JPH1186647A - 酸化物超電導導体 - Google Patents

酸化物超電導導体

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JPH1186647A
JPH1186647A JP9237477A JP23747797A JPH1186647A JP H1186647 A JPH1186647 A JP H1186647A JP 9237477 A JP9237477 A JP 9237477A JP 23747797 A JP23747797 A JP 23747797A JP H1186647 A JPH1186647 A JP H1186647A
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康裕 飯島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化物超電導層からの元素の拡散を防止する
拡散防止層により、超電導特性に優れる酸化物超電導導
体を提供する。 【解決手段】 テープ状の基材21と、この基材21の
面状に形成されて多数の結晶粒が結合されてなる配向制
御多結晶中間薄膜22と、配向制御多結晶中間薄膜22
上に形成された拡散防止層23と、拡散防止層23上に
形成された酸化物超電導層24を具備してなり、また、
拡散防止層23はY23とCeO2の少なくとも一つか
らなるものであることを特徴とする酸化物超電導導体2
0を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物超電導導体
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年に発見された酸化物超電導体は、液
体窒素温度以上の臨界温度を示す優れた超電導体である
が、この酸化物超電導体を使用するには、種々の問題点
があり、その内の1つに酸化物超電導体の臨界電流密度
が低いという問題がある。
【0003】この問題は、酸化物超電導体の結晶に電気
的な異方性が存在することが大きな原因であり、酸化物
超電導体は、その結晶軸のa軸方向とb軸方向には電気
を流し易いが、c軸方向には電気を流しにくい。そこ
で、酸化物超電導体を基材上に形成して超電導体として
使用するには、基材上に結晶配向性の良好な酸化物超電
導体を形成し、電気を流そうとする方向に酸化物超電導
体の結晶のa軸あるいはb軸を配向させ、その他の方向
にc軸を配向させる必要がある。
【0004】上述のように、酸化物超電導体を導電体と
して使用するためには、テープ状などの長尺の基材上
に、結晶配向性の良好な酸化物超電導層を形成する必要
がある。ところが、金属テープの基材上に酸化物超電導
層を直接形成すると、金属テープ自体が多結晶体でその
結晶構造も酸化物超電導体と大きく異なるために、結晶
配向性の良好な酸化物超電導層を形成させることができ
ない。
【0005】そこで本発明者らは、図12に示すような
ハステロイテープなどの金属テープからなる基材1の上
にイットリウム安定化ジルコニア(YSZ)などの配向
制御多結晶中間薄膜2を形成し、この配向制御多結晶中
間薄膜2上に、酸化物超電導体の中でも臨界温度が約9
0Kであり安定性に優れたY1Ba2Cu3Ox系の超電導
層3を形成することで超電導特性の優れた酸化物超電導
導体10を製造する試みを種々行なっている。このよう
な試みの中から本発明者らは先に、特願平3ー1268
36号、特願平3ー126837号、特願平3ー205
551号、特願平4ー13443号、特願平4ー293
464号などにおいて特許出願を行なっている。
【0006】これらの特許出願に記載された技術によれ
ば、金属テープの基材の片面にスパッタ装置により配向
制御多結晶中間薄膜を形成する際に、スパッタリングと
同時に基材成膜面の斜め方向からイオンビームを照射し
ながら配向制御多結晶中間薄膜を成膜する方法(イオン
ビームアシストスパッタリング法)により、結晶配向性
に優れた配向制御多結晶中間薄膜を形成することができ
るものである。この方法によれば、配向制御多結晶中間
薄膜を形成する多数の結晶粒のそれぞれの結晶格子のa
軸あるいはb軸で形成する粒界傾角を30度以下に揃え
ることができ、結晶配向性に優れた配向制御多結晶中間
薄膜を形成することができる。そして更に、この中間薄
膜上にYBaCuO系の超電導層をレーザー蒸着法等に
より成膜するならば、酸化物超電導層の結晶配向性も優
れたものになり、臨界電流密度が高い酸化物超電導層を
