JPH1182738A - ピストン用冷却空洞付き耐摩環及びその製造方法 - Google Patents

ピストン用冷却空洞付き耐摩環及びその製造方法

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JPH1182738A
JPH1182738A JP26822597A JP26822597A JPH1182738A JP H1182738 A JPH1182738 A JP H1182738A JP 26822597 A JP26822597 A JP 26822597A JP 26822597 A JP26822597 A JP 26822597A JP H1182738 A JPH1182738 A JP H1182738A
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cooling cavity
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Hideki Otaka
秀樹 大高
Kohei Hasegawa
浩平 長谷川
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Hino Motors Ltd
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Hino Motors Ltd
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F3/00Pistons 
    • F02F3/16Pistons  having cooling means
    • F02F3/20Pistons  having cooling means the means being a fluid flowing through or along piston
    • F02F3/22Pistons  having cooling means the means being a fluid flowing through or along piston the fluid being liquid

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な構造を有することなく、耐摩環のリン
グ溝を有効に冷却することができる。 【解決手段】 ピストン用冷却空洞付き耐摩環10は、
耐摩環本体20と中空金属環22との境界面に凹凸部2
4を有する。凹凸部24は、耐摩環10の軸線方向に沿
ってU(凹部)と逆U(凸部)とを交互に連続して形成
されたU字波の凹凸部24Bであり、この凹凸部24B
は、その冷却空洞16側の凸部が耐摩環本体20のリン
グ溝18に対応するように形成されている。この凹凸部
24は、中空金属環22内の冷却媒体である油が耐摩環
本体20に接触する面積が増大し、従ってリング溝18
を有する耐摩環本体20の冷却効果が向上し、リング溝
18に嵌入するピストンリングの過熱を一層有効に防止
することができる。また、耐摩環本体20のリング溝1
8の底の壁厚は凹凸部24Bの凸部によって所定の強度
を保持するのに充分に維持することができ、従って耐摩
環10は、高い機械的強度を維持しつつ冷却効果を向上
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのピスト
ン用耐摩環に関し、特に耐摩環本体の内周側に冷却空洞
を有するピストン用冷却空洞付き耐摩環及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ピストン用冷却空洞付き耐摩環は、一般
に、外周にピストンリングが嵌入されるべきリング溝を
有しピストン本体に埋設されるべき耐摩環本体と、この
耐摩環本体の内周側に設けられ冷却空洞を形成する中空
金属環とから成っている。従来技術では、耐摩環に冷却
媒体が効率よく熱交換することができるようにするため
に、耐摩環本体のまわりに冷却空洞を形成すべき中空金
属環を一体に形成している(特開昭64−41648号
公報、特開平4−300466号公報参照)。
【0003】従来技術の1つの中空金属環は、切欠き開
口を有する切欠き管から成り、この切欠き管は、その切
欠き開口を耐摩環本体の内周壁に沿って接合して耐摩環
本体に取付けられ(特開昭64−41648号公報第2
〜4図及びその説明参照)、従来技術の他の中空金属環
管は、耐摩環本体に一体に形成された鍔状板部を管状に
