JPH1186443A - 情報再生装置および再生方法 - Google Patents

情報再生装置および再生方法

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JPH1186443A
JPH1186443A JP24858697A JP24858697A JPH1186443A JP H1186443 A JPH1186443 A JP H1186443A JP 24858697 A JP24858697 A JP 24858697A JP 24858697 A JP24858697 A JP 24858697A JP H1186443 A JPH1186443 A JP H1186443A
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JP
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data
signal
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Application number
JP24858697A
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English (en)
Inventor
Junichi Horigome
順一 堀米
Takayoshi Chiba
孝義 千葉
Shigeo Yamaguchi
茂男 山口
Shinichi Yunoki
進一 柚木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路規模の大幅な増大を伴わずに、より的確
な復号方法によって生成された復号データを使用して、
記録媒体上の情報をより正しく再生する。 【解決手段】 ビットバイビットブロック16とビタビ
ブロック17の両方が備えられ、これら2個の復号系が
それぞれ生成する2個のリードデータARDとDRDと
がコントローラ2に供給される。コントローラ2が各時
点において再生対象とされている記録媒体上の領域(ア
ドレス部/データ部の何れか)等の条件に関連して、よ
り的確なリードデータを選択し、復号化処理の対象とす
る。2個の復号系に対して共通にアンプ部90およびフ
ィルタ部200が設けられるので、装置の全体構成の複
雑化の程度を小さく抑えることができる。また、フィル
タ部200には、再生されている記録媒体上の領域に関
連する信号Sが供給され、再生される領域に応じて、フ
ィルタリング処理の内容が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば光磁気デ
ィスク装置等の情報再生装置、特に記録媒体上に設けら
れる、アドレス部とデータ部とで異なる記録方法を用い
る情報再生装置および再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスク装置等の情報再生装置に
おいて、記録媒体から再生される再生信号を復号して2
値のリードデータを生成する方法としては、ビットバイ
ビット復号方法またはビタビ復号方法が用いられる。従
来の情報再生装置は、ビットバイビット復号器またはビ
タビ復号器の何れか一方を有する構成とされている。従
って、アドレスデータ等が記録されるアドレス部から再
生される再生信号と、ユーザデータ等が記録されるデー
タ部から再生される再生信号の何れに対しても、同一の
復号方法が用いられる。
【0003】光磁気ディスク装置の場合、アドレス部
は、物理的に形成されたエンボスピット等によって記録
される。また、データ部は、磁気カー効果を利用した光
磁気記録方法によって記録される。このため、アドレス
部のデータとデータ部のデータとに対して、光学的な信
号再生方法が異なる。従って、アドレス部から再生され
る再生信号と、データ部から再生される再生信号とで
は、C/N(キャリア/ノイズ)および周波数特性が異
なる。光磁気ディスク装置の場合、データ部から再生さ
れる再生信号のC/Nよりも、アドレス部から再生され
る再生信号のC/Nの方が良好なものである傾向があ
る。
【0004】このような状況にもかかわらず、上述した
ように、従来の装置においては、アドレス部から再生さ
れる再生信号と、データ部から再生される再生信号の何
れに対しても、同一の復号方法が用いられている。すな
わち、比較的早い時期に開発された線記録密度の小さい
装置では、アドレス部およびデータ部から再生される再
生信号の何れに対しても、ビットバイビット復号方法が
用いられる。また、比較的最近開発された線記録密度の
大きい装置では、アドレス部およびデータ部から再生さ
れる再生信号の何れに対しても、ビタビ復号方法が用い
られる。
【0005】また、ビタビ復号方法は、ビットバイビッ
ト復号方法に比べて、ホワイトノイズを含む信号品質が
良くない信号を復号する時のエラーレートを低くするこ
とができる復号方法である。その反面、バーストエラー
が生じた場合には、リードデータ中の広い範囲に渡って
誤った復号がなされ、エラーレートが高くなる。バース
トエラーは、例えば光磁気ディスク媒体等の記録媒体上
の大きな欠陥等に起因して生じることが多い。
【0006】これに対して、ビットバイビット復号方法
は、ホワイトノイズの影響を受けやすく、信号品質が良
くない信号を復号すると、エラーレートが高くなる復号
方法である。その反面、バーストエラーに起因する復号
エラーは、局所的なものに止まるため、バーストエラー
の影響を比較的受けにくい。
【0007】上述したビタビ復号方法またはビットバイ
ビット復号方法によって復号されるリードデータに基づ
いて、記録媒体に記録されているデータを再生するため
の復号化処理が行われる。このような復号化処理は、ア
ドレス部のデータに基づくリードデータと、データ部の
データに基づくリードデータとついて、以下に説明する
ように異なったものである。
【0008】まず、アドレス部には、例えばトラック番
号等のアドレスデータが符号化されて記録されている。
従って、アドレス部のデータに基づくリードデータに施
される復号化処理により、アドレスデータが再生され
る。一方、データ部には、ユーザデータが符号化されて
記録されている。従って、データ部のデータに基づくリ
ードデータに施される復号化処理により、ユーザデータ
が再生される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように信号品
質が異なる部分を含む再生信号をより適切に復号するた
めに、信号品質に応じて異なる復号方法を用いることが
有効と考えられる。例えば、アドレス部から再生される
信号品質が良い再生信号については、ビットバイビット
復号方法を用い、また、データ部から再生される信号品
質が良くない再生信号については、ビタビ復号方法を用
いる等の方法が有効であると考えられる。
【0010】また、装置が正しく動作するために必要不
可欠な情報は、確実に再生される必要がある。このた
め、再生信号からこのような情報に係るリードデータを
復号する方法についても、配慮が必要とされる。
【0011】すなわち、上述したように、アドレス部に
は、例えばトラック番号等のアドレスデータがエラー訂
正符号化されて記録されている。このため、ビットバイ
ビット復号方法によって少数の復号エラーが生じても、
アドレス部のデータに対する復号化処理に悪影響を及ぼ
す可能性は低い。一方、上述したように、ビタビ復号方
法は、バーストエラーの影響によって、広範囲に渡って
高い復号エラーレートを生じるおそれがある。アドレス
データは、例えば記録/再生を行う領域に対するシーク
・トラッキング等の装置の動作に必要不可欠なものなの
で、確実に再生される必要がある。従って、アドレス部
から再生される再生信号を復号するためには、バースト
エラーの影響を受けにくいビットバイビット復号方法を
用いる方が好ましい。
【0012】アドレス部から再生される再生信号を復号
するためにビットバイビット復号方法を用いる方が好ま
しいもう1つの理由として、ビタビ復号方法によってリ
ードデータを復号する際に生じる遅延時間に起因する問
題が挙げられる。すなわち、ビタビ復号方法によってア
ドレス部から再生される再生信号を復号するようにした
場合には、このような遅延時間によってアドレスデータ
の再生が遅延し、この結果として、アドレスデータに基
づく動作を指令するコントローラに負担がかかる。この
ため、アドレス部から再生される再生信号を復号するた
めには、リードデータを生成する際に遅延時間が生じな
い、若しくはその程度が小さいビットバイビット復号方
法を用いる方が好ましい。
【0013】例えばビタビ復号方法を行なう回路と、ビ
ットバイビット復号方法を行なう回路とを並列に設ける
構成とすれば、アドレス部から再生される再生信号と、
データ部から再生される再生信号等、信号品質が異なる
再生信号について、適切な復号方法を使用する機能が実
現できる。但し、このような構成においては、回路構成
の複雑化および大規模化が問題となる。
【0014】従って、この発明の目的は、回路規模の大
幅な複雑化および大規模化を伴わずに、より的確な復号
方法によって生成された復号データに基づいて復号化処
理を行なうことにより、記録媒体に記録されていた情報
を正しく再生することが可能な情報再生装置および再生
方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、記録
媒体に記録されている情報信号を再生するようにした情
報再生装置において、記録媒体から再生される再生信号
にゲイン調整および波形等化処理を含む所定の処理を行
なうフィルタリング手段と、フィルタリング手段の出力
に基づいて、リードデータを復号する複数の復号手段
と、再生信号の品質、またはリードデータに要求される
品質に応じて、複数の復号手段によって復号される各リ
ードデータの内、より的確なものを後段の処理の対象と
して選択するリードデータ選択手段とを有することを特
徴とする情報再生装置である。
【0016】請求項11の発明は、情報再生方法におい
て、記録媒体から再生される再生信号にゲイン調整およ
び波形等化処理を含む所定の処理を行なうフィルタリン
グステップと、フィルタリングステップの結果に基づい
て、リードデータを復号する複数の復号ステップと、再
生信号の品質、またはリードデータに要求される品質に
応じて、複数の復号ステップによって復号される各リー
ドデータの内、より的確なものを後段の処理の対象とし
て選択するステップとを有することを特徴とする情報再
生方法である。
【0017】以上のような発明によれば、複数の復号手
段によって生成されるリードデータの内、再生信号の信
号品質およびリードデータに要求される品質等に応じ
て、最適なものを復号化処理の対象とすることができ
る。
【0018】また、この発明に係る構成によれば、アン
プ部およびフィルタ部を複数の復号手段の各々について
別個に設ける構成に比較して、装置全体の回路構成を小
さいものとすることができる。
【0019】さらに、フィルタ部を、フィルタリングの
次数を切替えることが可能な構成とすれば、再生信号の
品質、またはリードデータに要求される品質に関連し
て、適切なフィルタリングを行なうことができるので、
フィルタ部が行なう処理によって生じる電力消費および
遅延時間等を削減することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の理解を容易と
するために、ビタビ復号方法を行う再生系を有する記録
/再生装置の一例について、装置の全体構成、記録媒体
のセクタフォーマット、4値4状態ビタビ復号方法の概
要、4値4状態ビタビ復号方法を実現するビタビ復号器
の構成および動作、および4値4状態ビタビ復号方法以
外のビタビ復号方法の順に説明する。
【0021】〔ディスク記録再生装置の概要〕以下、ビ
タビ復号方法を行う再生系を有する記録/再生装置の一
例について説明する。図1は、ビタビ復号方法を行う再
生系を有する光磁気ディスク装置の一例の全体構成を示
すブロック図である。記録時には、コントローラ2がホ
ストコンピュータ1の指令に従って、記録すべきユーザ
データを受取り、情報語としてのユーザデータに基づい
てエンコードを行って、符号語としてのRLL(1,
7)符号を生成する。この符号語が記録データとしてレ
ーザパワーコントロール部(以下、LPCと表記する)
4に供給される。コントローラ2は、このような処理の
他に、後述する復号化処理、および記録、再生、消去等
の各モードの制御、並びにホストコンピュータ1との交
信等の動作を行う。
【0022】LPC4は、供給された記録データに対応
して、光ピックアップ7のレーザパワーを制御して光磁
気ディスク6上に磁気極性を有するピット列を形成する
ことにより、記録を行う。この記録の際に、磁気ヘッド
5が光磁気ディスク6にバイアス磁界を付与する。実際
には、記録データに基づいて後述するように生成される
プリコード出力に従って、後述するようなマークエッジ
記録が行われる。
【0023】後述するように、記録位置すなわちピット
の形成位置の制御は、磁気ヘッド5および光ピックアッ
プ7等の位置決めを行う、図示しない手段によってなさ
れる。このため、記録動作時においても、光ピックアッ
