JPH08118630A - インクジェットプリンタ用印字ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットプリンタ用印字ヘッド及びその製造方法

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JPH08118630A
JPH08118630A JP26285094A JP26285094A JPH08118630A JP H08118630 A JPH08118630 A JP H08118630A JP 26285094 A JP26285094 A JP 26285094A JP 26285094 A JP26285094 A JP 26285094A JP H08118630 A JPH08118630 A JP H08118630A
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Japan
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electrode
print head
substrate
ink
titanium
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JP26285094A
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English (en)
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Kenichi Satake
健一 佐武
Koichi Baba
弘一 馬場
Kikunosuke Tsuji
菊之助 辻
Takashi Watanabe
剛史 渡辺
Setsuo Hori
節夫 堀
Yoko Oba
陽子 大場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
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    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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    • B41J2/135Nozzles
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    • B41J2/14233Structure of print heads with piezoelectric elements of film type, deformed by bending and disposed on a diaphragm
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バモルフ型圧電部材を加圧室の側壁に簡単か
つ高精度に設ける。 【構成】 印字ヘッド1は、表裏面にインク溜201、
加圧室202、インク流路204及びインク噴出路20
3を構成する凹部が形成された基板2にチタン板からな
る振動板3を接合して構成されている。振動板3の加圧
室202に対向する外側面には電極6と該振動板3間に
水熱合成法により分極方向が互い逆方向の2枚のPZT
41,42を析出させてバイモルフ型の圧電素子4が形
成されている。電極6及び振動板3をチタン板で構成
し、電極6及び振動板3にPZT41,42を析出させ
て圧電素子4を形成することによりバイモルフ型圧電素
子4が簡単かつ高精度で形成されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
タ用印字ヘッドの構造及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、駆動源として圧電素子を用いたイ
ンクジェットプリンタの印字ヘッドが知られている。
【0003】図17は、従来のカイザー方式による印字
ヘッドの構造を示す要部断面図である。同図に示す印字
ヘッド300は、表面部に複数個のドット印字部305
が紙面、奥行き方向に並設されたもので、各ドット印字
部305は、インク流路301a、加圧室301b、イ
ンク流路301c、インク噴出路303a、インク噴出
口303b及び圧電素子304を備えている。
【0004】各ドット印字部305のインク流路301
a、加圧室301b及びインク流路301cは、感光性
ガラスからなる基板301の表面に所定パターンの凹部
を形成し、該基板301の表面に振動板302を接着剤
で接合して構成されている。また、圧電素子304は、
上記加圧室301bの加圧源で、例えばチタン酸ジルコ
ン酸鉛(以下、PZTという)からなる圧電部材304
cの表裏面に電極304a,304bを形成したもので
ある。圧電素子304は、振動板302の加圧室301
bに対向する位置に接着剤で接着して取り付けられてい
る。
【0005】また、各ドット印字部305のインク噴出
路303a及びインク噴出口303bは、振動板302
が接合された基板301の先端に、インク噴出路303
a及びインク噴出口303bが形成されたノズルプレー
ト303を紫外線硬化型接着剤で接着して構成されてい
る。
【0006】上記振動板302は、加圧室301bの天
井部を変形可能にする側壁を構成するとともに、上記イ
