JPH10241296A - 情報再生装置および再生方法 - Google Patents

情報再生装置および再生方法

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Publication number
JPH10241296A
JPH10241296A JP4567297A JP4567297A JPH10241296A JP H10241296 A JPH10241296 A JP H10241296A JP 4567297 A JP4567297 A JP 4567297A JP 4567297 A JP4567297 A JP 4567297A JP H10241296 A JPH10241296 A JP H10241296A
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JP
Japan
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bit
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Application number
JP4567297A
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English (en)
Inventor
Junichi Horigome
順一 堀米
Shigeo Yamaguchi
茂男 山口
Takayoshi Chiba
孝義 千葉
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP4567297A priority Critical patent/JPH10241296A/ja
Publication of JPH10241296A publication Critical patent/JPH10241296A/ja
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  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Error Detection And Correction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生信号の品質に応じて、最適な復号方法に
よって復号されるリードデータを選択的に後段の処理の
対象とする。 【解決手段】 再生される再生信号からリードデータを
復号する復号手段として、再生系内に互いに独立な複数
の復号手段を備える。かかる構成によって得られる複数
のリードデータの内から、最適な復号方法によって復号
されるリードデータを、選択的に後段の処理の対象とす
る。具体的には、再生系内にビットバイビットブロック
16とビタビブロック17とを備えるようにし、アドレ
ス部から再生されるC/Nが良い再生信号については、
ビットバイビットブロック16によって復号されるリー
ドデータをコントローラ2による復号化処理の対象とす
る。また、データ部から再生されるC/Nが良くない再
生信号については、ビタビブロック17によって復号さ
れるリードデータを復号化処理の対象とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば光磁気デ
ィスク装置等の情報再生装置、特にアドレス部とデータ
部とで異なる記録方法を用いる情報再生装置および再生
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスク装置等の情報再生装置に
おいて、記録媒体から再生される再生信号を復号して2
値のリードデータを生成する方法としては、ビットバイ
ビット復号方法またはビタビ復号方法が用いられてい
る。
【0003】これらの方法に基づく復号動作を行うため
に、従来の情報再生装置は、ビットバイビット復号器ま
たはビタビ復号器の何れか一方を有している。従って、
アドレスデータ等が記録されるアドレス部から再生され
る再生信号と、ユーザデータ等が記録されるデータ部か
ら再生される再生信号の何れに対しても、同一の復号方
法が用いられる。
【0004】光磁気ディスク装置の場合、アドレス部
は、物理的に形成されたエンボスピット等によって記録
される。また、データ部は、磁気カー効果を利用した光
磁気記録方法によって記録される。このため、アドレス
部のデータとデータ部のデータとに対して、光学的な信
号再生方法が異なる。
【0005】従って、アドレス部から再生される再生信
号と、データ部から再生される再生信号とでは、C/N
(キャリア/ノイズ)および周波数特性が異なる。光磁
気ディスク装置の場合、データ部から再生される再生信
号のC/Nよりも、アドレス部から再生される再生信号
のC/Nの方が良好なものである傾向がある。
【0006】このような状況にもかかわらず、上述した
ように、従来の装置においては、アドレス部から再生さ
れる再生信号と、データ部から再生される再生信号の何
れに対しても、同一の復号方法が用いられている。すな
わち、比較的早い時期に開発された線記録密度の小さい
装置では、アドレス部およびデータ部から再生される再
生信号の何れに対しても、ビットバイビット復号方法が
用いられる。また、比較的最近開発された線記録密度の
大きい装置では、アドレス部およびデータ部から再生さ
れる再生信号の何れに対しても、ビタビ復号方法が用い
られる。
【0007】また、ビタビ復号方法は、ビットバイビッ
ト復号方法に比べて、ホワイトノイズを含むC/Nの良
くない信号を復号する時のエラーレートを低くすること
ができる復号方法である。その反面、バーストエラーが
生じた場合には、リードデータ中の広い範囲に渡って誤
った復号がなされ、エラーレートが高くなる。バースト
エラーは、例えば光磁気ディスク媒体等の記録媒体上の
大きな欠陥等に起因して生じることが多い。
【0008】これに対して、ビットバイビット復号方法
は、ホワイトノイズの影響を受けやすく、C/Nの良く
ない信号を復号すると、エラーレートが高くなる復号方
法である。その反面、バーストエラーに起因する復号エ
ラーは、局所的なものに止まるため、エラーレートに対
するバーストエラーの影響が小さい。
【0009】上述したビタビ復号方法またはビットバイ
ビット復号方法によって復号されるリードデータに基づ
いて、記録媒体に記録されているデータを再生するため
の復号化処理が行われる。このような復号化処理は、ア
ドレス部のデータに基づくリードデータと、データ部の
データに基づくリードデータとついて、以下に説明する
ように異なったものである。
【0010】まず、アドレス部には、例えばトラック番
号等のアドレスデータが所定の符号化方法によって符号
化されて記録されている。従って、アドレス部のデータ
に基づくリードデータについては、復号化処理は、かか
る所定の符号化方法に対応する復号化である。すなわ
ち、アドレスデータを検出するための復号化が後段にお
いて行われる。
【0011】一方、データ部のデータに基づくリードデ
ータは、情報語としてのユーザデータを所定の符号化方
法によって符号化することによって生成される符号語と
しての記録データに対する復号結果である。従って、デ
ータ部のデータに基づくリードデータについては、復号
化処理は、ユーザデータに対してなされる符号化方法に
対応する復号化である。すなわち、符号語としてのリー
ドデータを情報語としてのユーザデータに復号化する復
号化処理が後段において行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、再生
信号の信号品質は、一定なものではない。このため、常
に良好な状態でユーザデータの再生が行われるために
は、信号品質に適した復号方法によって復号されたリー
ドデータを、上述したような後段の復号化処理の対象と
して用いることが有効である。
【0013】例えば、上述したように、アドレス部から
再生される再生信号は、C/Nが良いものであるのに対
し、データ部から再生される再生信号は、C/Nが良く
ない。このため、データ部から再生される再生信号を復
号するためには、上述したようにホワイトノイズの影響
を受けにくいビタビ復号方法を用いる方が好ましい。
【0014】また、上述したように、再生信号がバース
トエラーの影響を受けたものである場合には、ビタビ復
号方法によって復号されるリードデータのエラーレート
が大きくなる。このため、ユーザデータの再生が困難と
なる。このような場合に、ビットバイビット復号方法に
よって復号されるリードデータに基づいて、ユーザデー
タの再生を行うように構成すれば、正しいユーザデータ
を再生できる可能性が高い。
【0015】他方、装置が正しく動作するために必要不
可欠な情報は、確実に再生される必要がある。このた
め、再生信号から復号されるリードデータに要求される
品質も一定なものではない。
【0016】すなわち、上述したように、アドレス部に
は、例えばトラック番号等のアドレスデータがエラー訂
正機能を有する所定の符号化方法によって符号化されて
記録されている。このため、ビットバイビット復号方法
によって生じる少数の復号エラーが後段の復号化処理に
悪影響を及ぼす可能性は低い。他方、上述したように、
ビタビ復号方法は、バーストエラーの影響によって、広
範囲に渡って高い復号エラーレートを生じるおそれがあ
る。アドレスデータは、例えば記録/再生を行う領域に
対するシーク・トラッキング等の装置の動作に必要不可
欠なものなので、確実に再生される必要がある。従っ
て、アドレス部から再生される再生信号を復号するため
には、バーストエラーの影響を受けにくいビットバイビ
ット復号方法を用いる方が好ましい。
【0017】アドレス部から再生される再生信号を復号
するためにビットバイビット復号方法を用いる方が好ま
しいもう1つの理由として、ビタビ復号方法によってリ
ードデータが復号される際に生じる遅延時間によって、
アドレスデータの再生が遅延し、この結果として、アド
レスデータに基づく動作を指令するコントローラに負担
がかかることが挙げられる。すなわち、リードデータを
生成する際の遅延時間が生じないかまたはその程度が小
さいビットバイビット復号方法を用いる方が好ましい。
【0018】従って、この発明の目的は、再生信号の信
号品質が一定でなく、また、再生信号から復号されるリ
ードデータに要求される品質も一定でないこと等に対応
して、より的確な復号方法を選択することが可能な情報
再生装置および再生方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、記録
媒体に記録されている情報信号を再生するようにした情
報再生装置において、記録媒体から再生される再生信号
からリードデータを復号する復号手段として、互いに独
立な複数の復号手段と、再生信号の品質、およびリード
データに要求される品質に応じて、複数の復号手段によ
って復号されるリードデータの内、より的確なものを後
段の処理の対象とするように制御する制御手段とを有す
ることを特徴とする情報再生装置である。
【0020】請求項9の発明は、情報再生方法におい
て、記録媒体から再生される再生信号からリードデータ
を復号するステップとして、互いに独立な複数の復号方
法を行うステップを有し、再生信号の品質、およびリー
ドデータに要求される品質に応じて、複数の復号手段に
よって復号されるリードデータの内、より的確なものを
後段の処理の対象とするように制御するステップを有す
ることを特徴とする情報再生方法である。
【0021】以上のような発明によれば、再生信号の品