プ7がアドレス部等を通過する際には、後述するような
再生時の動作と同様な動作が行われる。
【0024】上述したようにして形成される各ピット
を、記録データに基づいて後述するようにして生成され
るプリコード出力中の各ビットに対応させる方法につい
て、図2を参照して説明する。プリコード出力中の、例
えば'1' に対してピットを形成し、'0' に対してピット
を形成しない記録方法をマーク位置記録方法と称する。
一方、各ピットのエッジによって表現される、プリコー
ド出力中の各ビットの境界における極性の反転を、例え
ば'1' に対応させる記録方法をマークエッジ記録方法と
称する。再生時には、再生信号中の各ビットの境界は、
後述するようにして生成されるリードクロックDCKに
従って認識される。
【0025】次に、再生系の構成および動作について説
明する。光ピックアップ7は、光磁気ディスク6にレー
ザ光を照射し、それによって生じる反射光を受光して、
再生信号を生成する。再生信号は、和信号R+ 、差信号
- および図示しないフォーカスエラー信号ならびにト
ラッキングエラー信号の4種類の信号からなる。和信号
+ および差信号R- が和信号/差信号切替えスイッチ
8に供給される。和信号/差信号切替えスイッチ8に
は、後述するような和信号/差信号切替え信号Sが供給
される。和信号/差信号切替えスイッチ8は、この和信
号/差信号切替え信号Sに従って、以下のように、和信
号R+ と差信号R- との内の一方をアンプ部9に供給す
る。
【0026】すなわち、後述するような光磁気ディスク
6のセクタフォーマットにおいて、エンボス加工によっ
て形成される部分から再生される再生信号が供給される
期間には、和信号/差信号切替えスイッチ8が和信号R
+ をアンプ部9に供給する。また、光磁気的に記録され
る部分から再生される再生信号が供給される期間には、
和信号/差信号切替えスイッチ8が差信号R- をアンプ
部9に供給する。アンプ部9は、供給される信号にバッ
ファリングおよびゲイン制御等を行なうアンプ部9の出
力がフィルタ部11に供給される。
【0027】一方、フォーカスエラー信号は、フォーカ
スエラーを解消する手段(図示せず)に供給される。ま
た、トラッキングエラー信号は、図示しないサーボ系等
に供給され、それらの動作において用いられる。
【0028】和信号/差信号切替え信号Sは、例えば次
のようにして生成される。すなわち、まず、再生信号か
ら、セクタフォーマットに規定される所定のパターンか
ら再生される信号を検出する。このような所定のパター
ンとしては、例えば後述するセクタマークSM等が用い
られる。そして、かかる検出がなされた時点を基準とし
て、後述するリードクロックを数える等の方法によって
認識される所定時点において、和信号/差信号切替え信
号Sが生成される。
【0029】フィルタ部11は、ノイズカットを行うロ
ーパスフィルタおよび波形等化を行う波形等化器から構
成される。後述するように、この際の波形等化処理にお
いて用いられる波形等化特性は、ビタビ復号器13が行
うビタビ復号方法に適合するものとされる。フィルタ部
11の出力を供給されるA/D変換器12は、後述する
ようにして供給されるリードクロックDCKに従って再
生信号値z〔k〕をサンプリングする。
【0030】ビタビ復号器13は、再生信号値z〔k〕
に基づいて、ビタビ復号方法によって復号データを生成
する。かかる復号データは、上述したようにして記録さ
れる記録データに対する最尤復号系列である。従って、
復号エラーが無い場合には、復号データは、記録データ
と一致する。
【0031】復号データは、コントローラ2に供給され
る。上述したように、記録データは、ユーザデータから
チャンネル符号化等の符号化によって生成された符号語
である。従って、復号エラーレートが充分低ければ、復
号データは、符号語としての記録データとみなすことが
できる。コントローラ2は、復号データに、上述のチャ
ンネル符号化等の符号化に対応する復号化処理を施すこ
とにより、ユーザデータ等を再生する。
【0032】また、フィルタ部11の出力は、PLL部
14にも供給される。PLL部14は、供給された信号
に基づいて、リードクロックDCKを生成する。リード
クロックDCKは、コントローラ2、A/D変換器1
2、ビタビ復号器13等に供給される。コントローラ
2、A/D変換器12、ビタビ復号器13の動作は、リ
ードクロックDCKに従うタイミングでなされる。さら
に、リードクロックDCKは、図示しないタイミングジ
ェネレータに供給される。タイミングジェネレータは、
例えば、記録/再生動作の切替え等の装置の動作タイミ
ングを制御する信号を生成する。
【0033】上述したような再生動作において、光磁気
ディスク6から再生される再生信号に基いて、より正し
い再生データを得るために、再生系の各構成要素の動作
を再生信号の品質に応じて適正化することが行われる。
このような操作をキャリブレーションと称する。キャリ
ブレーションは、再生信号の品質等が例えば加工精度等
の記録媒体の特性、および例えば記録用レーザ光のパワ
ーの変動、周囲温度等の記録/再生時の条件等によって
変化する可能性があることに対応するために再生系のパ
ラメータを適正化するためのものである。
【0034】キャリブレーションの内容は、例えば光ピ
ックアップ7の読取り用レーザ光パワーの調整、アンプ
部9およびフィルタ部11の動作特性の調整、およびビ
タビ復号器13の動作において用いられる振幅基準値の
調整等である。このようなキャリブレーションは、電源
投入直後または記録媒体の交換時等に、図1中には図示
しない構成によって行われる。
【0035】〔記録媒体のセクタフォーマットの概要〕
光磁気ディスク6には、セクタを記録/再生の単位とし
てユーザデータが記録される。図3を参照して、光磁気
ディスク6において用いられるセクタフォーマットの一
例について説明する。図3Aに示すように、1セクタ
は、記録/再生の順に従って、ヘッダ、ALPC,ギャ
ップ、VFO3 、シンク、データフィールド、バッファ
の各エリアに区分されている。図3中に付した数字は、
バイト数を表す。光磁気ディスク6上には、ブロック符
号化等の符号化がなされたデータが記録される。例えば
8ビットが12チャンネルビットに変換されて記録され
る。
【0036】このセクタフォーマットの一例において
は、ユーザデータ量が1024バイトのフォーマット
と、ユーザデータ量が512バイトのフォーマットとが
用意されている。ユーザデータ量が1024バイトのフ
ォーマットでは、データフィールドのバイト数が670
バイトとされる。また、ユーザデータ量が512バイト
のフォーマットでは、データフィールドのバイト数が1
278バイトとされる。これら2つのセクタフォーマッ
トにおいて、63バイトのプリフォーマットされたヘッ
ダと、ALPC,ギャップエリアの18バイトは、同一
とされている。
【0037】図3Bは、63バイトのヘッダを拡大して
示す。ヘッダは、セクタマークSM(8バイト)、VF
OフィールドのVFO1 (26バイト)、アドレスマー
クAM(1バイト)、IDフィールドのID1 (5バイ
ト)、VFOフィールドのVFO2 (16バイト)、ア
ドレスマークAM(1バイト)、IDフィールドのID
2 (5バイト)、およびポストアンブルPA(1バイ
ト)が順に配列された構成とされている。
【0038】図3Cは、18バイトのALPC,ギャッ
プエリアを拡大して示す。18バイトは、ギャップフィ
ールド(5バイト)、フラグフィールド(5バイト)、
ギャップフィールド(2バイト)、ALPC(6バイ
ト)からなる。
【0039】次に、これらのフィールドについて説明す
る。セクタマークSMは、セクタの開始を識別するため
のマークであり、RLL(1,7)符号において生じな
いエンボス加工によって形成されたパターンを有する。
VFOフィールドは、上述のPLL部18中のVFO(V
ariable Frequency Oscillator) を同期させるためのも
ので、VFO1 、VFO2 およびVFO3 からなる。V
FO1 およびVFO2は、エンボス加工によって形成さ
れている。また、VFO3 は、そのセクタに対して記録
動作が行われる際に光磁気的に書かれる。VFO1 、V
FO2 およびVFO3 は、それぞれチャンネルビット
の'0' と'1' が交互に現れるパターン(2Tパターン)
を有する。従って、1チャンネルビットの時間長に対応
する時間をTとすると、VFOフィールドを再生した時
に、2T毎にレベルが反転する再生信号が得られる。
【0040】アドレスマークAMは、後続のIDフィー
ルドのためのバイト同期を装置に対して与えるために使
用され、RLL(1,7)符号において生じないエンボ
スされたパターンを有する。IDフィールドは、セクタ
のアドレス、すなわち、トラック番号およびセクタ番号
の情報と、これらの情報に対するエラー検出用のCRC
バイトを有する。IDフィールドは、5バイトからな
る。ID1 およびID2によって、同一のアドレス情報
が二重に記録される。ポストアンブルPAは、チャンネ
ルビットの'0' と'1' とが交互に現れるパターン(2T
パターン)を有する。ID1 、ID2 およびポストアン
ブルPAも、エンボス加工によって形成されている。こ
のように、ヘッダの領域は、エンボス加工によりピット
が形成されたプリフォーマットされた領域である。
【0041】図3Cは、ALPC,ギャップエリアを拡
大して示す。ギャップには、ピットが形成されない。最
初のギャップフィールド(5バイト)は、プリフォーマ
ットされたヘッダの後の最初のフィールドであり、これ
によって、ヘッダの読取りを完了した後の処理に装置が
要する時間が確保される。2番目のギャップフィールド
(2バイト)は、後のVFO3 の位置のずれを許容する
ためのものである。
【0042】ALPC,ギャップエリアには、5バイト
のフラグフィールドが記録される。フラグフィールド
は、セクタのデータが記録される時に、連続した2Tパ
ターンが記録される。ALPC(Auto Laser Power Cont
rol)フィールドは、記録時のレーザパワーをテストする
ために設けられている。シンクフィールド(4バイト)
は、続くデータフィールドのためのバイト同期を装置が
得るために設けられており、所定のビットパターンを有
する。
【0043】データフィールドは、ユーザデータを記録
するために設けられる。上述した670バイトのデータ
フィールドには、512バイトのユーザデータと、14
4バイトのエラー検出、訂正用のパリティ等と、12バ
イトのセクタ書込みフラグと、2バイト(FF)とから
なる。また、1278バイトのデータフィールドの場合
には、1024バイトのユーザデータと、242バイト
のエラー検出、訂正用のパリティ等と、12バイトのセ
クタ書込みフラグとからなる。セクタの最後のバッファ
フィールドは、電気的、あるいは機械的な誤差に対する
許容範囲として使用される。
【0044】上述したセクタフォーマットの例におい
て、ヘッダは、エンボス加工によりピットが形成された
エリアである。また、ALPC,ギャップエリアは、再
生時には、使用されないエリアである。さらに、VFO
3 、シンクフィールドおよびデータフィールドは、光磁
気記録されたデータのエリアである。
【0045】〔4値4状態ビタビ復号方法の概要〕以
下、ビタビ復号器13によって行われるビタビ復号方法
について説明する。上述したように、ユーザデータは、
様々な符号化方法によって記録データとしての符号語に
変換される。符号化方法は、記録媒体の性質および記録
/再生方法等に応じて適切なものが採用される。光磁気
ディスク装置においては、ブロック符号化において、Ru
n Lengthすなわち'1' と'1' の間の'0' の数を制限する
RLL(Run Length Limited)符号化方法が用いられる
ことが多い。従来から幾つかのRLL符号化方法が用い
られている。一般に、'1' と'1' の間の'0' の数を最小
でd個、最大でk個とするm/nブロック符号をRLL
(d,k;m,n)符号と称する。
【0046】例えば、2/3ブロック符号において、'
1' と'1' の間の'0' の数を最小で1個、最大で7個と
するブロック符号化方法は、RLL(1,7;2,3)
符号である。一般にRLL(1,7;2,3)符号をR
LL(1,7)符号と称することが多いので、以下の説
明においても単にRLL(1,7)符号と表記した場合
には、RLL(1,7;2,3)符号を指すことにす
る。
【0047】このようなRLL符号化方法と、上述した
マークエッジ記録方法との組合わせによって記録された
データから再生される再生信号を復号するために、ビタ
ビ復号方法を用いることができる。
【0048】このようなRLL符号化方法は、記録密度
の向上、および再生動作の安定性の確保という2つの観
点から、符号化方法に要求される条件に対応できるもの
である。まず、上述したように、マークエッジ記録方法
は、記録データに基づいて後述するように生成されるプ
リコード出力における'1' を各ピットのエッジによって
表現される極性の反転に対応させるものなので、'1'
と'1' の間の'0' の数を多くする程、各ピット1個当た
りに記録されるビット数を大きくすることができる。従
って、記録密度を大きくすることができる。
