、その1種又はそれ以上の結晶性
ポリオレフィンが使用されるが、ポリエチレンが好まし
く、高密度ポリエチレンがより好ましい。また、かかる
結晶性ポリオレフィンは示差走査熱量解析(DSC)に
よって測定した結晶化度が少なくとも10%のものであ
り、好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以
上である。
まず、本発明においては、結晶性ポリオレフィンと導電
性フィラーとを混合し、混合物を成形して導電性シート
を形成する。本発明において、結晶性ポリオレフィンは
導電性フィラーのマトリックスとなるものであるが、か
かる結晶性ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレンとプロピレンのコポリマー等のポリ
オレフィンが挙げられ、その1種又はそれ以上の結晶性
ポリオレフィンが使用されるが、ポリエチレンが好まし
く、高密度ポリエチレンがより好ましい。また、かかる
結晶性ポリオレフィンは示差走査熱量解析(DSC)に
よって測定した結晶化度が少なくとも10%のものであ
り、好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以
上である。
【0008】結晶性ポリオレフィンのメルトフローレー
トは0.01〜15が好ましく、0.1〜12がより好
ましく、1〜8がさらに好ましい。メルトフローレート
が15を超える場合は、後述の[Ta (℃)−T
b (℃)]が10℃より大きくなる傾向にあり、大電流
の流れる回路に適用することが難しくなり、メルトフロ
ーレートが0.01未満の場合には、導電性シートの成
形性が低下し易くなる。
トは0.01〜15が好ましく、0.1〜12がより好
ましく、1〜8がさらに好ましい。メルトフローレート
が15を超える場合は、後述の[Ta (℃)−T
b (℃)]が10℃より大きくなる傾向にあり、大電流
の流れる回路に適用することが難しくなり、メルトフロ
ーレートが0.01未満の場合には、導電性シートの成
形性が低下し易くなる。
【0009】ここで、メルトフローレートとは、特定の
試験条件のもとで一定の時間内に押し出されるポリオレ
フィンの重量(g)のことであり、JIS K 721
0に規定されている方法で測定されるものである。本発
明においてポリエチレンの場合は、JIS K 721
0の試験条件(試験温度190℃、試験荷重2.16K
gf[21.18N])、ポリプロピレンの場合は、J
IS K 7210の試験条件(試験温度230℃、試
験荷重2.16Kgf[21.18N])を採用して測
定する。
試験条件のもとで一定の時間内に押し出されるポリオレ
フィンの重量(g)のことであり、JIS K 721
0に規定されている方法で測定されるものである。本発
明においてポリエチレンの場合は、JIS K 721
0の試験条件(試験温度190℃、試験荷重2.16K
gf[21.18N])、ポリプロピレンの場合は、J
IS K 7210の試験条件(試験温度230℃、試
験荷重2.16Kgf[21.18N])を採用して測
定する。
【0010】また、導電性シートを製造するために使用
する結晶性ポリオレフィンの形状は粒子状、ペレット状
等いずれの形状でもよく、特に限定されない。
する結晶性ポリオレフィンの形状は粒子状、ペレット状
等いずれの形状でもよく、特に限定されない。
【0011】次に、上記結晶性ポリオレフィンと混合し
て導電性シートを形成する導電性フィラーとしては、N
i、Cu等の金属フィラー、グラファイト、アセチレン
ブラック等のカーボンブラック、フルフリルアルコール
樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を不活性雰囲気
中又は真空中で炭素化して得られるグラッシーカーボン
等の炭素系導電性フィラー、炭素繊維、金属繊維等の導
電性繊維及びこれらの混合物が使用できる。この中で
も、グラッシーカーボンからなる導電性フィラーが好ま
しい。その中でも特に、球状フェノール樹脂を不活性雰
囲気中又は真空中、1000℃以上の温度で焼成して得
