JP4103152B2 - 情報再生装置および再生方法 - Google Patents
情報再生装置および再生方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4103152B2 JP4103152B2 JP10168997A JP10168997A JP4103152B2 JP 4103152 B2 JP4103152 B2 JP 4103152B2 JP 10168997 A JP10168997 A JP 10168997A JP 10168997 A JP10168997 A JP 10168997A JP 4103152 B2 JP4103152 B2 JP 4103152B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- state
- reproduction signal
- value
- data
- signal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B20/00—Signal processing not specific to the method of recording or reproducing; Circuits therefor
- G11B20/10—Digital recording or reproducing
- G11B20/10009—Improvement or modification of read or write signals
- G11B20/10268—Improvement or modification of read or write signals bit detection or demodulation methods
- G11B20/10287—Improvement or modification of read or write signals bit detection or demodulation methods using probabilistic methods, e.g. maximum likelihood detectors
- G11B20/10296—Improvement or modification of read or write signals bit detection or demodulation methods using probabilistic methods, e.g. maximum likelihood detectors using the Viterbi algorithm
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B20/00—Signal processing not specific to the method of recording or reproducing; Circuits therefor
- G11B20/10—Digital recording or reproducing
- G11B20/14—Digital recording or reproducing using self-clocking codes
- G11B20/1403—Digital recording or reproducing using self-clocking codes characterised by the use of two levels
- G11B20/1423—Code representation depending on subsequent bits, e.g. delay modulation, double density code, Miller code
- G11B20/1426—Code representation depending on subsequent bits, e.g. delay modulation, double density code, Miller code conversion to or from block codes or representations thereof
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Probability & Statistics with Applications (AREA)
- Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
- Error Detection And Correction (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ビタビ復号を行う再生装置に対して適用可能な情報再生装置および再生方法、特に、PLLの位相エラーの検出に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル信号再生装置においては、再生されたディジタル信号と同期するクロックを生成するためにPLLが使用される。従来では、再生信号のエッジを検出し、このエッジの位相情報を利用して位相エラーを検出し、検出された位相エラーによりVCO(電圧制御型発振器)、あるいはVFO(可変周波数発振器)の周波数を制御し、それによって、再生信号と同期したクロック信号をPLLが発生するようになされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、再生信号に1/2 ・T以上のノイズが含まれる場合、折り返しのために、PLLの動作が乱れ、ビットスリップ等の誤動作が発生するおそれがあった。
【0004】
従って、この発明の目的は、位相エラーをビタビ復号を利用して検出することによって、PLLを良好に制御することが可能な情報再生装置および再生方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、この発明は、記録媒体から再生される再生信号をビタビ復号方法によって復号するようにした情報再生装置において、
クロックに従ってサンプリングされる再生信号値に基づいて、最尤な状態遷移そのものを表現するクロック毎の状態データを生成する状態データ生成手段と、
状態データに基づいて、復号データを出力する復号データ出力手段と、
状態データから、再生信号の立ち上がり時点の第1の再生信号値と、再生信号の立ち上がり時点の1クロック後の第2の再生信号値と、再生信号の立ち下がり時点の第3の再生信号値と、再生信号の立ち下がり時点の1クロック後の第4の再生信号値とを発生する手段と、
第1および第4の再生信号値を減算する演算方法、第2および第3の再生信号値を減算する演算方法、第1および第2の再生信号値を加算して直流レベルを減算する演算方法、並びに第3および第4の再生信号値を加算して直流レベルを減算する演算方法の内の複数の方法で求められた値の平均により位相エラー信号を生成する手段と、
位相エラー信号が制御信号として供給され、クロックを生成するPLLとからなることを特徴とする情報再生装置である。
【0006】
また、この発明は、記録媒体から再生される再生信号をビタビ復号方法によって復号するようにした情報再生方法において、
クロックに従ってサンプリングされる再生信号値に基づいて、最尤な状態遷移そのものを表現するクロック毎の状態データを生成し、
状態データに基づいて、復号データを生成し、
状態データから、再生信号の立ち上がり時点の第1の再生信号値と、再生信号の立ち上がり時点の1クロック後の第2の再生信号値と、再生信号の立ち下がり時点の第3の再生信号値と、再生信号の立ち下がり時点の1クロック後の第4の再生信号値とを発生し、
第1および第4の再生信号値を減算する演算方法、第2および第3の再生信号値を減算する演算方法、第1および第2の再生信号値を加算して直流レベルを減算する演算方法、並びに第3および第4の再生信号値を加算して直流レベルを減算する演算方法の内の複数の方法で求められた値の平均により位相エラー信号を生成し、
クロックを生成するPLLに対して、位相エラー信号を制御信号として供給することを特徴とする情報再生方法である。
【0007】
ビタビ復号器では、選択される最尤な状態遷移を表現する状態データを生成することができる。状態データに基づいて、位相エラー検出のタイミングを得ることができる。このような位相エラー検出のタイミングに基づいて、位相エラーを検出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の理解を容易とするために、ビタビ復号方法を行う再生系を有する記録/再生装置の一例について、装置の全体構成、記録媒体のセクタフォーマット、4値4状態ビタビ復号方法の概要、4値4状態ビタビ復号方法を実現するビタビ復号器の構成および動作、および4値4状態ビタビ復号方法以外のビタビ復号方法の順に説明する。
【0009】
〔ディスク記録再生装置の概要〕
以下、ビタビ復号方法を行う再生系を有する、典型的な記録/再生装置の一例について説明する。図1は、ビタビ復号方法を行う再生系を有する光磁気ディスク装置の一例の全体構成を示すブロック図である。記録時には、コントローラ2がホストコンピュータ1の指令に従って、記録すべきユーザデータを受取り、情報語としてのユーザデータに基づいてエンコードを行って、符号語としてのRLL(1,7)符号を生成する。この符号語が記録データとしてレーザパワーコントロール部(以下、LPCと表記する)4に供給される。コントローラ2は、このような処理の他に、後述する復号化処理、および記録、再生、消去等の各モードの制御、並びにホストコンピュータ1との交信等の動作を行う。
【0010】
LPC4は、供給された記録データに対応して、光ピックアップ7のレーザパワーを制御して光磁気ディスク6上に磁気極性を有するピット列を形成することにより、記録を行う。この記録の際に、磁気ヘッド5が光磁気ディスク6にバイアス磁界を付与する。実際には、記録データに基づいて後述するように生成されるプリコード出力に従って、後述するようなマークエッジ記録が行われる。
【0011】
後述するように、記録位置すなわちピットの形成位置の制御は、磁気ヘッド5および光ピックアップ7等の位置決めを行う、図示しない手段によってなされる。このため、記録動作時においても、光ピックアップ7がアドレス部等を通過する際には、後述するような再生時の動作と同様な動作が行われる。
【0012】
上述したようにして形成される各ピットを、記録データに基づいて後述するようにして生成されるプリコード出力中の各ビットに対応させる方法について、図2を参照して説明する。プリコード出力中の、例えば'1' に対してピットを形成し、'0' に対してピットを形成しない記録方法をマーク位置記録方法と称する。一方、各ピットのエッジによって表現される、プリコード出力中の各ビットの境界における極性の反転を、例えば'1' に対応させる記録方法をマークエッジ記録方法と称する。再生時には、再生信号中の各ビットの境界は、後述するようにして生成されるリードクロックDCKに従って認識される。
【0013】
次に、再生系の構成および動作について説明する。光ピックアップ7は、光磁気ディスク6にレーザ光を照射し、それによって生じる反射光を受光して、再生信号を生成する。再生信号は、和信号R+ 、差信号R- および図示しないフォーカスエラー信号ならびにトラッキングエラー信号の4種類の信号からなる。和信号R+ は、アンプ8によってゲイン調整等がなされた後に切替えスイッチ10に供給される。また、差信号R- は、アンプ9によってゲイン調整等がなされた後に切替えスイッチ10に供給される。さらに、フォーカスエラー信号は、フォーカスエラーを解消する手段(図示せず)に供給される。一方、トラッキングエラー信号は、図示しないサーボ系等に供給され、それらの動作において用いられる。
【0014】
切替えスイッチ10には、後述するような切替え信号Sが供給される。切替えスイッチ10は、この切替え信号Sに従って、以下のように、和信号R+ または差信号R- をフィルタ部11に供給する。すなわち、後述するような光磁気ディスク6のセクタフォーマットにおいて、エンボス加工によって形成される部分から再生される再生信号が切替えスイッチ10に供給される期間には、和信号R+ をフィルタ部11に供給する。また、光磁気的に記録される部分から再生される再生信号が切替えスイッチ10に供給される期間には、差信号R- をフィルタ部11に供給する。
【0015】
切替え信号Sは、例えば次のようにして生成される。すなわち、まず、再生信号から、セクタフォーマットに規定される所定のパターンから再生される信号を検出する。このような所定のパターンとしては、例えば後述するセクタマークSM等が用いられる。そして、かかる検出がなされた時点を基準として、後述するリードクロックを数える等の方法によって認識される所定時点において、切替え信号Sが生成される。
【0016】
フィルタ部11は、ノイズカットを行うローパスフィルタおよび波形等化を行う波形等化器から構成される。後述するように、この際の波形等化処理において用いられる波形等化特性は、ビタビ復号器13が行うビタビ復号方法に適合するものとされる。フィルタ部11の出力を供給されるA/D変換器12は、後述するようにして供給されるリードクロックDCKに従って再生信号値z〔k〕をサンプリングする。ビタビ復号器13は、再生信号値z〔k〕に基づいて、ビタビ復号方法によって復号データを生成する。かかる復号データは、上述したようにして記録される記録データに対する最尤復号系列である。従って、復号エラーが無い場合には、復号データは、記録データと一致する。
【0017】
復号データは、コントローラ2に供給される。上述したように、記録データは、ユーザデータからチャンネル符号化等の符号化によって生成された符号語である。従って、復号エラーレートが充分低ければ、復号データは、符号語としての記録データとみなすことができる。コントローラ2は、復号データに、上述のチャンネル符号化等の符号化に対応する復号化処理を施すことにより、ユーザデータ等を再生する。
【0018】
また、フィルタ部11の出力は、PLL部14にも供給される。PLL部14は、供給された信号に基づいて、リードクロックDCKを生成する。このPLL部14は、従来の構成の場合では、光磁気ディスク6中に記録される一定周波数の信号を利用して位相エラーを検出する構成とされている。リードクロックDCKは、コントローラ2、A/D変換器12、ビタビ復号器13等に供給される。コントローラ2、A/D変換器12、ビタビ復号器13の動作は、リードクロックDCKに従うタイミングでなされる。さらに、リードクロックDCKは、図示しないタイミングジェネレータに供給される。タイミングジェネレータは、例えば、記録/再生動作の切替え等の装置の動作タイミングを制御する信号を生成する。