【0049】一方、再生系の動作タイミングを合わせる
ために必要なリードクロックDCKは、上述したよう
に、再生信号に基づいてPLL部14によって生成され
る。このため、記録データにおいて'1' と'1' の間の'
0' の数を多くすると、再生動作の際にPLL部の動作
が不安定となるので、再生動作全体が不安定なものとな
る。
【0050】これら2つの条件を考慮すると、'1' と'
1' の間の'0' の数は、多過ぎたり、少な過ぎたりしな
い、適切な範囲内に設定される必要がある。このよう
な、記録データ中の'0' の数の設定に関して、RLL符
号化方法が有効となる。
【0051】ところで、図4に示すように、上述したR
LL(1,7)符号化方法とマークエッジ記録方法の組
み合わせにおいては、記録データに基づいて生成される
プリコード出力中の'1' と'1' の間に最低1個の'0' が
含まれるので、最小反転幅が2となる。このような、最
小反転幅が2となる符号化方法が用いられる場合に、符
号間干渉およびノイズ等の影響を受けている再生信号か
ら記録データを復号する方法として、後述するように、
4値4状態ビタビ復号方法を適用することができる。
【0052】上述したように、再生信号には、フィルタ
部11によって波形等化処理がなされる。ビタビ復号方
法の前段としてなされるこのような波形等化処理には、
符号間干渉を積極的に利用するパーシャルレスポンス方
法が用いられる。この際に用いられる波形等化特性は、
一般に(1+D)n で表されるパーシャルレスポンス特
性の内から、記録/再生系の線記録密度およびMTF
(Modulation TransferFunction)を考慮して決められ
る。上述したRLL(1,7)符号化方法とマークエッ
ジ記録方法の組み合わせによって記録されたデータに対
して、PR(1,2,1)を用いる波形等化処理は、4
値4状態ビタビ復号方法の前段となる。
【0053】一方、マークエッジ記録方法においては、
光磁気ディスク媒体等に対する実際の記録に先立って、
上述のRLL符号化等によって符号化された記録データ
に基づくプリコードが行われる。各時点kにおける記録
データ列をa〔k〕、これに基づくプリコード出力をb
〔k〕とすると、プリコードは、以下のように行われ
る。
【0054】 b〔k〕=mod2{a〔k〕+b〔k−1〕} (1) このようなプリコード出力b〔k〕が実際に光磁気ディ
スク媒体等に記録される。一方、フィルタ部11中の波
形等化器によってなされる、波形等化特性PR(1,
2,1)での波形等化処理について説明する。但し、以
下の説明においては、信号の振幅を規格化せずに、波形
等化特性をPR(B,2A,B)とする。また、ノイズ
を考慮しない場合の再生信号の値をc〔k〕と表記す
る。さらに、ノイズを含む実際の再生信号(すなわち、
記録媒体から再生された再生信号)をz〔k〕と表記す
る。
【0055】PR(B,2A,B)は、ある時点kにお
ける再生信号の値に対して、時点kにおける振幅の寄与
が振幅値の2A倍とされ、さらに前後の時点k−1およ
びk+1における振幅の寄与が各々の時点での信号の振
幅のB倍とされるものである。従って、再生信号の値の
最大値は、時点k−1、k、k+1において何れもパル
スが検出される場合である。このような場合には、再生
信号の値の最大値は、以下のようになる。
【0056】B+2A+B=2A+2B また、再生信号の値の最小値は0となる。但し、実際の
取り扱いにおいては、c〔k〕として、DC成分のA+
Bを差し引いた以下のようなものが用いられる。
【0057】 c〔k〕=B×b〔k−2〕+2A×b〔k−1〕+B×b〔k〕 −A−B (2) 従って、ノイズを考慮しない場合の再生信号c〔k〕
は、A+B,A,−A,−A−Bの内の何れかの値をと
ることになる。一般に、再生信号の性質を示す方法の1
つとして、例えば5個の時点を単位として、再生信号を
多数重ね合わせたものをアイパターンと称する。この発
明を適用することができる光磁気ディスク装置におい
て、PR(B,2A,B)の下で波形等化処理された実
際の再生信号z〔k〕についてのアイパターンの一例を
図5に示す。図5から各時点における再生信号z〔k〕
の値は、ノイズによるばらつきを有するが、ほぼ、A+
B,A,−A,−A−Bの内の何れかになることが確認
できる。後述するように、A+B,A,−A,−A−B
の値は、識別点として用いられる。
【0058】上述したような波形等化処理がなされた再
生信号を復号する、ビタビ復号方法の概略は、次のよう
なものである。ステップ符号化方法および記録媒体に
対する記録方法に基づいて、生じ得る全ての状態を特定
する。ステップある時点における各状態を起点とし
て、次の時点において生じ得る全ての状態遷移と、各状
態遷移が生じる時の記録データa〔k〕および再生信号
の値c〔k〕を特定する。
【0059】ステップおよびの結果として特定され
た全ての状態および状態遷移と、各状態遷移が生じる時
の〔記録データの値a〔k〕/再生信号の値c〔k〕〕
を図の形式で表現したものを状態遷移図と称する。後述
するように、4値4状態ビタビ復号方法における状態遷
移図は、図7に示すようなものである。そして、この状
態遷移図に基づく復号動作を行うように、ビタビ復号器
13が構成される。
【0060】さらに、ステップ上述したように、状態
遷移図を前提として、記録媒体から各時点kにおいて再
生される再生信号z〔k〕に基づく最尤な状態遷移が選
択される。但し、上述したように、z〔k〕は、ビタビ
復号器13に供給される前段において波形等化されたも
のである。このような最尤な状態遷移の選択がなされる
毎に、選択された状態遷移に対応して、状態遷移図に記
載された記録データa〔k〕の値を復号値とすることに
よって、記録データに対する最尤復号値系列としての復
号データa' 〔k〕を得ることができる。
【0061】但し、各時点kにおける復号データ値か
ら、最尤復号値系列とするための構成は、後述するビタ
ビ復号器13中のPMU23である。従って、上述した
ように、復号データ列a' 〔k〕は、復号エラーが無い
場合には、記録データ列a〔k〕と一致する。上述のス
テップ〜ステップについて、以下に詳細に説明す
る。
【0062】上述のステップについて説明する。ま
ず、ここで用いられる状態として、ある時点kにおける
状態を、時点kおよびそれ以前のプリコード出力を用い
て次のように定義する。すなわち、n=b〔k〕、m=
b〔k−1〕、l=b〔k−2〕の時の状態をSnml と
定義する。このような定義によって、23 =8個の状態
があると考えられるが、上述したように、実際に生じ得
る状態は、符号化方法等に基づいて制限される。
【0063】RLL(1,7)符号として符号化された
記録データ列a〔k〕においては、'1' と'1' の間に最
低1個の'0' が含まれるので、2個以上の'1' が連続す
ることが無い。記録データ列a〔k〕に課されるこのよ
うな条件に基づいてプリコード出力b〔k〕について一
定の条件が課され、その結果として生じ得る状態に制限
が加えられる。
【0064】このような制限について具体的に説明す
る。上述したようにRLL(1,7)符号化によって生
成される記録データ列中に、2個以上の'1' が連続する
もの、すなわち以下のものはあり得ない。
【0065】 a〔k〕=1,a〔k−1〕=1,a〔k−2〕=1 (3) a〔k〕=1,a〔k−1〕=1,a〔k−2〕=0 (4) a〔k〕=0,a〔k−1〕=1,a〔k−2〕=1 (5) 記録データ列に課されるこのような条件に基づいて、上
述の(1)式に従ってb〔k〕について課される条件に
ついて検討すると、S010およびS101の2個の状
態は生じ得ないことがわかる。従って、生じ得る状態
は、23 −2=6個である。
【0066】次に、ステップについて説明する。ある
時点jにおける状態を起点として、次の時点j+1にお
いて生じ得る状態を求めるためには、時点j+1におけ
る記録データの値a〔j+1〕が1となる場合、および
0となる場合に分けて調べる必要がある。
【0067】ここでは、時点jにおける状態がS000
である場合を例として説明する。上述の(1)式に従っ
て、S000すなわちn=b〔j〕=0,l=b〔j−
1〕=0,m=b〔j−2〕=0とプリコードされる記
録データは、以下の(7)である。
【0068】 a〔j〕=0、a〔j−1〕=0、a〔j−2〕=0 (7) 〔a〔j+1〕='1' の時〕 この時、b〔j+1〕が(1)式に従って以下のように
計算される。
【0069】 次の時点j+1での状態Snlm については、n=b〔j
+1〕,l=b〔j〕,m=b〔j−1〕である。そし
て、(8)からb〔j+1〕=1であり、また、b
〔j〕=0,b〔j−1〕=0なので、次の時点j+1
における状態は、S100である。従って、a〔j+
1〕='1' の場合には、S000→S100という遷移
が生じることが特定できる。
【0070】また、再生信号c〔j+1〕の値は、上述
の(2)式に従って、次のように計算される。
【0071】 c〔j+1〕={B×b〔j+1〕+2A×b〔j〕+B×b〔j−1〕} −A−B ={B×1+2A×0+B×0}−A−B =−A (9) 以上のことから、時点jで状態S000である場合にお
いて、新たな再生信号値c〔j+1〕の値が誤差の範囲
内で−Aである時には、状態遷移S000→S100が
生じ、復号データ値として、a〔j+1〕の値'1' が得
られることがわかる。
【0072】〔a〔j+1〕='0' の時〕 この時、(1)式に従って、b〔j+1〕が以下のよう
に計算される。
【0073】 次の時点j+1での状態Snlm については、n=b〔j
+1〕,l=b〔j〕,m=b〔j−1〕である。そし
て、(10)からb〔j+1〕=0であり、また、b
〔j〕=0,b〔j−1〕=0なので、次の時点j+1
における状態は、S000である。従って、a〔j+
1〕='0' の場合には、S000→S100という遷移
が生じることが特定できる。
【0074】また、再生信号c〔j+1〕の値は、上述
の(2)式に従って、次のように計算される。
【0075】 c〔j+1〕={B×b〔j+1〕+2A×b〔j〕+B×b〔j−1〕} −A−B ={B×0+2A×0+B×0}−A−B =−A−B (11) 以上のことから、時点jで状態S000である場合にお
いて、新たな再生信号値c〔j+1〕の値が誤差の範囲
内で−A−Bである時には、状態遷移S000→S00
0が生じ、復号データ値として、a〔j+1〕の値'0'
が得られることがわかる。
【0076】このようにして、時点jにおけるS000
以外の各状態についても、それらを起点として次の時点
j+1において生じ得る状態遷移と、そのような各状態
遷移が生じる時の記録データ値a〔j+1〕および再生
信号値c〔j+1〕との対応を求めることができる。
【0077】上述したようにして、各状態について、そ
れらを起点として生じ得る状態遷移と、各状態遷移が生
じる時の記録データの値および再生信号の値との対応を
求め、図の形式に表したものが図6である。上述の時点
jおよびj+1は、特別の時点ではない。従って、上述
したようにして求まる、生じ得る状態遷移とそれらに伴
う記録データの値および再生信号の値との対応は、任意
の時点において適用することができる。このため、図6
においては、任意の時点kにおいて生じる状態遷移に伴
う記録データの値をa〔k〕と表記し、再生信号の値を
c〔k〕と表記する。
【0078】図6において、状態遷移は、矢印によって
表される。また、各矢印に付した符号が〔記録データ値
a〔k〕/再生信号値c〔k〕〕を示している。状態S
000,S001,S111およびS110を起点とす
る状態遷移は、2通り有るのに対して、状態S011お
よびS100を起点として生じ得る遷移は1通りのみで
ある。
【0079】さらに、図6においてS000とS001
は、何れもa〔k〕=1に対しては、c〔k〕=−Aと
いう値を取り、S100に遷移している。一方、a
〔k〕=0に対しては、c〔k〕=−A−Bという値を
取り、S000に遷移している。また、S111とS1
10も同様に、同じa〔k+1〕の値について同じc
〔k+1〕の値を取り、且つ、同じ状態に遷移してい
る。従って、S000とS001をまとめてS0と表現
し、S111とS110をまとめてS2と表現すること
ができる。さらに、S011をS3とし、S100をS
1と表現することにして、整理したものが図7である。
【0080】上述したように、図7が4値4状態ビタビ
復号方法に用いられる状態遷移図である。図7中には、
S0〜S3の4個の状態、および再生信号c〔k+1〕
の値としての−A−B,−A,A,A+Bの4個の値が
示されている。状態S0およびS2を起点とする状態遷
移は、2通り有るのに対して、状態S1およびS3を起
点とする状態遷移は、1通りのみである。
【0081】一方、状態遷移を時間に沿って表現する形
式として、図8に示すようなトレリス線図が用いられ
る。図8では、2個の時点間の遷移を示しているが、さ
らに多数の時点間の遷移を示すこともできる。時間経過
に伴い、順次右の時点に遷移していく様子が表現され
る。従って、水平な矢印は、例えばS0→S0等の同じ
状態への遷移を表し、斜めの矢印は、例えばS1→S2
等の異なる状態への遷移を表すことになる。
【0082】上述したビタビ復号方法のステップ、す