形成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
酸化物超電導導体においては、酸化物超電導層の形成時
に配向制御多結晶中間薄膜を有する基材を加熱する必要
があり、配向制御多結晶中間薄膜としてY23で安定化
したジルコニア(YSZ)膜を使用している場合には、
この加熱により、配向制御多結晶中間薄膜と酸化物超電
導層との界面で、酸化物超電導層内のBa原子が配向制
御多結晶中間薄膜中へ拡散する現象が起きる。具体的に
は、酸化物超電導層の配向制御多結晶中間薄膜との界面
付近では、Ba原子が存在しない領域が発生し、一方、
配向制御多結晶中間薄膜の酸化物超電導層との界面付近
では、拡散してきたBa原子がYSZ中のZrO2と反
応して、BaZrO3(BZO)を主体とする相が形成
される。このため、酸化物超電導層の一部の結晶構造が
崩れてしまい、超電導特性の劣化を防ぐことができない
という課題があった。
【0008】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、酸化物超電導層のBa原子が配向
制御多結晶中間薄膜中へ拡散を防止して結晶構造のの崩
壊をふせぐことにより、優れた超電導特性を有する酸化
物超電導導体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、以下の構成を採用した。請求項1に記載の酸化物
超電導導体は、テープ状の基材と、この基材の面上に形
成されて多数の結晶粒が結合されてなり、該多数の結晶
粒のそれぞれの粒界傾角が30度以下である配向制御多
結晶中間薄膜と、該配向制御多結晶中間薄膜上に形成さ
れた拡散防止層と、該拡散防止層上に形成された酸化物
超電導層を具備してなることを特徴とする。また、請求
項2に記載の酸化物超電導導体は、請求項1に記載の酸
化物超電導導体であって、前記拡散防止層がY23とC
eO2の少なくとも一つからなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1において、酸化物超電導導体
20は、テープ状の基材21の上面上に多数の結晶粒が
結合されてなる配向制御多結晶中間薄膜22が形成さ
れ、配向制御多結晶中間薄膜22上に拡散防止層23が
形成され、拡散防止層23上に酸化物超電導層24が形
成されている。
【0011】基材21の構成材料としては、ステンレス
鋼、銅、ハステロイなどのニッケル合金などの長尺の金
属テープを用いることができる。この基材21の厚み
は、0.01〜0.5mm、好ましくは0.02〜0.
15mmとされる。基材21の厚みが0.5mmを超え
ると、酸化物超電導層24の膜厚よりも厚く、オーバー
オール(酸化物超電導導体全断面積)あたりの臨界電流
密度としては低下してしまう。一方、基材21の厚みが
0.01mm未満であると、基材の強度が低下し、酸化
物超電導導体20の補強効果を消失してしまう。
【0012】配向制御多結晶中間薄膜22は、立方晶系
の結晶構造を有する結晶の集合した微細な結晶粒が多数
相互に結晶粒界を介して接合一体化されてなり、各結晶
粒の結晶軸のc軸は基材21の上面(成膜面)に対して
ほぼ直角に向けられ、各結晶粒の結晶軸のa軸どうしお
よびb軸どうしは、互いに同一方向に向けられて面内配
向されている。各結晶粒の結晶のa軸(あるいはb軸)
どうしは、それらのなす角度(粒界傾角K)を30度以
内にして接合一体化されているのが好ましい。この配向
制御多結晶中間薄膜22の厚みは、0.1〜1.0μ
m、好ましくは0.3〜0.7μmとされる。配向制御
多結晶中間薄膜22の厚みを1.0μm以上としても成
膜が困難となり、また、効果の増大も期待できない。一
方、配向制御多結晶中間薄膜22の厚みが0.1μm未
満であると、薄すぎて拡散防止層23を十分支持できな
い恐れがあるからである。この配向制御多結晶中間薄膜
の構成材料としては、MgO、YSZ、SrTiO3
を用いることができる。
【0013】拡散防止層23は、立方晶系の結晶構造を
有する結晶の集合した微細な結晶粒が多数相互に結晶粒
界を介して接合一体化されてなり、各結晶粒の結晶軸の
c軸は基材21の上面(成膜面)に対してほぼ直角に向
けられ、各結晶粒の結晶軸のa軸どうしおよびb軸どう
しは、互いに同一方向に向けられて面内配向されてい
る。各結晶粒の結晶のa軸(あるいはb軸)どうしは、
それらのなす角度(粒界傾角K)を30度以内にして接
合一体化されているのが好ましい。この拡散防止層の厚
みは、0.01〜1μm、好ましくは0.05〜0.5