成型してその縁部を耐摩環本体に溶接するか(特開昭6
4−41648号公報第5図及びその説明参照)又は耐
摩環本体に一体に形成された凹部を薄板環状部材で閉じ
て形成されている(特開平4−30 0466号公報図
1及び図2並びにその説明参照)。また、耐摩環本体と
中空金属環とを押し出しによって一体にして耐摩環を形
成したり(特開昭64−41648号公報第6図及びそ
の説明参照)、中空金属環の中空部が2つ割りとなるよ
うに耐摩環本体と金属中空環との各半部(耐摩環の軸線
方向に沿って半分又は略半分にしたもの)を一体に形成
し、2つ割りの中空部が1つの中空部を形成するように
これらの半部を一体に接合して耐摩環を形成したりして
いる(特開昭64−41648号公報第7〜10図及び
その説明参照)。
【0004】いずれの場合も、冷却空洞を貫流する油等
の冷却媒体は、耐摩環本体と中空金属環との境界面を通
して熱交換して耐摩環本体のリング溝を冷却し、このリ
ング溝内に嵌入されるピストンリングの過熱を防止して
いる。
【0005】しかし、これらの冷却空洞付き耐摩環は、
図8に示すように、耐摩環本体20と中空金属環22と
の境界面21が平坦であるため、耐摩環のリング溝18
の冷却効果が低かった。耐摩環10の冷却効果を高める
ために、耐摩環本体20の内周のみではなく、その上下
の面でも冷却媒体に接触するように、冷却空洞16を耐
摩環本体20の内周及び上下面を覆うように形成するこ
とが考えられるが、このようにすると、構造が複雑とな
ってピストンが全体的に高価となる欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する1つの課題は、複雑な構造を有することなく、耐摩
環本体のリング溝を有効に冷却することができるピスト
ン用冷却空洞付き耐摩環を提供することにある。
【0007】本発明が解決しようとする他の課題は、冷
却効果を高めることができるピストン用冷却空洞付き耐
摩環を安価に製造することができる方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の課題解決
手段は、外周にピストンリングが嵌入されるべきリング
溝を有しピストン本体に埋設されるべき耐摩環本体とこ
の耐摩環本体の内周側に設けられ冷却空洞を形成する中
空金属環とから成るピストン用冷却空洞付き耐摩環にお
いて、耐摩環本体と中空金属環との境界面に凹凸部を有
することを特徴とするピストン用冷却空洞付き耐摩環を
提供することにある。
【0009】本発明の第2の課題解決手段は、第1の課
題解決手段によるピストン用冷却空洞付き耐摩環であっ
て、境界面の凹凸部は耐摩環本体の内周面に形成されて
いることを特徴とするピストン用冷却空洞付き耐摩環を
提供することにある。
【0010】本発明の第3の課題解決手段は、第1又は
第2の課題解決手段によるピストン用冷却空洞付き耐摩
環であって、中空金属環の外周にも凹凸部が形成されて
いることを特徴とするピストン用冷却空洞付き耐摩環を
提供することにある。
【0011】本発明の第4の課題解決手段は、第1乃至
第3の課題解決手段のいずれかによるピストン用冷却空
洞付き耐摩環であって、耐摩環本体は耐摩環の軸線方向
に間隔をあけて形成された複数のリング溝を有し、境界
面の凹凸部は、これらの複数のリング溝のすべてに跨が
るように形成されていることを特徴とするピストン用冷
却空洞付き耐摩環を提供することにある。
【0012】本発明の第5の課題解決手段は、第1乃至
第4の課題解決手段のいずれかによるピストン用冷却空
洞付き耐摩環であって、境界面の凹凸部は、耐摩環の軸
線方向に沿って設けられ、且つこの境界面の凹凸部は、
その冷却空洞側に突出する凸部が耐摩環本体のリング溝
に対応するように形成されていることを特徴とするピス
トン用冷却空洞付き耐摩環を提供することにある。
【0013】本発明の第6の課題解決手段は、第1乃至
第5の課題解決手段のいずれかによるピストン用冷却空
洞付き耐摩環であって、境界面の凹凸部は、小波(鋸
歯)、大波(U字波又はV字波)又は平坦部を凸部とし
この平坦部から耐摩環本体側に窪ませて形成された凹部
との繰り返しのいずれかの形状であるピストン用冷却空
洞付き耐摩環を提供することにある。
【0014】本発明の第7の課題解決手段は、第1乃至
第6の課題解決手段のいずれかによるピストン用冷却空
洞付き耐摩環を製造する方法であって、リング溝を有す
る第1の耐摩環本体部分と境界面の凹凸部を有する第2
の耐摩環本体部分とを別途に形成し、これらの第1と第
