JPH1186251A - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドの製造方法

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JPH1186251A
JPH1186251A JP9265153A JP26515397A JPH1186251A JP H1186251 A JPH1186251 A JP H1186251A JP 9265153 A JP9265153 A JP 9265153A JP 26515397 A JP26515397 A JP 26515397A JP H1186251 A JPH1186251 A JP H1186251A
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bar
rail
lapping
aging
slider
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Tokuyoshi Tsunoda
篤義 角田
Masao Yamaguchi
正雄 山口
Noboru Kamikura
昇 神蔵
Takaaki Takano
卓見 鷹野
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Original Assignee
TDK Corp
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    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B5/60Fluid-dynamic spacing of heads from record-carriers
    • G11B5/6005Specially adapted for spacing from a rotating disc using a fluid cushion
    • GPHYSICS
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レール及び負圧発生部の形成時にABS面の
高平坦度を維持でき、その結果、高精度の微細で複雑な
形状のレール及び負圧発生部を形成できる磁気ヘッドの
製造方法を提供する。 【解決手段】 ABS面を有するスライダを備えた磁気
ヘッドの製造方法は、エージング工程と、最終ラッピン
グ処理を含むラッピング工程と、最終ラッピング処理の
後に行われるレール形成工程と、レール形成工程の後に
行われ、バーから個々のスライダに分離する切り出し工
程とを含み、エージング工程が、最終ラッピング処理の
前及び/又は最終ラッピング処理と同時に行われ、レー
ル形成工程が、フォトリソグラフィを用いたエッチング
処理を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアベアリング面
(以下ABS面と称する)を有するスライダを備えた浮
上型磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】浮上型磁気ヘッドを製造する際のスライ
ダ加工方法としては、次の方法が最も一般的である。ま
ず、多数の磁気変換素子がマトリクス状に形成されたウ
エハを切断して、複数のスライダが一列状又は複数列状
に配列されたバー(ヘッドスライダブロック)を切り出
し、このバーを加工治具に装着して、ABS面となる側
に溝を研削加工することによりレールを形成する。次い
で、加工治具に装着した状態でバーを個々のスライダピ
ースに分離切断し、加工治具に装着したままレール面を
ラッピング処理してABS面を仕上げ、その後、加工治
具から個々のスライダピースを剥離することによって磁
気ヘッドを得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近の
大容量ディスクドライブに対応する磁気抵抗効果型(M
R)ヘッド等の磁気ヘッドは、そのABS面を構成する
レール形状が負圧エアベアリング(NPAB)形状と称
される複雑なものとなっていることが多いので、上述の
ような研削加工ではレール形成を行うことができず、フ
ォトリソグラフィ技術を利用したエッチング処理によっ
てレール及び負圧発生部が形成される(例えば、特公平
5−8488号公報)。
【0004】このようなNPAB形状の磁気ヘッドで
は、超低浮上量(20〜60nm)が要求されるため、
その精度を確保するべくABS面それ自体のみでなくレ
ール深さ(負圧発生部深さ)をも精度良くコントロール
する必要があり、従って基準面であるABS面の平坦化
を高度に保つことが要求される。
【0005】ABS面の平面度を向上させる目的で、バ
ーに溝を研削加工することによってレールを形成し、加
工治具に装着した状態でバーを個々のスライダピースに
分離切断し、次いで、加工治具に装着したまま各スライ
ダピースにエージング処理を行った後、レール面をラッ
ピング処理してABS面を仕上げ、その後、加工治具か
