JPH1177554A - トルクリミッターおよびこれを使用するトルク管理システム - Google Patents

トルクリミッターおよびこれを使用するトルク管理システム

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JPH1177554A
JPH1177554A JP9241444A JP24144497A JPH1177554A JP H1177554 A JPH1177554 A JP H1177554A JP 9241444 A JP9241444 A JP 9241444A JP 24144497 A JP24144497 A JP 24144497A JP H1177554 A JPH1177554 A JP H1177554A
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electromagnetic clutch
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torque limiter
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    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
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    • B25B23/00Details of, or accessories for, spanners, wrenches, screwdrivers
    • B25B23/14Arrangement of torque limiters or torque indicators in wrenches or screwdrivers
    • B25B23/147Arrangement of torque limiters or torque indicators in wrenches or screwdrivers specially adapted for electrically operated wrenches or screwdrivers

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ねじ具の締付けを常に一定のトルクで円滑か
つ高精度に達成することができると共に、簡単かつコン
パクトな構成にして、ねじ具の取付け対象物に対するシ
ョック等による悪影響を確実に防止することができるト
ルクリミッターおよびこれを使用するトルク管理システ
ムを提供する。 【解決手段】 電磁クラッチ機構14の一端側出力軸に
対しねじ具を回動するための操作軸20を結合し、前記
電磁クラッチ機構の他端をこれと同軸に延在する支持体
24を介して把持部ケーシング12内に固定し、前記支
持体の一側面にストレンゲージ26を取付け、前記スト
レンゲージ26の出力信号に基づいて前記電磁クラッチ
機構14の係合離脱操作を行うように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクリミッター
に係り、特にボルトやナット等のねじ具の締付けトルク
ないしは緩めトルクを高精度に設定および測定すること
ができるトルクリミッターおよびこれを使用するトルク
管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電動回転工具によりボルト、
ナット、ねじ等の被緊締物が所定の締付けトルクで締上
げられているか、また一度締付けを完了したねじ等がど
れ位のトルクで緩むかを測定し、常に均一なトルクで締
付けを行う手段として、一般的にトルクドライバーが知
られている。このトルクドライバーは、渦巻きばねを使
用して、その機械的変形量をトルク値として目盛板に表
示するものである。
【0003】また、このような機械的な検出手段に代え
て、物性歪みを電気抵抗の変化に変換するトランスジュ
ーサとして所謂ストレンゲージを使用し、検出された歪
みトルク値を数値的に直接ディジタル表示するトルクメ
ータも開発されるに至っている。
【0004】そこで、従来の電動ドライバー等において
は、ねじ等の締付けに際し、ドライバービットに強力な
反対負荷が加わった場合に、これを予め設定した締付け
トルクで動作するクラッチ機構により所定のトルク値に
至った状態を検知して、前記クラッチ機構を動作させて
