JPH1177905A - Frp成形同時ラミネート用化粧シート及びそれを用いた繊維強化プラスチック成形品並びにその製造方法 - Google Patents

Frp成形同時ラミネート用化粧シート及びそれを用いた繊維強化プラスチック成形品並びにその製造方法

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JPH1177905A
JPH1177905A JP24517297A JP24517297A JPH1177905A JP H1177905 A JPH1177905 A JP H1177905A JP 24517297 A JP24517297 A JP 24517297A JP 24517297 A JP24517297 A JP 24517297A JP H1177905 A JPH1177905 A JP H1177905A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面平滑性と内部の立体感を発揮できるよう
にする。 【解決手段】 硬化性樹脂で形成した凹凸模様を有する
熱可塑性樹脂シート2に光輝性表面を有する繊維質シー
ト4を貼り合わせたFRP成形同時ラミネート用化粧シ
ート1を使用する。繊維質シート面にSMC、BMC等
のFRPの未硬化物を重ね合わせ、金型内で加熱加圧し
て両者を一体化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SMC( Sheet m
olding compound )、BMC( Bulk molding compound
)等を用いて作製される模様付き繊維強化プラスチック
(FRP=FiberReinforced Plastics )成形品の製造
時に使用されるFRP成形同時ラミネート用化粧シート
に関するものであり、さらにはそれを用いたFRP成形
品並びにその製造方法に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、模様付きの繊維
強化プラスチック(FRP)成形品を製造する方法とし
て、チタン紙、不織布、布、含浸紙等を成形同時一体化
する方法(例えば、特開昭48−12876号公報、特
開昭51−20951号公報等参照)が知られている
が、この方法では鮮明な印刷ができず、また光沢のある
表面仕上げを施すことはできない。また、特開平7−6
0911号公報に開示されるように、印刷を施したプラ
スチックフィルムに不織布を2液硬化型ウレタン樹脂接
着剤にて裏打ちしたシートを使用し、このシートを成形
時に一体化させるという方法も知られており、この方法
によれば鮮明な印刷を施したり光沢のある表面を得るこ
とはできる。しかしながら、この方法でも内部立体感は
得られず、得られた成形品は意匠性に欠ける。
【0003】そこで、意匠性の高い成形品を得るため
に、成形用の樹脂中に光輝性粉体等を練り込んで立体感
を出すようにしたものが知られているが、この方法では
幾何学的パターン等の表現ができず、また成形時におけ
る樹脂の流動により光輝性にムラを生じる。また、ポリ
塩化ビニル等の熱可塑性樹脂シートに熱エンボスにより
凹凸を付けたシートを使用し、このシートを一体成形す
る方法も知られているが、この方法では成形時にエンボ
スパターンが熱圧により消失してしまうと言った問題点
がある。
【0004】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、表面平滑性
と内部の立体感を発揮できるFEP成形同時ラミネート
用化粧シートを提供し、併せてそれを用いたFRP成形
品並びにその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のFRP成形同時ラミネート用化粧シート
は、硬化性樹脂で形成した凹凸模様を有する透明又は半
透明の熱可塑性樹脂シートの凹凸模様側に接着剤層を設
け、その接着剤層と接する側に、光輝性表面を有する繊
維質シートを貼り合わせたことを特徴とする。
【0006】この化粧シートを使用した繊維強化プラス
チック成形品は、化粧シートにおける繊維質シート面に
FRPを積層一体化したものとなり、光輝性表面が凹凸
模様の形状に賦形された外観を呈する。そしてこの成形
品を製造するには、化粧シートにおける繊維質シート面
にSMC、BMC等のFRPの未硬化物を重ね合わせ、
金型内で加熱加圧して両者を一体化させると共に、繊維
質シートの光輝性表面側に硬化性樹脂の凹凸模様を圧入
させて光輝性表面に凹凸模様の形状を賦形する方法によ
ればよい。
【0007】
【発明の実施の形態】熱可塑性樹脂シートとしては、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エ
チルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステルの単独又
は共重合体等のアクリル樹脂(なお、(メタ)アクリル
酸エステルの表記は「アクリル酸エステル又はメタアク
リル酸エステル」の意味である)、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレン・イ
ソフタレート・テレフタレート共重合体等のポリエステ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・アクリル共重合
体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニ
ルアルコール共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体
等のビニル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル・ス
チレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチ
レン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂
が選ばれる。これらの中でも、成形時に作用する応力に
より亀裂や破断を生じないためには、加熱時に適当な可
撓性を有するものが好ましい。
【0008】熱可塑性樹脂シートに硬化性樹脂で凹凸模
様を形成する方法としては、特開昭57−87318号
公報、特公昭57−22755号公報、特公昭63−5
0066号公報、特開平7−32476号公報等に開示
されるものであって、型(版)の凹凸形状を忠実に電離
放射線硬化性樹脂の硬化物に賦形する方法がある。この
方法は基本的には以下の工程からなる。 表面に目的とする形状と同形状且つ逆凹凸の凹凸形状
(凹凸模様)を形成した円筒形状の版胴(型)を用意
し、これを軸芯の回りに回転させる。 長尺帯状の熱可塑性樹脂シートを版胴の周速度と同速
度で供給する。 該熱可塑性樹脂シートと版胴とを、その間に電離放射
線硬化性樹脂の未硬化液状組成物を介して重ね合わせて
密着させ、該液状組成物が該版胴の少なくとも凹部を完
全に充填するようにする。 その状態のままで電離放射線を照射して液状組成物を
架橋、硬化させる。 しかる後、熱可塑性樹脂シート及びそれに接着し且つ
版胴上の凹凸模様が賦形された電離放射線硬化性樹脂の
硬化物とを共に剥離除去する。
【0009】以上の方法において、円筒形状の版胴
(型)としては、公知の凹版、グラビア版、エンボス版
と基本的には、同様の材料、同様の構造、同様の製法に
よるものを用いればよい。版の材料としては、通常は
鉄、銅等の金属が用いられる。版胴の軸芯の回りの回転
運動は、通常の輪転式グラビア印刷機、輪転式エンボス
機等と同様な機構、方法を用いればよい。熱可塑性樹脂
シートの版胴への密着のためには、ゴム、金属等のロー
ラ(圧着ローラ)で圧着する。また、熱可塑性樹脂シー
トの版胴からの剥離にもゴム、金属等のローラ(剥離ロ
ーラ)で押さえて剥離する。熱可塑性樹脂シートは、長
尺・帯状のものを用いる。このような熱可塑性樹脂シー
トは巻出ロール(供給ロール)から巻き出して、賦形後
は巻取ロール(排紙ロール)で巻き取る。
【0010】熱可塑性樹脂シートと版胴とを、その間に
電離放射線硬化性樹脂の未硬化液状組成物を介して重ね
合わせて密着させる態様としては次のものがある。 熱可塑性樹脂シート上に液状組成物を塗布し、該塗布
面が版胴表面に向くようにして熱可塑性樹脂シートを版
胴に重ね合わせる。 版胴上に液状組成物を塗布し、該版胴上の塗布面に熱
可塑性樹脂シートを重ね合わせる。 版胴上と熱可塑性樹脂シート上の各々に液状組成物を
塗布し、該熱可塑性樹脂シートと該版胴とを各々の塗布
面が対向するようにして重ね合わせる。
【0011】版胴と熱可塑性樹脂シート間にある未硬化
液状組成物へ電離放射線を照射するには、電離放射線に
対して透明な熱可塑性樹脂シートを選んでその熱可塑性
樹脂シート側から照射する。
【0012】電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に
(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ
基等の重合性不飽和結合又はエポキシ基等のカチオン重
合性不飽和基を有するプレポリマー、単量体、又はポリ
マー、或いはポリチオール化合物からなり、これらを1
種のみ又は2種以上適宜混合した組成物を用いる。未硬
化時に液状のものを使用する。
【0013】前記分子中に重合性不飽和結合を有するプ
レポリマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価ア
ルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエス
テル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレ
ート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類がある。
なお、本明細書で(メタ)アクリレートとは、アクリレ
ート又はメタアクリレートの意味で用いる。
【0014】前記分子中に重合性不飽和結合を有する単
量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン等
のスチレン単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリ
ル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチ
ル等の単官能(メタ)アクリル酸エステル類、エチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、プロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリル酸エステ
ル類、(メタ)アクリル酸−2−(N、N−ジエチル
アミノ)エチル、(メタ)アクリル酸−2−(N、N−
ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸−2−
(N、N−ジベンジルアミノ)エチル等の不飽和酸の置
換アミノアルコールエステル類、(メタ)アクリルアミ
ド等の不飽和カルボン酸アミドがある。
【0015】分子中に2個以上のチオール基を有するポ
リチオール化合物としては、例えば、トリメチロールプ
ロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパン
トリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチ
オグリコール等がある。
【0016】分子中にカチオン重合性不飽和基を有する
プレポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂
等、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、脂肪族系ビ
ニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン系ビ
ニルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニルエ
ーテル系樹脂、環状エーテル系樹脂、スピロ系化合物等
のプレポリマー等がある。
【0017】以上の化合物を必要に応じ1種若しくは2
種以上混合して用いるが、樹脂組成物に通常の塗工適正
を付与するために、前記プレポリマー又はオリゴマーを
5重量%以上、前記単量体及び/又はポリチオールを9
5重量%以下とすることが好ましい。
【0018】また、硬化物の可撓性、表面硬度等の物性
を調節するために前記プレポリマー、オリゴマー、単量
体の少なくとも1種に対して、以下のような電離放射線
非硬化性樹脂を1〜70重量%程度混合して用いること
ができる。
【0019】電離放射線非硬化性樹脂としては、ウレタ
ン系樹脂、繊維素系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0020】特に、紫外線で硬化させる場合には、前記
電離放射線硬化性樹脂塑性物に光重合開始剤を添加す
る。分子中にラジカル重合性不飽和結合を有する化合物
に対しては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミ
ヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエス
テル、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキ
サントン類等がある。分子中にカチオン重合性不飽和基
を有する化合物に対しては、芳香族ジアゾニウム塩、芳
香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセ
ン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、ジアリルヨ
ードシル塩等がある。
【0021】また必要に応じてさらに、光増感剤として
n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチ
ルホスフィン等を混合して用いることもできる。
【0022】以上の電離放射線硬化性樹脂組成物の未硬
化液状組成物を版胴或いは熱可塑性樹脂シートに塗工す
るには公知の各種方法、例えば、ロールコート、カーテ