ら個々のスライダピースを剥離することによって磁気ヘ
ッドを得る方法が公知である(特開昭63−19130
9号公報、特開平3−295017号公報、特開平4−
134717号公報)。
【0006】この公知の方法によれば、エージング処理
によって内部応力が解放されるのである程度の平坦度は
得られる。しかしながら、加工治具に装着した状態では
あるものの個々のスライダピースに分離切断した後にA
BS面のラッピング処理が行われるため、そのラッピン
グ処理にスライダピースの側面から受ける応力によって
スライダピース自体が動き易く、高平坦度の確保には限
界がある。
【0007】従って本発明の目的は、レール及び負圧発
生部の形成時にABS面の高平坦度を維持でき、その結
果、高精度の微細で複雑な形状のレール及び負圧発生部
を形成できる磁気ヘッドの製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ABS
面を有するスライダを備えた磁気ヘッドの製造方法は、
エージング工程と、最終ラッピング処理を含むラッピン
グ工程と、最終ラッピング処理の後に行われるレール形
成工程と、レール形成工程の後に行われ、バーから個々
のスライダに分離する切り出し工程とを含み、エージン
グ工程が、最終ラッピング処理の前及び/又は最終ラッ
ピング処理と同時に行われ、レール形成工程が、フォト
リソグラフィを用いたエッチング処理を含んでいる。
【0009】最終ラッピング処理の前及び/又は最終ラ
ッピング処理と同時にバーの内部応力を解放するエージ
ング処理が行われ、次いで、各スライダのレール及び負
圧発生部が形成される。このように、レール及び負圧発
生部の形成前にエージング処理を伴うラッピング処理が
行われるので、レール及び負圧発生部の形成時には、バ
ーは内部の残留歪及び接着剤の内部応力から解放されて
いることとなり、高平坦度のABS面を維持できる。そ
の結果、高精度のNPAB形状を形成できるので、超低
浮上量を安定して提供できる磁気ヘッドが得られる。し
かも、エージング処理を伴うラッピング処理がバー状態
のままで行われるので、ラッピング処理時のバーの変形
及び位置ずれが発生しにくくなり、その意味からもAB
S面の高平坦度を確保できる。
【0010】フォトリソグラフィが、レジストフィルム
を用いたパターニングであることが好ましい。また、エ
ッチング処理が、ドライエッチングであることも好まし
い。
【0011】本発明の一実施態様によれば、ラッピング
工程が、最終ラッピング処理のみからなる。また、本発
明の他の実施態様によれば、ラッピング工程が、最終ラ
ッピング処理を含む複数のラッピング処理からなる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の製造方法の一実施
形態における各工程を概略的に示す工程図であり、図2
は図1に示すレールエッチング工程の詳細を示す工程図
である。
【0013】図1に示すように、まず、多数の磁気変換
素子、リード及び入出力端子等がマトリクス状に形成さ
れたウエハ(図示なし)を切断して、図3に示すごと
く、磁気変換素子30、リード31及び入出力端子32
等をそれぞれ有する複数のスライダが一列状に配列され
たバー(ヘッドスライダブロック)33を切り出す(ス
テップS1)。
【0014】次いで、図4に示すように、このバー33
を、加熱により軟化する特性を有する接着剤34により
加工治具35上に固着する(ステップS2)。この場
合、バー33のABS面となる面33aが加工治具35
の上方に向くように接着する。
【0015】次いで、エージング処理を行う(ステップ
S3)。このエージング処理は、例えば、バー33が接
着された加工治具35をホットプレート36上に置いて
加熱することによって行う。加熱により、バー33はそ
れ自身の内部歪及び接着剤34の内部応力による歪から
解放される。エージング温度は、基本的には用いる接着
樹脂の軟化点より低い温度であれば良く、具体的には、
30〜100℃、好ましくは30〜50℃であり、特に
好ましくは40℃である。エージング時間は1〜10時
間であり、好ましくは1〜3時間である。この加熱に
は、ホットプレートの他にオーブンを用いても良い。
【0016】エージング処理の後、図6に示すように、
ラッピング処理が行われる(ステップS4)。このラッ
ピング処理は、バー33のABS面となる面33aを回
転する研磨部材37に押し当てることによってなされ
る。研磨部材37は、例えば錫等の軟質金属材料とダイ
アモンド砥粒とから構成される。また、異なる研磨部材
として、セラミックを用いても良い。エージング処理
(ステップS3)に続くこのラッピング処理(ステップ
S4)により、バー33の内部歪及び接着剤34の内部
応力による歪から解放された状態でラッピングが行える
ので、ABS面の平坦度を非常に高い値とすることがで
きる。
【0017】ラッピング処理が終了した後、バー33を
加工治具35から剥離し(ステップS5)、次のフォト
リソグラフィを用いたエッチング処理を含むレールエッ
チング工程(ステップS6)を実施する。
【0018】このレールエッチング工程では、まず、ダ
