JPH1178007A - インクジェットヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびその製造方法

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JPH1178007A
JPH1178007A JP24566797A JP24566797A JPH1178007A JP H1178007 A JPH1178007 A JP H1178007A JP 24566797 A JP24566797 A JP 24566797A JP 24566797 A JP24566797 A JP 24566797A JP H1178007 A JPH1178007 A JP H1178007A
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ink
jet head
ink jet
nozzle
glass
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JP24566797A
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Hideo Yasutomi
英雄 保富
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Minolta Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 性能のばらつきのないインクジェットヘッド
およびそれを簡便に製造する方法を提供する。 【解決手段】 ベース部320と、その上に形成された
圧電素子部330と、その上に形成されたノズルおよび
インク流路を有するチャンネル保有部340とを備える
インクジェットヘッドの製造方法であって、ベース部3
20上に圧電体層315を積層するステップと、積層さ
れた圧電体層315上に、空間となるノズルおよびイン
ク流路に相当する部分には空乏層形成用レジスト350
を充填しながら、セラミクスまたはガラス類からなる層
360を積層するステップと、圧電体層315およびセ
ラミクスまたはガラス類からなる層360が積層されて
なる積層体を熱処理して一体的に焼結し、空乏層形成用
レジスト350を気化させてノズルおよびインク流路を
形成するステップとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッドおよびその製造方法に関するものであり、特に、イ
ンクジェット記録装置に用いられるインクジェットヘッ
ドおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【関連の技術】現在、発明者らが検討しているインクジ
ェットヘッドの製造においては、圧電素子部、ノズル、
インク流路等を別個に作製した後、各部分を接着剤等を
用いて貼り合わせて、インクジェットの組立を行なって
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような各部分を接着剤で接着する方法では、接着剤の
むらやはみ出し、接着の際の位置ずれ等により、インク
ジェットヘッドの性能にばらつきが生じるおそれがある
という問題があった。
【0004】また、このような方法では、部品点数が多
くなるため、製造上のコストアップにつながるととも
に、歩留りも悪いという問題もあった。
【0005】この発明の目的は、上述の問題点を解決
し、性能のばらつきのないインクジェットヘッドおよび
それを簡便に製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明によるインクジ
ェットヘッドの製造方法は、ベース部と、該ベース部上
に形成された圧電素子部と、該圧電素子部上に形成され
たノズルおよびインク流路を有するチャンネル保有部と
を備えるインクジェットヘッドの製造方法であって、ベ
ース部上に圧電体層を積層するステップと、積層された
圧電体層上に、空間となるノズルおよびインク流路に相
当する部分には空乏層形成用レジストを充填しながら、
セラミクスまたはガラス類からなる層を積層するステッ
プと、圧電体層およびセラミクスまたはガラス類からな
る層が積層されてなる積層体を熱処理して一体的に焼結
し、空乏層形成用レジストを気化させてノズルおよびイ
ンク流路を形成するステップとを備えている。
【0007】この発明によれば、ベース部上に圧電体層
を積層し、さらにその上に、空間となるノズルおよびイ
ンク流路に相当する部分には空乏層形成用レジストを充
填しながら、セラミクスまたはガラス類からなる層を積
層する。そして、このようにして得られた積層体を熱処
理して一体的に焼結し、空乏層形成用レジストを気化さ
せてノズルおよびインク流路を形成する。
【0008】そのため、従来のように、接着、組立工程
が不要となり、接着の際の位置ずれ等に起因する性能の
ばらつきの発生が防止される。
【0009】また、部品点数が少なくなるため、製造コ
ストが低減し、歩留りも向上する。好ましくは、インク
ジェットヘッドは、圧電素子部により駆動され、圧電素
子部は、圧電体層と電極層とが交互に積層されてなる積
層型圧電素子であるとよい。積層型圧電素子を用いるこ
とにより、変位量の調整が容易となる。
【0010】また、好ましくは、インク流路の内壁に親
水化処理を施すステップをさらに備えるとよい。インク
流路内壁に親水化処理を施すことにより、インク供給時
の気泡の混入によるインクの飛翔圧吸収が防止される。
【0011】また、好ましくは、インクジェットヘッド
のノズルの表面に撥水性処理を施すステップをさらに備