られる粒状グラッシーカーボンが好ましい。球状フェノ
ール樹脂の製造方法は特公平5−72924号公報に開
示されており、また、市販品も入手することができる。
て導電性シートを形成する導電性フィラーとしては、N
i、Cu等の金属フィラー、グラファイト、アセチレン
ブラック等のカーボンブラック、フルフリルアルコール
樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を不活性雰囲気
中又は真空中で炭素化して得られるグラッシーカーボン
等の炭素系導電性フィラー、炭素繊維、金属繊維等の導
電性繊維及びこれらの混合物が使用できる。この中で
も、グラッシーカーボンからなる導電性フィラーが好ま
しい。その中でも特に、球状フェノール樹脂を不活性雰
囲気中又は真空中、1000℃以上の温度で焼成して得
られる粒状グラッシーカーボンが好ましい。球状フェノ
ール樹脂の製造方法は特公平5−72924号公報に開
示されており、また、市販品も入手することができる。
【0012】上記の粒状グラッシーカーボンの平均粒径
は1〜50μmが好ましく、5〜20μmがより好まし
い。平均粒径1μm未満の場合は、ピーク比抵抗ρP が
小さくなる傾向にあり、一方、50μmより大きい場合
は、粒子間で火花が発生し易くなる。本発明において平
均粒径とは、100個以上の粒状グラッシーカーボンを
視野内にスケールを有する倍率200倍の顕微鏡で観察
し、その内の100個の平均粒径をいう。
は1〜50μmが好ましく、5〜20μmがより好まし
い。平均粒径1μm未満の場合は、ピーク比抵抗ρP が
小さくなる傾向にあり、一方、50μmより大きい場合
は、粒子間で火花が発生し易くなる。本発明において平
均粒径とは、100個以上の粒状グラッシーカーボンを
視野内にスケールを有する倍率200倍の顕微鏡で観察
し、その内の100個の平均粒径をいう。
【0013】結晶性ポリオレフィンと導電性フィラーの
混合比は、重量比で20:80〜80:20が好まし
く、30:70〜70:30がより好ましく、40:6
0〜50:50がさらに好ましい。結晶性ポリオフィン
が20重量%未満では、導電性シートの強度が弱くなる
傾向にあり、80重量%を超えると十分な導電性が得ら
れ難いこともある。また、導電性シートには本発明の効
果を損なわない範囲で10重量%以下で、アルミナ、水
酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウ
ム、タルク、ガラスビーズ等の無機フィラー及び酸化防
止剤等を添加することもできる。
混合比は、重量比で20:80〜80:20が好まし
く、30:70〜70:30がより好ましく、40:6
0〜50:50がさらに好ましい。結晶性ポリオフィン
が20重量%未満では、導電性シートの強度が弱くなる
傾向にあり、80重量%を超えると十分な導電性が得ら
れ難いこともある。また、導電性シートには本発明の効
果を損なわない範囲で10重量%以下で、アルミナ、水
酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウ
ム、タルク、ガラスビーズ等の無機フィラー及び酸化防
止剤等を添加することもできる。
【0014】結晶性ポリオレフィンと導電性フィラーと
を混合するに際しては、ニーダー、ロールミル、バンバ
リーミキサー、プラストミル、押出機(単軸、多軸)等
の溶融混練装置、又はヘンシェルミキサー等のドライブ
レンド装置が用いられる。
を混合するに際しては、ニーダー、ロールミル、バンバ
リーミキサー、プラストミル、押出機(単軸、多軸)等
の溶融混練装置、又はヘンシェルミキサー等のドライブ
レンド装置が用いられる。
【0015】上記の混合物を成形して導電性シートを形
成するに際しては、例えば、加熱加圧成形、押出成形、
射出成形等の溶融成形法が用いられる。上記混合と成形
を溶融成形法により一段階で行い導電性シートを作製す
ることもできるが、より均一な導電性シートを得るため
に、まず結晶性ポリオレフィンと導電性フィラーとを混
合し、この混合を成形することが好ましい。溶融成形
(溶融混練を含む)時の成形温度としては、結晶性ポリ