イアモンドライクカーボン(DLC)膜をバー33のA
BS面33aに被着する(図2のステップS61)。次
いで、図7に示すように、同様に形成した複数のバー3
3を、このレールエッチング工程専用の加工治具38に
接着する(ステップS62)。この場合、加工治具38
に接着した各バーのABS面の高さのバラツキが10μ
m以下となるように接着する。
【0019】次いで、治具38上に配列された複数のバ
ー33のABS面33a上に20〜30μm厚のドライ
フィルムをラミネートしてフォトレジスト膜(この例で
はネガタイプ)を被着する(ステップS63)。このフ
ォトレジスト膜の被着工程は、図8に示すように、ポリ
エチレン・テレフタレート等の可撓性フィルム39によ
って支持されている有機質のフォトレジスト膜40を熱
ロール41を用いて熱圧着により転写するものである。
この場合、ABS面が高平坦度を有していないと、フォ
トレジスト膜40にしわが生じ易くなり、高精度のパタ
ーニングが期待できなくなる。本実施形態では、エージ
ング処理(ステップS3)及びこれに続くラッピング処
理(ステップS4)により、ABS面の平坦度を非常に
高い値に維持できるので、正確なパターニングを行うこ
とができる。
【0020】次いで、被着されたフォトレジスト膜の上
に露光用のマスク(図示なし)を配置して(ステップS
64)、露光する(ステップS65)。その後、アルカ
リ現像液により未露光部分をエッチングして、フォトレ
ジスト膜のレール形成に不要な部分を除去する(ステッ
プS66)ことによりパターニングを終了する。
【0021】その後、図9に示すように、反応性イオン
エッチング等のパターンエッチング工程によって残され
たレジスト膜40a上からABS面にイオンミリングを
施し、レール部33b及び負圧発生部33cの形成を行
う(ステップS67)。この場合、エッチングの深さ
を、近い将来要求される3μm±0.09μmの規格公
差内に制御するためには、ABS面が高平坦度を有して
いる必要がある。本実施形態では、エージング処理(ス
テップS3)及びこれに続くラッピング処理(ステップ
S4)により、ABS面の平坦度を非常に高い値に維持
できるので、この規格公差内に制御することが可能であ
る。
【0022】次いで、各バー33を治具38から剥離し
(ステップS68)、アセトン等で残ったレジスト膜を
除去する(ステップS69)。
【0023】以上のレールエッチング工程(ステップS
6)を実施した後、マシニングによって、バー33を切
断し、個々のスライダピースに分割する(図1のステッ
プS7)。
【0024】図10は、このようにして製造された例え
ばNPAB形状等のミクロンオーダ以下の微細で複雑な
形状のレールを有するスライダピースの一例を示してい
る。同図において、42はこのような微細で複雑な形状
のレールのABS面、43は負圧発生部、30は磁気変
換素子、31はリード、32は入出力端子をそれぞれ示
している。
【0025】このように本実施形態では、ラッピング処
理の前にバーの内部応力を解放するためのエージング処
理が行われ、次いで、各スライダのレール及び負圧発生
部が形成される。このように、レール及び負圧発生部の
形成前にエージング処理を伴うラッピング処理が行われ
るので、レール及び負圧発生部の形成時には、バーは内
部の残留歪及び接着剤の内部応力から解放されているこ
ととなり、高平坦度のABS面を維持できる。その結
果、高精度の例えばNPAB形状等のミクロンオーダ以
下の微細で複雑な形状のレールを形成できるので、超低
浮上量を安定して提供できる磁気ヘッドが得られる。因
に、エージング処理を行わずラッピング処理のみを行っ
てレールエッチングした場合に最終的に得られるABS
面の平坦度は、そのツイスト値のσが4.6(nm)で
あり、本実施形態のごとく、ラッピング処理の前にバー
のABS面を平坦化するエージング処理を行ってレール
エッチングした場合に最終的に得られるABS面の平坦
度は、そのツイスト値のσが2.0(nm)以下であっ
た。
【0026】さらに本実施形態では、エージング処理を
伴うラッピング処理がバー状態のままで行われるので、
ラッピング処理時のバーの変形及び位置ずれが発生しに
くくなり、この点でもABS面の高平坦度を確保でき
る。因に、エージング処理を伴うラッピング処理をスラ
イダピースに分割後に行ってレールエッチングした場合
に最終的に得られるABS面の平坦度は、そのツイスト
値のσが10〜20(nm)であり、本実施形態のごと
く、エージング処理を伴うラッピング処理をバー状態で
行ってレールエッチングした場合に最終的に得られるA
BS面の平坦度は、そのツイスト値のσが2.0(n
m)以下であった。
【0027】ここで、平坦度を表わすツイスト値につい
て、簡単に説明する。図11(A)に示すスライダの2
つのレール111及び112の各々について最小自乗平
面を算出し、4点A〜Dを決定する。ここで、点A及び
Bは、レール111の最小自乗平面の両端部近傍の所定
位置の点であり、点C及びDは、レール112の最小自
乗平面の両端部近傍の所定位置の点である。同図(B)