【0019】
上述したような再生動作において、光磁気ディスク6から再生される再生信号に基いて、より正しい再生データを得るために、再生系の各構成要素の動作を再生信号の品質に応じて適正化することが行われる。このような操作をキャリブレーションと称する。キャリブレーションは、再生信号の品質等が例えば加工精度等の記録媒体の特性、および例えば記録用レーザ光のパワーの変動、周囲温度等の記録/再生時の条件等によって変化する可能性があることに対応するために再生系のパラメータを適正化するためのものである。
【0020】
キャリブレーションの内容は、例えば光ピックアップ7の読取り用レーザ光パワーの調整、アンプ8および9のゲインの調整、フィルタ部11の波形等化特性の調整、およびビタビ復号器13の動作において用いられる振幅基準値の調整等である。このようなキャリブレーションは、電源投入直後または記録媒体の交換時等に、図1中には図示しない構成によって行われる。
【0021】
〔記録媒体のセクタフォーマットの概要〕
光磁気ディスク6には、セクタを記録/再生の単位としてユーザデータが記録される。図3を参照して、光磁気ディスク6において用いられるセクタフォーマットの一例について説明する。図3Aに示すように、1セクタは、記録/再生の順に従って、ヘッダ、ALPC,ギャップ、VFO3 、シンク、データフィールド、バッファの各エリアに区分されている。図3中に付した数字は、バイト数を表す。光磁気ディスク6上には、ブロック符号化等の符号化がなされたデータが記録される。例えば8ビットが12チャンネルビットに変換されて記録される。
【0022】
このセクタフォーマットの一例においては、ユーザデータ量が1024バイトのフォーマットと、ユーザデータ量が512バイトのフォーマットとが用意されている。ユーザデータ量が1024バイトのフォーマットでは、データフィールドのバイト数が670バイトとされる。また、ユーザデータ量が512バイトのフォーマットでは、データフィールドのバイト数が1278バイトとされる。これら2つのセクタフォーマットにおいて、63バイトのプリフォーマットされたヘッダと、ALPC,ギャップエリアの18バイトは、同一とされている。
【0023】
図3Bは、63バイトのヘッダを拡大して示す。ヘッダは、セクタマークSM(8バイト)、VFOフィールドのVFO1 (26バイト)、アドレスマークAM(1バイト)、IDフィールドのID1 (5バイト)、VFOフィールドのVFO2 (16バイト)、アドレスマークAM(1バイト)、IDフィールドのID2 (5バイト)、およびポストアンブルPA(1バイト)が順に配列された構成とされている。
【0024】
図3Cは、18バイトのALPC,ギャップエリアを拡大して示す。18バイトは、ギャップフィールド(5バイト)、フラグフィールド(5バイト)、ギャップフィールド(2バイト)、ALPC(6バイト)からなる。
【0025】
次に、これらのフィールドについて説明する。セクタマークSMは、セクタの開始を識別するためのマークであり、RLL(1,7)符号において生じないエンボス加工によって形成されたパターンを有する。VFOフィールドは、上述のPLL部14中のVFO(Variable Frequency Oscillator) (またはVCO)を同期させるためのもので、VFO1 、VFO2 およびVFO3 からなる。VFO1 およびVFO2 は、エンボス加工によって形成されている。また、VFO3 は、そのセクタに対して記録動作が行われる際に光磁気的に書かれる。VFO1 、VFO2 およびVFO3 は、それぞれチャンネルビットの'0' と'1' が交互に現れるパターン(2Tパターン)を有する。従って、1チャンネルビットの時間長に対応する時間をTとすると、VFOフィールドを再生した時に、2T毎にレベルが反転する再生信号が得られる。
【0026】
アドレスマークAMは、後続のIDフィールドのためのバイト同期を装置に対して与えるために使用され、RLL(1,7)符号において生じないエンボスされたパターンを有する。IDフィールドは、セクタのアドレス、すなわち、トラック番号およびセクタ番号の情報と、これらの情報に対するエラー検出用のCRCバイトを有する。IDフィールドは、5バイトからなる。ID1 およびID2 によって、同一のアドレス情報が二重に記録される。ポストアンブルPAは、チャンネルビットの'0' と'1' とが交互に現れるパターン(2Tパターン)を有する。ID1 、ID2 およびポストアンブルPAも、エンボス加工によって形成されている。このように、ヘッダの領域は、エンボス加工によりピットが形成されたプリフォーマットされた領域である。
【0027】
図3Cは、ALPC,ギャップエリアを拡大して示す。ギャップには、ピットが形成されない。最初のギャップフィールド(5バイト)は、プリフォーマットされたヘッダの後の最初のフィールドであり、これによって、ヘッダの読取りを完了した後の処理に装置が要する時間が確保される。2番目のギャップフィールド(2バイト)は、後のVFO3 の位置のずれを許容するためのものである。
【0028】
ALPC,ギャップエリアには、5バイトのフラグフィールドが記録される。フラグフィールドは、セクタのデータが記録される時に、連続した2Tパターンが記録される。ALPC(Auto Laser Power Control)フィールドは、記録時のレーザパワーをテストするために設けられている。シンクフィールド(4バイト)は、続くデータフィールドのためのバイト同期を装置が得るために設けられており、所定のビットパターンを有する。
【0029】
データフィールドは、ユーザデータを記録するために設けられる。上述した670バイトのデータフィールドには、512バイトのユーザデータと、144バイトのエラー検出、訂正用のパリティ等と、12バイトのセクタ書込みフラグと、2バイト(FF)とからなる。また、1278バイトのデータフィールドの場合には、1024バイトのユーザデータと、242バイトのエラー検出、訂正用のパリティ等と、12バイトのセクタ書込みフラグとからなる。セクタの最後のバッファフィールドは、電気的、あるいは機械的な誤差に対する許容範囲として使用される。
【0030】
上述したセクタフォーマットの例において、ヘッダは、エンボス加工によりピットが形成されたエリアである。また、ALPC,ギャップエリアは、再生時には、使用されないエリアである。さらに、VFO3 、シンクフィールドおよびデータフィールドは、光磁気記録されたデータのエリアである。
【0031】
〔4値4状態ビタビ復号方法の概要〕
以下、ビタビ復号器13によって行われるビタビ復号方法について説明する。上述したように、ユーザデータは、様々な符号化方法によって記録データとしての符号語に変換される。符号化方法は、記録媒体の性質および記録/再生方法等に応じて適切なものが採用される。光磁気ディスク装置においては、ブロック符号化において、Run Lengthすなわち'1' と'1' の間の'0' の数を制限するRLL(Run Length Limited)符号化方法が用いられることが多い。従来から幾つかのRLL符号化方法が用いられている。一般に、'1' と'1' の間の'0' の数を最小でd個、最大でk個とするm/nブロック符号をRLL(d,k;m,n)符号と称する。
【0032】
例えば、2/3ブロック符号において、'1' と'1' の間の'0' の数を最小で1個、最大で7個とするブロック符号化方法は、RLL(1,7;2,3)符号である。一般にRLL(1,7;2,3)符号をRLL(1,7)符号と称することが多いので、以下の説明においても単にRLL(1,7)符号と表記した場合には、RLL(1,7;2,3)符号を指すことにする。
【0033】
このようなRLL符号化方法と、上述したマークエッジ記録方法との組合わせによって記録されたデータから再生される再生信号を復号するために、ビタビ復号方法を用いることができる。
【0034】
このようなRLL符号化方法は、記録密度の向上、および再生動作の安定性の確保という2つの観点から、符号化方法に要求される条件に対応できるものである。まず、上述したように、マークエッジ記録方法は、記録データに基づいて後述するように生成されるプリコード出力における'1' を各ピットのエッジによって表現される極性の反転に対応させるものなので、'1' と'1' の間の'0' の数を多くする程、各ピット1個当たりに記録されるビット数を大きくすることができる。従って、記録密度を大きくすることができる。
【0035】
一方、再生系の動作タイミングを合わせるために必要なリードクロックDCKは、上述したように、再生信号に基づいてPLL部14によって生成される。このため、記録データにおいて'1' と'1' の間の'0' の数を多くすると、再生動作の際にPLL部の動作が不安定となるので、再生動作全体が不安定なものとなる。
【0036】
これら2つの条件を考慮すると、'1' と'1' の間の'0' の数は、多過ぎたり、少な過ぎたりしない、適切な範囲内に設定される必要がある。このような、記録データ中の'0' の数の設定に関して、RLL符号化方法が有効となる。
【0037】
ところで、図4に示すように、上述したRLL(1,7)符号化方法とマークエッジ記録方法の組み合わせにおいては、記録データに基づいて生成されるプリコード出力中の'1' と'1' の間に最低1個の'0' が含まれるので、最小反転幅が2となる。このような、最小反転幅が2となる符号化方法が用いられる場合に、符号間干渉およびノイズ等の影響を受けている再生信号から記録データを復号する方法として、後述するように、4値4状態ビタビ復号方法を適用することができる。
【0038】
上述したように、再生信号には、フィルタ部11によって波形等化処理がなされる。ビタビ復号方法の前段としてなされるこのような波形等化処理には、符号間干渉を積極的に利用するパーシャルレスポンス方法が用いられる。この際に用いられる波形等化特性は、一般に(1+D)n で表されるパーシャルレスポンス特性の内から、記録/再生系の線記録密度およびMTF(Modulation Transfer Function)を考慮して決められる。上述したRLL(1,7)符号化方法とマークエッジ記録方法の組み合わせによって記録されたデータに対して、PR(1,2,1)を用いる波形等化処理は、4値4状態ビタビ復号方法の前段となる。
【0039】
一方、マークエッジ記録方法においては、光磁気ディスク媒体等に対する実際の記録に先立って、上述のRLL符号化等によって符号化された記録データに基づくプリコードが行われる。各時点kにおける記録データ列をa〔k〕、これに基づくプリコード出力をb〔k〕とすると、プリコードは、以下のように行われる。
【0040】
b〔k〕=mod2{a〔k〕+b〔k−1〕} (1)
このようなプリコード出力b〔k〕が実際に光磁気ディスク媒体等に記録される。一方、フィルタ部11中の波形等化器によってなされる、波形等化特性PR(1,2,1)での波形等化処理について説明する。但し、以下の説明においては、信号の振幅を規格化せずに、波形等化特性をPR(B,2A,B)とする。また、ノイズを考慮しない場合の再生信号の値をc〔k〕と表記する。さらに、ノイズを含む実際の再生信号(すなわち、記録媒体から再生された再生信号)をz〔k〕と表記する。
【0041】
PR(B,2A,B)は、ある時点kにおける再生信号の値に対して、時点kにおける振幅の寄与が振幅値の2A倍とされ、さらに前後の時点k−1およびk+1における振幅の寄与が各々の時点での信号の振幅のB倍とされるものである。従って、再生信号の値の最大値は、時点k−1、k、k+1において何れもパルスが検出される場合である。このような場合には、再生信号の値の最大値は、以下のようになる。
【0042】
B+2A+B=2A+2B
また、再生信号の値の最小値は0となる。但し、実際の取り扱いにおいては、c〔k〕として、DC成分のA+Bを差し引いた以下のようなものが用いられる。
【0043】
従って、ノイズを考慮しない場合の再生信号c〔k〕は、A+B,A,−A,−A−Bの内の何れかの値をとることになる。一般に、再生信号の性質を示す方法の1つとして、例えば5個の時点を単位として、再生信号を多数重ね合わせたものをアイパターンと称する。この発明を適用することができる光磁気ディスク装置において、PR(B,2A,B)の下で波形等化処理された実際の再生信号z〔k〕についてのアイパターンの一例を図5に示す。図5から各時点における再生信号z〔k〕の値は、ノイズによるばらつきを有するが、ほぼ、A+B,A,−A,−A−Bの内の何れかになることが確認できる。後述するように、A+B,A,−A,−A−Bの値は、識別点として用いられる。
【0044】
上述したような波形等化処理がなされた再生信号を復号する、ビタビ復号方法の概略は、次のようなものである。ステップ▲1▼符号化方法および記録媒体に対する記録方法に基づいて、生じ得る全ての状態を特定する。ステップ▲2▼ある時点における各状態を起点として、次の時点において生じ得る全ての状態遷移と、各状態遷移が生じる時の記録データa〔k〕および再生信号の値c〔k〕を特定する。ステップ▲1▼および▲2▼の結果として特定された全ての状態および状態遷移と、各状態遷移が生じる時の〔記録データの値a〔k〕/再生信号の値c〔k〕〕を図の形式で表現したものを状態遷移図と称する。後述するように、4値4状態ビタビ復号方法における状態遷移図は、図7に示すようなものである。そして、この状態遷移図に基づく復号動作を行うように、ビタビ復号器13が構成される。
【0045】
さらに、ステップ▲3▼上述したように、状態遷移図を前提として、記録媒体から各時点kにおいて再生される再生信号z〔k〕に基づく最尤な状態遷移が選択される。但し、上述したように、z〔k〕は、ビタビ復号器13に供給される前段において波形等化されたものである。このような最尤な状態遷移の選択がなされる毎に、選択された状態遷移に対応して、状態遷移図に記載された記録データa〔k〕の値を復号値とすることによって、記録データに対する最尤復号値系列としての復号データa' 〔k〕を得ることができる。但し、各時点kにおける復号データ値から、最尤復号値系列とするための構成は、後述するビタビ復号器13中のPMU23である。従って、上述したように、復号データ列a' 〔k〕は、復号エラーが無い場合には、記録データ列a〔k〕と一致する。上述のステップ▲1▼〜ステップ▲3▼について、以下に詳細に説明する。
【0046】