質およびリードデータに要求される品質等に応じて、最
適な復号方法によって復号されたリードデータを後段の
処理の対象とすることができる。
【0022】上述の互いに独立な複数の復号手段とし
て、ビットバイビット復号手段とビタビ復号手段とを用
いるようにすれば、上述したような再生信号の品質およ
びリードデータに要求される品質等に応じて、ビットバ
イビット復号手段によって復号されるリードデータと、
ビタビ復号手段によって復号されるリードデータの内、
より的確なものを後段の処理の対象とすることができ
る。
【0023】特に、アドレス部とデータ部が異なる記録
方法で記録されている記録媒体を用いる場合に、アドレ
ス部から再生される再生信号からビットバイビット復号
手段によって復号されるリードデータを後段の処理の対
象とし、また、データ部から再生される再生信号からビ
タビ復号手段によって復号されるリードデータを後段の
処理の対象とすることができる。
【0024】一方、ビタビ復号手段によって復号される
リードデータのエラーレートが高く、後段の処理が困難
となる場合に、ビットバイビット復号手段によって復号
されるリードデータを後段の処理の対象とするように制
御すれば、再生信号がバーストエラーの影響を含む場合
にも正しいユーザデータを再生できる可能性を高くする
ことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の理解を容易と
するために、ビタビ復号方法を行う再生系を有する記録
/再生装置の一例について、装置の全体構成、記録媒体
のセクタフォーマット、4値4状態ビタビ復号方法の概
要、4値4状態ビタビ復号方法を実現するビタビ復号器
の構成および動作、および4値4状態ビタビ復号方法以
外のビタビ復号方法の順に説明する。
【0026】〔ディスク記録再生装置の概要〕以下、ビ
タビ復号方法を行う再生系を有する記録/再生装置の一
例について説明する。図1は、ビタビ復号方法を行う再
生系を有する光磁気ディスク装置の一例の全体構成を示
すブロック図である。記録時に、コントローラ2は、ホ
ストコンピュータ1の指令に従って、記録すべきユーザ
データを受取る。そして、コントローラ2は、ユーザデ
ータをエンコーダ3に供給する。エンコーダ3は、供給
されたデータにブロック符号化等の符号化を施し、符号
語を生成する。この符号語が記録データとしてレーザパ
ワーコントロール部(以下、LPCと表記する)に供給
される。
【0027】LPC4は、供給された記録データに対応
して、光ピックアップ7のレーザパワーを制御して光磁
気ディスク6上に磁気極性を有するピット列を形成する
ことにより、記録を行う。この記録の際に、磁気ヘッド
5が光磁気ディスク6にバイアス磁界を付与する。実際
には、記録データに基づいて、後述するように生成され
るプリコード出力に従って、後述するようなマークエッ
ジ記録が行われる。
【0028】後述するように、記録位置すなわちピット
の形成位置の制御は、磁気ヘッド5および光ピックアッ
プ7等の位置決めを行う、図示しない手段によってなさ
れる。このため、記録動作時においても、光ピックアッ
プ7がアドレス部等を通過する際には、後述するような
再生時の動作と同様な動作が行われる。
【0029】上述したようにして形成される各ピット
を、記録データに基づいて後述するようにして生成され
る、プリコード出力中の各ビットに対応させる方法につ
いて、図2を参照して説明する。プリコード出力中の、
例えば'1' に対してピットを形成し、'0' に対してピッ
トを形成しない記録方法をマーク位置記録方法と称す
る。一方、各ピットのエッジによって表現される、プリ
コード出力中の各ビットの境界における極性の反転を、
例えば'1' に対応させる記録方法をマークエッジ記録方
法と称する。再生時には、再生信号中の各ビットの境界
は、後述するようにして生成されるリードクロックDC
Kに従って認識される。
【0030】次に、再生系の構成および動作について説
明する。光ピックアップ7は、光磁気ディスク6にレー
ザ光を照射し、それによって生じる反射光を受光して、
再生信号を生成する。再生信号は、和信号R+ 、差信号
- および図示しないフォーカスエラー信号の3種類の
信号からなる。和信号R+ は、アンプ8によってゲイン
調整等がなされた後に切替えスイッチ10に供給され
る。また、差信号R- は、アンプ9によってゲイン調整
等がなされた後に切替えスイッチ10に供給される。さ
らに、和信号R+ は、アンプ8によってゲイン調整等が
なされた後に図示しないサーボ系および位置制御系等に
供給され、それらの動作において用いられる。一方、フ
ォーカスエラー信号は、フォーカスエラーを解消する手
段(図示せず)に供給される。
【0031】切替えスイッチ10には、後述するような
切替え信号Sが供給される。切替えスイッチ10は、こ
の切替え信号Sに従って、以下のように、和信号R+
たは差信号R- を波形等化器11に供給する。すなわ
ち、後述するような光磁気ディスク6のセクタフォーマ
ットにおいて、エンボス加工によって形成される部分か
ら再生される再生信号が切替えスイッチ10に供給され
る期間には、和信号R+を波形等化器11に供給する。
また、光磁気的に記録される部分から再生される再生信
号が切替えスイッチ10に供給される期間には、差信号
- を波形等化器11に供給する。
【0032】上述の切替え信号Sは、例えば次のように
して生成される。すなわち、まず、再生信号から、セク
タフォーマットに規定される所定のパターンから再生さ
れる信号を検出する。このような所定のパターンとして
は、例えば後述するアドレスマークAM等が用いられ
る。そして、かかる検出がなされた時点を基準として、
後述するリードクロックを数える等の方法によって、切
替え信号Sが生成される。
【0033】波形等化器11は、供給された再生信号に
波形等化処理(フィルタリング)を行う。後述するよう
に、この波形等化処理において用いられる波形等化特性
は、ビタビ復号器13が行うビタビ復号方法に適合する
ものとされる。ビタビ復号器13は、供給された信号か
らビタビ復号方法によって復号データを生成する。かか
る復号データは、上述したようにして記録される記録デ
ータに対する最尤復号系列である。従って、復号エラー
が無い場合には、復号データは、記録データと一致す
る。
【0034】復号データは、コントローラ2に供給され
る。上述したように、記録データは、ユーザデータから
チャンネル符号化等の符号化によって生成された符号語
である。従って、復号エラーレートが充分低ければ、復
号データは、符号語としての記録データとみなすことが
できる。コントローラ2は、復号データに、上述のチャ
ンネル符号化等の符号化に対応する復号化処理を施すこ
とにより、ユーザデータを再生する。
【0035】また、波形等化器の出力は、PLL部14
にも供給される。PLL部14は、供給された信号に基
づいて、リードクロックDCKを生成する。リードクロ
ックDCKは、コントローラ2、A/D変換器12、ビ
タビ復号器13等に供給される。コントローラ2、A/
D変換器12、ビタビ復号器13の動作は、リードクロ
ックDCKに従うタイミングでなされる。さらに、リー
ドクロックDCKは、図示しないタイミングジェネレー
タに供給される。タイミングジェネレータは、例えば、
記録/再生動作の切替え等の装置の動作タイミングを制
御する信号を生成する。
【0036】上述したような再生動作において、光磁気
ディスク6から再生される再生信号に基いて、より正し
い再生データを得るために、再生系の各構成要素の動作
を再生信号の品質に応じて適正化することが行われる。
このような操作をキャリブレーションと称する。キャリ
ブレーションは、再生信号の品質等が例えば加工精度等
の記録媒体の特性、および例えば周囲温度等の記録/再
生時の条件等によって変化する可能性があることに対応
するためのものである。キャリブレーションの内容は、
例えば光ピックアップ7のレーザ光パワーの調整、アン
プ8および9のゲインの調整、波形等化器11の波形等
化特性の調整、およびビタビ復号器13の動作において
用いられる識別点の値の調整等である。このようなキャ
リブレーションは、電源投入直後または記録媒体の交換
時等に、図1中には図示しない構成によって行われる。
【0037】〔記録媒体のセクタフォーマットの概要〕
光磁気ディスク6には、セクタを記録/再生の単位とし
てユーザデータが記録される。図3を参照して、光磁気
ディスク6において用いられるセクタフォーマットの一
例について説明する。図3Aに示すように、1セクタ
は、記録/再生の順に従って、ヘッダ、ALPC,ギャ
ップ、VFO3 、シンク、データフィールド、バッファ
の各エリアに区分されている。図3中に付した数字は、
バイト数を表す。光磁気ディスク6上には、ブロック符
号化等の符号化がなされたデータが記録される。例えば
8ビットが12チャンネルビットに変換されて記録され
る。
【0038】このセクタフォーマットの一例において
は、ユーザデータ量が1024バイトのフォーマット
と、ユーザデータ量が512バイトのフォーマットとが
用意されている。ユーザデータ量が1024バイトのフ
ォーマットでは、データフィールドのバイト数が670
バイトとされる。また、ユーザデータ量が512バイト
のフォーマットでは、データフィールドのバイト数が1
278バイトとされる。これら2つのセクタフォーマッ
トにおいて、63バイトのプリフォーマットされたヘッ
ダと、ALPC,ギャップエリアの18バイトは、同一
とされている。
【0039】図3Bは、63バイトのヘッダを拡大して
示す。ヘッダは、セクタマークSM(8バイト)、VF
OフィールドのVFO1 (26バイト)、アドレスマー
クAM(1バイト)、IDフィールドのID1 (5バイ
ト)、VFOフィールドのVFO2 (16バイト)、ア
ドレスマークAM(1バイト)、IDフィールドのID
2 (5バイト)、およびポストアンブルPA(1バイ
ト)が順に配列された構成とされている。
【0040】図3Cは、18バイトのALPC,ギャッ
プエリアを拡大して示す。18バイトは、ギャップフィ
ールド(5バイト)、フラグフィールド(5バイト)、
ギャップフィールド(2バイト)、ALPC(6バイ
ト)からなる。
【0041】次に、これらのフィールドについて説明す
る。セクタマークSMは、セクタの開始を識別するため
のマークであり、RLL(1,7)符号において生じな
いエンボス加工によって形成されたパターンを有する。
VFOフィールドは、上述のPLL部18中のVFO(V
ariable Frequency Oscillator) を同期させるためのも
ので、VFO1 、VFO2 およびVFO3 からなる。V
FO1 およびVFO2は、エンボス加工によって形成さ
れている。また、VFO3 は、そのセクタに対して記録
動作が行われる際に光磁気的に書かれる。VFO1 、V
FO2 およびVFO3 は、それぞれチャンネルビット
の'0' と'1' が交互に現れるパターン(2Tパターン)
を有する。従って、1チャンネルビットの時間長に対応
する時間をTとすると、VFOフィールドを再生した時
に、2T毎にレベルが反転する再生信号が得られる。
【0042】アドレスマークAMは、後続のIDフィー
ルドのためのバイト同期を装置に対して与えるために使
用され、RLL(1,7)符号において生じないエンボ
スされたパターンを有する。IDフィールドは、セクタ
のアドレス、すなわち、トラック番号およびセクタ番号
の情報と、これらの情報に対するエラー検出用のCRC
バイトを有する。IDフィールドは、5バイトからな