2の耐摩環本体部分を接合して境界面の凹凸部を有する
耐摩環本体を形成することを特徴とするピストン用冷却
空洞付き耐摩環の製造方法を提供することにある。
【0015】このように、耐摩環本体と中空金属環との
境界面に凹凸部を有すると、中空金属環内の冷却媒体が
耐摩環本体に接触する面積が増大し、従ってリング溝を
有する耐摩環本体の冷却効果が向上し、リング溝に嵌入
するピストンリングの過熱を一層有効に防止することが
できる。
【0016】特に、境界面の凹凸部が耐摩環本体の内周
方向に沿ってではなく、耐摩環の軸線方向に沿って形成
されていると、リング溝を有する部分の耐摩環本体の機
械的強度を低下することがなく、耐摩環の高い機械的強
度を維持しつつその冷却効果を向上することができる。
即ち、若し、凹凸部が耐摩環本体の内周方向に沿ってい
ると、リング溝の底と凹凸部の凹部の底とが接近してそ
の壁厚が小さくなり、リング溝を有する部分は、その周
方向に周期的に機械的強度が低い部分が現われ、リング
溝を有する部分の強度が全体的に低下するが、境界面の
凹凸部が耐摩環の軸線方向に沿って設けられていると、
凹凸部の冷却空洞に対する凸部の位置がリング溝に対応
するようにずらすことによってリング溝の底の壁厚を所
定の強度を保持するのに充分に維持することができ、高
い機械的強度と冷却効果とを有する耐摩環を提供するこ
とができる。
【0017】中空金属環の外周にも凹凸部を形成するこ
とができるが、これは、冷却媒体と中空金属環との接触
面積が増大し、中空金属環自体の冷却効果を向上し、こ
れは間接的に耐摩環全体の冷却効果を向上する。
【0018】耐摩環本体は耐摩環の軸線方向に間隔をあ
けて形成された複数のリング溝を有するものとすること
ができ、この場合、境界面の凹凸部がこれらの複数のリ
ング溝のすべてに跨がるように形成されていると、リン
グ溝毎に耐摩環本体を独立して有し、また耐摩環本体毎
に凹凸部を形成する場合に比べて、ピストンを全体的に
安価に製造することができる。
【0019】更に、リング溝を有する第1の耐摩環本体
部分と境界面の凹凸部を有する第2の耐摩環本体部分と
を別個に形成し、これらの第1と第2の耐摩環本体部分
を接合して境界面の凹凸部を有する耐摩環本体を形成す
ると、凹凸部は薄い第2の耐摩環本体部分に形成するの
で、耐摩環本体の内周面に直接凹凸部を形成する場合に
比べて、凹凸部の加工が容易であり、高い冷却効果を有
するピストン用冷却空洞付き耐摩環を一層安価に製造す
ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面を参照して
詳細に述べると、図1は本発明に係るピストン用冷却空
洞付き耐摩環10を備えたピストン12を示し、このピ
ストン12は、耐摩環10を埋設するようにアルミニウ
ム材料等から形成されている。耐摩環10は、冷却空洞
に連通する2つの油通路14を形成すべき中子によって
ピストンの鋳造型内に支持され、ピストン12は、この
鋳造型内にアルミニウム材料を流し込んで形成される。
一方の油通路14から供給される油は、耐摩環10の冷
却空洞16内に導入され、耐摩環10を冷却して加熱さ
れた油は、他方の油通路14から導出される。
【0021】冷却空洞付き耐摩環10は、外周に図示し
ないピストンリングが嵌入されるべきリング溝18を有
しピストン本体12Aに埋設されるべき耐摩環本体20
と、この耐摩環本体20の内周側に設けられ冷却空洞1
6を形成する中空金属環22とから成っている。
【0022】中空金属環22は、典型的には、図2に示
すように、断面U字形の環状体22Aから成り、この環
状体22Aは、その開口部22aを耐摩環本体20の内
周壁に沿って溶接等によって接合して耐摩環本体20に
取付けられている。もちろん、この中空金属環22は、
先に従来技術に関連して述べたように、切欠き開口を有
する切欠き管から形成されていてもよいし、耐摩環本体
20に一体に形成された鍔状板部を管状に成型しその縁
部を耐摩環本体20に溶接したり、耐摩環本体20に一
体に形成された凹部を薄板環状部材で閉じて形成されて
いてもよい。尚、中空金属環22を耐摩環本体20と一
体に押し出しによって成形する場合には、耐摩環本体2
0に後に述べる凹凸部を形成することができないため、
押し出し成形は本発明の耐摩環の製造には適用できない
が、中空金属環22の中空部(冷却空洞16)が垂直方
向に2つ割りとなるように耐摩環本体20と金属中空環
22との各半部を一体に形成し、2つ割りの中空部が1
