JPH1177646A - 耐久性型枠およびコンクリート製ユニットの製造方法 - Google Patents

耐久性型枠およびコンクリート製ユニットの製造方法

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JPH1177646A
JPH1177646A JP13683698A JP13683698A JPH1177646A JP H1177646 A JPH1177646 A JP H1177646A JP 13683698 A JP13683698 A JP 13683698A JP 13683698 A JP13683698 A JP 13683698A JP H1177646 A JPH1177646 A JP H1177646A
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JP
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frame
concrete
mold
formwork
durable
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JP13683698A
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Etsuji Oike
悦二 大池
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Oike and Co Ltd
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Oike and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノックアウト孔などの位置や大きさが異なる
コンクリート製ユニットに柔軟に対処でき、安価に製造
できる耐久性型枠を提供する。 【解決手段】 外型枠11の内側に着脱可能な第2の枠
体30を設け、この第2の枠体30に孔を成形するため
のスリーブ22を取り付ける。孔の位置などが異なる場
合は、第2の枠体30を交換できるので、外型枠11に
は無理をかけずに孔の位置や大きさを変形できる。さら
に、型枠としての強度や機能は外型枠11が備えている
ので、第2の枠体は安価に製造することができ、使い捨
ても可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート製ボ
ックスやブロックを工場でプレキャストするのに適した
耐久性の型枠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図19および図20に、地中配線の分岐
・接続用に埋設されるほぼ直方体状のコンクリート製ボ
ックス1を耐久性型枠10を用いて製造する例を示して
ある。この分岐・接続用ボックス1は、底壁2の四方に
側壁3が形成されたコンクリート製のボックスであり、
側壁3に複数のケーブル導入用の孔5を設けて埋設電線
管などを用いて地中に敷設されたケーブルをボックス1
内に導入できるようになっている。導入用の孔5の多く
は、現場で容易に貫通できるように側壁3の一部が薄く
形成されたノックアウト孔6として工場でプレキャスト
する際に製造される。もちろん、貫通孔7として成形さ
れる場合もある。
【0003】このようなコンクリート製ボックス1を工
場にてプレキャスト(プレハブ)する型枠10は、ボッ
クス1の内面を規定する内型枠12と、外面を規定する
外型枠11と、ボックス1の側壁の上面(天場)を規定
する台盤13とを備えている。これら内型枠12と外型
枠11は台盤13を挟んで向かい合って組み立てられ、
内型枠12と外型枠11とで形成された空間にコンクリ
ートを注入することによりコンクリート製ボックス1が
プレキャストされる。同一の型枠を複数回使用してボッ
クス1を量産できるように、工場プレハブ用の型枠10
は鉄板などの耐久性の高い材料が用いられており、コン
クリートが固まった後にボックス1を型枠10から脱型
し易いように構成されている。例えば、外型枠11は、
図20に示すように、台盤13に対し平行に外側に移動
し、さらに、内型枠12から離れる方向に台盤13を中
心に旋回できるになっている。また、内型枠12は、ボ
ックス1の底壁2に向かって狭くなるようなテーパ状に
形成されており、外型枠11を外した後にボックス1と
型枠10が上下に分離し易いようになっている。また、
耐久性の型枠10は、コンクリートが注入されたときの
圧力や重量によって型枠が歪まないように、さらに、注
入時に加えられる振動や脱型時の衝撃などによって損傷
を受けないように十分な補強がなされており、外型枠1
1は型枠の内面を規定するプレート15が外側からリブ
16によって補強されている。また、型枠10のサイズ
が大きくなるほどプレート15の補強が重要であり、数
多くのリブ16など補強材が付加される。これに対し、
排水枡のような小型のコンクリート製ボックスや、車止
めなどのような小型のコンクリート製ブロックにおいて
は殆どリブなどの補強材は設けられない。しかしなが
ら、基本的には、型枠のサイズにかかわらず外型枠と内
型枠の組み合わせ、あるいは、内部が中空にならない製
品については外型枠をのみを用いてコンクリート製ユニ
ットが製造される。
【0004】コンクリート製ボックス1にノックアウト
孔6や貫通孔7を成形する場合は、外型枠11にスリー
ブ20などの孔を成形する治具を装着してからコンクリ
ートが注入される。脱型するときに外型枠11と共にこ
れらのスリーブ20を外すことができるようになってい
るので、側壁3にノックアウト孔6あるいは貫通孔7が
開いた状態で型枠10からコンクリート製ボックス1を
脱型することができる。スリーブ20としては、ゴムあ
るいは鉄などの素材で孔の形状、例えば、円柱、円錐
台、ベルマウスなどに合わせて成形された耐久性のある
スリーブ21をネジ25などにより外型枠11に固定す
ることができる。あるいは、発泡スチロールなどの使い
捨てのスリーブ22を外型枠11に固定された支持棒2
6に取り付けて固定することができる。
【0005】このような方法でノックアウト孔6や貫通
孔7を開ける代わりに、コンクリート製ボックスを成形
した後にコアカッターなどにより側壁3にあらためて孔
を形成することも可能である。しかしながら、コアカッ
ターで孔を開けるのは多大な時間と労力が必要になるの
で、作業効率が悪く、コストがかかる。さらに、孔開け