上述のステップ▲1▼について説明する。まず、ここで用いられる状態として、ある時点kにおける状態を、時点kおよびそれ以前のプリコード出力を用いて次のように定義する。すなわち、n=b〔k〕、m=b〔k−1〕、l=b〔k−2〕の時の状態をSnml と定義する。このような定義によって、23 =8個の状態があると考えられるが、上述したように、実際に生じ得る状態は、符号化方法等に基づいて制限される。RLL(1,7)符号として符号化された記録データ列a〔k〕においては、'1' と'1' の間に最低1個の'0' が含まれるので、2個以上の'1' が連続することが無い。記録データ列a〔k〕に課されるこのような条件に基づいてプリコード出力b〔k〕について一定の条件が課され、その結果として生じ得る状態に制限が加えられる。
【0047】
このような制限について具体的に説明する。上述したようにRLL(1,7)符号化によって生成される記録データ列中に、2個以上の'1' が連続するもの、すなわち以下のものはあり得ない。
【0048】
a〔k〕=1,a〔k−1〕=1,a〔k−2〕=1 (3)
a〔k〕=1,a〔k−1〕=1,a〔k−2〕=0 (4)
a〔k〕=0,a〔k−1〕=1,a〔k−2〕=1 (5)
記録データ列に課されるこのような条件に基づいて、上述の(1)式に従ってb〔k〕について課される条件について検討すると、S010およびS101の2個の状態は生じ得ないことがわかる。従って、生じ得る状態は、23 −2=6個である。
【0049】
次に、ステップ▲2▼について説明する。ある時点jにおける状態を起点として、次の時点j+1において生じ得る状態を求めるためには、時点j+1における記録データの値a〔j+1〕が1となる場合、および0となる場合に分けて調べる必要がある。
【0050】
ここでは、状態S000を例として説明する。上述の(1)式に従って、S000すなわちn=b〔j〕=0,l=b〔j−1〕=0,m=b〔j−2〕=0とプリコードされる記録データとしては、以下の2個が考えられる。
【0051】
a〔j〕=0、a〔j−1〕=0、a〔j−2〕=1 (6)
a〔j〕=0、a〔j−1〕=0、a〔j−2〕=0 (7)
〔a〔j+1〕=1の時〕
この時、(1)式に従って、b〔j+1〕は、以下のように計算される。
【0052】
従って、再生信号c〔j〕の値は、上述の(2)式に従って、次のように計算される。
【0053】
また、次の時点j+1での状態Snlm については、n=b〔j+1〕,l=b〔j〕,m=b〔j−1〕である。そして、上述したようにb〔j+1〕=1,b〔j〕=0,b〔j−1〕=0となるので、次の時点j+1における状態は、S100である。従って、a〔j+1〕=1の場合には、S000→S100という遷移が生じることが特定できる。
【0054】
〔a〔j+1〕=0の時〕
この時、(1)式に従って、b〔j+1〕は、以下のように計算される。
【0055】
従って、再生信号c〔j+1〕の値は、上述の(2)式に従って、次のように計算される。
【0056】
また、次の時点j+1における状態Snlm については、n=b〔j+1〕,l=b〔j〕,m=b〔j−1〕である。そして、上述したようにb〔j+1〕=0,b〔j〕=0,b〔j−1〕=0となるので、次の時点における状態は、S000である。従って、a〔j+1〕=0の場合には、S000→S000という遷移が生じることが特定できる。
【0057】
このようにして、時点jにおけるS000以外の各状態についても、それらを起点として次の時点j+1において生じ得る状態遷移と、そのような各状態遷移が生じる時の記録データ値a〔j+1〕および再生信号値c〔j+1〕との対応を求めることができる。
【0058】
上述したようにして、各状態について、それらを起点として生じ得る状態遷移と、各状態遷移が生じる時の記録データの値および再生信号の値との対応を求め、図の形式に表したものが図6である。上述の時点jおよびj+1は、特別の時点ではない。従って、上述したようにして求まる、生じ得る状態遷移とそれらに伴う記録データの値および再生信号の値との対応は、任意の時点において適用することができる。このため、図6においては、任意の時点kにおいて生じる状態遷移に伴う記録データの値をa〔k〕と表記し、再生信号の値をc〔k〕と表記する。
【0059】
図6において、状態遷移は、矢印によって表される。また、各矢印に付した符号が〔記録データ値a〔k〕/再生信号値c〔k〕〕を示している。状態S000,S001,S111およびS110を起点とする状態遷移は、2通り有るのに対して、状態S011およびS100を起点として生じ得る遷移は1通りのみである。
【0060】
さらに、図6においてS000とS001は、何れもa〔k〕=1に対しては、c〔k〕=−Aという値を取り、S100に遷移している。一方、a〔k〕=0に対しては、c〔k〕=−A−Bという値を取り、S000に遷移している。また、S111とS110も同様に、同じa〔k+1〕の値について同じc〔k+1〕の値を取り、且つ、同じ状態に遷移している。従って、S000とS001をまとめてS0と表現し、S111とS110をまとめてS2と表現することができる。さらに、S011をS3とし、S100をS1と表現することにして、整理したものが図7である。
【0061】
上述したように、図7が4値4状態ビタビ復号方法に用いられる状態遷移図である。図7中には、S0〜S3の4個の状態、および再生信号c〔k+1〕の値としての−A−B,−A,A,A+Bの4個の値が示されている。状態S0およびS2を起点とする状態遷移は、2通り有るのに対して、状態S1およびS3を起点とする状態遷移は、1通りのみである。
【0062】
一方、状態遷移を時間に沿って表現する形式として、図8に示すようなトレリス線図が用いられる。図8では、2個の時点間の遷移を示しているが、さらに多数の時点間の遷移を示すこともできる。時間経過に伴い、順次右の時点に遷移していく様子が表現される。従って、水平な矢印は、例えばS0→S0等の同じ状態への遷移を表し、斜めの矢印は、例えばS1→S2等の異なる状態への遷移を表すことになる。
【0063】
上述したビタビ復号方法のステップ▲3▼、すなわち図7に示した状態遷移図を前提として、ノイズを含む実際の再生信号z〔k〕から最尤な状態遷移を選択する方法について以下に説明する。
【0064】
最尤な状態遷移を選択するためには、まず、ある時点kにおける状態について、その状態に至る過程において経由してきた複数時点間の状態遷移の尤度の和を計算し、さらに、計算された尤度の和を比較して、最尤の復号系列を選択することが必要である。このような尤度の和をパスメトリックと称する。
【0065】
パスメトリックを計算するためには、まず、隣接する時点間の状態遷移の尤度を計算することが必要となる。このような尤度の計算は、上述の状態遷移図を参照して、再生信号z〔k〕の値に基づいて以下のようになされる。まず、一般的な説明として、時点k−1において、状態Saである場合について考える。この時、ビタビ復号器31に再生信号z〔k〕が入力された場合に、状態Sbへの状態遷移が生じる尤度が次式に従って計算される。但し、状態Saおよび状態Sbは、図7の状態遷移図に記載されている4個の状態の何れかとする。
【0066】
(z〔k〕−c(Sa,Sb))2 (12)
上式において、c(Sa,Sb)は、状態Saから状態Sbへの状態遷移について、図7の状態遷移図に記載されている再生信号の値である。すなわち、上述の図7において、例えば状態遷移S0→S1について、−Aと算出されている値である。従って、式(12)は、ノイズを含む実際の再生信号z〔k〕の値と、ノイズを考慮せずに計算された再生信号c(Sa,Sb)の値の間のユークリッド距離となる。ある時点におけるパスメトリックは、その時点に至るまでのこのような隣接時点間の状態遷移の尤度の総和として定義される。
【0067】
ところで、時点kにおいて状態Saである場合を考える。この場合に、時点k−1において状態Saに遷移し得る状態をSpとすれば、パスメトリックL(Sa,k)は、時点k−1におけるパスメトリックを用いて次式のように計算される。
【0068】
L(Sa,k)
=L(Sp,k−1)+(z〔k〕−c(Sp,Sa))2 (13)
すなわち、時点k−1において状態Spに至った場合のパスメトリックL(Sp,k−1)と、時点k−1と時点kの間で生じるSp→Saなる状態遷移の尤度(z〔k〕−c(Sp,Sa))2 とを加算することによって、パスメトリックL(Sa,k)が計算される。この(z〔k〕−c(Sp,Sa))2 のような、最新の状態遷移の尤度は、ブランチメトリックと称される。但し、ここでのブランチメトリックは、後述するビタビ復号器13中のブランチメトリック計算回路(BMC)20によって計算されるブランチメトリック、すなわち、規格化メトリックに対応するブランチメトリックとは、別のものであることに注意が必要である。
【0069】
また、時点kにおいて状態Saである場合に、時点k−1において状態Saに遷移し得る状態が複数個存在することがある。図7においては、状態S0およびS2がこのような場合である。すなわち時点kにおいて状態S0である場合に、時点k−1において状態S0に遷移し得る状態は、S0とS3の2個である。また、時点kにおいて状態S2である場合に、時点k−1において状態S2に遷移し得る状態は、S1とS2の2個である。一般的な説明として、時点kにおいて状態Saであり、且つ、時点k−1において状態Saに遷移し得る状態がSpおよびSqの2個である場合に、パスメトリックL(Sa,k)は、次式のように計算される。
【0070】
すなわち、時点k−1において状態Spであり、Sp→Saなる状態遷移によって状態Saに至った場合と、時点k−1において状態Sqであり、Sq→Saなる状態遷移によって状態Saに至った場合の各々について、尤度の和を計算する。そして、各々の計算値を比較し、より小さい値を時点kにおける状態Saに関するパスメトリックL(Sa,k)とする。
【0071】
このようなパスメトリックの計算を、図7を用いて上述した4値4状態について具体的に適用すると、時点kにおける各状態S0,S1,S2およびS3についてのパスメトリックL(0,k),L(1,k),L(2,k)およびL(3,k)は、時点k−1における各状態S0〜S3についてのパスメトリックL(0,k−1)〜L(3,k−1)を用いて以下のように計算できる。
【0072】
上述したように、このようにして計算されるパスメトリックの値を比較して、最尤な状態遷移が選択されれば良い。ところで、最尤な状態遷移を選択するためには、パスメトリックの値そのものを計算しなくても、パスメトリックの値の比較ができれば良い。そこで、実際の4値4状態ビタビ復号方法においては、パスメトリックの代わりに以下に定義するような規格化パスメトリックを用いることにより、各時点kにおけるz〔k〕に基づく計算を容易なものとするようになされる。
【0073】
m(i,k)
=〔L(i,k)−z〔k〕2 −(A+B)2 〕/2/(A+B)(19)
式(19)をS0〜S3の各状態に適用すると、具体的な規格化パスメトリックは、以下のように2乗計算を含まないものとなる。このため、後述する、加算、比較、選択回路(ACS)21における計算を容易なものとすることができる。
【0074】
但し、式(20)〜(23)中のαおよびβは、以下のようなものである。
【0075】
α=A/(A+B) (24)
β=B×(B+2×A)/2/(A+B) (25)
このような規格化パスメトリックに基づく4値4状態ビタビ復号方法における状態遷移の条件について図9に示す。上述の4個の規格化パスメトリックの内に、2個から1個を選択する式が2つあるので、2×2=4通りの条件がある。
【0076】
〔4値4状態ビタビ復号器の概要〕
上述した4値4状態ビタビ復号方法を実現するビタビ復号器13について以下に説明する。図10にビタビ復号器13の全体構成を示す。ビタビ復号器13は、ブランチメトリック計算回路(以下、BMCと表記する)20、加算、比較および選択回路(以下、ACSと表記する)21、圧縮およびラッチ回路22およびパスメモリユニット(以下、PMUと表記する)23から構成される。これらの各構成要素に対して上述のリードクロックDCK(以下の説明においては、単にクロックと表記する)が供給されることにより、ビタビ復号器13全体の動作タイミングが合わされる。以下、各構成要素について説明する。
【0077】
BMC20は、入力される再生信号z〔k〕に基づいて、規格化パスメトリックに対応するブランチメトリックの値BM0,BM1,BM2およびBM3を計算する。BM0〜BM3は、上述の式(20)〜(23)の規格化パスメトリックを計算するために必要とされる、以下のようなものである。
【0078】
BM0=z(k) (26)
BM1=α×z〔k〕−β (27)
BM2=−z(k) (28)
BM3=−α×z〔k〕−β (29)
この計算に必要なαおよびβは、上述の式(24)および(25)に従ってBMC20によって計算される基準値である。かかる計算は、例えば再生信号z〔k〕に基づくエンベロープ検出等の方法で検出され、BMC20に供給される識別点−A−B,−A,AおよびA+Bの値に基づいてなされる。
【0079】
BM0〜BM3の値は、ACS21に供給される。一方、ACS21は、後述するような圧縮およびラッチ回路22から、1クロック前の規格化パスメトリックの値(但し、後述するように圧縮のなされたもの)M0,M1,M2およびM3を供給される。そして、M0〜M3と、BM0〜BM3とを加算して、後述するようにして、最新の規格化パスメトリックの値L0,L1,L2およびL3を計算する。M0〜M3が圧縮のなされたものであるため、L0〜L3を計算する際のオーバーフローを避けることができる。
【0080】
さらに、ACS21は、最新の規格化パスメトリックの値L0〜L3に基づいて、後述するように、最尤な状態遷移を選択し、また、選択結果に対応して、パスメモリ23に供給される選択信号SEL0およびSEL2を'High'または'Low' とする。
【0081】
また、ACS21は、L0〜L3を圧縮およびラッチ回路22に供給する。圧縮およびラッチ回路22は、供給されるL0〜L3を圧縮した後にラッチする。その後、1クロック前の規格化パスメトリックM0〜M3としてACS21に供給する。
【0082】
この際の圧縮の方法としては、例えば以下に示すように、最新の規格化パスメトリックL0〜L3から、そのうちの1個、例えばL0を一律に差し引く等の方法が用いられる。
【0083】
M0=L0−L0 (30)
M1=L1−L0 (31)
M2=L2−L0 (32)
M3=L3−L0 (33)
