JP3861366B2 - 情報再生装置および再生方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば光磁気ディスク装置等の情報再生装置、特にPRML(Pertial Response Maximum Likelihood )方法を用いる情報再生装置および再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
比較的最近開発されている、記録媒体に対する記録方法としてマークエッジ記録方法を用いる光磁気ディスク装置等の情報再生装置においては、再生信号から記録データを復号するためにPRML方法が用いられる。PRML方法は、まず、記録媒体から再生される再生信号にフィルタ部によって施される波形等化処理として、パーシャルレスポンス方法を用いる。そして、波形等化処理された信号に基づいて、最尤復号方法、具体的には、ビタビ復号方法によって復号データを生成する方法である。波形等化処理に用いられるパーシャルレスポンス特性は、採用されるビタビ復号方法の種類に合致するものが用いられる。
【0003】
ビタビ復号方法においては、入力される再生信号値に基づいて尤度を計算し、最も尤度が大きい状態遷移を選択することにより復号を行う方法である。尤度を正しく計算するためには、波形等化処理が高精度で行われる必要がある。このため、ディジタルフィルタを用い、乗算器の係数を制御することによって、所望の波形等化特性を実現する方法が多用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、乗算器を用いるとフィルタ部の構成が複雑なものとなるため、製造コスト等の設計上の問題点が生じる。また、ディジタルフィルタの動作に不可欠なクロックに起因して、遅延時間が生じるという問題点もある。
【0005】
従って、この発明の目的は、アナログフィルタを用いてディジタルフィルタと同等若しくはそれに近い精度で波形等化処理を行うことの可能な情報再生装置および再生方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、PRML方法を用いる情報再生装置であって
記録媒体から再生される再生信号を波形等化し、その伝達関数が一組の数値によって制御可能なアナログフィルタと、
波形等化により生成された信号に基づいて、2乗平均誤差量を計算する誤差量検出手段と、
離散インパルス応答において一つの基準インパルス応答に対して他の複数のインパルス応答の振幅比をそれぞれ独立に定め、振幅比の組み合せと一組の数値の対応関係のマップを記憶する記憶手段と、
2乗平均誤差量を最小とする振幅比を選択し、選択された振幅比に対応する一組の数値を選択してアナログフィルタを調整する制御手段
を有することを特徴とする情報再生装置である。
【0007】
請求項の発明は、PRML方法を用いる情報再生方法であって、
その伝達関数が一組の数値によって制御可能なアナログフィルタによって記録媒体から再生される再生信号を波形等化するステップと、
波形等化により生成された信号に基づいて、2乗平均誤差量を計算する誤差量検出ステップと、
離散インパルス応答において一つの基準インパルス応答に対して他の複数のインパルス応答の振幅比をそれぞれ独立に定め、振幅比の組み合せと一組の数値の対応関係のマップを記憶する記憶ステップと、
2乗平均誤差量を最小とする振幅比を選択し、選択された振幅比に対応する一組の数値を選択してアナログフィルタを調整する制御ステップと
を有することを特徴とする情報再生方法である。
【0008】
以上のような発明によれば、アナログフィルタを用いることによりフィルタ部の構成が簡略なものとなる。
【0009】
また、アナログフィルタのインパルス応答を制御し、かかる制御がなされたアナログフィルタを用いて波形等化処理を行うことができる。
【0010】
このため、アナログフィルタのインパルス応答を適切に制御することによって、高精度の波形等化処理を行うことが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の理解を容易とするために、ビタビ復号方法を行う再生系を有する記録/再生装置の一例について、装置の全体構成、記録媒体のセクタフォーマット、4値4状態ビタビ復号方法の概要、4値4状態ビタビ復号方法を実現するビタビ復号器の構成および動作、および4値4状態ビタビ復号方法以外のビタビ復号方法の順に説明する。
【0012】
〔ディスク記録再生装置の概要〕
以下、ビタビ復号方法を行う再生系を有する記録/再生装置の一例について説明する。図1は、ビタビ復号方法を行う再生系を有する光磁気ディスク装置の一例の全体構成を示すブロック図である。記録時には、コントローラ2がホストコンピュータ1の指令に従って、記録すべきユーザデータを受取り、情報語としてのユーザデータに基づいてエンコードを行って、符号語としてのRLL(1,7)符号を生成する。この符号語が記録データとしてレーザパワーコントロール部(以下、LPCと表記する)4に供給される。コントローラ2は、このような処理の他に、後述する復号化処理、および記録、再生、消去等の各モードの制御、並びにホストコンピュータ1との交信等の動作を行う。
【0013】
LPC4は、供給された記録データに対応して、光ピックアップ7のレーザパワーを制御して光磁気ディスク6上に磁気極性を有するピット列を形成することにより、記録を行う。この記録の際に、磁気ヘッド5が光磁気ディスク6にバイアス磁界を付与する。実際には、記録データに基づいて後述するように生成されるプリコード出力に従って、後述するようなマークエッジ記録が行われる。
【0014】
後述するように、記録位置すなわちピットの形成位置の制御は、磁気ヘッド5および光ピックアップ7等の位置決めを行う、図示しない手段によってなされる。このため、記録動作時においても、光ピックアップ7がアドレス部等を通過する際には、後述するような再生時の動作と同様な動作が行われる。
【0015】
上述したようにして形成される各ピットを、記録データに基づいて後述するようにして生成されるプリコード出力中の各ビットに対応させる方法について、図2を参照して説明する。プリコード出力中の、例えば'1' に対してピットを形成し、'0' に対してピットを形成しない記録方法をマーク位置記録方法と称する。一方、各ピットのエッジによって表現される、プリコード出力中の各ビットの境界における極性の反転を、例えば'1' に対応させる記録方法をマークエッジ記録方法と称する。再生時には、再生信号中の各ビットの境界は、後述するようにして生成されるリードクロックDCKに従って認識される。
【0016】
次に、再生系の構成および動作について説明する。光ピックアップ7は、光磁気ディスク6にレーザ光を照射し、それによって生じる反射光を受光して、再生信号を生成する。再生信号は、和信号R+ 、差信号R- および図示しないフォーカスエラー信号の3種類の信号からなる。和信号R+ は、アンプ8によってゲイン調整等がなされた後に切替えスイッチ10に供給される。また、差信号R- は、アンプ9によってゲイン調整等がなされた後に切替えスイッチ10に供給される。さらに、アンプ8の出力は、図示しないサーボ系および位置制御系等に供給され、それらの動作において用いられる。一方、フォーカスエラー信号は、フォーカスエラーを解消する手段(図示せず)に供給される。
【0017】
切替えスイッチ10には、後述するような切替え信号Sが供給される。切替えスイッチ10は、この切替え信号Sに従って、以下のように、和信号R+ または差信号R- をフィルタ部11に供給する。すなわち、後述するような光磁気ディスク6のセクタフォーマットにおいて、エンボス加工によって形成される部分から再生される再生信号が切替えスイッチ10に供給される期間には、和信号R+ をフィルタ部11に供給する。また、光磁気的に記録される部分から再生される再生信号が切替えスイッチ10に供給される期間には、差信号R- をフィルタ部11に供給する。
【0018】
切替え信号Sは、例えば次のようにして生成される。すなわち、まず、再生信号から、セクタフォーマットに規定される所定のパターンから再生される信号を検出する。このような所定のパターンとしては、例えば後述するセクタマークSM等が用いられる。そして、かかる検出がなされた時点を基準として、後述するリードクロックを数える等の方法によって認識される所定時点において、切替え信号Sが生成される。
【0019】
フィルタ部11は、ノイズカットを行うローパスフィルタおよび波形等化を行う波形等化器から構成される。後述するように、この際の波形等化処理において用いられる波形等化特性は、ビタビ復号器13が行うビタビ復号方法に適合するものとされる。ビタビ復号器13は、供給された信号からビタビ復号方法によって復号データを生成する。かかる復号データは、上述したようにして記録される記録データに対する最尤復号系列である。従って、復号エラーが無い場合には、復号データは、記録データと一致する。
【0020】
復号データは、コントローラ2に供給される。上述したように、記録データは、ユーザデータからチャンネル符号化等の符号化によって生成された符号語である。従って、復号エラーレートが充分低ければ、復号データは、符号語としての記録データとみなすことができる。コントローラ2は、復号データに、上述のチャンネル符号化等の符号化に対応する復号化処理を施すことにより、ユーザデータ等を再生する。
【0021】
また、波形等化器の出力は、PLL部14にも供給される。PLL部14は、供給された信号に基づいて、リードクロックDCKを生成する。リードクロックDCKは、コントローラ2、A/D変換器12、ビタビ復号器13等に供給される。コントローラ2、A/D変換器12、ビタビ復号器13の動作は、リードクロックDCKに従うタイミングでなされる。さらに、リードクロックDCKは、図示しないタイミングジェネレータに供給される。タイミングジェネレータは、例えば、記録/再生動作の切替え等の装置の動作タイミングを制御する信号を生成する。
【0022】
上述したような再生動作において、光磁気ディスク6から再生される再生信号に基いて、より正しい再生データを得るために、再生系の各構成要素の動作を再生信号の品質に応じて適正化することが行われる。このような操作をキャリブレーションと称する。キャリブレーションは、再生信号の品質等が例えば加工精度等の記録媒体の特性、および例えば記録用レーザ光のパワーの変動、周囲温度等の記録/再生時の条件等によって変化する可能性があることに対応するために再生系のパラメータを適正化するためのものである。
【0023】