電動モータの出力軸と従動軸(ドライバービット)との
結合を一時的に遮断するように構成したものが、提案さ
れ実施されている。さらに、前記クラッチ機構の作動に
際し、これをリミットスイッチ等により検出して電動モ
ータの駆動を停止するように構成した電動ドライバーも
実用化されている。
【0005】すなわち、このようなクラッチ機構を備え
た電動ドライバーとして、本出願人は、先に、電動モー
タの出力軸に遊星歯車減速装置を介して従動軸(ドライ
バービット)に結合し、この遊星歯車減速装置の遊星歯
車と噛合するインターナルギヤを把持部ケーシング内に
回転自在に遊嵌し、そしてこのインターナルギヤと把持
部ケーシングの一端部側をそれぞれ閉塞して対向させ、
前記把持部ケーシングの対向面には通孔を穿設してここ
に鋼球を収納し、この鋼球を前記把持部ケーシングの外
側からフランジ付きスリーブで弾力的に保持し、前記鋼
球をインターナルギヤの前記対向面に設けた溝部内に嵌
入当接して自動クラッチ装置を構成した電動回転工具を
開発し、特許を得た(特公昭60−13798号公
報)。
【0006】前記の自動クラッチ装置は、ねじ等の締付
け作業において、電動モータの出力軸からの回転出力
は、遊星歯車減速装置を介してドライバービットに伝達
されるが、ねじの締付けの完了に近ずくと反対負荷がド
ライバービットより遊星歯車減速装置へ伝達されて遊星
歯車を介してインターナルギヤを回転させるように作用
する。そして、この反対負荷が鋼球を押圧している弾力
に打ち勝つと、すなわち所定の設定トルク以上となる
と、前記鋼球がインターナルギヤの対向面に設けた溝部
を乗り越えるようにして前記インターナルギヤが回動
し、この結果電動モータの出力軸とドライバービットと
の結合が一時的に遮断されることになる。従って、前記
鋼球を保持するフランジ付きスリーブの弾力を調整する
ことにより、クラッチ装置の動作点すなわちトルク設定
値を変更することができる。
【0007】一方、前述した電動回転工具のクラッチ装
置とは別に、実際にどの程度のトルク値でねじ等がその
取付け対象物に対し締付けられたかを、直接電動回転工
具で検出する手段として、ドライバービットに作用する
強力な反対負荷を検出するように構成したトルク検出器
も知られている。
【0008】この種のトルク検出器としては、例えば前
記インターナルギヤの外周の一部に対応する円筒状ケー
シングにスリットを穿設し、このスリットの開口部に接
触しないように前記インターナルギヤの一部にトーショ
ンバーを固着し、これを外方に延出させて適宜固定し
て、インターナルギヤの回動を制限する方向に係止し、
前記トーションバーの一側面にトルク検出用のストレン
ゲージを取付けた構成からなる。
【0009】このように構成することにより、駆動源で
ある電動モータが回転すると、その出力軸は、把持部ケ
ーシング中の遊星歯車減速装置により減速増強されて従
動軸すなわちドライバービットに伝達される。この時、
遊星歯車減速装置の遊星歯車はインターナルギヤと噛合
して自転しつつ前記内歯に沿って公転し、ドライバービ
ットには減速増強された回転力が得られる。そこで、前
記インターナルギヤは、把持部ケーシングの内部に回転
可能に遊嵌されているが、半径方向外方に延出している
トーションバーはその先端近傍において支持板に設けた
ストッパに接触しているので、その回動は阻止され、従
って動力伝達が遮断されることはない。すなわち、イン
ターナルギヤの回動が把持部ケーシングに対して阻止さ
れないとすれば、ドライバービットに強力な反対負荷が
加わるとインターナルギヤは空転し、動力伝達が遮断さ
れることになる。
【0010】そして、この反対負荷は、直接前記インタ
ーナルギヤに伝達され、このインターナルギヤを把持部
ケーシングに対し回動させようとする力となって現れ
る。しかし、前記インターナルギヤはストッパによりそ
の回動を阻止されているから、前記インターナルギヤに
加わった反対負荷はトーションバーに伝達される。従っ
て、トーションバーには、ストッパとインターナルギヤ
におけるトーションバーの接続部との間において、ねじ
込み作業中の間、連続的に変動推移する応力歪みがもた
らされることになる。この応力歪みは、前記ストレンゲ
ージにより検出され、電気抵抗の変化として、例えばオ
シロスコープやディジタルカウンタで直読監視すること
ができる。
【0011】このようにして、前記トルク検出器は、ね
じ込み作業中において、連続的にトーションバーに伝達
される応力歪みを直読監視することができることによっ
て、ねじの締付け開始から締付け完了に至る間のトルク