ンク流路301a、加圧室301b及びインク流路30
1cの側壁も構成している。
【0007】そして、上記印字ヘッド300は、以下の
手順で製造されている。まず、上記感光性ガラスからな
る基板301の表面にフォトリソグラフィー技術により
インク流路301a、加圧室301b及びインク流路3
01aの凹部が形成され、この基板301の表面に同一
の感光性ガラスからなる振動板302が接着剤により接
合される。
【0008】次に、振動板302が接合された基板30
1(以下、この基板をヘッド基板306という)の振動
板302の表面に共通電極としてITO(Indium Tin O
xide)膜307が形成された後、該振動板302の上記
加圧室301bに対向する位置に、予め部品として製造
されている圧電素子304がエポキシ系接着剤で接着し
て取り付けられる。そして、ヘッド基板306の先端
に、インク噴出面が撥水性処理されたノズルプレート3
03が紫外線硬化型接着剤で接合されて印字ヘッド30
0が完成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、印字ヘッド
を長尺化し、ラインヘッドを構成する場合、例えばA4
サイズの定型紙用のラインヘッドでは、5100個もの
ドット印字部が必要になり、多数のドット印字部をライ
ンヘッド本体に高密度かつ高精度に配設する技術か必要
になる。特に加圧室の加圧源である圧電部材について
は、小サイズで電気歪の大きい特性が要求されるととも
に、振動板の各加圧室の対向位置に高精度で設けられな
ければならない。
【0010】上記従来の印字ヘッド300は、別部品の
圧電素子304を個々に振動板302の加圧室301b
に対向する位置に接着剤で取り付けているので、取付作
業が煩雑であるとともに、各圧電素子304の位置合せ
を高精度で行なうことが困難になっている。
【0011】また、各圧電素子304の接着強度を均一
にすることも困難で、このため、圧電素子304による
加圧室303内のインクの圧力がバラつき、ドット印字
305間のインク滴の噴出特性にバラツキが生じること
となっている。
【0012】また、圧電素子として電気歪の大きいバイ
モルフ型圧電素子も知られているが、ラインヘッドにお
いては、微小サイズが要求されるため、従来のバイモル
フ型圧電素子の利用は困難になっている。
【0013】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、電気歪の大きいバイモルフ型圧電素子を備え、安定
したインクの噴出特性を有するインクジェットプリンタ
用印字ヘッド及び複数のバイモルフ型圧電部材の振動板
への取付けが簡単かつ高精度に行なえるインクジェット
プリンタ用印字ヘッドの製造方法を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、一側壁が変形
可能な振動板で構成された加圧室と上記振動板を変形さ
せて上記加圧室に連通するインク噴出口からインク滴を
噴出させる圧電部材とを有する複数のドット印字部を備
えたインクジェットプリンタ用印字ヘッドにおいて、上
記圧電部材は、互いに分極方向が逆方向の2枚のPZT
が積層され、各PZTがそれぞれチタンからなる上側電
極と下側電極とに化学結合されてなるものである(請求
項1)。
【0015】なお、上記インクジェットプリンタ用印字
ヘッドにおいて、上記振動板はチタン板で構成し、上記
圧電部材の下側電極を兼用するとよい(請求項2)。
【0016】また、本発明は、基板表面に各ドット印字
部の加圧室に相当する凹部が形成されたガラス基板の当
該表面に、上記各加圧室の対向位置に圧電部材が設けら
れた振動板を接合して製造されるインクジェットプリン
タ用印字ヘッドの製造方法であって、上記振動板への圧
電部材の配設工程は、チタン板からなる振動板の圧電部
材形成位置の上方に、複数個の位置規制部材を介してチ
タン板からなる電極を平行に支持する第1の工程と、上
記振動板及び電極の、両板が対向する内側面を除いてレ
ジスト膜を形成する第2の工程と、水熱合成法により上
記電極と振動板間に分極方向が互いに逆方向の2枚のP
ZTの結晶を析出させる第3の工程とからなるものであ
る(請求項3)。
【0017】また、本発明は、上記インクジェットプリ
ンタ用印字ヘッドにおいて、上記振動板は、ガラス基板
からなり、上記圧電部材の下側電極は、上記振動板の圧
電部材取付位置に形成されたチタン薄膜で構成したもの
である(請求項4)。
【0018】また、本発明は、基板表面に所定ピッチで
配列された複数の加圧室に相当する凹部が形成されたガ
ラス基板の当該表面に、上記各加圧室の対向位置に圧電
部材が設けられた振動板を接合して製造されるインクジ
ェットプリンタ用印字ヘッドの製造方法であって、上記
振動板への圧電部材の配設工程は、ガラス基板からなる
振動板の圧電部材形成位置にそれぞれチタン薄膜からな
る下側電極を形成する第1の工程と、上記下側電極と同
一サイズを有するチタン板からなる複数の上側電極を上
記所定ピッチで連結してなる電極部材を、上記上側電極
を対応する下側電極に対向させて、複数個の位置規制部
材を介して上記振動板の上方に平行に支持する第2の工
程と、上記下側電極及び上側電極の対向面を除いて上記
振動板及び電極部材にレジスト膜を形成する第3の工程
と、水熱合成法により上記下側電極と上側電極間に分極
方向が互いに逆方向の2枚のPZTの結晶を析出させる
