JPH1180974A - エッチング速度測定方法 - Google Patents

エッチング速度測定方法

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JPH1180974A
JPH1180974A JP23798497A JP23798497A JPH1180974A JP H1180974 A JPH1180974 A JP H1180974A JP 23798497 A JP23798497 A JP 23798497A JP 23798497 A JP23798497 A JP 23798497A JP H1180974 A JPH1180974 A JP H1180974A
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JP
Japan
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film
etching rate
substrate
antireflection film
film thickness
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JP23798497A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Chiwari
信浩 地割
Shinichi Imai
伸一 今井
Koji Shimomura
幸司 下村
Hideo Nikawa
秀夫 二河
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electronics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低粘度の溶液から形成される膜のエッチング
速度を正確に測定できる方法を提供する。 【解決手段】 基板1の表面に溝5(長方形の底付き
穴)を形成し、反射防止膜形成用の低粘度の溶液を基板
上に塗布する。この溶液が乾燥して得られる反射防止膜
3は、基板面のうち溝5外の平坦な部分では薄く、溝5
の内部では溝5を埋めるほどに厚くなっている。溝5内
部における反射防止膜3の初期膜厚を測定した後、溝5
内に反射防止膜3を残す程度に反射防止膜3をエッチン
グし、エッチング後における溝5内の反射防止膜3の残
り膜厚を測定する。初期膜厚と残り膜厚との差をエッチ
ング時間で除することにより、反射防止膜3のエッチン
グ速度を求める。平坦な面上にはごく薄い膜しか形成で
きないほどに低粘度の溶液から形成される膜のエッチン
グ速度を測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジスト膜等の基
板上に形成される低粘度の溶液から形成される膜(例え
ば反射防止膜等)のエッチング速度測定方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路内のゲート電極や
接続孔等の各要素の微細化が進むにつれ、各要素を形成
するためのレジスト膜のパターンサイズが縮小化されつ
つある。そして、レジスト膜のパターンサイズが露光光
の半波長近くあるいはそれ以下になってくると、レジス
ト膜を露光する際、レジスト膜の下地膜つまり各要素を
形成するためにパターニングされる下地膜からの光の反
射によってレジスト膜の露光すべきでない部分が露光さ
れたり、露光すべき部分が干渉などによって露光されな
かったりすることがある。そのために、レジスト膜のパ
ターン精度が悪化し、ひいては各要素の加工精度が悪化
するおそれがある。そこで、下地膜全体の上に反射防止
膜(ARC: Anti-Reflective Coating)を形成し、そ
の上にレジストパターンを形成することで、下地膜から
の光の反射を抑制する技術が注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レジス
ト膜は高粘度の溶液から形成されるために厚い膜が形成
できるのに対し、低粘度の溶液から形成される反射防止
膜は厚い膜を形成するのが困難であるために、以下のよ
うな問題があった。
【0004】図15は、基板上にレジスト溶液及び反射
防止膜となる溶液を滴下し、基板をスピンコーターで回
転させたときに形成されるレジスト膜及び反射防止膜の
膜厚の回転数依存性を示す。レジスト溶液は高粘度であ
るため、回転数を高くしてもレジスト膜の膜厚は薄くな
らず、およそ1800〜2000nmの膜厚が得られ