つの中空部を形成するようにこれらの半部を一体に接合
して形成する方法は本発明に適用することができる。
【0023】本発明のピストン用冷却空洞付き耐摩環1
0は、図2に示すように、耐摩環本体20と中空金属環
22との境界面に凹凸部24を有する。図2の形態で
は、この凹凸部24は、耐摩環本体20の内周面に設け
られ耐摩環10の軸線方向(垂直方向又は上下方向)に
沿った小波(鋸歯)状の凹凸部24Aであるのが示され
ている。
【0024】このように、耐摩環本体20と中空金属環
22との境界面に凹凸部24を有すると、中空金属環2
2内の冷却媒体である油が耐摩環本体20に接触する面
積が増大し、従ってリング溝18を有する耐摩環本体2
0の冷却効果が向上し、リング溝18に嵌入するピスト
ンリングの加熱を一層有効に防止することができる。
【0025】図2の形態では、耐摩環本体20と中空金
属環22との境界面の凹凸部24は、耐摩環10の軸線
方向に沿って形成されているが、耐摩環10の周方向に
沿って形成してもよい。しかし、耐摩環10の周方向に
沿って凹凸部24を形成すると、凹凸部24の凹部が周
期的にリング溝18の底壁厚を小さくするので、リング
溝18を有する部分で機械的強度が低下する傾向があ
り、従って境界面の凹凸部24は、耐摩環10の軸線方
向に沿って形成するのが好ましいが、その理由は、後に
図3を参照して詳細に述べる。
【0026】本発明の耐摩環10の他の実施の形態が図
3以下に示されている。図3の耐摩環10は、図2の鋸
歯状の凹凸部24Aではなく、耐摩環10の軸線方向に
沿ってU(凹部)と逆U(凸部)とを交互に連続して形
成されたU字波(大波)の凹凸部24Bであるのが示さ
れている。特に注目すべきことは、この凹凸部24B
は、その冷却空洞16側の凸部が耐摩環本体20のリン
グ溝18に対応するように形成されていることである。
尚、U及び逆Uは、開口部に向けて若干幅広に開いた状
態であるが、幅は同じであってもよい。
【0027】このようにすると、耐摩環本体20のリン
グ溝18の底の壁厚は、凹凸部24Bの凸部によって所
定の強度を保持するのに充分に維持することができ、従
って耐摩環10は、高い機械的強度を維持しつつ冷却効
果を向上することができるので一層望ましい。
【0028】図4及び図5の耐摩環10は、耐摩環本体
20に耐摩環10の軸線方向に間隔をあけて設けられた
複数(図示の例では3つ)のリング溝18を有し、また
境界面の凹凸部24は、平坦部を冷却空洞16側の凸部
としこの平坦部から耐摩環本体20側に窪ませて形成さ
れた略U字形の凹部との繰り返しから成る凹凸部24C
(図4参照)及び24D(図5参照)から成っており、
平坦部である凸部(窪んでいない部分)がリング溝18
にそれぞれ対応している。凹凸部24の凹部は、図4及
び図5のいずれも略U字形であるが、図4の凹凸部24
Cでは、開口部に向けて若干幅広になっており、他方、
図5の凹凸部24Dでは、幅は同じで角ばったU字形で
あるのが示されている。
【0029】このように、耐摩環本体20が耐摩環10
の軸線方向に間隔をあけて形成された複数のリング溝1
8を有し、境界面の凹凸部24がこれらの複数のリング
溝18のすべてに跨がるように形成されていると、リン
グ溝18毎に耐摩環本体20を独立して有し、また耐摩
環本体20毎に凹凸部24を形成する場合に比べて、ピ
ストン12を全体的に安価に製造することができるので
好ましい。
【0030】更に、図3の形態と同様に、耐摩環本体2
0のリング溝18の底の壁厚は凹凸部24Cの凸部(平
坦部−窪んでいない部分)によって所定の強度を保持す
るのに充分に維持することができ、従って耐摩環10
は、高い機械的強度を維持しつつ冷却効果を向上するこ
とができるので望ましい。
【0031】図6の耐摩環10は、図4の形態と同様
に、耐摩環本体20が3つのリング溝18を有するが、
耐摩環本体20の内周側の凹凸部24の外に、中空金属
環22の外周に形成された凹凸部124を更に有する。
尚、この中空金属環22の外周側の凹凸部124は、図
4の形態のもののみではなく、図2、図3及び図5の形
態のものにも同様にして適用することができることはも
ちろんである。
【0032】図2乃至図6の耐摩環10は、凹凸部24
を有する耐摩環本体20と中空金属環22用の環状体2
2Aとをそれぞれ別個に形成し、環状体22Aの開口2
2aを耐摩環本体20の内周の上下縁に溶接等によって
接合して形成される。この場合、耐摩環本体20は、比
較的厚みがあるため、リング溝18と同様に、凹凸部2
