JPH1185358A - キートップ印刷装置 - Google Patents

キートップ印刷装置

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Publication number
JPH1185358A
JPH1185358A JP9245817A JP24581797A JPH1185358A JP H1185358 A JPH1185358 A JP H1185358A JP 9245817 A JP9245817 A JP 9245817A JP 24581797 A JP24581797 A JP 24581797A JP H1185358 A JPH1185358 A JP H1185358A
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JP
Japan
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pad
key
keyboard
key top
roof assembly
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Application number
JP9245817A
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English (en)
Inventor
Takayuki Suzuki
孝幸 鈴木
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication of JPH1185358A publication Critical patent/JPH1185358A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パットの製作費が安価で、かつパットの寿命
が長くなるようにする。 【解決手段】 天盤アセンブリ13に低硬度の高熱伝導
性ゴム材と、この高熱伝導性ゴム材より硬度の高い高熱
伝導性シリコンゴムシートによって構成される2層構造
のパット23設け、予備加熱したキーボード7のキート
ップ7aと天盤アセンブリ13に設けられたパット23
との間にインクシート17を供給し、前記天盤アセンブ
リ13をヒータ15によりを加熱すると共に昇降機構1
6で下降させることにより、前記パット23をインクシ
ート17を介してキートップ7aの表面に押しつけ、イ
ンクシート17に熱昇華性のインクにより印刷されてい
るキー内容をパット23の熱によりキートップ7aに転
写、印刷する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キーボードの各キ
ートップの表面にキーの内容を表す文字、数字,記号等
のキー内容を印刷するための印刷装置に関するもので、
特にキー内容の印刷を熱転写により行うキートップ印刷
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は従来のこの種のキートップ印刷
装置の斜視図である。この印刷装置は キーボードセッ
ト部1と、プレヒート部2と、転写部3と、インクシー
ト供給部4と、冷却部5と、搬送部6により構成されて
いる。ここで、キーボードセット部1は搬送部6の巡回
路の基点に配置されており、プレヒート部2,転写部
3,及び冷却部5は搬送部6上に所定の位置関係で配置
されていて、インクシート供給部4は転写部3に隣接し
て設けられている。
【0003】7はキーボード、8はワークホルダ、9は
櫛歯状に形成された位置決め治具である。尚、図中の矢
印は搬送部6によるキーボード7及びワークホルダ8の
搬送経路を示している。図12はキーボードセット部1
を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は側面図
であり、この図に見られるように、キーボード7はキー
ボードセット部1でワークホルダー8に複数台並べてセ
ットされる。
【0004】図13はキーボードセット状態を示す図
で、同図(A)は斜視図、同図(B)は図(A)におけ
る部分的な拡大断面図であり、この図に見られるように
各キーボード7のキートップ7aのガタツキを押さえて
位置決めをするために位置決め治具9の櫛歯状部分がキ
ートップ7a間に挿入される。図14はマスクのセット
工程を示す図で、同図(A)はマスクセット前の斜視
図、同図(B)はマスクセット後の斜視図である。
【0005】図において10はキーボード7のキースイ
ッチベースを熱から保護して変形を防止するために断熱
性を有する薄板により形成されたマスクで、図14
(A)に示したようにワークホルダー8にセットされた
各キーボード7の各キートップ6aに対応するように複
数の孔が設けられ、図14(B)に示したように各孔か
らキートップ6aの上部が露出するようにマスク10は
キーボード7上にセットされる。
【0006】こうしてキーボード7と共に櫛歯状治具9
及びマスク10をセットしたワークホルダ8はキーボー
ドセット部1から図11に示す搬送部6上に送り込まれ
る。この搬送部6は自動搬送用のコンベア機構によって
構成され、キーボードセット部1からワークホルダ8が
送り込まれると、このワークホルダ8をプレヒート部2
に搬送する。
【0007】図15はプレヒート部2の構造を示す図
で、このプレヒート部2は図示したように遠赤外線パネ
ルヒータ11と、温度設定表示器12と、遠赤外線パネ
ルヒータ11を上下動させる図示しない昇降機構を有し
ている。従って、遠赤外線パネルヒータ11を昇降機構
により上下方向の所定の位置に位置づけ、予め温度設定
表示器12により設定した温度でプレヒート部2に搬送
されてきたワークホルダ8上のキーボード7のキートッ
プ7aを遠赤外線パネルヒーター11により予備加熱す
る。
【0008】例えば、キートップ7aが、熱変形温度1
80°C〜230°CのPBTで形成されて入る場合、
遠赤外線パネルヒータ11からの遠赤外線によりキート