μmとされる。拡散防止層の厚みを1μm以上としても
成膜が困難となり、また、効果の増大も期待できない。
拡散防止層の厚みが0.01μm未満であると、酸化物
超電導層24のBa原子が配向制御多結晶中間薄膜22
に拡散し、酸化物超電導層24の結晶構造が崩れてしま
うことが本発明者等の実験から明らかとなり、酸化物超
電導導体20の臨界電流密度を低下させてしまう。拡散
防止層23の構成材料は、拡散防止層23を形成する結
晶の格子定数が、配向制御多結晶中間薄膜を形成する結
晶の格子定数に近いものであれば、拡散防止層23の結
晶のc軸を配向制御多結晶中間薄膜22の結晶のc軸方
向と整合して配向させ、また拡散防止層23の結晶のa
軸およびb軸を配向制御多結晶中間薄膜22の結晶のa
軸およびb軸方向と整合して配向させられる点で好まし
い。従って、例えば、配向制御多結晶中間薄膜22とし
てYSZ膜を形成させた場合には、YSZの格子定数が
5.139 であるので、格子定数が10.604であ
るY23や、格子定数が5.411 であるCeO2
用いることにより、結晶配向性に優れた拡散防止層23
を形成させることができる。また、拡散防止層23は、
23またはCeO2の1層のものに限られず、Y23
とCeO2との2層からなるものや、Y23とCeO2
が混合された層であっても良い。
【0014】酸化物超電導層24は、Y1Ba2Cu3
x、Y2Ba4Cu8Ox、Y3Ba3Cu6Oxなる組成、(B
i,Pb)2Ca2Sr2Cu3Ox、(Bi,Pb)2Ca2
Sr3Cu4Oxなる組成、あるいはTl2Ba2Ca2Cu
3Ox、Tl1Ba2Ca2Cu3Ox、Tl1Ba2Ca3Cu
4Oxなる組成などに代表される臨界温度の高い超電導材
料からなるものである。この酸化物超電導層24の厚み
は0.5〜5μm程度とされる。
【0015】配向制御多結晶中間薄膜22を形成する装
置は、図2に示すイオンビームスパッタ装置にイオンビ
ームアシスト用のイオンガンを設けたものである。本例
の装置は、基材21を保持する基材ホルダ45と、板状
のターゲット46と、イオンガン47と、スパッタビー
ム照射装置48を主体として構成されている。また、図
中符号49はターゲットホルダ、55はテープ状の基材
21の送出装置、56は基材21の巻取装置を示し、こ
の送出装置55から基材ホルダ45上に基材21を送り
出し、巻取装置56で巻き取ることで基材21上に連続
成膜することができる。
【0016】また、本例の装置は図示略の真空容器に収
納され、基材21の周囲を真空雰囲気に保持できる。真
空容器には、ガスボンベ等の雰囲気ガス供給源が接続さ
れ、真空容器の内部を真空などの低圧状態で、かつ、ア
ルゴンガス等の不活性ガス雰囲気または酸素を含む不活
性ガス雰囲気にすることができるようになっている。
【0017】基材ホルダ45は内部に加熱ヒータを備
え、基材21を必要に応じて加熱できる。また、基材ホ
ルダ45には、上部支持板60と、下部支持板61と、
基台62から構成される角度調整機構Dが付設されてい
る。なお、角度調整機構Dをイオンガン47の支持部分
に取り付けてイオンガン47の傾斜角度を調整し、イオ
ンビームの入射角度を調整するようにしても良い。
【0018】ターゲット46は、目的とする配向制御多
結晶中間薄膜を形成するためのものであり、目的の組成
の配向制御多結晶中間薄膜と同一組成あるいは近似組成
のものなどを用いる。具体的には、MgOあるいはY2
3で安定化したジルコニア(YSZ)、MgO、Sr
TiO3などを用いるがこれに限るものではなく、形成
しようとする配向制御多結晶中間薄膜に見合うターゲッ
トを適宜用いれば良い。
【0019】図3において、イオンガン47は、筒状の
容器65の内部に、引出電極66とフィラメント67と
Arガスなどの導入管68とを備えて構成され、容器6
5の先端からイオンをビーム状に平行に照射できるもの
である。
【0020】イオンガン47は、図2に示すようにその
中心軸線Sを基材21の上面(成膜面)に対して入射角
度θ(基材21の垂線(法線)と中心線Sとのなす角
度)でもって傾斜させて対向されている。この入射角度
θは50〜60度の範囲が好ましいが、55〜60度の
範囲が最も好ましい。なお、イオンガン47によって基
材21に照射するイオンビームは、He+、Ne+、Ar
+、Xe+、Kr+などの希ガスのイオンビーム、あるい
は、それらと酸素イオンの混合イオンビームなどで良
い。だだし、形成しようとする配向制御多結晶中間薄膜
の結晶構造を整えるためには、ある程度の原子量が必要