る。一方、反射防止膜の溶液は非常に低粘度であるた
め、回転数を高くすると急激に膜厚が減少し、回転数が
高い領域ではおよそ1〜10nmの膜厚になる。
【0005】この反射膜が形成された状態で下地膜をパ
ターニングする際には、レジスト膜をマスクとして、反
射防止膜をエッチングしてから下地膜をエッチングする
ことになるが、ゲート電極や接続孔等の要素を高い精度
で形成するためにはパターニングされる各膜のエッチン
グ速度を正確に把握しておく必要がある。すなわち、エ
ッチング時間が長すぎると寸法シフトの増大やスループ
ットの劣化を招き、エッチング時間が短すぎると残査の
発生につながるので、正確なエッチング速度を把握して
おいて、適切なエッチング時間を設定する必要があるか
らである。
【0006】しかるに、反射防止膜のような低粘度の溶
液から形成される膜では、エッチング速度の測定に必要
な膜厚を、平坦な基板上に形成することができないため
エッチング速度を実測できないという問題があった。実
際のデバイスの各要素には段差があるため、反射防止膜
のごとく低粘度溶液から形成される膜では、場所により
膜厚の差を生じるからである。そのために、反射防止膜
の膜厚は把握できても、エッチング時間の正確な設定が
できず、過度にエッチングやエッチング不足による上述
のような不具合を招くおそれがあった。
【0007】斯かる問題は、反射防止膜だけでなく、基
板上に低粘度の溶液を塗布して形成される膜全体に当て
はまる。
【0008】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、基板上に形成された底付き穴に低
粘度の溶液を塗布して厚い膜を形成することにより、こ
の膜を利用した正確なエッチング速度の測定方法を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、請求項1〜6に記載されているエッチ
ング速度の測定法方に関する手段を講じている。
【0010】本発明のエッチング速度測定方法は、請求
項1に記載されているように、基板に底付き穴を形成す
る工程と、上記底付き穴内を含む基板上に溶液を塗布し
て膜を形成する工程と、上記底付き穴内における上記膜
の初期膜厚を測定する工程と、所定時間の間エッチング
を行って、上記底付き穴内に膜を残すように上記膜を部
分的に除去する工程と、上記エッチングの終了後に上記
底付き穴内に残存している上記膜の残り膜厚を測定する
工程と、上記膜の初期膜厚と上記残り膜厚との差を上記
所定時間で除することによりエッチング速度を求める工
程とを備えている。
【0011】この方法により、平坦な基板上にはごく薄
い膜しか形成できないほどに低粘度の溶液を塗布して得
られる膜であっても、基板の底付き穴内では厚い膜厚を
有することを利用して、エッチング速度を正確に把握す
ることができる。特に、底付き穴には底部の平坦部だけ
でなく側部の段差も存在するので、底付き穴内に形成さ
れる膜には実デバイスで現れる段差部における膜のエッ
チング速度も正確に測定できる。
【0012】請求項2に記載されているように、請求項
1において、上記底付き穴の形状が、円柱状あるいは半
球状であってもよい。
【0013】請求項3に記載されているように、請求項
1において、上記底付き穴の横断面形状が長方形状であ
ることが好ましい。
【0014】請求項4に記載されているように、請求項
3において、上記底付き穴の横断面における長辺方向
が、上記基板の中心付近の1点を中心とする任意の円の
接線方向と平行であってもよい。
【0015】請求項5に記載されているように、請求項
3において、上記底付き穴の横断面における長辺方向
が、上記基板の中心付近の1点を中心とする任意の円の
接線方向と垂直であってもよい。
【0016】これにより、請求項5の方法よりも厚い膜
が溝内に形成されるので、より正確なエッチング速度の
測定が可能となる。
【0017】請求項6に記載されているように、請求項
1〜5のうちいずれか1つにおいて、上記底付き穴を上
記基板の任意の位置に形成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエッチング速度測
定方法の実施形態について、反射防止膜を例にとり、図
面を参照しながら説明する。
【0019】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の
実施形態について説明する。
【0020】図1は第1の実施形態に係るエッチング速
度測定方法を示すフローチャート図である。図1におい
て、ステップS1は基板上に穴を形成する工程、ステッ