ップ7aの表面温度が140°C〜160°Cになるよ
うに予備加熱する。予備加熱後、ワークホルダ8は搬送
部6により転写部3に搬送される。図16は転写部3の
構造を示す図で、同図(A)は側面図、同図(B)は要
部を断面とした部分拡大図であり、この転写部3は、天
盤アセンブリ13と、この天盤アセンブリ13をセット
するための天盤セット板14と、天盤アセンブリ13を
加熱するための熱源としてのヒータ15と、これらを一
体に上下動させるためのエアシリンダー等による昇降機
構16により構成されている。
【0009】ここで天盤アセンブリ13はキーボード7
の種類に応じて交換可能としたもので、天盤セット板1
4にボルト等で固定されたそりのない板状の天盤13a
と、この天盤13aにねじ等で固定された筒状の複数の
ピストン支持ブロック13bと、各ピストン支持ブロッ
ク13b内に抜け止めを施して摺動可能に嵌着されたピ
ストン13cと、このピストン13cを下方に付勢する
ようにピストン13cと天盤13aとの間に設けられた
付勢手段としてのコイルスプリング13dと、ピストン
13cの下面(先端面)にネジによって取り付けられた
アルミプレート13eと、このアルミプレート13eに
接着された熱伝導性及び弾力性を有する弾性体製のパッ
ト13fとからなり、このパット13fは下面(先端
面)がキートップ7aの上面の形状に適合するように形
成したものとなっている。
【0010】尚、天盤アセンブリ13のパット13fを
除く構成要素、及び天盤セット板14は、熱伝達性のよ
い金属で形成されている。このような構成を有する転写
部3は、天盤アセンブリ13が上方に待機した状態にお
いて、プレヒート部2でキートップ7aが予備加熱され
たキーボード7とをセットしたワークホルダ8が搬送部
6により搬送されてきて、かつこのキートップ7aとパ
ット13fとの間に図16(B)に示したようにインク
シート供給部4からインクシート17がセットされる
と、昇降機構16が天盤アセンブリ13を下降させる。
【0011】これによりインクシート17介して各パッ
ト13fをキーボード7の各キートップ7aの上面に押
しつけ、荷重をかけてインクシート17を各キートップ
7aの上面に密着させるが、このとき、各パット13f
はコイルスプリング13dにより付勢されているので、
各パット13fは一定の力でキートップ7aを押圧す
る。
【0012】一方、このとき天盤アセンブリ13は、各
パット13fの表面温度が170°C〜240°Cにな
るようにヒータ15により加熱されており、また各キー
トップ7aは前記のように表面温度が140°C〜16
0°Cになるようにプレヒート部2で予備加熱されてい
て、熱昇華インクが各キートップ7aに浸透し易くなっ
ているため、インクシート17に揮発性の熱昇華インク
で印刷されたキー内容が各パット13fの熱により昇華
して文字,数字,記号等のキー内容が各キートップ7a
に転写,印刷される。
【0013】尚、キーボード7のキースイッチベース
が、例えば、熱変形温度85°CのABSまたはPSで
形成されている場合、このキースイッチベースが転写部
3で熱変形しないようにその表面温度がマスク10によ
り70°C〜80°Cに抑えられ、保護される。図17
はインクシート供給部4の構造を示す側面図である。
【0014】インクシート17は、所定の用紙に揮発性
の熱昇華インクでキー内容を印刷したもので、1キーボ
ード〜数キーボード分の単位のものが用いられる。この
インクシート17はストッカー18上にストックされ、
インクシート位置決め部19に1枚送られて位置決めさ
れた後、トラバーサ20により転写部3に移送されて前
記のようにキートップ7aとパット13fとの間にセッ
トされるものとなっている。
【0015】さて、前記のように転写部3で、キーボー
ド7の各キートップ7aのキー内容が転写印刷される
と、ワークホルダ8は搬送部6により冷却部5に搬送さ
れる。図18は冷却部5の構造を示す側面図で、この図
に示したように冷却部5はクーラー21を備え、このク
ーラー21により送風管22を介して冷気をワークホル
ダ8上のキーボード7に吹きつける。
【0016】これによりキートップ7a及びキースイッ
チベースが急激に冷却され、転写部3での加熱による変
形が防止される。冷却後、ワークホルダ8は搬送部6に
よりキーボードセット部1に搬送され、キートップ7a
にキー内容が転写印刷されたキーボード7がワークホル
ダ8から取り外される。
【0017】以上の処理が繰り返し行われる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
従来の技術では以下の問題がある。すなわち、従来の装
置において、天盤アセンブリに用いられるパットは、単
一の弾性体により形成されており、その変形性及び復元
性が低いため、パットとキートップとの所定の密着性を
得るには、パット下面の形状をキートップの形状に合わ
せなければならず、そのためキートップの種類に応じて
パットの成形にそれぞれ専用の金型が必要となってしま
い、極めて高価なものになるという問題がある。
【0019】また、パットの変形性及び復元性が低いた
め、劣化も早く、使用できる回数が少ないため、交換回
数が増えて、保守コストが高くなるという問題もあっ
た。また、従来の技術では、天盤アセンブリは、天盤、
ピストン支持ブロック、ピストン、コイルスプリング、
アルミプレート、及びパットとい多数の部品により構成
されているため、構造が複雑となり、組み立て工数も多
くかかると共に、高価で、しかも製造に長期間の日数を
要するという問題がある。
【0020】そして、このように天盤アセンブリの製造
に長期間の日数を要することから、短期間に新製品を立
ち上げることが困難になるという問題も生じてくる。ま
た、天盤アセンブリにおけるピストン支持ブロックやピ
ストンつまり摺動部は、印刷するキートップの数だけ必
要になるため、多数の摺動部を有する構造となり、その
ため磨耗による不具合が発生すると、その度に部品交
換、部品購入が必要となって、保守,交換費用、部品購