であり、Ar+、 Kr+などのイオンを用いることが好
ましい。スパッタビーム照射装置48は、イオンガン4
7と同等の構成をなし、ターゲット46に対してイオン
ビームを照射してターゲット46の構成粒子を基材21
に向けて叩き出すことができるものである。
【0021】前記構成の装置を用いてテープ状の基材2
1の面上にYSZの配向制御多結晶中間薄膜22を形成
する場合について説明する。ターゲット46としてYS
Zのターゲットを用いるとともに、イオンガン47から
のイオンビームを基材21の上面に50〜60度の範囲
の角度で照射できるようにする。次に基材21を収納し
ている容器の内部を減圧する。
【0022】スパッタビーム照射装置48からターゲッ
ト46にイオンビームを照射して、ターゲット46の構
成粒子を叩き出して、基材21上にターゲット46から
叩き出した構成粒子を堆積させると同時にイオンガン4
7からArイオンと酸素イオンの混合イオンビームを照
射して所望の厚みの配向制御多結晶中間薄膜22を形成
子、薄膜積層体25を得る。このイオン照射する際の入
射角度θは、50〜60度の範囲が好ましく、55〜6
0度の範囲が最も好ましい。このような入射角度でイオ
ンビーム照射を行ないながらスパッタリングを行なうこ
とで、基材21上に形成されるYSZの配向制御多結晶
中間薄膜22の結晶軸のa軸とb軸とを配向させること
ができる。
【0023】薄膜積層体25の上に拡散防止層23と酸
化物超電導層24とを形成して、酸化物超電導導体20
を製造する装置は、図4に示すレーザ蒸着装置を用い
る。この例のレーザ蒸着装置70は、処理容器71を有
し、この処理容器71の内部の蒸着処理室72に、薄膜
積層体25と、拡散防止層のターゲット73aと、酸化
物超電導層のターゲット73bとを備える。即ち、蒸着
処理室72には基台74が設けられ、この基台74の上
面に薄膜積層体25を設置できるようになっているとと
もに、支持ホルダ73によって支持された拡散防止層及
び酸化物超電導層のターゲット73a、73bが設けら
れている。また、図中符号75は薄膜積層体25の送出
装置、76は薄膜積層体25の巻取装置を示す。また、
処理容器71は、排気孔77aを介して真空排気装置7
7に接続されて所定の圧力に減圧できるようになってい
る。
【0024】拡散防止層のターゲット73aは、形成し
ようとする拡散防止層23と同等または近似した組成、
あるいは、成膜中に逃避しやすい成分を多く含有させた
複合酸化物の焼結体などの板体からなっている。従って
拡散防止層のターゲット73aは、Y23やCeO2
る組成などに代表される拡散防止層23を形成するため
に使用するので、これと同一の組成か近似した組成のも
のを用いることが好ましい。酸化物超電導層のターゲッ
ト73bは、形成しようとする酸化物超電導層24と同
等または近似した組成、あるいは、成膜中に逃避しやす
い成分を多く含有させた複合酸化物の焼結体あるいは酸
化物超電導体などの板体からなっている。従って酸化物
超電導層のターゲット73bは、Y1Ba2Cu3Ox、Y2
Ba4Cu8Ox、Y3Ba3Cu6Oxなる組成、(Bi,P
b)2Ca2Sr2Cu3Ox、(Bi,Pb)2Ca2Sr3
Cu4Oxなる組成、あるいはTl2Ba2Ca2Cu3
x、Tl1Ba2Ca2Cu3Ox、Tl1Ba2Ca3Cu4
xなる組成などに代表される臨界温度の高い酸化物超電
導層24を形成するために使用するので、これと同一の
組成か近似した組成のものを用いることが好ましい。
【0025】基台74には加熱ヒータが内蔵され、薄膜
積層体25を加熱できるようになっている。 一方、処
理容器71の側方には、レーザ発光装置78と第1反射
鏡79と集光レンズ80と第2反射鏡81とが設けら
れ、レーザ発光装置78が発生させたレーザビームを透
明窓82を介してターゲット73に集光照射できるよう
になっている。レーザ発光装置78はターゲット73
a、73bから構成粒子を叩き出すことができるもので
あれば、YAGレーザ、CO2レ ーザ、エキシマレーザ
などのいずれのものを用いても良い。
【0026】YSZの配向制御多結晶中間薄膜22の上
に、Y23の拡散防止層23を形成するには、薄膜積層
体25をこれの配向制御多結晶中間薄膜22側を上にし
て基台74上に設置し、拡散防止層のターゲット73a
としてY23のターゲットを設置し、蒸着処理室72を
減圧する。ここで、基台74の加熱ヒータを作動させて
薄膜積層体25を加熱しても良い。次に、薄膜積層体2
5を巻き取り機76で巻き取りながら、レーザビームを
拡散防止層のターゲット73aに集光照射する。これに