ンフローコート、Tダイコート等の方法によればよ
い。。特に、版胴塗工の場合はインキパン中の液状組成
物に、回転する版胴を浸漬させる(所謂ドブ浸け)も可
能である。
【0023】なお、ここで電離放射線とは電磁波又は荷
電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエネルギー量子
を有するものを意味し、紫外線、可視光線、X線、電子
線、α線等があるが、通常は紫外線又は電子線が用いら
れる。紫外線源としては超高圧水銀燈、低圧水銀燈、カ
ーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライド
ランプ等の光源を使用する。電子線源としてはコックロ
フトワルトン型、ハンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁
コア変圧器型、或いは直線型、ダイナミトロン型、高周
波型等の各種電子線加速器を使用し、100〜1000
keV、好ましくは100〜300keVのエネルギー
を持つ電子を照射する。
【0024】熱可塑性樹脂シートに硬化性樹脂の硬化物
からなる凹凸模様を設けるには、上記の方法を用いて電
離放射線硬化性樹脂を使用する方法が好ましいが、その
他、シルクスクリーン印刷法やグラビア印刷法により、
電離放射線硬化性樹脂や、熱硬化型ポリエステル樹脂、
2液硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂のインキで盛上印刷したものを、それぞれ電離放射線
や熱で硬化させてもよい。凹凸模様としては、例えば、
木目導管溝、浮造木目、万線条溝、花崗岩の劈開面、帛
布の織目(テクスチュア)、ヘアライン等がある。
【0025】熱可塑性樹脂シートの凹凸模様側に設ける
接着剤層には、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂(ポリ
エステルポリオール、アクリルポリオール等のポリオー
ルとトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート等のイソシアネートとからなる成分)等の接
着剤が用いられる。接着剤層は凹凸面に形成するため、
スリットリバース法、グラビアリバースコート法等で塗
工するのが望ましい。好ましくは、この接着剤層中にも
光輝性箔粉を添加する。
【0026】繊維質シートとしては、不織布、織布が使
用される。場合によっては紙、樹脂含浸紙なども使用可
能である。不織布としては、アクリル樹脂、ナイロン、
ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、レ
ーヨン、アセテート、ポリ塩化ビニル、パルプ、ビニロ
ン等の有機物繊維、或いは、硝子繊維、石綿、チタン酸
カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維等
の無機質繊維を用いた不織布、和紙等が使用される。な
お、コスト、物性、加工性、強度等を考慮するとポリエ
ステル系樹脂不織布が好ましい。そして、本発明で使用
する不織布としては、厚さが0.2mm以下で、その引
張強度が通常のSMC成形温度(120〜160℃)で
2.0kg/15mm幅以上のものであることが好まし
い。不織布の厚さが0.2mmより大きいと成形時に成
形品の端部や曲面部での回り込みがよくなく、また引張
強度が2.0kg/15mm幅より小さいと破れて接着
不良を生じるようになる。この不織布と前記熱可塑性樹
脂シートは公知の適当な方法で貼り合わせればよい。例
えば、ウレタン樹脂等の接着剤を用いたドライラミネー
ト法等がある。
【0027】繊維質シートに光輝性を持たせるには、光
輝性箔粉を印刷により付与したり、不織布内に混抄した
りする。光輝性箔粉としては、アルミニウム粉、銅粉、
真鍮粉等の金属粉や金属箔片や金属蒸着合成樹脂フィル
ムの裁断片等の金属光沢を有する金属粉顔料、二酸化チ
タン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビスマス等の鱗片状箔片
からなる真珠光沢顔料がある。また、例えば、ポリエス
テル樹脂層とアクリル樹脂層を数μm以下程度の厚みで
多層積層して、光の干渉による虹彩色を生じさせたフィ
ルム(例;マール社製のマールフィルム(登録商標))
を断裁した箔粉からなる光干渉性箔粉顔料も挙げられ
る。
【0028】場合により、不織布面(光輝性層表面)或
いは熱可塑性樹脂シート面に絵柄層を設ける。印刷方式
はグラビア、オフセット、シルクスクリーン等でよく、
また使用する絵柄インキは樹脂バインダーに顔料、染料
等の着色剤を添加したものを用いる。バインダーとして
は、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネ
ート、硝化綿等の繊維素樹脂、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)
アクリル酸エステルの単独又は共重合体等のアクリル樹
脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、
ポリエステル樹脂等の1種又は2種以上の混合物が、顔
料としては、弁柄、カドミウムレッド、黄鉛、群青、チ
タン白、カーボンブラック等の無機顔料、キナクリド
ン、ポリアゾ、イソインドリノン、フタロシアニンブル
ー等の有機顔料等が用いられる。なお、印刷する絵柄
は、木目柄、石目柄、布目柄等の天然物の絵柄、幾何学
模様、文字、記号、全面ベタ等のいずれであってもよ
い。通常、凹凸模様に対応した絵柄を用いる。例えば、
花崗岩の石目柄と花崗岩の劈開面の凹凸模様との組合
せ、木目柄と木目導管溝或いは浮造木目年輪の凹凸模様
との組合せ、布目柄と帛布の織目の凹凸模様(テクスチ
ュア)との組合せ等が代表的である。
【0029】本発明において、化粧シートと積層するF
RPの未硬化物(乃至は中間体)としてはSMC、BM
C等の公知のものが各種用いられる。中でも代表的なも
のはシートモールディングコンパウンド(SMC)であ
る。以下、SMCについて詳述する。SMCは、熱硬化
性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂等の樹脂の未硬化物に、ガラス繊維など
の繊維質の強化材を混合したシート状の成形材料であ
り、金型に入れて加熱加圧することによって未硬化樹脂
が硬化し、強化材と一体化してFRP製品が得られるも
のである。その製造方法としては、例えば、ポリエチレ
ンフィルム等の第1のセパレーターフィルムの片面に、
樹脂のプレポリマー、硬化触媒、促進剤、硬化遅延剤、
空気乾燥剤等および、炭酸カルシウム、タルク、クレー
等の充填剤等を混練してなる樹脂コンパウンドをナイフ
コート法等により塗布した上に、ガラス繊維を束ねてな
るガラスロービングを切断してなるチョップストランド
を散布し、別に第2のセパレーターフィルムの片面に、
第1のセパレーターフィルムの片面に塗布したのと同様
な樹脂コンパウンドを、同様な塗布方法により塗布した
後、第1のセパレーターフィルムと第2のセパレーター
フィルムを両セパレーターフィルムの樹脂コンパウンド
塗布面どうしが散布されたチョップストランドを介して
対向するように重ね合わせ、ロール加圧にて加圧するこ
とにより樹脂コンパウンドを散布されたチョップストラ
ンドに含浸・脱泡し、加湿して養生する方法が採られ
る。このSMCを製造する際の樹脂としては特に限定さ
れないが、通常、不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹
脂が多い。
【0030】上記化粧シートの繊維質シート面と接する
ように上記SMCを積層し、金型内で加熱加圧して両者
を一体化する。SMC成形条件は、通常、成形温度:1
20〜160℃、成形圧力:20〜100kg/c
2 、成形時間:5〜20分である。そして、成形品の
形状は、平板、曲面板、或いは浴槽や洗面ボール等の立
体物等である。
【0031】
【実施例】
(実施例1)まず、図1に示すような化粧シート1を作
製した。具体的には、熱可塑性樹脂シート2として透明
な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋
紡績製「E5010」、厚さ50μm)を使用し、その
表面に多官能アクリレート重単量体からなる紫外線硬化
性インキ(大日精化工業製「XD808」)を用いて前
記した方法により抽象パターンの万線条溝模様の入った
凹凸模様3を形成した。凹凸の段差50μm、周期10
0μmである。一方、繊維質シート4としてポリエステ
ル樹脂不織布(東洋紡績製「スパンボンドA640
1」)を使用し、その表面にパールインキにて全面にパ
ールベタ層5をグラビア印刷により形成し、さらにその
上にマーブル大理石の石目調柄印刷層6をグラビア印刷
により形成した。使用したパールインキ、グラビアイン
キともにバインダーはアクリル樹脂と塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合体の1対1重量比の混合物である。また、
パール顔料は平均粒径15μmの二酸化チタン被覆雲母
の鱗片状箔片を含有したものである。そして、2液硬化
型ウレタン樹脂接着剤(大日精化工業製「E−29
5」)を使用し、この接着剤7を介して、熱可塑性樹脂
シート1の凹凸模様3を設けた側に繊維質シート4の印
刷層6が向かい合う状態でドライラミネートして化粧シ
ート1を作製した。
【0032】そして、この化粧シート1の不織布面側
に、硝子短繊維と不飽和ポリエステル樹脂オリゴマーと
からなるSMC(昭和高分子製「リゴラックSMC」)