入費用がかさむという問題がある。
【0021】また、転写部のヒータからの熱は、天盤セ
ット板から天盤アセンブリの天盤,ピストン支持ブロッ
ク、ピストン、及びコイルスプリングを介してパットに
伝えられるため、ヒータからパットに熱が伝達するまで
の間に多くの部品が介在することになり、しかも、ヒー
タからパット先端までの距離が長く(例えば、60m
m)、かつピストン支持ブロックの外周の面積が大きい
こと、及び間隔が大きいことによって放熱量も大きく、
そのため熱伝達効率が低下すると共に、場所によってパ
ットへの熱伝達にばらつきが生じて印刷濃度にむらが生
じるという問題もある。
【0022】すなわち、図19はキーボード7の一例を
示す図で、従来の装置では、複数のキートップ7aのう
ち、斜線で示した、外周側のキートップ7aの印刷濃度
が中央のキートップ7aの印刷濃度より薄くなる傾向に
ある。更に、転写部における熱効率が悪く、パットへの
熱伝達にばらつきが生じるため、プレヒート部で高めの
温度で予備加熱をオペレータ必要があり、そのためプレ
ヒート部における熱源として高価な遠赤外線パネルヒー
タが必要となって装置のコストアップを招くという問題
もあった。
【0023】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は、キ
ーボードを予備加熱するプレヒート部と、前記キーボー
ドのキートップにキー内容を転写,印刷する転写部と、
熱昇華性のインクによりキー内容を印刷したインクシー
トを前記転写部に供給するインクシート供給部とを備
え、前記転写部は、天盤アセンブリと、この天盤アセン
ブリを加熱する熱源と、この熱源と一体に前記天盤アセ
ンブリを昇降させる昇降機構を有し、前記天盤アセンブ
リは、金属平板による天盤と、この天盤に設けられた複
数のピストン支持ブロックと、このピストン支持ブロッ
クに摺動可能に嵌装されたピストンと、このピストンを
下方に付勢する付勢手段と、前記ピストンに設けられた
プレートと、このプレートに取り付けられた低硬度の高
熱伝導性ゴム材及び高熱伝導性シリコンゴムシートによ
る2層構造の平板状のパットからなる構造としたもので
ある。
【0024】このようにした本発明によれば、低硬度の
高熱伝導性シリコンゴムと高熱伝導性シリコンゴムシー
トによって構成されるパットを用いているため、従来の
パットに比べてキートップ上面の形状に対するパットの
変形,追従性が向上し、かつ低硬度高熱伝導性シリコン
ゴムより硬度のある高熱伝導性シリコンゴムシートによ
り低硬度高熱伝導性シリコンゴムの復元性が向上する。
【0025】そのため、低硬度高熱伝導性シリコンゴム
と低硬度高熱伝導性シリコンゴムと高熱伝導性シリコン
ゴムシートからなる2層の平板状のゴムでパットを形成
することが可能となり、従来のようにパット下面の形状
をキートップの形状に合わせるための専用の金型が不要
となり、外形抜き型によりパットを製作できるので、パ
ットの製作費が安価になる。
【0026】また、パットの変形性及び復元性が向上す
るため、従来に比べて寿命が長くなって、交換回数が減
り、保守のコストも安くなる。また、本発明は、キーボ
ードを予備加熱するプレヒート部と、前記キーボードの
キートップにキー内容を転写,印刷する転写部と、熱昇
華性のインクによりキー内容を印刷したインクシートを
前記転写部に供給するインクシート供給部とを備え、前
記転写部は、天盤アセンブリと、この天盤アセンブリを
加熱する熱源と、この熱源と一体に前記天盤アセンブリ
を昇降させる昇降機構を有し、前記天盤アセンブリは、
金属製の本体と、この本体に設けられた突起と、この突
起に取り付けられた低硬度の高熱伝導性ゴム材及び高熱
伝導性シリコンゴムシートによる2層構造の平板状のパ
ットからなる構造としたものである。
【0027】このようにした本発明によれば、天盤アセ
ンブリは、天盤とパットのみで構成されているため、構
造が簡単で、組み立て工数もすくなくなり、そのため安
価に製作できると共に、製造日数もかからず、短期間に
新製品を立ち上げる場合にも対応可能になる。また、天
盤アセンブリは、従来のような摺動部がまったくないの
で、摺動部の磨耗による部品交換という問題が生じなく
なり、保守,交換費用、部品購入費用を大幅に抑えるこ
とができる。
【0028】また、転写部の熱源タからの熱は、天盤セ
ット板から天盤アセンブリの天盤を介してパットに伝え
られるため、熱源からパットに熱が伝達するまでの間の
部品すが少なく、かつ熱源からパットの先端までの距離
が短いので、従来に比べて熱伝達効率が大幅に向上し、
場所によって熱伝達にばらつきが生じることもないの
で、印字のかすれや印刷濃度にむらが生じるという問題
がなく、均一な濃度の高品位の印刷が可能になる。
【0029】更に、転写部における熱効率が向上したこ
とによってプレヒート部として通常の電熱ヒータを用い
た恒温槽を使用することが可能となり、天盤アセンブリ
の簡素化と共に、装置のコストダウンを図ることがで
き、しかも転写部における熱効率が向上したことで、プ
レヒート部での予備加熱を高温で行う必要がなくなり、
そのため、従来使用していたキーボード変形防止用のマ
スクを省略することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明によ
るキートップ印刷装置の実施の形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態を示す図で、同図
(A)は転写部の構造を示す側面図、同図(B)は要部
を断面とした部分拡大図である。
【0031】この転写部は従来と同様に、天盤アセンブ
リ13と、この天盤アセンブリ13をセットするための
天盤セット板14と、天盤アセンブリ13を加熱するた
めのヒータ15と、これらを一体に上下動させるための
エアシリンダー等による昇降機構16により構成される
が、本実施の形態における天盤アセンブリ13は図2及
び図3に示す、2層構造のパッド23を使用する点で従
来の技術と異なっている。