位置を決定する手間も大変である。
【0006】あるいは、コンクリート製ボックス1の側
壁3には補強用に鉄筋が埋設されることがあるので、こ
の鉄筋にスリーブを縛りつけるなどの方法により固定
し、孔を開けることも可能である。しかしながら、この
方法でもスリーブの位置出しをその度に行う必要があ
り、コンクリートを注入する際のバイブレータの振動に
よって位置が動いたり、孔の角度が変わってしまうなど
の不具合も発生しやすい。従って、製造効率が悪く、品
質も安定しないので結局製造コストが高くなってしま
う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような、コアカッ
ターを用いたり、鉄筋などにスリーブを装着するといっ
た方法は、型枠にスリーブを固定する方法と比較し、非
常に効率が悪い。しかしながら、孔の位置を自由に選択
できるというメリットもある。
【0008】上述した分岐・接続用ボックス1において
は、規格が統一されていれば貫通孔やノックアウト孔の
位置はほぼ同じになるので量産が可能であるが、現状で
は地方や現場によってサイズが様々であり、孔の必要な
位置は一定していない。また、敷設されるケーブルの量
や種類によっても孔の位置および大きさが変わるので、
ボックスの外形サイズが規格化されても孔の配置や大き
さの異なる複数種類の分岐・接続用ボックスが必要にな
る。分岐・接続用ボックスに限らず、ハンドホールやマ
ンホールにおいても、ケーブルや配管の径あるいは埋設
深さが異なれば側壁に用意する孔の位置や大きさも変わ
ってしまう。
【0009】このように耐久性の型枠にスリーブを装着
して分岐・接続ボックスなどを製造することによって孔
が予め形成されたボックスを短期間で安価に量産できる
が、孔の位置や大きさが変わると、スリーブ21を取り
付けるためのネジ25の位置を変えるなど耐久性型枠を
変更する必要がある。例えば、型枠11の異なった位置
にネジ用の孔を開け、前の位置の孔を塞ぐ必要がある。
このような処理を繰り返すと、型枠が変形して歪みや凹
凸が発生するので、コンクリート製ボックス1の表面が
荒れたり、脱型するときに型枠が剥離しにくいなどの不
具合が発生する。さらに、図21に示すように、型枠1
1のプレート15の外側に設けられている補強用のリブ
16に対しネジ25は干渉しないように配置する必要あ
るので、スリーブを設定できる位置はある範囲に限られ
てしまう。また、図22に示すように支持棒26を型枠
11の内面に設けた場合には、スリーブの位置、すなわ
ち、孔の位置を変えるために支持棒26の切断、溶接2
6aといった作業が必要となり、これによっても型枠1
1に歪みなどが発生する。従って、スリーブの設定位置
を変えると型枠に変形が生じやすく、このときは、型枠
を作り直す必要がある。また、補強用のリブをスリーブ
の位置が干渉するときも、型枠を設計しなおして作り直
す必要が生ずる。
【0010】耐久性の型枠は、鉄板などの素材を用いて
おり、脱型できるような機構も採用しているので、製造
コストが高い。従って、貫通孔7やノックアウト孔6の
位置が頻繁に変更になるようであれば、コアカッターを
用いて孔開けしたり、あるいは、鉄筋にスリーブを固定
するほうがコスト的には安くなることもある。しかしな
がら、これらの方法は作業効率が悪いので、ブロック1
の製造コストが高価になり品質を保持することも難し
い。さらに、工場プレイキャストから現場に納入するた
めには長い期間が必要となる。
【0011】そこで、本発明においては、孔の位置や形
状の異なるコンクリート製ユニットを安価に量産でき、
寿命も長い耐久性型枠を提供することを目的としてい
る。また、本発明においては、孔の位置や大きさ、ある
いはユニット自体の少々の形状の変更に対し、型枠本体
に無理をかけずに柔軟に対応することができる耐久性の
型枠を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、耐久性の型枠の内部にさらに第2の枠体を装着で
きるようにしており、この第2の枠体を交換することに
より、孔の変更や形状などの変更に柔軟に対応できるよ
うにしている。すなわち、本発明の、コンクリート製ユ
ニットをプレキャストする耐久性型枠においては、コン
クリート製ユニットに面する耐久性型枠本体の内側に、
コンクリート製ユニットの少なくとも1部の面を規定す
る第2の枠体を装着可能であることを特徴としている。
第2の枠体を装着可能であれば必要に応じて着脱できる
ので、この第2の枠体を交換したり、装着位置を変える
ことにより耐久性の型枠本体にはほとんど影響を及ぼさ
ずにコンクリート製ユニットの若干の形状の変更、孔の
位置の変更などに対応することができる。コンクリート
製ユニットに貫通孔またはノックアウト孔を成形するた
めのスリーブ、あるいは恒久的に埋設されるインサート
などの埋設物を第2の枠体に設定できるようにしておけ
ば、第2の枠体を交換することにより、耐久性型枠本体
には影響を与えずに、インサートの埋設位置、貫通孔ま
たはノックアウト孔の配列、さらには、コンクリート製
ユニット自体の形状の多少の変化に対応することができ
る。このため、耐久性型枠本体に負担をかけずに孔の位
置や大きさなどの変化に対処できるので、耐久性型枠本
体の寿命を減ずることなく、孔の位置や大きさの異なる
コンクリート製ユニットを同一の耐久性型枠本体を用い
て量産でき、安価に提供することができる。また、第2
の枠体は、耐久性型枠に装着されるものであるので、強
度や脱型するための機構は不要であり、安価に提供する
ことができる。さらに、孔の位置や大きさなどが変更に
なった部分だけ第2の枠体を交換すれば良いので経済的
である。また、第2の枠体に設けられたスリーブを固定
するための孔や支持棒の位置を変更することにより、第
2の枠体が変形し損傷が進んで使用できなくなったら第
2の枠体は使い捨てるといった使用方法もある。
【0013】第2の枠体は、耐久性の型枠本体に対しコ
ンクリート製ユニットと共に脱型され、その後にコンク
リート製ユニットから取り外すタイプのものであっても
良い。このため、第2の枠体を単に耐久性型枠本体の内
側に置いたり、あるいは磁石あるいは両面テープなどに
よって耐久性型枠本体からコンクリート製ユニットと共
に取り除かれ易いように設置することが可能である。し
かしながら、これらの方法では、コンクリートを注入す
るときの衝撃、あるいは、注入後に加えられる振動によ
って第2の枠体が耐久性型枠本体から分離したり、ある