キャリブレーションの内容は、例えば光ピックアップ7の読取り用レーザ光パワーの調整、アンプ8および9のゲインの調整、フィルタ部11の波形等化特性の調整、およびビタビ復号器13の動作において用いられる振幅基準値の調整等である。このようなキャリブレーションは、電源投入直後または記録媒体の交換時等に、図1中には図示しない構成によって行われる。
【0024】
〔記録媒体のセクタフォーマットの概要〕
光磁気ディスク6には、セクタを記録/再生の単位としてユーザデータが記録される。図3を参照して、光磁気ディスク6において用いられるセクタフォーマットの一例について説明する。図3Aに示すように、1セクタは、記録/再生の順に従って、ヘッダ、ALPC,ギャップ、VFO3 、シンク、データフィールド、バッファの各エリアに区分されている。図3中に付した数字は、バイト数を表す。光磁気ディスク6上には、ブロック符号化等の符号化がなされたデータが記録される。例えば8ビットが12チャンネルビットに変換されて記録される。
【0025】
このセクタフォーマットの一例においては、ユーザデータ量が1024バイトのフォーマットと、ユーザデータ量が512バイトのフォーマットとが用意されている。ユーザデータ量が1024バイトのフォーマットでは、データフィールドのバイト数が670バイトとされる。また、ユーザデータ量が512バイトのフォーマットでは、データフィールドのバイト数が1278バイトとされる。これら2つのセクタフォーマットにおいて、63バイトのプリフォーマットされたヘッダと、ALPC,ギャップエリアの18バイトは、同一とされている。
【0026】
図3Bは、63バイトのヘッダを拡大して示す。ヘッダは、セクタマークSM(8バイト)、VFOフィールドのVFO1 (26バイト)、アドレスマークAM(1バイト)、IDフィールドのID1 (5バイト)、VFOフィールドのVFO2 (16バイト)、アドレスマークAM(1バイト)、IDフィールドのID2 (5バイト)、およびポストアンブルPA(1バイト)が順に配列された構成とされている。
【0027】
図3Cは、18バイトのALPC,ギャップエリアを拡大して示す。18バイトは、ギャップフィールド(5バイト)、フラグフィールド(5バイト)、ギャップフィールド(2バイト)、ALPC(6バイト)からなる。
【0028】
次に、これらのフィールドについて説明する。セクタマークSMは、セクタの開始を識別するためのマークであり、RLL(1,7)符号において生じないエンボス加工によって形成されたパターンを有する。VFOフィールドは、上述のPLL部18中のVFO(Variable Frequency Oscillator) を同期させるためのもので、VFO1 、VFO2 およびVFO3 からなる。VFO1 およびVFO2 は、エンボス加工によって形成されている。また、VFO3 は、そのセクタに対して記録動作が行われる際に光磁気的に書かれる。VFO1 、VFO2 およびVFO3 は、それぞれチャンネルビットの'0' と'1' が交互に現れるパターン(2Tパターン)を有する。従って、1チャンネルビットの時間長に対応する時間をTとすると、VFOフィールドを再生した時に、2T毎にレベルが反転する再生信号が得られる。
【0029】
アドレスマークAMは、後続のIDフィールドのためのバイト同期を装置に対して与えるために使用され、RLL(1,7)符号において生じないエンボスされたパターンを有する。IDフィールドは、セクタのアドレス、すなわち、トラック番号およびセクタ番号の情報と、これらの情報に対するエラー検出用のCRCバイトを有する。IDフィールドは、5バイトからなる。ID1 およびID2 によって、同一のアドレス情報が二重に記録される。ポストアンブルPAは、チャンネルビットの'0' と'1' とが交互に現れるパターン(2Tパターン)を有する。ID1 、ID2 およびポストアンブルPAも、エンボス加工によって形成されている。このように、ヘッダの領域は、エンボス加工によりピットが形成されたプリフォーマットされた領域である。
【0030】
図3Cは、ALPC,ギャップエリアを拡大して示す。ギャップには、ピットが形成されない。最初のギャップフィールド(5バイト)は、プリフォーマットされたヘッダの後の最初のフィールドであり、これによって、ヘッダの読取りを完了した後の処理に装置が要する時間が確保される。2番目のギャップフィールド(2バイト)は、後のVFO3 の位置のずれを許容するためのものである。
【0031】
ALPC,ギャップエリアには、5バイトのフラグフィールドが記録される。フラグフィールドは、セクタのデータが記録される時に、連続した2Tパターンが記録される。ALPC(Auto Laser Power Control)フィールドは、記録時のレーザパワーをテストするために設けられている。シンクフィールド(4バイト)は、続くデータフィールドのためのバイト同期を装置が得るために設けられており、所定のビットパターンを有する。
【0032】
データフィールドは、ユーザデータを記録するために設けられる。上述した670バイトのデータフィールドには、512バイトのユーザデータと、144バイトのエラー検出、訂正用のパリティ等と、12バイトのセクタ書込みフラグと、2バイト(FF)とからなる。また、1278バイトのデータフィールドの場合には、1024バイトのユーザデータと、242バイトのエラー検出、訂正用のパリティ等と、12バイトのセクタ書込みフラグとからなる。セクタの最後のバッファフィールドは、電気的、あるいは機械的な誤差に対する許容範囲として使用される。
【0033】
上述したセクタフォーマットの例において、ヘッダは、エンボス加工によりピットが形成されたエリアである。また、ALPC,ギャップエリアは、再生時には、使用されないエリアである。さらに、VFO3 、シンクフィールドおよびデータフィールドは、光磁気記録されたデータのエリアである。
【0034】
〔4値4状態ビタビ復号方法の概要〕
以下、ビタビ復号器13によって行われるビタビ復号方法について説明する。上述したように、ユーザデータは、様々な符号化方法によって記録データとしての符号語に変換される。符号化方法は、記録媒体の性質および記録/再生方法等に応じて適切なものが採用される。光磁気ディスク装置においては、ブロック符号化において、Run Lengthすなわち'1' と'1' の間の'0' の数を制限するRLL(Run Length Limited)符号化方法が用いられることが多い。従来から幾つかのRLL符号化方法が用いられている。一般に、'1' と'1' の間の'0' の数を最小でd個、最大でk個とするm/nブロック符号をRLL(d,k;m,n)符号と称する。
【0035】
例えば、2/3ブロック符号において、'1' と'1' の間の'0' の数を最小で1個、最大で7個とするブロック符号化方法は、RLL(1,7;2,3)符号である。一般にRLL(1,7;2,3)符号をRLL(1,7)符号と称することが多いので、以下の説明においても単にRLL(1,7)符号と表記した場合には、RLL(1,7;2,3)符号を指すことにする。
【0036】
このようなRLL符号化方法と、上述したマークエッジ記録方法との組合わせによって記録されたデータから再生される再生信号を復号するために、ビタビ復号方法を用いることができる。
【0037】
このようなRLL符号化方法は、記録密度の向上、および再生動作の安定性の確保という2つの観点から、符号化方法に要求される条件に対応できるものである。まず、上述したように、マークエッジ記録方法は、記録データに基づいて後述するように生成されるプリコード出力における'1' を各ピットのエッジによって表現される極性の反転に対応させるものなので、'1' と'1' の間の'0' の数を多くする程、各ピット1個当たりに記録されるビット数を大きくすることができる。従って、記録密度を大きくすることができる。
【0038】
一方、再生系の動作タイミングを合わせるために必要なリードクロックDCKは、上述したように、再生信号に基づいてPLL部14によって生成される。このため、記録データにおいて'1' と'1' の間の'0' の数を多くすると、再生動作の際にPLL部の動作が不安定となるので、再生動作全体が不安定なものとなる。
【0039】
これら2つの条件を考慮すると、'1' と'1' の間の'0' の数は、多過ぎたり、少な過ぎたりしない、適切な範囲内に設定される必要がある。このような、記録データ中の'0' の数の設定に関して、RLL符号化方法が有効となる。
【0040】
ところで、図4に示すように、上述したRLL(1,7)符号化方法とマークエッジ記録方法の組み合わせにおいては、記録データに基づいて生成されるプリコード出力中の'1' と'1' の間に最低1個の'0' が含まれるので、最小反転幅が2となる。このような、最小反転幅が2となる符号化方法が用いられる場合に、符号間干渉およびノイズ等の影響を受けている再生信号から記録データを復号する方法として、後述するように、4値4状態ビタビ復号方法を適用することができる。
【0041】
上述したように、再生信号には、フィルタ部11によって波形等化処理がなされる。ビタビ復号方法の前段としてなされるこのような波形等化処理には、符号間干渉を積極的に利用するパーシャルレスポンス方法が用いられる。この際に用いられる波形等化特性は、一般に(1+D)n で表されるパーシャルレスポンス特性の内から、記録/再生系の線記録密度およびMTF(Modulation Transfer Function)を考慮して決められる。上述したRLL(1,7)符号化方法とマークエッジ記録方法の組み合わせによって記録されたデータに対して、PR(1,2,1)を用いる波形等化処理は、4値4状態ビタビ復号方法の前段となる。
【0042】
一方、マークエッジ記録方法においては、光磁気ディスク媒体等に対する実際の記録に先立って、上述のRLL符号化等によって符号化された記録データに基づくプリコードが行われる。各時点kにおける記録データ列をa〔k〕、これに基づくプリコード出力をb〔k〕とすると、プリコードは、以下のように行われる。
【0043】
b〔k〕=mod2{a〔k〕+b〔k−1〕} (1)
このようなプリコード出力b〔k〕が実際に光磁気ディスク媒体等に記録される。一方、フィルタ部11中の波形等化器によってなされる、波形等化特性PR(1,2,1)での波形等化処理について説明する。但し、以下の説明においては、信号の振幅を規格化せずに、波形等化特性をPR(B,2A,B)とする。また、ノイズを考慮しない場合の再生信号の値をc〔k〕と表記する。さらに、ノイズを含む実際の再生信号(すなわち、記録媒体から再生された再生信号)をz〔k〕と表記する。
【0044】