値の変動を測定し、最適な締付けトルクを知ることがで
きる。
【0012】また、同様に、ねじの締付け作業を行いな
がら、この作業の全工程を通じての動的なトルクを、ト
ルク損失を生じることなく連続的なトルク値の変動とし
て高精度に測定することができるトルク検出器として、
電動モータと減速機とを連結し、さらに前記減速機から
出力軸を導出してなるねじ締め用動力ユニットにおい
て、前記動力ユニットの一端を前記出力軸を支持する軸
受を介してケーシング内に固定すると共に、動力ユニッ
トの他端をその軸方向に延在する扁平状の支持板を介し
てケーシング内に固定し、前記支持板の一側面にストレ
ンゲージを取付けた構成からなるものも提案されている
(特公昭62−25980号公報)。
【0013】このように構成したトルク検出器は、前記
ストレンゲージを動力ユニットと同軸に結合固定した支
持板に取付けたものであり、ボルトやナット等のねじ具
の取付け作業の遂行に際し、ねじ具の締付けに必要なト
ルクと全く同じ分量の反対トルクが支持体に対して連続
的に加わる応力歪みとしてストレンゲージにより検出す
ることができ、これによりねじ具の締付け開始から完了
に至る迄の連続的なトルク変動を測定することが可能で
ある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前述した構
成からなる従来のトルクドライバー、トルクメータある
いはトルク検出器においては、ねじ具の締付け時におけ
るトルク値、もしくはねじ具の締付け開始から完了に至
る迄の連続的に変動するトルク値を、それぞれ適正に測
定ないし監視することは、前記ストレンゲージを使用す
る場合には可能であるが、多量のねじ具の締付け作業に
おいて、全て一定のトルク値となるように安定かつ高精
度なねじ締め操作を達成することは困難である。
【0015】従来においては、前述したように、自動ク
ラッチ装置を備えた電動回転工具が知られているが、こ
の自動クラッチ装置は、機械的構成からなるものであ
り、締付けトルクの設定もばね力を調整するため精度的
に限界があるばかりでなく、クラッチ動作に際しては、
電動モータの出力軸に結合されるドライバービットに対
して瞬時的変動(機械的な振動)によるショック等を起
生するため、各種電子部品や精密機械部品等の組立てに
際しては各部品に対して悪影響を与える難点がある。
【0016】そこで、本発明者は、鋭意研究並びに試作
を重ねた結果、従来の機械的な自動クラッチ装置に代え
て、ねじ具の締付け操作を行う動力を遮断させる手段と
して電磁クラッチ機構を採用し、この電磁クラッチ機構
を把持部ケーシングに内蔵させると共に、トルク値の設
定ないし検出手段としてストレンゲージを適用し、例え
ばねじ具の締付け操作を行う場合、ストレンゲージにお
いて予め設定したトルク値に到達した際に、ストレンゲ
ージの出力信号に基づいて電磁クラッチ機構を作動させ
て、ねじ具の締付け操作を遮断させるように構成するこ
とにより、極めて簡単かつコンパクトな構成によって、
ねじ具の取付け対象物に対しショック等による悪影響を
全く与えることなく、常に一定のトルク値でねじ具の締
付けを行ったり、あるいは予め締付けられているねじ具
の確認締め等の作業を、円滑かつ高精度に達成すること
ができるトルクリミッターを得ることができることを突
き止めた。
【0017】なお、この場合、負荷トルクが大きいねじ
具等を対象とする場合には、電磁クラッチ機構の出力軸
に対し、遊星歯車減速装置等のを接続配置することによ
り、電磁クラッチ機構における対トルク値を適正に高め
ることが可能となる。
【0018】また、前記トルクリミッターの構成におい
て、電磁クラッチ機構の一端側出力軸と直接または前記
減速装置を介して結合される操作軸(ドライバービッ
ト)との結合部には、ワンウェイクラッチを形成するダ
ンパースプリングを設けて、電磁クラッチ機構の結合時
における操作軸の正転方向への最終的な回転角度変化
を、前記ダンパースプリングの弾力によって緩徐に行う
ように構成することにより、ねじ具の締付け完了時にお
ける締付け動作をより一層緩やかに行って、ストレンゲ
ージによる設定トルクとの照合および電磁クラッチ機構
による動力伝達の遮断を、適正かつ円滑に達成すること
ができることを突き止めた。
【0019】従って、本発明の目的は、ねじ具の締付け
を常に一定のトルク値で円滑かつ高精度に達成すること
ができると共に、簡単かつコンパクトな構成にして、ね
じ具の取付け対象物に対するショック等による悪影響を