いは、位置が移動する可能性がある。そこで、第2の枠
体を耐久性型枠本体に対し、脱型するときの力により分
断される取付具により取り付けることが望ましい。この
ような取付具としては、プラスチック製あるいは木製、
さらには薄い金属製などのある程度の力によって分断さ
れるような素材によるネジ、ピン、クリップなどの治具
がある。
【0014】特に、コンクリート製ユニットと共に脱型
される第2の枠体は、マンホール、ハンドホールあるい
は電線埋設用の共同化ボックス(CCボックス)などの
比較的大型のコンクリート製ボックスを製造するときに
有効である。たとえば、側壁の厚みの一部を残して現場
で容易に貫通孔が開けられるようになったノックアウト
孔をコンクリート製ボックスの内面の側に向いて開ける
場合は、耐久性型枠本体の内型枠の側に第2の枠体を取
り付けることにより、そのようなノックアウト孔を極め
て容易に製造できる。そして、上述したようにノックア
ウト孔の位置の変更などに対しても柔軟に対処できる。
さらに、コンクリート製ボックスを脱型するときに、耐
久性型枠本体の内型枠に対し鉄板などで構成される第2
の枠体が滑りながら脱型されるようにできるので、脱型
が容易なように設けられるコンクリート製ボックスの内
面のテーパ角度を少なくすることが可能となり、内面が
ほぼ垂直に近いコンクリート製ボックスを製造すること
が可能となる。
【0015】また、耐久性型枠の内面に密着するように
装着するものであっても良く、この場合には第2の枠体
に埋設物を設定できるようにするには、その支持金物
は、溶接などにより固定された支持棒、あるいは、皿状
の出っ張りのないネジなどを用いることができる。ま
た、第2の枠体は耐久性型枠の内側から突出する部分を
備えていても良く、これによりコンクリート製ボックス
の側壁の厚みの調整も可能である。また、突出した部分
にスリーブなどの埋設物を設定する場合は、通常のネジ
を用いても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明をさ
らに詳しく説明する。図1に、本発明に係る耐久性型枠
10を示してある。本例の耐久性型枠10は、分岐・接
続用ボックス1を製造するものであり、その全体的な構
成は、先に図19および図20で説明した耐久性型枠と
同様であるので共通する部分については同じ符号を付し
て説明を省略する。本例の耐久性型枠10においては、
外型枠11の内面11aに第2の枠体30を装着できる
ようになっている。このため、外型枠11の四隅に第2
の枠体30を固定するための固定孔19が設けられてお
り、この固定孔19の第2の枠体30から突出した固定
ボルト31を通してボルト32によって第2の枠体30
を外型枠11に装着し、一体化できるようになってい
る。
【0017】本例の第2の枠体30は、外型枠11によ
って成形される分岐・接続用ボックス1の1方向の側壁
3に対応した面積の鉄板35であり、その内面35aに
発泡スチロール製などの使い捨てタイプのスリーブ22
を固定できる支持棒(スタッド)26が複数本溶接など
により固定されている。このスタッド26は、鉄筋など
を適当な長さにカットして鉄板35の所定の位置に溶接
することにより簡単に形成することができる。また、第
2の枠体30の鉄板35の外面35bには、その四隅に
固定ボルト31が溶接などにより固定されている。本例
の第2の枠体30は、鉄板の外面35bを外型枠11に
向けて、内面35aを内型枠12に向けて型枠10の外
型枠11に装着するようになっており、固定ボルト31
を外型枠11の固定孔19に通してナット32で固定す
ることにより第2の枠体30を外型枠11と一体化する
ことができる。もちろん、第2の枠体30を外型枠11
に取りつける方法は、これに限定されず、第2の枠体3
0をクリップなどによって固定したり、外型枠11に第
2の枠体30を嵌め込めるようにするなど様々な方法が
採用できる。
【0018】図2に、第2の枠体30を外型枠11に装
着した状態を断面を用いて示してある。第2の枠体30
は、固定ボルト31によって外型枠11に固定される
と、外型枠11と一体となって動く。従って、第2の枠
体30に固定されたスタッド26にスリーブ22を固定
してコンクリートを注入することにより、スタッド26
の位置に貫通孔あるいはノックアウト孔6の形成された
コンクリート製ボックス1を量産することができる。第
2の枠体30は、外型枠11に固定されているので、ス
リーブ22は型枠10に対し所定の位置に固定される。
従って、本例の型枠10を用いることにより、同一の位
置に同じ大きさの孔が形成された品質の高いコンクリー
ト製ボックス1を製造することができる。脱型時にも第
2の枠体30は、外型枠11と一体に動くので、外型枠
11を平行移動あるいは旋回移動することによりコンク
リート製ボックス1から外すことができる。従って、第
2の枠体30を備えた本例の型枠10は、図20に基づ
き先に説明した従来の型枠と全く同じ方法で脱型するこ
とができ、脱型に手間がかからず、確実に作業を行うこ
とができる。
【0019】その一方で、本例の型枠10においては、
図1に示したように、第2の枠体30を外型枠11から
簡単に取り外すことができる。従って、ノックアウト孔
などの位置や大きさが変わった場合は、第2の枠体30
を外型枠11から取り外してスタッド26の位置を変え
ることができる。そして、スタッド26の位置を何回か
変更して鉄板35が歪んだり、損傷を受けて型枠の内面
として使用できない場合は、その第2の枠体30を廃棄
処分にし、新たな鉄板を用いて第2の枠体30を製造す
ることができる。本例の第2の枠体30は、コンクリー
ト製ボックスを製造する際は、外型枠11と一体となっ
て動作する。従って、型枠としての強度は外型枠11の
側で確保できるので鉄板35は薄くて良く、また、脱型
するための機構も型枠10の側で用意されるので、本例
の第2の枠体30としては、スタッドおよび固定ボルト
を設けてある以外には平らな鉄板35を用いることがで
きる。従って、第2の枠体30は非常に安価で短期間に
製造することが可能であり、使い捨てるとしても、それ
にかかる費用および時間はコンクリート製ボックス1の
製造コストにほとんど影響を及ぼさない。
【0020】第2の枠体30を使い捨てる型枠として使
用する代わりに、コンクリート製ボックスの規格や、現
場、あるいは分岐接続の対象となるケーブルの種類や本
数などの条件によって複数の第2の枠体30を予め用意
しておくことも可能である。そして、その規格や現場な
どの条件に合致するコンクリート製ボックスの在庫がな