PR(B,2A,B)は、ある時点kにおける再生信号の値に対して、時点kにおける振幅の寄与が振幅値の2A倍とされ、さらに前後の時点k−1およびk+1における振幅の寄与が各々の時点での信号の振幅のB倍とされるものである。従って、再生信号の値の最大値は、時点k−1、k、k+1において何れもパルスが検出される場合である。このような場合には、再生信号の値の最大値は、以下のようになる。
【0045】
B+2A+B=2A+2B
また、再生信号の値の最小値は0となる。但し、実際の取り扱いにおいては、c〔k〕として、DC成分のA+Bを差し引いた以下のようなものが用いられる。
【0046】
Figure 0003861366
従って、ノイズを考慮しない場合の再生信号c〔k〕は、A+B,A,−A,−A−Bの内の何れかの値をとることになる。一般に、再生信号の性質を示す方法の1つとして、例えば5個の時点を単位として、再生信号を多数重ね合わせたものをアイパターンと称する。この発明を適用することができる光磁気ディスク装置において、PR(B,2A,B)の下で波形等化処理された実際の再生信号z〔k〕についてのアイパターンの一例を図5に示す。図5から各時点における再生信号z〔k〕の値は、ノイズによるばらつきを有するが、ほぼ、A+B,A,−A,−A−Bの内の何れかになることが確認できる。後述するように、A+B,A,−A,−A−Bの値は、識別点として用いられる。
【0047】
上述したような波形等化処理がなされた再生信号を復号する、ビタビ復号方法の概略は、次のようなものである。ステップ▲1▼符号化方法および記録媒体に対する記録方法に基づいて、生じ得る全ての状態を特定する。ステップ▲2▼ある時点における各状態を起点として、次の時点において生じ得る全ての状態遷移と、各状態遷移が生じる時の記録データa〔k〕および再生信号の値c〔k〕を特定する。ステップ▲1▼および▲2▼の結果として特定された全ての状態および状態遷移と、各状態遷移が生じる時の〔記録データの値a〔k〕/再生信号の値c〔k〕〕を図の形式で表現したものを状態遷移図と称する。後述するように、4値4状態ビタビ復号方法における状態遷移図は、図7に示すようなものである。そして、この状態遷移図に基づく復号動作を行うように、ビタビ復号器13が構成される。
【0048】
さらに、ステップ▲3▼上述したように、状態遷移図を前提として、記録媒体から各時点kにおいて再生される再生信号z〔k〕に基づく最尤な状態遷移が選択される。但し、上述したように、z〔k〕は、ビタビ復号器13に供給される前段において波形等化されたものである。このような最尤な状態遷移の選択がなされる毎に、選択された状態遷移に対応して、状態遷移図に記載された記録データa〔k〕の値を復号値とすることによって、記録データに対する最尤復号値系列としての復号データa' 〔k〕を得ることができる。但し、各時点kにおける復号データ値から、最尤復号値系列とするための構成は、後述するビタビ復号器13中のPMU23である。従って、上述したように、復号データ列a' 〔k〕は、復号エラーが無い場合には、記録データ列a〔k〕と一致する。上述のステップ▲1▼〜ステップ▲3▼について、以下に詳細に説明する。
【0049】
上述のステップ▲1▼について説明する。まず、ここで用いられる状態として、ある時点kにおける状態を、時点kおよびそれ以前のプリコード出力を用いて次のように定義する。すなわち、n=b〔k〕、m=b〔k−1〕、l=b〔k−2〕の時の状態をSnml と定義する。このような定義によって、23 =8個の状態があると考えられるが、上述したように、実際に生じ得る状態は、符号化方法等に基づいて制限される。RLL(1,7)符号として符号化された記録データ列a〔k〕においては、'1' と'1' の間に最低1個の'0' が含まれるので、2個以上の'1' が連続することが無い。記録データ列a〔k〕に課されるこのような条件に基づいてプリコード出力b〔k〕について一定の条件が課され、その結果として生じ得る状態に制限が加えられる。
【0050】
このような制限について具体的に説明する。上述したようにRLL(1,7)符号化によって生成される記録データ列中に、2個以上の'1' が連続するもの、すなわち以下のものはあり得ない。
【0051】
a〔k〕=1,a〔k−1〕=1,a〔k−2〕=1 (3)
a〔k〕=1,a〔k−1〕=1,a〔k−2〕=0 (4)
a〔k〕=0,a〔k−1〕=1,a〔k−2〕=1 (5)
記録データ列に課されるこのような条件に基づいて、上述の(1)式に従ってb〔k〕について課される条件について検討すると、S010およびS101の2個の状態は生じ得ないことがわかる。従って、生じ得る状態は、23 −2=6個である。
【0052】
次に、ステップ▲2▼について説明する。ある時点jにおける状態を起点として、次の時点j+1において生じ得る状態を求めるためには、時点j+1における記録データの値a〔j+1〕が1となる場合、および0となる場合に分けて調べる必要がある。
【0053】
ここでは、状態S000を例として説明する。上述の(1)式に従って、S000すなわちn=b〔j〕=0,l=b〔j−1〕=0,m=b〔j−2〕=0とプリコードされる記録データとしては、以下の2個が考えられる。
【0054】
a〔j〕=0、a〔j−1〕=0、a〔j−2〕=1 (6)
a〔j〕=0、a〔j−1〕=0、a〔j−2〕=0 (7)
〔a〔j+1〕=1の時〕
この時、(1)式に従って、b〔j+1〕は、以下のように計算される。
【0055】
Figure 0003861366
従って、再生信号c〔j〕の値は、上述の(2)式に従って、次のように計算される。
【0056】
Figure 0003861366
また、次の時点j+1での状態Snlm については、n=b〔j+1〕,l=b〔j〕,m=b〔j−1〕である。そして、上述したようにb〔j+1〕=1,b〔j〕=0,b〔j−1〕=0となるので、次の時点j+1における状態は、S100である。従って、a〔j+1〕=1の場合には、S000→S100という遷移が生じることが特定できる。
【0057】
〔a〔j+1〕=0の時〕
この時、(1)式に従って、b〔j+1〕は、以下のように計算される。
【0058】
Figure 0003861366
従って、再生信号c〔j+1〕の値は、上述の(2)式に従って、次のように計算される。
【0059】
Figure 0003861366
また、次の時点j+1における状態Snlm については、n=b〔j+1〕,l=b〔j〕,m=b〔j−1〕である。そして、上述したようにb〔j+1〕=0,b〔j〕=0,b〔j−1〕=0となるので、次の時点における状態は、S000である。従って、a〔j+1〕=0の場合には、S000→S000という遷移が生じることが特定できる。
【0060】
このようにして、時点jにおけるS000以外の各状態についても、それらを起点として次の時点j+1において生じ得る状態遷移と、そのような各状態遷移が生じる時の記録データ値a〔j+1〕および再生信号値c〔j+1〕との対応を求めることができる。
【0061】
上述したようにして、各状態について、それらを起点として生じ得る状態遷移と、各状態遷移が生じる時の記録データの値および再生信号の値との対応を求め、図の形式に表したものが図6である。上述の時点jおよびj+1は、特別の時点ではない。従って、上述したようにして求まる、生じ得る状態遷移とそれらに伴う記録データの値および再生信号の値との対応は、任意の時点において適用することができる。このため、図6においては、任意の時点kにおいて生じる状態遷移に伴う記録データの値をa〔k〕と表記し、再生信号の値をc〔k〕と表記する。
【0062】
図6において、状態遷移は、矢印によって表される。また、各矢印に付した符号が〔記録データ値a〔k〕/再生信号値c〔k〕〕を示している。状態S000,S001,S111およびS110を起点とする状態遷移は、2通り有るのに対して、状態S011およびS100を起点として生じ得る遷移は1通りのみである。
【0063】
さらに、図6においてS000とS001は、何れもa〔k〕=1に対しては、c〔k〕=−Aという値を取り、S100に遷移している。一方、a〔k〕=0に対しては、c〔k〕=−A−Bという値を取り、S000に遷移している。また、S111とS110も同様に、同じa〔k+1〕の値について同じc〔k+1〕の値を取り、且つ、同じ状態に遷移している。従って、S000とS001をまとめてS0と表現し、S111とS110をまとめてS2と表現することができる。さらに、S011をS3とし、S100をS1と表現することにして、整理したものが図7である。
【0064】
上述したように、図7が4値4状態ビタビ復号方法に用いられる状態遷移図である。図7中には、S0〜S3の4個の状態、および再生信号c〔k+1〕の値としての−A−B,−A,A,A+Bの4個の値が示されている。状態S0およびS2を起点とする状態遷移は、2通り有るのに対して、状態S1およびS3を起点とする状態遷移は、1通りのみである。
【0065】
一方、状態遷移を時間に沿って表現する形式として、図8に示すようなトレリス線図が用いられる。図8では、2個の時点間の遷移を示しているが、さらに多数の時点間の遷移を示すこともできる。時間経過に伴い、順次右の時点に遷移していく様子が表現される。従って、水平な矢印は、例えばS0→S0等の同じ状態への遷移を表し、斜めの矢印は、例えばS1→S2等の異なる状態への遷移を表すことになる。
【0066】
上述したビタビ復号方法のステップ▲3▼、すなわち図7に示した状態遷移図を前提として、ノイズを含む実際の再生信号z〔k〕から最尤な状態遷移を選択する方法について以下に説明する。
【0067】
最尤な状態遷移を選択するためには、まず、ある時点kにおける状態について、その状態に至る過程において経由してきた複数時点間の状態遷移の尤度の和を計算し、さらに、計算された尤度の和を比較して、最尤の復号系列を選択することが必要である。このような尤度の和をパスメトリックと称する。
【0068】
パスメトリックを計算するためには、まず、隣接する時点間の状態遷移の尤度を計算することが必要となる。このような尤度の計算は、上述の状態遷移図を参照して、再生信号z〔k〕の値に基づいて以下のようになされる。まず、一般的な説明として、時点k−1において、状態Saである場合について考える。この時、ビタビ復号器31に再生信号z〔k〕が入力された場合に、状態Sbへの状態遷移が生じる尤度が次式に従って計算される。但し、状態Saおよび状態Sbは、図7の状態遷移図に記載されている4個の状態の何れかとする。
【0069】
(z〔k〕−c(Sa,Sb))2 (12)
