JP2968600B2

JP2968600B2 - サーマルヘッドユニット

Info

Publication number: JP2968600B2
Application number: JP4424191A
Authority: JP
Inventors: 司郎内田
Original assignee: Ricoh Co Ltd
Current assignee: Ricoh Co Ltd
Priority date: 1991-02-16
Filing date: 1991-02-16
Publication date: 1999-10-25
Anticipated expiration: 2014-10-25
Also published as: JPH0958037A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はファクシミリ装置、プリ
ンタ等に用いられる感熱記録装置のサーマルヘッドユニ
ットの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】感熱記録装置は、サーマルヘッドが備え
ている多数の微小発熱体を印字信号に応じて選択的に発
熱させることによって、感熱記録紙上に印字したり、熱
溶融性カーボンフィルム等から成るインクリボンを加熱
溶融させることによって記録紙上にインクを転写させて
印字を行なうものである。

【０００３】図７は、従来のサーマルヘッドユニットの
組立斜視図であり、図８は図７のユニットの分解斜視図
である。

【０００４】このサーマルヘッドユニットは、放熱効果
及び剛性を備えたアルミニウム、鉄鋼等の板材から成る
放熱ベース１と、放熱ベース１上に載置されたセラミッ
ク板から成るサーマルヘッド基板２と、サーマルヘッド
基板２上面にその長手方向に沿って多数配列された微小
な発熱体２ａと、サーマルヘッド基板２の後端縁に沿っ
て多数配列され個々の発熱体２ａと夫々電気的に接続さ
れた接点２ｂと、該サーマルヘッド基板２上に一部分を
重ねて載置されることにより基板後端縁の接点２ｂと電
気的に接続される配線パターンを備えたフレキシブルプ
リント配線板３と、フレキシブルプリント配線板上に載
置される押え板４と、ハーネス８の先端部に接続されフ
レキシブルプリント配線板３上の配線パターンと接続さ
れるコネクタ９と、抑え板４上に載置されて取付け穴５
を介してネジ止めされることによってフレキシブルプリ
ント配線板３を放熱ベース１上に固定するヘッドカバー
６を有する。なお、ヘッドカバー６は図７には図示して
いない。

【０００５】以上の構成を有したサーマルヘッドユニッ
トにおいては、微小発熱体からの熱は、セラミック製サ
ーマルヘッド基板２を介して放熱板１へ移動するため、
基板２に蓄熱しない効果を得ることができ、発熱体の立
下がり応答性を高めている。しかしながら熱を無駄に放
熱板に逃がしている為、熱の効率的利用と云う観点から
すると、効率が低く、熱のリサイクル利用については全
く配慮されていなかった。

【０００６】また、従来は厚肉の金属材からなる放熱板
を用いていたため、ユニット全体が大型、重量化すると
いう問題があった。

【０００７】

【発明の目的】本発明は上記に鑑みてなされたものであ
り、サーマルヘッドの発熱体で発生した熱を後続する印
字動作にリサイクル利用して省エネルギー化を図ると共
に、ユニット全体を小型軽量化することを可能としたサ
ーマルヘッドユニットを提供することを目的としてい
る。

【０００８】本発明は発熱体の立ち下がり応答性の悪化
に対する懸念から発熱体からの余熱を放熱するという従
来の発想を転換し、立ち下がり応答性に悪影響を及ぼさ
ない程度の余熱を発熱体近傍に蓄熱しておき、この蓄熱
された熱量をリサイクル利用して発熱体への印加エネル
ギー量を低減することを可能とするものである。

