JP3600255B2 - トルク検出および自動停止機構を備える電動回転工具 - Google Patents

トルク検出および自動停止機構を備える電動回転工具 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、例えば電動ドライバー等の電動回転工具に係り、特に電動モータの出力軸と従動軸との間に所定の負荷トルクを受けた際に、これを検知して前記出力軸の回転出力伝達を遮断するためのクラッチ機能を有すると共に、その時のトルク値の検出と電動モータの自動停止とを同時に行う機構を備える電動回転工具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電動回転工具によりボルト、ナット、ねじ等の被緊締物が所定の締付けトルクで締上げられているか、また一度締付けを完了したねじ等がどれ位のトルクで緩むかを測定し、常に均一なトルクで締付けを行う手段として、一般的にトルクドライバーが知られている。このトルクドライバーは、渦巻きばねを使用して、その機械的変形量をトルク値として目盛板に表示するものである。また、このような機械的な検出手段に代えて、物性歪みを電気抵抗の変化に変換するトランスジューサとして所謂ストレンゲージを使用し、検出された歪みトルク値を数値的に直接ディジタル表示するトルクメータも開発されるに至っている。
【0003】
従来の電動ドライバー等においては、ねじ等の締付けに際し、ドライバービットに強力な反対負荷が加わった場合に、これを予め設定した締付けトルクでで動作するクラッチ機構により所定のトルク値に至った状態を検知して、前記クラッチ機構を作動させて電動モータの出力軸と従動軸(ドライバービット)との結合を一時的に遮断するよう構成したものが、提案され実施されている。さらに、前記クラッチ機構の作動に際し、これをリミットスイッチ等により検出して電動モータの駆動を停止するように構成した電動ドライバーも実用化されている。
【0004】
すなわち、このようなクラッチ機構を備えた電動ドライバーとして、本出願人は、先に、電動モータの出力軸に遊星減速機構を介して従動軸(ドライバービット)に結合し、この遊星減速機構の遊星歯車と噛合するインターナルギヤを把持部ケーシング内に回転自在に遊嵌し、そしてこのインターナルギヤと把持部ケーシングの一端部側をそれぞれ閉塞して対向させ、前記把持部ケーシングの対向面には通孔を穿設してここに鋼球を収納し、この鋼球を前記把持部ケーシングの外側からフランジ付きスリーブで弾力的に保持して前記鋼球をインターナルギヤの前記対向面に設けた溝部内に嵌入当接して自動クラッチ装置を構成した電動回転工具を開発し、特許を得た(特公昭60−13798号公報)。
【0005】
前記の自動クラッチ装置は、ねじ等の締付け作業において、電動モータの出力軸からの回転出力は、遊星減速機構を介してドライバービットに伝達されるが、ねじの締付けの完了に近ずくと、反対負荷がドライバービットより遊星減速機構へ伝達されて遊星歯車を介してインターナルギヤを回転させるように作用する。そして、この反対負荷が鋼球を押圧している弾力に打ち勝つと、すなわち所定の設定トルク以上になると、前記鋼球がインターナルギヤの対向面に設けた溝部を乗り越えるようにして前記インターナルギヤが回動し、この結果電動モータの出力軸とドライバービットとの結合が一時的に遮断されることになる。従って、前記鋼球を保持するフランジ付きスリーブの弾力を調整することにより、クラッチ装置の動作点すなわちトルク設定値を変更することができる。
【0006】
一方、前述した電動回転工具のクラッチ装置とは別に、実際にどの程度のトルク値でねじ等がその取付け対象物に対し締付けられたかを、直接電動回転工具で検出する手段として、ドライバービットに作用する強力な反対負荷を検出することも可能である。
【0007】