オレフィンの融点〜融点+150℃が好ましく、融点+
10℃〜融点+100℃がより好ましい。融点より低い
温度の場合は均一な混合ができない傾向にあり、融点+
150℃より高い温度では結晶性ポリオレフィンが劣化
する傾向にある。
成するに際しては、例えば、加熱加圧成形、押出成形、
射出成形等の溶融成形法が用いられる。上記混合と成形
を溶融成形法により一段階で行い導電性シートを作製す
ることもできるが、より均一な導電性シートを得るため
に、まず結晶性ポリオレフィンと導電性フィラーとを混
合し、この混合を成形することが好ましい。溶融成形
(溶融混練を含む)時の成形温度としては、結晶性ポリ
オレフィンの融点〜融点+150℃が好ましく、融点+
10℃〜融点+100℃がより好ましい。融点より低い
温度の場合は均一な混合ができない傾向にあり、融点+
150℃より高い温度では結晶性ポリオレフィンが劣化
する傾向にある。
【0016】次に、本発明においては、上記の導電性シ
ートの両面に金属板の電極を形成する。電極としては、
銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、鉄合
金、銅合金等の金属板が挙げられる。この中でも特に、
銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス等の電解箔又
は圧延箔、及びこれらの金属箔に異種金属をメッキした
ものが好ましく、成形時における酸化により抵抗が上昇
しにくいニッケル箔又はニッケルメッキ箔を使用するこ
とが好ましい。また、粗面化処理を施してある金属箔も
使用できる。なお、金、銀等も使用できるがコストが高
くなる。
ートの両面に金属板の電極を形成する。電極としては、
銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、鉄合
金、銅合金等の金属板が挙げられる。この中でも特に、
銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス等の電解箔又
は圧延箔、及びこれらの金属箔に異種金属をメッキした
ものが好ましく、成形時における酸化により抵抗が上昇
しにくいニッケル箔又はニッケルメッキ箔を使用するこ
とが好ましい。また、粗面化処理を施してある金属箔も
使用できる。なお、金、銀等も使用できるがコストが高
くなる。
【0017】上記の電極の形成に際しては、具体的に
は、導電性シートの両面を金属板で挟んで、加熱加圧成
形、すなわち、加熱下に加圧する成形により金属板の電
極を形成する。加熱加圧成形時の加熱温度は、結晶性ポ
リオレフィンの融点〜融点+150℃が好ましく、融点
+10℃〜融点+100℃がより好ましい。融点より低
い温度の場合は、金属板と導電性シートとの接着強度が
十分でなく、融点+150℃より高い温度では、結晶性
ポリオレフィンが劣化する傾向にある。また、加熱加圧
成形時の圧力は、1〜3000Kg/cm2 が好まし
く、2〜2000Kg/cm2 がより好ましい。さら
に、成形時間は、1〜3600秒間が好ましく、10〜
1800秒間がより好ましい。圧力が1Kg/cm2 よ
り小さい場合や、成形時間が1秒間より短い場合は、金
属板と導電性シートとの接着強度が十分でないことがあ
る。また、圧力が3000Kg/cm2 を超える場合
や、成形時間が3600秒間を超える場合は不経済であ
る。
は、導電性シートの両面を金属板で挟んで、加熱加圧成
形、すなわち、加熱下に加圧する成形により金属板の電
極を形成する。加熱加圧成形時の加熱温度は、結晶性ポ
リオレフィンの融点〜融点+150℃が好ましく、融点
+10℃〜融点+100℃がより好ましい。融点より低
い温度の場合は、金属板と導電性シートとの接着強度が
十分でなく、融点+150℃より高い温度では、結晶性
ポリオレフィンが劣化する傾向にある。また、加熱加圧
成形時の圧力は、1〜3000Kg/cm2 が好まし
く、2〜2000Kg/cm2 がより好ましい。さら
に、成形時間は、1〜3600秒間が好ましく、10〜
1800秒間がより好ましい。圧力が1Kg/cm2 よ
り小さい場合や、成形時間が1秒間より短い場合は、金