第4の工程とからなるものである(請求項5)。
【0019】なお、上記位置規制部材としてガラスビー
ズ若しくは樹脂ビーズを用いるとよい(請求項6,
7)。
【0020】
【作用】請求項1記載の発明によれば、各ドット印字部
の加圧室に設けられた圧電部材は、チタンからなる上側
電極と下側電極間に分極方向が互いに逆方向の2枚のP
ZTを積層してなるバイモルフ型圧電部材で構成されて
いる。上側のPZTは、上側電極に化学結合され、下側
のPZTは、下側電極に化学結合されている。
【0021】上側電極と下側電極間に駆動電圧が印加さ
れると、逆圧電効果により2枚のPZTにそれぞれ電圧
印加方向に対して垂直方向の電気歪が生じる。これによ
り加圧室の側壁が内側に変形し、インクが加圧されてイ
ンク噴出口から押し出され、インク滴となって噴出す
る。
【0022】2枚のPZTは互いに分極方向が逆になっ
ているので、互いに逆方向の電気歪特性を有し、例えば
下側のPZTは伸長特性となり、上側のPZTは収縮特
性となる。従って、圧電部材全体としては、上側のPZ
Tの縮小力と下側のPZTの伸長力とが合成された大き
い電気歪が生じ、単一のPZTを有する圧電部材に比し
て大きい圧力でインクがインク噴出口から押し出され
る。
【0023】請求項2記載の発明によれば、加圧室の一
側壁を構成する振動板(チタン板)と該振動板の圧電部
材取付位置の上方に配置された上側電極(チタン板)間
に分極方向が互いに逆方向の2枚のPZTが積層形成さ
れてバイモルフ型圧電部材が構成される。
【0024】請求項3記載の発明によれば、圧電部材
は、チタン板からなる電極がチタン板からなる振動板の
圧電部材取付位置の上方に複数個の位置規制部材を介し
て平行に支持され、次に、電極と振動板とで挟まれた内
側面を除いて電極の外側面と振動板の表面とにレジスト
膜が形成された後、水熱合成法により上記電極と振動板
とで挟まれた内側面にPZTが析出されて振動板の所定
位置に設けられる。
【0025】すなわち、所定の高温高圧下の水溶液内に
上記振動板を浸漬すると、振動板の圧電部材取付位置と
上記電極の裏面とに結晶核が形成され、これら結晶核か
らそれぞれPZTの結晶が析出されて2枚のPZTが積
層形成される。PZTの分極方向は結晶の成長方向と逆
方向に生じ、上側のPZTは上方向に分極し、下側のP
ZTは下方向に分極する。そして、バイモルフ型圧電部
材が積層形成された振動板が、各ドット印字部の加圧室
に相当する凹部が形成された基板の表面に接合されてイ
ンクジェットプリンタ用印字ヘッドが製造される。
【0026】請求項4記載の発明によれば、加圧室の一
側壁を構成する振動板がガラス基板で構成され、この基
板の圧電部材取付位置に形成されたチタン薄膜と該チタ
ン薄膜の上方に配置された上側電極(チタン板)間に分
極方向が互いに逆方向の2枚のPZTが積層形成されて
バイモルフ型圧電部材が構成される。
【0027】請求項5記載の発明によれば、基板からな
る振動板の圧電部材取付位置にチタン薄膜からなる下側
電極が形成され、この基板の上方に、上側電極を対応す
る下側電極に対向させて電極部材が配置される。電極部
材と基板間には複数個の位置規制部材が介在され、これ
により電極部材は基板に対して平行に支持される。続い
て、下側電極と上側電極の対向面を除いて振動板及び電
極部材にレジスト膜が形成され、水熱合成法により下側
電極と上側電極間に分極方向が互いに逆方向の2枚のP
ZTが積層形成されてバイモルフ型圧電部材が形成され
る。
【0028】請求項6又は7記載の発明によれば、電極
部材は、複数のガラスビーズ又は樹脂ビーズにより振動
板の上方の所定の高さに平行に支持される。また、電極
部材の高さは、ガラスビーズ又は樹脂ビーズの粒径によ
り決定される。
【0029】
【実施例】図1は、本発明に係るインクジェットプリン
タ用印字ヘッドの第1実施例の部分平面図、図2は、図
1のA−A断面図、図3は、図2の加圧部Kの拡大図、
図4は、図1のB−B要部断面図である。
【0030】図1〜図4に示す印字ヘッド1は、図7に
示すA4サイズの定型紙用のラインヘッド13を構成す
るもので、10個の印字ヘッド1を層状に重ねてライン
ヘッド13が構成されるようになっている。なお、ライ
ンヘッド13の構成については、後述する。
【0031】印字ヘッド1は、シリコン、感光性ガラス
等の絶縁部材からなる基板2、この基板2の表裏面に接
合されたチタン板からなる振動板3及びPZTからなる
圧電素子4からなり、表裏面にそれぞれ255個のドッ
ト印字部101を備えている。
【0032】印字ヘッド1は板状をなし、ドット印字部
101の配列方向を幅方向、配列方向に対して垂直方向
を奥行き方向とすると、略220mm(幅)×18mm(奥
行き)×12mm(厚さ)のサイズを有している。
【0033】各ドット印字部101は、インク溜20
1、加圧室202、インク噴出路203及びインク噴出
口203Aを備え、インク溜201と加圧室202間及
び加圧室202とインク噴出路203間は、インク流路
204で連通されている。各ドット印字部101は、基
板2の表裏面に上記インク溜201〜インク流路204
に相当する凹部を形成し、この基板2の表裏面に上記振
動板3を接着剤で接合して形成されている。従って、振
動板3により上記インク溜201〜インク流路204の
天井側の側壁が構成されている。
【0034】上記インク溜201、インク流路204、
加圧室202、インク流路204及びインク噴出路20