なわち図7に示した状態遷移図を前提として、ノイズを
含む実際の再生信号z〔k〕から最尤な状態遷移を選択
する方法について以下に説明する。
【0083】最尤な状態遷移を選択するためには、ま
ず、ある時点kにおける状態について、その状態に至る
過程において経由してきた複数時点間の状態遷移の尤度
の和を計算し、さらに、計算された尤度の和を比較し
て、最尤の復号系列を選択することが必要である。この
ような尤度の和をパスメトリックと称する。
【0084】パスメトリックを計算するためには、ま
ず、隣接する時点間の状態遷移の尤度を計算することが
必要となる。このような尤度の計算は、上述の状態遷移
図を参照して、再生信号z〔k〕の値に基づいて以下の
ようになされる。まず、一般的な説明として、時点k−
1において、状態Saである場合について考える。この
時、ビタビ復号器31に再生信号z〔k〕が入力された
場合に、状態Sbへの状態遷移が生じる尤度が次式に従
って計算される。但し、状態Saおよび状態Sbは、図
7の状態遷移図に記載されている4個の状態の何れかと
する。
【0085】 (z〔k〕−c(Sa,Sb))2 (12) 上式において、c(Sa,Sb)は、状態Saから状態
Sbへの状態遷移について、図7の状態遷移図に記載さ
れている再生信号の値である。すなわち、上述の図7に
おいて、例えば状態遷移S0→S1について、−Aと算
出されている値である。従って、式(12)は、ノイズ
を含む実際の再生信号z〔k〕の値と、ノイズを考慮せ
ずに計算された再生信号c(Sa,Sb)の値の間のユ
ークリッド距離となる。ある時点におけるパスメトリッ
クは、その時点に至るまでのこのような隣接時点間の状
態遷移の尤度の総和として定義される。
【0086】ところで、時点kにおいて状態Saである
場合を考える。この場合に、時点k−1において状態S
aに遷移し得る状態をSpとすれば、パスメトリックL
(Sa,k)は、時点k−1におけるパスメトリックを
用いて次式のように計算される。
【0087】 L(Sa,k) =L(Sp,k−1)+(z〔k〕−c(Sp,Sa))2 (13) すなわち、時点k−1において状態Spに至った場合の
パスメトリックL(Sp,k−1)と、時点k−1と時
点kの間で生じるSp→Saなる状態遷移の尤度(z
〔k〕−c(Sp,Sa))2 とを加算することによっ
て、パスメトリックL(Sa,k)が計算される。この
(z〔k〕−c(Sp,Sa))2 のような、最新の状
態遷移の尤度は、ブランチメトリックと称される。但
し、ここでのブランチメトリックは、後述するビタビ復
号器13中のブランチメトリック計算回路(BMC)2
0によって計算されるブランチメトリック、すなわち、
規格化メトリックに対応するブランチメトリックとは、
別のものであることに注意が必要である。
【0088】また、時点kにおいて状態Saである場合
に、時点k−1において状態Saに遷移し得る状態が複
数個存在することがある。図7においては、状態S0お
よびS2がこのような場合である。すなわち時点kにお
いて状態S0である場合に、時点k−1において状態S
0に遷移し得る状態は、S0とS3の2個である。ま
た、時点kにおいて状態S2である場合に、時点k−1
において状態S2に遷移し得る状態は、S1とS2の2
個である。一般的な説明として、時点kにおいて状態S
aであり、且つ、時点k−1において状態Saに遷移し
得る状態がSpおよびSqの2個である場合に、パスメ
トリックL(Sa,k)は、次式のように計算される。
【0089】 L(Sa,k) =min{L(Sp,k−1)+(z〔k〕−c(Sp,Sa))2 , L(Sq,k−1)+(z〔k〕−c(Sq,Sa))2 }(14) すなわち、時点k−1において状態Spであり、Sp→
Saなる状態遷移によって状態Saに至った場合と、時
点k−1において状態Sqであり、Sq→Saなる状態
遷移によって状態Saに至った場合の各々について、尤
度の和を計算する。そして、各々の計算値を比較し、よ
り小さい値を時点kにおける状態Saに関するパスメト
リックL(Sa,k)とする。
【0090】このようなパスメトリックの計算を、図7
を用いて上述した4値4状態について具体的に適用する
と、時点kにおける各状態S0,S1,S2およびS3
についてのパスメトリックL(0,k),L(1,
k),L(2,k)およびL(3,k)は、時点k−1
における各状態S0〜S3についてのパスメトリックL
(0,k−1)〜L(3,k−1)を用いて以下のよう
に計算できる。
【0091】 L(0,k)=min{L(0,k−1)+(z〔k〕+A+B)2 , L(3,k−1)+(z〔k〕+A)2 } (15) L(1,k)=L(0,k−1)+(z〔k〕+A)2 (16) L(2,k)=min{L(2,k−1)+(z〔k〕−A−B)2 L(1,k−1)+(z〔k〕−A)2 } (17) L(3,k)=L(2,k−1)+(z〔k〕−A)2 (18) 上述したように、このようにして計算されるパスメトリ
ックの値を比較して、最尤な状態遷移が選択されれば良
い。ところで、最尤な状態遷移を選択するためには、パ
スメトリックの値そのものを計算しなくても、パスメト
リックの値の比較ができれば良い。そこで、実際の4値
4状態ビタビ復号方法においては、パスメトリックの代
わりに以下に定義するような規格化パスメトリックを用
いることにより、各時点kにおけるz〔k〕に基づく計
算を容易なものとするようになされる。
【0092】 m(i,k) =〔L(i,k)−z〔k〕2 −(A+B)2 〕/2/(A+B)(19) 式(19)をS0〜S3の各状態に適用すると、具体的
な規格化パスメトリックは、以下のように2乗計算を含
まないものとなる。このため、後述する、加算、比較、
選択回路(ACS)21における計算を容易なものとす
ることができる。
【0093】 m(0,k)=min{m(0,k−1)+z〔k〕, m(3,k−1)+α×z〔k〕−β} (20) m(1,k)=m(0,k−1)+α×z〔k〕−β (21) m(2,k)=min{m(2,k−1)−z〔k〕, m(1,k−1)−α×z〔k〕−β} (22) m(3,k)=m(2,k−1)+α×z〔k〕−β (23) 但し、式(20)〜(23)中のαおよびβは、以下の
ようなものである。
【0094】α=A/(A+B) (24) β=B×(B+2×A)/2/(A+B) (25) このような規格化パスメトリックに基づく4値4状態ビ
タビ復号方法における状態遷移の条件について図9に示
す。上述の4個の規格化パスメトリックの内に、2個か
ら1個を選択する式が2つあるので、2×2=4通りの
条件がある。
【0095】〔4値4状態ビタビ復号器の概要〕上述し
た4値4状態ビタビ復号方法を実現するビタビ復号器1
3について以下に説明する。図10にビタビ復号器13
の全体構成を示す。ビタビ復号器13は、ブランチメト
リック計算回路(以下、BMCと表記する)20、加
算、比較および選択回路(以下、ACSと表記する)2
1、圧縮およびラッチ回路22およびパスメモリユニッ
ト(以下、PMUと表記する)23から構成される。こ
れらの各構成要素に対して上述のリードクロックDCK
(以下の説明においては、単にクロックと表記する)が
供給されることにより、ビタビ復号器13全体の動作タ
イミングが合わされる。以下、各構成要素について説明
する。
【0096】BMC20は、入力される再生信号z
〔k〕に基づいて、規格化パスメトリックに対応するブ
ランチメトリックの値BM0,BM1,BM2およびB
M3を計算する。BM0〜BM3は、上述の式(20)
〜(23)の規格化パスメトリックを計算するために必
要とされる、以下のようなものである。
【0097】 BM0=z(k) (26) BM1=α×z〔k〕−β (27) BM2=−z(k) (28) BM3=−α×z〔k〕−β (29) この計算に必要なαおよびβは、上述の式(24)およ
び(25)に従ってBMC20によって計算される基準
値である。かかる計算は、例えば再生信号z〔k〕に基
づくエンベロープ検出等の方法で検出され、BMC20
に供給される識別点−A−B,−A,AおよびA+Bの
値に基づいてなされる。
【0098】BM0〜BM3の値は、ACS21に供給
される。一方、ACS21は、後述するような圧縮およ
びラッチ回路22から、1クロック前の規格化パスメト
リックの値(但し、後述するように圧縮のなされたも
の)M0,M1,M2およびM3を供給される。そし
て、M0〜M3と、BM0〜BM3とを加算して、後述
するようにして、最新の規格化パスメトリックの値L
0,L1,L2およびL3を計算する。M0〜M3が圧
縮のなされたものであるため、L0〜L3を計算する際
のオーバーフローを避けることができる。
【0099】さらに、ACS21は、最新の規格化パス
メトリックの値L0〜L3に基づいて、後述するよう
に、最尤な状態遷移を選択し、また、選択結果に対応し
て、パスメモリ23に供給される選択信号SEL0およ
びSEL2を'High'または'Low' とする。
【0100】また、ACS21は、L0〜L3を圧縮お
よびラッチ回路22に供給する。圧縮およびラッチ回路
22は、供給されるL0〜L3を圧縮した後にラッチす
る。その後、1クロック前の規格化パスメトリックM0
〜M3としてACS21に供給する。
【0101】この際の圧縮の方法としては、例えば以下
に示すように、最新の規格化パスメトリックL0〜L3
から、そのうちの1個、例えばL0を一律に差し引く等
の方法が用いられる。
【0102】 M0=L0−L0 (30) M1=L1−L0 (31) M2=L2−L0 (32) M3=L3−L0 (33) この結果として、M0が常に0の値をとることになる
が、以下の説明においては、一般性を損なわないため
に、このままM0と表記する。式(30)〜(33)に
よって計算されるM0〜M3の値の差は、L0〜L3の
値の差と等しいものとなる。上述したように、最尤な状
態遷移の選択においては、規格化パスメトリック間の値
の差のみが問題となる。従って、このような圧縮方法
は、最尤な状態遷移の選択結果に影響せずに規格化パス
メトリックの値を圧縮し、オーバーフローを防止する方
法として有効である。このように、ACS21と圧縮お
よびラッチ回路22は、規格化パスメトリックの計算に
関するループを構成する。
【0103】上述のACS21について、図11を参照
してより詳細に説明する。ACS21は、6個の加算器
51、52、53、54、56、58および2個の比較
器55、57から構成される。一方、上述したようにA
CS21には、1クロック前の圧縮された規格化パスメ
トリックの値M0〜M3および規格化パスメトリックに
対応するブランチメトリックの値BM0〜BM3が供給
される。
【0104】加算器51には、M0およびBM0が供給
される。加算器51は、これらを加算して以下のような
L00を算出する。
【0105】L00=M0+BM0 (34) 上述したように、M0は、時点k−1において状態S0
に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応す
る圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM
0は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基
づいて上述の(26)式に従って計算されるもの、すな
わちz〔k〕の値そのものである。従って、式(34)
の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式
(20)中のm(0,k−1)+z〔k〕の値を計算し
たものとなる。すなわち、時点k−1において状態S0
であり、時点kにおける状態遷移S0→S0によって最
終的に状態遷移S0に至った場合に対応する計算値であ
る。
【0106】一方、加算器52には、M3およびBM1
が供給される。加算器51は、これらを加算して以下の
ようなL30を算出する。
【0107】L30=M3+BM1 (35) 上述したように、M3は、時点k−1において状態S3
に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応す
る、圧縮された規格化パスメトリックである。また、B
M1は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に
基づいて上述の(27)式に従って計算されるもの、す
なわちα×z〔k〕−βである。従って、式(35)の
値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(2
0)中のm(3,k−1)+α×z〔k〕−βの値を計
算したものとなる。すなわち、時点k−1において状態
S3であり、時点kにおける状態遷移S3→S0によっ
て最終的に状態遷移S0に至った場合に対応する計算値
である。
【0108】上述のL00およびL30は、比較器55
に供給される。比較器55は、L00およびL30の値
を比較し、小さい方を最新の規格化パスメトリックL0
とすると供に、選択結果に応じて、上述したように選択
信号SEL0の極性を切替える。このような構成は、式
(20)において、最小値が選択されることに対応する