【０００９】

【発明の構成】上記目的を達成するため本発明は、所定
のパターンで配設した多数の発熱体を発熱させて記録紙
に画像を印写するサーマルヘッドを備えたサーマルヘッ
ド基板と、該サーマルヘッド基板を表面に載置する支持
部材とを備えたサーマルヘッドユニットにおいて、前記
支持部材の表面上には放熱板と、パッドと、前記サーマ
ルヘッド基板とが配置され、該支持部材裏面には保温材
を収納する保温材収納部が形成されていること、前記支
持部材は樹脂モールドによって一体成形されたサーマル
ヘッド位置決め片、本体への取付け片及び前記保温材収
納部とを備え、前記パッドの下方に位置する前記放熱板
の一部が該保温材収納部内に伸びて前記保温材と支持部
材裏面との間に介在していること、前記パッドは弾性と
保温性を有し、前記サーマルヘッド基板と前記支持部材
との間に介挿されていること、前記支持部材の表面の少
なくとも一部は保温性を有した樹脂によって構成される
とともに、該保温性部分の表面上に前記サーマルヘッド
基板を配置したこと、更には、前記支持部材は前記サー
マルヘッド基板を載置する熱伝導性材料層と、該熱伝導
性材料層の裏面に積層された保温性材料層とを有するこ
とを特徴としている。

【００１０】以下、添付図面に示した好適な実施例に基
づいて本発明を詳細に説明する。

【００１１】図１は本発明の第１実施例の組付け状態を
示す斜視図、図２は図１の実施例の分解構成を示す斜視
図である。

【００１２】このサーマルヘッドユニットは、軽量の樹
脂の板材から成る支持部材２１と、支持部材２１の正面
中央部に形成された薄肉部２１ａと、支持部材２１の後
端縁に形成されたコネクタ接続用の凹所２１ｂと、支持
部材２１の薄肉部２１ａの表面２１ａ’から前端面２１
ａ”及び裏面２１ａ”’にかけて密着して添設される断
面略コ字状の放熱板２２と、放熱板２２の上片２２ａの
表面に載置或は接着される熱伝導性の良好な弾性材から
成る発泡質のパッド２４と、パッド２４を介して放熱板
２２の上片２２ａ上に固定され表面に微小発熱体２６ａ
を有するとともに後端縁に多数接点部２６ｂを有したサ
ーマルヘッド基板２６と、サーマルヘッド基板２６の多
数接点部２６ｂに対して接点２８ａが電気的に接続され
るように基板２６に重ねて載置されるフレキシブル基板
２８と、フレキシブル基板２８の表面に順次載置され固
定穴３０ａ，３１ａを介して共締めされるフレキシブル
基板押え板３０及びヘッドカバー３１（図１には図示し
ていない）と、ヘッドカバー３１の下面に設けられサー
マルヘッド基板２６の多数接点部２６ｂとフレキシブル
基板２８の接点２８ａとを圧接させる圧接ゴム３３と、
凹所２１ｂ内においてフレキシブル基板上の配線パター
ンと電気的に接続するコネクタ３５と、コネクタ３５に
接続され感熱記録装置或は外部のホスト装置等からの制
御信号（印字信号）をフレキシブル基板２８を介してサ
ーマルヘッド基板２６に供給するハーネス３６と、支持
部材２１の下面（裏面）に形成される収納凹所（収納
部）３７内に密着して収納保持される発泡ポリエスレン
等から成る保温材３８とを備える。

【００１３】放熱板２２はアルミ、その他の金属板によ
って構成し、上片２２ａはサーマルヘッド基板２６の幅
に合わせ、下片２２ｃは保温材３８の幅に合わせて寸法
設定する。

【００１４】パッド２４は、放熱板２２の上片とサーマ
ルヘッド基板２６との間で圧縮された状態にあり、サー
マルヘッド基板２６のクッションとなるため、プラテン
ローラ上の記録紙との間の密着性を高めることができ
る。しかも、パッド２４は熱伝導性が良好であるため、
発熱体による記録紙やインクリボンの加熱後の残熱エネ
ルギーはパッド２４を介して放熱板２２に伝導され保温
材３８に蓄熱される。また、これと逆に保温材３８に蓄
熱された熱は、放熱板２２パッド２４を介して発熱体に
戻る。