この結果として、M0が常に0の値をとることになるが、以下の説明においては、一般性を損なわないために、このままM0と表記する。式(30)〜(33)によって計算されるM0〜M3の値の差は、L0〜L3の値の差と等しいものとなる。上述したように、最尤な状態遷移の選択においては、規格化パスメトリック間の値の差のみが問題となる。従って、このような圧縮方法は、最尤な状態遷移の選択結果に影響せずに規格化パスメトリックの値を圧縮し、オーバーフローを防止する方法として有効である。このように、ACS21と圧縮およびラッチ回路22は、規格化パスメトリックの計算に関するループを構成する。
【0084】
上述のACS21について、図11を参照してより詳細に説明する。ACS21は、6個の加算器51、52、53、54、56、58および2個の比較器55、57から構成される。一方、上述したようにACS21には、1クロック前の圧縮された規格化パスメトリックの値M0〜M3および規格化パスメトリックに対応するブランチメトリックの値BM0〜BM3が供給される。
【0085】
加算器51には、M0およびBM0が供給される。加算器51は、これらを加算して以下のようなL00を算出する。
【0086】
L00=M0+BM0 (34)
上述したように、M0は、時点k−1において状態S0に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応する圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM0は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基づいて上述の(26)式に従って計算されるもの、すなわちz〔k〕の値そのものである。従って、式(34)の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(20)中のm(0,k−1)+z〔k〕の値を計算したものとなる。すなわち、時点k−1において状態S0であり、時点kにおける状態遷移S0→S0によって最終的に状態遷移S0に至った場合に対応する計算値である。
【0087】
一方、加算器52には、M3およびBM1が供給される。加算器51は、これらを加算して以下のようなL30を算出する。
【0088】
L30=M3+BM1 (35)
上述したように、M3は、時点k−1において状態S3に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応する、圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM1は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基づいて上述の(27)式に従って計算されるもの、すなわちα×z〔k〕−βである。従って、式(35)の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(20)中のm(3,k−1)+α×z〔k〕−βの値を計算したものとなる。すなわち、時点k−1において状態S3であり、時点kにおける状態遷移S3→S0によって最終的に状態遷移S0に至った場合に対応する計算値である。
【0089】
上述のL00およびL30は、比較器55に供給される。比較器55は、L00およびL30の値を比較し、小さい方を最新の規格化パスメトリックL0とすると共に、選択結果に応じて、上述したように選択信号SEL0の極性を切替える。このような構成は、式(20)において、最小値が選択されることに対応するものである。すなわち、L00<L30の場合(この時は、S0→S0が選択される)に、L00をL0として出力し、且つ、SEL0を例えば、'Low' とする。また、L30<L00の場合(この時は、S3→S0が選択される)には、L30をL0として出力し、且つ、SEL0を例えば'High'とする。SEL0は、後述するように、状態S0に対応するA型パスメモリ24に供給される。
【0090】
このように、加算器51、52および比較器55は、上述の式(20)に対応して、S0→S0とS3→S0の内から、時点kにおける状態遷移として最尤なものを選択する動作を行う。そして、選択結果に応じて、最新の規格化パスメトリックL0および選択信号SEL0を出力する。
【0091】
また、加算器56には、M0およびBM1が供給される。加算器51は、これらを加算して以下のようなL1を算出する。
【0092】
L1=M0+BM1 (36)
上述したように、M0は、時点k−1において状態S0に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応する圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM1は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基づいて上述の(27)式に従って計算されるもの、すなわちα×z〔k〕−βである。従って、式(36)の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(21)の右辺m(0,k−1)+α×z〔k〕−βの値を計算したものとなる。すなわち、時点k−1において状態S0であり、時点kにおける状態遷移S0→S1によって最終的に状態遷移S1に至った場合に対応する計算値である。式(21)が値の選択を行わないことに対応して、加算器56の出力がそのまま最新の規格化パスメトリックL1とされる。
【0093】
加算器53には、M2およびBM2が供給される。加算器53は、これらを加算して以下のようなL22を算出する。
【0094】
L22=M2+BM2 (37)
上述したように、M2は、時点k−1において状態S2に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応する圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM0は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基づいて上述の(28)式に従って計算されるもの、すなわち−z〔k〕である。従って、式(37)の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(22)中のm(2,k−1)−z〔k〕の値を計算したものとなる。すなわち、時点k−1において状態S2であり、時点kにおける状態遷移S2→S2によって最終的に状態遷移S2に至った場合に対応する計算値である。
【0095】
一方、加算器54には、M1およびBM3が供給される。加算器53は、これらを加算して以下のようなL12を算出する。
【0096】
L12=M1+BM3 (38)
上述したように、M1は、時点k−1において状態S1に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応する圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM3は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基づいて上述の(29)式に従って計算されるもの、すなわち−α×z〔k〕−βである。従って、式(38)の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(22)中のm(1,k−1)−α×z〔k〕−βの値を計算したものとなる。すなわち、時点k−1において状態S1であり、時点kにおける状態遷移S1→S2によって最終的に状態遷移S2に至った場合に対応する計算値である。
【0097】
上述のL22およびL12は、比較器57に供給される。比較器57は、L22およびL12の値を比較し、小さい方を最新の規格化パスメトリックL2とすると共に、選択結果に応じて、上述したように選択信号SEL2の極性を切替える。このような構成は、式(22)において、最小値が選択されることに対応するものである。すなわち、L22<L12の場合(この時は、S2→S2が選択される)に、L22をL2として出力し、且つ、SEL2を例えば、'Low' とする。また、L12<L22の場合(この時は、S1→S2が選択される)には、L12をL2として出力し、且つ、SEL2を例えば'High'とする。SEL2は、後述するように、状態S2に対応するA型パスメモリ26に供給される。
【0098】
このように、加算器53、54および比較器57は、上述の式(22)に対応して、S1→S2とS2→S2の内から、時点kにおける状態遷移として最尤なものを選択する。そして、選択結果に応じて、最新の規格化パスメトリックL2および選択信号SEL2を出力する。
【0099】
また、加算器58には、M2およびBM3が供給される。加算器58は、これらを加算して以下のようなL3を算出する。
【0100】
L3=M2+BM3 (39)
上述したように、M2は、時点k−1において状態S2に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応する圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM3は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基づいて上述の(29)式に従って計算されるもの、すなわち−α×z〔k〕−βである。従って、式(39)の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(23)の右辺m(2,k−1)+α×z〔k〕−βの値を計算したものとなる。すなわち、時点k−1において状態S0であり、時点kにおける状態遷移S2→S3によって最終的に状態遷移S3に至った場合に対応する計算値である。式(23)が値の選択を行わないことに対応して、加算器58の出力がそのまま最新の規格化パスメトリックL3とされる。
【0101】
上述したようにして, ACS21が出力するSEL0およびSEL2に従って、パスメモリユニット(以下、PMUと表記する)23が動作することによって、記録データa〔k〕に対する最尤復号系列としての復号データa’〔k〕が生成される。PMU23は、図7に示した4個の状態間の状態遷移に対応するために、2個のA型パスメモリおよび2個のB型パスメモリから構成される。
【0102】
A型パスメモリは、その状態に至る遷移として2つの遷移(すなわち、自分自身からの遷移と、他の1個の状態からの遷移)を有し、且つ、その状態を起点とする2つの遷移(すなわち、自分自身に至る遷移と他の1個の状態に至る遷移)を有する状態に対応するための構成とされる。従って、A型パスメモリは、図7に示した4個の状態の内、S0およびS2に対応するものである。
【0103】
一方、B型パスメモリは、その状態に至る遷移が1つのみであり、且つ、その状態を起点とする遷移が1つのみである状態に対応するための構成とされる。従って、B型パスメモリは、図7に示した4個の状態の内、S1およびS3に対応するものである。
【0104】
これら2個のA型パスメモリおよび2個のB型パスメモリが図7に示した状態遷移図に従う動作を行うために、PMU23において、図10に示すような復号データの受渡しがなされるように構成される。すなわち、A型パスメモリ24がS0に対応し、A型パスメモリ26がS2に対応する。また、B型パスメモリ25がS1に対応し、また、B型パスメモリ27がS3に対応する。このように構成すれば、S0を起点として生じ得る状態遷移がS0→S0およびS0→S1であり、S2を起点として生じ得る状態遷移がS2→S2およびS2→S3であることに合致する。また、S1を起点として生じ得る状態遷移がS1→S2のみであり、S3を起点として生じ得る状態遷移がS3→S0のみであることにも合致する。
【0105】
A型パスメモリ24について、その詳細な構成を図12に示す。A型パスメモリ24は、パスメモリ長に対応する個数のフリップフロップとセレクタを、交互に接続したものである。図10には、14ビットのデコードデータ長に対応する構成を示した。すなわち、14個のセレクタ311 〜3114および15個のフリップフロップ300 〜3014を有するものである。セレクタ311 〜3114は、何れも2個のデータを受取り、その内の1個を選択的に後段に供給するものである。また、フリップフロップ300 〜3014にクロックが供給されることにより、A型パスメモリ24全体の動作タイミングが合わされる。
【0106】
図7を用いて上述したように、状態S0に至る遷移は、S0→S0すなわち自分自身から継承する遷移、およびS3→S0である。このような状況に対応する構成として、各セレクタは、前段のフリップフロップから供給されるデータすなわちS0→S0に対応する復号データと、状態S3に対応するB型パスメモリ27から供給されるデータすなわちS3→S0に対応する復号データPM3とを受取る。さらに、各セレクタは、ACS21からSEL0を供給される。そして、SEL0の極性に応じて、供給される2個の復号データの内の一方を後段のフリップフロップに供給する。また、このようにして後段のフリップフロップに供給される復号データは、状態S1に対応するB型パスメモリ25にもPM0として供給される。
【0107】
すなわち、例えばセレクタ3114は、前段のフリップフロップ3013から供給されるデータと、B型パスメモリ27から供給される14ビットからなるPM3の14番目のビット位置のデータとを受取る。そして、これら2個のデータの内から以下のようにして選択したデータを、後段のフリップフロップ3014に供給する。上述したようにSEL0は、選択結果に応じて、'Low' または'High'とされる。SEL0が例えば'Low' の時は、前段のフリップフロップ3013からのデータが選択されるようになされる。また、SEL0が例えば'High'の時は、PM3の14番目のビット位置のデータが選択されるようになされる。選択されたデータは、後段のフリップフロップ3014に供給され、また、PM0の14番目のビット位置のデータとして、状態S1に対応するB型パスメモリ25に供給される。
【0108】
A型パスメモリ24中の他のセレクタ311 〜3113においても、SEL0の極性に応じて、同様な動作が行われる。従って、A型パスメモリ24全体としては、SEL0が例えば'Low' の時は、A型パスメモリ24中で、各々のフリップフロップがその前段に位置するフリップフロップのデータを継承するシリアルシフトを行う。また、SEL0が例えば'High'の時は、B型パスメモリ27から供給される14ビットからなる復号データPM3を継承するパラレルロードを行う。何れの場合にも、継承される復号データは、B型パスメモリ25に14ビットの復号データPM0として供給される。