プS2は反射防止膜となる溶液を塗布する工程、ステッ
プS3は反射防止膜の初期膜厚を測定する工程、ステッ
プS4は反射防止膜をエッチングする工程、ステップS
5は反射防止膜の残り膜厚を測定する工程、ステップS
6はエッチング速度を算出する工程をそれぞれ示す。以
下、図1の各ステップにおける処理の内容について、図
2及び図3を参照しながら説明する。
【0021】図2(a)〜(c)は、本実施形態に係る
エッチング速度を測定する工程を示す基板の断面図であ
って、穴の中心を通る縦断面を示している。
【0022】最初に、図2(a)に示す工程で、図1に
示すステップS1の処理を行う。つまり、基板1に反射
防止膜の厚みを測定するための円柱状の穴2を形成す
る。図3は、この工程における基板の平面図である。同
図に示すように、基板1には、多数の穴2が所定間隔毎
に形成されている。
【0023】次に、図2(b)に示す工程で、図1に示
すステップS2の処理を行う。つまり、穴2を含む基板
1の全面上に反射防止膜3となる溶液をスピンコーター
等で塗布する。反射防止膜3として固化する前の溶液は
低粘度であるので、穴2の中は溶液で埋まるが、穴2の
外では非常に薄い膜しか塗付できない。その結果、反射
防止膜3は、穴2の内部では厚く穴2の外の基板1上で
は薄くなっている。
【0024】そして、この状態で、図1に示すステップ
S3の処理を行う。すなわち、穴2内に形成された反射
防止膜3の初期膜厚を、光学式膜厚測定器,段差測定
器,走査型電子顕微鏡,AFM等で測定する。
【0025】次に、図2(c)に示す工程で、図1に示
すステップS4の処理を行う。つまり、反射防止膜3を
基板1に対して選択的にエッチングする。このとき、反
射防止膜3は、基板1の表面においては膜厚が薄いので
完全に除去されるが、穴2の内部では膜厚が厚いので残
存している。その後、図1に示すステップS5の処理を
行う。つまり、穴2の中の反射防止膜3の残り膜厚を、
光学式膜厚測定器,段差測定器,走査型電子顕微鏡,A
FM等で測定する。また、エッチング時間も別途測定し
ておく。
【0026】さらに、図1に示すステップS6の処理を
行い、この穴2の内部における反射防止膜3の初期膜厚
と残り膜厚との差をエッチング時間で割ることにより、
エッチング速度を求める。そして、図3に示す多数の穴
2についてのエッチング速度から反射防止膜3のエッチ
ング速度の基板面内における分布がわかる。
【0027】図4は、第1の実施形態のエッチング速度
測定方法を利用して形成された反射防止膜のエッチング
速度の粘度に対する依存性を示す。図4に示すように、
反射防止膜の粘度を大きくすると、エッチング速度が遅
くなることが分かる。
【0028】図5は、第1の実施形態による反射防止膜
のエッチング速度の,イオンの入射方向に対する反射防
止膜の角度への依存性を示す。ただし、図6に示すよう
に、イオンの入射方向に対する反射防止膜の角度とは、
エッチング時に照射されるプラズマイオン等の入射方向
と反射防止膜3の面との間の角度θである。図6に示さ
れるように、穴2に反射防止膜3を埋め込むことによ
り、穴2の上部と下部の段差から、穴2の側部では反射
防止膜3がイオンの入射方向に対して傾斜角θを持って
堆積するので、反射防止膜3のエッチング速度の,イオ
ンの入射方向に対する反射防止膜の角度θへの依存性を
測定できる。そして、図5に示すように、イオンの入射
方向に対し反射防止膜の表面が平行になるほど、エッチ
ング速度が速くなることが分かる。すなわち、実際の製
造工程で使用される基板において、反射防止膜が塗布さ
れる下地には多くの段差が存在するが、この結果を利用
すれば、段差の各部での反射防止膜等の正確なエッチン
グ速度が把握できることになる。
【0029】以上のように、本発明のエッチング速度測
定方法に係わる第1の実施形態によれば、穴2に反射防
止膜3となる溶液を埋め込むことにより、穴2の内部に
厚い反射防止膜3を形成することができ、これを利用し
てエッチング速度の正確な測定を行うことができる。
【0030】また、基板1上に穴2を形成することによ
り、穴での低粘度溶液から形成される塗布膜のコート回
転数や粘度による膜厚の差を測定することができる。こ
れにより実デバイスでの段差でのより精密なエッチング
速度の測定ができる。
【0031】なお、膜厚を測定する測定器は、光学式膜
厚測定器、段差計、走査型電子顕微鏡、段差計、AFM
等のいかなる測定器でもよい。
【0032】なお、ここでは被膜厚測定物を反射防止膜
3としたが、本発明はかかる実施形態に限定されるもの
