JPS6026174Y2 - 内燃機関のｐｃｖシステム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は内燃機関（以後エンジンという）のクランク
ケース内のブローバイガスを吸気系に還流してエンジン
外への流出を防止しかつクランクケース内の換気も行な
うｐｃｖ （ポジチブ クランクケース ベンチレーシ
ョンの略称）システムに関するものである。

従来ＰＣ■システムを有するエンジンでは、クランクケ
ースとインテークマニホルド若しくはエアクリーナ若し
くはその両方とを連通ずる通路のクランクケース側のブ
ローバイガスの吐出口部をおおい、かつブローバイガス
中のオイルミストを分離するためのオイルセパレータが
クランクケース内部に同クランクケースに対し区画して
設けられている。

然しこのオイルセパレータでは、ブローバイガスを吸入
するために該オイルセパレータに設けた吸入口がオイル
セパレータ内のオイルをクランクケース側に戻す戻し口
を兼ねていたり、又オイル戻し口がブローバイガス吸入
口と別に設けられていても戻し口の構造上ブローバイガ
スが戻し口からオイルセパレータ内に吹き込むことがで
きるようになっていた。

このためオイルセパレータ内でブローバイガスから分離
したオイルがクランクケース側に戻らずオイルセパレー
タ内に溜ったり、オイル戻し口からオイルセパレータ内
に吹き込むブローバイガスに吹き飛ばされて再びオイル
セパレータ内のブローバイガス中に含有されたりして吸
気系へのオイルの持ち去り量が多いことがあった。

この考案はオイルセパレータ内に溜ったオイルが確実に
オイル戻し口からクランクケース内に戻され、かつオイ
ル戻し口からオイルセパレータ内にクランクケース内の
ブローバイガスが吹き込まないＰＣＶシステムの提供を
目的とする。

以下実施例を示す図面に基づきこの考案を説明する。

第１図及び第２図はこの考案の第１実施例を示す。

同図においてエンジンＥのシリンダヘッド２の上面２ａ
にはへラドカバー１がガスケット７を介して気密に取り
つけられている。

ヘッドカバー１は図示しないクランクケースに接続し、
クランクケース内の一部となっている。

ヘッドカバー１には２個のブローバイガスの吐出口１３
，１４が設けられ、吐出口１３はブローバイガス通路３
を介しエンジンＥの図示しないエアクリーナに連通し、
吐出口１４はグロメット６、ＰＣＶバルブ５及びブロー
バイガス通路４を介してエンジンＥの図示しないインテ
ークマニホルドに連通している。

両峰出口部１３．１４を覆ってヘッドカバー１の内面に
はオイルセパレータ８がガスケット１５を介してリベッ
ト又は溶接により気密に取りつけられ、その下面８ａの
一部はへラドカバー１の側壁１ａに沿って下方に延出し
下端にクランクケース内のブローバイガスを吸入するた
めの吸入口１２が形成されている。

ＰＣＶバルブ５はオイルセパレータ８内のブローバイガ
スの圧力Ｐ１とインテークマニホルド負圧とに対応して
通路４を流れるブローバイガスの流量を制御している。

オイルセパレータ８の下面の８ａの一部には凹部８ｂが
設けられ、この凹部８ｂにオイルの戻し口９が設けられ
ている。

戻し口９にはクランクケース内に向けて下方に突出する
３字状のオイル排出パイプ１０の一端部が取りつけられ
、他端部は上方に析出されて尖端は開口端１１となって
いる。

上記の構成において、エンジンの運転中はオイルセパレ
ータ８内の圧力Ｐ１はクランクケース（ヘッドカバー１
）内の圧力Ｐ０よりも小さいからクランクケース内のブ
ローバイガスは吸入口１２からオイルセパレータ８内に
流入し吐出口１３．１４からエアクリーナ、インテーク
マニホルドに吸入される。

吐出口部１３．１４は何れか一方だけでもよい。

この際オイルセパレータ８内のブローバイガス中のオイ
ルミストは凝集してオイルセパレータ８の底面８ａに落
下し、凹部８ｂの戻し口９からオイル排出パイプ１０内
を流下し、第１図に示す状態でオイル排出パイプ１０内
に溜まる。