に示すように、このようにして定めた点A、C及びDに
よって形成される平面113と、点Bとの距離がツイス
ト値である。ただし、点Bが平面113に対してZ軸の
正の側にある場合はツイスト値を正とし、逆の場合は負
とする。なお、このようなツイスト値の測定は、東京精
密株式会社製の「L−FT−10B」等によって測定で
きる。
【0028】図12は本発明の製造方法の他の実施形態
における各工程を概略的に示す工程図である。なお、図
1の実施形態の場合と同様の工程については、図1の実
施形態の説明と同じ図面及び同じ参照符号を用いること
とする。
【0029】同図に示すように、まず、多数の磁気変換
素子、リード及び入出力端子等がマトリクス状に形成さ
れたウエハ(図示なし)を切断して、図3に示すよう
な、磁気変換素子30、リード31及び入出力端子32
等をそれぞれ有する複数のスライダが一列状に配列され
たバー33を切り出す(ステップS121)。
【0030】次いで、図4に示すように、このバー33
を、加熱により軟化する特性を有する接着剤34により
加工治具35上に固着する(ステップS122)。この
場合、バー33のABS面となる面33aが加工治具3
5の上方に向くように接着する。
【0031】次いで、図6に示すように、バー33の第
1のラッピング処理が行われる(ステップS123)。
このラッピング処理は、比較的粗い研磨処理であり、バ
ー33のABS面となる面33aを回転する研磨部材3
7に押し当てることによってなされる。研磨部材37
は、例えば錫等の軟質金属材料とダイアモンド砥粒とか
ら構成される。また、異なる研磨部材として、セラミッ
クを用いても良い。
【0032】次いで、エージング処理を行う(ステップ
S124)。このエージング処理は、例えば、バー33
が接着された加工治具35をホットプレート36上に置
いて加熱することによって行う。加熱により、バー33
はそれ自身の内部歪及び接着剤34の内部応力による歪
から解放される。エージング温度は、基本的には用いる
接着樹脂の軟化点より低い温度であれば良く、具体的に
は、30〜100℃、好ましくは30〜50℃であり、
特に好ましくは40℃である。エージング時間は1〜1
0時間であり、好ましくは1〜3時間である。この加熱
には、ホットプレートの他にオーブンを用いても良い。
【0033】エージング処理の後、第2のラッピング処
理が行われる(ステップS125)。このラッピング処
理は、比較的細かい研磨処理であり、バー33のABS
面となる面33aを回転する研磨部材37に押し当てる
ことによってなされる。研磨部材37は、例えば錫等の
軟質金属材料とダイアモンド砥粒とから構成される。ま
た、異なる研磨部材として、セラミックを用いても良
い。エージング処理(ステップS124)に続くこのラ
ッピング処理(ステップS125)により、バー33の
内部歪及び接着剤34の内部応力による歪から解放され
た状態でラッピングが行えるので、ABS面の平坦度を
非常に高い値とすることができる。
【0034】ラッピング処理が終了した後、バー33を
加工治具35から剥離し(ステップS126)、次のレ
ールエッチング工程(ステップS127)を実施する。
このレールエッチング工程は、図1の実施形態において
図2に基づいて説明したものと同様であるため、ここで
は説明を省略する。
【0035】レールエッチング工程を実施した後、マシ
ニングによって、バー33を切断し、個々のスライダピ
ースに分割する(ステップS128)。
【0036】このように本実施形態では、第2のラッピ
ング処理の前にバーの内部応力を解放するためのエージ
ング処理が行われ、次いで、各スライダにレール及び負
圧発生部が形成される。このように、レール及び負圧発
生部の形成前にエージング処理を伴うラッピング処理が
行われるので、レール及び負圧発生部の形成時には、バ
ーは内部の残留歪及び接着剤の内部応力から解放されて
いることとなり、高平坦度のABS面を維持できる。そ
の結果、高精度の例えばNPAB形状等のミクロンオー
ダ以下の微細で複雑な形状のレールを形成できるので、
超低浮上量を安定して提供できる磁気ヘッドが得られ
る。因に、本実施形態のごとく第2のラッピング処理の
前にバーのバーの内部応力を解放するエージング処理を
行ってレールエッチングした場合と、エージング処理を
行わずラッピング処理のみを行ってレールエッチングし
た場合との各々の場合において、各工程後のABS面の
平坦度の実測値を次の表1及び表2にそれぞれ示す。た
だし、本実施形態の場合は、サンプル数を100とし
た。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】さらに本実施形態では、エージング処理を
伴うラッピング処理がバー状態のままで行われるので、
ラッピング処理時のバーの変形及び位置ずれが発生しに
くくなり、この点でもABS面の高平坦度を確保でき
る。因に、エージング処理を伴うラッピング処理をスラ
イダピースに分割後に行ってレールエッチングした場合
に最終的に得られるABS面の平坦度は、そのツイスト
値のσが10〜20(nm)であり、本実施形態のごと
く、エージング処理を伴うラッピング処理をバー状態で