【0109】
また、最初の処理段となるフリップフロップ300 には、クロックに同期して常に'0' が入力される。かかる動作は、S0に至る状態遷移S0→S0とS2→S0の何れにおいても、図7に示すように、復号データが'0' なので、最新の復号データは、常に'0' となることに対応している。
【0110】
上述したように、S2に対応するA型パスメモリ26についても、構成自体は、A型パスメモリ24と全く同様である。但し、ACS21から入力される選択信号は、SEL2である。また、図6に示すように状態S2に至る遷移としては、S2→S2すなわち自分自身から継承する遷移と、S1→S2とがある。このため、状態S1に対応するB型パスメモリ25からPM1を供給される。さらに、状態S2を起点として生じ得る状態がS2すなわち自分自身と、S3であることに対応して、状態S3に対応するB型パスメモリ27にPM2を供給する。
【0111】
また、S2に対応するA型パスメモリ26においても、最初の処理段となるフリップフロップには、クロックに同期して常に'0' が入力される。かかる動作は、S2に至る状態遷移S2→S2とS1→S0の何れにおいても、図7に示すように、復号データが'0' なので、最新の復号データは、常に'0' となることに対応している。
【0112】
他方、B型パスメモリ25について、その詳細な構成を図13に示す。B型パスメモリ25は、パスメモリ長に対応する個数のフリップフロップを接続したものである。図13には、14ビットのデコードデータ長に対応する構成を示した。すなわち、15個のフリップフロップ320 〜3214を有するものである。フリップフロップ320 〜3214にクロックが供給されることにより、B型パスメモリ25全体の動作タイミングが合わされる。
【0113】
各フリップフロップ321 〜3214には、状態S0に対応するA型パスメモリ24から、14ビットの復号データがPM0として供給される。例えば、フリップフロップ321 には、PM0の1ビット目が供給される。各フリップフロップ321 〜3214は、供給された値を1クロックの間保持する。そして、状態S2に対応するA型パスメモリ26に、14ビットの復号データPM1として出力する。例えば、フリップフロップ321 は、PM1の2ビット目を出力する。
【0114】
B型パスメモリ25中の他のセレクタ321 〜3213においても、同様な動作が行われる。従って、B型パスメモリ25全体としては、A型パスメモリ24から供給される14ビットからなる復号データPM0を受取り、またA型パスメモリ26に14ビットからなる復号データPM1を供給する。
【0115】
また、フリップフロップ320 には、クロックに同期して常に'1' が入力される。かかる動作は、図7に示したように、最新の状態遷移がS0→S1である場合に復号データが'1' であることに対応している。
【0116】
また、上述のように、状態S3に対応するB型パスメモリ27についても、B型パスメモリ25と全く同様な構成とされる。但し、図7に示すように状態S3に至る遷移は、S2→S3なので、状態S2に対応するA型パスメモリ26からPM2を供給される。さらに、状態S3を起点として生じ得る状態がS0であることに対応して、状態S0に対応するA型パスメモリ24にPM3を供給するようになされる。B型パスメモリ27においても、最初の処理段となるフリップフロップには、クロックに同期して常に'1' が入力される。かかる動作は、図7に示したように、最新の状態遷移がS2→S3である場合に復号データが'1' であることに対応している。
【0117】
上述したようにして、PMU23中の4個のパスメモリは、各々復号データを生成する。このようにして生成される4個の復号データは、常に正確なビタビ復号動作がなされる場合には、互いに一致することになる。ところで、実際のビタビ復号動作においては、4個の復号データに不一致が生じることも起こり得る。このような不一致は、再生信号に含まれるノイズの影響等により、上述の識別点AおよびBを検出する際に誤差が生じる等の要因により、ビタビ復号動作が不正確なものとなることによって生じる。
【0118】
一般に、このような不一致が生じる確率は、再生信号の品質に対応してパスメモリの処理段数(メモリ長)を充分に大きく設定することによって減少させることができる。すなわち、再生信号のC/N等の品質が良い場合には、パスメモリの処理段数が比較的小さくても復号データ間の不一致が生じる確率は小さい。これに対して、再生信号の品質が良くない場合には、上述の不一致が生じる確率を小さくするためには、パスメモリの処理段数を大きくする必要がある。再生信号の品質に対してパスメモリの処理段数が比較的小さくて、復号データ間の不一致が生じる確率を充分に低くすることができない場合には、4個の復号データから、例えば多数決等の方法によって、より的確なものを選択するような、図示しない構成がPMU23中の4個のパスメモリの後段に設けられる。
【0119】
〔4値4状態ビタビ復号方法以外のビタビ復号方法〕
上述した4値4状態ビタビ復号方法は、フィルタ部11において用いられる波形等化特性がPR(1,2,1)であり、且つ、記録データとしてRLL(1,7)符号が採用される場合に用いられる。例えば、記録線密度0.40μm,レーザ波長685nm,NA=0.55の場合には、波形等化特性をPR(1,2,1)とし、4値4状態ビタビ復号方法を用いることが最適となる。他方、波形等化特性または記録データを生成するための符号化方法に応じて、他の種類のビタビ復号方法が用いられることもある。
【0120】
例えば、波形等化特性がPR(1,1)であり、且つ、記録データとしてRLL(1,7)符号が用いられる場合には、3値4状態ビタビ復号方法が用いられる。また、波形等化特性がPR(1,3,3,1)であり、且つ、記録データとしてRLL(1,7)符号が用いられる場合には、7値6状態ビタビ復号方法が用いられる。このようなビタビ復号方法の内、何れを用いるかを選択するための要素の1つとなる波形等化特性は、再生信号上の符号間干渉に適合する程度が良いものが採用される。従って、上述したように、線記録密度およびMTFを考慮して最適なものとされる。
【0121】
〔状態データを使用した4値4状態ビタビ復号方法〕
上述した光磁気ディスク装置の一例中のビタビ復号器13は、再生信号値に基づいて選択した最尤な状態遷移に対応して復号データ値の系列としての復号データを生成するものである。これに対して、復号データ値の代わりに状態そのものを表現する状態データ値を用いることによって、選択される状態遷移そのものを表現する状態データを生成することも可能である。このような場合には、上述の光磁気ディスク装置の一例におけるパスメモリユニットPMUの代わりに、後述するようにして状態データ値の系列を生成するステータスメモリユニット(以下、SMUと表記する)が用いられる。後述するように、この発明の実施の一形態では、PLLの位相エラーの抽出タイミングをこのような状態データで表される状態遷移に基づいて生成する。
【0122】
例えば4値4状態ビタビ復号方法においては、4個の状態を2ビットで表現できるので、このような2ビットのデータを状態データ値として用いることができる。そこで、図7中のS0,S1,S2,S3を、それぞれ2ビットの状態データ値、00,01,11,10を用いて表現することができる。そこで、以下の説明においては、図7中のS0,S1,S2,S3をそれぞれS00,S01,S11,S10と表記することにし、4値4状態ビタビ復号方法の状態遷移図として、図7の代わりに図14を用いる。
【0123】
また、以下の説明においては、波形等化特性として、上述のPR(B,2A,B)の代わりに、規格化されたものすなわちPR(1,2,1)を前提とする。このため、識別点の値すなわちノイズを考慮しない計算によって求まる再生信号値c〔k〕は、図7中の−A−B,−A,A,A+Bの代わりにそれぞれ0、1、3、4と表現される。
【0124】
さらに、規格化パスメトリックを計算する式(20)〜(24)中で、最新の状態遷移に対応する全部で6個の加算部分(例えば、式(20)においては、S0→S0に対応するz〔k〕およびS3→S0に対応するα×z〔k〕−β)についても、図14における状態の表記方法に従って以下のように表記することにする。かかる加算部分は、式(13)によって定義されるブランチメトリックとは異なるものであるが、以下の説明においては、表記を簡潔にするために、かかる加算部分をブランチメトリックと表記する。
【0125】
まず、遷移前の状態と遷移後の状態を表記するそれぞれ2ビットの状態データ値を書き並べて4個の数字の列とする。次に、中央寄りの2個の(すなわち2番目と3番目の)数字を1個の数字とすることによって、3個の数字の列として、1リードクロックの間に生じ得るブランチメトリックを表記する。例えば状態遷移S11→S10に伴うブランチメトリックは、bm110と表記される。このようにして、図14中の6種類の状態遷移に対応するブランチメトリックを、図15に示すように表記できる。
【0126】
図16は、この発明の一実施例の全体構成を示すブロック図である。この発明の一実施例は、光磁気ディスク装置に対してこの発明を適用したものである。図1等を参照して上述した光磁気ディスク装置の一例と同様の構成要素には、同一の符号を付した。記録系および図示しないサーボ系等については、上述した光磁気ディスク装置の一例と同様である。光ピックアップ7からA/D変換器12までの再生系の構成および動作は、上述の光磁気ディスク装置の一例と同様である。
【0127】
ビタビ復号器130は、A/D変換器12から供給される再生信号値z〔k〕に基づいて、後述するようにして生成される、復号データおよび不一致検出信号NMを生成し、コントローラ2に供給する。コントローラ2は、上述した光磁気ディスク装置の一例と同様に、供給される復号データに基づく復号化処理を行い、ユーザデータおよびアドレスデータ等を再生する。また、コントローラ2内には計数手段が設けられ、不一致検出信号NMに基づいて状態データ間の不一致の数を計数する。
【0128】
ビタビ復号器130は、BMC132,ACS133、SMU134およびマージブロック135から構成される。そして、これらの各構成要素には、PLL14からリードクロックDCK(以下、クロックと表記する)が供給され、動作タイミングが合わされる。
【0129】
BMC132は、再生信号値z〔k〕に基づいてブランチメトリックを計算し、計算したブランチメトリックをACS133に供給する。
【0130】
ACS133について、図17を参照して説明する。ACS133は、上述の光磁気ディスク装置の一例におけるACS21中の構成要素と、圧縮およびラッチ回路22中の構成要素とを含む構成とされる。このような構成が各状態に対応して設けられるので、4個のブロックから構成されることになる。そして、各サブブロックが出力する規格化パスメトリックの値が図14に示す状態遷移図に従って受け渡されるように接続されている。
【0131】
この内、自身を継承し得る状態S00およびS11には、後述するA型サブブロックが対応する。図17においては、A型サブブロック145および147がそれぞれ状態S00およびS11に対応するよう図示した。また、自身を継承し得ない状態S01およびS10には、後述するB型サブブロックが対応する。図17においては、B型サブブロック146および148がそれぞれ状態S01およびS10に対応するよう図示した。
【0132】
A型サブブロック145は、上述の光磁気ディスク装置の一例中のACS21(図11参照)中の、選択信号の生成を行う部分の構成要素を有している。すなわち、2個の規格化パスメトリックの値を更新するための2個の加算器と、1個の比較器を有している。さらに、A型サブブロック145は、圧縮およびラッチ回路22と同様の動作を行う、更新されるパスメトリックの値を保持する手段を有している。
【0133】
このようなA型サブブロック145には、BMC132からS00→S00に対応するブランチメトリックbm000、およびS10→S00に対応するブランチメトリックbm100がクロックに従って供給される。また、S10に対応するB型サブブロック148から1クロック前に更新された規格化パスメトリックM10の値を供給される。A型サブブロック145は、かかる1クロック前に更新された規格化パスメトリックM10の値にbm000の値を加算することによって、最新の遷移がS10→S00である場合の尤度の総和を計算する。
【0134】
さらに、A型サブブロック145は、自身でラッチしている1クロック前の規格化パスメトリックM00の値にbm000の値を加算することによって、最新の遷移がS00→S00である場合の尤度の総和を計算する。
【0135】
そして、A型サブブロック145は、このようにして計算される2個の尤度の総和を比較して、最尤な状態遷移を選択する。選択された状態遷移に対応する尤度の総和が更新された規格化パスメトリックM00の値としてラッチされ、且つ、選択結果に対応する選択信号SEL00が出力される。更新された規格化パスメトリックM00の値は、A型サブブロック145自身がラッチすると共に、S01に対応するB型サブブロック146に供給される。
【0136】
状態S11に対応するA型サブブロック147は、A型サブブロック145と同様に構成される。但し、供給されるブランチメトリックは、図14中の状態遷移S11→S11およびS01→S11に対応するbm111およびbm011である。また、更新される規格化パスメトリックM11は、A型サブブロック147自身によってラッチされると共に、状態S10に対応するB型サブブロック148に供給される。
【0137】
B型サブブロック146は、上述の光磁気ディスク装置の一例中のACS21(図11参照)で、選択信号の生成を行わない部分の構成要素を有している。すなわち、1個のパスメトリックの値を更新するための1個の加算器を有している。さらに、B型サブブロック146は、圧縮およびラッチ回路22と同様の機能を有する、更新されるパスメトリックの値を保持する手段を有している。
【0138】
このようなB型サブブロック146には、BMC132からS00→S01に対応するブランチメトリックbm001がクロックに従って供給される。また、S00に対応するA型サブブロック145から1クロック前に更新された規格化パスメトリックM00の値を供給される。B型サブブロック146は、かかる1クロック前に更新された規格化パスメトリックM00の値にbm001の値を加算することによって、最新の遷移がS00→S01である場合の尤度の総和を計算し、計算結果を更新された規格化パスメトリックM01としてラッチする。規格化パスメトリックM01の値は、クロックに従うタイミングで、S11に対応するA型サブブロック147に供給される。