ものである。すなわち、L00<L30の場合(この時
は、S0→S0が選択される)に、L00をL0として
出力し、且つ、SEL0を例えば、'Low' とする。ま
た、L30<L00の場合(この時は、S3→S0が選
択される)には、L30をL0として出力し、且つ、S
EL0を例えば'High'とする。SEL0は、後述するよ
うに、状態S0に対応するA型パスメモリ24に供給さ
れる。
【0109】このように、加算器51、52および比較
器55は、上述の式(20)に対応して、S0→S0と
S3→S0の内から、時点kにおける状態遷移として最
尤なものを選択する動作を行う。そして、選択結果に応
じて、最新の規格化パスメトリックL0および選択信号
SEL0を出力する。
【0110】また、加算器56には、M0およびBM1
が供給される。加算器51は、これらを加算して以下の
ようなL1を算出する。
【0111】L1=M0+BM1 (36) 上述したように、M0は、時点k−1において状態S0
に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応す
る圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM
1は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基
づいて上述の(27)式に従って計算されるもの、すな
わちα×z〔k〕−βである。従って、式(36)の値
は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(2
1)の右辺m(0,k−1)+α×z〔k〕−βの値を
計算したものとなる。
【0112】すなわち、時点k−1において状態S0で
あり、時点kにおける状態遷移S0→S1によって最終
的に状態遷移S1に至った場合に対応する計算値であ
る。式(21)が値の選択を行わないことに対応して、
加算器56の出力がそのまま最新の規格化パスメトリッ
クL1とされる。
【0113】加算器53には、M2およびBM2が供給
される。加算器53は、これらを加算して以下のような
L22を算出する。
【0114】L22=M2+BM2 (37) 上述したように、M2は、時点k−1において状態S2
に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応す
る圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM
0は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基
づいて上述の(28)式に従って計算されるもの、すな
わち−z〔k〕である。従って、式(37)の値は、上
述したような圧縮の作用の下に、上述の式(22)中の
m(2,k−1)−z〔k〕の値を計算したものとな
る。すなわち、時点k−1において状態S2であり、時
点kにおける状態遷移S2→S2によって最終的に状態
遷移S2に至った場合に対応する計算値である。
【0115】一方、加算器54には、M1およびBM3
が供給される。加算器53は、これらを加算して以下の
ようなL12を算出する。
【0116】L12=M1+BM3 (38) 上述したように、M1は、時点k−1において状態S1
に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応す
る圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM
3は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基
づいて上述の(29)式に従って計算されるもの、すな
わち−α×z〔k〕−β である。従って、式(38)
の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式
(22)中のm(1,k−1)−α×z〔k〕−βの値
を計算したものとなる。すなわち、時点k−1において
状態S1であり、時点kにおける状態遷移S1→S2に
よって最終的に状態遷移S2に至った場合に対応する計
算値である。
【0117】上述のL22およびL12は、比較器57
に供給される。比較器57は、L22およびL12の値
を比較し、小さい方を最新の規格化パスメトリックL2
とすると共に、選択結果に応じて、上述したように選択
信号SEL2の極性を切替える。このような構成は、式
(22)において、最小値が選択されることに対応する
ものである。
【0118】すなわち、L22<L12の場合(この時
は、S2→S2が選択される)に、L22をL2として
出力し、且つ、SEL2を例えば、'Low' とする。ま
た、L12<L22の場合(この時は、S1→S2が選
択される)には、L12をL2として出力し、且つ、S
EL2を例えば'High'とする。SEL2は、後述するよ
うに、状態S2に対応するA型パスメモリ26に供給さ
れる。
【0119】このように、加算器53、54および比較
器57は、上述の式(22)に対応して、S1→S2と
S2→S2の内から、時点kにおける状態遷移として最
尤なものを選択する。そして、選択結果に応じて、最新
の規格化パスメトリックL2および選択信号SEL2を
出力する。
【0120】また、加算器58には、M2およびBM3
が供給される。加算器58は、これらを加算して以下の
ようなL3を算出する。
【0121】L3=M2+BM3 (39) 上述したように、M2は、時点k−1において状態S2
に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応す
る圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM
3は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基
づいて上述の(29)式に従って計算されるもの、すな
わち−α×z〔k〕−βである。従って、式(39)の
値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(2
3)の右辺m(2,k−1)+α×z〔k〕−βの値を
計算したものとなる。
【0122】すなわち、時点k−1において状態S0で
あり、時点kにおける状態遷移S2→S3によって最終
的に状態遷移S3に至った場合に対応する計算値であ
る。式(23)が値の選択を行わないことに対応して、
加算器58の出力がそのまま最新の規格化パスメトリッ
クL3とされる。
【0123】上述したようにして, ACS21が出力す
るSEL0およびSEL2に従って、パスメモリユニッ
ト(以下、PMUと表記する)23が動作することによ
って、記録データa〔k〕に対する最尤復号系列として
の復号データa’〔k〕が生成される。PMU23は、
図7に示した4個の状態間の状態遷移に対応するため
に、2個のA型パスメモリおよび2個のB型パスメモリ
から構成される。
【0124】A型パスメモリは、その状態に至る遷移と
して2つの遷移(すなわち、自分自身からの遷移と、他
の1個の状態からの遷移)を有し、且つ、その状態を起
点とする2つの遷移(すなわち、自分自身に至る遷移と
他の1個の状態に至る遷移)を有する状態に対応するた
めの構成とされる。従って、A型パスメモリは、図7に
示した4個の状態の内、S0およびS2に対応するもの
である。
【0125】一方、B型パスメモリは、その状態に至る
遷移が1つのみであり、且つ、その状態を起点とする遷
移が1つのみである状態に対応するための構成とされ
る。従って、B型パスメモリは、図7に示した4個の状
態の内、S1およびS3に対応するものである。
【0126】これら2個のA型パスメモリおよび2個の
B型パスメモリが図7に示した状態遷移図に従う動作を
行うために、PMU23において、図10に示すような
復号データの受渡しがなされるように構成される。すな
わち、A型パスメモリ24がS0に対応し、A型パスメ
モリ26がS2に対応する。また、B型パスメモリ25
がS1に対応し、また、B型パスメモリ27がS3に対
応する。
【0127】このように構成すれば、S0を起点として
生じ得る状態遷移がS0→S0およびS0→S1であ
り、S2を起点として生じ得る状態遷移がS2→S2お
よびS2→S3であることに合致する。また、S1を起
点として生じ得る状態遷移がS1→S2のみであり、S
3を起点として生じ得る状態遷移がS3→S0のみであ
ることにも合致する。
【0128】A型パスメモリ24について、その詳細な
構成を図12に示す。A型パスメモリ24は、パスメモ
リ長に対応する個数のフリップフロップとセレクタを、
交互に接続したものである。図10には、14ビットの
デコードデータ長に対応する構成を示した。すなわち、
14個のセレクタ311 〜3114および15個のフリッ
プフロップ300 〜3014を有するものである。セレク
タ311 〜3114は、何れも2個のデータを受取り、そ
の内の1個を選択的に後段に供給するものである。ま
た、フリップフロップ300 〜3014にクロックが供給
されることにより、A型パスメモリ24全体の動作タイ
ミングが合わされる。
【0129】図7を用いて上述したように、状態S0に
至る遷移は、S0→S0すなわち自分自身から継承する
遷移、およびS3→S0である。このような状況に対応
する構成として、各セレクタは、前段のフリップフロッ
プから供給されるデータすなわちS0→S0に対応する
復号データと、状態S3に対応するB型パスメモリ27
から供給されるデータすなわちS3→S0に対応する復
号データPM3とを受取る。
【0130】さらに、各セレクタは、ACS21からS
EL0を供給される。そして、SEL0の極性に応じ
て、供給される2個の復号データの内の一方を後段のフ
リップフロップに供給する。また、このようにして後段
のフリップフロップに供給される復号データは、状態S
1に対応するB型パスメモリ25にもPM0として供給
される。
【0131】すなわち、例えばセレクタ3114は、前段
のフリップフロップ3013から供給されるデータと、B
型パスメモリ27から供給される14ビットからなるP
M3の14番目のビット位置のデータとを受取る。そし
て、これら2個のデータの内から以下のようにして選択
したデータを、後段のフリップフロップ3014に供給す
る。上述したようにSEL0は、選択結果に応じて、'L
ow' または'High'とされる。
【0132】SEL0が例えば'Low' の時は、前段のフ
リップフロップ3013からのデータが選択されるように
なされる。また、SEL0が例えば'High'の時は、PM
3の14番目のビット位置のデータが選択されるように
なされる。選択されたデータは、後段のフリップフロッ
プ3014に供給され、また、PM0の14番目のビット
位置のデータとして、状態S1に対応するB型パスメモ
リ25に供給される。
【0133】A型パスメモリ24中の他のセレクタ31
1 〜3113においても、SEL0の極性に応じて、同様
な動作が行われる。従って、A型パスメモリ24全体と
しては、SEL0が例えば'Low' の時は、A型パスメモ
リ24中で、各々のフリップフロップがその前段に位置
するフリップフロップのデータを継承するシリアルシフ
トを行う。また、SEL0が例えば'High'の時は、B型
パスメモリ27から供給される14ビットからなる復号
データPM3を継承するパラレルロードを行う。何れの
場合にも、継承される復号データは、B型パスメモリ2
5に14ビットの復号データPM0として供給される。
【0134】また、最初の処理段となるフリップフロッ
プ300 には、クロックに同期して常に'0' が入力され
る。かかる動作は、S0に至る状態遷移S0→S0とS
2→S0の何れにおいても、図7に示すように、復号デ
ータが'0' なので、最新の復号データは、常に'0' とな
ることに対応している。
【0135】上述したように、S2に対応するA型パス
メモリ26についても、構成自体は、A型パスメモリ2
4と全く同様である。但し、ACS21から入力される
選択信号は、SEL2である。また、図6に示すように
状態S2に至る遷移としては、S2→S2すなわち自分
自身から継承する遷移と、S1→S2とがある。このた
め、状態S1に対応するB型パスメモリ25からPM1
を供給される。さらに、状態S2を起点として生じ得る
状態がS2すなわち自分自身と、S3であることに対応
して、状態S3に対応するB型パスメモリ27にPM2
を供給する。
【0136】また、S2に対応するA型パスメモリ26
においても、最初の処理段となるフリップフロップに
は、クロックに同期して常に'0' が入力される。かかる
動作は、S2に至る状態遷移S2→S2とS1→S0の
何れにおいても、図7に示すように、復号データが'0'
なので、最新の復号データは、常に'0' となることに対
応している。
【0137】他方、B型パスメモリ25について、その
詳細な構成を図13に示す。B型パスメモリ25は、パ
スメモリ長に対応する個数のフリップフロップを接続し
たものである。図13には、14ビットのデコードデー
タ長に対応する構成を示した。すなわち、15個のフリ
ップフロップ320 〜3214を有するものである。フリ
