JPH1181269A - 沖合防波堤 - Google Patents
沖合防波堤Info
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- JPH1181269A JPH1181269A JP9243022A JP24302297A JPH1181269A JP H1181269 A JPH1181269 A JP H1181269A JP 9243022 A JP9243022 A JP 9243022A JP 24302297 A JP24302297 A JP 24302297A JP H1181269 A JPH1181269 A JP H1181269A
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- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract
るだけでなく、進入波浪のエネルギーを効率よく減衰さ
せることにより波浪による海岸の侵食を防止することの
できる沖合防波堤を提供することを目的とする。 【解決手段】 一定間隔Wの開口部4a,4bを有する
複数の離岸堤2a,2bを、海岸線にほぼ平行に、か
つ、前後2列に配置し、上記開口部の幅Wを、波高を減
衰させるべき目標波浪の周期と沖合防波堤1の設置箇所
の水深条件等に基づいて決定するとともに、上記各離岸
堤2a,2bの長さaを、a/W=0.9〜1.8の範
囲とし、かつ、上記2列の防波堤の間隔bを、b/W=
0.5〜1.4の範囲とする。
Description
の沖合いに設置される沖合防波堤に関するものである。
の航行や海岸線の維持(砂浜の流出防止)のため、外海
からの波浪の進入を防ぐ防波堤が設置されている。この
ような沖合防波堤1は、例えば、図17(a)に示すよ
うに、コンクリートケーソンやコンクリートブロックか
ら成る長さaの複数の離岸堤2,2を、海岸の汀線3と
ほぼ平行にかつ一定間隔Wの開口部4をおいて直線状に
配置した1段配置の構造のものが採用されている。沖合
防波堤1の上記開口部4は、波浪を通過させ海水の交換
を図るために設けられているものである。なお、図17
(b)は、そのA−A断面図で、図中の矢印は外海から
の波浪の進入方向を示す。しかしながら、このような沖
合防波堤1においては、離岸堤2の長さaや、上記長さ
aと開口部4の幅Wとの関係等が経験的に決められてい
るに過ぎないため、十分な防波機能を果たすことができ
なかった。
(a)に示すように、開口部4aを有する沖側の離岸堤
2a,2aから成る沖側防波堤1Aと、開口部4bを有
する岸側の離岸堤2b,2bから成る岸側防波堤1Bと
を、海岸線にほぼ平行に所定の間隔で整合配置したもの
や、図18(b)に示すように、離岸堤2aと離岸堤2
bとを千鳥状に配置した構造のものも提案されている
(特公平7−18140号公報)。これは、入射波浪の
エネルギーを沖側防波堤1Aとの衝突により減衰させ、
更に、上記沖側防波堤1Aの開口部4aから進入してき
た波浪のエネルギーを上記沖側防波堤体1Aと上記岸側
防波堤1Bとの離間部である消波部1Cにおいて波の干
渉作用により減衰させて海岸線に進入する波浪の波高を
低減し、海岸の侵食を防止するようにしたものである。
しかしながら、上記構造の沖合防波堤1の場合も、上述
した1段配置の沖合防波堤1と同様に、開口部4a,4
bの幅Wと離岸堤長さaとの関係や開口部4a,4bの
幅Wと沖側防波堤1Aと岸側防波堤1Bとの間隔bとの
関係については明らかにされておらず、そのため十分な
防波機能を果たすような設計ができなかった。また、上
記千鳥状に配置した構造の沖合防波堤1では、開口部の
通水性が損なわれるという問題点があった。
解決するためになされたもので、開口部の通水性に優れ
海水の交換が容易であるだけでなく、進入波浪のエネル
ギーを効率よく減衰させることにより、波浪による海岸
の侵食を防止することのできる沖合防波堤を提供するこ
とを目的とする。
堤は、前後2列に配置した離岸堤の左右の間隔すなわち
開口部の幅を、波高を減衰させるべき目標波浪の周期と
沖合防波堤の設置箇所の水深条件等に基づいて決定する
とともに、上記各離岸堤の長さを上記開口部の幅の0.