【0139】
状態S10に対応するB型サブブロック148は、B型サブブロック146と同様に構成される。但し、供給されるブランチメトリックは、状態遷移S11→S10に対応するbm110である。また、更新される規格化パスメトリックM10は、自身でラッチすると共に、状態S00に対応するA型サブブロック145に供給される。
【0140】
また、各サブブロックは、クロックに従う各時点毎に更新される規格化パスメトリックの値を、規格化パスメトリック比較回路149に供給する。すなわち、A型サブブロック145,B型サブブロック146,A型サブブロック147およびB型サブブロック148は、それぞれ規格化パスメトリックM00,M01,M11およびM10の値を規格化パスメトリック比較回路149に供給する。規格化パスメトリック比較回路149は、これら4個の規格化パスメトリックの内で最小の値をとるものに対応する2ビットの信号MSを出力し、後述するマージブロック135に供給する。
【0141】
次に、SMU134について図18を参照して説明する。上述した光磁気ディスク装置の一例中のPMU23が1ビットの復号データ値を単位とする処理を行うものであるのに対し、SMU134は、2ビットの状態データ値を単位とする処理を行うものである。
【0142】
図18に示すように、SMU134は、2個のA型ステータスメモリ150および151、並びに2個のB型ステータスメモリ152および153を有している。さらにセレクト信号SEL00およびSEL11、クロック、並びに他のステータスメモリとの状態データの受渡し等のための信号線を接続されて構成される。A型ステータスメモリ150と151は、それぞれ、状態S00とS11に対応する。また、B型ステータスメモリ152と153は、それぞれ状態S01とS10に対応する。これら4個のステータスメモリ相互の接続は、図14の状態遷移図に従うものとされる。
【0143】
図19を参照して、状態S00に対応するA型ステータスメモリ150についてより詳細に説明する。A型ステータスメモリ150は、n個の処理段を有する。すなわち、n個のセレクタ2010 ・・・201n-1 と、n個のレジスタ2020 ・・・202n-1 とが交互に接続されている。各セレクタ2010 〜201n-1 には、セレクト信号SEL00が供給される。さらに、各セレクタには、上述したように、S10に対応するB型ステータスメモリ151から継承する状態データがnビットからなるSMinとして供給される。また、各レジスタには、上述したように、S01に対応するB型ステータスメモリ152に継承される状態データがn−1個の状態データ値からなるSMoutとして出力される。また、各レジスタ2020 〜202n-1 には、クロックが供給される。
【0144】
一方、各セレクタの動作について説明する。図14に示すように、S00に遷移し得る1クロック前の状態は、S00およびS10の何れかである。1クロック前の状態がS00である時は、自身を継承する遷移がなされることになる。このため、1段目のセレクタ2010 には、シリアルシフトによって生成される状態データ中の最新の状態データ値として、'00'が入力される。セレクタ2010 には、パラレルロードとして、B型ステータスメモリ153から供給される状態データ中の最新の状態データ値SMin〔1〕が供給される。セレクタ2010 は、上述の選択信号SEL00に従って、これら2個の状態データ値の内の1個を後段のレジスタ2020 に供給する。
【0145】
また、2段目以降の各セレクタ2011 〜201n-1 は、2個のデータすなわち、パラレルロードとしてS10に対応するB型ステータスメモリ153から供給される1個の状態データ値と、シリアルシフトとして前段のレジスタから供給される1個の状態データ値とを受取る。そして、これら2個の状態データの内から、選択信号SEL00に従って、最尤なものと判断された状態データ値を後段のレジスタに供給する。セレクタ2010 〜201n-1 が全て同一の選択信号SEL00に従うので、ACS133が選択する最尤な状態データ値の系列としての状態データが継承される。
【0146】
さらに、各レジスタ2020 〜202n-1 は、上述したように供給される状態データ値をクロックに従って取込むことによって、保持している状態データ値を更新する。また、上述したように、各レジスタの出力は、1クロック後に遷移し得る状態に対応するステータスメモリに供給される。すなわち、S00自身に遷移し得るので、シリアルシフトとして後段のセレクタに供給される。また、パラレルロードとして、S01に対応するB型ステータスメモリ151に対して供給される。最終段のレジスタ202n-1 から、状態データ値VM00が出力される。
【0147】
状態S11に対応するA型ステータスメモリ151は、A型ステータスメモリ150と同様に構成される。但し、図14中の状態遷移S01→S11に対応するパラレルロードとして、S01に対応するB型ステータスメモリ152から状態データを供給される。また、図14中の状態遷移S11→S10に対応するパラレルロードとして、S10に対応するB型ステータスメモリ153に状態データを供給する。
【0148】
一方、図20を参照して、状態S01に対応するB型ステータスメモリ151についてより詳細に説明する。B型ステータスメモリは、図14において自身を継承せず、且つ、1クロック後に遷移し得る状態が1個だけである状態に対応するものである。このため、シリアルシフトを行わず、且つ、セレクタが設けられていない。従って、n個のレジスタ2120 ,2121 ,・・・212n-1 が設けられ、各レジスタにクロックが供給されて動作タイミングが合わされる。
【0149】
各レジスタ2120 ,2121 ,・・・212n-1 には、S00に対応するA型ステータスメモリ150から継承する状態データがn−1個の状態データ値からなるSMinとして供給される。但し、最初の処理段となるレジスタ2120 には、クロックに同期して常に'00'が入力される。かかる動作は、図14に示されるように、S01に遷移し得る最新の状態遷移が常にS00であることに対応している。各レジスタ2120 〜212n-1 は、供給される状態データ値をクロックに従って取込むことによって、保持している状態データ値を更新する。また、クロックに従ってなされる各レジスタの出力は、n−1個の状態データ値からなる状態データSMoutとして,1クロック後に遷移し得る状態S11に対応するA型ステータスメモリ153に供給される。最終段のレジスタ212n-1 から、状態データ値VM01が出力される。
【0150】
状態S10に対応するB型ステータスメモリ153は、B型ステータスメモリ152と同様に構成される。但し、図14中の状態遷移S11→S10に対応するパラレルロードとして、S11に対応するA型ステータスメモリ151から状態データを供給される。また、図14中の状態遷移S10→S00に対応するパラレルロードとして、S00に対応するA型ステータスメモリ153に状態データを供給する。また、最初の処理段となるレジスタには、クロックに同期して、常に'11'が入力される。かかる動作は、図14に示すように、S10に遷移し得る1クロック前の状態がS11であることに対応するものである。
【0151】
ところで、ビタビ復号方法においては、各ステータスメモリが生成する状態データ値は、本来、一致する。従って、SMU134中の4個のステータスメモリが生成する4個の状態データ値VM00,VM11,VM01およびVM10が一致するはずである。ところが、データの記録条件が良くない、または、記録媒体に物理的な欠陥が生じる等の原因によって再生RF信号の信号品質が低下する場合には、4個の状態データ値VM00,VM11,VM01およびVM10が互いに不一致となることがある。このような不一致が生じる確率は、再生系内の各構成要素の性能および動作パラメータ等にも影響される。
【0152】
一方、再生RF信号の信号品質および再生系の条件が同程度の場合には、ステータスメモリのメモリ長(すなわち処理段数)を大きくする程、状態データ値間の不一致が生じる確率を小さくすることができる。但し、ステータスメモリのメモリ長が大きい程、SMUの回路規模およびSMUの動作によって生じる遅延時間が増大する等の観点から、ステータスメモリのメモリ長をあまり大きく設定することは現実的でない。このため、一般には、状態データ値間の不一致がある程度の確率で生じることを前提とし、不一致が生じた時に最も的確な状態データ値を選択する構成が設けられることが多い。後述するマージブロック135は、このような構成を含むものである。
【0153】
また、ステータスメモリのメモリ長が一定の場合に、状態データ値間の不一致の数を計数できれば、計数値は、状態データおよびそれに基づいて生成される復号データの品質の評価に用いることができる。また、かかる計数値は、再生信号の信号品質、および再生系内の各構成要素の動作パラメータ等の再生信号に対する適応の程度を評価するためにも用いることができる。後述するマージブロック135には、このような計数を行う構成が含まれている。
【0154】
図21を参照してマージブロック135について説明する。マージブロック135は、SMU134からクロックに従うタイミングで供給される状態データ値VM00,VM11,VM01およびVM10から的確なものを選択する状態選択回路250、状態選択回路250の出力を1クロック遅延させるレジスタ251、復号マトリクス部252、および状態データ値VM00,VM11,VM01およびVM10の不一致を検出する不一致検出回路253を有している。
【0155】
状態選択回路250は、ACS133から上述したようにして供給される2ビットの信号MSを参照して、VM00,VM11,VM01およびVM10の内から最も的確なものを選択し、選択される状態データ値をVMとして出力する。かかる状態選択回路250は、図22に示すように、VMを選択する。このようにして、最も正しい状態データ値が選択される確率を高くすることができる。
【0156】
上述したようにして選択されるVMは、レジスタ251および復号マトリクス部252に供給される。レジスタ251は、供給されるVMを1クロック遅延させて復号マトリクス部252に供給する。以下の説明においては、レジスタ251の出力をVMDと表記する。従って、復号マトリクス部252には、状態データ値VMおよびその1クロック前の状態データ値VMDが供給される。復号マトリクス部252は、図23に示す復号マトリクス(復号テーブル)に従って、VMおよびVMDに基づいて復号データ値を出力する。復号マトリクスは、ROMテーブルとして持っても良く、またはハードウエアの構成でも良い。このような動作がクロックに従うタイミングで行われることにより、復号データが生成される。
【0157】
図23の復号マトリクスについて説明する。図14の状態遷移図から、復号データ値は、連続する2個の状態データ値に対応していることがわかる。例えば、時点tにおける状態データ値VMが'01'で、1クロック前の時点t−1における状態データ値VMDが'00'である場合には、復号データ値として'1' が対応する。このような対応をまとめたものが図23である。
【0158】
一方、不一致検出回路253は、例えば排他的論理和回路を用いて構成することができる。不一致検出回路253には、VM00,VM11,VM01およびVM10が供給され、これら4個の状態データ値の間の不一致が検出される。検出結果が不一致検出信号NMとして出力される。不一致検出信号NMは、4個の状態データ値が全て一致する場合以外は、イネーブルまたはアクティブとされる。この発明の一実施例においては、不一致検出回路253をマージブロック135内に設けたが、SMU134から出力される全ての状態データを供給されることが可能な位置であれば、他の位置に設けても良い。
【0159】
不一致検出信号NMは、4個の状態データ値が供給される毎に、すなわちクロックに従うタイミングで出力され、コントローラ2内に設けられる所定の計数手段に供給される。このような構成によって、4個の状態データ値の間に生じる不一致の数が所定期間、例えば1セクタ毎に計数される。この発明の一実施例においては、計数手段をコントローラ2内に設けたが、不一致検出信号NMを供給されることが可能な位置であれば、他の位置に設けても良い。不一致検出回路253を設けているのは、計数結果によって復号データの信頼性、再生信号の品質等を評価するためである。
【0160】
図16に戻ってビタビ判定モードを行うための構成について説明する。ビタビ判定モードは、後述するように、SMU134の出力から再生RF信号の立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングを得ることによって位相エラー検出(または抽出)のタイミングを得る方法である。A/D変換器12から供給される再生信号値z〔k〕は、シフトレジスタ136に供給される。シフトレジスタ136は、z〔k〕を遅延させて、位相エラー演算器(以下、PECと表記する)137に供給する。この遅延の時間は、SMU134の出力までに要する遅延時間を参照して決められる。
【0161】
また、PEC137には、タイミング生成器138から位相エラーを抽出するタイミング信号が供給される。タイミング生成器138には、SMU134の出力である状態データが供給される。後述するように、タイミング生成器138は、状態データを参照して位相エラーを抽出すべきタイミングを示す4個のタイミング信号を発生する。PEC137は、この4個のタイミング信号でそれぞれ示されるタイミングの再生信号値を演算することによって、位相エラー信号PEを生成する。
【0162】
生成された位相エラー信号PEは、D/A変換器139によってD/A変換された後に、ループフィルタ140を通過してVCO141に供給される。VCO141は、位相エラー信号PEが制御信号として供給され、位相エラー信号PEに応じた位相のリードクロックDCKを生成する。リードクロックDCKがA/D変換器12、ビタビ復号器130の各ユニット、シフトレジスタ136、PEC137、タイミング生成器138、D/A変換器139等に供給される。
【0163】
上述した構成によりなされる、ビタビ判定モードによる位相エラー検出についてより詳細に説明する。タイミング生成器138においては、状態データに基づいて、以下のようにして再生RF信号の立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングを得ることができる。
【0164】