属板と導電性シートとの接着強度が十分でないことがあ
る。また、圧力が3000Kg/cm2 を超える場合
や、成形時間が3600秒間を超える場合は不経済であ
る。
【0018】次に、本発明においては、両面に電極が成
形された導電性シートを、結晶性ポリオレフィンの融点
−5℃より低い温度に加熱し、次いで、該加熱温度より
低い温度に冷却する加熱・冷却処理を繰り返し施す。こ
こで、融点とは示差走査熱量解析(DSC)により形成
される曲線のピークを示す温度のことである。2種類以
上の結晶性ポリオレフィンをマトリックスとして用いた
場合には、融点はピークの最小から取る。
形された導電性シートを、結晶性ポリオレフィンの融点
−5℃より低い温度に加熱し、次いで、該加熱温度より
低い温度に冷却する加熱・冷却処理を繰り返し施す。こ
こで、融点とは示差走査熱量解析(DSC)により形成
される曲線のピークを示す温度のことである。2種類以
上の結晶性ポリオレフィンをマトリックスとして用いた
場合には、融点はピークの最小から取る。
【0019】上記の加熱・冷却処理は得られるPTC素
子の抵抗値を低下させるために行われるものである。加
熱・冷却処理は通常導電性シートを所望の大きさに切り
出して行う。加熱・冷却処理における加熱温度は、融点
−5℃より低い温度であり、融点−50℃〜融点−6℃
が好ましく、融点−30℃〜融点−10℃がより好まし
い。加熱時間は1秒〜1時間が好ましく、5秒〜30分
間がより好ましく、10秒〜10分がさらに好ましい。
加熱温度、加熱時間が上記以外の範囲であると、充分に
抵抗値が低下しない傾向にある。また、冷却温度は、上
記加熱温度より低い温度であり、加熱温度−20℃以下
が好ましく、加熱温度−30℃以下がより好ましい。冷
却時間は特に制限は受けない。上記加熱・冷却処理の繰
り返し数は、3回以上が好ましく、5回以上がより好ま
しく、10回以上がさらに好ましい。繰り返し数が3回
より少ない場合は、充分に抵抗値が低下しない傾向にあ
る。
子の抵抗値を低下させるために行われるものである。加
熱・冷却処理は通常導電性シートを所望の大きさに切り
出して行う。加熱・冷却処理における加熱温度は、融点
−5℃より低い温度であり、融点−50℃〜融点−6℃
が好ましく、融点−30℃〜融点−10℃がより好まし
い。加熱時間は1秒〜1時間が好ましく、5秒〜30分
間がより好ましく、10秒〜10分がさらに好ましい。
加熱温度、加熱時間が上記以外の範囲であると、充分に
抵抗値が低下しない傾向にある。また、冷却温度は、上
記加熱温度より低い温度であり、加熱温度−20℃以下
が好ましく、加熱温度−30℃以下がより好ましい。冷
却時間は特に制限は受けない。上記加熱・冷却処理の繰
り返し数は、3回以上が好ましく、5回以上がより好ま
しく、10回以上がさらに好ましい。繰り返し数が3回
より少ない場合は、充分に抵抗値が低下しない傾向にあ
る。
【0020】なお、必要に応じて、導電性シートに金属
板の電極を形成した後上記加熱・冷却処理に先立って、
導電性シートと電極との密着性をより強固にし、また、
より安定したPTC特性を得るために、熱処理をするこ
とが好ましい。この際の熱処理の温度は結晶性ポリオレ
フィンの融点〜融点+100℃が好ましく、融点〜融点
+60℃がより好ましく、融点〜融点+40℃がさらに
好ましい。また、熱処理時間は、0.1〜20時間が好
ましく、0.2〜10時間がより好ましい。
板の電極を形成した後上記加熱・冷却処理に先立って、
導電性シートと電極との密着性をより強固にし、また、
より安定したPTC特性を得るために、熱処理をするこ
とが好ましい。この際の熱処理の温度は結晶性ポリオレ
フィンの融点〜融点+100℃が好ましく、融点〜融点
+60℃がより好ましく、融点〜融点+40℃がさらに
好ましい。また、熱処理時間は、0.1〜20時間が好
ましく、0.2〜10時間がより好ましい。
【0021】かくして、本発明の製造方法によると、結
晶性ポリオレフィンのマトリックスと導電性フィラーか
らなる導電性シートの両面に金属板の電極が設けられた
PTC素子であって、20℃における比抵抗ρ20が1.