ップフロップ320 〜3214にクロックが供給されるこ
とにより、B型パスメモリ25全体の動作タイミングが
合わされる。
【0138】各フリップフロップ321 〜3214には、
状態S0に対応するA型パスメモリ24から、14ビッ
トの復号データがPM0として供給される。例えば、フ
リップフロップ321 には、PM0の1ビット目が供給
される。各フリップフロップ321 〜3214は、供給さ
れた値を1クロックの間保持する。そして、状態S2に
対応するA型パスメモリ26に、14ビットの復号デー
タPM1として出力する。例えば、フリップフロップ3
1 は、PM1の2ビット目を出力する。
【0139】B型パスメモリ25中の他のセレクタ32
1 〜3213においても、同様な動作が行われる。従っ
て、B型パスメモリ25全体としては、A型パスメモリ
24から供給される14ビットからなる復号データPM
0を受取り、またA型パスメモリ26に14ビットから
なる復号データPM1を供給する。
【0140】また、フリップフロップ320 には、クロ
ックに同期して常に'1' が入力される。かかる動作は、
図7に示したように、最新の状態遷移がS0→S1であ
る場合に復号データが'1' であることに対応している。
【0141】また、上述のように、状態S3に対応する
B型パスメモリ27についても、B型パスメモリ25と
全く同様な構成とされる。但し、図7に示すように状態
S3に至る遷移は、S2→S3なので、状態S2に対応
するA型パスメモリ26からPM2を供給される。さら
に、状態S3を起点として生じ得る状態がS0であるこ
とに対応して、状態S0に対応するA型パスメモリ24
にPM3を供給するようになされる。B型パスメモリ2
7においても、最初の処理段となるフリップフロップに
は、クロックに同期して常に'1' が入力される。かかる
動作は、図7に示したように、最新の状態遷移がS2→
S3である場合に復号データが'1' であることに対応し
ている。
【0142】上述したようにして、PMU23中の4個
のパスメモリは、各々復号データを生成する。このよう
にして生成される4個の復号データは、常に正確なビタ
ビ復号動作がなされる場合には、互いに一致することに
なる。ところで、実際のビタビ復号動作においては、4
個の復号データに不一致が生じることも起こり得る。こ
のような不一致は、再生信号に含まれるノイズの影響等
により、上述の識別点AおよびBを検出する際に誤差が
生じる等の要因により、ビタビ復号動作が不正確なもの
となることによって生じる。
【0143】一般に、このような不一致が生じる確率
は、再生信号の品質に対応してパスメモリの処理段数を
充分に大きく設定することによって減少させることがで
きる。すなわち、再生信号のC/N等の品質が良い場合
には、パスメモリの処理段数が比較的小さくても復号デ
ータ間の不一致が生じる確率は小さい。これに対して、
再生信号の品質が良くない場合には、上述の不一致が生
じる確率を小さくするためには、パスメモリの処理段数
を大きくする必要がある。
【0144】再生信号の品質に対してパスメモリの処理
段数が比較的小さくて、復号データ間の不一致が生じる
確率を充分に低くすることができない場合には、4個の
復号データから、例えば多数決等の方法によって、より
的確なものを選択するような、図示しない構成がPMU
23中の4個のパスメモリの後段に設けられる。
【0145】〔4値4状態ビタビ復号方法以外のビタビ
復号方法〕上述した4値4状態ビタビ復号方法は、フィ
ルタ部11において用いられる波形等化特性がPR
(1,2,1)であり、且つ、記録データとしてRLL
(1,7)符号が採用される場合に用いられる。例え
ば、ISOで標準化が進められている記録線密度0.4
0μm,レーザ波長685nm,NA=0.55の場合
には、波形等化特性をPR(1,2,1)とし、4値4
状態ビタビ復号方法を用いることが最適となる。他方、
波形等化特性または記録データを生成するための符号化
方法に応じて、他の種類のビタビ復号方法が用いられる
こともある。
【0146】例えば、波形等化特性がPR(1,1)で
あり、且つ、記録データとしてRLL(1,7)符号が
用いられる場合には、3値4状態ビタビ復号方法が用い
られる。また、波形等化特性がPR(1,3,3,1)
であり、且つ、記録データとしてRLL(1,7)符号
が用いられる場合には、7値6状態ビタビ復号方法が用
いられる。このようなビタビ復号方法の内、何れを用い
るかを選択するための要素の1つとなる波形等化特性
は、再生信号上の符号間干渉に適合する程度が良いもの
が採用される。従って、上述したように、線記録密度お
よびMTFを考慮して最適なものとされる。
【0147】また、波形等化特性の理論値からのずれ、
および再生信号の振幅変動、非対称歪等によって、識別
点の値が理論と異なる場合もある。このような場合を考
慮して、ビタビ復号方法を修正して用いることも行われ
る。例えば4値4状態ビタビ復号方法において、波形等
化特性を正確にPR(1,2,1)とすることは困難で
ある点を考慮して、後述するように6個の識別点を前提
とした6値4状態ビタビ復号方法が用いられることもあ
る。
【0148】上述したように、ビタビ復号方法は、ある
時点kにおいて入力されるA/D変換された再生信号z
〔k〕に基づいて、その時点kに至る複数の時点間に生
じ得る状態遷移の尤度の和を計算し、計算値を比較し
て、予め特定された状態遷移の系列として、最尤の復号
系列を選択する方法である。このため、再生信号がホワ
イトノイズ等を含む信号品質が良くない信号である場合
に、ビットバイビット復号方法よりもエラーレートが低
いリードデータを得ることができることが多い。
【0149】その反面、ビタビ復号方法においては、バ
ーストエラーが生じた場合、その影響がバーストエラー
の影響を直接受ける再生信号中の部分に基づく復号結果
に復号エラーが生じることに止まらない。すなわち、こ
のような復号エラーが生じた場合、それに後続する復号
結果は、復号系列として誤ったものとなる。このような
バーストエラーに起因して生じる誤り伝搬によって、広
範囲に渡ってエラーレートが高くなるおそれがある。
【0150】一般的には、再生信号の信号品質等の諸条
件に応じて、より的確なリードデータを選択して後段の
復号化処理等の対象とするように制御すれば、復号エラ
ーが最終的な再生結果に及ぼす悪影響を常に小さくする
ことができる。この発明の実施の一形態は、ビタビ復号
方法およびビットバイビット復号方法の両方を行なうこ
とが可能な回路構成により、これら2個の復号方法の
内、より的確な復号方法を選択して行なうようにしたも
のである。
【0151】このような機能を実現する構成としては、
例えば図1に示したような、ビタビ復号方法を行なう構
成に、ビットバイビット復号方法を行なう構成を並列に
付加したものがまず考えられる。但し、そのような構成
においては、両方の復号系がアンプ部、およびフィルタ
部を別個に有するため、全体構成において、アンプ部お
よびフィルタ部を2個ずつ有する構成となり、回路規模
が大きくなるという問題が生じる。そこで、この発明の
実施の一形態は、ビタビ復号方法を行なう構成と、ビッ
トバイビット復号方法を行なう構成とについて、それら
の前段に共通のアンプ部およびフィルタ部を設けたもの
である。
【0152】図14を参照して、光磁気ディスク装置に
対してこの発明を適用した、この発明の実施の一形態の
全体構成について説明する。図1中の構成要素と同様の
構成要素には、同一の符号を付した。記録系および図示
しないサーボ系等については、上述した光磁気ディスク
装置の一例と同様である。
【0153】再生系の構成および動作について説明す
る。光ピックアップ7、和信号/差信号切替えスイッチ
8については、上述した光磁気ディスク装置の一例と同
様である。和信号/差信号切替えスイッチ8の後段に
は、アンプ部90が設けられる。アンプ部90は、和信
号/差信号切替えスイッチ8の出力をバッファリングし
た後に、ゲイン制御および波形等化等を含むフィルタリ
ング処理を行なうフィルタ部200に供給する。このフ
ィルタ部200には、上述の和信号/差信号切替え信号
Sが供給される。そして、この和信号/差信号切替え信
号Sに従ってなされる後述するような制御により、2次
のLPFまたは8次のイクイリップルフィルタとして、
供給される信号に所定の処理を施す。
【0154】フィルタ部200の後段には、ビットバイ
ビットブロック16およびビタビブロック17が設けら
れている。ビットバイビットブロック16およびビタビ
ブロック17は、供給される再生信号から、それぞれ別
個にリードデータを復号し、コントローラ2に供給す
る。従って、コントローラ2には、2つのリードデータ
が供給される。ビットバイビットブロック16によって
復号されるリードデータは、後述するように、アドレス
部のデータを再生するために用いられることが多いの
で、以下、かかるリードデータをアドレス部リードデー
タARDと表記する。また、ビタビブロック17によっ
て復号されるリードデータは、後述するように、データ
部のデータを再生するために用いられることが多いの
で、以下、かかるリードデータをデータ部リードデータ
DRDと表記する。
【0155】ここで、上述したセクタフォーマット(図
3参照)において、アドレス部に対応するものは、ヘッ
ダ部(63バイト)である。また、データ部に対応する
ものは、データフィールドヘッダ部(670バイトまた
は1278バイト)である。
【0156】ビットバイビットブロック16の構成およ
び動作について説明する。エンベロープ検出部120、
コンパレータ121、レジスタ122、およびPLL1
4は、同一の符号を付した図14中の各構成要素と同様
である。エンベロープ検出部120は、供給される再生
信号に基づくエンベロープ検出を行って2値化に必要な
スライスレベルを検出する。このようにして検出された
スライスレベルは、再生信号の振幅およびセンター値の
変動に追従するものなので、2値化におけるエラーの発
生を低減することができる。スライスレベルは、コンパ
レータ121に供給される。コンパレータ121は、か
かるスライスレベルに基づいて、上述したようにして供
給される再生信号を2値化する。
【0157】2値データがレジスタ122に供給され
る。ところで、レジスタ122には、後述するように、
PLL部14からリードクロックDCKが供給される。
そして、レジスタ122に供給される2値データは、リ
ードクロックDCKに従うタイミングでコントローラ2
に出力される。このようにして、ビットバイビットブロ
ック16によって復号されたリードデータがARDとし
てコントローラ2に供給される。
【0158】一方、コンパレータ121の出力は、PL
L部14にも供給される。上述したように、光磁気ディ
スク6のセクタフォーマット中には、一般に、PLL部
のVFOを同期させるために用いられるデータパターン
VFO1 、VFO 2、VFO3が設けられている。従っ
て、コンパレータ121の出力は、これらVFO1 、V
FO 2、VFO 3からそれぞれ再生される信号を含む。
PLL部14は、このような信号に基づいて、リードク
ロックDCKを生成する。リードクロックDCKは、コ
ントローラ2、A/D変換器12、ビタビ復号器13、
レジスタ122等に供給され、これらの各構成要素の動
作タイミングは、リードクロックDCKに従うものとさ
れる。
【0159】PLL部14は、コンパレータ121が生
成する2値化データを供給されることができる位置であ
れば、ビットバイビットブロック16内に限らず何処に
設けても良い。また、リードクロックDCKに基づく、
図示しない他の構成要素の動作等は、上述した光磁気デ
ィスク装置の一例と同様である。
【0160】次に、ビタビブロック17の構成および動
作について説明する。ビタビブロック17は、ビタビ復
号器13等を有している。ビタビ復号器13は、A/D
変換器12から供給されるサンプリング値z〔k〕に基
づいて、ビタビ復号方法によってリードデータを復号す
る。
【0161】一方、コントローラ2は、上述したように
して供給される2つのリードデータ(ARDとDRD)
の内、より的確なものを復号化処理の対象とする。この
ような復号化処理の対象の選択は、例えば上述したセク
タフォーマット(図3参照)において、ヘッダ内のアド
レスマークAMから再生される信号を基準として、リー
ドクロックの数を計数することにより、復号化処理の対
象を切替えるタイミングを検出する等の方法によって行
われる。
【0162】すなわち、コントローラ2は、アドレス部
のデータが再生される期間には、ビットバイビットブロ
ック16から供給されるリードデータARDを復号化処
理する。かかる期間には、和信号/差信号切替えスイッ
チ8の出力が和信号R+ とされている。このようにして
再生されたアドレス部のデータは、例えばセクタ番号、
トラック番号等のアドレスデータを含んでいる。かかる
データは、例えば記録/再生を行う領域に対するシーク
・トラッキング等の装置の動作に必要不可欠なものであ
る。
【0163】また、コントローラ2は、データ部のデー
タが再生される期間には、ビタビブロック17から供給
されるリードデータDRDを復号化処理する。かかる期
間には、和信号/差信号スイッチ8の出力が差信号R-