4を切削によって形成するので、面倒で時間のかかる加
工を必要とする。
【0033】耐摩環本体20の凹凸部24を一層効率よ
く形成して耐摩環10を製造する方法が図7に示されて
いる。この方法では、図7(A)及び図7(B)に示す
ように、リング溝18を有する第1の耐摩環本体部分2
0Aと境界面の凹凸部24を有する第2の耐摩環本体部
分20Bとを別個に形成し、これらの第1と第2の耐摩
環本体部分20Aと20Bとを溶接等によって接合して
境界面の凹凸部24を有する耐摩環本体20を形成す
る。
【0034】このようにすると、第2の耐摩環本体部分
20Bは、比較的薄く形成することができるので、この
凹凸部24を有する耐摩環本体部分20Bは、薄板を絞
り加工等によって容易に形成することができる。従っ
て、図2乃至図6の耐摩環10の耐摩環本体20のよう
に凹凸部24の切削加工を必要とすることがなく、耐摩
環本体20を効率よく製造することができる。
【0035】尚、図示していないが、図4乃至図6の耐
摩環10の凹凸部24は、図2又は図3の形態のものと
することができ、また逆に図2及び図3の耐摩環10の
凹凸部24は、図4乃至図6のいずれかの形態のものと
することができる。更に、図7は、図2又は図3の耐摩
環10を製造する方法を示しているが、図4乃至図6の
耐摩環10も同様の方法で製造することができる。ま
た、既に述べたように、図示の耐摩環10は、中空金属
環22がU字形の環状体22Aから成っているが、それ
以外の形態でも図7の方法が適用することができる。例
えば、図7の第22の耐摩環本体部分20Bと中空金属
環22の環状体22Aの一方の端縁とが一体に連続して
いてもよく、この場合には金属ストリップの幅方向の一
部を第2の耐摩環本体部分20Bとし、他の幅方向の部
分を環状体22Aとすることができ、金属ストリップの
環状体22A部分を折り曲げ加工して図7(A)又は図
7(B)の状態とすることができる。。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、耐摩環
本体と中空金属環との境界面に凹凸部を有するので、中
空金属環内の冷却媒体が耐摩環本体に接触する面積が増
大し、従ってリング溝を有する耐摩環本体の冷却効果が
向上し、リング溝に嵌入するピストンリングの過熱を一
層有効に防止することができる。
【0037】特に、境界面の凹凸部が耐摩環本体の内周
方向に沿ってではなく、耐摩環の軸線方向に沿って形成
され、且つこの凹凸部がその冷却空洞に対する凸部がリ
ング溝に対応するように形成されていると、リング溝の
底の壁厚を所定の強度を保持するのに充分に維持するこ
とができ、耐摩環の高い機械的強度を低下することな
く、冷却効果を向上することができる。
【0038】また、中空金属環の外周にも凹凸部を形成
すると、冷却媒体と中空金属環との接触面積が増大し、
中空金属環自体の冷却効果を向上し、これは間接的に耐
摩環全体の冷却効果を向上する。
【0039】耐摩環本体は耐摩環の軸線方向に間隔をあ
けて形成された複数のリング溝を有するものとすること
ができ、この場合、境界面の凹凸部がこれらの複数のリ
ング溝のすべてに跨がるように形成されていると、リン
グ溝毎に耐摩環本体を独立して有し、また耐摩環本体毎
に凹凸部を形成する場合に比べて、ピストンを全体的に
安価に製造することができる。
【0040】更に、リング溝を有する第1の耐摩環本体
部分と境界面の凹凸部を有する第2の耐摩環本体部分と
を別途に形成し、これらの第1と第2の耐摩環本体部分
を接合して境界面の凹凸部を有する耐摩環本体を形成す
ると、耐摩環本体の内周面に直接凹凸部を形成する場合
に比べて、凹凸の加工が容易であり、高い冷却効果を有
するピストン用冷却空洞付き耐摩環を一層安価に製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るピストン用冷却空洞付き耐摩環を
備えたピストンの断面図である。
【図2】本発明のピストン用冷却空洞付き耐摩環の1つ
の形態の拡大断面図である。
【図3】本発明のピストン用冷却空洞付き耐摩環の他の
形態の拡大断面図である。
【図4】本発明のピストン用冷却空洞付き耐摩環の更に
他の形態の拡大断面図であり、この形態では耐摩環は3
つのリング溝を有する。
【図5】本発明のピストン用冷却空洞付き耐摩環の更に
他の形態の拡大断面図であり、この形態では図4の形態
と同様に耐摩環は3つのリング溝を有するが、境界面の
凹凸部の形状を図4の形態のものとは異にしている。
【図6】本発明のピストン用冷却空洞付き耐摩環の更に