行ってレールエッチングした場合に最終的に得られるA
BS面の平坦度は、そのツイスト値のσが2.0(n
m)以下であった。
【0040】図13は本発明の製造方法の他の実施形態
における各工程を概略的に示す工程図である。なお、図
1の実施形態の場合と同様の工程については、図1の実
施形態の説明と同じ図面及び同じ参照符号を用いること
とする。
【0041】同図に示すように、まず、多数の磁気変換
素子、リード及び入出力端子等がマトリクス状に形成さ
れたウエハ(図示なし)を切断して、図3に示すよう
な、磁気変換素子30、リード31及び入出力端子32
等をそれぞれ有する複数のスライダが一列状に配列され
たバー33を切り出す(ステップS131)。
【0042】次いで、図4に示すように、このバー33
を、加熱により軟化する特性を有する接着剤34により
加工治具35上に固着する(ステップS132)。この
場合、バー33のABS面となる面33aが加工治具3
5の上方に向くように接着する。
【0043】次いで、図6に示すように、バー33の第
1のラッピング処理が行われる(ステップS133)。
このラッピング処理は、比較的粗い研磨処理であり、バ
ー33のABS面となる面33aを回転する研磨部材3
7に押し当てることによってなされる。研磨部材37
は、例えば錫等の軟質金属材料とダイアモンド砥粒とか
ら構成される。また、異なる研磨部材として、セラミッ
クを用いても良い。
【0044】次いで、エージング処理及び第2のラッピ
ング処理を同時に行う(ステップS134)。この処理
は、例えば、バー33を加熱しながらこのバー33のA
BS面となる面33aを回転する研磨部材37に押し当
てることによって比較的細かい研磨処理を行う。加熱に
より、バー33はそれ自身の内部歪及び接着剤34の内
部応力による歪から解放される。エージング温度は、基
本的には用いる接着樹脂の軟化点より低い温度であれば
良く、具体的には、30〜100℃、好ましくは30〜
50℃であり、特に好ましくは40℃である。エージン
グ時間は1〜10時間であり、好ましくは1〜3時間で
ある。この加熱には、ホットプレートの他にオーブンを
用いても良い。研磨部材37は、例えば錫等の軟質金属
材料とダイアモンド砥粒とから構成される。また、異な
る研磨部材として、セラミックを用いても良い。エージ
ング処理とラッピング処理とを同時に行うことにより、
バー33の内部歪及び接着剤34の内部応力による歪か
ら解放された状態でラッピングが行えるので、ABS面
の平坦度を非常に高い値とすることができる。しかも、
同時に行えば、処理時間がその分短縮化される。
【0045】エージング処理及び第2のラッピング処理
が終了した後、バー33を加工治具35から剥離し(ス
テップS135)、次のレールエッチング工程(ステッ
プS136)を実施する。このレールエッチング工程
は、図1の実施形態において図2に基づいて説明したも
のと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0046】レールエッチング工程を実施した後、マシ
ニングによって、バー33を切断し、個々のスライダピ
ースに分割する(ステップS137)。
【0047】このように本実施形態では、ラッピング処
理と同時にバーの内部応力を解放するためのエージング
処理が行われ、次いで、各スライダにレール及び負圧発
生部が形成される。このように、レール及び負圧発生部
の形成前にエージング処理を伴うラッピング処理が行わ
れるので、レール及び負圧発生部の形成時には、バーは
内部の残留歪及び接着剤の内部応力から解放されている
こととなり、高平坦度のABS面を維持できる。その結
果、高精度の例えばNPAB形状等のミクロンオーダ以
下の微細で複雑な形状のレールを形成できるので、超低
浮上量を安定して提供できる磁気ヘッドが得られる。因
に、エージング処理を行わずラッピング処理のみを行っ
てレールエッチングした場合に最終的に得られるABS
面の平坦度は、そのツイスト値のσが4.6(nm)で
あり、本実施形態のごとく、ラッピング処理の前にバー
のABS面を平坦化するエージング処理を行ってレール
エッチングした場合に最終的に得られるABS面の平坦
度は、そのツイスト値のσが2.0(nm)以下であっ
た。
【0048】さらに本実施形態では、エージング処理を
伴うラッピング処理がバー状態のままで行われるので、
ラッピング処理時のバーの変形及び位置ずれが発生しに
くくなり、この点でもABS面の高平坦度を確保でき
る。因に、エージング処理を伴うラッピング処理をスラ
イダピースに分割後に行ってレールエッチングした場合
に最終的に得られるABS面の平坦度は、そのツイスト
値のσが10〜20(nm)であり、本実施形態のごと
く、エージング処理を伴うラッピング処理をバー状態で
行ってレールエッチングした場合に最終的に得られるA
BS面の平坦度は、そのツイスト値のσが2.0(n
m)以下であった。
【0049】以上述べた実施形態は全て本発明を例示的
に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明