3は、基板2の基端側(図1の右端側)から先端側(図
1の左端側)にこの順で直線状に形成され、基板2の先
端側面2aにインク滴が噴出される矩形状のインク噴出
口203Aが設けられている。
【0035】また、各ドット印字部101は、インク噴
出口203Aのピッチが略0.85mmとなるように印字
ヘッド1の長手方向に配列されている。図3に示すよう
に、表面側に配列されたインク噴出口203Aと裏面側
に配列されたインク噴出口203Aとは略1mmの間隔を
有し、裏面側に配列された各インク噴出口203Aは表
面側に配列された各インク噴出口203Aに対して1/
2ピッチだけ配列方向にずらしている。
【0036】上記インク溜201は、インクを供給する
部分で、各ドット印字部101のインク溜201は共通
になっている。インク溜201は、印字ヘッド1の基端
側面2bで開口されており、この開口部にインク源から
配管を介してインクが補給されるようになっている。ま
た、加圧室202は、インク噴出口203Aからインク
滴を噴出させるための加圧部で、上記圧電素子4の逆圧
電効果により加圧室202の天井壁(振動板3)を加圧
室側に変形させてインクを加圧するようになっている。
なお、インク噴出口203Aを高密度に配置するため、
隣り合うドット印字部101の加圧室202は、互いに
前後方向にずらした位置に形成されている(図1参
照)。
【0037】上記インク噴出路203は、インク噴出口
203Aから噴出されるインク滴の大きさを調整する部
分である。加圧室202、インク流路204及びインク
噴出路203は、矩形状の断面を有し、加圧室202か
らインク噴出口203Aの間は、インクの流出路の断面
積が段階的に小さくなっている。本実施例では、加圧室
202、インク流路204及びインク噴出路203の各
断面積S1,S2,S3は、例えばS1=0.15m
m2、S2=0.03mm2、S3=0.0025mm2となっ
ている。なお、インクをスムーズに流出させるため、加
圧室202とインク流路204間、インク流路204と
インク噴出路203間等の境界部分は、断面積が急変し
ないようにテーパが設けられている(図1参照)。
【0038】上記基板2は、その表裏面に、フォトリソ
グラフィー技術を用いて各ドット印字部101のインク
溜201、加圧室202、インク噴出路203及びイン
ク流路204に相当する所定パターンの凹部が形成され
ている。
【0039】上記振動板3は、前述したように基板2の
表面に接着剤で接合されて上記各ドット印字部101の
インク溜201、加圧室202等の天井側の壁を構成す
るとともに、各圧電素子4の共通電極(下側電極)を構
成している。
【0040】上記圧電素子4は、各ドット印字部101
の加圧源で、略1mm(幅)×4mm(長さ)×0.08mm
(高さ)のサイズを有する短冊状をなし、振動板3の外
側面の各加圧室202に対応する位置に、水熱合成法に
よりPZTを析出させて直接、設けられている。圧電素
子4は、互いに逆方向の分極を有するPZT41とPZ
T42とが積層された2層構造を成し、PZT42の下
面は振動板3に化学結合され、PZT41の上面はチタ
ンからなる電極(上側電極)6に化学結合されている。
PZT41,42は、駆動電圧の印加方向(振動板3及
び電極6に対して垂直方向)に分極されており、PZT
41は、振動板3から電極6の方向の分極方向を有し、
PZT42は、電極6から振動板3の方向の分極方向を
有している(図3の矢印参照)。
【0041】図5は、印字ヘッドの製造方法を示す図で
ある。まず、基板2は、上述の方法により予め用意され
ているとする。次に、以下の手順で振動板(チタン板)
3に圧電素子4が形成される。
【0042】すなわち、チタン板3の表面に感光性レジ
スト5が塗布され(図5(a))、圧電素子4を形成す
べき位置の感光性レジスト5がフォトエッチングにより
除去される(同図(b))。この後、振動板3の圧電素
子4を形成すべき位置に所定粒径(例えば0.04mm)
の耐アルカリ強化型のガラスビーズ7を介在させて短冊
状のチタンからなる電極6が平行に支持され、更に、こ
の電極6は、例えば両端部を接着剤8で振動板3に接着
して固定される(同図(c))。なお、電極6の表面
は、レジスト5により被覆されている。この後、水熱合
成法により電極6と振動板3に挟まれた空間にPZTを
析出させて圧電素子4が形成される(同図(d))。
【0043】なお、上記ガラスビーズ7は、上記電極6
の振動板3に対する位置を規制するとともに、電極6を
振動板3に対して平行に支持するための位置規制部材で
ある。本実施例では、位置規制部材としてビーズを用い
たが、矩形等の他の形状の部材を用いてもよい。
【0044】図6は、水熱合成法によりチタン板にPZ
Tを析出させる方法を示す図である。チタン板3へのP
ZTの析出は、チタン板3の所定位置にPZTの結晶核
を形成する第1の工程と、上記結晶核にPZTの結晶を
成長させる第2の工程とからなる。また、上記第2の工
程とを複数回繰り返してPZTの厚みが所望の厚みに制
御される。
【0045】第1の工程は、PbとZrとのモル比Pb
/Zrが略2.29となるように硝酸鉛(Pb(NO3)2)、
オキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl2・8H2O)及び水酸化カ
リウム(KOH(8N))を所定の比率で混合した水溶液10
と電極6が取り付けられた振動板3とをオートクレーブ