上式において、c(Sa,Sb)は、状態Saから状態Sbへの状態遷移について、図7の状態遷移図に記載されている再生信号の値である。すなわち、上述の図7において、例えば状態遷移S0→S1について、−Aと算出されている値である。従って、式(12)は、ノイズを含む実際の再生信号z〔k〕の値と、ノイズを考慮せずに計算された再生信号c(Sa,Sb)の値の間のユークリッド距離となる。ある時点におけるパスメトリックは、その時点に至るまでのこのような隣接時点間の状態遷移の尤度の総和として定義される。
【0070】
ところで、時点kにおいて状態Saである場合を考える。この場合に、時点k−1において状態Saに遷移し得る状態をSpとすれば、パスメトリックL(Sa,k)は、時点k−1におけるパスメトリックを用いて次式のように計算される。
【0071】
L(Sa,k)
=L(Sp,k−1)+(z〔k〕−c(Sp,Sa))2 (13)
すなわち、時点k−1において状態Spに至った場合のパスメトリックL(Sp,k−1)と、時点k−1と時点kの間で生じるSp→Saなる状態遷移の尤度(z〔k〕−c(Sp,Sa))2 とを加算することによって、パスメトリックL(Sa,k)が計算される。この(z〔k〕−c(Sp,Sa))2 のような、最新の状態遷移の尤度は、ブランチメトリックと称される。但し、ここでのブランチメトリックは、後述するビタビ復号器13中のブランチメトリック計算回路(BMC)20によって計算されるブランチメトリック、すなわち、規格化メトリックに対応するブランチメトリックとは、別のものであることに注意が必要である。
【0072】
また、時点kにおいて状態Saである場合に、時点k−1において状態Saに遷移し得る状態が複数個存在することがある。図7においては、状態S0およびS2がこのような場合である。すなわち時点kにおいて状態S0である場合に、時点k−1において状態S0に遷移し得る状態は、S0とS3の2個である。また、時点kにおいて状態S2である場合に、時点k−1において状態S2に遷移し得る状態は、S1とS2の2個である。一般的な説明として、時点kにおいて状態Saであり、且つ、時点k−1において状態Saに遷移し得る状態がSpおよびSqの2個である場合に、パスメトリックL(Sa,k)は、次式のように計算される。
【0073】
Figure 0003861366
すなわち、時点k−1において状態Spであり、Sp→Saなる状態遷移によって状態Saに至った場合と、時点k−1において状態Sqであり、Sq→Saなる状態遷移によって状態Saに至った場合の各々について、尤度の和を計算する。そして、各々の計算値を比較し、より小さい値を時点kにおける状態Saに関するパスメトリックL(Sa,k)とする。
【0074】
このようなパスメトリックの計算を、図7を用いて上述した4値4状態について具体的に適用すると、時点kにおける各状態S0,S1,S2およびS3についてのパスメトリックL(0,k),L(1,k),L(2,k)およびL(3,k)は、時点k−1における各状態S0〜S3についてのパスメトリックL(0,k−1)〜L(3,k−1)を用いて以下のように計算できる。
【0075】
Figure 0003861366
上述したように、このようにして計算されるパスメトリックの値を比較して、最尤な状態遷移が選択されれば良い。ところで、最尤な状態遷移を選択するためには、パスメトリックの値そのものを計算しなくても、パスメトリックの値の比較ができれば良い。そこで、実際の4値4状態ビタビ復号方法においては、パスメトリックの代わりに以下に定義するような規格化パスメトリックを用いることにより、各時点kにおけるz〔k〕に基づく計算を容易なものとするようになされる。
【0076】
m(i,k)
=〔L(i,k)−z〔k〕2 −(A+B)2 〕/2/(A+B)(19)
式(19)をS0〜S3の各状態に適用すると、具体的な規格化パスメトリックは、以下のように2乗計算を含まないものとなる。このため、後述する、加算、比較、選択回路(ACS)21における計算を容易なものとすることができる。
【0077】
Figure 0003861366
但し、式(20)〜(23)中のαおよびβは、以下のようなものである。
【0078】
α=A/(A+B) (24)
β=B×(B+2×A)/2/(A+B) (25)
このような規格化パスメトリックに基づく4値4状態ビタビ復号方法における状態遷移の条件について図9に示す。上述の4個の規格化パスメトリックの内に、2個から1個を選択する式が2つあるので、2×2=4通りの条件がある。
【0079】
〔4値4状態ビタビ復号器の概要〕
上述した4値4状態ビタビ復号方法を実現するビタビ復号器13について以下に説明する。図10にビタビ復号器13の全体構成を示す。ビタビ復号器13は、ブランチメトリック計算回路(以下、BMCと表記する)20、加算、比較および選択回路(以下、ACSと表記する)21、圧縮およびラッチ回路22およびパスメモリユニット(以下、PMUと表記する)23から構成される。これらの各構成要素に対して上述のリードクロックDCK(以下の説明においては、単にクロックと表記する)が供給されることにより、ビタビ復号器13全体の動作タイミングが合わされる。以下、各構成要素について説明する。
【0080】
BMC20は、入力される再生信号z〔k〕に基づいて、規格化パスメトリックに対応するブランチメトリックの値BM0,BM1,BM2およびBM3を計算する。BM0〜BM3は、上述の式(20)〜(23)の規格化パスメトリックを計算するために必要とされる、以下のようなものである。
【0081】
BM0=z(k) (26)
BM1=α×z〔k〕−β (27)
BM2=−z(k) (28)
BM3=−α×z〔k〕−β (29)
この計算に必要なαおよびβは、上述の式(23)および(24)に示した意味を持つ基準値である。αおよびβの値は、再生信号z〔k〕に基づいて、所定の手段によって算出され、BMC20に供給される。算出方法の一例として、再生信号z〔k〕から、エンベロープ検出によってA,A+Bの値を求めて、式(23)および(24)に従ってαおよびβの値を算出する等が行われる。
【0082】
BM0〜BM3の値は、ACS21に供給される。一方、ACS21は、後述するような圧縮およびラッチ回路22から、1クロック前の規格化パスメトリックの値(但し、後述するように圧縮のなされたもの)M0,M1,M2およびM3を供給される。そして、M0〜M3と、BM0〜BM3とを加算して、後述するようにして、最新の規格化パスメトリックの値L0,L1,L2およびL3を計算する。M0〜M3が圧縮のなされたものであるため、L0〜L3を計算する際のオーバーフローを避けることができる。
【0083】
さらに、ACS21は、最新の規格化パスメトリックの値L0〜L3に基づいて、後述するように、最尤な状態遷移を選択し、また、選択結果に対応して、パスメモリ23に供給される選択信号SEL0およびSEL2を'High'または'Low' とする。
【0084】
また、ACS21は、L0〜L3を圧縮およびラッチ回路22に供給する。圧縮およびラッチ回路22は、供給されるL0〜L3を圧縮した後にラッチする。その後、1クロック前の規格化パスメトリックM0〜M3としてACS21に供給する。
【0085】
この際の圧縮の方法としては、例えば以下に示すように、最新の規格化パスメトリックL0〜L3から、そのうちの1個、例えばL0を一律に差し引く等の方法が用いられる。
【0086】
M0=L0−L0 (30)
M1=L1−L0 (31)
M2=L2−L0 (32)
M3=L3−L0 (33)
この結果として、M0が常に0の値をとることになるが、以下の説明においては、一般性を損なわないために、このままM0と表記する。式(30)〜(33)によって計算されるM0〜M3の値の差は、L0〜L3の値の差と等しいものとなる。上述したように、最尤な状態遷移の選択においては、規格化パスメトリック間の値の差のみが問題となる。従って、このような圧縮方法は、最尤な状態遷移の選択結果に影響せずに規格化パスメトリックの値を圧縮し、オーバーフローを防止する方法として有効である。このように、ACS21と圧縮およびラッチ回路22は、規格化パスメトリックの計算に関するループを構成する。
【0087】
上述のACS21について、図11を参照してより詳細に説明する。ACS21は、6個の加算器51、52、53、54、56、58および2個の比較器55、57から構成される。一方、上述したようにACS21には、1クロック前の圧縮された規格化パスメトリックの値M0〜M3および規格化パスメトリックに対応するブランチメトリックの値BM0〜BM3が供給される。
【0088】
加算器51には、M0およびBM0が供給される。加算器51は、これらを加算して以下のようなL00を算出する。
【0089】
L00=M0+BM0 (34)
上述したように、M0は、時点k−1において状態S0に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応する圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM0は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基づいて上述の(26)式に従って計算されるもの、すなわちz〔k〕の値そのものである。従って、式(34)の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(20)中のm(0,k−1)+z〔k〕の値を計算したものとなる。すなわち、時点k−1において状態S0であり、時点kにおける状態遷移S0→S0によって最終的に状態遷移S0に至った場合に対応する計算値である。
【0090】
一方、加算器52には、M3およびBM1が供給される。加算器51は、これらを加算して以下のようなL30を算出する。
【0091】
L30=M3+BM1 (35)
上述したように、M3は、時点k−1において状態S3に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応する、圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM1は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基づいて上述の(27)式に従って計算されるもの、すなわちα×z〔k〕−βである。従って、式(35)の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(20)中のm(3,k−1)+α×z〔k〕−βの値を計算したものとなる。すなわち、時点k−1において状態S3であり、時点kにおける状態遷移S3→S0によって最終的に状態遷移S0に至った場合に対応する計算値である。
【0092】