確実に防止することができるトルクリミッターおよびこ
のトルクリミッターを使用した簡便かつ高精度のトルク
管理システムを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係るトルクリミッターは、電磁クラッチ機
構の一端側出力軸に対しねじ具を回動するための操作軸
を結合し、前記電磁クラッチ機構の他端をこれと同軸に
延在する支持体を介して把持部ケーシング内に固定し、
前記支持体の一側面にストレンゲージを取付け、前記ス
トレンゲージの出力信号に基づいて前記電磁クラッチ機
構の係合離脱操作を行うように構成することを特徴とす
る。
【0021】また、本発明に係るトルクリミッターとし
ては、電動モータの駆動軸に電磁クラッチ機構を介して
直接またはさらに減速装置を介してねじ具を回動するた
めの操作軸を係脱自在に結合し、前記電動モータの他端
をこれと同軸に延在する支持体を介して把持部ケーシン
グ内に固定し、前記支持体の一側面にストレンゲージを
取付け、前記ストレンゲージの出力信号に基づいて前記
電磁クラッチ機構の係合離脱操作を行うように構成する
こともできる。
【0022】これらのトルクリミッターにおいて、前記
電磁クラッチ機構の一端側出力軸または減速装置を介す
る出力軸と操作軸との結合部には、ワンウェイクラッチ
を形成するダンパースプリングを配置して、電磁クラッ
チ機構の結合時における操作軸の正転方向への最終的な
回転角度変化を、前記ダンパースプリングの弾力により
緩徐に行うように構成することができる。
【0023】また、前記ダンパースプリングは、一端を
遊星歯車減速装置の遊星歯車と噛合するインターナルギ
ヤに係止すると共に、他端を遊星歯車減速装置を囲繞保
持するギヤケースに係止し、操作軸の逆転方向への回転
に際して、操作軸または減速装置の遊星歯車と噛合する
インターナルギヤの空転を係止するように構成配置する
ことができる。
【0024】一方、前記ダンパースプリングは、操作軸
の逆転方向への回転に際して、遊星歯車減速装置の遊星
歯車と噛合するインターナルギヤの空転を係止するよう
に構成配置することができる。
【0025】また、前記ストレンゲージの外部出力回路
には、トルク値を表示する表示手段を設けることができ
る。
【0026】さらに、前記電動モータと電磁クラッチ機
構との結合に代えて、低慣性ロータを備える電動モータ
を使用することもできる。
【0027】そして、本発明においては、所要の組立て
物品について、それぞれ設定されているねじ具のそれぞ
れ取付け個所または組立て物品の部品マニュアルにおい
て、各ねじ具の適正な締付けトルク値をそれぞれバーコ
ード等の記号によってデータ表示し、これらのデータ表
示されたデータの内容を読み取ってこれらのデータを予
めトルクリミッターの制御回路に記憶保持させることに
より、ねじ具のそれぞれ所定の取付け個所における締付
けを、設定されたトルク値に基づいて行うように構成す
ることを特徴とする前記トルクリミッターを使用した簡
便かつ高精度のトルク管理システムを提供することがで
きる。
【0028】
【実施例】次に、本発明に係るトルクリミッターの実施
例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明す
る。
【0029】実施例1(手動方式) 図1は、本発明に係るトルクリミッターの一実施例を示
すものである。すなわち、図1において、参照符号10
は内部に駆動源を収納していない手動方式によるトルク
リミッターの把持部を示す。このトルクリミッターの把
持部10は、円筒状ケーシング12を備え、このケーシ
ング12の内部には、電磁クラッチ機構14と遊星歯車
減速装置16とが同軸に結合されてそれぞれ回転可能に
収納配置され、前記遊星歯車減速装置16の出力軸18
に、例えばドライバービット(図示せず)等の結合を行
う操作軸20と結合するように構成されている。
【0030】電磁クラッチ機構16の他端部は、軸受2
2を介してケーシング12に対し回転自在に支持される
と共に、電磁クラッチ機構14と同軸に延在するトーシ
ョンバー等の支持体24を介してケーシング12の内部
に固定される。そして、前記支持体24の一側面にスト
レンゲージ26が適宜張設される。
【0031】また、遊星歯車減速装置16のギヤケース
28は、軸受30を介してケーシング12に対し回転自
在に支持されると共に、このギヤケース28内に回転可
能に配置されたインターナルギヤ32との間に、前記出
力軸18を囲繞するようにダンパースプリング34が配