9内に入れ、更にこのオートクレーブ9をシリコンオイ
ル11で満たされた恒温槽12内の浴室に入れ、所定の
温度プロファイル(例えば150℃+48時間)により
加熱して行なわれる。
【0046】また、第2工程は、Pb、Zr及びTiの
モル比がPb:Zr:Ti=110:52:48となる
ように、硝酸鉛、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化チタ
ン(TiCl4)及び水酸化カリウム(KOH(4N))を所定の比
率で混合した水溶液10と上記第1工程を経たチタン板
3とをオートクレーブ9内に入れ、更にこのオートクレ
ーブ9をシリコンオイル11で満たされた恒温槽12内
の浴室に入れ、所定の温度プロファイル(例えば120
℃+24時間)により加熱して行なわれる。
【0047】上記温度条件に従い高温高圧下で電極6が
取り付けられた振動板3を上記水溶液10に浸漬する
と、電極6の内側面及び振動板3の電極6に対向する位
置にそれぞれPZTの結晶核が生成され、更に両結晶核
からPZTが電極6と振動板3間の中心に向かって成長
する。電極6から振動板3側に析出したPZT41と振
動板3から電極6側に析出したPZT42とは電極6と
振動板3間の略中央で当接し、2層構造の圧電素子(バ
イモルフ型圧電素子)4が形成される。
【0048】上層のPZT42は、振動板3から電極6
の方向の分極を有し、下層のPZT41は、電極6から
振動板3の方向の分極を有する(図5(d)の矢印参
照)。
【0049】そして、上記圧電素子4が形成された振動
板3は基板2の表裏面の所定位置にエポキシ系接着剤で
接合されて印字ヘッド1が完成する(同図(e))。
【0050】上記のように水熱合成法により電極6と振
動板3間にPZTを析出させて圧電素子4を形成するよ
うにしているので、バイモルフ型の圧電素子4を簡単に
形成することができる。また、ガラスビーズ7により電
極6を振動板3に対する所定の高さに平行に支持するよ
うにしているので、各圧電素子4を高精度で形成するこ
とができる。
【0051】また、圧電素子4は化学結合により電極6
及び振動板3に結合されているので、その結合力が強
く、かつ、素子間のバラツキも少なくなる。これにより
各ドット印字部101の加圧源の駆動効率及び安定性が
向上する。
【0052】更に振動板3が直接、加圧室202の側壁
の一部を構成するとともに、各圧電素子4の共通電極と
なっているので、印字ヘッドの構成が簡単になり、印字
ヘッド1の組立作業が簡素化され、作業効率も向上す
る。
【0053】図7は、印字ヘッドを多段に組み合せて構
成されるラインヘッドの斜視図である。
【0054】ラインヘッド13は、10個の印字ヘッド
1を電極基板14,14′(図8参照)を介して高さ方
向に重ね合わせてヘッド部131が構成され、該ヘッド
部131の基端側を支持部132で支持して構成されて
いる。この構成によりラインヘッド13の先端面13a
に5100個のインク噴出口203Aが20行×255
列のマトリクス状に配列されるようになっている。な
お、偶数行のインク噴出口203A(各印字ヘッド1の
裏面側に形成されたインク噴出口203A)は奇数行の
インク噴出口203A(各印字ヘッド1の表面側に形成
されたインク噴出口203A)に対して配列方向に1/
2ピッチだけ位置がずれている。
【0055】支持部132は、上記電極基板14,1
4′に設けられた圧電素子4の制御ラインを不図示の駆
動制御回路に接続するための接続部であるとともに、各
印字ヘッド1のインク溜201に不図示のインク供給部
からインクを補給するためのインク補給部となってい
る。
【0056】図8は、ヘッド部131の要部断面図であ
る。ヘッド部131は、上記のように10個の印字ヘッ
ド1を電極基板14,14′を介して高さ方向に重ね合
わせて構成されている。印字ヘッド1間に介在される電
極基板14は、絶縁性の支持体141の両面に制御ライ
ン及び接続電極15が形成されたFPC142を接着し
て構成され、最上段及び最下段の印字ヘッド1の外側面
に取り付けられる電極基板14′は、絶縁性の支持体1
41の一方面に制御ライン及び接続電極15が形成され
たFPC142を接着して構成されている。
【0057】なお、電極基板14の支持体141は、略
1mmの厚さを有し、前述したようにインク噴出口203
Aの行間ピッチが略1mmピッチとなるようにしている。
【0058】電極基板14,14′は、印字ヘッド1の
平面形状と同一の形状を有し、各印字ヘッド1の上下面
に圧接させて取り付けられている。このとき、電極基板
14,14′のFPC142に形成された接続電極15
が、対応する圧電素子4の上面に形成された電極6に圧
接され、これにより各圧電素子4が接続電極15を介し
て制御ラインに接続されるようになっている。そして、
各圧電素子4は、FPC142の制御ライン及び振動板
3(共通電極)並びに支持部132を介して上記駆動制
御回路に接続されるようになっている。
【0059】上記構成において、駆動制御回路から圧電
素子4の電極6と振動板(チタン板)3間に駆動電圧が
印加されると、図9に示すように、下側のPZT42に
は伸長方向(図9、A方向)の電気歪が発生し、上側の
PZT41には収縮方向(図9、B方向)の電気歪が発
生する。このため圧電素子4全体としては両PZT4
1,42に生じる電気歪の合力が作用し、圧電素子4の
下面、すなわち、加圧室202の側壁には内側に突出さ