3Ω・cm以下であり、ピーク時の比抵抗ρP が2.0
×106 Ω・cm以上であり、比抵抗が20℃における
比抵抗ρ20の106 倍になる温度Ta (℃)と比抵抗が
20℃における比抵抗ρ20の10倍になる温度T
b (℃)との差[Ta (℃)−Tb (℃)]が10℃以
下のPTC素子を容易に得ることができる。
晶性ポリオレフィンのマトリックスと導電性フィラーか
らなる導電性シートの両面に金属板の電極が設けられた
PTC素子であって、20℃における比抵抗ρ20が1.
3Ω・cm以下であり、ピーク時の比抵抗ρP が2.0
×106 Ω・cm以上であり、比抵抗が20℃における
比抵抗ρ20の106 倍になる温度Ta (℃)と比抵抗が
20℃における比抵抗ρ20の10倍になる温度T
b (℃)との差[Ta (℃)−Tb (℃)]が10℃以
下のPTC素子を容易に得ることができる。
【0022】本発明の製造方法により製造されるPTC
素子の20℃における比抵抗ρ20は、1.3Ω・cm以
下、好ましくは1.2Ω・cm以下、より好ましくは
1.1Ω・cm以下である。ρ20は小さい程好ましい
が、実用的な下限は0.1Ω・cmである。ρ20が1.
3Ω・cmより大きい場合は、小形で低抵抗のPTC素
子の作製が困難となる。
素子の20℃における比抵抗ρ20は、1.3Ω・cm以
下、好ましくは1.2Ω・cm以下、より好ましくは
1.1Ω・cm以下である。ρ20は小さい程好ましい
が、実用的な下限は0.1Ω・cmである。ρ20が1.
3Ω・cmより大きい場合は、小形で低抵抗のPTC素
子の作製が困難となる。
【0023】また、上記PTC素子のピーク時の比抵抗
ρP は、2.0×106 Ω・cm以上、好ましくは5.
0×106 Ω・cm以上、より好ましくは1.0×10
7 Ω・cm以上である。ρP は大きい程好ましいが、実
用的な上限は1×1010Ω・cmである。ρP が2.0
×106 Ω・cm未満の場合は、高い電圧のかかる回路
に使用することが難しい。
ρP は、2.0×106 Ω・cm以上、好ましくは5.
0×106 Ω・cm以上、より好ましくは1.0×10
7 Ω・cm以上である。ρP は大きい程好ましいが、実
用的な上限は1×1010Ω・cmである。ρP が2.0
×106 Ω・cm未満の場合は、高い電圧のかかる回路
に使用することが難しい。
【0024】さらに、PTC素子は、比抵抗が20℃に
おける比抵抗ρ20の106 倍になる温度Ta (℃)と比
抵抗が20℃における比抵抗ρ20の10倍になる温度T
b (℃)との差[Ta (℃)−Tb (℃)]は10℃以
下である。この温度差は8℃以下が好ましく、6℃以下
がより好ましい。この温度差は小さい程好ましいが、実
用的な下限は1℃である。[Ta (℃)−Tb (℃)]
が10℃より大きい場合は、大電流の流れる回路に適用
することが難しくなる。
おける比抵抗ρ20の106 倍になる温度Ta (℃)と比
抵抗が20℃における比抵抗ρ20の10倍になる温度T
b (℃)との差[Ta (℃)−Tb (℃)]は10℃以
下である。この温度差は8℃以下が好ましく、6℃以下
がより好ましい。この温度差は小さい程好ましいが、実
用的な下限は1℃である。[Ta (℃)−Tb (℃)]
が10℃より大きい場合は、大電流の流れる回路に適用
することが難しくなる。
【0025】本発明においてPTC素子の比抵抗は、P