る。ID1 およびID2によって、同一のアドレス情報
が二重に記録される。ポストアンブルPAは、チャンネ
ルビットの'0' と'1' とが交互に現れるパターン(2T
パターン)を有する。ID1 、ID2 およびポストアン
ブルPAも、エンボス加工によって形成されている。こ
のように、ヘッダの領域は、エンボス加工によりピット
が形成されたプリフォーマットされた領域である。
【0043】図3Cは、ALPC,ギャップエリアを拡
大して示す。ギャップには、ピットが形成されない。最
初のギャップフィールド(5バイト)は、プリフォーマ
ットされたヘッダの後の最初のフィールドであり、これ
によって、ヘッダの読取りを完了した後の処理に装置が
要する時間が確保される。2番目のギャップフィールド
(2バイト)は、後のVFO3 の位置のずれを許容する
ためのものである。
【0044】ALPC,ギャップエリアには、5バイト
のフラグフィールドが記録される。フラグフィールド
は、セクタのデータが記録される時に、連続した2Tパ
ターンが記録される。ALPC(Auto Laser Power Cont
rol)フィールドは、記録時のレーザパワーをテストする
ために設けられている。シンクフィールド(4バイト)
は、続くデータフィールドのためのバイト同期を装置が
得るために設けられており、所定のビットパターンを有
する。
【0045】データフィールドは、ユーザデータを記録
するために設けられる。上述した670バイトのデータ
フィールドには、512バイトのユーザデータと、14
4バイトのエラー検出、訂正用のパリティ等と、12バ
イトのセクタ書込みフラグと、2バイト(FF)とから
なる。また、1278バイトのデータフィールドの場合
には、1024バイトのユーザデータと、242バイト
のエラー検出、訂正用のパリティ等と、12バイトのセ
クタ書込みフラグとからなる。セクタの最後のバッファ
フィールドは、電気的、あるいは機械的な誤差に対する
許容範囲として使用される。
【0046】上述したセクタフォーマットの例におい
て、ヘッダは、エンボス加工によりピットが形成された
エリアである。また、ALPC,ギャップエリアは、再
生時には、使用されないエリアである。さらに、VFO
3 、シンクフィールドおよびデータフィールドは、光磁
気記録されたデータのエリアである。
【0047】〔4値4状態ビタビ復号方法の概要〕以
下、ビタビ復号器13によって行われるビタビ復号方法
について説明する。上述したように、ユーザデータは、
様々な符号化方法によって記録データとしての符号語に
変換される。符号化方法は、記録媒体の性質および記録
/再生方法等に応じて適切なものが採用される。光磁気
ディスク装置においては、ブロック符号化において、Ru
n Lengthすなわち'1' と'1' の間の'0' の数を制限する
RLL(Run Length Limited)符号化方法が用いられる
ことが多い。従来から幾つかのRLL符号化方法が用い
られている。一般に、'1' と'1' の間の'0' の数を最小
でd個、最大でk個とするm/nブロック符号をRLL
(d,k;m,n)符号と称する。
【0048】例えば、2/3ブロック符号において、'
1' と'1' の間の'0' の数を最小で1個、最大で7個と
するブロック符号化方法は、RLL(1,7;2,3)
符号である。一般にRLL(1,7;2,3)符号をR
LL(1,7)符号と称することが多いので、以下の説
明においても単にRLL(1,7)符号と表記した場合
には、RLL(1,7;2,3)符号を指すことにす
る。
【0049】このようなRLL符号化方法と、上述した
マークエッジ記録方法との組合わせによって記録された
データから、再生される再生信号を復号してリードデー
タを得るために、ビタビ復号方法を用いることができ
る。
【0050】このようなRLL符号化方法は、記録密度
の向上、および再生動作の安定性の確保という2つの観
点から、符号化方法に要求される条件に対応できるもの
である。まず、上述したように、マークエッジ記録方法
は、記録データに基づいて後述するように生成されるプ
リコード出力における'1' を各ピットのエッジによって
表現される極性の反転に対応させるものなので、'1'
と'1' の間の'0' の数を多くする程、各ピット1個当た
りに記録されるビット数を大きくすることができる。従
って、記録密度を大きくすることができる。
【0051】一方、再生系の動作タイミングを合わせる
ために必要なリードクロックDCKは、上述したよう
に、再生信号に基づいてPLL部14によって生成され
る。このため、記録データにおいて'1' と'1' の間の'
0' の数を多くすると、再生動作の際にPLL部の動作
が不安定となるので、再生動作全体が不安定なものとな
る。
【0052】これら2つの条件を考慮すると、'1' と'
1' の間の'0' の数は、多過ぎたり、少な過ぎたりしな
い、適切な範囲内に設定される必要がある。このよう
な、記録データ中の'0' の数の設定に関して、RLL符
号化方法が有効となる。
【0053】ところで、図4に示すように、上述したR
LL(1,7)符号化方法とマークエッジ記録方法の組
み合わせにおいては、記録データ(但し、後述するよう
なプリコードが行われる場合にはプリコード出力)中
の'1' と'1' の間に最低1個の'0' が含まれるので、最
小反転幅が2となる。このような、最小反転幅が2とな
る符号化方法が用いられる場合に、符号間干渉およびノ
イズ等の影響を受けている再生信号から記録データを正
しく復号するために、後述するように、4値4状態ビタ
ビ復号方法を適用することができる。
【0054】上述したように、再生信号には、波形等化
器11によって波形等化処理がなされる。ビタビ復号方
法の前段としてなされるこのような波形等化処理には、
符号間干渉を積極的に利用するパーシャルレスポンス方
法が用いられる。この際に用いられる波形等化特性は、
一般に(1+D)n で表されるパーシャルレスポンス特
性の内から、記録/再生系の線記録密度およびMTF
(Modulation TransferFunction)を考慮して決められ
る。上述したRLL(1,7)符号化方法とマークエッ
ジ記録方法の組み合わせによって記録されたデータに対
して、PR(1,2,1)を用いる波形等化処理は、4
値4状態ビタビ復号方法の前段となる。
【0055】一方、マークエッジ記録方法においては、
光磁気ディスク媒体等に対する実際の記録に先立って、
上述のRLL符号化等によって符号化された記録データ
に基づくプリコードが行われる。各時点kにおける記録
データ列をa〔k〕、これに基づくプリコード出力をb
〔k〕とすると、プリコードは、以下のように行われ
る。
【0056】 b〔k〕=mod2{a〔k〕+b〔k−1〕} (1) このようなプリコード出力b〔k〕が実際に光磁気ディ
スク媒体等に記録される。一方、等化特性PR(1,
2,1)の下で、波形等化器11によってなされる波形
等化処理について説明する。但し、以下の説明において
は、信号の振幅を規格化せずに、等化特性をPR(B,
2A,B)とする。また、ノイズを考慮しない場合の再
生信号の値をc〔k〕と表記する。さらに、ノイズを含
む実際の再生信号(すなわち、記録媒体から再生された
再生信号)をz〔k〕と表記する。
【0057】PR(B,2A,B)は、ある時点kにお
ける再生信号の値に対して、時点kにおける振幅の寄与
が振幅値の2A倍とされ、さらに前後の時点k−1およ
びk+1における振幅の寄与が各々の時点での信号の振
幅のB倍とされるものである。従って、再生信号の値の
最大値は、時点k−1、k、k+1において何れもパル
スが検出される場合である。には、再生信号の値の最大
値は、以下のようになる。
【0058】B+2A+B=2A+2B また、この場合、再生信号の値の最小値は0となる。但
し、実際の取り扱いにおいては、c〔k〕として、DC
成分のA+Bを差し引いた以下のようなものが用いられ
る。
【0059】 c〔k〕=B×b〔k−2〕+2A×b〔k−1〕+B×b〔k〕 −A−B (2) 従って、ノイズを考慮しない場合の再生信号c〔k〕
は、A+B,A,−A,−A−Bの内の何れかの値をと
ることになる。一般に、再生信号の性質を示す方法の1
つとして、例えば5個の時点を単位として、再生信号を
多数重ね合わせたものをアイパターンと称する。この発
明を適用することができる光磁気ディスク装置におい
て、PR(B,2A,B)の下で波形等化処理された実
際の再生信号z〔k〕についてのアイパターンの一例を
図5に示す。図5から各時点における再生信号z〔k〕
の値は、ノイズによるばらつきを有するが、ほぼ、A+
B,A,−A,−A−Bの内の何れかになることが確認
できる。後述するように、A+B,A,−A,−A−B
の値は、再生信号z〔k〕に4値4状態ビタビ復号方法
を行う際に、識別点として用いられる。
【0060】上述したような波形等化処理がなされた再
生信号を復号する、ビタビ復号方法の概略は、次のよう
なものである。ステップ符号化方法および記録媒体に
対する記録方法に基づいて、生じ得る全ての状態を特定
する。ステップある時点における各状態を起点とし
て、次の時点において生じ得る全ての状態遷移と、各状
態遷移が生じる時の記録データa〔k〕および再生信号
の値c〔k〕を特定する。ステップおよびの結果と
して特定された全ての状態および状態遷移と、各状態遷
移が生じる時の〔記録データの値a〔k〕/再生信号の
値c〔k〕〕を図の形式で表現したものを状態遷移図と
称する。後述するように、4値4状態ビタビ復号方法に
おける状態遷移図は、図7に示すようなものである。そ
して、この状態遷移図に基づく復号動作を行うように、
ビタビ復号器13が構成される。
【0061】さらに、ステップ上述したように、状態
遷移図を前提として、記録媒体から各時点kにおいて再
生される再生信号z〔k〕に基づく最尤な状態遷移が選
択される。但し、上述したように、z〔k〕は、ビタビ
復号器13に供給される前段において波形等化されたも
のである。このような最尤な状態遷移の選択がなされる
毎に、選択された状態遷移に対応して、状態遷移図に記
載された記録データa〔k〕の値を復号値とすることに
よって、記録データに対する最尤復号値系列としての復
号データa' 〔k〕を得ることができる。但し、各時点
kにおける復号データ値から、最尤復号値系列とするた
めの構成は、後述するビタビ復号器13中のPMU23
である。従って、上述したように、復号データ列a'
〔k〕は、復号エラーが無い場合には、記録データ列a
〔k〕と一致する。上述のステップ〜ステップにつ
いて、以下に詳細に説明する。
【0062】上述のステップについて説明する。ま
ず、ここで用いられる状態として、ある時点kにおける
状態を、時点kおよびそれ以前のプリコード出力を用い
て次のように定義する。すなわち、n=b〔k〕、m=
b〔k−1〕、l=b〔k−2〕の時の状態をSnml と
定義する。このような定義によって、23 =8個の状態
があると考えられるが、上述したように、実際に生じ得
る状態は、符号化方法等に基づいて制限される。RLL
(1,7)符号として符号化された記録データ列a
〔k〕においては、'1' と'1' の間に最低1個の'0' が
含まれるので、2個以上の'1' が連続することが無い。
記録データ列a〔k〕に課されるこのような条件に基づ
いて、プリコード出力b〔k〕について一定の条件が課
され、その結果として、生じ得る状態に制限が加えられ
る。
【0063】このような制限について、具体的に説明す
る。上述したようにRLL(1,7)符号化によって生
成される記録データ列中に、2個以上の'1' が連続する