よってターゲット73aの構成粒子がえぐり出されるか
蒸発されてその粒子が配向制御多結晶中間薄膜22上に
堆積する。ここで構成粒子の堆積の際に配向制御多結晶
中間薄膜22の結晶粒が予めc軸配向し、a軸とb軸で
も配向しているので、配向制御多結晶中間薄膜22上に
形成される拡散防止層23の結晶のc軸とa軸とb軸も
配向制御多結晶中間薄膜22に整合するようにエピタキ
シャル成長して結晶化する。これにより結晶配向性の良
好なY23の拡散防止層23が得られる。
【0027】次に、Y23の拡散防止層23の上にY1
Ba2Cu3Xの酸化物超電導層24を形成するには、
23の拡散防止層23が形成されて巻取機76に巻き
取られた薄膜積層体25をこの拡散防止層23側を上に
して基台74上に設置し、酸化物超電導層のターゲット
73bとしてY1Ba2Cu3Xのターゲットを設置し、
蒸着処理室72を減圧する。ここで蒸着処理室72を酸
素雰囲気としても良い。また、基台74の加熱ヒータを
作動させて薄膜積層体25を加熱しても良い。
【0028】巻取機76から拡散防止層23をつけた薄
膜積層体25を送り出しつつ、レーザビームを酸化物超
電導層のターゲット73bに集光照射する。これによっ
てターゲット73bの構成粒子がえぐり出されるか蒸発
されてその粒子が拡散防止層23上に堆積する。ここで
構成粒子の堆積の際に拡散防止層23の結晶粒が予めc
軸配向し、a軸とb軸でも配向しているので、酸化物超
電導層24の結晶のc軸とa軸とb軸も拡散防止層23
に整合するようにエピタキシャル成長して結晶化する。
これにより結晶配向性の良好なY1Ba2Cu3Xの酸化
物超電導層24が得られる。なお、成膜後に必要に応じ
て酸化物超電導層24の結晶構造を整えるための熱処理
を施しても良い。上述の方法により拡散防止層23の上
に酸化物超電導層24を形成すると、図1に示すような
酸化物超電導導体20が得られる。拡散防止層23上に
形成された酸化物超電導層24は、多結晶状態となる
が、この酸化物超電導層24の結晶粒の1つ1つにおい
ては、基材21の厚さ方向に電気を流しにくいc軸が配
向し、基材21の面方向にa軸どうしあるいはb軸どう
しが配向した結晶配向性が良好なものとなる。従って得
られた酸化物超電導層24は結晶粒界における量子的結
合性に優れ、結晶粒界における超電導特性の劣化が少な
いので、基材21の面方向に電気を流し易く、臨界電流
密度の優れたものが得られる。
【0029】また、薄膜積層体25の上に、拡散防止層
23と酸化物超電導層24とを形成して酸化物超電導導
体20を製造する別の方法として、以下に示すような装
置と製造方法により行ってもよい。
【0030】図5は、拡散防止層23を形成する高周波
スパッタ装置である。本例の装置は、薄膜積層体25を
保持するホルダ31と、板状のターゲット32を主体と
して構成されている。また、図中符号33はターゲット
ホルダを示し、このターゲットホルダ33は高周波電源
34に接続され、この高周波電源34と前述のホルダ3
1はそれぞれ接地されている。また、図中符号35は、
テープ状の薄膜積層体25の送出装置、36は薄膜積層
体25の巻取装置を示す。
【0031】また、ホルダ31、ターゲットホルダ33
は図示略の真空容器に収納されていて、ホルダ31とタ
ーゲットホルダ33の周囲を真空雰囲気に保持できるよ
うになっている。更に真空容器は、必要に応じて真空な
どの低圧状態で、かつ、アルゴンガス等の不活性ガス雰
囲気または酸素を含む不活性ガス雰囲気にすることがで
きるようになっている。以上の構成により、真空容器の
内部を減圧してから高周波電源34を作動させることに
よって薄膜積層体25の上方空間にプラズマを発生させ
ることができ、このプラズマの作用によりターゲット3
2の粒子をスパッタして薄膜積層体25側に向けて飛ば
すことができるようになっている。
【0032】ホルダ31は内部に加熱ヒータを備え、薄
膜積層体25を加熱できるようになっている。ターゲッ
ト32は、形成しようとする拡散防止層23と同等また
は近似した組成、あるいは、成膜中に逃避しやすい成分
を多く含有させた複合酸化物の焼結体などの板体からな
っている。従って拡散防止層のターゲット32は、Y2
3やCeO2なる組成などに代表される拡散防止層23
を形成するために使用するので、これと同一の組成か近
似した組成のものを用いることが好ましい。
【0033】前記構成の装置を用いてYSZの配向制御
多結晶中間薄膜22の上にY23の拡散防止層23を形
成するには、Y23のターゲットを用いるとともに薄膜