ではなく、いかなる被膜厚測定物でもよい。特に、本発
明は、平坦な基板上にはエッチング速度の測定が可能な
膜厚を有する膜を形成できないほどに低粘度の溶液を塗
布して形成される膜に適用したときに著効を発揮でき
る。
【0033】なお、ここでは基板に形成した穴の形状
が、円柱形状であったが、半球形状でも良い。
【0034】また、本実施形態では基板1にエッチング
速度測定用穴2を形成しているが、層間絶縁膜等の酸化
膜や金属配線等、いかなる部材の面にエッチング速度測
定用穴を形成してもよい。
【0035】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。
【0036】図7は、第2の実施形態に係るエッチング
速度測定方法を示すフローチャート図である。図7にお
いて、ステップS11は基板上に動径方向(図14に示
すX方向)に平行な溝を形成する工程、ステップS12
は反射防止膜となる溶液を塗布する工程、ステップS1
3は反射防止膜の初期膜厚を測定する工程、ステップS
14は反射防止膜をエッチングする工程、ステップS1
5は反射防止膜の残り膜厚を測定する工程、ステップS
16はエッチング速度を算出する工程をそれぞれ示す。
以下、図7の各ステップにおける処理の内容について、
図8及び図9を参照しながら説明する。
【0037】図8(a)〜(c)は、本実施形態に係る
エッチング速度を測定する工程を示す基板の断面図であ
って、溝の中心を通る縦断面を示している。
【0038】最初に、図8(a)に示す工程で、図7に
示すステップS11の処理を行う。つまり、基板1に反
射防止膜の厚みを測定するための溝5(つまり長方形状
の底付き穴)を形成する。図9は、この工程における基
板の平面図である。同図に示すように、基板1には、基
板1の動径方向(図14に示すX方向、つまり基板の中
心点を中心とする多数の同心円の接線方向)に平行な多
数の溝5が所定間隔毎に形成されている。
【0039】次に、図8(b)に示す工程で、図7に示
すステップS12の処理を行う。つまり、溝5を含む基
板1の全面上に反射防止膜3となる溶液をスピンコータ
ー等で塗布する。反射防止膜3として固化する前の溶液
は低粘性であるので、溝5の中は溶液で埋まるが、溝5
の外では非常に薄い膜しか塗付できない。その結果、反
射防止膜3は、溝5の内部では厚く溝5の外の基板1上
では薄くなっている。
【0040】そして、この状態で、図7に示すステップ
S13の処理を行う。すなわち、溝5内に形成された反
射防止膜3の初期膜厚を、光学式膜厚測定器,段差測定
器,走査型電子顕微鏡,AFM等で測定する。
【0041】次に、図8(c)に示す工程で、図7に示
すステップS14の処理を行う。つまり、反射防止膜3
を基板1に対して選択的にエッチングする。このとき、
反射防止膜3は、基板1の表面においては膜厚が薄いの
で完全に除去されるが、溝5の内部では膜厚が厚いので
残存している。その後、図7に示すステップS15の処
理を行う。つまり、溝5の中の反射防止膜3の残り膜厚
を、光学式膜厚測定器,段差測定器,走査型電子顕微
鏡,AFM等で測定する。また、エッチング時間も別途
測定しておく。
【0042】さらに、図7に示すステップS16の処理
を行い、この溝5の内部における反射防止膜3の初期膜
厚と残り膜厚との差をエッチング時間で割ることによ
り、エッチング速度を求める。そして、図9に示す多数
の溝5についてのエッチング速度から反射防止膜3のエ
ッチング速度の基板面内における分布がわかる。
【0043】なお、第2の実施形態のエッチング速度測
定方法を利用して形成された反射防止膜のエッチング速
度の粘度依存性も図4に示すようになる。
【0044】また、第2の実施形態による反射防止膜の
エッチング速度の,イオンの入射方向に対する反射防止
膜の角度への依存性も図5と同様になる。
【0045】以上のように、本発明のエッチング速度測
定方法に係わる第2の実施形態によれば、溝5に反射防
止膜3となる溶液を埋め込むことにより、溝5の内部に
厚い反射防止膜3を形成することができ、これを利用し
てエッチング速度の正確な測定を行うことができる。
【0046】また、基板1上に溝2を形成することによ
り、第1の実施形態と同様に、溝での低粘度溶液から形
成される塗布膜のコート回転数や粘度による膜厚の差を
測定することができる。これにより実デバイスでの段差
でのより精密なエッチング速度の測定ができる。
【0047】なお、膜厚を測定する測定器は、光学式膜
厚測定器、段差計、走査型電子顕微鏡、段差計、AFM
等のいかなる測定器でもよい。