せる強い力が作用する。これにより振動板3が加圧室2
02側に変形し、インクが加圧されてインク噴出口20
3Aから押し出される。
【0060】上記のように圧電素子4は、バイモルフ型
であるので、下側のPZT42のみからなる圧電素子に
比してインクへの加圧力が大きくなり、ドット印字部1
01間のインク滴の噴出特性のバラツキを低減すること
ができる。
【0061】図10は、印字ヘッドの第2実施例の要部
断面図で、第1実施例の図4に相当する図である。
【0062】第2実施例は、チタン板からなる振動板3
に代えて耐アルカリ性のガラス基板16の表裏面にスパ
ッタリングや蒸着によりチタン薄膜17が形成された振
動板31を用いたものである。印字ヘッド1′は、第1
実施例と同一の方法により振動板31のチタン薄膜17
上の圧電素子4を形成すべき位置に互いに分極方向が逆
方向の2枚のPZT41,42が形成され、該PZT4
1,42が形成された振動板31を基板2の表裏面に接
着剤で接合して組み立てられる。
【0063】図11は、印字ヘッドの第3実施例の要部
断面図で、第1実施例の図4に相当する図である。
【0064】第3実施例は、第2実施例に係る印字ヘッ
ド1′の振動板31を変形したものである。すなわち、
上記振動板31は、ガラス基板16の表面全面にチタン
薄膜17を形成し、このチタン薄膜17を各圧電素子4
の共通電極としていたが、第3実施例に係る印字ヘッド
1″の振動板32は、ガラス基板16の表裏面全面に共
通電極としてITO薄膜18を形成し、このITO薄膜
18上の圧電素子4を形成すべき位置にチタン薄膜17
を形成したものである。
【0065】印字ヘッド1″も第1実施例と同一の方法
により振動板32のチタン薄膜17上に互いに分極方向
が逆方向の2枚のPZT41,42が形成され、該PZ
T41,42が形成された振動板32を基板2の表裏面
に接着剤で接合して組み立てられる。
【0066】上記第2及び第3実施例においても第1実
施例と同様に、圧電素子4の形成位置の精度が向上する
効果を有する。また、圧電素子4の振動板31,32へ
の取付強度が高く、かつ、素子間のバラツキも少なくな
るので、各ドット印字部101の加圧源の駆動効率及び
安定性を向上させることができる。更に振動板31,3
2をガラス基板16で構成しているので、圧電素子4の
駆動時における残留振動が迅速に減衰し、インク噴出口
203Aから噴出されるインク滴のきれが向上する効果
もある。
【0067】図12は、圧電素子の上側電極を共通電極
とする第4実施例に係る印字ヘッドの部分平面図であ
る。図13は、第4実施例に係る印字ヘッドの振動板の
一例を示す部分平面図、図14は、第4実施例に係る印
字ヘッドに用いられる電極部材の第1実施例を示す平面
図である。
【0068】上記第1〜第3実施例は、振動板側に各圧
電素子4の共通電極を設けていたが、第4実施例は、振
動板側に各圧電素子4の個別電極を設け、各圧電素子4
の上側電極6を共通電極としたものである。
【0069】第4実施例は、各圧電素子4の上側電極6
に同一の駆動電圧が印加されるので、各圧電素子4の電
極6を連結することが可能になる。このため、例えば図
13に示すように、複数の結晶析出部191(各圧電素
子4の電極6に相当)の一方端が連結部192で連結さ
れた串型の電極部材19を用いることにより、水熱合成
法によるバイモルフ型圧電素子4の形成を簡単かつ高精
度に行なうことができる。
【0070】図12に示す印字ヘッド20は、図13に
示す振動板33の圧電素子4の形成位置の上方に、図1
4に示す串型の圧電部材19を平行に配置し、各結晶析
出部191と、対応するチタン薄膜17(下側電極に相
当)との間に水熱合成法により2枚のPZT41,42
を析出させて圧電部材4を形成するようにしたものであ
る。
【0071】振動板33は、ガラス基板2′の圧電素子
4の形成位置にチタン薄膜17からなる下側電極D1を
形成するとともに、該電極D1から基端部にライン電極
D2を形成して構成されている。一方、電極部材19
は、上記電極D1と同一サイズを有する複数の結晶析出
部191の一方端が連結部192により、振動板33の
同一ライン上に配列されている電極D1(1つ置きに配
列されている電極D1)の配列ピッチと同一ピッチで連
結されている。
【0072】そして、振動板33への圧電部材4の形成
は、以下の手順で行なわれる。まず、各結晶析出部19
1がチタン薄膜17に対向するように、2個の電極部材
19が振動板33の上方位置に位置決めされて所定の高
さに平行に支持される。2個の電極部材19は、図12
に示すように、前側のチタン薄膜17の配列と後側のチ
タン薄膜17の配列とにそれぞれ位置決めされて平行に
支持される。また、各電極部材19は、前述したように
結晶析出部191とチタン薄膜17間に複数個のガラス
ビーズ7を介在させて所定の高さに平行に支持される。
【0073】次に、チタン薄膜17と電極部材19の結
晶析出部191とで挟まれた内側面を除いて振動板33
及び電極部材19にレジスト膜が形成された後、前述し
た水熱合成法により各チタン薄膜17と結晶析出部19
1間に分極方向が逆方向の2枚のPZT41,42の結
晶を析出させてバイモルフ型の圧電部材4が形成され
る。
【0074】上記のように、複数のドット印字部101
の圧電素子4の下側電極として振動板33の表面にチタ
ン薄膜17を所定ピッチで配列形成する一方、上記圧電
素子4の上側電極に相当する複数の結晶析出部191を