を重ね合わせ、金型内に挿入し、150℃、75kgf
/cm2 で5分間加熱加圧成形を行うことで図2に示す
ように化粧シート1とSMC8を一体化させた。この成
形時の熱圧により化粧シート内部のパールベタ層5に凹
凸模様3がほど良く押型され、光反射による視覚的内部
凹凸効果が発現した。以上の工程により、内部に凹凸を
有する高意匠な浴室壁面用パネル9を得た。
【0033】(実施例2)熱可塑性樹脂シート2として
実施例1と同様のポリエチレンテレフタレートフィルム
を使用し、その表面に同様のインキを用いて正弦波曲線
状の凸条部を互いに並行に多数配列せしめた波状万線条
溝模様の入った凹凸模様3を形成した。凹凸の段差50
μm、周期50μmである。一方、繊維質シート4とし
て実施例1と同様の不織布を使用し、その不織布にパー
ル粉体を混入した。使用したパール顔料は実施例1と同
様の二酸化チタン被覆雲母の鱗片状箔片を含有したもの
である。そして、2液硬化型ウレタン樹脂接着剤(大日
精化工業製「E−295」)を使用し、この接着剤7を
介して、熱可塑性樹脂シート2の凹凸層3を設けた側に
繊維質シート4を向かい合わせた状態でドライラミネー
トして化粧シート1を作製した。
【0034】そして、この化粧シート1の不織布面側に
実施例1で使用したのと同じSMC8を重ね、実施例1
と同様の成形を行って図3に示すように化粧シート1と
SMC8を一体化させた。以上の工程により、内部に木
目板と類似の照り感を有する高意匠の浴室壁面用パネル
9を得た。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のFRP成
形同時ラミネート用化粧シートは、硬化性樹脂で形成し
た凹凸模様を有する熱可塑性樹脂シートに光輝性表面を
有する繊維質シートを貼り合わせた構成としたので、こ
の化粧シートをFRPの成形に用いることにより、表面
平滑と内部の立体感を有する繊維強化プラスチック成形
品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用する化粧シートを示す断面図であ
る。
【図2】実施例で製造した繊維強化プラスチック成形品
の断面図である。
【図3】別の実施例で製造した繊維強化プラスチック成
形品の断面図である。
【符号の説明】
1 化粧シート 2 熱可塑性樹脂シート 3 凹凸模様 4 繊維質シート 5 パールベタ層 6 印刷層 7 接着剤 8 SMC 9 パネル(繊維強化プラスチック)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // E04F 13/18 E04F 13/18 A B29K 105:12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化性樹脂で形成した凹凸模様を有する
    透明又は半透明の熱可塑性樹脂シートの凹凸模様側に接
    着剤層を設け、その接着剤層と接する側に、光輝性表面
    を有する繊維質シートを貼り合わせたことを特徴とする
    FRP成形同時ラミネート用化粧シート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の化粧シートにおける繊
    維質シート面にFRPを積層一体化してなり、光輝性表
    面が凹凸模様の形状に賦形されてなることを特徴とする
    繊維強化プラスチック成形品。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の化粧シートにおける繊
    維質シート面にFRPの未硬化物を重ね合わせ、金型内
    で加熱加圧して両者を一体化させると共に、繊維質シー
    トの光輝性表面側に硬化性樹脂の凹凸模様を圧入させて
    光輝性表面に凹凸模様の形状を賦形することを特徴とす
    る繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
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JP2005349675A (ja) * 2004-06-10 2005-12-22 Nitto Giken Kk 加飾プラスチック品及びその製造方法
WO2008082259A1 (en) * 2007-01-03 2008-07-10 Inpa Co., Ltd. Multifunctional plastic sheet and manufacturing method thereof
JP2010036366A (ja) * 2008-07-31 2010-02-18 Kao Corp 樹脂成形体及びその製造方法

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