【0032】すなわち、天盤アセンブリ13は、キーボ
ード7の機種に応じて交換可能としたもので、天盤セッ
ト板14にボルト等で固定されたそりのない金属板によ
る天盤13aと、この天盤13aにねじ等で固定された
筒状の複数のピストン支持ブロック13bと、各ピスト
ン支持ブロック13b内に抜け止めを施して摺動可能に
嵌着されたピストン13cと、このピストン13cを下
方に付勢するようにピストン13cと天盤13aとの間
に設けられた付勢手段としてのコイルスプリング13d
と、ピストン13cの下面(先端面)にネジによって取
り付けられたアルミプレート13eと、このアルミプレ
ート13eに接着固定されたパット23により構成され
ている。
【0033】図2はパッド23の拡大断面図、図3はパ
ッド23をアルミプレート13eに接着固定した状態を
示す斜視図である。図2に示したように本発明のパット
23は、比較的厚みのある母材としての低硬度高熱伝導
性シリコンゴム23aと、この低硬度高熱伝導性シリコ
ンゴム23aの片面に設けられた厚さの薄い高熱伝導性
シリコンゴムシート23bによって構成され、全体が厚
さL(例えば、1〜7mm程度の厚さ)を有する平板状
に形成されている。
【0034】パット23の母材として低硬度のゴム材で
ある低硬度高熱伝導性シリコンゴム23aを用いるの
は、キートップ7aの上面の凹状の曲面に追従させるた
めであるが、この低硬度高熱伝導性シリコンゴム23a
は、任意の負荷を繰り返し加えると塑性変形が生じるこ
とが予想されるので、この塑性変形を抑制し、復元性与
えて低硬度高熱伝導性シリコンゴム23aの長寿命化を
図るために、高熱伝導性シリコンゴムシート23bを低
硬度高熱伝導性シリコンゴム23aの片面に設けて2層
の構造としている。
【0035】これにより、「柔らかくて粘着性があ
る」、「熱伝導性に優れている」、「難燃性に優れてい
る」、「例えば、−60°C〜+210°Cの広い温度
範囲で使用できる」、「160°C〜200°Cの高温
環境下で長時間使用しても変質がない」等の特徴を有す
る2層の構造のゴム材が得られる。尚、低硬度高熱伝導
性シリコンゴム23aは任意のゴム硬度の者を選択し、
またゴム材の厚さはLはキートップ7a上面の曲面の深
さ等により選択する。
【0036】本発明では、前記の構造を持つ所定の大き
さ(例えば、1m×1mの大きさ)を有する平板状のゴ
ム材を、キーボード7のキートップの大きさに応じて形
成されたアルミプレート13eよりやや大きめの外形を
有する形状に外形抜き型により形抜きすることで個々の
パット23を製作し、図3に示したように低硬度高熱伝
導性シリコンゴム23a側を耐熱性の接着剤によりアル
ミプレート13eに接着固定する。
【0037】尚、パット23の外周は、図3に示したよ
うにアルミプレート13eの外周から全周に渡ってδ
(0.5mm以上)だけ張り出すようにしてある。この
アルミプレート13eは従来と同様に、ネジにより各ピ
ストン13cに取り付ける。尚、本実施の形態におけ
る、他の構造は従来と同様であり、全体が図14のよう
に構成されることも、従来と同様である。
【0038】次に、上述した構成の作用について説明す
る。まず、キーボードセット1でのキーボード7のセッ
トからプレヒート部2での予備加熱、転写部3への搬
送、インクシート供給部4からのインクシート17のの
供給、セットまで従来と同様に行われるので、その詳細
は省略する。そこで、図1(A)に示したように転写部
3の天盤アセンブリ13が上方に待機した状態におい
て、プレヒート部2でキートップ7aが予備加熱された
キーボード7をセットしたワークホルダ8が搬送部6に
より搬送されてきて、かつこのキートップ7aとパット
23との間に図1(B)に示したようにインクシート供
給部4からインクシート17がセットされると、昇降機
構16が天盤アセンブリ13を下降させ、インクシート
17介して各パット23をキーボード7の各キートップ
7aの上面に押しつける。
【0039】このときの、天盤アセンブリ13の下降量
は、キーボード7に押しつけられたパット23が1/2
程度の厚さに潰れるように制御することが望ましい。こ
れにより、荷重をかけてインクシート17を各キートッ
プ7aの上面に密着させるが、本実施の形態におけるパ
ット23は硬度の低い低硬度高熱伝導性シリコンゴム2
3aを有しているので、パット23は平板状であっても
低パット23がキートップ7a上面の形状に沿って変形
し、表面の高熱伝導性シリコンゴムシート23bがキー
トップ7aの上面に密着すると共に、各パット23はコ
イルスプリング13dにより付勢されているので、各パ
ット23のキートップ7aに対する均一な押圧力が得ら
れる。
【0040】一方、このとき天盤アセンブリ13は、ヒ
ータ15により加熱されており、また各キートップ7a
はプレヒート部2で予備加熱されていて、熱昇華インク
が各キートップ7aに浸透し易くなっているため、前記
のように各パット23がインクシート17を介してキー
トップ7aに均一な押圧力で密着するこにより、インク
シート17に揮発性の熱昇華インクで印刷されたキー内
容が各パット23の熱により昇華して文字,数字,記号
等のキー内容が各キートップ7aにむらなく均一に転
写,印刷される。
【0041】印刷後、キーボード7はワークホルダ8と
共に冷却部5に送られ、冷却された後、キーボードセッ
ト部1に搬送されてワークホルダ8からキーボード7が
取り外される。以上説明した、第1の実施の形態によれ
ば、低硬度高熱伝導性シリコンゴム23aとこの低硬度
高熱伝導性シリコンゴム23aの片面に設けられた高熱
伝導性シリコンゴムシート23bによって構成されるパ
ット23を用いているため、従来のパットに比べてキー
トップ上面の形状に対するパットの変形,追従性が向上
し、かつ低硬度高熱伝導性シリコンゴム23aより硬度
のある高熱伝導性シリコンゴムシート23bにより低硬
度高熱伝導性シリコンゴム23aの復元性が向上する。
【0042】そのため、低硬度高熱伝導性シリコンゴム
23aと低硬度高熱伝導性シリコンゴム23aと高熱伝