【0048】なお、ここでは被膜厚測定物を反射防止膜
3としたが、本発明はかかる実施形態に限定されるもの
ではなく、いかなる被膜厚測定物でもよい。特に、本発
明は、平坦な基板上にはエッチング速度の測定が可能な
膜厚を有する膜を形成できないほどに低粘度の溶液を塗
布して形成される膜に適用したときに著効を発揮でき
る。
【0049】また、本実施形態では基板1にエッチング
速度測定用溝5を形成しているが、層間絶縁膜等の酸化
膜や金属配線等、いかなる部材の面にエッチング速度測
定用溝を形成してもよい。
【0050】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態について説明する。
【0051】図10は、第3の実施形態に係るエッチン
グ速度測定方法を示すフローチャート図である。図10
において、ステップS21は基板上に動径方向に垂直な
溝を形成する工程、ステップS22は反射防止膜となる
溶液を塗布する工程、ステップS23は反射防止膜の初
期膜厚を測定する工程、ステップS24は反射防止膜を
エッチングする工程、ステップS25は反射防止膜の残
り膜厚を測定する工程、ステップS26はエッチング速
度を算出する工程をそれぞれ示す。以下、図10の各ス
テップにおける処理の内容について、図11及び図12
を参照しながら説明する。
【0052】図11(a)〜(c)は、本実施形態に係
るエッチング速度を測定する工程を示す基板の断面図で
あって、溝の中心を通る縦断面を示している。
【0053】最初に、図11(a)に示す工程で、図1
0に示すステップS21の処理を行う。つまり、基板1
に反射防止膜の厚みを測定するための溝6(長方形状の
穴)を形成する。図12は、この工程における基板の平
面図である。同図に示すように、基板1には、基板1の
動径方向(図14に示すX方向)に垂直な(つまり放射
状の)多数の溝6が所定間隔毎に形成されている。
【0054】次に、図11(b)に示す工程で、図10
に示すステップS22の処理を行う。つまり、溝6を含
む基板1の全面上に反射防止膜3となる溶液をスピンコ
ーター等で塗布する。反射防止膜3として固化する前の
溶液は低粘性であるので、溝6の中は溶液で埋まるが、
溝6の外では非常に薄い膜しか塗付できない。その結
果、反射防止膜3は、溝6の内部では厚く溝6の外の基
板1上では薄くなっている。
【0055】そして、この状態で、図10に示すステッ
プS23の処理を行う。すなわち、溝6内に形成された
反射防止膜3の初期膜厚を、光学式膜厚測定器,段差測
定器,走査型電子顕微鏡,AFM等で測定する。
【0056】次に、図11(c)に示す工程で、図10
に示すステップS24の処理を行う。つまり、反射防止
膜3を基板1に対して選択的にエッチングする。このと
き、反射防止膜3は、基板1の表面においては膜厚が薄
いので完全に除去されるが、溝6の内部では膜厚が厚い
ので残存している。その後、図10に示すステップS2
5の処理を行う。つまり、溝6の中の反射防止膜3の残
り膜厚を、光学式膜厚測定器,段差測定器,走査型電子
顕微鏡,AFM等で測定する。また、エッチング時間も
別途測定しておく。
【0057】さらに、図10に示すステップS26の処
理を行い、この溝6の内部における反射防止膜3の初期
膜厚と残り膜厚との差をエッチング時間で割ることによ
り、エッチング速度を求める。そして、図12に示す多
数の溝6についてのエッチング速度から反射防止膜3の
エッチング速度の基板面内における分布がわかる。
【0058】ここで、基板上に溝を動径方向と平行にな
るように形成したときと動径方向に垂直になるように形
成したときの測定精度の違いを図13、図14を参照し
ながら説明する。ただし、図13は、粘度η1の溶液か
ら形成されるレジスト膜と、粘度η2の溶液から形成さ
れる反射防止膜の膜厚の溝の動径方向(図14に示すX
方向)に対する角度αへの依存性である。図14は、溝
の方向と動径方向(X方向)との関係を示す図である。
【0059】図14(a)に示すように、基板上に溝を
動径方向と平行に形成するということは長方形状の穴す
なわち溝5の長辺をX方向に対してα=0°となるよう
に配置することであり、図14(b)に示すように、溝
を動径方向と垂直に形成するということは長方形状の穴
すなわち溝6の長辺をX方向に対してα=90°となる
ように配置することである。
【0060】図13に示すように、粘度の高い溶液から
形成されるレジスト膜及び粘度の低い溶液から形成され
る反射防止膜共に、α=90°すなわち溝を動径方向と
垂直に形成したときの方が膜厚が厚くなるが、粘度の低
い溶液から形成される反射防止膜の方が動径方向に対す
る角度αの変化に対して、膜厚が敏感に変化することが
分かる。したがって、α=90°のときに特に分厚い膜
厚の反射防止膜を形成できるので、本実施形態の溝6を
利用した方が、上記第2の実施形態の溝5を利用するよ
りも正確なエッチング速度の測定ができることがわか
る。
【0061】なお、第3の実施形態のエッチング速度測
定方法を利用して形成された反射防止膜のエッチング速
度の粘度依存性も図4に示すようになる。
【0062】また、第3の実施形態による反射防止膜の
エッチング速度の,イオンの入射方向に対する反射防止
膜の角度への依存性も図5と同様になる。
【0063】以上のように、本発明のエッチング速度測
定方法に係わる第3の実施形態によれば、基板1上の溝
6を動径方向と直交するように形成することにより、溝
6に反射防止膜3となる溶液を埋め込んで、特に分厚い
反射防止膜3を形成することができ、エッチング速度の
正確な測定を行うことができる。
【0064】また、基板1上に溝6を形成することによ
り、第1の実施形態と同様に、溝での低粘度溶液から形
成される塗布膜のコート回転数や粘度による膜厚の差を
測定することができる。これにより実デバイスでの段差
でのより精密なエッチング速度の測定ができる。
【0065】なお、膜厚を測定する測定器は、光学式膜
厚測定器、段差計、走査型電子顕微鏡、段差計、AFM
等のいかなる測定器でもよい。
【0066】なお、ここでは被膜厚測定物を反射防止膜
3としたが、本発明はかかる実施形態に限定されるもの
ではなく、いかなる被膜厚測定物でもよい。特に、本発
明は、平坦な基板上にはエッチング速度の測定が可能な
膜厚を有する膜を形成できないほどに低粘度の溶液を塗
布して形成される膜に適用したときに著効を発揮でき
る。
【0067】また、本実施形態では基板1にエッチング
速度測定用溝6を形成しているが、層間絶縁膜等の酸化
膜や金属配線等、いかなる部材の面にエッチング速度測
定用溝を形成してもよい。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明のエッチング速度
測定方法によると、基板上に底付き穴を形成した後、基
板上に溶液を塗布して膜を形成し、これをエッチングす
ると共に、底付き穴における膜のエッチング前後の膜厚
の差をエッチング時間で除することにより、膜のエッチ
ング速度を求めるようにしたので、平坦な面上にはごく
薄い膜しか形成できないほどに低粘性の溶液から形成さ
れる反射防止膜等の膜についても、エッチング速度の正
確な測定を行うことができ、よって、半導体装置等の製
造工程における最適なエッチング時間の設定が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエッチング速度
測定方法を示すフローチャート図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るエッチング速度
測定方法を説明するための各工程における基板の断面図
である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るエッチング速度
測定方法における穴が形成された基板を上から見たとき
の平面図である。
【図4】本発明の第1〜第3の実施形態に係るエッチン
グ速度測定方法を利用して得られた反射防止膜のエッチ
ング速度の粘度依存性を示す図である。
【図5】本発明の第1〜第3の実施形態による反射防止
膜のエッチング速度の,イオンの入射方向に対する反射
防止膜の角度への依存性を示す図である。
【図6】エッチング用イオンの入射方向と反射防止膜と
の間の角度θを説明するための断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るエッチング速度
測定方法を示すフローチャート図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るエッチング速度
測定方法を説明するための各工程における基板の断面図
である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るエッチング速度
測定方法における溝が形成された基板を上から見たとき
の平面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るエッチング速
度測定方法を示すフローチャート図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係るエッチング速
度測定方法を説明するための各工程における基板の断面
図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係るエッチング速
度測定方法における動径方向と垂直な溝が形成された基
板を上から見たときの平面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係るエッチング速
度測定方法によるレジスト膜と反射防止膜の膜厚の,溝
の動径方向に対する角度αへの依存性を示す図である。
【図14】溝と動径方向との間の角度αを説明するため
の平面図である。
【図15】発明が解決する課題に関する基板にレジスト
溶液及び反射防止膜となる溶液を塗付し、基板をスピン
コーターで回転させた場合のレジスト膜及び反射防止膜
の膜厚の回転数への依存性を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 穴 3 反射防止膜 5 溝 6 溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二河 秀夫 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板面に底付き穴を形成する工程と、 上記底付き穴内を含む上記基板上に溶液を塗布して膜を
    形成する工程と、 上記底付き穴内における上記膜の初期膜厚を測定する工
    程と、 所定時間の間エッチングを行って、上記底付き穴内に膜
    を残すように上記膜を部分的に除去する工程と、 上記エッチングの終了後に上記底付き穴内に残存してい
    る上記膜の残り膜厚を測定する工程と、 上記膜の初期膜厚と上記残り膜厚との差を上記所定時間
    で除することによりエッチング速度を求める工程とを備
    えているエッチング速度測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエッチング速度測定方法
    において、 上記底付き穴の形状が、円柱状あるいは半球状であるこ
    とを特徴とするエッチング速度測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のエッチング速度測定方法
    において、 上記底付き穴の横断面形状が長方形状であることを特徴
    とするエッチング速度測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のエッチング速度測定方法
    において、 上記底付き穴の横断面における長辺方向が、上記基板の
    中心付近の1点を中心とする任意の円の接線方向と平行
    であることを特徴とするエッチング速度測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のエッチング速度測定方法
    において、 上記底付き穴の横断面における長辺方向が、上記基板の
    中心付近の1点を中心とする任意の円の接線方向と垂直
    であることを特徴とするエッチング速度測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載
    のエッチング速度測定方法において、 上記底付き穴を上記基板の任意の位置に形成することを
    特徴とするエッチング速度測定方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004528722A (ja) * 2001-05-25 2004-09-16 アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド プロセス層の共形性を決定する方法および装置
CN105486529A (zh) * 2015-12-24 2016-04-13 上海华虹宏力半导体制造有限公司 清洗机台清洗效率的测试方法
CN107452642A (zh) * 2017-08-31 2017-12-08 长江存储科技有限责任公司 一种外延结构刻蚀率的检测方法
CN111128781A (zh) * 2019-12-27 2020-05-08 Tcl华星光电技术有限公司 测量金属完全蚀刻时间的方法及系统、存储介质
CN115101436A (zh) * 2022-08-26 2022-09-23 广州粤芯半导体技术有限公司 蚀刻速率测试方法

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