えるとよい。ノズルの表面に撥水性処理を施すことによ
り、インクメニスカスが安定するため、インクの飛翔安
定性が向上する。なお、撥水性処理は、再度の熱硬化の
工程を必要とする場合が多いため、インクジェットヘッ
ド全体が耐熱性を有する材質からなることが、製造上有
利である。
【0012】本発明において、空乏層形成用レジストと
しては、フォトレジストまたはUV硬化樹脂を用いるこ
とができる。
【0013】具体的には、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアク
リロイルホスフェート、テトラヒドロフルフリールアク
リレート、テトラヒドロフルフリール誘導体のアクリレ
ート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペン
テニルオキシエチルアクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、ネオベンチルグリ
コールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアク
リレート、ヒドロキシビバリン酸エステルネオベンチル
グリコールジアクリレート、トリプロピレングリコール
ジアクリレート、1,3−ビス−5,5−ジメチルヒダ
ントイン、ヒドロキシビバリン酸エステルネオベンチル
グリコール誘導体のジアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、等の光重合性モノマーの他、アクリル酸、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、n−アクリル酸ブチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、フェノキシエチルアク
リレート、イソデシルアクリレート、n−ヘキシルアク
リレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレ
ート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルア
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルアクリート、グリシ
ジルアクリレート、アリルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、2−メトキシエトキシエチルアクリレート、2
−エトキシエトキシエチルアクリレート、ベンジルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペン
テニールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロ
イルホスフェート、テトラヒドロフルフリールアクリレ
ート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロ
ペンタジエンエトキシアクリレート、テトラヒドロフル
フリール誘導体のアクリレート、1,3−ブタンジオー
ルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリ
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリ
プロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシビバ
リン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパンジアクリレート、ビスフェ
ノール、ビステトラブロモビスフェノール、1,3−ビ
ス5,5−ジメチルヒダントイン、3−メチルペンタン
ジオールジアクリレート、ヒドロキシビバリン酸エステ
ルネオベンチルグリコール誘導体のジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、トリスイソシアネート、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルモノヒドロキシペンタアクリレート、等の光重合性プ
レポリマー等が挙げられる。
【0014】また、本発明において、インク流路を形成
する部材としては、セラミクスまたはガラス類等の材料
を用いることができる。
【0015】具体的には、セラミクスとしてはAl2
3 、SiC、C、BaTiO3 、BiO3 ・3Sn
2 、Pb(ZrX ,Ti1-X )O3 、ZnO、SiO
2 、(1−X)Pb(ZrX ,Ti1-X )O3 +(X)
La2 3 、Zn1-X 、MnX Fe2 3 、γ−Fe2
3 、SrO・6Fe2 3 、La1-X CaX Cr
3 、SnO2 、遷移金属酸化物、ZnO−Bi
2 3 、BaTiO3 、β−Al2 3 、ジルコニア
(酸化ジルコニウム)、LaB6 、B4 、C、ダイヤモ
ンド、TiN、TiC、Si3 4 、Y2 2 S:E
u、PLZT、ThO2 、CaO・nSiO2 、Ca5
(F,Cl)P3 12、TiO2 、K2 O・nAl2
3 等が挙げられる。
【0016】また、ガラス類としては、Si、Se、T
e、As等の元素ガラス、HPO3、H3 PO4 、Si
2 、B2 2 、P2 5 、GeO2 、As2 3 等の
水素結合ガラス、SbO3 、Bi2 3 、P2 3 、V
2 5 、Sb2 5 、As23 、SO3 、ZrO2
の酸化物ガラス、BeF2 等のフッ化物ガラス、ZnC
2 等の塩化物ガラス、As2 3 等の硫化物ガラス、
2 CO3 、MgCO 3 等の炭酸塩ガラス、NaN