設されている。すなわち、前記ダンパースプリング34
は、図2に示すように、円環状に形成され、その一端部
34aはギヤケース28の一部に嵌入係止されると共
に、その他端部34bは図3に示すように、インターナ
ルギヤ32の一部に設けた係止孔32aに嵌入係止され
る。
【0032】このようにダンパースプリング34を設け
ることにより、操作軸20の正転方向への回転時におい
ては、ねじ具の締付け完了時における回転角度変化を前
記ダンパースプリング34の弾力により緩徐に行うこと
ができ、設定トルク値との比較および電磁クラッチ機構
14への動作指令を適正に行うことができる。また、操
作軸20の正転方向への回転時においては、インターナ
ルギヤ32の空転を係止して、ねじ具の取外し操作を円
滑に達成することができる。
【0033】しかるに、本実施例に適用する前記電磁ク
ラッチ機構14としては、従来より公知の機構を採用す
ることができる。例えば、図4に示すように、ケーシン
グ36の内部に一対の接合離反する摩擦板38、40を
備え、一方の摩擦板38に対しては、その中心部に対し
てばね42を弾力的に当接配置して常時他方の摩擦板4
0に対して押圧して摩擦係合させると共に、電磁コイル
44を近接配置してこれを付勢することにより、前記一
方の摩擦板38をその電磁力によりばね42の弾力に抗
して他方の摩擦板40より所定のクリアランスdをもっ
て離反するように構成したものである。
【0034】なお、図4において、参照符号46は一方
の摩擦板38に対して挿通すると共に他方の摩擦板40
に対して押圧当接するようケーシング36に設けた案内
棒であり、また参照符号48は他方の摩擦板40に一体
的に結合した電磁クラッチ機構14の出力軸を示すと共
に、参照符号49は前記出力軸48に対するスラスト軸
受を示すものである。
【0035】次に、前記構成からなるトルクリミッター
の制御動作を行う制御回路およびその動作特性につき、
図5および図6を参照して説明する。すなわち、図5
は、ストレンゲージ26によるトルク設定および検出並
びに電磁クラッチ機構14の結合離反動作を行うための
制御回路を示し、また図6は、ねじ具の締付け操作に際
してのトルク特性および電磁クラッチ動作特性等を示す
波形図である。
【0036】しかるに、図5に示す制御回路は、ストレ
ンゲージ26を付勢するための電源装置として、バッテ
リ50および定電圧回路52を備える。また、ストレン
ゲージ26の出力回路として、ゼロバランス回路54、
差動増幅回路56、ローパスフィルタ回路58、絶対値
増幅回路60、トルク校正バランス回路62、A/D変
換回路64、CPU66および表示回路67ないしプリ
ンタ回路68を備え、CPU66に予め設定したトルク
値特性データに基づき、ねじ具の締付け操作に際しての
トルク値の設定、検出および電磁クラッチ機構14の動
作指令、表示回路68への表示出力指令、プリンタ出力
指令、リセット指令等の信号を出力するように構成す
る。
【0037】従って、前記CPU66における電磁クラ
ッチ機構14の動作指令信号に基づいて、リレー回路6
9を付勢して、電磁クラッチ機構14を付勢することに
より、クラッチ動作を解除させることができる。そし
て、この場合における、ねじ具の締付け操作に際しての
トルク特性およびその動作特性等は、図6に示す通りで
ある。
【0038】このように構成することにより、本実施例
のトルクリミッターによれば、ねじ具の締付け操作を行
う場合、ストレンゲージにおいて予め設定されたトルク
値に到達した際に、ストレンゲージの出力信号に基づい
て電磁クラッチ機構を付勢することによって、ねじ具の
締付け操作を迅速に遮断させることができる。この場
合、ねじ具の取付け対象物に対しショック等による悪影
響を全く与えることなく、常に一定のトルク値でねじ具
の締付けを円滑かつ高精度に達成することができる。
【0039】なお、本実施例において、特にねじ具の締
付け操作に際して、負荷トルクが小さくても良いねじ具
を対象とする場合には、図1に示すトルクリミッターの
構成において、遊星歯車減速装置16を省略したり、さ
らにはダンパースプリング34を省略した構成とするこ
とが可能である。
【0040】実施例2(電動方式) 図7は、本発明に係るトルクリミッターの別の実施例を
示すものである。すなわち、図7において、参照符号7
0は内部に駆動源としての電動モータ72を収納した電
動方式によるトルクリミッターの把持部を示す。なお、
説明の便宜上、図1に示す構成要素と同一の構成要素に