他の形態の拡大断面図であり、この形態では図4の形態
と同様に耐摩環は3つのリング溝を有するが、中空金属
環の内周にも凹凸部を形成している点で図4の形態のも
のとは異にしている。
【図7】本発明のピストン用冷却空洞付き耐摩環を製造
する好ましい方法を示し、同図(A)は図2の形態に相
応する耐摩環を製造する方法を示す断面図、同図(B)
は図3の形態に相応する耐摩環を製造する方法を示す断
面図である。
【図8】従来技術のピストン用冷却空洞付き耐摩環の切
り口を示す断面図である。
【符号の説明】 10 ピストン用冷却空洞付き耐摩環 12 ピストン 12A ピストン本体 14 油通路 16 冷却空洞 18 リング溝18 20 耐摩環本体 20A 第1の耐摩環本体部分 20B 第2の耐摩環本体部分 22 中空金属環 22A 環状体 22a 開口 24 境界面の凹凸部 24A 鋸歯状の凹凸部 24B U字波の凹凸部 24C 平坦部を冷却空洞側の凸部としこの平坦部から
耐摩環本体側に窪ませて形成された略U字形(開口に向
けて幅広となっている)の凹部との繰り返しから成る凹
凸部 24D 平坦部を冷却空洞側の凸部としこの平坦部から
耐摩環本体側に窪ませて形成された略U字形(底から開
口まで同じ幅となっている)の凹部との繰り返しから成
る凹凸部 124 中空金属環22の外周の凹凸部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周にピストンリングが嵌入されるべき
    リング溝を有しピストン本体に埋設されるべき耐摩環本
    体と前記耐摩環本体の内周側に設けられ冷却空洞を形成
    する中空金属環とから成るピストン用冷却空洞付き耐摩
    環において、前記耐摩環本体と前記中空金属環との境界
    面に凹凸部を有することを特徴とするピストン用冷却空
    洞付き耐摩環。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のピストン用冷却空洞付
    き耐摩環であって、前記境界面の凹凸部は前記耐摩環本
    体の内周面に形成されていることを特徴とするピストン
    用冷却空洞付き耐摩環。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のピストン用冷却
    空洞付き耐摩環であって、前記中空金属環の外周にも凹
    凸部が形成されていることを特徴とするピストン用冷却
    空洞付き耐摩環。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のピス
    トン用冷却空洞付き耐摩環であって、前記耐摩環本体は
    耐摩環の軸線方向に間隔をあけて形成された複数のリン
    グ溝を有し、前記境界面の凹凸部は、前記複数のリング
    溝のすべてに跨がるように形成されていることを特徴と
    するピストン用冷却空洞付き耐摩環。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のピス
    トン用冷却空洞付き耐摩環であって、前記境界面の凹凸
    部は、前記耐摩環の軸線方向に沿って設けられ、且つ前
    記境界面の凹凸部は、その冷却空洞側に突出する凸部が
    前記耐摩環本体のリング溝に対応するように形成されて
    いることを特徴とするピストン用冷却空洞付き耐摩環。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のピス
    トン用冷却空洞付き耐摩環であって、前記境界面の凹凸
    部は、小波(鋸歯)、大波(U字波又はV字波)又は平
    坦部を凸部としこの平坦部から耐摩環本体側に窪ませて
    形成された凹部との繰り返しのいずれかの形状であるピ
    ストン用冷却空洞付き耐摩環。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載のピス
    トン用冷却空洞付き耐摩環を製造する方法であって、前
    記リング溝を有する第1の耐摩環本体部分と前記凹凸部
    を有する第2の耐摩環本体部分とを別個に形成し、前記
    第1と第2の耐摩環本体部分を接合して前記境界面の凹
    凸部を有する耐摩環本体を形成することを特徴とするピ
    ストン用冷却空洞付き耐摩環の製造方法。
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