上述のL00およびL30は、比較器55に供給される。比較器55は、L00およびL30の値を比較し、小さい方を最新の規格化パスメトリックL0とすると供に、選択結果に応じて、上述したように選択信号SEL0の極性を切替える。このような構成は、式(20)において、最小値が選択されることに対応するものである。すなわち、L00<L30の場合(この時は、S0→S0が選択される)に、L00をL0として出力し、且つ、SEL0を例えば、'Low' とする。また、L30<L00の場合(この時は、S3→S0が選択される)には、L30をL0として出力し、且つ、SEL0を例えば'High'とする。SEL0は、後述するように、状態S0に対応するA型パスメモリ24に供給される。
【0093】
このように、加算器51、52および比較器55は、上述の式(20)に対応して、S0→S0とS3→S0の内から、時点kにおける状態遷移として最尤なものを選択する動作を行う。そして、選択結果に応じて、最新の規格化パスメトリックL0および選択信号SEL0を出力する。
【0094】
また、加算器56には、M0およびBM1が供給される。加算器51は、これらを加算して以下のようなL1を算出する。
【0095】
L1=M0+BM1 (36)
上述したように、M0は、時点k−1において状態S0に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応する圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM1は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基づいて上述の(27)式に従って計算されるもの、すなわちα×z〔k〕−βである。従って、式(36)の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(21)の右辺m(0,k−1)+α×z〔k〕−βの値を計算したものとなる。すなわち、時点k−1において状態S0であり、時点kにおける状態遷移S0→S1によって最終的に状態遷移S1に至った場合に対応する計算値である。式(21)が値の選択を行わないことに対応して、加算器56の出力がそのまま最新の規格化パスメトリックL1とされる。
【0096】
加算器53には、M2およびBM2が供給される。加算器53は、これらを加算して以下のようなL22を算出する。
【0097】
L22=M2+BM2 (37)
上述したように、M2は、時点k−1において状態S2に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応する圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM0は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基づいて上述の(28)式に従って計算されるもの、すなわち−z〔k〕である。従って、式(37)の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(22)中のm(2,k−1)−z〔k〕の値を計算したものとなる。すなわち、時点k−1において状態S2であり、時点kにおける状態遷移S2→S2によって最終的に状態遷移S2に至った場合に対応する計算値である。
【0098】
一方、加算器54には、M1およびBM3が供給される。加算器53は、これらを加算して以下のようなL12を算出する。
【0099】
L12=M1+BM3 (38)
上述したように、M1は、時点k−1において状態S1に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応する圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM3は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基づいて上述の(29)式に従って計算されるもの、すなわち−α×z〔k〕−β である。従って、式(38)の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(22)中のm(1,k−1)−α×z〔k〕−βの値を計算したものとなる。すなわち、時点k−1において状態S1であり、時点kにおける状態遷移S1→S2によって最終的に状態遷移S2に至った場合に対応する計算値である。
【0100】
上述のL22およびL12は、比較器57に供給される。比較器57は、L22およびL12の値を比較し、小さい方を最新の規格化パスメトリックL2とすると共に、選択結果に応じて、上述したように選択信号SEL2の極性を切替える。このような構成は、式(22)において、最小値が選択されることに対応するものである。すなわち、L22<L12の場合(この時は、S2→S2が選択される)に、L22をL2として出力し、且つ、SEL2を例えば、'Low' とする。また、L12<L22の場合(この時は、S1→S2が選択される)には、L12をL2として出力し、且つ、SEL2を例えば'High'とする。SEL2は、後述するように、状態S2に対応するA型パスメモリ26に供給される。
【0101】
このように、加算器53、54および比較器57は、上述の式(22)に対応して、S1→S2とS2→S2の内から、時点kにおける状態遷移として最尤なものを選択する。そして、選択結果に応じて、最新の規格化パスメトリックL2および選択信号SEL2を出力する。
【0102】
また、加算器58には、M2およびBM3が供給される。加算器58は、これらを加算して以下のようなL3を算出する。
【0103】
L3=M2+BM3 (39)
上述したように、M2は、時点k−1において状態S2に至った場合に、経由してきた状態遷移の総和に対応する圧縮された規格化パスメトリックである。また、BM3は、時点kにおいて入力される再生信号z〔k〕に基づいて上述の(29)式に従って計算されるもの、すなわち−α×z〔k〕−βである。従って、式(39)の値は、上述したような圧縮の作用の下に、上述の式(23)の右辺m(2,k−1)+α×z〔k〕−βの値を計算したものとなる。すなわち、時点k−1において状態S0であり、時点kにおける状態遷移S2→S3によって最終的に状態遷移S3に至った場合に対応する計算値である。式(23)が値の選択を行わないことに対応して、加算器58の出力がそのまま最新の規格化パスメトリックL3とされる。
【0104】
上述したようにして, ACS21が出力するSEL0およびSEL2に従って、パスメモリユニット(以下、PMUと表記する)23が動作することによって、記録データa〔k〕に対する最尤復号系列としての復号データa’〔k〕が生成される。PMU23は、図7に示した4個の状態間の状態遷移に対応するために、2個のA型パスメモリおよび2個のB型パスメモリから構成される。
【0105】
A型パスメモリは、その状態に至る遷移として2つの遷移(すなわち、自分自身からの遷移と、他の1個の状態からの遷移)を有し、且つ、その状態を起点とする2つの遷移(すなわち、自分自身に至る遷移と他の1個の状態に至る遷移)を有する状態に対応するための構成とされる。従って、A型パスメモリは、図7に示した4個の状態の内、S0およびS2に対応するものである。
【0106】
一方、B型パスメモリは、その状態に至る遷移が1つのみであり、且つ、その状態を起点とする遷移が1つのみである状態に対応するための構成とされる。従って、B型パスメモリは、図7に示した4個の状態の内、S1およびS3に対応するものである。
【0107】
これら2個のA型パスメモリおよび2個のB型パスメモリが図7に示した状態遷移図に従う動作を行うために、PMU23において、図10に示すような復号データの受渡しがなされるように構成される。すなわち、A型パスメモリ24がS0に対応し、A型パスメモリ26がS2に対応する。また、B型パスメモリ25がS1に対応し、また、B型パスメモリ27がS3に対応する。このように構成すれば、S0を起点として生じ得る状態遷移がS0→S0およびS0→S1であり、S2を起点として生じ得る状態遷移がS2→S2およびS2→S3であることに合致する。また、S1を起点として生じ得る状態遷移がS1→S2のみであり、S3を起点として生じ得る状態遷移がS3→S0のみであることにも合致する。
【0108】
A型パスメモリ24について、その詳細な構成を図12に示す。A型パスメモリ24は、パスメモリ長に対応する個数のフリップフロップとセレクタを、交互に接続したものである。図10には、14ビットのデコードデータ長に対応する構成を示した。すなわち、14個のセレクタ311 〜3114および15個のフリップフロップ300 〜3014を有するものである。セレクタ311 〜3114は、何れも2個のデータを受取り、その内の1個を選択的に後段に供給するものである。また、フリップフロップ300 〜3014にクロックが供給されることにより、A型パスメモリ24全体の動作タイミングが合わされる。
【0109】
図7を用いて上述したように、状態S0に至る遷移は、S0→S0すなわち自分自身から継承する遷移、およびS3→S0である。このような状況に対応する構成として、各セレクタは、前段のフリップフロップから供給されるデータすなわちS0→S0に対応する復号データと、状態S3に対応するB型パスメモリ27から供給されるデータすなわちS3→S0に対応する復号データPM3とを受取る。さらに、各セレクタは、ACS21からSEL0を供給される。そして、SEL0の極性に応じて、供給される2個の復号データの内の一方を後段のフリップフロップに供給する。また、このようにして後段のフリップフロップに供給される復号データは、状態S1に対応するB型パスメモリ25にもPM0として供給される。
【0110】
すなわち、例えばセレクタ3114は、前段のフリップフロップ3013から供給されるデータと、B型パスメモリ27から供給される14ビットからなるPM3の14番目のビット位置のデータとを受取る。そして、これら2個のデータの内から以下のようにして選択したデータを、後段のフリップフロップ3014に供給する。上述したようにSEL0は、選択結果に応じて、'Low' または'High'とされる。SEL0が例えば'Low' の時は、前段のフリップフロップ3013からのデータが選択されるようになされる。また、SEL0が例えば'High'の時は、PM3の14番目のビット位置のデータが選択されるようになされる。選択されたデータは、後段のフリップフロップ3014に供給され、また、PM0の14番目のビット位置のデータとして、状態S1に対応するB型パスメモリ25に供給される。
【0111】