ついては、同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略す
る。
【0041】しかるに、図7において、本実施例のトル
クリミッターは、図1に示す実施例1のトルクリミッタ
ーにおいて、電磁クラッチ機構14′と支持板24との
間に電動モータ72を結合した構成からなる。この場
合、前記電動モータ72は、電磁クラッチ機構14′と
同様に、軸受74を介してケーシング12に対し回転自
在に支持されている。その他の構成は、前記実施例1の
トルクリミッターと同じである。
【0042】従って、本実施例におけるトルクリミッタ
ーは、電動モータ72を付勢することにより、操作軸2
0に対して所要の回転動力を伝達することができる。そ
して、この場合に得られる、ねじ具の締付け操作に際し
てのトルク設定動作について得られる作用および効果
は、前記実施例1のトルクリミッターと同様である。
【0043】なお、本実施例において、前記電動モータ
72の駆動回転数は、電磁クラッチ機構14′の作動タ
イミングとの関係から30〜60rpmに設定するのが
好適である。
【0044】また、本実施例に適用する電磁クラッチ機
構14′としては、その両端に結合される機器がそれぞ
れ回転機構であるため、図4に示す電磁クラッチ機構1
4に代えて、例えば図8に示すように、電動モータ72
の出力駆動軸72aの先端に一方の摩擦板38′を結合
固定すると共に、この摩擦板38′と対向させて軸方向
に摺動可能な他方の摩擦板40′を配置して、この摩擦
板40′に電磁クラッチ機構14′の出力軸48′を一
体的に結合し、さらに前記電動モータ72の出力駆動軸
72aの外周に電磁コイル44′を配置し、前記電磁コ
イル44′を付勢することにより、前記一方の摩擦板3
8′に対し他方の摩擦板40′を電磁力により吸着保持
させて軸結合を行うように構成してなる、公知の電磁ク
ラッチ機構を好適に使用することができる。
【0045】従って、本実施例のトルクリミッターにお
いては、前記電磁クラッチ機構14′の作動につき、前
記実施例1における電磁クラッチ機構14の作動とは異
なり、電磁クラッチ機構14′の付勢を解除することに
よって軸結合が解除され、ねじ具の締付け操作を迅速に
遮断させることができる。
【0046】そして、本実施例においても、前記実施例
1と同様に、特にねじ具の締付け操作に際して、負荷ト
ルクが小さくても良いねじ具を対象とする場合には、図
7に示すトルクリミッターの構成において、遊星歯車減
速装置16を省略したり、さらにはダンパースプリング
34を省略した構成とすることが可能である。なお、こ
の場合、電動モータ72を、支持体24を介してケーシ
ング12ヘ固定するに際して、電動モータ72と支持体
24との間に適宜のダンパー部材を設ければ好適であ
る。
【0047】さらに、本実施例の変形例として、例えば
図7に示す電動モータ72と電磁クラッチ機構14′と
の結合に代えて、低慣性ロータを備える電動モータ(コ
アレスモータと称する)を使用することができる。この
種のコアレスモータとしては、例えばスイス国のインタ
ーエレクトリック社(InterelectricA
G)の製造に係り、マクソンジャパン株式会社の販売に
係る「マクソンDCモータ(maxon DC mot
or)」を適用することができる。このように、前記コ
アレスモータを使用することにより、ねじの締付け操作
に際してのトルク特性およびその動作特性等は、図9に
示す通りとなる。
【0048】応用実施例 前述した各実施例に示すように構成した本発明に係るト
ルクリミッターは、図5からも明らかなように、制御操
作を全て電気的制御により行うため、例えば図5に示す
CPU66に対し、外部データ入力回路76を設けて、
種々のねじ具等に対するそれぞれ適正なトルク値の設定
を、ディジタル的なデータ処理によって随時簡便に行う
ことが可能となる。
【0049】そこで、例えば図10の(a)に示すよう
に、所要の組立て物品80について、それぞれ設定され
ているねじ具のそれぞれ取付け個所S1 〜S4 におい
て、各ねじ具の適正な締付けトルク値をそれぞれバーコ
ード等の記号によってデータ表示したデータシート82
a〜82d等を、適宜貼着して置く。このように構成す
ることにより、例えば物品80の組立てに際しては、予
めトルクリミッターの制御回路において、前記外部デー
タ入力回路76に付設した自動データ読取器78(図5
参照)を使用して、前記データシート82a〜82dに
データ表示されたデータの内容を読み取って、その内容
を外部データ入力回路76を介してCPU66に記憶保