導性シリコンゴムシート23bからなる2層の平板状の
ゴムでパット23を形成することが可能となり、従来の
ようにパット下面の形状をキートップの形状に合わせる
ための専用の金型が不要となり、外形抜き型によりパッ
トを製作できるので、パットの製作費が従来に比べて約
1/3で済み、安価になるという効果が得られる。
【0043】また、パット23の変形性及び復元性が向
上するため、従来のパットが1000〜1500ショッ
トの使用回数で有ったの対し、本発明のパットは200
0〜3000ショットの使用回数に改善され、従来に比
べて寿命が倍程度ながくなるので、交換回数が減り、こ
の保守のコストも安くなるという効果も得られる。次
に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0044】図4は第2の実施の形態の側面図で、この
第2の実施の形態のキートップ印刷装置は、プレヒート
部30と、転写部31と、及びこのプレヒート部30か
ら転写部31へワークホルダ8と共にキーボード7を搬
送するように配置された搬送部32と、この搬送部32
上に設定されたキーボードセット部33、及び図示しな
いインクシート供給部により構成されている。
【0045】17は前記インクシート供給部から供給さ
れるインクシートで、従来のものに相当するものであ
る。プレヒート部30は、ドア31aを有していて、内
部の熱源として通常の電熱ヒータを有する恒温槽が用い
られている。また、搬送部32は自動搬送用のコンベア
機構によって構成されている。
【0046】転写部31は、天盤アセンブリ34と、こ
の天盤アセンブリ34をセットするための熱伝導性がよ
くかつそりのない金属板で形成された天盤セット板35
と、天盤アセンブリ34を加熱するために天盤セット板
35の上面に配置されたヒータ36と、これらを一体に
上下動させるためのエアシリンダー等による昇降機構3
7から成り、ここで天盤アセンブリ34は、キーボード
7の種類に応じて交換可能としたもので、天盤セット板
35にボルト等で固定される天盤38と、図2で説明し
た低硬度高熱伝導性シリコンゴム23aと高熱伝導性シ
リコンゴムシート23bから成るパット23によって構
成されている。
【0047】図5は第2の実施の形態に用いる天盤38
の一例を示す斜視図である。この図に見られるように天
盤38は、キーボード7数個々分の大きさを有する熱伝
導性のよい金属平板状の本体38aと、この本体38a
に一体に形成された突起38bから成り、この突起38
bは各キーボード7におけるキートップ7aと同数分設
けられている。
【0048】そして、各々の突起38bはキーボード7
の各キートップ7aの大きさに見合う外形に形成されて
いて、各突起38bの下面(先端面)は各キートップ7
aの上面の凹状の曲面形状に対応するように凸状の曲面
に形成されている。図6は天盤アセンブリ34の製造工
程を示す一部分拡大斜視図で、ここでは大きさの異なる
2つの突起38bにパット23を接着固定する場合を示
しており、同図(A)は接着前の状態、同図(B)は接
着後の状態を示している。
【0049】図6(A)に示したパット23は、第1の
実施の形態で説明した平板状のものを外形抜き型により
形抜きすることで製作したもので、このパット23の低
硬度高熱伝導性シリコンゴム23a側を耐熱性を有する
シリコン系の接着剤により突起38bの上面に沿って接
着固定するが、各々のパット23は、接着すべき突起3
8bの形状に応じてそれよりやや大きめの外形を有する
形状に設定してあり、従って接着後、各パット23の外
周は、同図(B)に示したように突起38bの外周から
全周に渡ってδ(0.5mm以上)だけ張り出すように
してある。
【0050】図7は前記のように製造された天盤アセン
ブリ34の斜視図で、この天盤アセンブリ34は図4に
示した天盤セット板35に天盤38をボルト等で固定す
ることにより取り付けられる。次に、上述した構成の作
用について説明する。まず、プレヒート部30のドアを
開いてキーボード7を複数台挿入し、ドアを閉めて、予
備加熱した後、プレヒート部30からキーボード7を取
り出し、搬送部32上のキーボードセット部33にてプ
レヒート部30から取り出した複数台のキーボード7を
ワークホルダ8にセットすると共に、各キーボード7の
キートップ7aのガタツキを押さえて位置決めをするた
めに位置決め治具9(図15参照)の櫛歯状部分をキー
トップ7a間に挿入する。
【0051】その後、このキーボード7をワークホルダ
8と共に搬送部32により転写部31に搬送する。転写
部31では、天盤アセンブリ34が上方に待機した状態
において、キーボード7をセットしたワークホルダ8が
搬送部6により搬送されてくると、キーボード7のキー
トップ7aとパット23との間に図4に示したようにイ
ンクシート供給部からインクシート17が供給され、イ
ンクシート17に印刷されている熱昇華性インクによる
キー内容の位置がキートップ7a上面の印刷位置になる
ようにセットされる。
【0052】ここで、昇降機構37が天盤アセンブリ3
4を下降させ、インクシート17介して各パット23を
キーボード7の各キートップ7aの上面に押しつける。
このときの、天盤アセンブリ13の下降量は、キーボー
ド7に押しつけられたパット23が1/2程度の厚さに
潰れるように制御することが望ましい。これにより、荷
重をかけてインクシート17を各キートップ7aの上面
に密着させるが、本実施の形態におけるパット23は硬
度の低い低硬度高熱伝導性シリコンゴム23aを有して
いるので、パット23は平板状であっても低パット23
がキートップ7a上面の形状に沿って変形し、表面の高
熱伝導性シリコンゴムシート23bがキートップ7aの
上面に密着すると共に、各パット23はコイルスプリン
グ13dにより付勢されているので、各パット23のキ
ートップ7aに対する均一な押圧力が得られる。
【0053】一方、このとき天盤アセンブリ34は、パ
ット23の表面温度が185°C〜200°Cになるよ
うにヒータ36によって加熱されており、また、各キー