A型パスメモリ24中の他のセレクタ311 〜3113においても、SEL0の極性に応じて、同様な動作が行われる。従って、A型パスメモリ24全体としては、SEL0が例えば'Low' の時は、A型パスメモリ24中で、各々のフリップフロップがその前段に位置するフリップフロップのデータを継承するシリアルシフトを行う。また、SEL0が例えば'High'の時は、B型パスメモリ27から供給される14ビットからなる復号データPM3を継承するパラレルロードを行う。何れの場合にも、継承される復号データは、B型パスメモリ25に14ビットの復号データPM0として供給される。
【0112】
また、最初の処理段となるフリップフロップ300 には、クロックに同期して常に'0' が入力される。かかる動作は、S0に至る状態遷移S0→S0とS2→S0の何れにおいても、図7に示すように、復号データが'0' なので、最新の復号データは、常に'0' となることに対応している。
【0113】
上述したように、S2に対応するA型パスメモリ26についても、構成自体は、A型パスメモリ24と全く同様である。但し、ACS21から入力される選択信号は、SEL2である。また、図6に示すように状態S2に至る遷移としては、S2→S2すなわち自分自身から継承する遷移と、S1→S2とがある。このため、状態S1に対応するB型パスメモリ25からPM1を供給される。さらに、状態S2を起点として生じ得る状態がS2すなわち自分自身と、S3であることに対応して、状態S3に対応するB型パスメモリ27にPM2を供給する。また、S2に対応するA型パスメモリ26においても、最初の処理段となるフリップフロップには、クロックに同期して常に'0' が入力される。かかる動作は、S2に至る状態遷移S2→S2とS1→S0の何れにおいても、図7に示すように、復号データが'0' なので、最新の復号データは、常に'0' となることに対応している。
【0114】
他方、B型パスメモリ25について、その詳細な構成を図13に示す。B型パスメモリ25は、デコードデータ長に対応する個数のフリップフロップを接続したものである。図13には、14ビットのパスメモリ長に対応する構成を示した。すなわち、15個のフリップフロップ320 〜3214を有するものである。フリップフロップ320 〜3214にクロックが供給されることにより、B型パスメモリ25全体の動作タイミングが合わされる。
【0115】
各フリップフロップ321 〜3214には、状態S0に対応するA型パスメモリ24から、14ビットの復号データがPM0として供給される。例えば、フリップフロップ321 には、PM0の1ビット目が供給される。各フリップフロップ321 〜3214は、供給された値を1クロックの間保持する。そして、状態S2に対応するA型パスメモリ26に、14ビットの復号データPM1として出力する。例えば、フリップフロップ321 は、PM1の2ビット目を出力する。
【0116】
B型パスメモリ25中の他のセレクタ321 〜3213においても、同様な動作が行われる。従って、B型パスメモリ25全体としては、A型パスメモリ24から供給される14ビットからなる復号データPM0を受取り、またA型パスメモリ26に14ビットからなる復号データPM1を供給する。
【0117】
また、フリップフロップ320 には、クロックに同期して常に'1' が入力される。かかる動作は、図7に示したように、最新の状態遷移がS0→S1である場合に復号データが'1' であることに対応している。
【0118】
また、上述のように、状態S3に対応するB型パスメモリ27についても、B型パスメモリ25と全く同様な構成とされる。但し、図7に示すように状態S3に至る遷移は、S2→S3なので、状態S2に対応するA型パスメモリ26からPM2を供給される。さらに、状態S3を起点として生じ得る状態がS0であることに対応して、状態S0に対応するA型パスメモリ24にPM3を供給するようになされる。B型パスメモリ27においても、最初の処理段となるフリップフロップには、クロックに同期して常に'1' が入力される。かかる動作は、図7に示したように、最新の状態遷移がS2→S3である場合に復号データが'1' であることに対応している。
【0119】
上述したようにして、PMU23中の4個のパスメモリは、各々復号データを生成する。このようにして生成される4個の復号データは、常に正確なビタビ復号動作がなされる場合には、互いに一致することになる。ところで、実際のビタビ復号動作においては、4個の復号データに不一致が生じることも起こり得る。このような不一致は、再生信号に含まれるノイズの影響等により、上述の識別点AおよびBを検出する際に誤差が生じる等の要因により、ビタビ復号動作が不正確なものとなることによって生じる。
【0120】
一般に、このような不一致が生じる確率は、再生信号の品質に対応してパスメモリの処理段数を充分に大きく設定することによって減少させることができる。すなわち、再生信号のC/N等の品質が良い場合には、パスメモリの処理段数が比較的小さくても復号データ間の不一致が生じる確率は小さい。これに対して、再生信号の品質が良くない場合には、上述の不一致が生じる確率を小さくするためには、パスメモリの処理段数を大きくする必要がある。再生信号の品質に対してパスメモリの処理段数が比較的小さくて、復号データ間の不一致が生じる確率を充分に低くすることができない場合には、4個の復号データから、例えば多数決等の方法によって、より的確なものを選択するような、図示しない構成がPMU23中の4個のパスメモリの後段に設けられる。
【0121】
〔4値4状態ビタビ復号方法以外のビタビ復号方法〕
上述した4値4状態ビタビ復号方法は、フィルタ部11において用いられる波形等化特性がPR(1,2,1)であり、且つ、記録データとしてRLL(1,7)符号が採用される場合に用いられる。例えば、記録線密度0.40μm,レーザ波長685nm,NA=0.55の場合には、波形等化特性をPR(1,2,1)とし、4値4状態ビタビ復号方法を用いることが最適となる。他方、波形等化特性または記録データを生成するための符号化方法に応じて、他の種類のビタビ復号方法が用いられることもある。
【0122】
例えば、波形等化特性がPR(1,1)であり、且つ、記録データとしてRLL(1,7)符号が用いられる場合には、3値4状態ビタビ復号方法が用いられる。また、波形等化特性がPR(1,3,3,1)であり、且つ、記録データとしてRLL(1,7)符号が用いられる場合には、7値6状態ビタビ復号方法が用いられる。このようなビタビ復号方法の内、何れを用いるかを選択するための要素の1つとなる波形等化特性は、再生信号上の符号間干渉に適合する程度が良いものが採用される。従って、上述したように、線記録密度およびMTFを考慮して最適なものとされる。
【0123】
以下、図14を参照してこの発明の一実施例について説明する。この発明の一実施例は、4値4状態ビタビ復号方法を行う光磁気ディスク装置にこの発明を適用したものである。図1を参照して説明した上述の光磁気ディスク装置の一例に用いられるフィルタ部11がディジタルフィルタから構成されるのが一般的であるのに対し、図14中のフィルタ部110は、後述するようなアナログフィルタから構成される。
【0124】
また、装置制御部(以下、CPUと表記する)100およびDSP(Digital Signal Processor)101は、コントローラ2の指令に従う記録/再生動作を実行するために、装置の構成要素の動作パラメータ等を制御するための動作を行う。特に、CPU100は、フィルタ部110の後述するような可変部分の動作を制御することにより、アナログフィルタから構成されるフィルタ部110を、ディジタルフィルタと同等の特性を有するものとする。CPU100およびDSP101は、上述の光磁気ディスク装置の一例にも用いられているが、図1においては図示を省略したものである。この発明について説明するにあたっては、説明を明確なものとするために図14中に図示した。これら以外の構成要素については、図1中の各構成要素と同様なので、同じ符号を付した。
【0125】
記録系の構成および動作については、上述の光磁気ディスク装置の一例と同様である。図14中にCPU100を図示したので、LPC4に対する記録データと直接関係しない制御、例えばレーザパワーの制御等がCPU100によって行われることが図示されているが、かかる制御は、図1を参照して上述した光磁気ディスク装置の一例においても同様になされる。
【0126】
また、再生系においても、フィルタ部110以外については、構成、動作ともに上述の光磁気ディスク装置の一例と同様である。但し、後の説明の都合により、A/D変換器12の出力をz〔t〕すなわち時点tにおけるサンプリング値と表記することにする。z〔t〕は、ビタビ復号器13に供給されると共に、CPU100に供給される。
【0127】
このようなフィルタ部110を構成するアナログフィルタとしては、8次のイクイリップルフィルタを用いることができる。このようなアナログフィルタの伝達関数は、式(50)のように表せる。
【0128】
【数1】
Figure 0003861366
【0129】
但し、式(50)中のωp1〜ωp2は、後述するように、アナログフィルタの構成要素の特性によって決められる定数である。また、ωza, ωzbは以下のようなものである。また、S=1/ωである。
【0130】
ωza=0.58×(15/na)×ωC (51)
ωzb=0.58×(15/nb)×ωC (52)
式(51)および(52)において、ωC は、カットオフ周波数である。また、na,nbは、例えば4ビット等のレジスタを用いて設定される値に基づいて独立に変えることができる数である。従って、式(50)を実現するアナログフィルタにおいて、na,nbの値を変えることによって特性を変えることができる。この発明の一実施例においては、4ビットのレジスタによって、0または6〜20までの全部で16個の整数値をとり得る。
【0131】
図15Aおよび図15Bに,それぞれ式(1)の伝達関数に従うアナログフィルタのインパルス応答の例をしめす。図15Aに示した例は、時点kに関して時間方向に対称な応答をしている。一方、図15Bに示した例は、時点kに関して時間方向に非対称な応答をしている。インパルス応答が対称になるのは、na=nb,すなわち式(51)および(52)によってωza=ωzbとなる時である。
【0132】
ところで、このようなアナログフィルタの時点nにおける離散インパルス応答をh(n)、時点nにおける入力信号値をx(n)とすると、時点nにおける応答y(n)は、以下のように表せる。
【0133】
【数2】
Figure 0003861366
【0134】