9倍〜1.8倍とし、かつ、上記2列の離岸堤の前後方
向の間隔を上記開口部の幅の0.5倍〜1.4倍とした
ことを特徴とする。
て、図面に基づき説明する。図1(a)は、本実施の形
態に係わる沖合防波堤1を示す図で、図1(b)はその
A−A断面図である。沖合防波堤1は、海岸線にほぼ平
行に配置された、開口部4aを有する複数の離岸堤2
a,2aから成る沖側防波堤1Aと、上記沖側防波堤1
Aの後方(海岸側)に沖側防波堤1Aとほぼ平行に配置
された開口部4bを有する複数の離岸堤2b,2bから
成る岸側防波堤1Bとから構成され、上記沖側防波堤1
Aの開口部4aと上記岸側防波堤1Bの開口部4bとが
直線状になるように整合配置されている。上記開口部4
a,4bの幅Wは、当該海岸に進入する波浪のうち波高
を減衰させるべき目標波浪の周期と沖合防波堤の設置箇
所の水深条件や海底基板の勾配等の条件によって決定さ
れる。上記波高を減衰させるべき目標波浪は、通常、台
風などの異常気象時に波高が大きくなる約7sec.か
ら12sec.の長周期の波浪に設定される。
(a,b,W)は、制御すべき波浪の周期Tを7se
c.〜12sec.に設定し、上記設定された有効周波
数帯をもとに、等価電気回路による波浪フィルター理論
により決定した。上記最適形状(a,b,W)は、開口
部4a,4bの幅WがW=20m、離岸堤2a,2bの
長さaがa=24m(a/W=1.2)、沖側防波堤1
Aと岸側防波堤1Bとの間隔bがb=22m(b/W=
1.1)であった。以下、上記沖合防波堤1の構成(a
/W=1.2,b/W=1.1)を基本配置と呼ぶ。次
に、この基本配置の沖合防波堤1において、外海の図中
矢印で示す方向から波高A0,周期T=3sec.〜1
3sec.の規則的な波が入射したとき、岸側防波堤1
Bを通過して海岸側に進入する波浪の波高減衰率Wt
(進入波の波高をAとしてWt=A/A0)を、波浪工
学理論による数値シミュレーションにより算定した。図
1(c)はその結果を示すグラフで、横軸は入射波浪の
周期T、縦軸は波高減衰率Wtである。また、図中の○
印はWtの最大値と最小値を示すもので、−印はWtの
平均値を示すものである。なお、上記数値シミュレーシ
ョンでは、平均水深HをH=5mとして計算した。図か
ら明らかなように、この基本配置の沖合防波堤1におい
ては、異常気象時に波高が大きくなり易い長周期の条件
(同図のT=8〜12sec.)での波高減衰率Wtは
最大値でも40%未満に抑えられ、T=8〜12se
c.でのWtの平均値は約25%と著しい防波効果が得
られる。なお、周期の短い波浪は一般に波長も短いの
で、開口部4a,4bから海岸側に進入し易いため、T
<6sec.においては、波高減衰率Wtの平均値も約
60%程度となり、最大値と最小値の差も大きい。な
お、以下の数値シミュレーションにおいても、平均水深
はH=5m,開口部4a,4bの幅はW=20mに設定
してあるものとする。
ような従来の一段配置の沖合防波堤1について、W=2
0m、配置条件をa/W=1.0とした場合の波高減衰
率Wtを計算したもので、図から明らかなように、T=
8〜12sec.において、波高減衰率Wtは55%〜
70%となり、進入波の波高は本実施の形態の基本配置
に比べて極めて大きいことがわかる。また、図3(c)
は、図3(a),(b)に示すような、従来の2段千鳥
状配列の沖合防波堤1について、W=20mとし、配置
条件をa/W=1.0,b/W=1.0とした場合の波
高減衰率Wtを計算したもので、T=8〜12sec.