図24は、A/D変換器12に供給される再生RF信号の一例について、リードクロックDCKに従うサンプリング点に黒丸を付して示すものである。再生RF信号の下方に、各時点において選択される状態を示す。図24Aは、位相エラーが無い場合について示している。また、図24BがリードクロックDCKの位相が進んでいる場合について示しており、図24CがリードクロックDCKの位相が遅れている場合について示している。また、位相エラーを見易くするために1リードクロックおきに(すなわち2リードクロック間隔で)破線を付記した。
【0165】
図24A〜図24Cにおいて、Pが上述したような立ち上がり時の再生信号値とされるサンプリング値である。すなわち、S00の1リードクロック後の再生信号値Pがノイズによる誤差の範囲内で1なので、状態S01への遷移が生じている。そして、かかる状態S01の1リードクロック後の再生信号値とされるサンプリング値Qがノイズによる誤差の範囲内で3なので、状態S11への遷移が生じている。従って、PおよびQがサンプリングされる期間において再生RF信号が立ち上がっていることが確認できる。
【0166】
他方、図14において、リードクロックDCKによって表示するある時点jにおいて状態S11から状態S10への遷移が生じた場合には、次の時点j+1において必ず状態S00に遷移することがわかる。この場合の再生信号の値は、ノイズによる誤差の範囲内でz〔j〕=3,z〔j+1〕=1となる。従って、状態データに基づいて、このような時点jを再生RF信号の立ち下がり時点と認識することができる。このことについて図24を参照して具体的に説明する。
【0167】
図24A〜図24Cにおいて、Rが上述したような立ち下がり時の再生信号値とされるサンプリング値である。すなわち、状態S11の1リードクロック後の再生信号値Rがノイズによる誤差の範囲内で3なので、状態S10への遷移が生じている。そして、かかる状態S10の1リードクロック後の再生信号値とされるサンプリング値Qがノイズによる誤差の範囲内で1なので、状態S00への遷移が生じている。従って、RおよびSがサンプリングされる期間において再生RF信号が立ち下がっていることが確認できる。以上のようなP,Q,R,Sと状態遷移の関係は、以下のようになる。
【0168】
P:立ち上がり時点(状態S00→S01)の再生信号値
Q:立ち上がり時点の1リードクロック後(状態S01→S11)の再生信号値
R:立ち下がり時点(状態S11→S10)の再生信号値
S:立ち下がり時点の1リードクロック後(状態S10→S00)の再生信号値
タイミング生成器138は、SMUから出力される状態データを受け取り、上述したP,Q,R,Sの再生信号値を得るべきタイミングをPEC137に教える。PEC137は、このタイミングにおいてシフトレジスタ136を介された再生RF信号をサンプリングし、再生信号値P,Q,R,Sを発生する。
【0169】
図24Aに示すように、リードクロックDCKの位相が再生信号の位相に正確に合っている場合には、図14から、PとSが何れもノイズによる誤差の範囲内で識別点の値1に等しい。また、Qの値とRの値は、何れも図7から、ノイズによる誤差の範囲内で識別点の値3に等しい。従って、P=S且つQ=Rとなる。
【0170】
一方、図24Bに示すように、リードクロックDCKの位相が再生信号の位相よりも進んでいる場合には、図24Aの場合よりもサンプリングのタイミングが早くなる。このため、PおよびQについては、図24Aの場合よりも小さい値がサンプリングされ、RおよびSについては、図24Aの場合よりも大きい値がサンプリングされる。従って、P<S且つQ<Rとなるので、P−S<0、且つ、Q−R<0となる。
【0171】
他方、図24Cに示すように、リードクロックDCKの位相が再生信号の位相よりも遅れている場合には、図24Aの場合よりもサンプリングのタイミングが遅くなる。このため、PおよびQについては、図24Aの場合よりも大きい値がサンプリングされ、RおよびSについては、図24Aの場合よりも小さい値がサンプリングされる。従って、P>S且つQ>Rとなるので、P−S>0、且つ、Q−R>0となる。
【0172】
従って、〔(P−S)+(Q−R)〕の値を位相エラーとして用いることができる。すなわち、上述の位相エラー信号PEの値は、次のようなものである。
【0173】
PE=(P−S)+(Q−R) (40)
リードクロックDCKの位相が再生信号の位相よりも進んでいる時(図24B)には、PE<0となる。また、リードクロックDCKの位相が再生信号の位相よりも遅れている時(図24C)には、PE>0となる。上述したように、このようなPEの値が位相エラー信号としてVCO141に供給され、VCO141の発生する周波数の制御に使用される。
【0174】
このような位相エラー信号PEを生成するPEC137について説明する。図25に示すように、PEC137は、4個のレジスタ301、302、303、304、レジスタ301〜304から供給される値に基づいて減算および加算を行う演算部305から構成される。レジスタ301〜304のデータ入力としてシフトレジスタ136の出力、すなわち遅延させられた再生RF信号が供給される。レジスタ301〜304のクロック入力としてタイミング生成器138からタイミング信号GP , GQ , GR , GS が供給され、レジスタ301〜304に再生信号値を取り込むタイミングが指示される。それによって、各レジスタ301、302、303、304には、それぞれP,Q,R,Sの値が適切にラッチされることになる。
【0175】
このようなP,Q,R,Sの値に基づいて、減算および加算を行う演算部305が上述の式(40)に従って位相エラー信号PEの値を計算する。上述したように、D/A変換器139およびループフィルタ140を介して、位相エラー信号PEがVCO141に供給され、VCO141の発振周波数の制御に用いられる。また、演算部305は、再生RF信号が得られる期間には常にPEの値を計算している。
【0176】
若し、PLLがロックしており、位相エラーが無ければ、Q=RおよびP=Sの関係が成立するので、位相エラー信号PEは、式(40)以外に、下記の式(41)〜(44)の何れかにより求めることができる。但し、DCレベルは、再生RF信号の直流レベルを表す。
【0177】
PE=Q−R (41)
PE=P−S (42)
PE=P+Q−DCレベル (43)
PE=R+S−DCレベル (44)
さらに、位相エラー信号PEは、上述した式の何れか一つに限らず、複数の式により求められた位相エラー信号の平均値、もしくは時間分割によって得るようにしても良い。
【0178】
上述したように、状態遷移から位相エラー検出位置が求められる。しかしながら、SMU134から出力される状態データから位相エラー検出位置を得るとすると、位相エラーの検出は、実際にデータが読まれてから、SMU134の前までの遅延に加えて、SMU134における遅延が加わる。通常、ビタビ復号器のSMU134は、マージするために充分に長いメモリ長とされているので、これをそのまま位相エラー信号に用いると、PLLの帯域が充分に得られないおそれがある。
【0179】
この問題を解決するために、SMU134の途中の段から、その段階での最尤の状態を検出し、その状態の遷移から位相エラー検出位置を求めるようにしても良い。すなわち、SMU134の途中のk−1段目の状態からk段目の状態への遷移を選ぶ場合、メトリックの最も小さいものに対応する状態を選べば、メトリックがマージしていなくても正しい状態が選択される可能性が非常に高い。この途中の段階で選択された状態データから位相エラー検出位置(タイミング)を生成することによって、PLLの帯域が低下する問題をある程度解決することができる。
【0180】
さらに、SMU134の状態データから位相エラーの検出タイミングを得る場合に、図3を参照して説明したように、光磁気ディスクにヘッダエリアと光磁気記録されたデータのエリアとが存在する場合、これらのエリアの間で、位相エリアを検出するタイミングを得るための状態データを取り出すSMUのメモリ長(パス長)を異ならせるようにしても良い。
【0181】
一般的にSMUのメモリ長をどの程度にすれば良いかは、再生したRF信号のC/N(キャリア/ノイズ)比や、その周波数特性によって決まる。光磁気ディスクの場合、エンボス加工で形成されたヘッダエリアは、光路差に相当する位相差により生じる、プリピットに照射したレーザビームの反射光の強弱を電気的に読出すのに対し、データエリアは、カー効果による反射光の位相差を電気的に読出す。このように、ヘッダエリアとデータエリアとでは、再生方法が異なるので、再生信号の品質の差が大きい。従って、比較的信号品質の良好なヘッダエリアの復号では、SMUのメモリ長を比較的短くできるのに対して、データエリアの復号では、このメモリ長を充分に長くする必要がある。
【0182】
従って、PLLの位相エラーPEの検出タイミングをSMUの状態データから決定する場合、ヘッダエリアでは、SMUの比較的短いメモリ長の出力の最尤なものを使用し、データエリアでは、SMUの比較的長いメモリ長の出力の最尤なものを使用するように切り替える。具体的には、SMUの異なるメモリ長の箇所の出力をヘッダエリア用のセレクタおよびデータエリア用のセレクタに供給し、各セレクタによって、ヘッダエリアおよびアドレスエリアの最適なメモリ長の出力を選択し、さらに、選択された二つの状態データをヘッダエリアの再生時とデータエリアの再生時とで切り替えるようになされる。
【0183】
上述したこの発明の一実施例は、4値4状態ビタビ復号方法を行う光磁気ディスク装置にこの発明を適用したものである。これに対し、上述したような3値4状態ビタビ復号方法および7値6状態ビタビ復号方法等の他の種類のビタビ復号方法を行う光磁気ディスク装置にも、この発明を適用することができる。このような場合には、SMUが状態数と等しい数のステータスメモリを有するものとされる。
【0184】
また、この発明は、記録媒体に記録されたデータから再生される再生信号から、リードデータを復号するためにビタビ復号方法を用いることができる情報再生装置に適用することができる。すなわち、光磁気ディスク(MO)以外にも、例えば相変化型ディスクPD、CD−E(CD-Erasable )等の書き換え可能ディスク、CD−R等の追記型ディスク、CD−ROM等の読み出し専用ディスク等の光ディスク装置に適用することが可能である。
【0185】
また、この発明は、この実施例に限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の応用および変形が考えられる。
【0186】
【発明の効果】
上述したように、この発明は、ビタビ復号方法において、再生信号に基づく計算の結果に基づいて選択される最尤な状態遷移を表現する状態データを生成することによって、復号データを生成すると共に、状態データに基づいて、PLLの位相エラー検出タイミングを得ることができる。この位相エラー検出タイミングを用いて、位相エラー信号を生成することができる。この位相エラー信号に基づいてPLLをロックさせることができるので、適正なリードクロックを生成することができる。
【0187】
また、ヘッダエリアとデータエリアとの間で、メモリ長をそれぞれ最適に設定することができ、PLLの帯域をアドレス部とデータ部とで独立に決めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用することができる光磁気ディスク装置の一例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】マーク位置記録方法およびマークエッジ記録方法について説明するための略線図である。
【図3】光磁気ディスクのセクタフォーマットの一例について説明するための略線図である。
【図4】RLL(1,7)符号化方法において、最小磁化反転幅が2であることを示す略線図である。
【図5】RLL(1,7)符号とマークエッジ記録方法の組合わせによって記録されたデータから再生される再生信号を、パーシャルレスポンス特性PR(1,2,1)の下で波形等化した時のアイ・パターンについて説明するための略線図である。
【図6】4値4状態ビタビ復号方法の状態遷移図を作成する過程について説明するための略線図である。
【図7】4値4状態ビタビ復号方法の状態遷移図の一例を示す略線図である。
【図8】4値4状態ビタビ復号方法におけるトレリス線図の一例を示す略線図である。
【図9】4値4状態ビタビ復号方法において、規格化メトリックに基づく状態遷移の条件を示す略線図である。
【図10】4値4状態ビタビ復号を行うビタビ復号器の全体構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示したビタビ復号器の一部分の構成を詳細に示すブロック図である。
【図12】図10に示したビタビ復号器の他の一部分の構成を詳細に示すブロック図である。
【図13】図10に示したビタビ復号器のさらに他の一部分の構成を詳細に示すブロック図である。
【図14】図7とは異なる表記方法による、4値4状態ビタビ復号方法の状態遷移図の一例を示す略線図である。
【図15】ブランチメトリックの表記方法について説明するための略線図である。
【図16】この発明の実施の一形態の全体構成を示すブロック図である。
【図17】この発明の実施の一形態に用いられるACS(加算、比較、選択回路)の構成の一例を示すブロック図である。
【図18】この発明の実施の一形態に用いられるSMU(ステータスメモリユニット)の構成の一例を示すブロック図である。
【図19】図18に示したSMUの一部の構成について説明するためのブロック図である。
【図20】図18に示したSMUの他の一部の構成について説明するためのブロック図である。
【図21】この発明の実施の一形態に用いられるマージブロックの構成の一例を示すブロック図である。
【図22】図21に示したマージブロックにおける状態データ値の選択動作を説明するための略線図である。
【図23】図21に示したマージブロックにおいて、復号データが生成される際に参照されるテーブルの一例を示す略線図である。
【図24】状態遷移と位相エラーを検出するタイミングとの対応を説明するための略線図である。
【図25】位相エラーを生成するPECの構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