ここで、Mは、ディジタルフィルタのタップ数に相当する。すなわち、図16に示すようなディジタルフィルタを用いたフィルタ部と同等な特性を有するようなアナログフィルタについては、M=3である。図16において、フィルタ200は、ノイズカット等を行うためのものである。また、遅延回路201および202は、供給される信号を1時点(1リードクロック)分遅延させる。さらに、乗算器202、203および204のタップ係数a0 、a1 およびa2 は、CPUによって制御され、最適な波形等化が行われるようになされる。
【0135】
アナログフィルタにおいてかかるタップ係数に相当するものが離散インパルス応答h(n)である。従って、図16に示すようなディジタルフィルタを用いたフィルタ部と同等な特性を有するようなアナログフィルタについては、h(1),h(2),h(3)は、それぞれ図16中のa0 ,a1 ,a2 に相当する。
【0136】
一方、アナログフィルタのインパルス応答を図示した図15AまたはBにおいてはh(1),h(2),h(3)がそれぞれz,y,xに相当する。
【0137】
このようなアナログフィルタの特性を最適なものとするためのnaおよびnbの値の設定方法について以下に説明する。まず、naおよびnbの値の適応の程度を表現する誤差信号として2乗平均誤差、すなわち誤差信号の2乗平均値を用いることにする。このため、期待される応答d(t)と出力y(t)との差をe(t)と定義し、e(t)の2乗平均誤差(以下、MSEと表記する)ε(t)を定義する。
【0138】
e(t)=d(t)−y(t) (54)
ε(t)=E〔e2 (t)〕 (55)
式(55)に式(54)を代入して計算すると、以下のようになる。
【0139】
ε(t) = E [d 2 (t)] − 2E[d(t)y(t)] + E[y 2 (t)] (56)
さらに、式(56)に応答y(t)を表す式(53)を代入すると、MSEε(t)は、以下のようになる。
【0140】
【数3】
Figure 0003861366
【0141】
式(57)から、MSEは、M個の離散インパルス応答h(1)〜h(M)について、それぞれの2次関数になることがわかる。単一の最小点を有するボール状の曲面として視覚的に表現される。MSEが最小となるのは、MSEを離散インパルス応答の2次関数と見たときの導関数の値が零となる場合である。
【0142】
上述したように、図16に示すようなタップ数が3のディジタルフィルタと同等な特性を得るためには、M=3とすれば良いので、3個の離散インパルス応答h(1)〜h(3)について考えれば良い。但し、インパルス応答全体としては、3個の内の1個を基準として、他の2個の比率を独立に定めることによって一意的に表現することが可能である。
【0143】
上述した考え方に沿ったインパルス応答の具体的な求め方について説明する。8次のイクイリップルフィルタの伝達関数を表す上述の式(50)において、可変数na,nbを変化させることにより、伝達関数が変化し、それに伴ってインパルス応答の振幅比x1 ,x2 も変化する。ここでインパルス応答の振幅比x1 ,x2 は、3個の時点における離散インパルス応答の内、1つを基準としたときの他の2つの比である。例えば、図15Bにおいて、次のように計算することができる。
【0144】
1 = x/y (58)
2 = z/y (59)
na,nbを各々4ビットの範囲で変化させてx1 ,x2 を計算することにより、図17および図18に示すようなマップを作成することができる。図17および図18において、na、nbの組合わせをna/nbと表記した。
【0145】
このようなマップを用いて、以下に説明するようなLMS(Least Mean Square) 方法を行う。まず、x1 を固定して、x2 を順に変化させ、各x2 毎にMSEの値を後述するようにして計算する。そして、MSEの値を最小とするx2 を選択する。次に、このようにして選択したx2 を固定して、x1 を順に変化させ、x1 毎にMSEの値を後述するようにして計算する。このようにしてMSEの値を最小とする(x1 、x2 )の値を選択することができ、従って、MSEの値を最小とするna、nbの組合わせを選択することができる。
【0146】
上述したような方法を実行する手順の一例について、図19のフローチャートを参照して説明する。図19において、k、nは、上述のマップ上に現れるそれぞれna,nbの値を示す数である。すなわち、以下のようになる。
【0147】
na(0)=0およびna(k)=k+5(kは、1以上15以下の整数)
nb(0)=0およびnb(n)=n+5(nは、1以上15以下の整数)
また、最終的に選択されるna,nbの値がそれぞれ変数A,Bに確保される。前半すなわちステップS01〜ステップS08までは、naを固定して(すなわちx1 を固定して)MSEを最小とするnbを選択し、選択した値をBに確保する過程である。前半の過程において計算されるMSEの値をMSE1と表記する。一方、後半すなわちステップS10〜ステップS17までは、前半の過程によってBに確保されたnbを固定して(すなわちx2 を固定して)MSEを最小とするnaの値を選択し、選択した値をAに確保する過程である。後半の過程において計算されるMSEの値をMSE2と表記する。これらの過程によってMSEを最小とするna,nbの組合わせを選択することができる。
【0148】
まず、前半の過程について説明する。ステップS01として、k、nおよびK,Nの値を初期化する。初期化は、例えばk=n=0およびK=N=0とすれば良い。kおよびnは、上述したように、マップ上のそれぞれnaおよびnbの値を参照するための変数である。また、KおよびNは、後述するようにしてmin1およびmin2の値が更新された時に、それぞれkおよびnの値を確保するための変数である。
【0149】
ステップS02として、ステップS01によって初期化されたkを用いて、na(k)の値をAに設定し、また、min1に無限大の値を設定する。後述するようにmin1には、その時点までに計算されたMSEの値すなわち前半の過程におけるMSEの計算値の内、最小のものが確保される。ステップS03として、後述するステップS08においてなされる判定結果に従って、min1の値を更新する。ステップS04として、Nにnの値を確保する。ステップS04によって,min1の値が更新された時のnの値が確保される。ステップS05として、nbの値としてnb(n)を設定する。nの値は、ステップS06において更新される。
【0150】
ステップS07として、ステップS02およびステップS05によって設定されるna,nbの下でMSE1の値を後述するようにして計算する。ステップS08においては、以下のような判定がなされる。すなわち、MSE1<min1の時は、ステップS03に移行し、MSE1の値をmin1の値として確保する。一方、MSE1<min1以外の時は、ステップS09に移行する。このようにして、min1には、その時点までに計算されたMSE1の値の内、最小のものが確保されることになる。
【0151】
ステップS09においては、nの値に基づく以下のような判定がなされる。すなわち、nが15以下である場合には、ステップS05に移行し、nb(n)以降のnbについて処理を続行する。一方、nが15以下でない場合には、上述のマップ上の全てのnbについてMSE1の計算を行ったと判断して前半の過程を終了する。この際のnb(N)の値がMSEを最小とするnbの値として選択されたことになる。
【0152】
次に、後半の過程について説明する。ステップS10として、前半の過程によって選択されたnb(N)の値をBの値として設定する。上述したように、かかるB=nb(N)が後半の過程におけるnbの固定値とされる。また、min2に無限大の値を設定する。後述するようにmin2には、その時点までに計算されたMSE2すなわち後半の過程におけるMSEの計算値の内、最小のものが確保される。ステップS11として、後述するステップS16においてなされる判定結果に従って、min2の値を更新する。ステップS12として、Kにkの値を確保する。ステップS12によって,min2の値が更新された時のkの値が確保される。ステップS13として、naの値としてna(k)を設定する。kの値は、ステップS14において更新される。
【0153】
ステップS15として、ステップS10およびステップS12によって設定されるnbおよびnaの下でMSE2の値を後述するようにして計算する。ステップS16においては、以下のような判定がなされる。すなわち、MSE2<min2の時は、ステップS11に移行し、MSE2の値をmin2の値として確保する。一方、MSE2<min2以外の時は、ステップS17に移行する。このようにして、min2には、その時点までに計算されたMSE2の値の内、最小のものが確保されることになる。
【0154】
ステップS17においては、kの値に基づく以下のような判定がなされる。すなわち、kが15以下である場合には、ステップS13に移行し、次のna(k)以降のnaについて処理を続行する。一方、kが15以下でない場合には、上述のマップ上の全てのnaについて、MSE2の計算を行ったと判断される。従って、この際のna(K)の値がMSEを最小とするnbの値として選択されたことになるので、ステップS18に移行し、na(K)の値をAに確保する。
【0155】
以上のようなステップS01〜ステップS18までの過程によって、MSEを最小とするna,nbの組合わせがA=na〔N〕およびB=nb〔K〕として選択されることになる。
【0156】
このようなna,nbの組合わせの選択を実現する構成について説明する。まず、図1を参照して上述したように、CPU100にはA/D変換器12から再生信号値z〔t〕が供給されるようになされる。ところで、再生信号値z〔t〕が例えば上述のキャリブレーション時等に装置中のROM等の所定の手段に記憶されている所定の信号を記録媒体のマニュファクチャライトゾーン等に記録し、その後再生することよって得られるものである場合には、期待される応答d(t)は、かかる所定の信号に従う既知のものである。
【0157】
このため、かかるd(t)とA/D変換器12から供給される再生信号値z〔t〕とに基づいて、CPU100がMSEを計算するようにすることができる。このようなMSEの計算をna,nbの値を上述したように変える毎に行うことによって、ステップS06およびステップS14を実現することができる。
【0158】
さらに、図17および図18に示すようなマップを例えば図20に示すようにDSP101中のメモリ領域に記憶させるようにすることにより、上述のステップS04およびステップS12においてマップの内容が参照されるようにすることができる。従って、CPU100がマップの内容を参照してMESの値を計算することができる。図20中のマップは、一例として記載したものであり、図17および図18を用いて上述したマップとは別のものである。以上のようにして、図19を用いて上述したようなLMS方法によるアルゴリズムを実行することによって、キャリブレーション時等にアナログフィルタの動作を最適化し、ディジタルフィルタと同様な特性を有するように調整することができる。