積層体25を収納している真空容器の内部を減圧雰囲気
とする。そして、高周波電源34を作動させ、ターゲッ
ト32の構成粒子がスパッタされて薄膜積層体25上に
飛来する。この粒子を所用時間かけて堆積させるなら
ば、YSZの配向制御多結晶中間薄膜22の上に所望の
厚さのY23の拡散防止層23を形成することができ
る。
【0034】次に、拡散防止層23の上に酸化物超電導
層24を形成して酸化物超電導導体20を製造する装置
と製造する方法について説明する。図6は酸化物超電導
層を成膜法により形成するレーザ蒸着装置を示してい
る。尚、この図において、前述した図4に示す構成要素
と同一符号を付し、その説明を省略する。この例のレー
ザ蒸着装置91は、処理容器71の内部の蒸着処理室7
2に拡散防止層23を有する薄膜積層体26とターゲッ
ト90を設置できるようになっている。
【0035】ターゲット90は、形成しようとする酸化
物超電導層と同等または近似した組成、あるいは、成膜
中に逃避しやすい成分を多く含有させた複合酸化物の焼
結体あるいは酸化物超電導体などの板体からなってい
る。従ってターゲット90は、Y1Ba2Cu3Ox、Y2
a4Cu8Ox、Y3Ba3Cu6Oxなる組成、(Bi,Pb)
2Ca2Sr2Cu3Ox、(Bi,Pb)2Ca2Sr3Cu4
Oxなる組成、あるいはTl2Ba2Ca2Cu3Ox、Tl
1Ba2Ca2Cu3Ox、Tl1Ba2Ca3Cu4Oxなる組
成などに代表される臨界温度の高い酸化物超電導層を形
成するために使用するので、これと同一の組成か近似し
た組成のものを用いることが好ましい。
【0036】次に、Y23の拡散防止層23の上にY1
Ba2Cu3Xの酸化物超電導層24を形成するには、
拡散防止層を有する薄膜積層体26を基台74上に設置
し、ターゲット90としてY1Ba2Cu3Xのターゲッ
トを設置し、蒸着処理室72を減圧する。ここで必要に
応じて蒸着処理室72を酸素雰囲気としても良い。ま
た、基台74の加熱ヒータを作動させて薄膜積層体26
を加熱しても良い。
【0037】次にレーザビームをターゲット90に集光
照射する。これによってターゲット90の構成粒子がえ
ぐり出されるか蒸発されてその粒子が拡散防止層23上
に堆積する。なお、成膜後に必要に応じて酸化物超電導
層24の結晶構造を整えるための熱処理を施しても良
い。上述の方法により拡散防止層23の上に酸化物超電
導層24を形成すると、図1に示すような酸化物超電導
導体20が得られる。
【0038】上述の酸化物超電導導体においては、拡散
防止層を配向制御多結晶中間薄膜と酸化物超電導層との
間に形成させることにより、酸化物超電導層のBa原子
の拡散が防止されるので、酸化物超電導層の結晶構造を
崩すことがなく、臨界電流密度の優れた酸化物超電導導
体を得ることができる。また、酸化物超電導層の形成時
に酸化物超導電層が受ける熱量が増加してもBa原子が
拡散することがなく、酸化物超電導層の形成時の加熱温
度を高くしたり、成膜時間を長くしたりすることができ
るので、酸化物超導電層の厚みを自由に設定できる。
【0039】また、上述の酸化物超電導導体において
は、配向制御多結晶中間薄膜が結晶配向するように形成
されているので、この配向制御多結晶中間薄膜の上に拡
散防止層が形成する際には、拡散防止層がエピタキシャ
ル成長により形成され、結晶配向性に優れた拡散防止層
を得ることができる。更に、結晶配向性に優れる拡散防
止層上に酸化物超電導層がエピタキシャル成長するの
で、結晶配向性に優れた酸化物超電導層を得ることがで
きる。この場合、拡散防止層が、Y23及びCeO2
うちの一つからなるものであれば、結晶配向性に優れた
拡散防止層を形成させることができる。
【0040】更に、上述の酸化物超電導導体において、
拡散防止層をレーザ蒸着法で形成した場合には、酸化物
超電導層の形成を同時に1つの装置内で連続して行うこ
とができるので、製造工程が簡略化され、酸化物超電導
導体の製造コストを低減できる。また、長尺の酸化物超
電導導体を簡単に製造できる。
【0041】更にまた、上述の酸化物超電導導体におい
て、拡散防止層をRFスパッタリング法で形成した場合
には、大面積の拡散防止層の成膜が可能となり、1回の
成膜で複数本のテープを成膜することができるので、酸
化物超電導導体の製造時間を大幅に短縮することができ
る。
【0042】
【実施例】
(実施例1)図2に示すイオンビームスパッタ装置に、
幅10mm、厚さ0.2mm、長さ10cmのハステロ
イC276テープの基材を設置し、真空ポンプで減圧し