くなったときや、受注があったときに型枠10に該当す
る第2の枠体30を装着して条件に合ったコンクリート
製ボックス1を量産するようにしても良い。第2の枠体
30の製造コストは上述したように安価であるので、複
数の第2の枠体30を用意することはそれほどの負担に
ならず、また、第2の枠体30は鉄板35が主たる構成
体であるので、保管のためのスペースも小さくて済む。
さらに、脱型などに必要な機構は第2の枠体30に含ま
れないので、保管中の維持・管理も容易である。
【0021】本例の型枠10は、このように、第2の枠
体30を用いて貫通孔あるいはノックアウト孔の位置の
変更に対し非常に柔軟に対処することができる。これら
の孔の位置が変更されても、第2の枠体30におけるス
タッド26の位置を変更したり、あるいは第2の枠体3
0を交換するだけで対処できるので、型枠10を構成す
る外型枠11、内型枠12および台盤13には全く影響
を及ぼさない。このため、孔の位置変更によって型枠1
0に全く負担がかかないので、孔の位置を変更すること
に起因する歪みなどのトラブルはなく、長期間にわたり
安定して耐久性型枠10を使用することができる。さら
に、孔の位置変更に伴う型枠10の交換、あるいは新設
の費用を削除できるので、非常に安価に貫通孔やノック
アウト孔の設けられたコンクリート製ボックスを製造す
ることができる。また、孔の位置や大きさの変更は第2
の枠体30で処理されるので、孔の位置や大きさの異な
るコンクリート製ボックスを同一の耐久性型枠10で製
造することが可能であり、耐久性型枠の利用効率を大幅
に向上することができる。このため、ボックス1を製造
するために工場で予め用意する耐久性型枠10の数や種
類を大幅に低減でき、型枠の製造にかかる初期費用を少
なくすることができる。もちろん、内面35aが平らな
第2の枠体30を用いれば、孔のない側壁を備えたコン
クリート製ボックス1を同じ耐久性型枠10で製造する
ことも可能である。
【0022】図3および図4に、上記と異なる第2の枠
体30の例を示してある。本例の第2の枠体30は、上
記と同様の平らな鉄板35を採用して、ゴムや鉄製など
の耐久性のスリーブ21を装着できるようになってい
る。このため、本例の第2の枠体30の鉄板35には、
その裏面35bからヘッド25aが皿状となったボルト
25を差し込める孔39が貫通孔あるいはノックアウト
孔に対応した位置に設けられている。従って、第2の枠
体30の内面35aにボルト25を用いてスリーブ21
を固定することができる。また、図4に示すように、ボ
ルト25のヘッド25aが皿状となっており、そのヘッ
ド25aが鉄板35に納まるように孔39が用意されて
いるので、鉄板35を外型枠11に密着して取り付ける
ことが可能である。このような第2の枠体30も固定ボ
ルト31によって外型枠11に着脱可能に取付できるの
で、上記と同様に型枠10に負担をかけずに孔の位置や
大きさの異なるコンクリート製ボックスを製造すること
ができる。
【0023】図5に、上記とさらに異なる第2の枠体3
0の例を示してある。本例の第2の枠体30は、中央が
内型枠12に向かって突き出た部分38の形成された鉄
板35を備えている。このような内面35aに凸の第2
の枠体30を外型枠11に装着してコンクリート製ボッ
クス1を成形することにより、側壁3の一部が薄くなっ
たコンクリート製ボックスを製造することができる。さ
らに、内型枠12に向かって突き出た部分38にスリー
ブ21を装着する場合は、突き出た部分38と外型枠1
1との間にスペース37があるので、従来と同様のヘッ
ドが鉄板から飛びだすボルト25を用いてスリーブ21
を固定することができる。このように、本発明において
は、第2の枠体30の形状を変更することにより、貫通
孔7の位置や大きさのみならず型枠10によって成形さ
れるコンクリート製ユニットの形状の一部を変えること
も可能であり、耐久性型枠の利用効率をさらに高めるこ
とができ、様々な条件に対し柔軟に対応することができ
る。
【0024】図6に、さらに異なる本発明の型枠10の
例を示してある。本例の型枠10においては、外型枠1
1を構成する補強用のリブ16とプレート15が分離で
きるようになっており、プレート15を交換できるよう
になっている。本例の外型枠11は、リブ16によって
外型枠としての強度が確保されており、さらに、脱型時
に平行移動あるいは開閉する機能もリブ16に装着され
ている。また、リブ16には、プレート15がクリップ
などの治具により着脱できるように固定されている。従
って、コンクリート製ユニットの外面を規定するプレー
ト15をリブ16から外して交換することが可能であ
り、プレート15を第2の枠体30として使用すること
が可能である。このため、スリーブ21の配置や大きさ
が異なる複数のプレート15を用意しておくことが可能
であり、また、スリーブ21の付け替えを行った結果、
歪んだり、凹凸が激しくなったものは廃棄して新たなプ
レート15をリブ16に装着するといった処置を行うこ
とも簡単にできる。
【0025】このように、本発明においては、耐久性の
型枠の内部にさらに第2の枠体を装着することにより、
コンクリート製ユニットの孔の配置や大きさなどに対し
非常に柔軟に対応することができ、様々な仕様のコンク
リート製ユニットを数少ない耐久性型枠により量産し、
安価に供給することができる。さらに、第2の枠体が耐
久性型枠として一体となった状態でそれぞれの仕様のコ
ンクリート製ユニットを量産することができるので、そ
れぞれの孔の位置や形状は安定して確実に形成され、ま
た、第2の枠体によってもたらされるコンクリート製ユ
ニットの形状、孔位置あるいは孔径などの変化も同様に
安定して確実に再現される。従って、本例の第2の枠体
を用いることにより、高品質のコンクリート製ユニット
を安価に提供することができる。
【0026】なお、上記においては、コンクリート製ボ
ックスを製造する外型枠に第2の枠体を設けた例を説明
しているが、内型枠12の内面に第2の枠体を設けて交
換可能にすることももちろん可能である。また、台盤1
3に第2の枠体を乗せて天場の形状や孔開けを変更する
ことも可能である。さらに、内部が中空となっていない
コンクリート製ブロックを成形する外型枠だけの型枠に
対しても本発明を適用できることはもちろんである。ま
た、鉄板を用いた第2の枠体の例を説明しているが、第
2の枠体は鉄板に限らず、プラスチック板などの適当な
耐久性と強度を備えた部材を用いて構成することももち
ろん可能である。