とされている。再生されたデータ部のデータは、ユーザ
データとして、ホストコンピュータ1に供給される。
【0164】次に、フィルタ部200のより詳細な構成
について、図15を参照して説明する。フィルタ部20
0は、入力側から順に配置されたフィルタ(201、2
04、205、206、207および208)を有して
いる。また、フィルタ201とフィルタ204の間にフ
ィルタリング処理切替えスイッチ203が設けられ、さ
らに、フィルタ208の後段に出力切替えスイッチ20
9が設けられている。フィルタリング処理切替えスイッ
チ203および出力切替えスイッチ209には、上述の
和信号/差信号切替え信号Sが供給され、これら2個の
スイッチは、和信号/差信号切替え信号Sに従って動作
する。
【0165】すなわち、まず、和信号/差信号切替え信
号Sが光磁気的に記録された領域すなわちデータ部が再
生されていることを示す期間には、フィルタリング処理
切替えスイッチ203が端子203bの方に倒れる。従
って、かかる期間には、フィルタ201の出力がフィル
タ204〜208によって処理され、フィルタ208の
出力がスイッチ209内の端子209bに供給される。
出力切替えスイッチ209も、和信号/差信号切替え信
号Sに従って動作し、かかる期間には、端子209bに
供給された信号を出力する。従って、和信号/差信号切
替え信号Sがデータ部が再生されていることを示す期間
には、入力する再生信号に対して、フィルタ部200が
フィルタ201、204、205、206、207およ
び208の縦列接続によって実現される伝達関数に従
う、後述するような8次のイクイリップルフィルタとし
ての処理を施す。
【0166】一方、和信号/差信号切替え信号Sがエン
ボス加工によって形成される領域、すなわちデータ部が
再生されていることを示す期間には、フィルタリング処
理切替えスイッチ203が端子203aの方に倒れる。
従って、かかる期間にはフィルタ201の出力がそのま
ま出力切替えスイッチ209内の端子209aに供給さ
れる。出力切替えスイッチ209も、和信号/差信号切
替え信号Sに従って動作し、かかる期間には端子209
bに供給された信号を出力する。従って、和信号/差信
号切替え信号Sがデータ部が再生されていることを示す
期間には、入力する再生信号に対して、フィルタ部20
0がフィルタ201が実現する伝達関数に従う2次のL
PFとしての処理を施す。
【0167】フィルタ部200内の各フィルタについて
説明する。まず、フィルタ201、204、205、2
06、207および208が全体として8次のイクイリ
ップルフィルタとしての処理を行なう場合、その伝達関
数は、以下のようなものである。
【0168】
【数1】
【0169】但し、S=1/ωである。また、式(5
0)中のωp1〜ωp2およびωza, ωzbは、後述するよう
に、フィルタの各構成要素のパラメータによって決めら
れる定数である。式(50)の伝達関数は、次のような
4個の2次の伝達関数が実現できれば、それらの積とし
て実現することができる。
【0170】
【数2】
【0171】
【数3】
【0172】
【数4】
【0173】
【数5】
【0174】この内、式(53)および式(54)の伝
達関数H3 (ω) およびH4 (ω)は、次のような積と
考えることができる。
【0175】 H3 (ω) =H3 '(ω) ×H3 ''( ω) (55)
【0176】
【数6】
【0177】
【数7】
【0178】 H4 (ω) =H4 '(ω) ×H4 ''( ω) (58)
【0179】
【数8】
【0180】
【数9】
【0181】そして、式(51)、(52)、(56)
および(59)の伝達関数H1 (ω) 、H2 (ω) 、H
3 '(ω) およびH4 '(ω) を実現する構成の一例を図1
6に示す。このような構成によって、一般的に次のよう
な伝達関数が得られる。
【0182】
【数10】
【0183】ここで、定数E,F,Gは、構成要素のパ
ラメータ、すなわち使用されるコンデンサの容量および
抵抗の抵抗値によって決まる定数である。従って、これ
らの構成要素のパラメータを適切に選択すれば、式(5
1)、(52)、(56)および(59)の伝達関数を
実現することができる。
【0184】一方、式(57)および(60)の伝達関
数H3 ''( ω) およびH4 ''( ω)を実現する構成の一
例を図17に示す。このような構成によって、一般的に
次のような伝達関数が得られる。
【0185】H' (ω)=−D×S (62) 式(62)において、Dは使用されるコンデンサの容量
および抵抗の抵抗値の積として決まる定数である。従っ
て、コンデンサの容量および抵抗の抵抗値を適切に選択
すれば、式(57)および(60)の伝達関数を実現す
ることができる。
【0186】以上のようにして、伝達関数H1 (ω) 、
2 ( ω) 、H3 '(ω) 、H3 ''(ω) 、H4 '(ω) お
よびH4 ''( ω) を実現する構成としてのフィルタ20
1、204、205、206、207、208が縦列接
続されて、入力する再生信号を処理する場合(データ部
が再生される期間)に、式(50)の伝達関数に従う8
次のイクイリップルフィルタによる処理が行なわれる。
また、アドレス部が再生される期間には、伝達関数がH
1 (ω) である2次のLPFとしての処理を行なうフィ
ルタ201による処理が行なわれる。
【0187】このような構成によって再生信号に施され
る2種類の処理について、図18および図19を参照し
て説明する。まず、図18には、フィルタ201のみに
よる2次のLPF(伝達関数:式(51)のH1 (ω)
)の特性についてのシミュレーション結果の一例を示
した。図18(a)は、振幅特性を示した図である。ま
た、図18(b)は、位相特性を示し、図18(c)
は、単位インパルス応答について示している。また、図
19には、フィルタ201、204、205、206、
207および208による8次のLPF(伝達関数:式
(50))の特性についてのシミュレーション結果の一
例を示した。図19(a)が振幅特性、図19(b)が
位相特性、また、図19(c)が単位インパルス応答
を、それぞれ示した図である。
【0188】図18(a)と図19(a)とを比較する
と、図19(a)に示される8次のイクイリップルフィ
ルタの方がゲインの周波数依存性がより急峻な曲線をな
し、LPFとしての特性が良いことがわかる。ここで、
図18(a)と図19(a)とでは、横軸(対数を用い
て示す周波数)のスケールが異なっていることに注意が
必要である。
【0189】また、8次のイクイリップルフィルタの特
徴として、伝達関数のパラメータ(具体的には、例えば
式(50)中のωZa、ωZb)を変更することにより、ブ
ースト量を容易に変えることが可能である。ブースト量
を大きくすれば、カットオッフ周波数付近でのゲインを
増幅することができるので、フィルタにゲインアンプと
しての機能を持たせることができる。具体的には、ブー
スト量を変えるために変更され得る伝達関数のパラメー
タは、例えば式(50)中のωZa、ωZbである。また、
式(50)中のωP1、ωP2、ωP3およびωP4について
は、予め規定された定数を用いている。
【0190】さらに、図18(c)と図19(c)とを
比較すると、8次のイクイリップルフィルタのインパル
ス応答は、図19(c)に示されるように対称な波形が
得られることがわかる。このようなインパルス応答と、
入力する再生信号波形との畳み込みをとることにより、
信号品質の良くないデータ部からの再生信号に対して
も、良好な出力波形を得ることができる。従って、図1
8(c)に示されるようなインパルス応答を有する2次
のLPFに比較して、特に入力する再生信号の信号品質
が良くない場合に、有効な波形等化を行なうことができ
る。
【0191】以上のように、フィルタ部200におい
て、フィルタの次数を変えることにより消費電力の低減
が図れる。すなわち、一般にフィルタの次数が大きくな
る程、消費電力も増大するので、比較的小さい次数のフ
ィルタで充分な波形等化がなされ得るアドレス部からの
再生信号も、一律に大きい次数のフィルタで処理する構
成においては、無駄な電力消費が発生することになる。
これに対して、フィルタの次数を変えることにより、ア
ドレス部からの再生信号について小さい次数のフィルタ
で処理するように制御することにより、消費電力を抑え
ることができる。
【0192】また、フィルタの次数を変えることにより
遅延時間の減少が図れる。すなわち、一般にフィルタの
次数が大きくなる程、入力する再生信号に対し、出力が
なされるまでの遅延時間が増大する傾向がある。このた
め、比較的小さい次数のフィルタで充分な波形等化がな
され得るアドレス部からの再生信号も、一律に大きい次
数のフィルタで処理する構成においては、無駄な遅延時
間が発生することになる。これに対して、フィルタの次
数を変えることにより、アドレス部からの再生信号につ
いて小さい次数のフィルタで処理するように制御するこ
とにより、遅延時間を抑えることができる。
【0193】上述したこの発明の実施の一形態は、フィ
ルタ部200の後段に、ビットバイビットブロック16
およびビタビブロック17を設けたものである。これに
対し、図20に示すように、フィルタ部200の後段に
A/D変換器12を配置し、A/D変換器12の後段
に、ビットバイビットブロック16およびビタビブロッ
ク17を設けたものも可能である。この場合には、ビッ
トバイビットブロック16内に、図14中のエンベロー
プ検出部120の代わりに、A/D変換器12によって
サンプリングされたサンプリング値の平均値を算出する
平均値算出回路125が設けられる。
【0194】平均値算出回路125は、A/D変換器1
2の出力に基づいて、例えば25 =32個のサンプリン
グ値を順次加算し、加算値をレジスタ上で5ビット左に
シフトする等の方法で平均値を算出する。算出された平
均値がコンパレータ121に供給され、2値化処理に必
要なスライスレベルとして使用される。図20におい
て、上述したこの発明の実施の一形態と同様な構成要素
には、図14と同様な符号を付した。
【0195】また、この発明の実施の一形態は、ビタビ
復号方法によって復号されるリードデータDRDと、ビ
ットバイビット復号方法によって復号されるリードデー
タARDの内の何れを復号化処理の対象とするかを、コ
ントローラ2内で切替えるようにしたものである。これ
に対して、コントローラ2の前段にスイッチを設け、D
RDとARDの内の一方を、状況に応じてコントローラ
2に供給するようにしても良い。
【0196】一方、上述したように、再生信号がバース
トエラーの影響を受けている場合には、ビタビ復号方法
によって復号されるリードデータDRDのエラーレート
が高くなる。このため、DRDに基づいて、コントロー
ラ2による復号化によってユーザデータを正しく再生す
ることが困難となる。このような場合に備えて、、デー
タ部のデータが再生される期間であっても、ビットバイ
ビット復号方法によって復号されるリードデータARD
を復号化処理の対象とするような制御を行うようにすれ
ば、正しい再生がなされる可能性を高くすることができ
る。このような制御は、特に、リードリトライ時におい
て有効である。
【0197】このような制御を行うには、コントローラ
2によってなされる復号化による再生の状況を例えばエ
ラーレート等を尺度としてモニターし、所定の基準値を
参照してDRDに基づく復号化処理による再生が困難で
あると判断される場合に、ARDを復号化処理の対象と
するように制御すると共に、フィルタ部200のフィル
タリング条件をビットバイビットブロックによる復号化
に適合するように制御すれば良い。
【0198】上述したこの発明の実施の一形態は、4値
4状態ビタビ復号方法を行う光磁気ディスク装置にこの
発明を適用したものである。これに対して、行うビタビ
復号器を光磁気ディスク装置にも、この発明を適用する
ことができる。また、この発明の実施の一形態において
は、再生信号に基づいて復号データを直接生成するビタ
ビ復号器が使用されているが、再生信号に基づいて、状
態遷移そのものを表現する状態データを生成する機能を
有し、状態データに基づいて復号データの生成を含む所
定の処理を行なうようにした、ビタビ復号器を使用して
も良い。
【0199】さらに、この発明の実施の一形態は、複数
の復号方法として4値4状態ビタビ復号方法と、ビット
バイビット復号方法を用いたものであるが、複数の復号
方法の内に第3の復号方法、例えば上述した3値4状態
ビタビ復号方法、6値7状態ビタビ復号方法等の他の種
類のビタビ復号方法、または、新たに開発される復号方
法を含めることも可能である。このような場合には、第
3の復号方法を行なう手段を図14(または図20)中
のビットバイビットブロックおよびビタビブロック17
等と同様に、フィルタ部(またはA/D変換器)の後段
に設ける構成とすれば良い。但し、フィルタリング特性
等、フィルタ部の機能は、第3の復号方法を行なう手段
に対して適切な入力を行なうことができるようなものと
される必要がある。
【0200】さらに一般的には、記録時符号化方法等の
記録媒体の性質に応じて、使用され得る複数の復号方法
を行なう手段をフィルタ部の後段に設けるようにすれ
ば、かかる記録媒体から再生される再生信号について、
適切な復号が可能となる。