における波高減衰率Wtの変化は本実施の形態の基本配
置と同様の傾向を示すが、波高減衰率Wtの値は全体に
約20%高い35%〜55%で、進入波の波高の平均値
も本実施の形態の基本配置に比べて約2倍と大きい。な
お、離岸堤2a,2bの天端面の位置は通常海面上にあ
るが、上述した特公平7−18140号公報に記載され
ているような、沖側防波堤1Aを構成する離岸堤2aの
天端面が海面下にある場合には、一般には、防波堤で反
射されて沖合い向かう波浪の振幅は小さくなるが、海岸
へ進入する波浪の遮断効果は、離岸堤2aの天端面が海
面下にある場合に比べて低減することが知られているの
で、上記図3(c)の波高減衰率Wtの数値シミュレー
ションにおいては、本実施の形態と同様に、離岸堤2a
の天端面の位置が海面上にあるものとして計算を行い、
本実施の形態の基本配置との比較を行った。
堤1Bとの間隔bを最適値であるb=22m(b/W=
1.10)とし、開口部4a,4bの幅Wと離岸堤2
a,2bの長さaとの比をa/W=0.60〜1.80
まで変化させたたときの、入射波浪の周期Tと波高減衰
率Wtとの関係を示すグラフである。なお、図6は上記
基本配置のグラフを再掲したものである。図4に示すよ
うに、配置条件がb/W=1.10,a/W=0.60
のとき、波高減衰率Wtは、T=8〜12sec.にお
いて、60%〜80%と従来の一段配置の沖合防波堤の
場合よりやや高めであるが、a/Wを増加させると、波
高減衰率Wtは、図5〜図8に示すように、a/Wの増
加に伴って減少する。しかし、波高減衰率Wtが低下し
始める周期がやや長い方に移動し、図7、図8に示すよ
うに、波高減衰率Wtが低減する周期帯が長周期側にず
れる。なお、波高減衰率Wtの平均値は、b/W=1.
10,a/W=1.50のときに最小値の20%となる
が、b/W=1.10,a/W=1.20においては、
波高減衰率Wtの最大値が40%以下となる範囲が最も
広いので、これを基本配置とした。図9は、上述した数
値シミュレーションの結果をまとめたもので、b/W=
1.10とした場合には、a/W=0.9〜1.8の範
囲で波高減衰率Wtの平均値は40%以下になり大きな
防波効果が得られる。更に、a/Wを、a/W=1.1
〜1.7の範囲に設定すれば、波高減衰率Wtの平均値
は30%以下で、従来の一段配置の沖合防波堤1におけ
る波高減衰率の半分以下となり、著しい防波効果が得ら
れる。
さaを最適値であるa=24m(a/W=1.2)と
し、開口部4a,4bの幅Wと,沖側防波堤1Aと岸側
防波堤1Bとの間隔bとの比をb/W=0.55〜1.
90まで変化させたたときの、入射波浪の周期TとWt
との関係を示すグラフである。なお、図12は上記基本
配置のグラフを再掲したものである。図10に示すよう
に、配置条件がa/W=1.20,b/W=0.55の
とき、波高減衰率Wtは、T=7.5sec.付近で2
0%以下となり、T=8sec.付近で最小値(Wt=
5%)を持ち、その後直線的に増加する。T=12se
c.での波高減衰率Wtは約60%であるが、波高減衰
率Wtの平均値は既に約35%以下と大きな防波効果が
得られていることがわかる。図11に示すb/W=0.
80では、長周期帯での波高減衰率Wtの増加率は減少
し、平均値も約25%となる。また、図10において、
T=6sec.に現われた波高減衰率Wtのピークは徐
々に長周期側に移動し、図12の基本は位置ではT=7
sec.に移動するとともに、長周期帯での波高減衰率
Wtの増加率は更に減少しする。そして、図13〜図1
5に示すように、b/Wの増加に伴って、上記ピークは
T=7.5〜9.75secまで移動し、上記ピークで
のは波高減衰率Wtも増加する。図14,図15に示す
ように、b/W=1.6からは、上記ピーク値が75%
まで増加する。図16は、上述した数値シミュレーショ
ンの結果をまとめたもので、a/W=1.20とした場
合には、b/W=0.5〜2.0の範囲で波高減衰率W
tの平均値は50%以下になり著しい防波効果が得られ
るが、上述したように、b/W=1.6付近からは、上
記ピークのため、T=8〜12sec.の特定の周期に
対しては大きな防波効果が得られない。したがって、a
/W=1.20とした場合には、b/Wをb/W=0.
