JPH1181974A - オイルセパレータユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汎用性の高い生産性に優れたオイルセパレー
タの提供。 【解決手段】 オイルセパレータ１とブローバイガス排
出管２と固定部３とからなるオイルセパレータユニッ
ト。オイルセパレータ１は箱体１０と箱体内に配置され
たオイル捕捉部材１１を有し、箱体１０の上壁１０ａの
開口部１２にブローバイガス排出管２の下端部が固定さ
れており、箱体１０の開口部１２から隔たった位置に固
定部３が形成されており、箱体１０にはブローバイガス
流入口１５が形成され、箱体１０の下壁１０ｂにはオイ
ル排出口１６が形成されている。ブローバイガス排出管
２は箱体１０と固定された下端部の上方にシリンダヘッ
ドカバー５を挿通しシリンダヘッドカバー５にかしめ固
定される挿通部２ａを有している。固定部３は固定部を
シリンダヘッドカバー５から支持する支持部材８の結合
部を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、オイルセパレータ
に関する。

【０００２】

【従来の技術】燃焼室内からピストンとシリンダ壁の間
隙を通ってクランクケース内に洩れ出るブローバイガス
（未燃ガスや排ガス）は、そのまま大気に開放されると
大気汚染の原因になることから、燃焼室に還流させて燃
焼処理される。ブローバイガスが通過する通路内には潤
滑オイルが存在するため、ブローバイガス中にはミスト
状の潤滑オイルが含まれる。ブローバイガスが潤滑オイ
ルを含んだまま燃焼室に入ると、ブローバイガスととも
に潤滑オイルも燃焼されるため、潤滑オイルの消費が増
大するおそれがある。そのため、図２に示すように、特
開平６−１９３４２４号には、ブローバイガスが燃焼室
に入る前の段階でブローバイガスから潤滑オイルを分離
するための装置としてオイルセパレータが開示されてい
る。オイルセパレータは、おもにオイル捕捉部材５１と
オイル捕捉部材５１をシリンダーヘッドカバー５２内に
支持するアンダーカバー部材５３とからなり、ブローバ
イガスをオイル捕捉部材５１に通過させてブローバイガ
ス中に含まれる潤滑オイルを捕捉する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
にはつぎの問題がある。シリンダヘッドカバー５２はエ
ンジン形状によってその形状が異なるため、シリンダー
ヘッドカバー５２の形状が異なれば、シリンダヘッドカ
バー５２に直接組み付けられるオイル捕捉部材５１はそ
の形状をシリンダーヘッドカバー５２の形状に沿うよう
に変える必要があり、さらにアンダーカバー部材５３の
形状も変える必要がある。そのため汎用性が乏しく、シ
リンダーヘッドカバーの形状が多種になるほどオイルセ
パレータの生産性が低下する。本発明の課題は、汎用性
の高い生産性に優れたたオイルセパレータを提供するこ
とである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成する本発
明はつぎの通りである。オイルセパレータとブローバイ
ガス排出管と固定部とからなり、前記オイルセパレータ
は箱体と該箱体内に配置されたオイル捕捉部材を有し、
前記箱体は開口部が形成された上壁を有しており、前記
開口部に前記ブローバイガス排出管の下端部が固定され
ており、前記箱体の上壁の前記開口部から隔たった位置
に前記固定部が形成されており、前記オイルセパレータ
の箱体はブローバイガス流入口を有しかつオイル排出口
が形成された下壁を有しており、前記ブローバイガス排
出管は前記箱体と固定された下端部の上方にシリンダヘ
ッドカバーを挿通しシリンダヘッドカバーにかしめ固定
される挿通部を有しており、前記固定部は該固定部をシ
リンダヘッドカバーから支持する支持部材の結合部を有
している、オイルセパレータユニット。

【０００５】上記のオイルセパレータユニットのオイル
セパレータは、箱体と箱体内に配置されたオイル捕捉部
材とを有する。そして、そのオイルセパレータにブロー
バイガス排出管が固定され、また固定部が形成されてオ
イルセパレータユニットを構成しているため、オイルセ
パレータがシリンダヘッドカバーへ取り付けられる場合
は、オイル捕捉部材が直接組み付けられるのではなく、
オイルセパレータユニットごとシリンダーヘッドカバー
に配置され、ブローバイガス排出管の挿通部がシリンダ
ヘッドカバーにかしめ固定され、固定部がシリンダヘッ
ドカバーと結合されて取り付けられるので、シリンダヘ
ッドカバーの形状が異なる場合でもオイルセパレータユ
ニット自体の形状を変えることなく、いずれの形状のシ
リンダヘッドカバーへも取り付けられる。そのため汎用
性が高く、生産性に優れる。また、容易にシリンダヘッ
ドカバーに取り付けることができ、組み付け性にも優れ
る。オイルセパレータユニットは、シリンダヘッドカバ
ーにブローバイガス排出管の挿通部と、固定部との少な
くとも２か所で固定されるため、シリンダヘッドカバー
との固定が安定する。