【0027】さらに、上記では、直方体状のコンクリー
ト製ボックスを例に説明しているが、カルバート型のボ
ックスや、円筒状のマンホール用のボックス、立方体状
の配線用ハンドホールなど様々なコンクリート製ユニッ
トに対し本発明を適用できることはもちろんである。ま
た、上記例では、壁面に貫通孔やノックアウト孔を形成
するためのスリーブが設けられた第2の枠体を例に説明
しているが、壁面に埋設されるインサートの取付治具の
位置を変更したり、ボックスの把手となる凹みの位置を
変えるなど、コンクリート製ユニットの基本的な形状は
変更せずに細部の変更のみを行う場合には、本例の第2
の枠体を用いて対処することが可能であり、高価な耐久
性型枠の利用効率を大幅に高めることができ、ユーザー
の仕様に対し柔軟に対処し、安価で短期間にユーザーの
所望するコンクリート製品を供給することができる。
【0028】これらの内、図7ないし図12を参照し
て、内型枠12に第2の枠体を装着した例をさらに説明
する。図7および図8に示すように、分岐・接続用コン
クリート製ボックス1の側壁4の内面4aには配線を支
持するためのケーブルトレイサポート51が取付けられ
るようにインサート60が埋設される。ケーブルトレイ
サポート51は、側壁4の長手方向Xに沿って、支持す
るケーブルの重量などを考慮した適当なピッチで取付け
られるので、それにあわせてインサート60の埋設位置
59を決める必要がある。また、図8(b)に示すよう
に、ケーブルトレイサポート51は高さ方向Yに沿っ
て、ケーブルの量あるいは種類などを考慮した適当な間
隔で取付けられるので、埋設位置59では、インサート
60もサポート51を適当な位置で取付けできるように
適当なピッチあるいは位置に埋設されている必要があ
る。さらに、本例の分岐・接続用ボックス1は、ボック
スの強度を向上するために側壁4と底壁2の境界部分4
bの肉厚を補強してあるが、ケーブルトレイサポート5
1が底壁2のすぐ上にも設置できるように、ケーブルト
レイサポート51を取付ける位置、すなわち埋設位置5
9では境界部分4bをカットした形状にしてある。
【0029】このように、分岐・接続用コンクリート製
ボックス1では、内面に数多くのインサート60が埋設
され、さらに、それらの位置あるいはピッチがボックス
1に収納されるケーブルの量あるいは種類などの条件に
よって変更されることがある。したがって、各々のイン
サート60をセットするボスを内型枠12に直に取り付
けるようにしたのでは、埋設位置に変更が生じたときに
対応できない。そこで、本例においては、上述したよう
に、内型枠12に対しインサート60をセットするため
のボス61が設けられた第2の枠体30を取付け、この
第2の枠体30を内型枠12に対し取付ける位置を変え
たり、あるいは第2の枠体30自体を交換し、内型枠1
2自体には影響を及ぼさずにインサート60の埋設ピッ
チあるいは埋設位置を自由に変更できるようにしてい
る。また、境界部分4bをカットするために、この境界
部分4bの形状を規定する内型枠12のコーナの部分1
2aに、境界部分4bの形状を変更するための第2の枠
体40を取り付け、内型枠12自体に影響を与えずに境
界部分4bの形状を変更できるようにしている。
【0030】図9に、境界部分4bの形状を変更するた
めの第2の枠体40と、インサート60を設定するため
の第2の枠体30を、内型枠12のコーナ部12aおよ
び側面部12bにそれぞれ取り付ける様子を示してあ
る。図9では、第2の枠体30および40にプラスチッ
ク製などの適当な力が作用すると分断されるような突起
物70を1個所または複数箇所取付け、内型枠12に予
め用意された設定孔71に嵌め込んで第2の枠体30お
よび40を内型枠12の所定の位置に取付けできるよう
にしてある。もちろん、第2の枠体30および40は、
その他の方法、例えば、両面テープ、ボルトナットなど
で内型枠12に設定することが可能である。ただし、両
面テープを用いた場合は位置ずれが発生しやすいので、
コンクリート注入速度を比較的低くすることが望まし
い。また、ボルトナットで第2の枠体30および40を
内型枠12に取り付ける場合は、コンクリート製ボック
ス1を脱型する前にボルトナットを除去する必要がある
ので若干手間がかかる。また、本例では、インサート6
0がボックス1の高さ方向に一列に揃って埋設されるの
で、第2の枠体30として上下に略一直線に延びた板状
の部材が採用されている。もちろん、この第2の枠体3
0の形状は直線状で板状の部材に限定されることはな
く、インサートの埋設位置をカバーできる形状であれば
良い。
【0031】図10に示すように、第2の枠体30およ
び40を内型枠12に取付け、さらに、第2の枠体30
のボス61にインサート60をセットした後に、外型枠
11を組み立てて、これら内型枠12および外型枠11
によって形成された空間にコンクリートを注入し、コン
クリート製ボックス1を成形する。そして、図11に示
すように、外型枠11を分離し、内型枠12をボックス
1から上下にずらすようにして脱型すると、第2の枠体
30および40は、これらを内型枠12に止めていたプ
ラスチック製の突起70が折れて第2の枠体30および
40はボックス1と共に内型枠12から外れる。図12
に示すように、ボックス1の側壁4から第2の枠体30
および40を外すと、境界部分4bの一部がカットさ
れ、その延長位置に第2の枠体30のボス61のピッチ
でインサート60が埋設されたコンクリート製ボックス
1が得られる。そして、本例においては板状の第2の枠
体30を用いているために、この第2の枠体30の形状
に従って側面4aのインサート60を埋設した部分59
は周囲より一段凹んだ形状となっている。また、第2の
枠体30と型枠本体との境界部分の影響がコンクリート
製品の表面に筋などの形で現れることがあるが、それほ
ど目立つことはなく、また、必要であれば簡単に手直し
することができる。さらに、第2の枠体30と型枠本体
との間にゴム製のパッキンを第2の枠体30と型枠本体
との間に挿入するなどの方法により境界部分の影響をさ
らに小さくすることができる。
【0032】このように、ボス61が設けられた第2の
枠体30を内型枠30に取り付けてインサート60が設
定できるようにすると、内型枠30に対する第2の枠体
30の取付け位置を変えることで、インサートの埋設位
置59をボックス1の長手方向Xに自由に動かすことが
できる。この際、第2の枠体30の位置を変えて取付け
るためには、その位置に対応する内型枠30に上下2個