て3.0×10-4トールに減圧し、ターゲットとしてY
SZ(安定化ジルコニア)製のものを用い、スパッタ電
圧1000V、スパッタ電流100mA、イオン源のビ
ームの入射角度を55度に各々設定し、イオン源のアシ
スト電圧を300Vに、イオンビームの電流密度を20
μA/cm-2にそれぞれ設定して基材の面上にスパッタ
リングと同時にイオン源照射を行って6時間成膜処理す
ることで結晶が配向制御された厚さ0.7μmのYSZ
配向制御多結晶中間薄膜を形成した。なお、イオンビー
ムの電流密度とは、試料の近くに設置した電流密度計測
装置の計測数値によるものである。次に、図4に示すレ
ーザ蒸着装置を使用して、YSZの配向制御多結晶中間
薄膜上にY23の拡散防止層を形成し、更にY23の拡
散防止層上に厚さ0.6μmの酸化物超電導層を形成し
た。まず、レーザ蒸着装置の真空容器の内部を20mt
orrに減圧し、基材の温度を550〜600℃とし、
ターゲットとしてY23製のものを用い、レーザ蒸着を
行うことにより、厚さ0.4μmのY23拡散防止層を
形成した。ターゲット蒸発用のレーザとして波長248
nmのKr−Fレーザを用いた。レーザ周波数は100
Hz、レーザの照射エネルギーは400mJである。次
に、ターゲットとしてY0.7Ba1.7Cu3.07-3成る組
成の酸化物超電導体からなるターゲットを用い、レーザ
蒸着処理室の内部を1.0×10-5トールに減圧した
後、内部に酸素を導入して2.0×10-3トールとし、
基材の送り出し速度を1.0m/hrとし、基材の温度
を700〜750℃とした後、レーザ蒸着を行った。こ
の成膜後、500℃で120分間、酸素雰囲気中におい
て薄膜を熱処理した。以上のようにして、厚さ約0.2
mm、幅10mm、長さ10cmの酸化物超電導導体を
得た。
【0043】(実施例2)実施例1と同様にして、テー
プの基材に結晶が配向制御されたYSZ配向制御多結晶
中間薄膜を形成した後に、図5に示す高周波スパッタ装
置を使用して、YSZ配向制御多結晶中間薄膜上にCe
2の拡散防止層を形成した。高周波スパッタ装置の真
空容器の内部を7.7×10-3トールに減圧し、ターゲ
ットとしてCeO2製のものを用い、スパッタ出力30
0W、基材温度600℃に設定し、スパッタリングを1
時間行ってYSZ配向制御多結晶中間薄膜の上面に厚さ
0.25μmのCeO2拡散防止層を形成した。次に、
図6に示すレーザ蒸着装置を使用して、CeO2拡散防
止層の上に厚さ0.6μmの酸化物超電導層を形成し
た。ターゲットとしてY0.7Ba1.7Cu3. 07-3成る組
成の酸化物超電導体からなるターゲットを用い、レーザ
蒸着処理室の内部を1.0×10-6トールに減圧した
後、内部に酸素を導入して2.0×10-3トールとし、
基材の送り出し速度を1.0m/hrとし、基材の温度
を700〜750℃とした後、レーザ蒸着を行った。タ
ーゲット蒸発用のレーザとして波長248nmのKr−
Fレーザを用いた。この成膜後、500℃で120分
間、酸素雰囲気中において薄膜を熱処理した。以上のよ
うにして、厚さ約0.2mm、幅10mm、長さ10c
mの酸化物超電導導体を得た。
【0044】(比較例1)拡散防止層を形成させなかっ
たこと以外は実施例2と同様にして、厚さ約0.2m
m、幅10mm、長さ10cmの酸化物超電導導体を得
た。
【0045】実施例1〜2及び比較例1により得られた
酸化物超電導導体を液体窒素で冷却した後、77K、0
Tの条件で測定した臨界電流値と臨界電流密度との値を
表1に示す。また、実施例1〜2で形成された酸化物超
電導導体の拡散防止層のX線回折の測定結果を図7に、
X線極点図を図8に示す。更に、実施例及び比較例で得
られた酸化物超電導層の極点図を図9〜図10に示す。
【0046】
【表1】
【0047】実施例1〜2は、臨界電流値、臨界電流密
度の値が良好である。また、図7のX線回折の結果にお
いて、拡散防止層が基材の上方に向けてc軸配向してい
ることが確認され、図8のX線極点図の結果では、拡散
防止層の結晶配向性が優れていることが確認される。更
に、図9のX線極点図の結果では、酸化物超電導層の結
晶配向性が優れていることを示している。従って、拡散
防止層の結晶配向性が高いために、酸化物超電導層の結
晶配向性も高くなり、臨界電流値、臨界電流密度の値が
良好になったものと思われる。
【0048】また、比較例1では、超電導特性が大きく
劣化している。図10のX線極点図の結果からは酸化物
超電導層の結晶配向性が高いことが示される。しかし、
拡散防止層が形成されていないために、図11のエネル