2・・・コントローラ、4・・・レーザパワーコントロール部(LPC)、6・・・光磁気ディスク、7・・・光ピックアップ、10・・・切替えスイッチ、11・・・フィルタ部、12・・・A/D変換器、13・・・ビタビ復号器、14・・・PLL部、20・・・ブランチメトリック計算回路(BMC)、21・・・加算、比較および選択回路(ACS)、22・・・圧縮およびラッチ回路、23・・・パスメモリユニット(PMU)、24・・・A型パスメモリ、25・・・B型パスメモリ、26・・・A型パスメモリ、27・・・B型パスメモリ、51・・・加算器、52・・・加算器、53・・・加算器、54・・・加算器、55・・・比較器、56・・・加算器、57・・・比較器、58・・・加算器、300 〜3014・・・フリップフロップ、311 〜3114・・・セレクタ、320 〜3214・・・フリップフロップ、130・・・ビタビ復号器、132・・・ブランチメトリック計算回路(BMC)、133・・・加算、比較および選択回路(ACS)、134・・・ステ−タスメモリユニット(SMU)、135・・・マ−ジブロック、137・・・位相エラー演算器、138・・・タイミング生成器、141・・・VCO、150・・・A型ステータスメモリ、151・・・A型ステータスメモリ、152・・・B型ステータスメモリ、153・・・B型ステータスメモリ、2010 〜201n-1 ・・・セレクタ、2020 〜202n-1 ・・・レジスタ、2120 〜212n-1 ・・・レジスタ、301〜304・・・レジスタ
Claims (2)
- 記録媒体から再生される再生信号をビタビ復号方法によって復号するようにした情報再生装置において、
クロックに従ってサンプリングされる再生信号値に基づいて、最尤な状態遷移そのものを表現する上記クロック毎の状態データを生成する状態データ生成手段と、
上記状態データに基づいて、復号データを出力する復号データ出力手段と、
上記状態データから、再生信号の立ち上がり時点の第1の再生信号値と、上記再生信号の立ち上がり時点の1クロック後の第2の再生信号値と、上記再生信号の立ち下がり時点の第3の再生信号値と、上記再生信号の立ち下がり時点の1クロック後の第4の再生信号値とを発生する手段と、
上記第1および第4の再生信号値を減算する演算方法、上記第2および第3の再生信号値を減算する演算方法、上記第1および第2の再生信号値を加算して直流レベルを減算する演算方法、並びに上記第3および第4の再生信号値を加算して直流レベルを減算する演算方法の内の複数の方法で求められた値の平均により位相エラー信号を生成する手段と、
上記位相エラー信号が制御信号として供給され、上記クロックを生成するPLLとからなることを特徴とする情報再生装置。 - 記録媒体から再生される再生信号をビタビ復号方法によって復号するようにした情報再生方法において、
クロックに従ってサンプリングされる再生信号値に基づいて、最尤な状態遷移そのものを表現する上記クロック毎の状態データを生成し、
上記状態データに基づいて、復号データを生成し、
上記状態データから、再生信号の立ち上がり時点の第1の再生信号値と、上記再生信号の立ち上がり時点の1クロック後の第2の再生信号値と、上記再生信号の立ち下がり時点の第3の再生信号値と、上記再生信号の立ち下がり時点の1クロック後の第4の再生信号値とを発生し、
上記第1および第4の再生信号値を減算する演算方法、上記第2および第3の再生信号値を減算する演算方法、上記第1および第2の再生信号値を加算して直流レベルを減算する演算方法、並びに上記第3および第4の再生信号値を加算して直流レベルを減算する演算方法の内の複数の方法で求められた値の平均により位相エラー信号を生成し、
上記クロックを生成するPLLに対して、上記位相エラー信号を制御信号として供給することを特徴とする情報再生方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10168997A JP4103152B2 (ja) | 1997-04-18 | 1997-04-18 | 情報再生装置および再生方法 |
US09/059,477 US6317471B1 (en) | 1997-04-18 | 1998-04-13 | Information reproducing apparatus and reproducing method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10168997A JP4103152B2 (ja) | 1997-04-18 | 1997-04-18 | 情報再生装置および再生方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10293973A JPH10293973A (ja) | 1998-11-04 |
JP4103152B2 true JP4103152B2 (ja) | 2008-06-18 |
Family
ID=14307316
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10168997A Expired - Fee Related JP4103152B2 (ja) | 1997-04-18 | 1997-04-18 | 情報再生装置および再生方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6317471B1 (ja) |
JP (1) | JP4103152B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3196835B2 (ja) * | 1998-07-17 | 2001-08-06 | 日本電気株式会社 | ビタビ復号法及びビタビ復号器 |
US6459851B1 (en) * | 1998-12-29 | 2002-10-01 | Oak Technology, Inc. | Apparatus for processing audio and video DVD data |
SG102605A1 (en) | 2000-12-07 | 2004-03-26 | Inst Data Storage | A data processing apparatus and method for d=2 optical channels |
JP2002358736A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-13 | Fujitsu Ltd | データ再生装置に用いられるクロック調整装置 |
DE10156111A1 (de) * | 2001-11-16 | 2003-06-05 | Philips Intellectual Property | Empfangsschaltung zum Empfang von Nachrichtensignalen |
DE10156112A1 (de) * | 2001-11-16 | 2003-06-05 | Philips Intellectual Property | Empfangsschaltung zum Empfang von Nachrichtensignalen |
JP4987843B2 (ja) * | 2007-12-28 | 2012-07-25 | パナソニック株式会社 | 位相誤差検出装置、波形整形装置及び光ディスク装置 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA1260143A (en) | 1986-02-24 | 1989-09-26 | Atsushi Yamashita | Path trace viterbi decoder |
US5311523A (en) | 1988-12-08 | 1994-05-10 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Carrier phase synchronous type maximum likelihood decoder |
JP2693256B2 (ja) | 1990-05-25 | 1997-12-24 | 富士通株式会社 | 記録装置用ビタビ等化器及び記録装置 |
US5291499A (en) | 1992-03-16 | 1994-03-01 | Cirrus Logic, Inc. | Method and apparatus for reduced-complexity viterbi-type sequence detectors |
DE69621519T2 (de) * | 1995-06-22 | 2003-07-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Verfahren zur Maximalwahrscheinlichkeitsdekodierung und Gerät zur Wiedergabe von Digitalinformationen |
JPH09205373A (ja) * | 1996-01-24 | 1997-08-05 | Sony Corp | ビタビ復号方法及びビタビ復号器 |
JPH09231567A (ja) | 1996-02-28 | 1997-09-05 | Sony Corp | 光デイスク装置、光デイスク及び記録方法 |
-
1997
- 1997-04-18 JP JP10168997A patent/JP4103152B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1998
- 1998-04-13 US US09/059,477 patent/US6317471B1/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6317471B1 (en) | 2001-11-13 |
JPH10293973A (ja) | 1998-11-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3855361B2 (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JP4048571B2 (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
US6192502B1 (en) | Information reproducing apparatus and reproducing method | |
JP4103152B2 (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JP3849227B2 (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JPH1186443A (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JPH10334605A (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JP3843536B2 (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JP4048576B2 (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JPH11328875A (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JP3855358B2 (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JP4081900B2 (ja) | 情報再生装置 | |
JPH10320931A (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
KR100641770B1 (ko) | 정보재생장치및비터비복호방법 | |
JP3948088B2 (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JP4225324B2 (ja) | 情報再生装置および情報再生方法 | |
JP4254799B2 (ja) | 情報再生装置 | |
JP3948087B2 (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JP3861366B2 (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JPH11339401A (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JPH10302412A (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JP2008112564A (ja) | 情報再生装置および方法、並びに情報記録再生装置および方法 | |
JP2000215622A (ja) | 記録又は再生装置 | |
JPH10308066A (ja) | 情報再生装置および再生方法 | |
JPH10269648A (ja) | 情報再生装置および再生方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060525 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060606 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060807 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070227 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070426 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080304 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080317 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110404 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120404 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120404 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130404 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |