JPH1179482A - シート巻取軸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】細幅の巻芯を装着可能で、巻取中は巻芯が巻取
部に適正に支持され、巻取終了時には巻芯が巻取部から
解放されるようにするとともに、各巻芯に所定の巻取張
力でシートが巻取られるようにし、シート巻取軸の巻取
部に対する巻芯の着脱を容易にするとともに、適正な巻
取張力でシートを巻くようにする。 【解決手段】巻取部３それぞれは軸芯２に対して回転力
伝達部材４が回転可能に設けられ、回転力伝達部材４の
外周に位置するカラー６の複数箇所に開口した開孔部８
に巻芯係止部材１０が突没可能に配置され、軸芯２の空
気導入路１４に連通して回転力伝達部材４の内周面側に
臨む縦孔１５にピストン部材１７を移動可能に嵌挿し、
空気導入路１４側からの空気圧の付与によりピストン部
材１７が回転力伝達部材４に摺接可能に当接する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、巻芯を巻取軸に装
着してシートを巻取るシート巻取軸に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、紙やプラスチックフィルム等の広
幅シートを縦にスリットしてなる細幅シートをその細幅
シート毎に巻き取る巻取軸では、多数の巻芯（通常は紙
管）を巻取軸の巻取部それぞれに装着してその巻芯の上
に細幅シートを巻き取っており、その巻取りが終了した
後には巻芯ごと抜き取り、新たな巻芯を巻取軸の巻取部
に装着するようにしている。したがって、巻芯を装着し
たり抜き取ったりするときは巻芯は巻取部に対してフリ
ーであり、巻取中は巻芯は巻取部に固定されている必要
がある。

【０００３】このように必要時に巻芯を解放したり固定
したりするものとしては、巻取軸の外周に装着した巻芯
を両端部から押圧することによって巻取軸に固定して組
込み、一回の巻取終了後は巻取軸を解体して巻芯ごと抜
き取る方法があるが、作業に手間取るなど作業性が劣る
という問題もあった。また、各巻芯の隣接面を摩擦伝動
面とし、次々と隣接伝動するようにして各巻芯に速度差
を付して巻取張力を調整したものがあるが、この方法で
は、軸端部と中央部では巻取力が異なるなどの欠点があ
った。

【０００４】他の方法としては、巻取軸に設けられた多
数のカラーの周面に凹陥部を設け、凹陥部に鋼球または
ローラを配置して、カラーとカラーに装着された巻芯と
が相対回転すると、鋼球またはローラが巻芯内周面との
摩擦力により移動し巻芯を固定または解放する方法など
も開示されていた。（特開昭５７ー１７５６４６号公
報、特開昭５８ー６８６３号公報） しかしながら、この方法では上記鋼球やローラが一旦巻
芯内面と凹陥部との間に楔状に入り込むような形で巻芯
の内面に当接するようになると、巻き取られるシートの
張力変動に応じた巻芯の軸芯に対する滑りが生じなくな
る。即ち、この巻取軸で多数の細幅シートを巻取ると
き、原反側から繰り出されてくる広幅シートの幅方向の
厚みが製造上の厚みムラなどから一定でないため、巻取
りが進む過程で細幅シート毎の巻取径が異なってくる
と、その結果、各細幅シートごとの巻取張力が異なって
くるという問題がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
事情に鑑み、細幅の巻芯を装着可能で、巻取中は巻芯が
巻取部に適正に支持され、巻取終了時には巻芯が巻取部
から解放されるようにするとともに、各巻芯に所定の巻
取張力でシートが巻取られるようにすることを課題と
し、シート巻取軸の巻取部に対する巻芯の着脱を容易に
するとともに、適正な巻取張力でシートを巻くようにす
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を考慮
してなされたもので、巻芯を巻取軸に装着してシートを
巻取るシート巻取軸において、軸芯とこの軸芯の周りに
回転可能に取り付けられた環状の回転力伝達部材とこの
回転力伝達部材の周りに位置して前記軸芯に回転可能に
支持された環状のカラーとを備えてなる巻取部を、軸芯
の長手方向に亘って複数配置し、前記巻取部それぞれの
カラーの少なくとも３箇所に開口した開孔部に、巻芯係
止部材を軸芯と直角方向に回動可能にして配置し、前記
巻芯係止部材と前記回転力伝達部材とが噛合して、前記
カラーに対して相対移動する回転力伝達部材の回転に伴
って前記巻芯係止部材が回動して開孔部から突没可能に
設けられ、巻取部の前記回転力伝達部材が取り付けられ
た軸芯の対応部分それぞれに、軸芯内部の軸芯長手方向
に沿った空気導入路に連通して前記回転力伝達部材の内
周面に臨むように軸芯径方向に貫通する複数の縦孔が、
前記空気導入路を中心にして放射状に設けられ、前記縦
孔それぞれにはピストン部材が移動可能に配置され、空
気導入路に付与された空気圧で前記ピストン部材が回転
力伝達部材に摺接可能に当接することを特徴とするシー
ト巻取軸を提供して、上記課題を解消するものである。
そして、本発明においては、前記巻芯係止部材に対して
没しさせる方向に付勢力を付与するスプリング部材を備
えることが良好である。

【０００７】本発明の構成において、巻取開始前には各
巻芯係止部材を退没状態にし、巻芯を巻取部に対してフ
リーの状態で装着する。ピストン部材に対しては所要の
空気圧を付与することでそのピストン部材が回転力伝達
部材に摺接可能な状態で当接するようになり、軸芯に対
して回転力伝達部材の滑りを許容する状態で軸芯の回転
とともに回転力伝達部材が回転するようになる。そし
て、各巻取部に巻芯を装着したシート巻取軸が回転し始
める時点で、回転力伝達部材をカラーに対して相対的に
回転させるようにすることで、巻芯係止部材が回動して
突出し巻芯の内周面に当接し係止するようになり、軸芯
とともに巻芯が回転するようになる。巻取が終了した
後、回転停止している回転力伝達部材に対してカラーが
上記巻芯係止部材が外れる方向に相対的に回転するよう
にすることで、回転力伝達部材とカラーとの間での相対
的な移動により巻芯係止部材が巻芯から離れる方向に回
動して巻芯が解放される。前記ピストン部材は摺接可能
な状態で回転力伝達部材に当接するようにしているた
め、巻取り中に細幅シートに対して加わる引張力が変化
するようになった場合には、回転する軸芯に対する回転
力伝達部材の滑り度合いが変化して、巻き取られる細幅
シートに対する引張力が変化しないようにしている。

【０００８】

【発明の実施の形態】つぎに本発明を図１から図４に示
す実施例に基づいて詳細に説明する。図１および図２は
本発明のシート巻取軸を備えたスリッター巻取機Ａを示
している。このスリッター巻取機Ａは、プラスチックフ
ィルムからなる広幅シートＢの供給軸Ｃと、繰り出され
てきた広幅シートＢを縦方向（広幅シートの長手方向）
にスリットするカッター装置Ｄと、該カッター装置Ｄで
スリットされた細幅シートＥを巻き取るための第１及び
第２のシート巻取軸１、１と、各シート巻取軸１、１に
巻取られたシートロールＦ、Ｆを押圧する押さえロール
Ｇ、Ｇとからなる。広幅シートＢおよび細幅シートＥは
これらの各部材及びガイドロールＨ₁ 〜Ｈ₆ 及び張力調
整ロールＩを通る。

【０００９】上記構成のスリッター巻取機Ａにおける第
１および第２のシート巻取軸１それぞれには、水平に延
びる軸芯２に細幅シート数に見合った複数の巻取部３が
設けられていて、巻取部３それぞれに巻芯Ｊ（通常は紙
管）を取り付けプラスチックフィルムからなる細幅シー
トを巻き付けるようにしている。そして、その巻取部そ
れぞれにおいて、巻芯に細幅シートを巻き付けてなる各
シートロールは繰り出される広幅シートの厚みムラによ
って巻径が相違して各シートロールの巻取張力が異なっ
てくるので、後述するように各巻取部はその張力調整機
能を含むものとされている。

【００１０】図示されたスリッター巻取機の例では、例
えば円形回転刃などからなるカッター装置Ｄは原反の広
幅シートＢを３２条の等しい幅の細幅シートＥにスリッ
トする。スリットされた細幅シートＥはそのスリット後
にガイドロールＨ₄ で上下に分けて案内され、図２に示
すように、第１及び第２のシート巻取軸１においてそれ
ぞれ間隔をあけて１６列ずつとされた巻取部に巻き取ら
れる。

【００１１】図３と図４はシート巻取軸１における巻取
部３を示している。巻取部３は軸芯２の周りに回転可能
に装着された環状の回転力伝達部材４と、その回転力伝
達部材４の外周面の周りに配置され前記軸芯２にベアリ
ング５を介して回転可能に支持された環状のカラー６
と、前記軸芯２の内部において前記回転力伝達部材４に
対応した位置に配置されてその回転力伝達部材４に摺接
可能に当接するピストン部材７とからなり、複数の巻取
部３が軸芯２の長手方向に配置されている。

【００１２】前記カラー６には、図３（イ）に示すよう
にカラー径方向に貫通する開孔部８がカラー周方向の３
箇所に等間隔にして設けられていて、その開孔部８の内
方それぞれには、カラー外方側を略山形とし軸芯側には
従動ギア９を備えた巻芯係止部材１０が軸芯２と直角方
向に回動可能にして配置されている。１１は巻芯係止部
材１０を回動可能に支持する支軸であり、この支軸１１
に支持された巻芯係止部材１０は、前記従動ギア９全体
が開孔部８の内部に位置しているときには開孔部８から
外方へは突出せず、後述するように支軸１１の周りで所
要角度以上回動することでその巻芯係止部材１０のカラ
ー周方向の端部１２が開孔部８から外方に突出するよう
にしていて、この端部１２が巻芯の内周面に当接するエ
ッヂとなる。なお、上記巻芯係止部材においてカラー外
方側を略山形としているが、この巻芯係止部材が回動し
たときに上記端部が突出するようになっていればよいも
のであるから、巻芯係止部材のカラー外方側が略山形に
限定されるものではなく、そのカラー外方側をフラット
状とし、巻芯装着などの際の未回動時に端部が突出せ
ず、回動したときに端部が突出するようにしてもよい。
また、巻芯係止部材自体は断面略扇形状として断面が対
称形状であってカラー周方向に二つの端部を備えるが、
シート巻取軸の回転方向は一定（図３（イ）において反
時計回り）であり、後述する回転力伝達部材４からの回
転力を受けて突没動作し巻芯に係止する端部は一方のみ
である。

【００１３】上記回転力伝達部材４は各巻芯係止部材１
０を回動動作させ、また、その巻芯係止部材１０を介し
て巻芯を回転させる回転力を伝えるために、巻芯係止部
材１０の従動ギア９に噛合する駆動ギア１３を全周に亘
って備えている。図示されているように３箇所に位置す
る巻芯係止部材１０の従動ギア９それぞれが駆動ギア１
３に噛合し、回転力伝達部材４を上記カラー６に対して
相対的に回転させることで各巻芯係止部材１０を同様に
相対的に回動させ、各巻芯係止部材１０の端部１２が同
じように突没動作するように設けられている（図４参
照）。なお、回転力伝達部材４の全周に亘って駆動ギア
１３を設けた例を示しているが、上記巻芯係止部材１０
を相対的に回動させるための位置のみにこの駆動ギア１
３を設けるようにしてもよい。

【００１４】上記構造の巻取部３に上記カラー６の外径
寸法より若干内径寸法を大きくした巻芯Ｊをセットして
巻き取りが行われるが、上記軸芯２が巻取り方向に回転
し始める時点において、予め上記ピストン部材７が空気
圧の付与（後述）により回転力伝達部材４に当接してい
る。そして、軸芯２を回転すると直ちに前記回転力伝達
部材４が回転し、各巻芯係止部材１０が回動してその端
部１２が前記巻芯Ｊに係止することとなり（図４参
照）、その巻芯Ｊが巻取り方向に回転するようになる。
なお、巻き取りの開始に際して最初には前記ピストン部
材７に対して空気圧を付与しない状態で軸芯２を回転
さ、その後徐々に空気圧を付与してピストン部材７を回
転力伝達部材４に当接させるようにすることも可能であ
る。

【００１５】上記軸芯２において回転中心に沿うように
して空気導入路１４が設けられ、その空気導入路１４か
ら径方向に貫通する縦孔１５が回転力伝達部材４それぞ
れに対応するようにして配置されており、軸芯断面方向
において四方に放射状にして配置されているとともに、
軸芯長手方向においては一つの回転力伝達部材４の内周
面の幅寸法の中で収まるように二つの縦孔１５が並べて
配置されている。そして、この各縦孔１５に上記ピスト
ン部材７が移動可能に嵌挿されており、ピストン部材７
の外周と縦孔１５の内周との間で空気漏れが生じないよ
うにパッキン１６が介装されている。このように前記縦
孔１５にピストン部材７がパッキン１６を介して移動可
能に配置され、さらにこの縦孔１５が空気導入路１４に
連通していることから、その空気導入路１４から前記ピ
ストン部材７までに達する空間を図示しない空気圧供給
手段にて昇圧したり減圧したりすることで各巻取部３に
おけるピストン部材７をそれぞれ径方向に移動させるこ
とができるように設けられており、昇圧してピストン部
材７が突出する方向に移動することでそのピストン部材
７それぞれが回転力伝達部材４の内周面に摺接可能に当
接するようにしている。なお、縦孔１５とピストン部材
７との配置や個数は図示した例に限定されるものではな
く、当接力により任意の配置、個数を選択できるもので
ある。

【００１６】図３と図４において１７は巻取部３の周方
向に巻装された環状のスプリング部材である。このスプ
リング部材１７はカラー６の外周面の中央に沿って設け
た装着溝１８とこの装着溝１８に連なるようにして各巻
芯係止部材１０の外方面側中央に設けられた装着溝１９
に嵌め入れられており、常時、巻芯係止部材１０の端部
１２が没する方向に向けて付勢力をこの巻芯係止部材１
０に与えているものである。そして、前記付勢力は、図
４に示すように巻芯係止の時点でその巻芯係止部材１０
の係止方向への回動動作、及び係止状態の維持を妨げな
い強さに調整されているものであり、巻取り終了の時点
で回転力伝達部材４側から巻芯係止部材１０の係止状態
を維持させる回転力が伝わらなくなったときに、前記ス
プリング部材１７の付勢力で巻芯係止部材１０を解除方
向に回動させて巻芯を解放し易くするものである。な
お、図示した巻芯係止部材１０に上記装着溝１９を設け
てスプリング部材１７を嵌め入れるようにしているが、
この巻芯係止部材１０に貫通孔を設けて、その貫通孔に
前記スプリング部材１７を通すようにしてもよい。

【００１７】上記構造の巻取部３を複数個備えるシート
巻取軸１を用いてスリットされた細幅シートを巻き取る
には巻取部それぞれに巻芯Ｊを装着し、所要の空気圧を
付与してピストン部材７を回転力伝達部材４に当接させ
て回転力伝達部材４が自由回転しないように支持する。
各巻芯に細幅シートの先端を取り付けた後にシート巻取
軸１を回転させると、上記端部１２が突出する方向に巻
芯係止部材１０が回動して前記端部１２が巻芯Ｊの内周
面に当接状態で係止する。これによって回転力伝達部材
４側から回転力が伝わって巻芯Ｊとカラー６も回転する
ようになり、巻取りを開始する。従来のシート巻取軸で
は、巻取り中においては上述したように広幅シートの状
態における厚さが幅方向で均一となっていないなどの影
響から各巻取部のシートロールの巻径が異なって巻取張
力が巻取部それぞれで異なることになるが、本実施例の
シート巻取軸では所要圧力の空気圧を付与してピストン
部材７を回転力伝達部材４に摺接可能に当接させてい
る。そして、このシート巻取軸において、軸芯の回転の
スピードはシートの送り出しスピードより５〜１５％程
度速くなるように設けられていて、常時、回転力伝達部
材４が軸芯２に対してある程度滑りながら回転してお
り、仮に、想定されていた巻取張力より大きな巻取張力
が細幅シートに加わるようになると、回転力伝達部材４
のピストン部材７に対する滑り度合が大きくなり、必要
以上の巻取張力が細幅シートに加わらないようにしてい
る。勿論、細幅シートに加わる巻取張力が想定された張
力以下になれば、前述した回転力伝達部材４の滑り度合
が小さくなった状態で回転する。

【００１８】巻取りが終了してシート巻取軸が回転停止
すると、回転力伝達部材４側から巻芯係止部材１０を係
止方向に維持させる回転力が伝わらなくなるため、シー
トロールの重力と上記スプリング部材１７からの付勢力
とによって巻芯係止部材１０それぞれが解除方向に回動
し（このとき、カラー６は回転力伝達部材４に対して相
対的に移動する）、巻芯が解放される。なお、スプリン
グ部材１７は必ずしも必要とされるものでなく、このス
プリング部材１７が無い場合においても、回転力伝達部
材４側から巻芯係止部材１０を係止方向に維持させる回
転力が伝わらなくなったときに、シートロールの重量で
巻芯係止部材１０が押されて解除方向に回動することに
なり、巻芯係止部材１０側からの拘束が解けて、シート
ロールと一体となった巻芯を巻取部から軸芯方向に移動
させて抜き取ることができるようになる。このように、
スプリング部材１７は、巻芯を装着するときに巻芯係止
部材１０の端部１２が突出ように維持して装着時の巻芯
との接触を無くようにするとともに、巻取終了時の巻芯
係止部材の端部が降りる際の補助的な役割を行うもので
ある。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
巻芯を巻取軸に装着してシートを巻取るシート巻取軸に
おいて、軸芯とこの軸芯の周りに回転可能に取り付けら
れた環状の回転力伝達部材とこの回転力伝達部材の周り
に位置して前記軸芯に回転可能に支持された環状のカラ
ーとを備えてなる巻取部を、軸芯の長手方向に亘って複
数配置し、前記巻取部それぞれのカラーの少なくとも３
箇所に開口した開孔部に、巻芯係止部材を軸芯と直角方
向に回動可能にして配置し、前記巻芯係止部材と前記回
転力伝達部材とが噛合して、前記カラーに対して相対移
動する回転力伝達部材の回転に伴って前記巻芯係止部材
が回動して開孔部から突没可能に設けられ、巻取部の前
記回転力伝達部材が取り付けられた軸芯の対応部分それ
ぞれに、軸芯内部の軸芯長手方向に沿った空気導入路に
連通して前記回転力伝達部材の内周面に臨むように軸芯
径方向に貫通する複数の縦孔が、前記空気導入路を中心
にして放射状に設けられ、前記縦孔それぞれにはピスト
ン部材が移動可能に配置され、空気導入路に付与された
空気圧で前記ピストン部材が回転力伝達部材に摺接可能
に当接することを特徴とするものである。