3 、KNO3 、AgNO3 等の硝酸塩ガラス、Na2
2 3 ・H2 O、Tl2 SO4 、ミョウバン等の硫酸
塩ガラス、SiO2等のケイ酸ガラス、Na2 O−Ca
O−SiO2 等のケイ酸アルカリガラス、K 2 O−Ca
O−SiO2 等のカリ石灰ガラス、Na2 I−CaO−
SiO2 、鉛ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラ
ス等のソーダ石灰ガラス等が挙げられる。
【0017】この発明によるインクジェットヘッドは、
上述したいずれかの方法により製造されたものである。
【0018】また、この発明によるインクジェットヘッ
ドの製造方法は、ベース部と、該ベース部上に形成され
た発熱体保有部と、該発熱体保有部上に形成されたノズ
ルおよびインク流路を有するチャンネル保有部とを備え
るバブルジェット型インクジェットヘッドの製造方法で
あって、ベース部上に形成された発熱体保有部上に、空
間となるノズルおよびインク流路に相当する部分には空
乏層形成用レジストを充填しながら、セラミクスまたは
ガラス類からなる層を積層するステップと、セラミクス
またはガラス類からなる層が積層されてなる積層体を熱
処理して一体的に焼結し、空乏層形成用レジストを気化
させてノズルおよびインク流路を形成するステップとを
備えている。
【0019】従来、バブルジェット型インクジェットヘ
ッドにおいては、樹脂製天板が用いられていた。しかし
ながら、本願発明によれば、樹脂製天板の代わりに、セ
ラミクスまたはガラス類からなる天板が用いられる。そ
のため、バブル圧、熱、キャップ吸引、加圧、化学的変
質、インクによる膨潤等により天板が劣化してしまうと
いう、従来の樹脂を用いた場合の問題が解決される。
【0020】また、この発明によれば、従来のように接
着、組立工程が不要となり、接着の際の位置ずれ等に起
因する性能のばらつきの発生が防止される。また、部品
点数が少なくなるため、製造コストが低減し、歩留りも
向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による一例のイン
クジェットヘッド3を用いたインクジェット記録装置1
の概略構成を示す斜視図である。
【0022】図1を参照して、インクジェット記録装置
1は、用紙やプラスチック薄板などの記録媒体である記
録シート2と、インクジェット方式のプリンタヘッドで
あるインクジェットヘッド3と、インクジェットヘッド
3を保持するキャリッジ4と、キャリッジ4を記録シー
ト2の記録面に平行に往復移動させるための揺動軸5、
6と、キャリッジ4を揺動軸5、6に沿って往復駆動さ
せる駆動モータ7と、駆動モータ7の回転をキャリッジ
の往復運動に変えるためのタイミングベルト9、アイド
ルプーリ8とを含んでいる。
【0023】また、インクジェット記録装置1は、記録
シート2を搬送経路に沿って案内するガイド板を兼ねる
プラテン10と、プラテン10との間の記録シート2の
押さえ浮きを防止する紙押さえ板11と、記録シート2
を排出するための排出ローラ12、拍車ローラ13と、
インクジェットヘッド3のインク吐出不良を良好な状態
に回復させる回復系14と、記録シート2を手動で搬送
するための紙送りノブ15とを含んでいる。
【0024】記録シート2は、手差しあるいはカットシ
ートフィーダ等の給紙装置によって、インクジェットヘ
ッド3とプラテン10とが対向する記録部へ送り込まれ
る。この際、図示しない紙送りローラの回転量が制御さ
れ、記録部への搬送が制御される。
【0025】インクジェットヘッド3には、インク飛翔
用エネルギー発生源として、たとえばPZTが用いられ
ている。PZTには電圧が印加され、歪が生じる。この
歪は、インクで満たされたチャンネルの容積を変化させ
る。この容積の変化により、チャンネルに設けられたノ
ズルからインクが吐出され、記録シート2への記録が行
なわれる。
【0026】キャリッジ4は、駆動モータ7、アイドル
プーリ8、タイミングベルト9により、記録シート2を
横切る方向である記録シート2の縦方向に主走査し、キ
ャリッジ用に取付られたプリンタヘッド3は1ライン分
の画像を記録する。1ラインの記録が終わるごとに、記
録シート2は縦方向に送られ副走査され、次のラインが
記録される。
【0027】図2〜図4は、インクジェットヘッド3の
構成を説明するための図である。図2は図1に示すイン
クジェットヘッド3の一部を示す平面図であり、図3は
図2のIII−III線断面図であり、図4は図3のI
V−IV線断面図である。
【0028】インクジェットヘッド3は、大径ヘッド部
301と小径ヘッド部302とからなる。これらの大径
ヘッド部301と小径ヘッド部302とは、ベース部3
20と、圧電素子部330と、チャンネル保有部340
とを一体に重ねた構成となっている。
【0029】大径ヘッド部301と小径ヘッド部302
とにはそれぞれ、インクを収容する複数のインクキャビ
ティ308と、各インクキャビティ308をインク供給
室310に連結するインクインレット311が形成され
ている。ここで、大径ヘッド部301のノズル309の
径と小径ヘッド部302のノズル309の径とは同じ大
きさである。なお、大径ノズルの径を小径ノズルの径よ
りも大きくすることにより、ドット径制御による階調再
現の幅をより広げることもできる。
【0030】図3に示すように、大径ヘッド部301の
インクキャビティ308は、大径ヘッド部301と小径
ヘッド部302とが対向する方向に向かって延びる長溝
状にかつ平行に形成されている。また、インク供給室3
10とインクキャビティ308とは中央線312を挟ん
で対称に形成されており、図示しないインクタンクに接