【００１５】なお、支持部材２１の長手方向両端縁には
夫々プラテンローラ軸支持片（サーマルヘッド位置決め
片）４０と、サーマルヘッドユニット枢支片（本体への
取付け片）４１とが一体的に突設され、プラテンローラ
軸支持片４０の切欠き４０ａには図示しないサーマルヘ
ッドの軸が装着され、サーマルヘッドユニット枢支片４
１の孔４１ａ内には装置本体側から突設された位置決め
ピンが挿通されて支持部材２１を回動自在に枢支する。

【００１６】サーマルヘッド基板の多数接点部２６ｂと
フレキシブル基板２８の接点２８ａとの接続手法と、フ
レキシブル基板２８とコネクタ３５との接続手法として
は従来から一般に用いられてきた方法を採用するので特
に詳述しない。

【００１７】支持部材２１下面の収納凹所３７は、例え
ば放熱板２２の下片２２ｃと板状の保温材３８を収納可
能な矩形の凹所として構成し、保温材３８の表面と支持
部材２１の裏面２１ａ”’との間には放熱板２２の下片
２２ｃが介在するのでサーマルヘッドの発熱体２６ａで
発生した熱は上片２２ａ，前端面２１ａ”及び裏面２１
ａ”’へと伝播されるが放熱することなく、保温材３８
によって蓄熱される。放熱板２２の下片２２ｃと板状の
保温材３８を凹所３７内に収納したときには支持部材２
１の裏面が無段状になるように個々の部品の寸法を設定
することが好ましい。

【００１８】本発明においては、従来放熱させていた残
熱エネルギーをサーマルヘッド基板を支持する支持部材
２１の下面に設けた保温部（保温材３８）によって一時
的に蓄熱するとともに、後続の印字時には該蓄熱を放熱
板２２やパッド２４を介して発熱体に供給するようにし
たため、保温材３８に蓄積された熱エネルギーを発熱体
にリサイクル供給することが可能となり、サーマルヘッ
ドの印字時に必要な熱エネルギーを少なくすることがで
きる。換言すれば、サーマルヘッドの発熱体２６ａに供
給すべき電力を低減して省エネルギー化を図ることがで
きる。従って、本発明によれば、例えば印字のために
０．３５ｍＪの熱エネルギーを必要とする場合に、常時
この熱エネルギーを供給するのでなく、蓄熱を利用し
て、蓄熱した熱エネルギー＋発熱体からの発生エネルギ
ー（例えば、０．１ｍＪ分の熱量＋０．２５ｍＪの発熱
体から発生する熱量）＝０．３５ｍＪとなるように制御
する。

【００１９】なお、発熱体近傍に蓄熱すると、立ち下が
り応答性の点で不利になるようにも考えられるが、蓄熱
される熱量は印字状態を悪化させる程の値ではなく、立
ち下がり応答性を悪化させる虞れは少ない。仮に、立ち
下がり応答性を悪化させる程度の熱量が残る虞れが高い
場合には、余熱の一部を放熱したり、保温材による保温
能力を低下せしめることによって残熱量を任意の値に調
整することが可能である。なお、発熱体に供給する印加
エネルギーはパルス幅制御によって制御することが容易
であるため、本発明の実用性は高い。

【００２０】次に、図３及び図４は本発明の第２の実施
例に係るユニットの組立図及び支持部材の斜視図であ
り、図１、２と同一の部分には同一の符号を付し重複し
た説明は省略するが、支持部材２１表面にサーマルヘッ
ド基板位置決め用のピン５０を設けることによってプラ
テンローラ軸支持片４０とサーマルヘッド基板２６との
位置決め精度を高めている構成が特徴的である。このよ
うな構成を有する結果、プラテンローラ軸支持片４０に
よって支持したプラテンローラとサーマルヘッド基板と
の位置関係を正確に設定することができる。また、サー
マルヘッドユニット枢支片４１の孔４１ａに、感熱記録
装置本体（ファクシミリ装置、プリンタ等）側に設けた
支持軸を遊嵌することにより装置本体との組付けを実現
する。このように構成することにより、組立性を向上し
て組立作業の自動化に適したものとすることができ、量
産性を高めることができる。