所あるいは数箇所に設定孔71を設けておけば良いの
で、その設定孔71を使用しないときはテープなどによ
り簡単にふさぐことができる。したがって、内型枠30
に対する影響はほとんどない。また、インサート60の
高さ方向の埋設ピッチを変えるには、ボス61のピッチ
の異なる第2の枠体30を用意して内型枠12に取り付
ければ良いので、内型枠12に対する影響はまったくな
い。さらに、インサートの埋設位置59に付随して境界
部分4bの形状を変える場合も、第2の枠体40の位置
を第2の枠体30の位置にあわせて移動すれば良いだけ
であり、第2の枠体40を取り付けるための設定孔71
を用意する以外に内型枠12に対する影響はない。この
ように、第2の枠体を内型枠あるいは外型枠などの耐久
性型枠本体に装着し、その第2の枠体にインサートなど
の埋設物をセットすることにより、埋設位置の変更に対
し耐久性型枠本体には影響を与えずに、フレキシブルに
対応することができる。
【0033】さらに図13ないし図18を参照して、内
型枠12に第2の枠体を装着した異なった例を説明す
る。先に説明したケーブル貫通孔5を内型枠12の側に
スリーブ20を取り付けて形成することはいくつかのメ
リットがある。内型枠12の側にスリーブ20を取り付
けると、スリーブ20はそれを取り除くために、円錐台
状などの先端に細くなったテーパ状のものが採用される
ので、側壁3の内面の側が広くなったケーブル貫通孔5
が形成される。したがって、ケーブル埋設管をボックス
1に設置する際に利用されるベルマウスを、その先端が
広くなったベルマウス形状に合致した貫通孔5にはめ込
むことができる。このため、ベルマウスとの隙間が非常
に小さく、施工上の手間が減る。また、ノックアウト孔
6を採用するときは、ノックアウト孔6が側壁3の内側
から開くので、ボックスを埋設した後にノックアウト孔
6がボックス1の内側から見える状態になる。したがっ
て、未使用のノックアウト孔6の位置を事前に確認する
ことが可能であり、施工が簡単で設計ミスなども排除で
きる。
【0034】スリーブ20は内型枠本体12に直に取り
付けることももちろん可能であるが、上述したように外
型枠11に直に取り付けたときと同様の問題が発生する
ので第2の枠体30を用いて取り付けることが望まし
い。さらに、ボックス1を脱型するときは、外型枠11
の場合と異なり、内型枠12とボックス1は相互に滑ら
せるように脱型されるので、スリーブ20を取り付けた
ままの状態では脱型ができない。このため、脱型前に内
型枠12の内部に入って個々のスリーブ20を取り外す
ことが必要になり、非常に手間がかかり、また、作業自
体に危険がある。
【0035】これに対し、図13に示すように第2の型
枠30を用いると、第2の型枠30を内型枠12に対
し、プラスチック製のネジなどの適当な力が作用すると
分断されるような取付具75で取り付けておくことによ
り、第2の型枠30が脱型時にコンクリート製ボックス
1と共に脱型するようにすることができる。したがっ
て、型枠本体から脱型するまえにスリーブ20を取り外
す工程は不要であり、きわめて簡単に側壁3の内側にノ
ックアウト孔を形成することができる。
【0036】図14および図15に、取付具75の一例
を示してある。この取付具75はプラスチック製の全ネ
ジの棒であり、図15に拡大して示してあるように、内
部に断面が4角形の中空の孔75bが開いており、先端
にその中空の孔75bに差し込める形状の突起75aが
設けられている。したがって、図14に示すように中空
の孔75bに差し込めるような先端を備えた治具79で
取付具75をまわすと、内型枠12および第2の枠体3
0の所定の位置に設けられた設定孔76に取付具75を
ねじ込むことができ、内型枠12および第2の枠体30
を固定することができる。この際、内型枠12の設定孔
76あるいは第2の枠体30の設定孔76に分断された
状態で残った取付具75は、新たな設定具75の先端の
突起75aによってまわされ、内型枠12の内側に排出
される。もちろん、中空の孔75の形状は4角形に限ら
ず、3角形あるいはその他の多角形あるいは星型やプラ
ス型などの治具79あるいは突起75aとかみ合う適当
な形状を採用することができる。さらに、本例の取付具
75は、内型枠12と第2の枠体30との境界に当たる
位置に若干深い切れ込み75cが設けられており、この
位置で分断しやすいようになっている。このような取付
具75は、プラスチック製に限らず、木ネジ、中空の金
属ネジなどの、型枠12および第2の枠体30に損傷を
与えずに適当な力で分断されるような強度の他の適当な
素材で形成することができる。また、内型枠12の厚み
では設定孔76が設けられない、あるいは、強度が不足
するようなときは、内型枠12の裏面に鞘管あるいは鞘
ナットを設けることが可能である。
【0037】このような取付具75により、個々のスリ
ーブ20を内型枠12に直に取り付けることも可能であ
り、脱型時の力によって個々のスリーブ20がコンクリ
ート製ボックスに納まった状態で脱型することも可能で
ある。しかしながら、スリーブ20の数が多くなると、
スリーブ毎に取付するのは手間がかかる。また、山形の
スリーブ20の形状を考慮すると、スリーブの中心軸に
取付具を入れて固定するには取付具が長くなり、また、
周囲に取付具を設置するときは位置ずれや回転を抑える
ために数多くの取付具が必要になる。したがって、本例
のように第2の枠体30を用いて取り付けることが望ま
しく、さらに、スリーブの位置の変更などを考慮すると
第2の枠体30を用いた方がよいことは上述したとおり
である。
【0038】さらに、図16に示すように、他の固定具
77との組み合わせで使用することも可能である。図1
6に示した例では、他の固定具77として磁石が用いら
れており、第2の枠体30に磁石77を設置して第2の
枠体30が内型枠12から分離しないようにしている。
そして、内型枠12および第2の枠体30にもうけた設
置孔76に、プラスチック製などの適当な素材の棒状の
取付具75を挿入して第2の枠体30が上下あるいは左
右の方向にずれないようにしている。本例においても、
型枠の裏面に鞘管などを設置することが可能である。ま
た、磁石77の代わりに両面テープなどの接着手段を用
いることも可能である。磁石あるいは両面テープ単独で
も第2の枠体30を型枠12から脱型時に分離するよう
に取り付けることができるが、コンクリートを注入する
とき、あるいはその後の振動などによって位置がずれる
などの問題が発生しやすい。これに対し、内型枠12と