持させることにより、ねじ具のそれぞれ所定の取付け個
所S1 〜S4 における締付けを、設定されたトルク値に
基づいて簡便かつ適正に行うことができる。
【0050】また、前記組立て物品80のメンテナンス
等に際しては、前記データシート82a〜82dにデー
タ表示されたデータの内容を読み取って、その内容を表
示回路67に表示させ、それぞれ適正なトルクでねじ具
の取外しを行うことができると共に、ねじ具の再度の締
付けに際しても、前記と同様にそれぞれ設定されたトル
ク値に基づいて適正に行うことができる。
【0051】代案として、例えば前記所要の組立て物品
80の部品マニュアル84において、それぞれ部品とし
て記載されるねじ具の表示部86a、86b…に対応さ
せて、各ねじ具の適正な締付けトルク値をそれぞれバー
コード等の記号によってデータ表示したデータ表示部8
8a、88b…を設ける。このように構成することによ
っても、前記と同様にして、データ表示部88a、88
b…にデータ表示されたデータの内容を読み取って、そ
の内容を外部データ入力回路76を介してCPU66に
記憶保持させることにより、ねじ具のそれぞれ所定の取
付け個所における締付けを、設定されたトルク値に基づ
いて簡便かつ適正に行うことができる。
【0052】このようにして、本発明に係るトルクリミ
ッターを使用することにより、ねじ具等のトルク管理を
簡便かつ高精度に行うことができる。
【0053】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本
発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の設計変更
をなし得ることは勿論である。
【0054】
【発明の効果】前述した実施例から明らかなように、本
発明に係るトルクリミッターは、電磁クラッチ機構の一
端側出力軸に対しねじ具を回動するための操作軸を結合
し、前記電磁クラッチ機構の他端をこれと同軸に延在す
る扁平状の支持体を介して把持部ケーシング内に固定
し、前記支持体の一側面にストレンゲージを取付け、前
記ストレンゲージの出力信号に基づいて前記電磁クラッ
チ機構の係合離脱操作を行う構成としたことにより、極
めて簡単かつコンパクトな構成によって、ねじ具の取付
け対象物に対しショック等による悪影響を全く与えるこ
となく、常に一定のトルクでねじ具の締付けを行った
り、あるいは予め締付けられているねじ具の確認締め等
の作業を、円滑かつ高精度に達成することができる。
【0055】また、本発明においては、前記構成からな
るトルクリミッターを使用することにより、所要の組立
て物品について、それぞれ設定されているねじ具のそれ
ぞれ取付け個所において、各ねじ具の適正な締付けトル
ク値をそれぞれバーコード等の記号によってデータ表示
し、これらのデータ表示されたデータの内容を読み取っ
て、これらのデータを予めトルクリミッターの制御回路
に記憶保持させることにより、ねじ具のそれぞれ所定の
取付け個所における締付けを、設定されたトルク値に基
づいて簡便かつ適正に行うことができるトルク管理シス
テムを容易に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルクリミッターの一実施例を示
す要部断面側面図である。
【図2】図1に示すトルクリミッターに付設されるダン
パースプリングの構成を示すものであって、(a)は平
面図、(b)は正面図である。
【図3】図1に示すトルクリミッターを構成する遊星歯
車減速装置のインターナルギヤの構成を示すものであっ
て、(a)は正面断面図、(b)は底面図である。
【図4】図1に示すトルクリミッターに適用し得る電磁
クラッチ機構の概略断面構成図である。
【図5】本発明に係るトルクリミッターを制御動作させ
る制御系の系統図である。
【図6】電磁クラッチ機構を使用した場合のトルク特性
とその動作特性等を示す波形図である。
【図7】本発明に係るトルクリミッターの別の実施例を
示す要部断面側面図である。
【図8】図7に示すトルクリミッターに適用し得る電磁
クラッチ機構の原理構成を示す説明図である。
【図9】低慣性ロータを備える電動モータ(コアレスモ
ータ)を使用した場合のトルク特性とその動作特性等を
示す波形図である。
【図10】(a)および(b)は、本発明に係るトルク
リミッターを使用してトルク管理を行う場合のシステム
構成の概略をそれぞれ示す説明図である。
【符号の説明】