は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することがで
きる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均
等範囲によってのみ規定されるものである。
【0050】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、ラッピング処理の前及び/又はラッピング処理と同
時にバーの内部応力を解放するためのエージング処理が
行われ、次いで、各スライダにレール及び負圧発生部が
形成される。このように、レール及び負圧発生部の形成
前にエージング処理を伴うラッピング処理が行われるの
で、レール及び負圧発生部の形成時には、バーは内部の
残留歪及び接着剤の内部応力から解放されていることと
なり、高平坦度のABS面を維持できる。その結果、高
精度の微細で複雑な形状のレール及び負圧発生部を形成
できるので、超低浮上量を安定して提供できる磁気ヘッ
ドが得られる。しかも、エージング処理を伴うラッピン
グ処理がバー状態のままで行われるので、ラッピング処
理時のバーの変形及び位置ずれが発生しにくくなり、そ
の意味からもABS面の高平坦度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一実施形態における各工程
を概略的に示す工程図である。
【図2】図1に示すレールエッチング工程の詳細を示す
工程図である。
【図3】図1の実施形態における切り出されたバーの斜
視図である。
【図4】図1の実施形態におけるバーを加工治具に接着
した様子を示す斜視図である。
【図5】図1の実施形態におけるバーのエージング処理
の様子を示す斜視図である。
【図6】図1の実施形態におけるバーのラッピング処理
の様子を示す斜視図である。
【図7】図1の実施形態における複数のバーをレールエ
ッチング工程用の加工治具に接着した様子を示す斜視図
である。
【図8】図1の実施形態におけるフォトレジスト膜の被
着処理の様子を示す図である。
【図9】図1の実施形態におけるレールエッチング工程
の様子を示す断面図である。
【図10】図1の実施形態により形成されたスライダピ
ース例を示す斜視図である。
【図11】ツイスト値の概念を説明するための図であ
る。
【図12】本発明の製造方法の他の実施形態における各
工程を概略的に示す工程図である。
【図13】本発明の製造方法のさらに他の実施形態にお
ける各工程を概略的に示す工程図である。
【符号の説明】
30 磁気変換素子 31 リード 32 入出力端子 33 バー 33a ABS面となる面、ABS面 33b レール部 33c、43 負圧発生部 34 接着剤 35、38 加工治具 36 ホットプレート 37 研磨部材 39 可撓性フィルム 40 フォトレジスト膜 40a 残されたレジスト膜 41 熱ロール 42 NPAB形状のレールのABS面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鷹野 卓見 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアベアリング面を有するスライダを備
    えた磁気ヘッドの製造方法であって、 エージング工程と、 最終ラッピング処理を含むラッピング工程と、 該最終ラッピング処理の後に行われるレール形成工程
    と、 該レール形成工程の後に行われ、前記バーから個々のス
    ライダに分離する切り出し工程とを含み、 前記エージング工程が、前記最終ラッピング処理の前及
    び/又は前記最終ラッピング処理と同時に行われ、 前記レール形成工程が、フォトリソグラフィを用いたエ
    ッチング処理を含むことを特徴とする磁気ヘッドの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記フォトリソグラフィが、レジストフ
    ィルムを用いたパターニングであることを特徴とする請
    求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記エッチング処理が、ドライエッチン
    グであることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記ラッピング工程が、前記最終ラッピ
    ング処理のみからなることを特徴とする請求項1から3
    のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ラッピング工程が、前記最終ラッピ
    ング処理を含む複数のラッピング処理からなることを特
    徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方
    法。
JP9265153A 1997-09-12 1997-09-12 磁気ヘッドの製造方法 Pending JPH1186251A (ja)

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