トップ7aはプレヒート部30で予備加熱されていて、
熱昇華インクが各キートップ7aに浸透し易くなってい
るため、前記のように各パット23がインクシート17
を介してキートップ7aに均一な押圧力で密着するこに
より、インクシート17に揮発性の熱昇華インクで印刷
されたキー内容が各パット23の熱により昇華して文
字,数字,記号等のキー内容が各キートップ7aにかす
れやむらを生じることなく均一に転写,印刷される。
【0054】尚、前記のように各パット23は天盤38
の各突起38bより外周が張り出しているので、キーボ
ード7に対して天盤アセンブリ34の位置が多少ずれて
いても、各パット23はキートップ7aの上面全体に密
着し、パット23からの熱をキートップ7aに確実に伝
達することが可能となる。印刷終了後、昇降機構37に
より天盤アセンブリ34を上昇させ、そして搬送部32
によりキーボード7はワークホルダ8と共に、キーボー
ドセット部33に搬送して自然放熱した後、ワークホル
ダ8から取り外す。
【0055】尚、上述した実施の形態において、プレヒ
ート部30による予備加熱の時間、及び設定温度は、キ
ーボード7の大きさや台数、キーボード7をワークホル
ダ8にセットする際の時間経過によるキートップ7aの
温度低下、キーボードセット部33から転写部31へ搬
送するための時間経過によるキートップ7aの温度低
下、転写部31でのヒータ36の設定温度、転写時間を
考慮して決定する。
【0056】ワークホルダ8への数台のキーボード7の
セット及び転写部への搬送時間を40秒、ヒータ36の
設定温度455°C、転写時間42〜44秒とすると、
プレヒート部30での設定温度は70°C、内部温度は
72°C、予備加熱時間は4分とするとができる。但
し、これはあくまで一例であって、プレヒート部30で
の設定温度は60°C〜75°Cで、予備加熱時間は2
分〜7分、ワークホルダ8へのキーボード7のセット及
び転写部への搬送時間は30秒〜40秒の範囲とし、そ
してパット23が185°C〜200°Cになるように
ヒータ36によって加熱するとよい。
【0057】以上説明した、第2の実施の形態によれ
ば、第1の実施の形態と同様に、低硬度高熱伝導性シリ
コンゴム23aと低硬度高熱伝導性シリコンゴム23a
と高熱伝導性シリコンゴムシート23bからなる2層の
平板状のゴムでパット23を形成することが可能なた
め、パットの製作費が安価になると共に、パット23の
交換回数が減り、保守のコストも安くなるという効果の
他に、以下の効果も得られる。
【0058】すなわち、上述した第2の実施の形態にお
ける天盤アセンブリ34は、天盤38とパット23のみ
で構成されているため、構造が簡単で、組み立て工数も
すくなくなり、そのため安価に製作できると共に、製造
日数もかからず、短期間に新製品を立ち上げる場合にも
対応可能になるという効果が得られる。また、天盤アセ
ンブリ34は、従来のような摺動部がまったくないの
で、摺動部の磨耗による部品交換という問題が生じなく
なり、保守,交換費用、部品購入費用を大幅に抑えるこ
とができるという効果も得られる。
【0059】また、転写部31のヒータ36からの熱
は、天盤セット板35から天盤アセンブリ34の天盤3
8を介してパット23に伝えられるため、ヒータ36か
らパット23に熱が伝達するまでの間の部品すが少な
く、かつヒータ36からパット23の先端までの距離が
短いので、従来に比べて熱伝達効率が大幅に向上し、場
所によって熱伝達にばらつきが生じることもないので、
印字のかすれや印刷濃度にむらが生じるという問題がな
く、均一な高品位の印刷が可能になるという効果も得ら
れる。
【0060】更に、転写部31における熱効率が向上し
たことによって、プレヒート部30の熱源には通常の電
熱ヒータを用いることが可能となり、天盤アセンブリ3
4の簡素化と共に、装置のコストダウンを図ることがで
きるという効果も得られ、しかも転写部31における熱
効率が向上したことで、プレヒート部30での予備加熱
を高温で行う必要がなくなり、そのため従来使用してい
たキーボード変形防止用のマスクを省略することができ
るという効果も得られる。
【0061】次に、第3の実施の形態について説明す
る。この第3の実施の形態は、キーボード7のキートッ
プ7aにおける上面の曲率つまり凹状の曲面の曲率が大
きい場合や、上面が平坦面の場合、あるいはインクシー
ト17のインク色に転写,印刷しにくい緑色等の色を含
んでいない場合等に適用されるもので、以下図8〜図1
0を用いて説明する。
【0062】図8は第3の実施の形態に用いる天盤38
の一例を示す斜視図である。この図に見られるように天
盤38は、キーボード7数個々分の大きさを有する熱伝
導性のよい金属平板状の本体38aと、この本体38a
に一体に形成された突起38bから成り、この突起38
bは各キーボード7におけるキートップ7aと同数分設
けられていて、各々の突起38bはキーボード7の各キ
ートップ7aの大きさに見合う外形に形成されているこ
とは第2の実施の形態のもと同様であるが、各突起38
bの下面(先端面)は平坦に形成されている点で第2の
実施の形態のものとことなっている。
【0063】図9は図8の天盤38を用いた天盤アセン
ブリ34の製造工程を示す一部分拡大斜視図で、ここで
は大きさの異なる2つの突起38bにパット23を接着
固定する場合を示しており、同図(A)は接着前の状
態、同図(B)は接着後の状態を示している。図9
(A)に示したパット23は、第1の実施の形態で説明
した平板状のものを外形抜き型により形抜きすることで
製作したもので、このパット23の低硬度高熱伝導性シ
リコンゴム23a側を耐熱性を有するシリコン系の接着
剤により突起38bの上面に沿って接着固定するが、各
々のパット23は、接着すべき突起38bの形状に応じ
てそれよりやや大きめの外形を有する形状に設定してあ
り、従って接着後、各パット23の外周は、同図(B)
に示したように突起38bの外周から全周に渡ってδ
(0.5mm以上)だけ張り出すようにしてある。
【0064】図10は前記のように製造された天盤アセ