もの、すなわち以下のものは、あり得ない。
【0064】 a〔k〕=1,a〔k−1〕=1,a〔k−2〕=1 (3) a〔k〕=1,a〔k−1〕=1,a〔k−2〕=0 (4) a〔k〕=0,a〔k−1〕=1,a〔k−2〕=1 (5) 記録データ列に課されるこのような条件に基づいて、上
述の(1)式に従って、b〔k〕について課される条件
について検討すると、S010およびS101の2個の
状態は、生じ得ないことがわかる。従って、生じ得る状
態は、23 −2=6個である。
【0065】次に、ステップについて説明する。ある
時点jにおける状態を起点として、次の時点j+1にお
いて生じ得る状態を求めるためには、時点j+1におけ
る記録データの値a〔j+1〕が1となる場合、および
0となる場合に分けて調べる必要がある。
【0066】ここでは、状態S000を例として説明す
る。上述の(1)式に従って、S000すなわちn=b
〔j〕=0,l=b〔j−1〕=0,m=b〔j−2〕
=0とプリコードされる記録データとしては、以下の2
個が考えられる。
【0067】 a〔j〕=0、a〔j−1〕=0、a〔j−2〕=1 (6) a〔j〕=0、a〔j−1〕=0、a〔j−2〕=0 (7) 〔a〔j+1〕=1の時〕この時、(1)式に従って、
b〔j+1〕は、以下のように計算される。
【0068】 従って、再生信号c〔j〕の値は、上述の(2)式に従
って、次のように計算される。
【0069】 c〔j+1〕={B×b〔j+1〕+2A×b〔j〕+B×b〔j−1〕} −A−B ={B×1+2A×0+B×0}−A−B =−A (9) また、次の時点j+1での状態Snlm については、n=
b〔j+1〕,l=b〔j〕,m=b〔j−1〕であ
る。そして、上述したようにb〔j+1〕=1,b
〔j〕=0,b〔j−1〕=0となるので、次の時点j
+1における状態は、S100である。従って、a〔j
+1〕=1の場合には、S000→S100という遷移
が生じることが特定できる。
【0070】〔a〔j+1〕=0の時〕この時、(1)
式に従って、b〔j+1〕は、以下のように計算され
る。
【0071】 従って、再生信号c〔j+1〕の値は、上述の(2)式
に従って、次のように計算される。
【0072】 c〔j+1〕={B×b〔j+1〕+2A×b〔j〕+B×b〔j−1〕} −A−B ={B×0+2A×0+B×0}−A−B =−A−B (11) また、次の時点j+1における状態Snlm については、
n=b〔j+1〕,l=b〔j〕,m=b〔j−1〕で
ある。そして、上述したようにb〔j+1〕=0,b
〔j〕=0,b〔j−1〕=0となるので、次の時点に
おける状態は、S000である。従って、a〔j+1〕
=0の場合には、S000→S000という遷移が生じ
ることが特定できる。
【0073】このようにして、時点jにおけるS000
以外の各状態についても、それらを起点として次の時点
j+1において生じ得る状態遷移と、そのような各状態
遷移が生じる時の記録データ値a〔j+1〕および再生
信号値c〔j+1〕とを求めることができる。
【0074】上述したようにして、各状態について、そ
れらを起点として生じ得る状態遷移と、各状態遷移が生
じる時の記録データの値および再生信号の値とを求め、
図の形式に表したものが図6である。上述の時点jおよ
びj+1は、特別の時点ではない。従って、上述したよ
うにして求まる、生じ得る状態遷移とそれらに伴う記録
データの値および再生信号の値は、任意の時点において
適用することができる。このため、図6においては、任
意の時点kにおいて生じる状態遷移に伴う記録データの
値をa〔k〕と表記し、再生信号の値をc〔k〕と表記
する。
【0075】図6において、状態遷移は、矢印によって
表される。また、各矢印に付した符号が〔記録データ値
a〔k〕/再生信号値c〔k〕〕を示している。状態S
000,S001,S111およびS110を起点とす
る状態遷移は、2通り有るのに対して、状態S011お
よびS100を起点として生じ得る遷移は1通りのみで
ある。
【0076】さらに、図6においてS000とS001
は、何れもa〔k〕=1に対しては、c〔k〕=−Aと
いう値を取り、S100に遷移している。一方、a
〔k〕=0に対しては、c〔k〕=−A−Bという値を
取り、S000に遷移している。また、S111とS1
10も同様に、同じa〔k+1〕の値について同じc
〔k+1〕の値を取り、且つ、同じ状態に遷移してい
る。従って、S000とS001をまとめてS0と表現
し、S111とS110をまとめてS2と表現すること
ができる。さらに、S011をS3とし、S100をS
1と表現することにして、整理したものが図7である。
【0077】上述したように、図7が4値4状態ビタビ
復号方法に用いられる状態遷移図である。図7中には、
S0〜S3の4個の状態、および再生信号c〔k+1〕
の値としての−A−B,−A,A,A+Bの4個の値が
示されている。状態S0およびS2を起点とする状態遷
移は、2通り有るのに対して、状態S1およびS3を起
点とする状態遷移は、1通りのみである。
【0078】一方、状態遷移を時間に沿って表現する形
式として、図8に示すようなトレリス線図が用いられ
る。図8では、2個の時点間の遷移を示しているが、さ
らに多数の時点間の遷移を示すこともできる。時間経過
に伴い、順次右の時点に遷移していく様子が表現され
る。従って、水平な矢印は、例えばS0→S0等の同じ
状態への遷移を表し、斜めの矢印は、例えばS1→S2
等の異なる状態への遷移を表すことになる。
【0079】上述したビタビ復号方法のステップ、す
なわち図7に示した状態遷移図を前提として、ノイズを
含む実際の再生信号z〔k〕から最尤な状態遷移を選択
する方法について以下に説明する。
【0080】最尤な状態遷移を選択するためには、ま
ず、ある時点kにおける状態について、その状態に至る
過程において経由してきた複数時点間の状態遷移の尤度
の和を計算し、さらに、計算された尤度の和を比較し
て、最尤の復号系列を選択することが必要である。この
ような尤度の和をパスメトリックと称する。
【0081】パスメトリックを計算するためには、ま
ず、隣接する時点間の状態遷移の尤度を計算することが
必要となる。このような尤度の計算は、上述の状態遷移
図を参照して、再生信号z〔k〕の値に基づいて以下の
ようになされる。まず、一般的な説明として、時点k−
1において、状態Saである場合について考える。この
時、ビタビ復号器31に再生信号z〔k〕が入力された
場合に、状態Sbへの状態遷移が生じる尤度が次式に従
って計算される。但し、状態Saおよび状態Sbは、図
7の状態遷移図に記載されている4個の状態の何れかと
する。
【0082】 (z〔k〕−c(Sa,Sb))2 (12) 上式において、c(Sa,Sb)は、状態Saから状態
Sbへの状態遷移について、図7の状態遷移図に記載さ
れている再生信号の値である。すなわち、上述の図7に
おいて、例えば状態遷移S0→S1について、−Aと算
出されている値である。従って、式(12)は、ノイズ
を含む実際の再生信号z〔k〕の値と、ノイズを考慮せ
ずに計算された再生信号c(Sa,Sb)の値の間のユ
ークリッド距離となる。ある時点におけるパスメトリッ
クは、その時点に至るまでのこのような隣接時点間の状
態遷移の尤度の総和として定義される。
【0083】ところで、時点kにおいて状態Saである
場合を考える。この場合に、時点k−1において状態S
aに遷移し得る状態をSpとすれば、パスメトリックL
(Sa,k)は、時点k−1におけるパスメトリックを
用いて次式のように計算される。
【0084】 L(Sa,k) =L(Sp,k−1)+(z〔k〕−c(Sp,Sa))2 (13) すなわち、時点k−1において状態Spに至った場合の
パスメトリックL(Sp,k−1)と、時点k−1と時
点kの間で生じるSp→Saなる状態遷移の尤度(z
〔k〕−c(Sp,Sa))2 とを加算することによっ
て、パスメトリックL(Sa,k)が計算される。この
(z〔k〕−c(Sp,Sa))2 のような、最新の状
態遷移の尤度は、ブランチメトリックと称される。但
し、後述するように、ビタビ復号器13中のブランチメ
トリック計算回路(BMC)20によって計算されるブ
ランチメトリック、すなわち、規格化メトリックに対応
するブランチメトリックとは、別のものであることに注
意が必要である。
【0085】また、時点kにおいて状態Saである場合
に、時点k−1において状態Saに遷移し得る状態が複
数個存在することがある。図7においては、状態S0お
よびS2がこのような場合である。すなわち時点kにお
いて状態S0である場合に、時点k−1において状態S
0に遷移し得る状態は、S0とS3の2個である。ま
た、時点kにおいて状態S2である場合に、時点k−1
において状態S2に遷移し得る状態は、S1とS2の2
個である。一般的な説明として、時点kにおいて状態S
aであり、且つ、時点k−1において状態Saに遷移し
得る状態がSpおよびSqの2個である場合に、パスメ
トリックL(Sa,k)は、次式のように計算される。
【0086】 L(Sa,k) =min{L(Sp,k−1)+(z〔k〕−c(Sp,Sa))2 , L(Sq,k−1)+(z〔k〕−c(Sq,Sa))2 }(14) すなわち、時点k−1において状態Spであり、Sp→
Saなる状態遷移によって状態Saに至った場合と、時
点k−1において状態Sqであり、Sq→Saなる状態
遷移によって状態Saに至った場合の各々について、尤
度の和を計算する。そして、各々の計算値を比較し、よ
り小さい値を時点kにおける状態Saに関するパスメト
リックL(Sa,k)とする。
【0087】このようなパスメトリックの計算を、図7
を用いて上述した4値4状態について具体的に適用する
と、時点kにおける各状態S0,S1,S2およびS3
についてのパスメトリックL(0,k),L(1,
k),L(2,k)およびL(3,k)は、時点k−1
における各状態S0〜S3についてのパスメトリックL
(0,k−1)〜L(3,k−1)を用いて以下のよう
に計算できる。
【0088】 L(0,k)=min{L(0,k−1)+(z〔k〕+A+B)2 , L(3,k−1)+(z〔k〕+A)2 } (15) L(1,k)=L(0,k−1)+(z〔k〕+A)2 (16) L(2,k)=min{L(2,k−1)+(z〔k〕−A−B)2 L(1,k−1)+(z〔k〕−A)2 } (17) L(3,k)=L(2,k−1)+(z〔k〕−A)2 (18) 上述したように、このようにして計算されるパスメトリ
ックの値を比較して、最尤な状態遷移が選択されれば良
い。ところで、最尤な状態遷移を選択するためには、パ
スメトリックの値そのものを計算しなくても、パスメト
リックの値の比較ができれば良い。そこで、実際の4値
4状態ビタビ復号方法においては、パスメトリックの代
わりに以下に定義するような規格化パスメトリックを用
いることにより、各時点kにおけるz〔k〕に基づく計
算を容易なものとするようになされる。
【0089】 m(i,k) =〔L(i,k)−z〔k〕−(A+B)2 〕/2/(A+B)(19) 式(19)をS0〜S3の各状態に適用すると、具体的
な規格化パスメトリックは、以下のように2乗計算を含
まないものとなる。このため、後述する、加算、比較、
選択回路(ACS)21における計算を容易なものとす
ることができる。
【0090】 m(0,k)=min{m(0,k−1)+z〔k〕, m(3,k−1)+α×z〔k〕−β} (20) m(1,k)=m(0,k−1)+α×z〔k〕−β (21) m(2,k)=min{m(2,k−1)−z〔k〕, m(1,k−1)−α×z〔k〕−β} (22) m(3,k)=m(2,k−1)+α×z〔k〕−β (23) 但し、式(20)〜(23)中のαおよびβは、以下の