【0159】
上述したようにして選択されるna,nbが設定された場合に、ディジタルフィルタと同等な特性を有することができるアナログフィルタの構成について以下に説明する。伝達関数を表す上述の式(50)は、以下のような4つの部分H1 (ω),H2 (ω),H3 (ω)およびH4 (ω)の積として表現できる。
【0160】
【数4】
Figure 0003861366
【0161】
【数5】
Figure 0003861366
【0162】
【数6】
Figure 0003861366
【0163】
【数7】
Figure 0003861366
【0164】
さらに、H3 (ω)は、以下に示す2つの部分の積として、すなわちH' 3 (ω)×H'' 3(ω)として表現できる。
【0165】
【数8】
Figure 0003861366
【0166】
【数9】
Figure 0003861366
【0167】
4 (ω)についても、H3 (ω)と同様にH' 4 (ω)×H'' 4(ω)として表現できる。
【0168】
【数10】
Figure 0003861366
【0169】
【数11】
Figure 0003861366
【0170】
式(64)および(66)より、H3 ' (ω)およびH4 ' (ω)は、H1 (ω)およびH2 (ω)と同様な関数形であることがわかる。従って、na,nbに無関係な非可変部分H1 (ω)、H2 (ω)、H3 ' (ω)およびH4 ' (ω)は、何れも例えば図21に示す回路構成によって実現される。図21の回路の伝達関数H' (ω)は、以下のようになる。
【0171】
【数12】
Figure 0003861366
【0172】
式(68)においてE,FおよびGは、回路に用いるコンデンサの容量および抵抗の抵抗値によって決まる定数である。従って、例えば図21のような回路においてH1 (ω)、H2 (ω)、H3 ' (ω)およびH4 ' (ω)の各式を実現するようなコンデンサおよび抵抗の組合わせを用いたものを順に接続することにより、非可変部分を構成することができる。
【0173】
一方、na,nbの値によって特性が変化する可変部分H3 ''(ω)およびH4 ''(ω)は、何れも例えば図22に示す回路構成によって実現される。図22の回路の伝達関数H' (ω)は、以下のようになる。
【0174】
H' (ω)=−D×S (69)
式(69)においてD=C×Rである。従って、例えば図22のような回路において可変コンデンサ132の容量Cおよび可変抵抗器133の抵抗値Rの値が4ビットのレジスタによって設定される値に従ってCPU100によって制御されるようにした回路を2個接続することによって、可変部分を構成することができる。そして、一方をnaに従って制御される部分(すなわちH3 ''(ω))として用い、他方をnbに従って制御される部分(すなわちH4 ''(ω))として用いるようにすれば良い。
【0175】
この発明の一実施例においては、可変部分をωzaおよびωzbの2個とし、na,nbとして4ビットで表現できる整数を用いた。アナログフィルタの最適化の精度を向上させるためには、na,nbの値をさらに細かく設定することが有効である。このため、最適化の精度を向上させるためにna,nbをさらに大きいビット数で表現するようにしても良い。また、最適化の精度を向上させるためにカットオフ周波数ωC の値に対応する可変数を用いてωC も可変とするようにしても良い。
【0176】
また、この発明は、記録媒体に記録されたデータから再生される再生信号から、リードデータを復号するためにビタビ復号方法を用いる情報再生装置に適用することができる。すなわち、光磁気ディスク(MO)以外にも、例えば相変化型ディスクPD、CD−E(CD-Erasable )等の書き換え可能ディスク、CD−R等の追記型ディスク、CD−ROM等の読み出し専用ディスク等の光ディスク装置に適用することが可能である。また、この発明は、この実施例に限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の応用および変形が考えられる。
【0177】
【発明の効果】
上述したように、この発明は、伝達関数を2個の独立な可変数を用いて変化させることによって、アナログフィルタのインパルス応答を制御できるように構成したものなので、インパルス応答を非対称に制御することが可能である。
【0178】
従って、キャリブレーション時等に、MSEを最小とするようにアナログフィルタのインパルス応答を制御することによって、ディジタルフィルタと同等なインパルス応答を得ることができる。
【0179】
一方、ディジタルフィルタを使用する場合に比べてフィルタ部のハード構成を簡略化することができる。さらに、ディジタルフィルタの動作において問題となる、クロック周期分の遅延が生じることを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】4値4状態ビタビ復号方法を行う光磁気ディスク装置の一例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】マーク位置記録方法およびマークエッジ記録方法について説明するための略線図である。
【図3】光磁気ディスクのセクタフォーマットの一例について説明するための略線図である。
【図4】RLL(1,7)符号化方法において、最小磁化反転幅が2であることを示す略線図である。
【図5】RLL(1,7)符号とマークエッジ記録方法の組合わせによって記録されたデータから再生される再生信号を、パーシャルレスポンス特性PR(1,2,1)の下で波形等化した時のアイ・パターンについて説明するための略線図である。
【図6】4値4状態ビタビ復号方法の状態遷移図を作成する過程について説明するための略線図である。
【図7】4値4状態ビタビ復号方法の状態遷移図である。
【図8】4値4状態ビタビ復号方法におけるトレリス線図の一例を示す略線図である。
【図9】4値4状態ビタビ復号方法において、規格化メトリックに基づく状態遷移の条件を示す略線図である。
【図10】4値4状態ビタビ復号を行うビタビ復号器の一例の全体構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示したビタビ復号器の一例の一部分の一例の構成を詳細に示すブロック図である。
【図12】図10に示したビタビ復号器の一例の他の一部分の構成を詳細に示すブロック図である。
【図13】図10に示したビタビ復号器の一例のさらに他の一部分の構成を詳細に示すブロック図である。
【図14】この発明の一実施例の全体構成を示すブロック図である。
【図15】この発明を適用することができるイクイリップルフィルタのインパルス応答について説明するための略線図である。
【図16】この発明と対比されるディタルフィルタについて説明するための略線図である。
【図17】この発明の一実施例において用いられるマップについて説明するための略線図の一部である。
【図18】この発明の一実施例において用いられるマップについて説明するための略線図他の一部である。
【図19】この発明の一実施例においてなされるnaおよびnbを選択する手順について説明するためのフローチャートである。
【図20】図19を用いて説明したnaおよびnbを選択する手順を実現するための構成の一例について説明するための略線図である。
【図21】この発明の一実施例において用いられるフィルタ部の一例について、一部の構成を詳細に示す略線図である。
【図22】この発明の一実施例において用いられるフィルタ部の一例について、他の一部の構成を詳細に示す略線図である。
【符号の説明】
2・・・コントローラ、4・・・レーザパワーコントロール部(LPC)、5・・・磁気ヘッド、6・・・光磁気ディスク、7・・・光ピックアップ、10・・・切替えスイッチ、11・・・フィルタ部、12・・・A/D変換器、13・・・ビタビ復号器、14・・・PLL部、20・・・ブランチメトリック計算回路(BMC)、21・・・加算、比較および選択回路(ACS)、22・・・圧縮およびラッチ回路、23・・・パスメモリユニット(PMU)、24・・・A型パスメモリ、25・・・B型パスメモリ、26・・・A型パスメモリ、27・・・B型パスメモリ、51・・・加算器、52・・・加算器、53・・・加算器、54・・・加算器、55・・・比較器、56・・・加算器、57・・・比較器、58・・・加算器、300 〜3014・・・フリップフロップ、311 〜3114・・・セレクタ、320 〜3214・・・フリップフロップ、110・・・フィルタ部、100・・・装置制御部(CPU)、101・・・Digital Signal Processor(DSP)、132・・・可変コンデンサ、133・・・可変抵抗器

Claims (2)

  1. PRML方法を用いる情報再生装置であって
    記録媒体から再生される再生信号を波形等化し、その伝達関数が一組の数値によって制御可能なアナログフィルタと、
    上記波形等化により生成された信号に基づいて、2乗平均誤差量を計算する誤差量検出手段と、
    離散インパルス応答において一つの基準インパルス応答に対して他の複数のインパルス応答の振幅比をそれぞれ独立に定め、上記振幅比の組み合せと上記一組の数値の対応関係のマップを記憶する記憶手段と、
    上記2乗平均誤差量を最小とする上記振幅比を選択し、選択された振幅比に対応する上記一組の数値を選択して上記アナログフィルタを調整する制御手段
    を有することを特徴とする情報再生装置。
  2. PRML方法を用いる情報再生方法であって、
    その伝達関数が一組の数値によって制御可能なアナログフィルタによって記録媒体から再生される再生信号を波形等化するステップと、
    上記波形等化により生成された信号に基づいて、2乗平均誤差量を計算する誤差量検出ステップと、
    離散インパルス応答において一つの基準インパルス応答に対して他の複数のインパルス応答の振幅比をそれぞれ独立に定め、上記振幅比の組み合せと上記一組の数値の対応関係のマップを記憶する記憶ステップと、
    上記2乗平均誤差量を最小とする上記振幅比を選択し、選択された振幅比に対応する上記一組の数値を選択して上記アナログフィルタを調整する制御ステップと
    を有することを特徴とする情報再生方法。
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