TC素子の抵抗値と次式(1)を用いて算出することが
できる。 ρ=R(A/t) (1) ρ;PTC素子の比抵抗(Ω・cm) R;PTC素子の抵抗値(Ω) A;PTC素子の電極面積(cm2) t;PTC素子の電極間で電流の流れる平均行程長 (電極を含めた厚み)(cm) したがって、20℃における比抵抗ρ20はPTC素子の
20℃での抵抗値から式(1)を用いて求められる。ま
た、PTC素子を外部加熱して20℃から1℃/分で昇
温していき、測定された抵抗値と式(1)から温度に対
する比抵抗の値が求められ、この結果から、ρP 、
Ta 、Tb が容易に求められる。
TC素子の抵抗値と次式(1)を用いて算出することが
できる。 ρ=R(A/t) (1) ρ;PTC素子の比抵抗(Ω・cm) R;PTC素子の抵抗値(Ω) A;PTC素子の電極面積(cm2) t;PTC素子の電極間で電流の流れる平均行程長 (電極を含めた厚み)(cm) したがって、20℃における比抵抗ρ20はPTC素子の
20℃での抵抗値から式(1)を用いて求められる。ま
た、PTC素子を外部加熱して20℃から1℃/分で昇
温していき、測定された抵抗値と式(1)から温度に対
する比抵抗の値が求められ、この結果から、ρP 、
Ta 、Tb が容易に求められる。
【0026】本発明の製造方法により製造されるPTC
素子の厚み(電極を含めた厚み)(mm)は、0.1m
m〜5mmが好ましく、0.1mm〜1mmがより好ま
しく、0.2mm〜0.4mmがさらに好ましい。厚み
が0.1mmより薄い場合はPTC素子の機械的強度が
弱くなる傾向にあり、厚みが5mmより厚い場合はPT
C素子の抵抗が高くなる傾向にある。
素子の厚み(電極を含めた厚み)(mm)は、0.1m
m〜5mmが好ましく、0.1mm〜1mmがより好ま
しく、0.2mm〜0.4mmがさらに好ましい。厚み
が0.1mmより薄い場合はPTC素子の機械的強度が
弱くなる傾向にあり、厚みが5mmより厚い場合はPT
C素子の抵抗が高くなる傾向にある。
【0027】上記のようにして製造されたPTC素子の
大きさは、使用される機器の回路により、又は、過電圧
や過電流により異なるが、一般的には電極面積0.05
cm2 〜10cm2 の範囲で使用される。また、その形
状も円筒状のもの、角形のもの、ドーナツ状のものなど
種々の形状にして使用される。本発明の製造方法により
製造されるPTC素子は、ノート型パソコン、携帯電
話、小型プリンタ等の電池を電源とした小型電子機器等
において、半導体メモリー、CPU(中央演算素子)等
を過電流から保護するための過電流保護素子として好適
に利用することができる。
大きさは、使用される機器の回路により、又は、過電圧
や過電流により異なるが、一般的には電極面積0.05
cm2 〜10cm2 の範囲で使用される。また、その形
状も円筒状のもの、角形のもの、ドーナツ状のものなど
種々の形状にして使用される。本発明の製造方法により
製造されるPTC素子は、ノート型パソコン、携帯電
話、小型プリンタ等の電池を電源とした小型電子機器等
において、半導体メモリー、CPU(中央演算素子)等
を過電流から保護するための過電流保護素子として好適
に利用することができる。
【0028】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。 実施例1 メルトフローレートが2.5の高密度ポリエチレン粉末
(融点135℃、ダウ社製)4.5Kg、球状フェノー
ル樹脂を2000℃で焼成した平均粒径15μmである
粒状グラッシーカーボン(GCP−30H、ユニチカ社
製)5.5Kgをヘンシェルミキサーを用いてドライブ
レンドした。この混合物を二軸押出機(成形温度200
℃)を用いてチップ状にし、次いで、Tダイスが接続さ
れた二軸押出機(成形温度200℃)を用いて、上記チ
ップから厚み0.35mmの導電性シートを作製した。
このようにして得られた導電性シートをニッケル箔(E
Ni−T、厚み25μm、福田金属箔粉工業社製)で挟
み、160℃、10Kg/cm2 で5分間加熱プレスを
行った後、加圧下で冷却して導電性シートの両面に金属
箔電極が形成された厚み0.33mmのシートを得た。
次いで、このシートに150℃で1時間の熱処理を施し
後、このシートから直径15mmの円盤を打ち抜き、こ
の円盤を110℃で3分間加熱し、次いで、50℃で1
0分間冷却する加熱・冷却処理を50回行いPTC素子
を作製した。
に説明する。 実施例1 メルトフローレートが2.5の高密度ポリエチレン粉末
(融点135℃、ダウ社製)4.5Kg、球状フェノー
ル樹脂を2000℃で焼成した平均粒径15μmである
粒状グラッシーカーボン(GCP−30H、ユニチカ社
製)5.5Kgをヘンシェルミキサーを用いてドライブ
レンドした。この混合物を二軸押出機(成形温度200
℃)を用いてチップ状にし、次いで、Tダイスが接続さ
れた二軸押出機(成形温度200℃)を用いて、上記チ
ップから厚み0.35mmの導電性シートを作製した。
このようにして得られた導電性シートをニッケル箔(E
Ni−T、厚み25μm、福田金属箔粉工業社製)で挟
み、160℃、10Kg/cm2 で5分間加熱プレスを
行った後、加圧下で冷却して導電性シートの両面に金属
箔電極が形成された厚み0.33mmのシートを得た。
次いで、このシートに150℃で1時間の熱処理を施し
後、このシートから直径15mmの円盤を打ち抜き、こ
の円盤を110℃で3分間加熱し、次いで、50℃で1
0分間冷却する加熱・冷却処理を50回行いPTC素子
を作製した。
【0029】このPTC素子の20℃における抵抗値
(R20)を調べたところ、14.9mΩであった。この
抵抗値から式(1)に従いρ20を算出したところ、0.
80Ω・cmであった。このPTC素子を外部加熱して
20℃から1℃/分で昇温して測定した抵抗値を(1)
式を用いて換算し、温度に対する比抵抗の値を求めた。
その結果、ρP を示す温度(TρP )が130℃であ
り、ρP が1.5×107Ω・cmであり、Ta が12
9℃、Tb が124℃であり、[Ta −Tb ]は5℃で
あった。表1にこれらの物性値を示す。
(R20)を調べたところ、14.9mΩであった。この
抵抗値から式(1)に従いρ20を算出したところ、0.
80Ω・cmであった。このPTC素子を外部加熱して
20℃から1℃/分で昇温して測定した抵抗値を(1)
式を用いて換算し、温度に対する比抵抗の値を求めた。
その結果、ρP を示す温度(TρP )が130℃であ
り、ρP が1.5×107Ω・cmであり、Ta が12
9℃、Tb が124℃であり、[Ta −Tb ]は5℃で
あった。表1にこれらの物性値を示す。
【0030】実施例2 結晶性ポリオレフィンとしてメルトフローレートが6.