ようなものである。
【0091】 α=A/(A+B) (24) β=B×(B+2×A)/2/(A+B) (25) このような規格化パスメトリックに基づく4値4状態ビ
タビ復号方法における状態遷移の条件について図10に
示す。上述の4個の規格化パスメトリックの内に、2個
から1個を選択する式が2つあるので、2×2=4通り
の条件がある。
【0092】〔4値4状態ビタビ復号器の概要〕上述し
た4値4状態ビタビ復号方法を実現するビタビ復号器1
3について以下に説明する。図9にビタビ復号器13の
全体構成を示す。ビタビ復号器13は、ブランチメトリ
ック計算回路(以下、BMCと表記する)20、加算、
比較および選択回路(以下、ACSと表記する)21、
圧縮およびラッチ回路22およびパスメモリユニット
(以下、PMUと表記する)23から構成される。これ
らの各構成要素に対して上述のリードクロックDCK
(以下の説明においては、単に、クロックと表記する)
が供給されることにより、ビタビ復号器13全体の動作
タイミングが合わされる。以下、各構成要素について説
明する。
【0093】BMC20は、入力される再生信号z
〔k〕に基づいて、規格化パスメトリックに対応するブ
ランチメトリックの値BM0,BM1,BM2およびB
M3を計算する。BM0〜BM3は、上述の式(20)
〜(23)の規格化パスメトリックを計算するために必
要とされる、以下のようなものである。
【0094】 BM0=z(k) (26) BM1=α×z〔k〕−β (27) BM2=−z(k) (28) BM3=−α×z〔k〕−β (29) この計算に必要なαおよびβは、上述の式(23)およ
び(24)に示した意味を持つ基準値である。αおよび
βの値は、再生信号z〔k〕に基づいて、所定の手段に
よって算出され、BMC20に供給される。算出方法の
一例として、再生信号z〔k〕から、エンベロープ検出
等の方法でA,Bの値を求めて、式(23)および(2
4)に従ってαおよびβの値を算出する等がある。
【0095】BM0〜BM3の値は、ACS21に供給
される。一方、ACS21は、後述するような圧縮およ
びラッチ回路22から、1クロック前の規格化パスメト
リックの値(但し、後述するように圧縮のなされたも
の)M0,M1,M2およびM3を供給される。そし
て、M0〜M3と、BM0〜BM3とを加算して、後述
するようにして、最新の規格化パスメトリックの値L
0,L1,L2およびL3を計算する。M0〜M3が圧
縮のなされたものであるため、L0〜L3を計算する際
のオーバーフローを避けることができる。
【0096】さらに、ACS21は、最新の規格化パス
メトリックの値L0〜L3に基づいて、後述するよう
に、最尤な状態遷移を選択し、また、選択結果に対応し
て、パスメモリ23に供給される選択信号SEL0およ
びSEL2を'High'または'Low' とする。
【0097】また、ACS21は、L0〜L3を圧縮お
よびラッチ回路22に供給する。圧縮およびラッチ回路
22は、供給されるL0〜L3を圧縮した後にラッチす
る。その後、1クロック前の規格化パスメトリックM0
〜M3としてACS21に供給する。
【0098】この際の圧縮の方法としては、例えば以下
に示すように、最新の規格化パスメトリックL0〜L3
から、そのうちの1個、例えばL0を一律に差し引く等
の方法が用いられる。
【0099】 M0=L0−L0 (30) M1=L1−L0 (31) M2=L2−L0 (32) M3=L3−L0 (33) この結果として、M0が常に0の値をとることになる
が、以下の説明においては、一般性を損なわないため
に、このままM0と表記する。式(30)〜(33)に
よって計算されるM0〜M3の値の差は、L0〜L3の
値の差と等しいものとなる。上述したように、最尤な状
態遷移の選択においては、規格化パスメトリック間の値
の差のみが問題となる。従って、このような圧縮方法
は、最尤な状態遷移の選択結果に影響せずに規格化パス
メトリックの値を圧縮し、オーバーフローを防止する方
法として有効である。このように、ACS21と圧縮お
よびラッチ回路22は、規格化パスメトリックの計算に
関するループを構成する。
【0100】上述のACS21について、図11を参照
してより詳細に説明する。ACS21は、6個の加算器
51、52、53、54、56、58および2個の比較
器55、57から構成される。一方、上述したようにA
CS21には、1クロック前の圧縮された規格化パスメ
トリックの値M0〜M3および規格化パスメトリックに
対応するブランチメトリックの値BM0〜BM3が供給
される。
【0101】加算器51には、M0およびBM0が供給
される。加算器51は、これらを加算して以下のような
L00を算出する。
【0102】L00=M0+BM0 (34) 上述したように、M0は、時点k−1において状態S0
に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応す
る圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM
0は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基
づいて上述の(26)式に従って計算されるもの、すな
わちz〔k〕の値そのものである。従って、式(34)
の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式
(20)中のm(0,k−1)+z〔k〕の値を計算し
たものとなる。すなわち、時点k−1において状態S0
であり、時点kにおける状態遷移S0→S0によって最
終的に状態遷移S0に至った場合に対応する計算値であ
る。
【0103】一方、加算器52には、M3およびBM1
が供給される。加算器51は、これらを加算して以下の
ようなL30を算出する。
【0104】L30=M3+BM1 (35) 上述したように、M3は、時点k−1において状態S3
に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応す
る、圧縮された規格化パスメトリックである。また、B
M1は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に
基づいて上述の(27)式に従って計算されるもの、す
なわちα×z〔k〕−βである。従って、式(35)の
値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(2
0)中のm(3,k−1)+α×z〔k〕−βの値を計
算したものとなる。すなわち、時点k−1において状態
S3であり、時点kにおける状態遷移S3→S0によっ
て最終的に状態遷移S0に至った場合に対応する計算値
である。
【0105】上述のL00およびL30は、比較器55
に供給される。比較器55は、L00およびL30の値
を比較し、小さい方を最新の規格化パスメトリックL0
とすると供に、選択結果に応じて、上述したように選択
信号SEL0の極性を切替える。このような構成は、式
(20)において、最小値が選択されることに対応する
ものである。すなわち、L00<L30の場合(この時
は、S0→S0が選択される)に、L00をL0として
出力し、且つ、SEL0を例えば、'Low' とする。ま
た、L30<L00の場合(この時は、S3→S0が選
択される)には、L30をL0として出力し、且つ、S
EL0を例えば'High'とする。SEL0は、後述するよ
うに、状態S0に対応するA型パスメモリ24に供給さ
れる。
【0106】このように、加算器51、52および比較
器55は、上述の式(20)に対応して、S0→S0と
S3→S0の内から、時点kにおける状態遷移として最
尤なものを選択する動作を行う。そして、選択結果に応
じて、最新の規格化パスメトリックL0および選択信号
SEL0を出力する。
【0107】また、加算器56には、M0およびBM1
が供給される。加算器51は、これらを加算して以下の
ようなL1を算出する。
【0108】L1=M0+BM1 (36) 上述したように、M0は、時点k−1において状態S0
に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応す
る圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM
1は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基
づいて上述の(27)式に従って計算されるもの、すな
わちα×z〔k〕−βである。従って、式(36)の値
は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(2
1)の右辺m(0,k−1)+α×z〔k〕−βの値を
計算したものとなる。すなわち、時点k−1において状
態S0であり、時点kにおける状態遷移S0→S1によ
って最終的に状態遷移S1に至った場合に対応する計算
値である。式(21)が値の選択を行わないことに対応
して、加算器56の出力がそのまま最新の規格化パスメ
トリックL1とされる。
【0109】加算器53には、M2およびBM2が供給
される。加算器53は、これらを加算して以下のような
L22を算出する。
【0110】L22=M2+BM2 (37) 上述したように、M2は、時点k−1において状態S2
に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応す
る圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM
0は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基
づいて上述の(28)式に従って計算されるもの、すな
わち−z〔k〕である。従って、式(37)の値は、上
述したような圧縮の作用の下に、上述の式(22)中の
m(2,k−1)−z〔k〕の値を計算したものとな
る。すなわち、時点k−1において状態S2であり、時
点kにおける状態遷移S2→S2によって最終的に状態
遷移S2に至った場合に対応する計算値である。
【0111】一方、加算器54には、M1およびBM3
が供給される。加算器53は、これらを加算して以下の
ようなL12を算出する。
【0112】L12=M1+BM3 (38) 上述したように、M1は、時点k−1において状態S1
に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応す
る圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM
3は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基
づいて上述の(29)式に従って計算されるもの、すな
わち−α×z〔k〕−β である。従って、式(38)
の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式
(22)中のm(1,k−1)−α×z〔k〕−βの値
を計算したものとなる。すなわち、時点k−1において
状態S1であり、時点kにおける状態遷移S1→S2に
よって最終的に状態遷移S2に至った場合に対応する計
算値である。
【0113】上述のL22およびL12は、比較器57
に供給される。比較器57は、L22およびL12の値