続されている。
【0031】圧電素子部330は、圧電体層315と内
部電極314とが交互に積層されて構成されている。
【0032】以上のような構成のインクジェットヘッド
3では、図示しないインクタンクからインク供給室31
0にインク307が供給される。インク供給室310の
インク307は、インクインレット311を介して各イ
ンクキャビティ308に分配される。
【0033】ヘッドドライバから内部電極314に所定
の電圧が印加されると、圧電体層315は変形する。こ
れにより、インクキャビティ308内のインク307が
加圧され、ノズル309を介してインク滴が記録シート
2に向かって飛翔する。
【0034】次に、このように構成されるインクジェッ
トヘッドの製造方法について、図面を用いて説明する。
【0035】図5は、本発明の実施の形態の一例のイン
クジェットヘッドの製造方法を示す断面図である。
【0036】図5を参照して、まず、PZT(ジルコン
酸鉛、ジルコン酸チタニウム)グリーンシートからなる
厚いベース部320を、積み上げ用ホルダにセットす
る。なお、ベース部320は、PZTグリーンシートを
必要枚数積み重ねたものを用いることもできる。
【0037】次に、厚さ約33μmのPZTグリーンシ
ート315をホルダに入れてベース部320上に積み上
げた後、少し加圧する。
【0038】続いて、PZT内部電極314を、スクリ
ーン印刷によりパターン印刷し、パターニングする。
【0039】このようにして、PZTグリーンシート3
15の積み上げおよび内部電極314のパターニングと
いう工程を、必要回数繰返し、最終的にインクからPZ
T駆動部を保護する役割も兼ねる最上層のグリーンシー
ト315を積み上げる。
【0040】次に、図5(A)に示すように、空乏層形
成用レジスト350(たとえば東亜合成(株)社製M−
5500)をレベルPまで塗布した後、パターン現像す
る。ここで、レベルPは、チャンネルのインクインレッ
トの高さに相当する。
【0041】続いて、図5(B)に示すように、レジス
ト350が除去された部分に、酸化ジルコニウムスラリ
ー360を流して塗布した後、100℃で30分間乾燥
させる。
【0042】次に、図5(C)に示すように、再度空乏
層形成用レジスト350をレベルQまで塗布した後、パ
ターン現像する。ここで、レベルQは、チャンネルのイ
ンクキャビティの高さに相当し、たとえば、100μm
とすることができる。
【0043】続いて、図5(D)に示すように、レジス
ト350が除去された部分に、同様に酸化ジルコニウム
スラリー360を塗布し、100℃で30分間焼結させ
る。
【0044】次に、図5(E)に示すように、再度空乏
層形成用レジスト350をレベルRまで塗布した後、パ
ターン現像し、ノズルに相当する部分にレジスト350
を形成する。
【0045】続いて、図5(F)に示すように、レジス
ト350が除去された部分に、同様に酸化ジルコニウム
スラリー360を塗布し、100℃で30分間乾燥させ
る。
【0046】以上の工程により得られた積層体を、加圧
した後、最表面にフッ素を含有した撥水性コート材を塗
布する。撥水性コート材としては、たとえば、旭硝子製
サイトップを用いることができ、1μm以下に塗布する
ことができる。
【0047】次に、積層体全体を少し加圧した後、約1
200℃で2時間焼成し、空乏層形成用レジスト350
を気化させて、ノズルおよびインク流路(インクキャビ
ティ、インクインレットおよびインク供給室)を形成す
る。
【0048】続いて、PZTを110℃に加熱しなが
ら、直流電圧を10分印加することにより分極処理し
て、インクジェットヘッドが得られる。
【0049】図6は、本発明によるインクジェットヘッ
ドの他の例の概略構成を示す断面図である。
【0050】図6を参照して、このインクジェットヘッ
ドにおいては、図4に示すインクジェットヘッドと同様
の構造に対して、内部電極314を含む各駆動部を分離
するための分離溝370がさらに設けられている。この
分離溝370は、図4に示すインクジェットヘッドを作
製した後、さらにダイシングソーまたはワイヤソー等の
処理により、形成することができる。
【0051】このような分離溝を有するインクジェット
ヘッドによれば、クロストークを有効に防止することが
できる。
【0052】図7は、本発明によるインクジェットヘッ
ドのさらに他の例の概略構造を示す断面図である。
【0053】図7を参照して、このインクジェットヘッ
ドにおいては、図4に示すインクジェットヘッドと同様
の構造に対して、内部電極314を含む各駆動部を分離
するための分離空間380が、さらに設けられている。
この分離空間380は、PZTグリーンシートを積層す
る際に、予めシート自体に公知のパンチング加工法によ
り穴をあけたものを積層することにより、形成すること
ができる。この方法によれば、積層後に特別な機械加工
工程が不要となり、簡便に製造することができる。
【0054】このような分離空間を有するインクジェッ
トヘッドによれば、クロストークを有効に防止すること
ができる。
【0055】以上、圧電体素子を用いたインクジェット
ヘッドについて説明したが、本願発明はこれらに限定さ
れるものではなく、たとえばバルブジェット型インクジ
ェットヘッドへの適用も可能である。
【0056】図8は、バブルジェット型インクジェット
ヘッドの概略構成を示す図である。図8を参照して、バ
ブルジェット型インクジェットヘッドは、ベースプレー
トおよび基板を含むベース部と、ベース部上に形成され
た、発熱体および電極を含む発熱体保有部と、発熱体保
有部上に形成された、ノズル、インクチャンネル(イン
ク流路)および天板を含むチャンネル保有部とを備えて
いる。