【０００６】

【発明の実施の形態】図１は本発明の実施例のオイルセ
パレータユニットをシリンダヘッドカバーに取り付けた
状態を示している。

【０００７】本発明の実施例のオイルセパレータユニッ
トは、オイルセパレータ１と、ブローバイガス排出管２
と、固定部３とからなる。オイルセパレータ１は、たと
えば鉄製の箱体１０と、箱体１０内部に配置されたオイ
ル捕捉部材１１を有する。箱体１０は、開口部１２が形
成され、角部がＲの略四角形の上壁１０ａを有し、開口
部１２にはブローバイガス排出管２の下端部がたとえば
溶接によって固定されている。上壁１０ａには開口部１
２から隔たった位置に固定部３がたとえば溶接によって
接合されている。箱体１０は、図示されない燃焼室内か
らピストンとシリンダ壁の間隙を通ってクランクケース
内に洩れ出たブローバイガス（未燃ガスや排ガス）の流
入口となるブローバイガス流入口１５を有し、かつ箱体
１０内に配置されたオイル捕捉部材１１によって捕捉さ
れたオイルを箱体外へ排出するオイル排出口１６が形成
された下壁１０ｂを有している。上壁１０ａの外周端は
下方に垂下し側壁１０ｃを形成し、端部で下壁１０ｂと
接合している。ブローバイガス排出管２は、たとえば鉄
材からなり、箱体１０と固定された下端部の上方にたと
えばアルミ材からなるシリンダヘッドカバー５を挿通し
シリンダヘッドカバー５にかしめ固定される挿通部２ａ
を有する。固定部３は、固定部３をシリンダヘッドカバ
ー５から支持する支持部材８の結合部を有している。支
持部材８はたとえばボルトやステーなどがある。支持部
材８がボルトであれば結合部は固定部３に形成されたネ
ジ部となり、ステーであれば結合部は固定部３に形成さ
れたステー取り付け部となる。

【０００８】ブローバイガスはブローバイガス流入口１
５からオイルを含んだ状態でオイルセパレータ１内に流
入し、オイル捕捉部材１１によってオイルがほぼ除かれ
た状態でブローバイガス排出管２から排出され、燃焼室
に導かれる。そのためオイルが燃焼室で燃焼消費される
ことが少なくなり、オイルセパレータ１によってオイル
の無駄な消費は減少する。ブローバイガスとオイル捕捉
部材１１との接触時間が長いほど、ブローバイガス中に
含まれるオイルはオイル捕捉部材１１に捕捉されやす
い。そのため、箱体１０に形成されるブローバイガス流
入口１５は上壁１０ａに形成される開口部１２と同じ軸
芯上ではなく、異なる軸芯上に形成されることが望まし
い。その結果、ブローバイガスがブローバイガス流入口
１５から箱体１０内に流入して開口部１２に達するまで
の流路が長くなり、ブローバイガスとオイル捕捉部材１
１との接触時間が長くなる。図１においてブローバイガ
ス流入口１５は箱体１０の下壁１０ｂに設けられている
が、側壁１０ｃに設けられてもよい。

【０００９】オイル捕捉部材１１はたとえば積層ワイヤ
ーメッシュが用いられる。積層ワイヤーメッシュ１１
は、ブローバイガス流入口１５側から開口部１２側まで
のブローバイガスのおもな流路となる部分ではブローバ
イガスとの接触が多くなるように密度が高くされ、オイ
ル排出口１６側ではワイヤメッシュ１１によって捕捉さ
れたオイルをオイル排出口１６に導きやすくするために
密度が低くされることが望ましい。オイル捕捉部材１１
に捕捉されたオイルは、オイル捕捉部材を伝わり下方に
移動し、箱体１０の下壁１０ｂに設けられたオイル排出
口１６から排出される。オイル排出口１６にオイルが集
まりやすくするために、下壁１０ｂはオイル排出口１６
側に傾斜していることが望ましい。

【００１０】ブローバイガス排出管２の挿通部２ａは、
塑性加工によりブローバイガス排出管２の下端部上方の
外周面が全周にわたってもしくは部分的に内側へ凹んで
いる。

【００１１】本発明の実施例のオイルセパレータユニッ
トの製造方法は、箱体１０の上壁１０ａの開口部１２に
ブローバイガス排出管２を挿入し、その下端部を溶接に
てブローバイガス排出管２に固定し、箱体内にオイル捕
捉部材１１を配置し、箱体１０の下壁１０ａと側壁１０
ｃの端部とを接合する工程と、箱体１０の上壁１０ａに
固定部３を溶接にて取り付ける工程とからなり、シリン
ダヘッドカバー５とは別工程で製造できる。