を比較し、小さい方を最新の規格化パスメトリックL2
とすると共に、選択結果に応じて、上述したように選択
信号SEL2の極性を切替える。このような構成は、式
(22)において、最小値が選択されることに対応する
ものである。すなわち、L22<L12の場合(この時
は、S2→S2が選択される)に、L22をL2として
出力し、且つ、SEL2を例えば、'Low' とする。ま
た、L12<L22の場合(この時は、S1→S2が選
択される)には、L12をL2として出力し、且つ、S
EL2を例えば'High'とする。SEL2は、後述するよ
うに、状態S2に対応するA型パスメモリ26に供給さ
れる。
【0114】このように、加算器53、54および比較
器57は、上述の式(22)に対応して、S1→S2と
S2→S2の内から、時点kにおける状態遷移として最
尤なものを選択しする。そして、選択結果に応じて、最
新の規格化パスメトリックL2および選択信号SEL2
を出力する。
【0115】また、加算器58には、M2およびBM3
が供給される。加算器58は、これらを加算して以下の
ようなL3を算出する。
【0116】L3=M2+BM3 (39) 上述したように、M2は、時点k−1において状態S2
に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応す
る圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM
3は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基
づいて上述の(29)式に従って計算されるもの、すな
わち−α×z〔k〕−βである。従って、式(39)の
値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(2
3)の右辺m(2,k−1)+α×z〔k〕−βの値を
計算したものとなる。すなわち、時点k−1において状
態S0であり、時点kにおける状態遷移S2→S3によ
って最終的に状態遷移S3に至った場合に対応する計算
値である。式(23)が値の選択を行わないことに対応
して、加算器58の出力がそのまま最新の規格化パスメ
トリックL3とされる。
【0117】上述したようにして, ACS21が出力す
るSEL0およびSEL2に従って、パスメモリユニッ
ト(以下、PMUと表記する)23が動作することによ
って、記録データa〔k〕に対する最尤復号系列として
の復号データa’〔k〕が生成される。PMU23は、
図7に示した4個の状態間の状態遷移に対応するため
に、2個のA型パスメモリおよび2個のB型パスメモリ
から構成される。
【0118】A型パスメモリは、その状態に至る遷移と
して2つの遷移(すなわち、自分自身からの遷移と、他
の1個の状態からの遷移)を有し、且つ、その状態を起
点とする2つの遷移(すなわち、自分自身に至る遷移と
他の1個の状態に至る遷移)を有する状態に対応するた
めの構成とされる。従って、A型パスメモリは、図7に
示した4個の状態の内、S0およびS2に対応するもの
である。
【0119】一方、B型パスメモリは、その状態に至る
遷移が1つのみであり、且つ、その状態を起点とする遷
移が1つのみである状態に対応するための構成とされ
る。従って、B型パスメモリは、図7に示した4個の状
態の内、S1およびS3に対応するものである。
【0120】これら2個のA型パスメモリおよび2個の
B型パスメモリが図7に示した状態遷移図に従う動作を
行うために、PMU23において、図10に示すような
復号データの受渡しがなされるように構成される。すな
わち、A型パスメモリ24がS0に対応し、A型パスメ
モリ26がS2に対応する。また、B型パスメモリ25
がS1に対応し、また、B型パスメモリ27がS3に対
応する。このように構成すれば、S0を起点として生じ
得る状態遷移がS0→S0およびS0→S1であり、S
2を起点として生じ得る状態遷移がS2→S2およびS
2→S3であることに合致する。また、S1を起点とし
て生じ得る状態遷移がS1→S2のみであり、S3を起
点として生じ得る状態遷移がS3→S0のみであること
にも合致する。
【0121】A型パスメモリ24について、その詳細な
構成を図12に示す。A型パスメモリ24は、デコード
データ長に対応する個数のフリップフロップとセレクタ
を、交互に接続したものである。図10には、14ビッ
トのデコードデータ長に対応する構成を示した。すなわ
ち、14個のセレクタ311 〜3114および15個のフ
リップフロップ300 〜3014を有するものである。セ
レクタ311 〜3114は、何れも2個のデータを受取
り、その内の1個を選択的に後段に供給するものであ
る。また、フリップフロップ300 〜3014にクロック
が供給されることにより、A型パスメモリ24全体の動
作タイミングが合わされる。
【0122】図7を用いて上述したように、状態S0に
至る遷移は、S0→S0すなわち自分自身から継承する
遷移、およびS3→S0である。このような状況に対応
する構成として、各セレクタは、前段のフリップフロッ
プから供給されるデータすなわちS0→S0に対応する
復号データと、状態S3に対応するB型パスメモリ27
から供給されるデータすなわちS3→S0に対応する復
号データPM3とを受取る。さらに、各セレクタは、A
CS21からSEL0を供給される。そして、SEL0
の極性に応じて、供給される2個の復号データの内の一
方を後段のフリップフロップに供給する。また、このよ
うにして後段のフリップフロップに供給される復号デー
タは、状態S1に対応するB型パスメモリ25にもPM
0として供給される。
【0123】すなわち、例えば、セレクタ3114は、前
段のフリップフロップ3013から供給されるデータと、
B型パスメモリ27から供給される14ビットからなる
PM3の14番目のビット位置のデータとを受取る。そ
して、これら2個のデータの内から以下のようにして選
択したデータを、後段のフリップフロップ3014に供給
する。上述したようにSEL0は、選択結果に応じ
て、'Low' または'High'とされる。SEL0が例えば'L
ow' の時は、前段のフリップフロップ3013からのデー
タが選択されるようになされる。また、SEL0が例え
ば'High'の時は、PM3の14番目のビット位置のデー
タが選択されるようになされる。選択されたデータは、
後段のフリップフロップ3014に供給され、また、PM
0の14番目のビット位置のデータとして、状態S1に
対応するB型パスメモリ25に供給される。
【0124】A型パスメモリ24中の他のセレクタ31
1 〜3113においても、SEL0の極性に応じて、同様
な動作が行われる。従って、A型パスメモリ24全体と
しては、SEL0が例えば'Low' の時は、A型パスメモ
リ24中で、各々のフリップフロップがその前段に位置
するフリップフロップのデータを継承するシリアルシフ
トを行う。また、SEL0が例えば'High'の時は、B型
パスメモリ27から供給される14ビットからなる復号
データPM3を継承するパラレルロードを行う。何れの
場合にも、継承される復号データは、B型パスメモリ2
5に14ビットの復号データPM0として供給される。
【0125】また、最初の処理段となるフリップフロッ
プ300 には、クロックに同期して常に'0' が入力され
る。かかる動作は、S0に至る状態遷移S0→S0とS
2→S0の何れにおいても、図7に示すように、復号デ
ータが'0' なので、最新の復号データは、常に'0' とな
ることに対応している。
【0126】上述したように、S2に対応するA型パス
メモリ26についても、構成自体は、A型パスメモリ2
4と全く同様である。但し、ACS21から入力される
選択信号は、SEL2である。また、図6に示すように
状態S2に至る遷移としては、S2→S2すなわち自分
自身から継承する遷移と、S1→S2とがある。このた
め、状態S1に対応するB型パスメモリ25からPM1
を供給される。さらに、状態S2を起点として生じ得る
状態がS2すなわち自分自身と、S3であることに対応
して、状態S3に対応するB型パスメモリ27にPM2
を供給する。また、S2に対応するA型パスメモリ26
においても、最初の処理段となるフリップフロップに
は、クロックに同期して常に'0' が入力される。かかる
動作は、S2に至る状態遷移S2→S2とS1→S0の
何れにおいても、図7に示すように、復号データが'0'
なので、最新の復号データは、常に'0' となることに対
応している。
【0127】他方、B型パスメモリ25について、その
詳細な構成を図11に示す。B型パスメモリ25は、デ
コードデータ長に対応する個数のフリップフロップを接
続したものである。図11には、14ビットのデコード
データ長に対応する構成を示した。すなわち、15個の
フリップフロップ320 〜3214を有するものである。
フリップフロップ320 〜3214にクロックが供給され
ることにより、B型パスメモリ25全体の動作タイミン
グが合わされる。
【0128】各フリップフロップ321 〜3214には、
状態S0に対応するA型パスメモリ24から、14ビッ
トの復号データがPM0として供給される。例えば、フ
リップフロップ321 には、PM0の1ビット目が供給
される。各フリップフロップ321 〜3214は、供給さ
れた値を1クロックの間保持する。そして、状態S2に
対応するA型パスメモリ26に、14ビットの復号デー
タPM1として出力する。例えば、フリップフロップ3
1 は、PM1の2ビット目を出力する。
【0129】B型パスメモリ25中の他のセレクタ32
1 〜3213においても、同様な動作が行われる。従っ
て、B型パスメモリ25全体としては、A型パスメモリ
24から供給される14ビットからなる復号データPM
0を受取り、またA型パスメモリ26に14ビットから
なる復号データPM1を供給する。
【0130】また、フリップフロップ320 には、クロ
ックに同期して常に'1' が入力される。かかる動作は、
図7に示したように、最新の状態遷移がS0→S1であ
る場合に復号データが'1' であることに対応している。
【0131】また、上述のように、状態S3に対応する
B型パスメモリ27についても、B型パスメモリ25と
全く同様な構成とされる。但し、図7に示すように状態
S3に至る遷移は、S2→S3なので、状態S2に対応
するA型パスメモリ26からPM2を供給される。さら
に、状態S3を起点として生じ得る状態がS0であるこ
とに対応して、状態S0に対応するA型パスメモリ24
にPM3を供給するようになされる。B型パスメモリ2
7においても、最初の処理段となるフリップフロップに
は、クロックに同期して常に'1' が入力される。かかる
動作は、図7に示したように、最新の状態遷移がS2→
S3である場合に復号データが'1' であることに対応し
ている。
【0132】上述したようにして、PMU23中の4個
のパスメモリは、各々ビタビ復号データを生成する。こ
のようにして生成される4個のビタビ復号データは、常
に正確なビタビ復号動作がなされる場合には、互いに一
致することになる。ところで、実際のビタビ復号動作に
おいては、4個のビタビ復号データに不一致が生じるこ
とも起こり得る。このような不一致は、再生信号に含ま
れるノイズの影響等により、上述の基準値αおよびβの
値の検出において、誤差が生じる等の要因によって生じ
る。かかる場合に、4個のビタビ復号データから、例え
ば多数決等の方法によって、より的確なものを選択する
ような、図示しない構成がPMU23中の4個のパスメ
モリの後段に設けられる。
【0133】〔4値4状態ビタビ復号方法以外のビタビ