【0057】ここで、従来、天板には樹脂製のものが用
いられていたが、本願発明によれば、酸化ジルコニウム
等のセラミクスまたはガラス類からなる天板が用いられ
る。本例では、酸化ジルコニウム製天板を用いることに
より、従来の樹脂製天板において問題となっていた、バ
ブル圧、熱、キャップ吸引、加圧等によるインクジェッ
トヘッドの劣化を有効に防止することができる。
【0058】このように構成されるバブルジェット型イ
ンクジェットヘッドは、ベース部上に発熱体保有部を形
成した後、さらにその上に、前述した圧電体素子を用い
たインクジェットヘッドの製造と同様に、チャンネル保
有部を形成することにより得られる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、性能のばらつきのないインクジェットヘッドを、簡
便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一例のインクジェットヘッドを用
いたインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図で
ある。
【図2】図1に示すインクジェットヘッドの一部を示す
平面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例のインクジェットヘ
ッドの製造方法を示す断面図である。
【図6】本発明によるインクジェットヘッドの他の例の
概略構造を示す断面図である。
【図7】本発明によるインクジェットヘッドのさらに他
の例の概略構造を示す断面図である。
【図8】バブルジェット型インクジェットヘッドの概略
構成を示す図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置 3 インクジェットヘッド 308 インクキャビティ 309 ノズル 310 インク供給室 311 インクインレット 314 内部電極 315 圧電体層 320 ベース部 330 圧電素子部 340 チャンネル保有部 350 空乏層形成用レジスト 360 酸化ジルコニウムスラリー 370 分離溝 380 分離空間 なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース部と、該ベース部上に形成された
    圧電素子部と、該圧電素子部上に形成されたノズルおよ
    びインク流路を有するチャンネル保有部とを備えるイン
    クジェットヘッドの製造方法であって、 前記ベース部上に圧電体層を積層するステップと、 前記積層された圧電体層上に、空間となる前記ノズルお
    よびインク流路に相当する部分には空乏層形成用レジス
    トを充填しながら、セラミクスまたはガラス類からなる
    層を積層するステップと、 前記圧電体層および前記セラミクスまたはガラス類から
    なる層が積層されてなる積層体を熱処理して一体的に焼
    結し、前記空乏層形成用レジストを気化させてノズルお
    よびインク流路を形成するステップとを備える、インク
    ジェットヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記インクジェットヘッドは、圧電素子
    部により駆動され、 前記圧電素子部は、前記圧電体層と電極層とが交互に積
    層されてなる積層型圧電素子である、請求項1記載のイ
    ンクジェットヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記インク流路の内壁に親水化処理を施
    すステップをさらに備える、請求項1または請求項2記
    載のインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記インクジェットヘッドの前記ノズル
    の表面に撥水性処理を施すステップをさらに備える、請
    求項1〜請求項3のいずれかに記載のインクジェットヘ
    ッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記空乏層形成用レジストとして、フォ
    トレジストまたはUV硬化樹脂を用いることを特徴とす
    る、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のインクジェ
    ットヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 ベース部と、該ベース部上に形成された
    発熱体保有部と、該発熱体保有部上に形成されたノズル
    およびインク流路を有するチャンネル保有部とを備える
    バブルジェット型インクジェットヘッドの製造方法であ
    って、 前記ベース部上に形成された前記発熱体保有部上に、空
    間となる前記ノズルおよびインク流路に相当する部分に
    は空乏層形成用レジストを充填しながら、セラミクスま
    たはガラス類からなる層を積層するステップと、 前記セラミクスまたはガラス類からなる層が積層されて
    なる積層体を熱処理して一体的に焼結し、前記空乏層形
    成用レジストを気化させてノズルおよびインク流路を形
    成するステップとを備える、インクジェットヘッドの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜請求項6のいずれかの方
    法により製造された、インクジェットヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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