5〜1.4の範囲に設定すれば、T=8〜12sec.
の範囲の全ての波浪に対して、波高減衰率Wtの平均値
は40%以下になり大きな防波効果が得られる。更に、
b/Wを、b/W=0.6〜1.2の範囲に設定すれ
ば、波高減衰率Wtの平均値は30%以下で、従来の一
段配置の沖合防波堤1における波高減衰率の半分以下と
なり、著しい防波効果が得られる。
間隔Wの開口部4a,4bを有する複数の離岸堤2a,
2bを、海岸線にほぼ平行に、かつ、前後2列に配置
し、上記開口部の幅Wを、波高を減衰させるべき目標波
浪の周期と沖合防波堤1の設置箇所の水深条件等によっ
て決定するとともに、上記各離岸堤2a,2bの長さa
をa/W=0.9倍〜1.8の範囲とすることにより、
異常気象時に波高が大きくなり易い長周期の条件(T=
8〜12sec.)での波高減衰率Wtの平均値を40
%以下にすることができる。また、上記2列の防波堤の
間隔bを、b/W=0.5〜1.4の範囲とすることに
より、波高減衰率Wtの平均値を40%以下にすること
ができる。特に、a/W=1.2,b/W=1.1とし
た場合には、T=6.5〜13sec.の広い範囲にお
いて、波高減衰率Wtの最大値が40%以下で、かつ、
波高減衰率Wtの平均値はWt=25%となり著しい防
波効果が得られる。
堤1Aと岸側防波堤1Bとを整合配列しているので、開
口部4a,4bが直線状に配置され、開口部での通水性
が損なわれることがない。また、上記例では、開口部4
a,4bの幅をW=20mとして、数値シミュレーショ
ンを行ったが、開口部4a,4bの幅Wの異なる沖合防
波堤においても、上述した防波効果を得るための配置条
件(a/W及びb/Wの範囲)が適用できることはいい
うまでもない。
堤は、前後2列に配置した離岸堤の左右の間隔すなわち
開口部の幅を、波高を減衰させるべき目標波浪の周期と
沖合防波堤の設置箇所の水深条件等に基づいて決定する
とともに、上記各離岸堤の長さを上記開口部の幅の0.
9倍〜1.8倍とし、かつ、上記2列の離岸堤の前後方
向の間隔を上記開口部の幅の0.5倍〜1.4倍とした
ので、異常気象時に波高が大きくなり易い長周期の条件
(T=8〜12sec.)での波高減衰率Wtを大幅に
減少させることができ、防波堤の防波効果を著しく向上
させることができる。
減衰率の数値シミュレーション結果を示す図である。
ュレーション結果である。
ミュレーション結果である。
果である。
果である。
果である。
果である。
果である。
との関係を示す図である。
ーション結果である。
ーション結果である。
ーション結果である。
ーション結果である。
ーション結果である。
ーション結果である。
衰率との関係を示す図である。
る。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 一定間隔の開口部を有する複数の離岸堤
を、海岸線にほぼ平行に、かつ、前後2列に配置して成
る沖合防波堤において、上記開口部の幅を、波高を減衰
させるべき目標波浪の周期と沖合防波堤の設置箇所の水
深条件等に基づいて決定するとともに、上記各離岸堤の
長さを上記開口部の幅の0.9倍〜1.8倍とし、か
つ、上記2列の離岸堤の間隔を上記開口部の幅の0.5
倍〜1.4.倍としたことを特徴とする沖合防波堤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24302297A JP3717642B2 (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | 沖合防波堤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24302297A JP3717642B2 (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | 沖合防波堤 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH1181269A true JPH1181269A (ja) | 1999-03-26 |
JP3717642B2 JP3717642B2 (ja) | 2005-11-16 |
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ID=17097715
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP24302297A Expired - Fee Related JP3717642B2 (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | 沖合防波堤 |
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JP (1) | JP3717642B2 (ja) |
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- 1997-09-08 JP JP24302297A patent/JP3717642B2/ja not_active Expired - Fee Related
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