【００２１】なお、符号５１はヘッドカバー３１などに
設けた取付け孔と連通する位置に設けられ、ネジ等によ
って支持部材２１を共締めするための取付け孔である。

【００２２】次に、パッド２４として十分な弾性と保温
性の高い材質を用いることにより、サーマルヘッドの発
熱体の直下で熱エネルギーをチャージし、チャージした
熱エネルギーをリサイクル利用することが可能となり、
省エネルギー効果を更に高めることができる（第３実施
例）。

【００２３】次に、図５及び図６は、本発明の第４実施
例のサーマルヘッドユニットの組付け状態を示す斜視図
及び分解図であり、支持部材２１として熱伝導性と保温
効果を備えた物質を使用した構成が特徴的である。従っ
て、上記各実施例のように凹所３７を設け、凹所３７内
に保温材３８を設ける等の構成は不要である。

【００２４】例えば支持部材２１を半伝導性を有した熱
伝導性樹脂で構成したり、或は支持部材２１を上下２層
構造とし上の層を熱伝導性の良好な材質とするとともに
下方の層を熱絶縁性の材質（保温材）としてもよい。ま
た、外皮を熱伝導性材料（例えば、樹脂に金属粉を混入
させたもの）から構成すると共に内部を熱絶縁性材質
（発泡樹脂）から構成した一体成形品を用いてもよい。
熱伝導性の異なる異種材料を以上のように組み合わせて
構成すれば支持部材２１自体が保温効果を備えることと
なるため、熱のリサイクル利用を実現することが可能と
なる。

【００２５】また、支持部材２１の全体を熱絶縁性材料
から構成することにより、サーマルヘッドの発熱体で発
生した熱を支持部材２１側に逃がすことなく、発熱体及
びその周辺の基板２６部分に蓄熱するよう構成すること
も可能である。この場合には、発熱後の余熱を発熱体自
体に蓄熱できるので蓄熱効率が良く、発熱体に印加する
エネルギーを更に低減することができる。

【００２６】以上のように本発明によれば、支持部材２
１に対してプラテンローラ軸支持片４０と、サーマルヘ
ッドユニット枢支片４１を一体化した構成を有するた
め、装置本体に対するサーマルヘッドユニットの組付け
作業を簡単化してコストダウンを図ることができる。ま
た、発熱体からの残存熱エネルギーを全て放熱すること
なく、熱エネルギーの一部又は全部を保温手段（或は発
熱体自体）によって一旦蓄熱し、該熱を再びサーマルヘ
ッドによる印字時に流用するようにしたため、サーマル
ヘッドに供給するエネルギーを低減せしめ、省エネルギ
ー化、電源の小型化及び低出力化を図り、更には感熱記
録装置全体の小型化、軽量化を図ることができる。ま
た、上記残存熱エネルギーは、発熱体の立ち下がり応答
性に悪影響を与えない程度の値となるように予め設定さ
れているため、印字品質上の不具合は生じない。また、
発熱体に対する印加エネルギーを印字開始当初と、印字
継続中とで異ならせる操作は、パルス幅制御によって容
易に実現可能であるため、従来の制御プログラムに大幅
な改変を加える必要もない。

【００２７】なお、本発明の放熱のための構造は、他の
分野、例えば密着センサ等に適用可能である。即ち、密
着センサを構成するＬＥＤは、周辺の温度が低温である
場合に発光素子の立上りが悪化して発光光度が低下した
り、急激な温度変化によって結露を生じ、センサの機能
が低下する虞れがあるが、ＬＥＤの直下に本発明と同様
の保温構造を備えるように構成すれば、蓄熱された熱を
利用してＬＥＤを正常動作可能温度まで加温できるの
で、正常に作動させることができる。