0の高密度ポリエチレン粉末(フローセンM、融点12
7℃、住友精化社製)を使用した以外は、実施例1と同
様にしてPTC素子を作製し、物性値を測定した。その
結果を表1に示す。
0の高密度ポリエチレン粉末(フローセンM、融点12
7℃、住友精化社製)を使用した以外は、実施例1と同
様にしてPTC素子を作製し、物性値を測定した。その
結果を表1に示す。
【0031】実施例3 結晶性ポリオレフィンと導電性フィラーの配合比を、メ
ルトフローレートが6.0の高密度ポリエチレン粉末
(フローセンM、融点127℃、住友精化社製)4.8
Kg、球状フェノール樹脂を2000℃で焼成した平均
粒径15μmである粒状グラッシーカーボン(GCP−
30H、ユニチカ社製)5.2Kgとした以外は、実施
例1と同様にしてPTC素子を作製し、物性値を測定し
た。その結果を表1に示す。
ルトフローレートが6.0の高密度ポリエチレン粉末
(フローセンM、融点127℃、住友精化社製)4.8
Kg、球状フェノール樹脂を2000℃で焼成した平均
粒径15μmである粒状グラッシーカーボン(GCP−
30H、ユニチカ社製)5.2Kgとした以外は、実施
例1と同様にしてPTC素子を作製し、物性値を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0032】比較例 実施例3において加熱・冷却処理条件を127℃で20
秒間加熱、20℃で5分間冷却に変更した以外は、実施
例3と同様にしてPTC素子を作製し、物性値を測定し
た。その結果を表1に示す。
秒間加熱、20℃で5分間冷却に変更した以外は、実施
例3と同様にしてPTC素子を作製し、物性値を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように本発明の製造方法
により製造されたPTC素子は、20℃においては極め
て低い比抵抗を示し、且つピーク時の比抵抗が大きく、
さらに狭い温度範囲で比抵抗が急激に上昇することがわ
かる。
により製造されたPTC素子は、20℃においては極め
て低い比抵抗を示し、且つピーク時の比抵抗が大きく、
さらに狭い温度範囲で比抵抗が急激に上昇することがわ
かる。
【0035】
【発明の効果】本発明の製造方法よると、20℃におけ
る比抵抗が極めて低く、ピーク時の比抵抗が大きく、狭
い温度範囲で比抵抗が急激に上昇しする低抵抗のPTC
素子を容易に製造することができる。そして、かかるP
TC素子は大電流の流れる電気デバイスにも好適に使用
できる。
る比抵抗が極めて低く、ピーク時の比抵抗が大きく、狭
い温度範囲で比抵抗が急激に上昇しする低抵抗のPTC
素子を容易に製造することができる。そして、かかるP
TC素子は大電流の流れる電気デバイスにも好適に使用
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 結晶性ポリオレフィンと導電性フィラー
とを混合し、混合物を成形して導電性シートを形成し、
得られた導電性シートの両面に金属板の電極を形成し、
しかる後に、結晶性ポリオレフィンの融点−5℃より低
い温度に加熱し、次いで、該加熱温度より低い温度に冷
却する加熱・冷却処理を繰り返し施すことを特徴とする
PTC素子の製造方法。 - 【請求項2】 導電性フィラーが平均粒径1〜50μm
の粒状グラッシーカーボンであることを特徴とする請求
項1記載のPTC素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9242360A JPH1187106A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | Ptc素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9242360A JPH1187106A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | Ptc素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1187106A true JPH1187106A (ja) | 1999-03-30 |
Family
ID=17088035
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9242360A Pending JPH1187106A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | Ptc素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1187106A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010079845A (ko) * | 1999-07-16 | 2001-08-22 | 하네타 유이치 | 정온도 계수 소자 및 그 제조 방법 |
JP2015506579A (ja) * | 2011-12-31 | 2015-03-02 | 上海長園維安電子線路保護有限公司 | 高分子系導電性複合材料及びptc素子 |
CN114149630A (zh) * | 2021-12-16 | 2022-03-08 | 四川大学 | 一种居里温度可调的聚合物基ptc复合材料及其制备 |
-
1997
- 1997-09-08 JP JP9242360A patent/JPH1187106A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010079845A (ko) * | 1999-07-16 | 2001-08-22 | 하네타 유이치 | 정온도 계수 소자 및 그 제조 방법 |
JP2015506579A (ja) * | 2011-12-31 | 2015-03-02 | 上海長園維安電子線路保護有限公司 | 高分子系導電性複合材料及びptc素子 |
CN114149630A (zh) * | 2021-12-16 | 2022-03-08 | 四川大学 | 一种居里温度可调的聚合物基ptc复合材料及其制备 |
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