例えば、前記インターナルギヤの外周の一部に対応する円筒状ケーシングにスリットを穿設し、このスリットの開口部に接触しないように前記インターナルギヤの一部にトーションバーを固着し、これを外方に延出させて適宜固定して、インターナルギヤの回動を制限する方向に係止し、前記トーションバーの一側面にトルク検出用のストレンゲージを取付ける。
【0008】
このように構成することにより、駆動源である電動モータが回転すると、その出力軸の回転力は把持部ケーシング中の遊星減速機構により減速増強されて従動軸すなわちドライバービットに伝達される。この時、遊星減速機構の遊星歯車はインターナルギヤの内歯と噛合して自転しつつ前記内歯に沿って公転し、ドライバービットには減速増強された回転力が得られる。そこで、前記インターナルギヤは、把持部ケーシングの内部に回転可能に遊嵌されているが、半径方向外方に延出しているトーションバーはその先端近傍において支持板に設けたストッパに接触しているので、その回動は阻止され、従って動力伝達が遮断されることはない。すなわち、インターナルギヤの回動が把持部ケーシングに対して阻止されないとすれば、ドライバービットに強力な反対負荷が加わるとインターナルギヤは空転し、動力伝達が遮断されることになる。
【0009】
そして、この反対負荷は直接前記インターナルギヤに伝達され、このインターナルギヤを把持部ケーシングに対し回動させようとする力となって現れる。しかし、前記インターナルギヤはストッパによりその回動を阻止されているから、前記インターナルギヤに加わった反対負荷はトーションバーに伝達される。従って、トーションバーには、ストッパとインターナルギヤにおけるトーションバーの接続部との間において、ねじ込み作業中の間連続的に変動推移する応力歪みがもたらされることになる。この応力歪みは、前記ストレンゲージにより検出され、電気抵抗の変化として、例えばオシロスコープやディジタルカウンタで直読監視することができる。
【0010】
このようにして、前記トルク検出器は、ねじ込み作業中において、連続的にトーションバーに伝達される応力歪みを直読監視できることによって、ねじの締付け開始から締付け完了に至る間のトルク値の変動を測定し、最適な締付けトルクを知ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前述した従来のクラッチ装置においては、ねじ等の締付け作業時に、ドライバービットに加わる反対負荷を円筒状ケーシングの内部に回転可能に遊嵌したインターナルギヤを介して検知するよう構成されているため、例えば鋼球を保持するフランジ付きスリーブの弾力を調整してクラッチ動作を行うトルク設定値の変更を行う場合、インターナルギヤの質量や機械的接触部の摩擦抵抗等が影響して精度の高いトルク値の設定は困難である。
【0012】
また、前述したトルク検出器を備えた電動回転工具においては、ねじ等の締付け作業時に、トルクの連続的な変動を監視して最適なトルク値を測定できる点で、従来のトルクドライバーやトルクメータと比べて優れている。
【0013】
しかしながら、この種の電動回転工具においても、前述したようにドライバービットに加わる反対負荷を把持部ケーシングの内部に回転可能に遊嵌したインターナルギヤを介して取出す場合、インターナルギヤは単に把持部ケーシング内面に摺動可能に収納されるため、前記と同様にインターナルギヤの質量や機械的接触部の摩擦抵抗等が影響して、トーションバーに対する適正なトルクの伝達を行うことは困難である。
【0014】
また、クラッチ機構に隣接させてリミットスイッチを設け、前記クラッチ機構の作動を機械的に検出して電動モータの一時的な駆動停止制御を行っているが、この場合リミットスイッチの誤動作、故障、設置スペース等の問題があり、クラッチ機構の動作の高精度化を妨げる難点がある。
【0015】