ギー分散型X線分析の結果から、酸化物超電導層から配
向制御多結晶中間薄膜へBa原子の拡散が起きているこ
とが明らかであり、酸化物超電導層の結晶構造が崩れた
ことによる超電導特性の劣化が起きたものと考えられ
る。
【0049】なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。例
えば、上述の実施の形態においては、拡散防止層として
23とCeO2の例を示したが、これに限定されるも
のではなく、結晶構造が立方晶系であり、その格子定数
が、配向制御多結晶中間薄膜を形成する結晶の格子状数
に近いものであれば、どのようなものでも可能である。
【0050】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
酸化物超電導導体は、配向制御多結晶中間薄膜と酸化物
超電導層との間に、拡散防止層が形成されたものである
ので、酸化物超電導層からの元素の拡散が起こらず、結
晶構造が崩れることがないので、良好な超電導特性を示
すことができる。また、本発明の酸化物超電導導体は、
その拡散防止層がY23とCeO2の少なくとも一つか
らなり、拡散防止層の結晶配向性が優れ、それに伴って
酸化物超電導層の結晶配向性が優れるので、良能な超電
導特性を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態である酸化物超電導導体
を示す斜視断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態である酸化物超電導導体
を製造するための装置であって、配向制御多結晶中間薄
膜を形成するためのイオンビームスパッタ装置を示す構
成図である。
【図3】 図2に示す装置に用いられるイオンガンを示
す構成図である。
【図4】 本発明の実施の形態である酸化物超電導導体
を製造するための装置であって、拡散防止層と酸化物超
電導層とを形成するためのレーザ蒸着装置を示す構成図
である。
【図5】 本発明の実施の形態である酸化物超電導導体
を製造するための装置であって、拡散防止層を形成する
ための高周波スパッタリング装置を示す構成図である。
【図6】 本発明の実施の形態である酸化物超電導導体
を製造するための装置であって、酸化物超電導層を形成
するためのレーザ蒸着装置を示す構成図である。
【図7】 実施例で得られた酸化物超電導導体の拡散防
止層のX線回折の結果を示す図であって、(a)は実施
例1の測定結果を示す図であり、(b)は実施例2の測
定結果を示す図である。
【図8】 実施例で得られた酸化物超電導導体の拡散防
止層のX線極点図であって、(a)は実施例1の測定結
果を示す図であり、(b)は実施例2の測定結果を示す
図である。
【図9】 実施例で得られた酸化物超電導導体の酸化物
超電導層のX線極点図であって、(a)は実施例1を示
す図であり、(b)は実施例2を示す図である。
【図10】 比較例1で得られた酸化物超電導導体の酸
化物超電導層のX線極点図を示す図である。
【図11】 比較例1で得られた酸化物超電導導体の断
面を分析した結果を示す図であって、(a)は酸化物超
電導層の配向制御多結晶中間薄膜との界面付近のエネル
ギー分散型X線分析結果を示す図であり、(a)は配向
制御多結晶中間薄膜の酸化物超電導層との界面付近のエ
ネルギー分散型X線分析結果を示す図である。
【図12】 従来の酸化物超電導導体を示す斜視断面図
である。
【符号の説明】
20 酸化物超電導導体 21 基材 22 配向制御多結晶中間薄膜 23 拡散防止層 24 酸化物超電導層
フロントページの続き (72)発明者 斉藤 隆 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープ状の基材と、この基材の面上に形
    成されて多数の結晶粒が結合されてなり、該多数の結晶
    粒のそれぞれの粒界傾角が30度以下である配向制御多
    結晶中間薄膜と、該配向制御多結晶中間薄膜上に形成さ
    れた拡散防止層と、該拡散防止層上に形成された酸化物
    超電導層を具備してなることを特徴とする酸化物超電導
    導体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の酸化物超電導導体であ
    って、前記拡散防止層がY23とCeO2の少なくとも
    一つからなることを特徴とする酸化物超電導導体。
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