復号方法〕上述した4値4状態ビタビ復号方法は、波形
等化器11において用いられる波形等化特性がPR
(1,2,1)であり、且つ、記録データとしてRLL
(1,7)符号が用いられる場合に用いられる。他方、
波形等化特性または記録データを生成するための符号化
方法に応じて、他の種類のビタビ復号方法が用いられる
こともある。
【0134】例えば、波形等化特性がPR(1,1)で
あり、且つ、記録データとしてRLL(1,7)符号が
用いられる場合には、3値4状態ビタビ復号方法が用い
られる。また、波形等化特性がPR(1,3,3,1)
であり、且つ、記録データとしてRLL(1,7)符号
が用いられる場合には、7値6状態ビタビ復号方法が用
いられる。このようなビタビ復号方法の内、何れを用い
るかを選択するための要素の1つとなる波形等化特性
は、再生信号上の符号間干渉に適合する程度が良いもの
が採用される。従って、上述したように、線記録密度お
よびMTFを考慮して最適なものとされる。
【0135】上述したように、ビタビ復号方法は、ある
時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基づい
て、その時点kに至る複数の時点間に生じ得る状態遷移
の尤度の和を計算し、計算値を比較して、予め特定され
た状態遷移の系列として、最尤の復号系列を選択する方
法である。このため、再生信号z〔k〕がホワイトノイ
ズを含み、C/Nの良くない信号である場合には、ビッ
トバイビット復号方法よりもエラーレートが低いリード
データを得ることができることが多い。
【0136】その反面、ビタビ復号方法においては、バ
ーストエラーが生じた場合、その影響がバーストエラー
の影響を直接受ける再生信号中の部分に基づく復号結果
に復号エラーが生じることに止まらない。すなわち、こ
のような復号エラーが生じた場合、それに後続する復号
結果は、復号系列として誤ったものとなる。このような
バーストエラーに起因して生じる誤り伝搬によって、広
範囲に渡ってエラーレートが高くなるおそれがある。
【0137】この発明は、このようなビタビ復号方法お
よびビットバイビット復号方法の長所、欠点を互いに補
うような構成としたものである。
【0138】図14は、この発明の一実施例の全体構成
を示すブロック図である。この発明の一実施例は、光磁
気ディスク装置に対してこの発明を適用したものであ
る。図1を参照して上述した光磁気ディスク装置の一例
と同様の構成要素には、同一の符号を付した。記録系お
よび図示しないサーボ系等については、上述した光磁気
ディスク装置の一例と同様である。
【0139】再生系の構成および動作について説明す
る。光ピックアップ7、アンプ8および9、切替えスイ
ッチ10および波形等化器11については、上述した光
磁気ディスク装置の一例と同様である。
【0140】波形等化器11の後段には、ビットバイビ
ットブロック16およびビタビブロック17が設けられ
ている。ビットバイビットブロック16およびビタビブ
ロック17は、供給される再生信号から、それぞれ独立
にリードデータを復号し、コントローラ2に供給する。
従って、コントローラ2には、2つのリードデータが供
給される。以下に説明するようなコントローラ2による
復号化処理に関連して、ビットバイビットブロック16
によって復号されるリードデータを、アドレス部リード
データARDと称する。また、ビタビブロック17によ
って復号されるリードデータを、データ部リードデータ
DRDと称する。より具体的には、上述したセクタフォ
ーマット(図3参照)において、アドレス部に対応する
ものは、ヘッダ部(63バイト)である。また、データ
部に対応するものは、データフィールドヘッダ部(67
0バイトまたは1278バイト)である。
【0141】コントローラ2は、上述したようにして供
給される2つのリードデータの内、より的確なものを復
号化処理の対象とする。このような復号化処理の対象の
選択は、例えば図示しないタイミングジェネレータが生
成するタイミング信号に従ってなされる。すなわち、コ
ントローラ2は、アドレス部のデータを再生する期間に
は、ビットバイビットブロック16から供給されるリー
ドデータARDを復号化処理する。このようにして再生
されたアドレス部のデータは、例えばセクタ番号、トラ
ック番号等のアドレスデータを含んでいる。かかるデー
タは、後述するように、例えば記録/再生を行う領域に
対するシーク・トラッキング等の装置の動作に必要不可
欠なものである。上述した光磁気ディスク装置の一例と
同様に、このようなアドレスデータの再生がなされる期
間には、和信号R+ が切替えスイッチ10によって波形
等化器11に供給されている。
【0142】また、コントローラ2は、データ部のデー
タを再生する期間には、ビタビブロック17から供給さ
れるリードデータDRDを復号化処理する。上述した光
磁気ディスク装置の一例と同様に、このようなデータ部
のデータの再生がなされる期間には、差信号R- が切替
えスイッチ10によって波形等化器11に供給されてい
る。再生されたデータ部のデータがユーザデータとして
ホストコンピュータ1に供給される。
【0143】上述のビットバイビット復号化方法は、復
号すべき再生信号に応じて適切なスライスレベルを検出
し、検出したスライスレベルに基づいてかかる再生信号
を2値化することによってリードデータを復号するもの
である。このような復号方法を行うビットバイビットブ
ロック16の構成および動作について説明する。波形等
化器11から供給される再生信号は、エンベロープ検出
部120およびコンパレータ121に供給される。
【0144】エンベロープ検出部120は、供給された
再生信号から、エンベロープ検出を行って2値化に必要
なスライスレベルを検出する。このようにして検出され
たスライスレベルは、再生信号の振幅およびセンター値
の変動に追従するものなので、2値化におけるエラーの
発生を低減することができる。スライスレベルは、コン
パレータ121に供給される。コンパレータ121は、
かかるスライスレベルに基づいて、上述したようにして
供給される再生信号を2値化する。
【0145】このようにして得られた2値データは、フ
リップフロップ122に供給される。ところで、フリッ
プフロップ122には、後述するように、PLL部14
からリードクロックDCKが供給される。そして、フリ
ップフロップ122に供給される2値データは、リード
クロックDCKに従うタイミングでコントローラ2に出
力される。このようにして、ビットバイビットブロック
16によって復号されたリードデータがコントローラ2
に供給される。
【0146】一方、コンパレータ121の出力は、PL
L部14にも供給される。上述したように、光磁気ディ
スク6のセクタフォーマット中には、PLL部のVFO
を同期させるために用いられるデータパターンVF
1 、VFO 2、VFO 3が設けられている。従って、
コンパレータ121の出力は、これらVFO1 、VFO
2、VFO 3からそれぞれ再生される信号を含む。PL
L部14は、このような信号に基づいて、リードクロッ
クDCKを生成する。リードクロックDCKおよびに基
づく他の構成要素の動作等も、上述した光磁気ディスク
装置の一例と同様である。
【0147】一方、ビタビブロック17の構成および動
作について説明する。ビタビブロック17は、A/D変
換器12およびビタビ復号器13によって構成される。
波形等化器11から供給される再生信号は、A/D変換
器12によってA/D変換され、後段のビタビ復号器1
3に供給される。ビタビ復号器13は、供給されたA/
D変換後の再生信号から、ビタビ復号方法によってリー
ドデータを復号する。一般に、ビタビ復号器およびその
前段のA/D変換器の動作タイミングは、PLL部によ
って生成されるリードクロックに従うものとされる。こ
の発明の一実施例においては、このようなリードクロッ
クとして、上述したビットバイビットブロック16中の
PLL部14が生成するリードクロックDCKを共用す
るようになされる。すなわち、上述したように、リード
クロックDCKは、ビタビブロック17中のA/D変換
器12およびビタビ復号器13にも供給される。
【0148】PLL部14は、波形等化器11の後段と
なり、かつ、リードクロックDCKに従う動作を行う構
成要素の前段となる位置であれば、何処に設けても良
い。例えば、ビタビブロック17中のA/D変換器12
の前段に設けても良い。
【0149】ところで、上述した記録/再生動作が光磁
気ディスク6上の正しい位置に対してなされるために必
要な位置制御について説明する。コントローラ2は、ホ
ストコンピュータ1の指令に基づいて、記録/再生の対
象とされる光磁気ディスク6上のトラック位置を算出す
る。図示しない位置制御系は、かかる算出結果と、アド
レス部のデータを再生することによって得られるアドレ
スデータとを比較することにより、磁気ヘッド5および
光ピックアップ7を目標トラックに移動させる。従っ
て、位置制御を行うためには、アドレスデータが必要不
可欠なものなので、アドレスデータは、アドレス部から
得られる再生信号に基づいて確実に検出される必要があ
る。
【0150】上述したこの発明の一実施例においては、
ビットバイビットブロック16から供給されるリードデ
ータARDと、ビタビブロック17から供給されるリー
ドデータDRDの内の何れを後段の復号化処理の対象と
するかの選択は、アドレス部のデータと、データ部のデ
ータの何れを再生する期間であるかに応じて、コントロ
ーラ2の内部においてなされる。すなわち、かかる選択
は、上述したセクタフォーマット(図3参照)におい
て、ヘッダ(63バイト)内に設けられているアドレス
マークAMから再生される信号を基準として、リードク
ロックの数を数える等の方法によって行われる。
【0151】この発明の他の実施例として、図15に示
すように、再生系においてコントローラ2の前段に切替
えスイッチ123を設けることによって、ビットバイビ
ットブロック16から供給されるリードデータARD
と、ビタビブロック17から供給されるリードデータD
RDの内の何れをコントローラ2に供給するかの選択を
行うようにするものも可能である。切替えスイッチ12
3の動作は、切替え信号Tに従うものとされる。図15
において、上述したこの発明の一実施例と同様な構成要
素には、図14と同様な符号を付した。
【0152】図15に示す構成において、切替え信号T
に従ってなされる切替えスイッチ123の動作が以下の
ようなものである場合には、上述したこの発明の一実施
例と同様な動作が行われる。すなわち、アドレス部のデ
ータが再生される期間には、ビットバイビットブロック
16から供給されるリードデータARDをコントローラ
2に供給する。且つ、データ部のデータが再生される期
間には、ビタビブロック17から供給されるリードデー
タDRDをコントローラ2に供給する。
【0153】切替えスイッチ123がこのように動作す
る場合には、後段の復号化処理の対象とされるリードデ
ータの選択は、上述したこの発明の一実施例と同様にな
される。
【0154】また、上述したように、再生信号がバース
トエラーの影響を受けている場合には、ビタビ復号方法
によって復号されるリードデータDRDのエラーレート
が高くなる。このため、DRDに基づいて、コントロー
ラ2による復号化によってユーザデータを正しく再生す
ることが困難となる。このような場合、特にリードリト
ライ時において、データ部のデータが再生される期間で
あっても、切替えスイッチ123がビットバイビット復
号方法によって復号されるリードデータARDをコント
ローラ2に供給するようにすれば、正しい再生がなされ