パイプ１０内の両オーイル面のヘッド差ををｈとすると
Ｐ。

＝ Ｐ、 ＋ ｐｇｈとなる。但しｐはオイルの質量、
ｇは重力加速度である。

第１図のオイル滞溜状態においてさらに戻し口９からオ
イルがオイル排出パイプ１０内に流入すると流入した量
と同量のオイルがクランクケース内に排出され、オイル
排出パイプ１０内は常にｈのヘッド差に保持される。

この状態を保持するためには戻し口９と開口端１１との
高さの差をＨとするとＨｈｈが必要でこの条件を充すよ
うにオイル排出パイプ１０の寸法が設定されておりこの
条件が存在する限り戻し口９からオイルセパレータ８内
にオイルが噴出することがない。

従ってオイルセパレータ内からエアクリーナ或ハエンジ
ンのインテークマニホルド或はその両方にブローバイガ
スとともに流出するオイル量（オイル持ち去り量）は僅
かである。

第３図はブローバイガス発生量（ｌ／ｍ１ｎ）とＰＣＶ
系オイル持ち去り量（ｇ／ｈｒ）との関係を従来のＰＣ
Ｖシステム（点線）とこの考案のＰＣＶシステム（実線
）とについて比較した図である。

オイル持ち去り量はこの考案により減少することが分る
。

特にブローバイガス発生量の多い領域で従来ではオイル
持ち去り量が急増するがこの考案によるＰＣＶシステム
では急増しない。

第４図はこの考案の第２実施例を示す。

第２実施例ではクランクケース内においてエンジンのシ
リンダへラドカバー１６に図示しないブローバイガス吸
入口を有するオイルセパレータ１７がガスケット１８を
介して取りつけられ、オイルセパレータ１７内でシリン
ダブロック１６にはブローバイガスの吐出口１９が設け
られている。

吐出口１９は図示しないエンジンのインテークマニホル
ドに連通している。

オイルセパレータ１７の底面１７ａにクランクケース内
に向けて下方に突出する３字状のオイル排出パイプ２０
が取りつけられている。

エンジン運転中はオイル排出パイプ２０内のオイル面の
高さの差はｈｌであり、オイルセパレータ１７の底面１
７ａとオイル排出パイプ２０の開口端２１との高さの差
をＨｌとすると第１実施例と同様にＨ１＼ｈ１となるよ
うオイル排出パイプ２０寸法が設定されている。

上述のようにこの考案はエンジンのクランクケース内に
設けた、ブローバイガスの吸入口と同ガスの吸気系への
吐出口とを有するオイルセパレータの底面にクランクケ
ース内に向けて下方に突出する３字状のオイル排出パイ
プを設けたものであるから、エンジン運転中はオイルセ
パレータの底面との間に空虚部を残してオイル排出パイ
プ内に常にオイルが滞溜する。

その結果オイルセパレータの底面に溜るブローバイガス
中のオイルは確実にクランクケース内に排出されるとと
もにオイル排出パイプ内のオイルがオイルセパレータ内
に逆流しないからオイルの持ち去り量が従来のＰＣＶシ
ステムに比較して著しく減少する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の要部の縦断正面図を示し
、第２図は第１図の■−■線断面図を示す。 第３図は従来のＰＣＶシステムとこの考案のＰＣＶシス
テムとのＰＣＶ系オイル持ち去り量の比較を示す図であ
る。 第４図はこの考案の第２実施例の要部の断面図である。 ８．１７・・・・・・オイルセパレータ、１２・・・・
・・吸入口、１３，１４．１９・・・・・・吐出口、１
０，２０・・・・・・オイル排出パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底面を有するオイルセパレータが内燃機関のクランクケ
   ース内に同クランクケースに対し区画して設けられ、こ
   のオイルセパレータはクランクケース内のブローバイガ
   スを吸入するための吸入口と、機関の吸気系に連通ずる
   ブローバイガスの吐出口とを有する内燃機関のＰＣ■シ
   ステムであって、前記オイルセパレータの底面にはクラ
   ンクケース内に向けて下方に突出する１字状のオイル排
   出パイプが設けられていることを特徴とする内燃機関の
   ｐｃｖシステム。