ンブリ34の斜視図で、この天盤アセンブリ34は図4
に示した天盤セット板35に天盤38をボルト等で固定
することにより取り付けられる。この天盤アセンブリ3
4を用いた装置による印刷は、第2の実施の形態と同様
に行われるので説明を省略するが、キートップ7aに対
して第2の実施の形態の場合と同様に良好な転写,印刷
を行うことができる。
【0065】以上説明した第3の実施の形態によれば、
第2の実施の形態と同様の効果が得られるほか、突起3
8bの下面は平坦に加工すれば済むので、曲面に加工す
る場合に比べて加工コストが約1/3になり、天盤38
を安価に製造できるという効果が得られる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、母材と
しての低硬度の高熱伝導性ゴム材と、この高熱伝導性ゴ
ム材より硬度の高い高熱伝導性シリコンゴムシートによ
って構成される2層構造のパットを天盤アセンブリに設
けたものである。すなわち、本発明は、キーボードを予
備加熱するプレヒート部と、前記キーボードのキートッ
プにキー内容を転写,印刷する転写部と、熱昇華性のイ
ンクによりキー内容を印刷したインクシートを前記転写
部に供給するインクシート供給部とを備え、前記転写部
は、天盤アセンブリと、この天盤アセンブリを加熱する
熱源と、この熱源と一体に前記天盤アセンブリを昇降さ
せる昇降機構を有し、前記天盤アセンブリは、金属平板
による天盤と、この天盤に設けられた複数のピストン支
持ブロックと、このピストン支持ブロックに摺動可能に
嵌装されたピストンと、このピストンを下方に付勢する
付勢手段と、前記ピストンに設けられたプレートと、こ
のプレートに取り付けられた低硬度の高熱伝導性ゴム材
及び高熱伝導性シリコンゴムシートによる2層構造の平
板状のパットからなる構造としたものである。
【0067】このようにした本発明によれば、低硬度の
高熱伝導性シリコンゴムと高熱伝導性シリコンゴムシー
トによって構成されるパットを用いているため、従来の
パットに比べてキートップ上面の形状に対するパットの
変形,追従性が向上し、かつ低硬度高熱伝導性シリコン
ゴムより硬度のある高熱伝導性シリコンゴムシートによ
り低硬度高熱伝導性シリコンゴムの復元性が向上する。
【0068】そのため、低硬度高熱伝導性シリコンゴム
と低硬度高熱伝導性シリコンゴムと高熱伝導性シリコン
ゴムシートからなる2層の平板状のゴムでパットを形成
することが可能となり、従来のようにパット下面の形状
をキートップの形状に合わせるための専用の金型が不要
となり、外形抜き型によりパットを製作できるので、パ
ットの製作費が安価になるという効果が得られる。
【0069】また、パットの変形性及び復元性が向上す
るため、従来に比べて寿命が長くなって、交換回数が減
り、保守のコストも安くなるという効果も得られる。ま
た、本発明は、キーボードを予備加熱するプレヒート部
と、前記キーボードのキートップにキー内容を転写,印
刷する転写部と、熱昇華性のインクによりキー内容を印
刷したインクシートを前記転写部に供給するインクシー
ト供給部とを備え、前記転写部は、天盤アセンブリと、
この天盤アセンブリを加熱する熱源と、この熱源と一体
に前記天盤アセンブリを昇降させる昇降機構を有し、前
記天盤アセンブリは、金属製の本体と、この本体に設け
られた突起と、この突起に取り付けられた低硬度の高熱
伝導性ゴム材及び高熱伝導性シリコンゴムシートによる
2層構造の平板状のパットからなる構造としたものであ
る。
【0070】このようにした本発明によれば、天盤アセ
ンブリは、天盤とパットのみで構成されているため、構
造が簡単で、組み立て工数もすくなくなり、そのため安
価に製作できると共に、製造日数もかからず、短期間に
新製品を立ち上げる場合にも対応可能になるという効果
が得られる。また、天盤アセンブリは、従来のような摺
動部がまったくないので、摺動部の磨耗による部品交換
という問題が生じなくなり、保守,交換費用、部品購入
費用を大幅に抑えることができるという効果も得られ
る。
【0071】また、転写部の熱源タからの熱は、天盤セ
ット板から天盤アセンブリの天盤を介してパットに伝え
られるため、熱源からパットに熱が伝達するまでの間の
部品すが少なく、かつ熱源からパットの先端までの距離
が短いので、従来に比べて熱伝達効率が大幅に向上し、
場所によって熱伝達にばらつきが生じることもないの
で、印字のかすれや印刷濃度にむらが生じるという問題
がなく、均一な濃度の高品位な印刷が可能になるという
効果も得られる。
【0072】更に、転写部における熱効率が向上したこ
とによってプレヒート部として通常の電熱ヒータを用い
た恒温槽を使用することが可能となり、天盤アセンブリ
の簡素化と共に、装置のコストダウンを図ることがで
き、しかも転写部における熱効率が向上したことで、プ
レヒート部での予備加熱を高温で行う必要がなくなり、
そのため、従来使用していたキーボード変形防止用のマ
スクを省略することができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の第1の実施の形態の転写部の構造を示す
図である。
【図2】発明に用いるパッドの拡大断面図である。
【図3】図2のパッドをアルミプレートに接着固定した
状態を示す斜視図である。
【図4】発明の第2の実施の形態の側面図である。
【図5】第2の実施の形態に用いる天盤を示す斜視図で
ある。
【図6】図5の天盤アセンブリ製造工程を示す一部分拡
大斜視図である。
【図7】完成した天盤アセンブリの斜視図である。
【図8】第3の実施の形態に用いる天盤を示す斜視図で
ある。
【図9】図8の天盤を用いた天盤アセンブリ製造工程を
示す一部分拡大斜視図である。
【図10】完成した天盤アセンブリの斜視図である。
【図11】従来技術を示す斜視図である。
【図12】従来技術におけるキーボードセット部を示す
図である。
【図13】従来技術におけるキーボードセット状態を示
す図である。
【図14】従来技術におけるマスクのセット工程を示す