【００１２】上記の方法により製造したオイルセパレー
タユニットのシリンダヘッドカバー５への組み付けは、
シリンダヘッドカバー５の上壁５ａに設けられた開口部
６にブローバイガス排出管２を挿通し、シリンダヘッド
カバー５を回転ローラ９によって外周から押しつけて変
形させ、シリンダヘッドカバー５を挿通部２ａの凹みに
かしめ、シリンダヘッドカバー５と挿通部２ａ（ブロー
バイガス排出管２）を互いに固定させることと、上壁５
ａの開口部６から隔たった位置に設けられた固定部３
を、支持部材８（たとえばボルト）によってシリンダヘ
ッドカバーと結合することによって行われる。シリンダ
ヘッドカバーが挿通部２ａにかしめられるため、挿通部
２ａの周囲のシリンダヘッドカバーは外側に向かって短
く突出するノズル状に形成しておくことが望ましい。

【００１３】つぎに、作用を説明する。本発明実施例の
オイルセパレータユニットでは、オイルセパレータ１が
箱体１０と箱体１０内に配置されたオイル捕捉部材１１
とを有し、シリンダヘッドカバー５とは別体で構成され
ている。そしてオイルセパレータ１に、シリンダヘッド
カバーにかしめ固定される挿通部２ａを有するブローバ
イガス排出管２が固定され、さらにシリンダヘッドカバ
ー５に支持部材８によって支持される固定部３が形成さ
れてオイルセパレータユニットが構成されているので、
オイルセパレータユニットはシリンダヘッドカバー５の
形状にかかわらず、シリンダヘッドカバー５に挿通部２
ａがかしめられ、固定部３が結合され取り付けられる。
そのため、オイルセパレータユニットは１種類であって
も多種類のシリンダヘッドカバーに取り付けることがで
き、汎用性が高く、生産性に優れる。また、オイルセパ
レータユニットのシリンダヘッドカバー５への取り付け
は、オイル捕捉部材１１が箱体１０内に配置されている
ため、箱体１０ごとシリンダーヘッドカバー５に取り付
ければよく、箱体１０にはシリンダーヘッドカバー５へ
の取り付け部分を有するブローバイガス排出管２および
固定部３が設けられており、容易に行うことができる。
また、ブローバイガス排出管２の挿通部２ａと固定部３
の少なくとも２か所でシリンダヘッドカバー５とオイル
セパレータユニットは固定されるため、１か所で固定さ
れるものに比べて、安定して固定される。

【００１４】

【発明の効果】本発明のオイルセパレータユニットによ
れば、オイルセパレータにブローバイガス排出管と固定
部とが設けられシリンダヘッドカバーへはオイルセパレ
ータユニットごと取り付けられ、従来のようにシリンダ
ヘッドカバーに個々の部材をそれぞれ組み付けなくても
よいことから、シリンダヘッドカバーの形状に影響され
ることなく異なる種類のシリンダヘッドカバーへも取り
付けることができ、汎用性が高く、生産性に優れる。ま
た、組み付け性にもすぐれる。また、オイルセパレータ
ユニットは、ブローバイガス排出管２の挿通部２ａと固
定部３の少なくとも２か所でシリンダヘッドカバー５に
取り付けられるため、安定して固定される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例のオイルセパレータユニットを
シリンダヘッドカバーへ取り付けた状態を示す図であ
る。

【図２】従来のオイルセパレータがシリンダヘッドカバ
ーへ取り付けられた状態を示す図である。

【符号の説明】

１ オイルセパレータ ２ ブローバイガス排出管 ２ａ 挿通部 ３ 固定部 ５ シリンダヘッドカバー ８ 支持部材 １０ 箱体 １０ａ 上壁 １０ｂ 下壁 １１ オイル捕捉部材 １２ 開口部 １５ ブローバイガス流入口 １６ オイル排出口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 オイルセパレータとブローバイガス排出
   管と固定部とからなり、 前記オイルセパレータは箱体と該箱体内に配置されたオ
   イル捕捉部材を有し、前記箱体は開口部が形成された上
   壁を有しており、前記開口部に前記ブローバイガス排出
   管の下端部が固定されており、前記箱体の上壁の前記開
   口部から隔たった位置に前記固定部が形成されており、
   前記オイルセパレータの箱体はブローバイガス流入口を
   有しかつオイル排出口が形成された下壁を有しており、 前記ブローバイガス排出管は前記箱体と固定された下端
   部の上方にシリンダヘッドカバーを挿通しシリンダヘッ
   ドカバーにかしめ固定される挿通部を有しており、 前記固定部は該固定部をシリンダヘッドカバーから支持
   する支持部材の結合部を有している、オイルセパレータ
   ユニット。