【0201】また、この発明は、記録媒体に記録された
データから再生される再生信号から、リードデータを復
号するために複数個の方法を用いることができる情報再
生装置に適用することができる。すなわち、光磁気ディ
スク(MO)以外にも、例えば相変化型ディスクPD、
CD−E(CD-Erassable)等の書き換え可能ディスク、
CD−R等の追記型ディスク、CD−ROM等の読み出
し専用ディスク等の光ディスク装置に適用することが可
能である。
【0202】また、この発明は、上述したこの発明の実
施の一形態に限定されることなく、この発明の要旨を逸
脱しない範囲で種々の応用および変形が考えられる。
【0203】
【発明の効果】上述したように、この発明は、情報再生
装置において、記録媒体から再生される再生信号からリ
ードデータを復号するために、複数の復号方法を行うよ
うにし、かかる複数の復号方法を行なう各手段の前段に
共通のアンプ部およびフィルタ部を設け、複数の復号方
法によって生成される複数のリードデータの内、より的
確なものを後段の復号化処理の対象とするようにしたも
のである。復号化処理の対象の選択にあたっては、各時
点で再生対象とされている記録媒体上の領域等,再生信
号の信号品質に関連する条件等が参照されるようになさ
れる。
【0204】このため、例えばアドレス部とデータ部と
において記録方法が異なることに起因して信号品質が異
なる再生信号が得られることに的確に対応して、常に良
好なデータを再生することができる。
【0205】また、アンプ部およびフィルタ部が複数の
復号方法を行なう複数の手段について共有されるので、
上述の機能を実現するために、回路構成の大幅な複雑化
および大型化を必要としないようにすることができる。
【0206】さらに、フィルタの次数を切替える機能を
有するフィルタ部を使用した場合には、入力する再生信
号の品質に応じて的確なフィルタリングを行なうことが
できる。すなわち、信号品質が良くない再生信号に対し
ては、高次のフィルタによるフィルタリングを行なうこ
とができると共に、信号品質が良い再生信号に対して
は、比較的次数の小さいフィルタによるフィルタリング
を行なうようにすることができる。
【0207】フィルタの次数が小さい程、消費電力およ
びフィルタリングによって発生する遅延時間が小さくて
済むので、上述したようなフィルタ部を用いれば、全て
の再生信号に対して一律に高次のフィルタによるフィル
タリングを行なう構成と比較して、再生動作全体につい
て、消費電力およびフィルタリングによって発生する遅
延時間を低減することができる。特に、アドレス部から
再生される再生信号をフィルタリング処理する際に発生
する遅延時間を低減することは、アドレスデータの再生
における遅延時間を低減することに寄与するので、コン
トローラにかかる負担を小さくすることに貢献すること
ができる。
【0208】さらに、現在使用されていない新たな復号
方法が開発された場合に、上述の構成において、かかる
新たな復号方法を行なう手段を既存の複数の復号方法を
行なう各手段に対して並列に付加する構成とすれば、ア
ンプ部およびフィルタ部をかかる新たな復号方法を行な
う手段においても共通に使用することができる。
【0209】また、複数の復号手段として、ビットバイ
ビット復号手段とビタビ復号手段とを用いた場合には、
再生信号の信号品質に関連する条件に応じて、ビットバ
イビット復号手段によって復号されるリードデータと、
ビタビ復号手段によって復号されるリードデータの内、
より的確なものを後段の処理の対象とすることができ
る。
【0210】すなわち、信号品質が良い、例えばエンボ
ス加工によって形成されたアドレス部のデータを、バー
ストエラーの影響を受けにくいビットバイビット復号方
法によって復号されるリードデータに基づいて確実に再
生することができる。このため、装置の動作に必要不可
欠なアドレスデータ等が確実に再生されるので、装置全
体の動作を安定なものとすることができる。
【0211】また、ビットバイビット復号方法は、デコ
ード遅延時間がビタビ復号方法よりも小さいので、上述
の制御により、アドレスデータ等に係るリードデータを
復号する際の遅延時間を小さくすることができる。この
ため、アドレスデータ等の再生における遅延時間を小さ
くすることができるので、コントローラにかかる負担を
小さくすることができる。
【0212】一方、上述の制御により、信号品質が良く
ない、例えば光磁気的に記録されたデータ部のデータに
ついては、ホワイトノイズの影響を受けにくいビタビ復
号方法によって復号されるリードデータに基づいて再生
されるように制御することができる。
【0213】さらに、バーストエラーによってビタビ復
号方法によって復号されるリードデータのエラーレート
が高くなることにより、後段の復号化処理によって正し
い再生結果が得られない場合に、ビットバイビット復号
手段によって復号されるリードデータを後段の処理の対
象とするように制御するようにした場合には、データ部
のデータがバーストエラーを含んでいる時にも、正しい
ユーザデータを再生できる可能性を高くすることができ
る。このような制御は、特に、リードリトライ時におい
て有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】4値4状態ビタビ復号方法を行う光磁気ディス
ク装置の一例の全体構成について説明するためのブロッ
ク図である。
【図2】マーク位置記録方法およびマークエッジ記録方
法について説明するための略線図である。
【図3】光磁気ディスクのセクタフォーマットの一例に
ついて説明するための略線図である。
【図4】RLL(1,7)符号化方法において、最小磁
化反転幅が2であることを示す略線図である。
【図5】RLL(1,7)符号とマークエッジ記録方法
の組合わせによって記録されたデータから再生される再
生信号を、パーシャルレスポンス特性PR(1,2,
1)の下で波形等化した時のアイ・パターンについて説
明するための略線図である。
【図6】4値4状態ビタビ復号方法の状態遷移図を作成
する過程について説明するための略線図である。
【図7】4値4状態ビタビ復号方法の状態遷移図であ
る。
【図8】4値4状態ビタビ復号方法におけるトレリス線
図の一例を示す略線図である。
【図9】4値4状態ビタビ復号方法において、規格化メ
トリックに基づく状態遷移の条件について説明するため
の略線図である。
【図10】4値4状態ビタビ復号を行うビタビ復号器の
一例の全体構成について説明するためのブロック図であ
る。
【図11】図10に示したビタビ復号器の一例の一部分
の構成について説明するためのブロック図である。
【図12】図10に示したビタビ復号器の一例の他の一
部分の構成について説明するためのブロック図である。
【図13】図10に示したビタビ復号器の一例のさらに
他の一部分の構成について説明するためのブロック図で
ある。
【図14】この発明の実施の一形態の全体構成について
説明するためのブロック図である。
【図15】この発明の実施の一形態の一部の構成につい
て説明するためのブロック図である。
【図16】図15に示したこの発明の実施の一形態の一
部の構成内の一部の構成について説明するためのブロッ
ク図である。
【図17】図15に示したこの発明の実施の一形態の一
部の構成内の他の一部の構成について説明するためのブ
ロック図である。
【図18】図15に示したこの発明の実施の一形態の一
部の構成の動作特性の一例について説明するためのブロ
ック図である。
【図19】図15に示したこの発明の実施の一形態の一
部の構成の動作特性の他の例について説明するためのブ
ロック図である。
【図20】この発明の実施の他の形態の全体構成につい
て説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
2・・・コントローラ、8・・・和信号/差信号切替え
スイッチ、90・・・アンプ部、200・・・フィルタ
部、203・・・フィルタリング処理切替えスイッチ、
209・・・出力切替えスイッチ、16・・・ビットバ
イビットブロック、14・・・PLL部、17・・・ビ
タビブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柚木 進一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に記録されている情報信号を再
    生するようにした情報再生装置において、 記録媒体から再生される再生信号にゲイン調整および波
    形等化処理を含む所定の処理を行なうフィルタリング手
    段と、 上記フィルタリング手段の出力に基づいて、リードデー
    タを復号する複数の復号手段と、 上記再生信号の品質、またはリードデータに要求される
    品質に応じて、上記複数の復号手段によって復号される
    各リードデータの内、より的確なものを後段の処理の対
    象として選択するリードデータ選択手段とを有すること
    を特徴とする情報再生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記フィルタリング手段は、 2次のLPFとしての処理と、8次のイクイリップルフ
    ィルタとしての処理とを行なう機能を有し、 これら2個の機能の内、上記再生信号の品質またはリー
    ドデータに要求される品質に関連して選択される機能を
    行なうことを特徴とする情報再生装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記フィルタリング手段は、 2次のLPFと、 上記2次のLPFの後段に設けられ、上記再生信号の品
    質、またはリードデータに要求される品質に関連して動
    作するスイッチング手段と、 上記2次のLPFの後段に縦列接続する複数のフィルタ
    からなる6次のフィルタとを有することを特徴とする情
    報再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記リードデータ選択手段は、 上記後段の処理を行う手段中に含まれることを特徴とす
    る情報再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記リードデータ選択手段は、 上記後段の処理を行う手段の前段に設けられるスイッチ
    ング手段であることを特徴とする情報再生装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 上記リードデータ選択手段は、 上記後段の処理の状況に関連して、上記複数の復号手段
    によって復号されるリードデータの内から、後段に供給
    するものを切替えるものであることを特徴とする情報再
    生装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、 上記複数の復号手段は、 ビットバイビット復号方法によって復号を行うビットバ
    イビット復号手段と、 ビタビ復号方法によって復号を行うビタビ復号手段を含
    むことを特徴とする情報再生装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の情報再生装置であって、 上記記録媒体上に、情報信号を記録する方法が異なる第
    1の記録領域と、第2の記録領域とを有する記録媒体を
    用いるようになし、 上記制御手段は、 上記第1の記録領域から再生される再生信号から上記複
    数の復号手段の内の1個によって復号されるリードデー
    タを上記後段の処理の対象とし、 上記第2の記録領域から再生される再生信号から上記複
    数の復号手段の内の他の1個によって復号されるリード
    データを上記後段の処理の対象とするように制御するも
    のであることを特徴とする情報再生装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 上記第1の記録領域は、 エンボス加工によって記録される領域であり、 上記第2の記録領域は、 光磁気記録によって記録される領域であることを特徴と
    する情報再生装置。
  10. 【請求項10】 請求項1において、 上記リードデータ選択手段は、 ビタビ復号手段によって復号されるリードデータのエラ
    ーレートが高く、上記後段の処理が困難となる場合に、
    ビットバイビット復号手段によって復号されるリードデ
    ータを上記後段の処理の対象として選択するものである
    ことを特徴とする情報再生装置。
  11. 【請求項11】 情報再生方法において、 記録媒体から再生される再生信号にゲイン調整および波
    形等化処理を含む所定の処理を行なうフィルタリングス
    テップと、 上記フィルタリングステップの結果に基づいて、リード
    データを復号する複数の復号ステップと、 上記再生信号の品質、またはリードデータに要求される
    品質に応じて、上記複数の復号ステップによって復号さ
    れる各リードデータの内、より的確なものを後段の処理
    の対象として選択するステップとを有することを特徴と
    する情報再生方法。
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