図である。
【図15】従来技術におけるプレヒート部の構造を示す
図である。
【図16】従来技術における転写部の構造を示す図であ
る。
【図17】従来技術におけるインクシート供給部の構造
を示す側面図である。
【図18】従来技術における冷却部の構造を示す側面図
である。
【図19】キーボードの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 プレヒート部 3 転写部 4 インクシート供給部 6 搬送部 7 キーボード 7a キートップ 8 ワークホルダ 9 位置決め治具 13 天盤アセンブリ 13a 天盤13a 13b ピストン支持ブロック 13c ピストン 13d コイルスプリング 13e アルミプレート13e 14 ヒータ 16 昇降機構 17 インクシート 23 パット 23a 低硬度高熱伝導性シリコンゴム 23b 高熱伝導性シリコンゴムシート 30 プレヒート部 31 転写部 34 天盤アセンブリ 36 ヒータ 37 昇降機構 38 天盤38 38a 本体 38b 突起

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予備加熱したキーボードのキートップと
    昇降可能な天盤アセンブリに設けられたパットとの間に
    インクシートを供給し、 前記天盤アセンブリを加熱すると共に下降させることに
    より、前記パットを前記インクシートを介して前記キー
    トップの表面に押しつけ、 前記インクシートに熱昇華性のインクにより印刷されて
    いるキー内容を前記パットの熱により前記キートップに
    転写、印刷するキートップ印刷装置において、 前記パットとして、母材としての低硬度の高熱伝導性ゴ
    ム材と、この高熱伝導性ゴム材より硬度の高い高熱伝導
    性シリコンゴムシートによって構成される2層構造のパ
    ットを備えたことを特徴とするキートップ印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 キーボードを予備加熱するプレヒート部と、 前記キーボードのキートップにキー内容を転写,印刷す
    る転写部と、 熱昇華性のインクによりキー内容を印刷したインクシー
    トを前記転写部に供給するインクシート供給部とを備
    え、 前記転写部は、 天盤アセンブリと、この天盤アセンブリを加熱する熱源
    と、この熱源と一体に前記天盤アセンブリを昇降させる
    昇降機構を有し、 前記天盤アセンブリは、 金属平板による天盤と、 この天盤に設けられた複数のピストン支持ブロックと、 このピストン支持ブロックに摺動可能に嵌装されたピス
    トンと、 このピストンを下方に付勢する付勢手段と、 前記ピストンに設けられたプレートと、 このプレートに取り付けられた低硬度の高熱伝導性ゴム
    材及び高熱伝導性シリコンゴムシートによる2層構造の
    平板状のパットからなることを特徴とするキートップ印
    刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 天盤アセンブリのプレートは、キーボードのキートップ
    の外形に見合う大きさに形成され、パットは、外周が全
    周にわたって前記プレートから張り出す大きさに形成さ
    れていることを特徴するキートップ印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 キーボードを予備加熱するプレヒート部と、 前記キーボードのキートップにキー内容を転写,印刷す
    る転写部と、 熱昇華性のインクによりキー内容を印刷したインクシー
    トを前記転写部に供給するインクシート供給部とを備
    え、 前記転写部は、 天盤アセンブリと、この天盤アセンブリを加熱する熱源
    と、この熱源と一体に前記天盤アセンブリを昇降させる
    昇降機構を有し、 前記天盤アセンブリは、 金属製の本体と、 この本体に設けられた突起と、 この突起に取り付けられた低硬度の高熱伝導性ゴム材及
    び高熱伝導性シリコンゴムシートによる2層構造の平板
    状のパットからなることを特徴とするキートップ印刷装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 天盤アセンブリの突起は、キーボードのキートップの外
    形に見合う大きさに形成され、パットは、外周が全周に
    わたって前記プレートから張り出す大きさに形成されて
    いることを特徴するキートップ印刷装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、 天盤アセンブリの突起の下面を、キーボードのキートッ
    プの凹状の曲面に対応するように凸状の曲面とし、この
    曲面に沿ってパットを取り付けたことを特徴するキート
    ップ印刷装置。
  7. 【請求項7】 請求項4において、 天盤アセンブリの突起の下面を平坦面とし、この平坦面
    にパットを取り付けたことを特徴するキートップ印刷装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項4において、 プレヒート部として電熱ヒータを有する恒温槽を用いた
    ことを特徴とするキートップ印刷装置。
JP9245817A 1997-09-10 1997-09-10 キートップ印刷装置 Pending JPH1185358A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010034218A1 (zh) * 2008-09-26 2010-04-01 Tian Wenxin 一种可重复使用的移印胶头
CN101856924A (zh) * 2010-06-10 2010-10-13 深圳市南和华毅塑胶制品有限公司 手柄电话机按键移印方法

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