第2の枠体30を機械的に接続する取付具75を用いる
と、そのような心配もなく、品質の高いコンクリート製
ボックスを製造できる。
【0039】図17に、コンクリート製ボックス1を脱
型するときの様子を示してある。外型枠11は台盤13
に対し旋回するようにして取り外すされ、その後に、コ
ンクリート製ボックス1と内型枠12とを上下方向に分
離して脱型する。たとえば、コンクリート製ボックス1
を型枠ごと吊り上げて、振動などの外力を加えて型枠と
分離し型枠が自重で落下するようにする。この際、第2
の枠体30を内型枠12に取り付けている取付具75に
非常に大きな力がかかるので、取付具75は適当な位置
で分断され、第2の枠体30も内型枠12から分離して
コンクリート製ボックス1についた状態で脱型される。
このとき、本例では、鉄板35で形成された第2の枠体
30と、同じく鉄板製の内型枠12が滑りながらコンク
リート製ボックス1が脱型される。したがって、第2の
枠体30で形成される面については、コンクリートと内
型枠12との付着力を考慮しなくて良いので、型抜き用
の勾配(テーパ角度)をほとんど考慮しなくても脱型す
ることができる。さらに第2の枠体30と内型枠12と
の間にオイルなどの離型剤を塗布しておくことにより、
スムーズに脱型することができる。したがって、側壁3
の内面であっても第2の枠体30を用いることにより、
その第2の枠体30によって形成されたテーパ角が小さ
くほぼ垂直になった内面を備えたコンクリート製ボック
ス1を製造することが可能である。側壁3の内面が底壁
2に対しほぼ垂直になったコンクリート製ボックスは、
ケーブル設置スペースあるいはメンテナンス用のスペー
スとして有効利用できる部分が広くなるので、コンクリ
ート製ボックス自体は小さくすることができる。したが
って、埋設時に処理する土砂の量が減るなど、ボックス
を小型化して製造コストを低くできると共に、施工コス
トを低くすることができる。
【0040】図18に、第2の枠体30をコンクリート
製ボックス1の内面から取り除く様子を示してある。上
記でも説明したように、型枠としての強度は耐久性型
枠、本例では内型枠12の側で確保できているので、第
2の枠体30の鉄板35の板厚は薄いもので良く、重量
も軽くてすむ。したがって、脱型後にコンクリート製ボ
ックス1と共に吊り上げて底壁2が下になるように旋回
するのは容易である。そして、第2の枠体30を内側に
引き剥がすことにより、スリーブ20と共にコンクリー
ト製ボックス1から取り外すことができ、これにより、
内面に開いたノックアウト孔6が側壁3に現れる。第2
の枠体30を内側に引き剥がす際は、取付具75の設置
孔76から取付具75の分断された残りを取り除き、こ
の設置孔76にアイボルトなどの適当な治具を取り付け
ることが可能である。本例の取付具75は四角形の中空
の孔が開いているので、簡単に取り除くことができる。
もちろん、それらの治具に専用のボルト孔などを第2の
枠体30に用意しておくことも可能である。
【0041】なお、同様の方法でボックスの内側が広く
なった貫通孔をコンクリート製ボックスに設けることも
可能である。このように、第2の枠体を内型枠に取り付
けることにより、孔の変更に対し耐久性型枠本体には影
響を与えずに、フレキシブルに対応することができると
共に、ケーブル埋設用に利点の多いコンクリート製ボッ
クスを製造し、低コストで提供することが可能となる。
【0042】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、耐久性型枠の内部にさらに第2の枠体を装着し、こ
の第2の枠体を交換することにより、壁面に設けられる
孔の配置や大きさの変更、インサートなどの埋設物の位
置あるいは数の変更、さらに、コンクリート製ユニット
のマイナーな形状の変更に柔軟に対応できるようにして
いる。このため、耐久性型枠に負担をかけずにユーザの
仕様変更になどによるコンクリート製ユニットの形状変
化に対処できるので、耐久性型枠の寿命を減ずることな
く、数多くのバリエーションのコンクリート製ユニット
を同一の耐久性型枠で量産でき、製品価値の高いコンク
リート製ユニットを低コストで提供することができる。
また、精度の高い耐久性型枠を用いて孔などを成形でき
るので、品質が高く安定したコンクリート製ユニットを
供給することができる。
【0043】また、第2の枠体は、耐久性型枠に装着さ
れるので、強度や脱型に対処するための機構は不要であ
り、安価に製造でき、また、管理も容易である。従っ
て、現場における作業を軽減するために大型のコンクリ
ート製ユニットが工場にてプレキャストされて供給され
るようになるにつれて、大型でコストのかかる耐久性型
枠が必要となっているが、本発明により、耐久性型枠の
用途を拡大でき、寿命も延ばすことができるので、ユー
ザーの様々な設計に対し柔軟・的確に対応した高品質の
コンクリート製品を短期間で安価にプレキャストして供
給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2の枠体を外型枠に取り付ける様子
を説明するための斜視図である。
【図2】第2の枠体を取り付けた状態を示す断面図であ
る。
【図3】図1の第2の枠体と異なる枠体の例を示す図で
あり、第2の枠体を外型枠に取り付ける状態を示す断面
図である。
【図4】第2の枠体を取り付けた状態を示す断面図であ
る。
【図5】さらに異なる第2の枠体の例を示す図であり、
第2の枠体を外型枠に取り付けた状態を示す断面図であ
る。
【図6】さらに異なる第2の枠体の例を示す図であり、
第2の枠体を外型枠に取り付ける様子を示す斜視図であ
る。
【図7】インサートの埋設された分岐・接続用のコンク
リート製ボックスの例を示す図である。
【図8】図7に示すコンクリート製ボックスの断面を示
す図であり、図8(a)はインサートの埋設されていな
い個所を示し、図8(b)はインサートの埋設された個
所を示してある。
【図9】インサートをセット可能な第2の枠体を内型枠
に取り付ける様子を示す断面図である。
【図10】図9に示す内型枠、第2の枠体および外型枠
を組み合わせてコンクリートを注入した状態を示す断面
図である。
【図11】図10に示した型枠で製造されたコンクリー
ト製ボックスを脱型する様子を示す断面図である。
【図12】脱型したコンクリート製ボックスから第2の
枠体を取り外す様子を示す断面図である。
【図13】内型枠にスリーブを備えた第2の枠体を取り
付けて分岐・接続用のコンクリート製ボックスを製造す
る例を示す図である。