【００２０】このように、空気圧が付与されて回転力伝
達部材に摺接可能に当接するピストン部材を備えている
ことから、所要の空気圧を受けたピストン部材が当接す
る状態の下で回転力伝達部材が、前記当接圧力に応じる
滑りが許容された状態で回転移動可能に支持され、軸芯
の回転に従って回転力伝達部材が回転しながらもその軸
芯に対して相対的に回転できる。そして、前記回転力伝
達部材を軸芯側に対して相対的に回転させながら巻取部
を回転させるようにすることで、仮に想定された巻取張
力より大きな張力がシートに加わりかけたとしても回転
力伝達部材の滑りによって所定の巻取張力でシートを巻
き取ることができるようになる。そして、巻芯の着脱に
際しては、巻芯を軸芯に対する相対移動を行わせるとい
う簡単な操作で、巻芯係止部材が巻芯係止方向や巻芯解
放方向に回動されてその巻芯の支持や解放が行われ、巻
芯の着脱が容易になるなど、実用性に優れた効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシート巻取軸を備えるスリッター巻取
機を示す説明図である。

【図２】スリッター巻取機におけるシート巻取軸の設置
状態を示す説明図である。

【図３】本発明に係るシート巻取軸の実施例を示すもの
で、（イ）は軸芯横断方向の断面を示す説明図、（ロ）
は軸芯縦断方向の断面を示す説明図である。

【図４】巻芯係止部材が回動して巻芯に係止した状態を
軸芯断面方向で示す説明図である。

【符号の説明】

１…シート巻取軸 ２…軸芯 ３…巻取部 ４…回転力伝達部材 ６…カラー ７…ピストン部材 ８…開孔部 １０…巻芯係止部材 １４…空気導入路 １５…縦孔 １７…スプリング部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】巻芯を巻取軸に装着してシートを巻取るシ
   ート巻取軸において、 軸芯とこの軸芯の周りに回転可能に取り付けられた環状
   の回転力伝達部材とこの回転力伝達部材の周りに位置し
   て前記軸芯に回転可能に支持された環状のカラーとを備
   えてなる巻取部を、軸芯の長手方向に亘って複数配置
   し、 前記巻取部それぞれのカラーの少なくとも３箇所に開口
   した開孔部に、巻芯係止部材を軸芯と直角方向に回動可
   能にして配置し、前記巻芯係止部材と前記回転力伝達部
   材とが噛合して、前記カラーに対して相対移動する回転
   力伝達部材の回転に伴って前記巻芯係止部材が回動して
   開孔部から突没可能に設けられ、 巻取部の前記回転力伝達部材が取り付けられた軸芯の対
   応部分それぞれに、軸芯内部の軸芯長手方向に沿った空
   気導入路に連通して前記回転力伝達部材の内周面に臨む
   ように軸芯径方向に貫通する複数の縦孔が、前記空気導
   入路を中心にして放射状に設けられ、 前記縦孔それぞれにはピストン部材が移動可能に配置さ
   れ、空気導入路に付与された空気圧で前記ピストン部材
   が回転力伝達部材に摺接可能に当接することを特徴とす
   るシート巻取軸。
2. 【請求項２】前記巻芯係止部材に対して没しさせる方向
   に付勢力を付与するスプリング部材を備える請求項１記
   載のシート巻取軸。