上記所定ピッチで連結してなる電極部材19を振動板3
3の所定位置の上方に配置し、結晶析出部191(上側
電極)と振動板33のチタン薄膜17(下側電極)間に水
熱合成法にPZT41,42を析出させるようにしてい
るので、電極部材19の位置決めを行なうことにより各
圧電素子4の形成位置の位置決めを精度良く行なうこと
ができる。また、一度に複数のバイモルフ型圧電素子4
を形成することができるので、製造工数が低減される。
【0075】なお、上記実施例では、電極部材19の形
状を串型にしていたが、圧電素子4の上側電極6に相当
する複数の結晶析出部191が所定ピッチで連結されて
いるものであれば、電極部材19は、串型のものに限定
されるものではなく、例えば図15に示すように、上記
結晶析出部191の中間位置を互いに連結したものであ
ってもよい。また、上記実施例では、図14に示す串型
の電極部材19を2個用いていたが、図16に示すよう
に、結晶析出部191を千鳥がけに連結した電極部材1
9′を用いてもよい。
【0076】更に、上記実施例では位置規制部材として
耐アルカリ強化型のガラスビーズを使用していたが、こ
れに限らず、例えばポリサルフォン等の樹脂からなるビ
ーズ(粒径略0.04mmφ)を使用してもよい。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一側壁が変形可能な振動板で構成された加圧室と上記振
動板を変形させて上記加圧室に連通するインク噴出口か
らインク滴を噴出させる圧電部材とを有する複数のドッ
ト印字部を備えたインクジェットプリンタ用印字ヘッド
において、上記圧電部材を、互いに分極方向が逆方向の
2枚のPZTが積層され、各PZTがそれぞれチタンか
らなる上側電極と下側電極とに化学結合されてなるバイ
モルフ型圧電部材で構成したので、圧電部材の電気歪が
大きく、しかも均一になり、大きい加圧力が得られると
ともに、ドット印字部間の加圧力のバラツキが低減され
る。
【0078】特に、振動板をチタン板で構成し、加圧室
の一側壁と圧電部材の下側電極とを兼用するようにした
ので、圧電部材の取付構造が簡単になる。また、圧電部
材と振動板間の結合力が大きく、安定しているので、ド
ット印字部間のインク噴出特性のバラツキが低減され
る。
【0079】また、上記インクジェットプリンタ用印字
ヘッドの製造方法において、チタン板からなる振動板の
圧電部材取付位置の上方に、複数個の位置規制部材を介
してチタン板からなる電極を平行に支持し、水熱合成法
により上記電極と振動板間にPZTの結晶を析出させ
て、分極方向が互いに逆方向の2枚のPZTを積層形成
するようにしたので、バイモルフ型圧電部材を簡単かつ
高精度で振動板に設けることができる。
【0080】また、上記インクジェットプリンタ用印字
ヘッドにおいて、上記振動板を、圧電部材取付位置にチ
タン薄膜が形成されたガラス基板で構成し、該チタン薄
膜上に化学結合させてバイモルフ型圧電部材を設けたの
で、結合力の大きいバイモルフ型圧電部材を簡単かつ高
精度に設けることができる。
【0081】また、上記インクジェットプリンタ用印字
ヘッドの製造方法において、上記チタン薄膜と同一サイ
ズを有するチタン板からなる複数の電極を所定ピッチで
連結してなる電極部材を、上記電極を対応するチタン薄
膜に対向させて振動板の上方に、複数個の位置規制部材
を介して平行に支持し、水熱合成法により上記チタン薄
膜と電極間に分極方向が互いに逆方向の2枚のPZTの
結晶を析出させてバイモルフ型圧電部材を形成するよう
にしたので、所定ピッチで配列された複数のバモルフ型
圧電部材を備えたインクジェットプリンタ用印字ヘッド
の当該バモルフ型圧電部材の振動板への取付が簡単かつ
迅速に行なうことができる。また、圧電部材の上側電極
を所定ピッチで連結してなる電極部材を用いているの
で、この電極部材の支持位置を決めることにより各圧電
部材の形成位置を簡単かつ高精度に決定することができ
る。
【0082】また、上記位置規制部材としてガラスビー
ズ又は樹脂ビーズを用いたので、電極部材と振動板間に
ガラスビーズ又は樹脂ビーズを介在させるだけで簡単に
電極板を所定の高さに平行に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタ用印字ヘ
ッドの第1実施例の部分平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図2の加圧部Kの拡大図である。
【図4】図1のB−B要部断面図である。
【図5】本発明に係る印字ヘッドの製造方法を示す図で
ある。
【図6】水熱合成法によりチタン板にPZTを析出させ
る方法を示す図である。
【図7】ラインヘッドの斜視図である。
【図8】ヘッド部の要部断面図である。
【図9】圧電素子に電気歪が生じた状態を示す要部断面
図である。
【図10】印字ヘッドの第2実施例の要部断面図であ
る。
【図11】印字ヘッドの第3実施例の要部断面図であ
る。
【図12】印字ヘッドの第4実施例の部分平面図であ
る。
【図13】第4実施例に係る印字ヘッドの振動板の一例
を示す部分平面図である。
【図14】第4実施例に係る印字ヘッドに用いられる電
極部材の第1実施例を示す部分平面図である。
【図15】電極部材の第2実施例を示す部分平面図であ
る。
【図16】電極部材の第3実施例を示す部分平面図であ
る。
【図17】従来のカイザー方式による印字ヘッドの構造