る可能性を高くすることができる。
【0155】このような動作を行うには、コントローラ
2によってなされる復号化による再生の状況を例えばエ
ラーレート等を指標としてモニターし、所定の基準値を
参照して再生困難であると判断される場合に、切替えス
イッチ123が上述したように切替えられるように構成
すれば良い。但し、再生困難であると判断される場合以
外には、スイッチ123は、上述したこの発明の一実施
例と同様に、アドレス部のデータと、データ部のデータ
の何れを再生する期間であるかに応じた動作を行うよう
になされる。
【0156】上述したこの発明の一実施例およびこの発
明の他の実施例は、4値4状態ビタビ復号方法を行う光
磁気ディスク装置にこの発明を適用したものである。こ
れに対し、上述したような3値4状態ビタビ復号方法お
よび6値7状態ビタビ復号方法等の他の種類のビタビ復
号方法を行う光磁気ディスク装置にも、この発明を適用
することができる。また、この発明は、記録媒体に記録
されたデータから再生される再生信号から、リードデー
タを復号するために複数個の方法を用いることができる
情報再生装置に適用することができる。すなわち、光磁
気ディスク(MO)以外にも、例えば相変化型ディスク
PD、CD−E(CD-Erassable)等の書き換え可能ディ
スク、CD−R等の追記型ディスク、CD−ROM等の
読み出し専用ディスク等の光ディスク装置に適用するこ
とが可能である。また、この発明は、この実施例に限定
されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々の応用および変形が考えられる。
【0157】
【発明の効果】上述したように、この発明は、情報再生
装置において、再生信号からリードデータを復号する復
号手段として、異なる復号方法を互いに独立に行う複数
の復号手段を有し、再生信号の品質、およびリードデー
タに要求される品質等に応じて、各復号手段によって復
号される複数のリードデータの内、より的確なものを後
段の処理の対象とするように制御するようにしたもので
ある。
【0158】このため、再生信号の品質が変動しても、
ユーザデータを良好な状態で再生することができる。ま
た、記録/再生動作等において必要不可欠なデータを確
実に再生することができるので、装置全体の動作を安定
なものとすることができる。
【0159】特に、復号手段として、ビットバイビット
復号手段とビタビ復号手段とを用いる場合には、上述し
たような再生信号の品質等の条件に応じて、ビットバイ
ビット復号手段によって復号されるリードデータと、ビ
タビ復号手段によって復号されるリードデータの内、よ
り的確なものを後段の処理の対象とすることができる。
【0160】さらに、アドレス部とデータ部において、
記録方法が異なる記録媒体を用いる場合に、アドレス部
から再生される再生信号からビットバイビット復号手段
によって復号されるリードデータを後段の処理の対象と
し、データ部から再生される再生信号からビタビ復号手
段によって復号されるリードデータを後段の処理の対象
とするように制御することによって、以下のような処理
が可能となる。
【0161】まず、C/Nが良いアドレス部のデータ
を、バーストエラーの影響を受けにくいビットバイビッ
ト復号手段によって復号されるリードデータに基づく復
号化処理によって再生することができる。このため、ア
ドレス部に記録されている装置の動作に必要不可欠なア
ドレスデータを確実に再生することが可能となる。
【0162】また、アドレスデータに対応するリードデ
ータを復号する際の遅延時間を、ビタビ復号方法を用い
る場合よりも小さくすることができるので、アドレスデ
ータを再生する際の遅延時間を小さくすることができ
る。このため、コントローラにかかる負担を小さくする
ことができる。
【0163】一方、C/Nが良くないデータ部のデータ
については、通常通り、ホワイトノイズの影響を受けに
くいビタビ復号手段によって復号されるリードデータに
基づいて再生されるように制御することができる。
【0164】さらに、この発明の他の実施例において説
明したように、バーストエラーによってビタビ復号手段
によって復号されるリードデータのエラーレートが高く
なることにより、後段の復号化処理によって正しい再生
結果が得られない場合には、ビットバイビット復号手段
によって復号されるリードデータを後段の処理の対象と
するように制御する構成とすることもできる。このよう
に構成すれば、データ部のデータがバーストエラーを含
んでいる時にも、正しいユーザデータを再生できる可能
性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】4値4状態ビタビ復号方法を行う光磁気ディス
ク装置の一例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】マーク位置記録方法およびマークエッジ記録方
法について説明するための略線図である。
【図3】光磁気ディスクのセクタフォーマットの一例に
ついて説明するための略線図である。
【図4】RLL(1,7)符号化方法において、最小磁
化反転幅が2であることを示す略線図である。
【図5】RLL(1,7)符号とマークエッジ記録方法
の組合わせによって記録されたデータから再生される再
生信号を、パーシャルレスポンス特性PR(1,2,
1)の下で波形等化した時のアイ・パターンについて説
明するための略線図である。
【図6】4値4状態ビタビ復号方法の状態遷移図を作成
する過程について説明するための略線図である。
【図7】4値4状態ビタビ復号方法の状態遷移図であ
る。
【図8】4値4状態ビタビ復号方法におけるトレリス線
図の一例を示す略線図である。
【図9】4値4状態ビタビ復号方法において、規格化メ
トリックに基づく状態遷移の条件を示す略線図である。
【図10】4値4状態ビタビ復号を行うビタビ復号器の
一例の全体構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示したビタビ復号器の一例の一部分
の一例の構成を詳細に示すブロック図である。
【図12】図10に示したビタビ復号器の一例の他の一
部分の構成を詳細に示すブロック図である。
【図13】図10に示したビタビ復号器の一例のさらに
他の一部分の構成を詳細に示すブロック図である。
【図14】この発明の一実施例の全体構成を示すブロッ
ク図である。
【図15】この発明の他の実施例の全体構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
2・・・コントローラ、3・・・エンコーダ、4・・・
レーザパワーコントロール部(LPC)、5・・・磁気
ヘッド、6・・・光磁気ディスク、7・・・光ピックア
ップ、10・・・切替えスイッチ、11・・・波形等化
器、12・・・A/D変換器、13・・・ビタビ復号
器、14・・・PLL部、20・・・ブランチメトリッ
ク計算回路(BMC)、21・・・加算、比較および選
択回路(ACS)、22・・・圧縮およびラッチ回路、
23・・・パスメモリユニット(PMU)、24・・・
A型パスメモリ、25・・・B型パスメモリ、26・・
・A型パスメモリ、27・・・B型パスメモリ、51・
・・加算器、52・・・加算器、53・・・加算器、5
4・・・加算器、55・・・比較器、56・・・加算
器、57・・・比較器、58・・・加算器、300 〜3
14・・・フリップフロップ、311 〜3114・・・セ
レクタ、320 〜3214・・・フリップフロップ、16
・・・ビットバイビットブロック、17・・・ビタビブ
ロック、120・・・エンベロープ検出部、121・・
・コンパレータ、122・・・フリップフロップ、12
3・・・切替えスイッチ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に記録されている情報信号を再
    生するようにした情報再生装置において、 記録媒体から再生される再生信号からリードデータを復
    号する復号手段として、互いに独立な複数の復号手段
    と、 上記再生信号の品質、およびリードデータに要求される
    品質に応じて、上記複数の復号手段によって復号される
    リードデータの内、より的確なものを後段の処理の対象
    とするように制御する制御手段とを有することを特徴と
    する情報再生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記制御手段は、 上記後段の処理を行う手段中に含まれることを特徴とす
    る情報再生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 上記制御手段は、 上記後段の処理を行う手段の前段に設けられるスイッチ
    ング手段であることを特徴とする情報再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 上記スイッチング手段は、 上記後段の処理の状況に関連して、上記複数の復号手段
    によって復号されるリードデータの内から、後段に供給
    するものを切替えるものであることを特徴とする情報再
    生装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記複数の復号手段は、 ビットバイビット復号方法によって復号を行うビットバ
    イビット復号手段と、 ビタビ復号方法によって復号を行うビタビ復号手段を含
    むことを特徴とする情報再生装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の情報再生装置であって、 上記記録媒体上に、情報信号を記録する方法が異なる第
    1の記録領域と、第2の記録領域とを有する記録媒体を
    用いるようになし、 上記制御手段は、 上記第1の記録領域から再生される再生信号から上記複
    数の復号手段の内の1個によって復号されるリードデー
    タを上記後段の処理の対象とし、 上記第2の記録領域から再生される再生信号から上記複
    数の復号手段の内の他の1個によって復号されるリード
    データを上記後段の処理の対象とするように制御するも
    のであることを特徴とする情報再生装置。
  7. 【請求項7】 請求項4において、 上記制御手段は、 ビタビ復号手段によって復号されるリードデータのエラ
    ーレートが高く、上記後段の処理が困難となる場合に、
    ビットバイビット復号手段によって復号されるリードデ
    ータを上記後段の処理の対象とするように制御するもの
    であることを特徴とする情報再生装置。
  8. 【請求項8】 請求項6において、 上記第1の記録領域は、 エンボス加工によって記録される領域であり、 上記第2の記録領域は、 光磁気記録によって記録される領域であることを特徴と
    する情報再生装置。
  9. 【請求項9】 情報再生方法において、 記録媒体から再生される再生信号からリードデータを復
    号するステップとして、互いに独立な複数の復号方法を
    行うステップを有し、 上記再生信号の品質、およびリードデータに要求される
    品質に応じて、上記複数の復号手段によって復号される
    リードデータの内、より的確なものを後段の処理の対象
    とするように制御するステップを有することを特徴とす
    る情報再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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