【図14】図13に示す第2の枠体を内型枠に取り付け
る部分を拡大して示す図である。
【図15】取付具の構造を拡大し、一部欠いて示す図で
ある。
【図16】図14に示した取付具と異なった例を示す図
である。
【図17】図13に示した型枠からコンクリート製ボッ
クスを脱型する様子を示す断面図である。
【図18】脱型したコンクリート製ボックスから第2の
枠体を取り外す様子を示す断面図である。
【図19】従来の型枠を用いてコンクリート製ボックス
を製造する様子を模式的に示す図である。
【図20】図19に示したコンクリート製ボックスを脱
型する様子を模式的に示す図である。
【図21】図19に示す型枠の外型枠のリブの状態を示
す斜視図である。
【図22】図19に示すスリーブを固定する例を拡大し
て示す図である。
【符号の説明】
1・・コンクリート製ボックス 2・・底壁 3・・側壁 5・・ケーブル導入孔 6・・ノックアウト孔 7・・貫通孔 10・・型枠 11・・外型枠 12・・内型枠 13・・台盤 19・・第2の枠体の取付孔 21・・耐久性のスリーブ 22・・使い捨てタイプのスリーブ 25・・スリーブ取付用のネジ 25a・・ネジの頭 26・・支持棒(スタッド) 30,40・・第2の枠体 31・・取付用のボルト 32・・取付用のナット 35・・鉄板 38・・第2の枠体の突出した部分 39・・ネジ頭が納まるように形成された孔 51・・ケーブルトレイサポート 59・・インサートの埋設位置 60・・インサート 61・・ボス 70,75・・取付具 71,76・・設置孔(取付孔) 79・・取付治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04G 15/06 E04G 15/06 A

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート製ユニットをプレキャスト
    する耐久性型枠において、コンクリート製ユニットに面
    する耐久性型枠本体を有し、その内側に、該コンクリー
    ト製ユニットの少なくとも1部の面を規定する第2の枠
    体を装着可能であることを特徴とする耐久性型枠。
  2. 【請求項2】 コンクリート製ユニットをプレキャスト
    する耐久性型枠本体と、コンクリート製ユニットに面す
    る前記耐久性型枠本体の内側に装着された該コンクリー
    ト製ユニットの少なくとも1部の面を規定する第2の枠
    体とを有することを特徴とする耐久性型枠。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記第2の
    枠体は交換可能であることを特徴とする耐久性型枠。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、前記第2の
    枠体は装着位置が変更可能であることを特徴とする耐久
    性型枠。
  5. 【請求項5】 請求項1または2において、前記第2の
    枠体は前記コンクリート製ユニットとともに脱型される
    ことを特徴とする耐久性型枠。
  6. 【請求項6】 請求項1または2において、前記第2の
    枠体は前記耐久性型枠本体に対し、脱型するときの力に
    より分断される取付具により取付けられることを特徴と
    する耐久性型枠。
  7. 【請求項7】 請求項5または6において、前記コンク
    リート製ユニットはボックスであり、前記第2の枠体
    は、前記ボックスの内面の少なくとも一部を規定するも
    のであることを特徴とする耐久性型枠。
  8. 【請求項8】 請求項1または2において、前記第2の
    枠体に少なくとも1つの埋設物を設定可能であることを
    特徴とする耐久性型枠。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記埋設物は、前記
    コンクリート製ユニットに恒久的に埋設されるインサー
    ト、または、前記コンクリート製ユニットに貫通孔また
    はノックアウト孔を成形するためのスリーブであること
    を特徴とする耐久性型枠。
  10. 【請求項10】 請求項1または2において、前記第2
    の枠体は前記耐久性型枠本体の内面に密着するように装
    着されることを特徴とする耐久性型枠。
  11. 【請求項11】 請求項1または2において、前記第2
    の枠体は前記耐久性型枠本体の内側に突出する部分を備
    えていることを特徴とする耐久性型枠。
  12. 【請求項12】 コンクリート製ユニットをプレキャス
    トする耐久性型枠のコンクリート製ユニットに面する側
    に、脱型するときの力によって分断される取付具によっ
    て該コンクリート製ユニットの少なくとも1部の面を規
    定する第2の枠体を取付ける工程と、 前記耐久性型枠にコンクリートを注入する工程と、 前記第2の枠体と共にコンクリート製ユニットを脱型す
    る工程と、 前記第2の枠体を前記コンクリート製ユニットから取り
    外す工程とを有することを特徴とするコンクリート製ユ
    ニットの製造方法。
  13. 【請求項13】 コンクリート製ユニットをプレキャス
    トする耐久性型枠のコンクリート製ユニットに面する側
    に装着された、該コンクリート製ユニットの少なくとも
    1部の面を規定する第2の枠体に少なくとも1つの埋設
    物を設定する工程と、 前記耐久性型枠にコンクリートを注入する工程と、 前記第2の枠体と共にコンクリート製ユニットを脱型す
    る工程と、 前記第2の枠体を前記コンクリート製ユニットから取り
    外す工程とを有することを特徴とするコンクリート製ユ
    ニットの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記埋設物は前
    記コンクリート製ユニットに恒久的に埋設されるインサ
    ートであることを特徴とするコンクリート製ユニットの
    製造方法。
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EP3147094A3 (de) * 2015-08-07 2017-05-10 Lithonplus GmbH & Co. KG Schalform für mauerscheibe
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