を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1,1′,1″,20 印字ヘッド 101 ドット印字部 2,2′ 基板 201 インク溜 202 加圧室 203 インク噴出路 203A インク噴出口 204 インク流路 3,31,32,33 振動板 4 圧電素子 41,42 PZT 5 感光性レジスト 6 電極 7 ガラスビーズ 8 接着剤 9 オートクレーブ 10 水溶液 11 シリコンオイル 12 恒温槽 13 ラインヘッド 131 ヘッド部 132 支持部 14,14′ 電極基板 141 支持体 142 FPC 15 接続電極 16 ガラス基板 17 チタン薄膜 18 ITO薄膜 19,19′ 電極部材 191 結晶析出部 192 連結部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 剛史 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 堀 節夫 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 大場 陽子 神奈川県横浜市港北区師岡町321番地の2

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一側壁が変形可能な振動板で構成された
    加圧室と上記振動板を変形させて上記加圧室に連通する
    インク噴出口からインク滴を噴出させる圧電部材とを有
    する複数のドット印字部を備えたインクジェットプリン
    タ用印字ヘッドにおいて、上記圧電部材は、互いに分極
    方向が逆方向の2枚のPZTが積層され、各PZTがそ
    れぞれチタンからなる上側電極と下側電極とに化学結合
    されてなるバイモルフ型圧電部材であることを特徴とす
    るインクジェットプリンタ用印字ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェットプリンタ
    用印字ヘッドにおいて、上記振動板はチタン板で構成さ
    れ、上記圧電部材の下側電極を兼用していることを特徴
    とするインクジェットプリンタ用印字ヘッド。
  3. 【請求項3】 基板表面に各ドット印字部の加圧室に相
    当する凹部が形成された基板の当該表面に、上記各加圧
    室の対向位置に圧電部材が設けられた振動板を接合して
    製造されるインクジェットプリンタ用印字ヘッドの製造
    方法であって、上記振動板への圧電部材の配設工程は、
    チタン板からなる振動板の圧電部材形成位置の上方に、
    複数個の位置規制部材を介してチタン板からなる電極を
    平行に支持する第1の工程と、上記振動板及び電極の、
    両板が対向する内側面を除いてレジスト膜を形成する第
    2の工程と、水熱合成法により上記電極と振動板間に分
    極方向が互いに逆方向の2枚のPZTの結晶を析出させ
    る第3の工程とからなることを特徴とするインクジェッ
    トプリンタ用印字ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のインクジェットプリンタ
    用印字ヘッドにおいて、上記振動板は、ガラス基板から
    なり、上記圧電部材の下側電極は、上記振動板の圧電部
    材取付位置に形成されたチタン薄膜であることを特徴と
    するインクジェットプリンタ用印字ヘッド。
  5. 【請求項5】 基板表面に所定ピッチで配列された複数
    の加圧室に相当する凹部が形成された基板の当該表面
    に、上記各加圧室の対向位置に圧電部材が設けられた振
    動板を接合して製造されるインクジェットプリンタ用印
    字ヘッドの製造方法であって、上記振動板への圧電部材
    の配設工程は、振動板の圧電部材形成位置にそれぞれチ
    タン薄膜からなる下側電極を形成する第1の工程と、上
    記下側電極と同一サイズを有するチタン板からなる複数
    の上側電極を上記所定ピッチで連結してなる電極部材
    を、上記上側電極を対応する下側電極に対向させて、複
    数個の位置規制部材を介して上記振動板の上方に平行に
    支持する第2の工程と、上記下側電極及び上側電極の対
    向面を除いて上記振動板及び電極部材にレジスト膜を形
    成する第3の工程と、水熱合成法により上記下側電極と
    上側電極間に分極方向が互いに逆方向の2枚のPZTの
    結晶を析出させる第4の工程とからなることを特徴とす
    るインクジェットプリンタ用印字ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3又は5記載のインクジェットプ
    リンタ用印字ヘッドの製造方法において、上記位置規制
    部材は、ガラスビーズであることを特徴とするインクジ
    ェットプリンタ用印字ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3又は5記載のインクジェットプ
    リンタ用印字ヘッドの製造方法において、上記位置規制
    部材は、樹脂ビーズであることを特徴とするインクジェ
    ットプリンタ用印字ヘッドの製造方法。
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