10 把持部 12 円筒状ケーシング 14、14′ 電磁クラッチ機構 16 遊星歯車減速装置 18 出力軸 20 操作軸 22 軸受 24 支持体 26 ストレンゲージ 28 ギヤケース 30 軸受 32 インターナルギヤ 34 ダンパースプリング 34a 一端部 34b 他端部 36 ケーシング 38、40、38′、40′ 摩擦板 42 ばね 44、44′ 電磁コイル 46 案内棒 48、48′ 出力軸 49 スラスト軸受 50 バッテリ 52 定電圧回路 54 ゼロバランス回路 56 差動増幅回路 58 ローパスフィルタ回路 60 絶対値増幅回路 62 トルク校正バランス回路 64 A/D変換回路 66 CPU 67 表示回路 68 プリンタ回路 69 リレー回路 70 把持部 72 電動モータ 72a 電動モータの駆動出力軸 74 軸受 76 外部データ入力回路 78 自動データ読取器 80 組立て物品 82a〜82d データシート 84 部品マニュアル 86a、86b… ねじ具の表示部 88a、88b… データ表示部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁クラッチ機構の一端側出力軸に対し
    ねじ具を回動するための操作軸を結合し、前記電磁クラ
    ッチ機構の他端をこれと同軸に延在する支持体を介して
    把持部ケーシング内に固定し、前記支持体の一側面にス
    トレンゲージを取付け、前記ストレンゲージの出力信号
    に基づいて前記電磁クラッチ機構の係合離脱操作を行う
    ように構成することを特徴とするトルクリミッター。
  2. 【請求項2】 電動モータの駆動軸に電磁クラッチ機構
    を介して直接またはさらに減速装置を介してねじ具を回
    動するための操作軸を係脱自在に結合し、前記電動モー
    タの他端をこれと同軸に延在する支持体を介して把持部
    ケーシング内に固定し、前記支持体の一側面にストレン
    ゲージを取付け、前記ストレンゲージの出力信号に基づ
    いて前記電磁クラッチ機構の係合離脱操作を行うように
    構成することを特徴とするトルクリミッター。
  3. 【請求項3】 電磁クラッチ機構の一端側出力軸または
    減速装置を介する出力軸と操作軸との結合部には、ワン
    ウェイクラッチを形成するダンパースプリングを配置し
    て、電磁クラッチ機構の結合時における操作軸の正転方
    向への最終的な回転角度変化を、前記ダンパースプリン
    グの弾力により緩徐に行うよう構成してなる請求項1ま
    たは2記載のトルクリミッター。
  4. 【請求項4】 ダンパースプリングは、一端を遊星歯車
    減速装置の遊星歯車と噛合するインターナルギヤに係止
    すると共に、他端を遊星歯車減速装置を囲繞保持するギ
    ヤケースに係止し、操作軸の逆転方向への回転に際し
    て、操作軸または減速装置の遊星歯車と噛合するインタ
    ーナルギヤの空転を係止するように構成配置してなる請
    求項1ないし3のいずれかに記載のトルクリミッター。
  5. 【請求項5】 ダンパースプリングは、操作軸の逆転方
    向への回転に際して、遊星歯車減速装置の遊星歯車と噛
    合するインターナルギヤの空転を係止するように構成配
    置してなる請求項4記載のトルクリミッター。
  6. 【請求項6】 ストレンゲージの外部出力回路に、トル
    ク値を表示する表示手段を設けてなる請求項1または2
    記載のトルクリミッター。
  7. 【請求項7】 電動モータと電磁クラッチ機構との結合
    に代えて、低慣性ロータを備える電動モータを使用して
    なる請求項2ないし5のいずれかに記載のトルクリミッ
    ター。
  8. 【請求項8】 所要の組立て物品について、それぞれ設
    定されているねじ具のそれぞれ取付け個所または組立て
    物品の部品マニュアルにおいて、各ねじ具の適正な締付
    けトルク値をそれぞれバーコード等の記号によってデー
    タ表示し、これらのデータ表示されたデータの内容を読
    み取ってこれらのデータを予めトルクリミッターの制御
    回路に記憶保持させることにより、ねじ具のそれぞれ所
    定の取付け個所における締付けを、設定されたトルク値
    に基づいて行うように構成することを特徴とする請求項
    1〜7のいずれかに記載のトルクリミッターを使用した
    トルク管理システム。
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