【００２８】

【発明の効果】以上のように本発明は、発熱体の立ち下
がり応答性の悪化に対する懸念から発熱体からの余熱を
放熱するという従来の発想を転換し、立ち下がり応答性
に悪影響を及ぼさない程度の余熱を発熱体近傍に蓄熱し
ておき、この蓄熱された熱量をリサイクル利用して発熱
体への印加エネルギー量を低減することを可能とした。
即ち、本発明によれば、サーマルヘッドの発熱体で発生
した熱を後続する印字動作にリサイクル利用して省エネ
ルギー化を図ると共に、ユニット全体を小型軽量化する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例のサーマルヘッドユニット
の組付け状態を示す斜視図。

【図２】前記第１実施例の分解構成を示す斜視図。

【図３】本発明の第２実施例のサーマルヘッドユニット
の組付け状態を示す斜視図。

【図４】前記第２実施例の分解構成を示す斜視図。

【図５】本発明の第４実施例のサーマルヘッドユニット
の組付け状態を示す斜視図。

【図６】前記第４実施例の分解構成を示す斜視図。

【図７】従来のサーマルヘッドユニットの組付け状態を
示す斜視図。

【図８】従来例の分解構成を示す斜視図。

【符号の説明】

２１・・・支持部材、２２・・・放熱板、２４・・・パ
ッド、２６・・・サーマルヘッド基板、２８・・・フレ
キシブル基板、３０・・・フレキシブル基板押え板３
１・・・ヘッドカバー、３５・・・コネクタ、３６・・
・ハーネス、３７・・・収納凹所（収納部）、３８・・
・保温材、４０・・・プラテンローラ軸支持片（サーマ
ルヘッド位置決め片）４１・・・サーマルヘッドユニ
ット枢支片（本体への取付け片）

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】所定のパターンで配設した多数の発熱体
を発熱させて記録紙に画像を印写するサーマルヘッドを
備えたサーマルヘッド基板と、該サーマルヘッド基板を
表面に載置する支持部材とを備えたサーマルヘッドユニ
ットにおいて、前記支持部材の表面上には放熱板と、パッドと、前記サ
ーマルヘッド基板とが配置され、該支持部材裏面には保
温材を収納する保温材収納部が形成されていることを特
徴とするサーマルヘッドユニット。
【請求項２】前記支持部材は樹脂モールドによって一
体成形されたサーマルヘッド位置決め片、本体への取付
け片及び前記保温材収納部とを備え、前記パッドの下方
に位置する前記放熱板の一部が該保温材収納部内に伸び
て前記保温材と支持部材裏面との間に介在していること
を特徴とする請求項１記載のサーマルヘッドユニット。
【請求項３】前記パッドは弾性と保温性を有し、前記
サーマルヘッド基板と前記支持部材との間に介挿されて
いることを特徴とする請求項１又は２記載のサーマルヘ
ッドユニット。
【請求項４】所定のパターンで配設した多数の発熱体
を発熱させて記録紙に画像を印写するサーマルヘッドを
備えたサーマルヘッド基板と、該サーマルヘッド基板を
表面に載置する支持部材とを備えたサーマルヘッドユニ
ットにおいて、前記支持部材の表面の少なくとも一部は
保温性を有した樹脂によって構成されるとともに、該保
温性部分の表面上に前記サーマルヘッド基板を配置した
ことを特徴とするサーマルヘッドユニット。
【請求項５】所定のパターンで配設した多数の発熱体
を発熱させて記録紙に画像を印写するサーマルヘッドを
備えたサーマルヘッド基板と、該サーマルヘッド基板を
表面に載置する支持部材とを備えたサーマルヘッドユニ
ットにおいて、前記支持部材は前記サーマルヘッド基板
を載置する熱伝導性材料層と、該熱伝導性材料層の裏面
に積層された保温性材料層とを有することを特徴とする
サーマルヘッドユニット。