そこで、本発明の目的は、電動モータの出力軸に遊星減速機構を介して従動軸を結合し、前記遊星減速機構にクラッチ機構を設けてこのクラッチ機構の動作に伴い、反対負荷の動作点ないしはトルクの検出を行うよう構成した電動回転工具において、ストレンゲージを使用して精度の高いトルク値の設定ないしは検出を行うと同時に適正トルク値の場合に電動モータの一時的な駆動停止を簡単な電気回路構成によって達成することができるトルク検出および自動停止機構を備える電動回転工具を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るトルク検出および自動停止機構を備える電動回転工具は、電動モータを内蔵した把持部を設け、この電動モータの出力軸に遊星減速機構を介して従動軸を結合し、前記遊星減速機構を囲繞する円筒状ケーシング内に前記遊星減速機構の遊星歯車と噛合するインターナルギヤを回転可能に配置し、前記インターナルギヤと把持部ケーシングとの間に鋼球を使用したクラッチ機構を設けると共にこのクラッチ機構の動作を検出する手段を設けたトルク検出機構を備える電動回転工具であって、前記遊星減速機構のインターナルギヤと把持部ケーシングとの間に設けたクラッチ機構のインターナルギヤの一部を開口する切欠を設け、この切欠に揺動検知片の一端を前記クラッチ機構の鋼球と係合させて配置し、この揺動検知片の他端を把持部ケーシングの一部に固定してクラッチ動作に際し応力変位を受けるよう構成すると共に、前記揺動検知片の変位部にストレンゲージを張設し、さらに前記ストレンゲージの出力信号に基づいてトルク値の検出を行うトルク検出回路と、前記トルク値に基づいて電動モータの駆動停止を行う自動停止回路とを設けた電動回転工具において、自動停止回路は、ストレンゲージに生じる歪み率に基づいて、歪み率のピーク値を検出すると共にクラッチ動作によりストレンゲージの出力信号が低下することを検出すると同時に電動モータの電源スイッチ回路を一時的に遮断する信号を発生する比較回路とを設けることを特徴とする。
【0017】
この場合、前記揺動検知片は、遊星歯車の支軸の一端側に形成されるインターナルギヤのクラッチ面としての閉塞底面部が対向する把持部ケーシングの円形底面部の一部の切欠部内に配置し、把持部ケーシングの一部に設けた切欠部から突出する外部において直角に折曲げて、前記揺動検知片を電動モータの出力軸と平行に延在させると共に、前記揺動検知片の他端を把持部ケーシングの一部に固定し、前記揺動検知片の平行延在部にストレンゲージを張設した構成とすることができる。
【0018】
また、揺動検知片は、インターナルギヤの外周部に刻設したクラッチ面としての円周溝が対向する把持部ケーシングの一部を半径方向外方に突出して形成したトルク調整ばね収納ケースの把持部ケーシングに近接する一部の切欠部内に配置し、把持部ケーシングの一部に設けた切欠部から突出する外部において電動モータの出力軸と平行に延在させると共に、前記揺動検知片の他端を把持部ケーシングの一部に固定し、前記揺動検知片の平行延在部にストレンゲージを張設した構成とすることもできる。
【0019】
一方、トルク検出回路は、ストレンゲージに生じる歪み率に基づいて、歪み率のピーク値を検出すると共にこのピーク値を所要のトルク値に変換してトルク値を表示するよう構成することができる。この場合、トルク検出回路により検出されたトルク値を予め設定したトルク値と比較してトルク値の適正状態を判別し、不適正の際にアラームを発生するアラーム発生回路を設けることもできる。
【0021】
【作用】
本発明に係るトルク検出および自動停止機構を備える電動回転工具によれば、遊星減速機構のインターナルギヤと把持部ケーシングとの間に設けたクラッチ機構のインターナルギヤの一部を開口する切欠部を設け、この切欠部に揺動検知片の一端を前記クラッチ機構の鋼球と係合するように配置し、前記揺動検知片の他端を把持部ケーシングの一部に固定して、この揺動検知片をクラッチ動作に際し応力変位可能に保持すると共に、その変位部にストレンゲージを張設することにより、クラッチ機構のクラッチ動作に伴う従動軸側からの反対負荷トルクを前記ストレンゲージにより電気的に精度よく検出することができると共に、このストレンゲージにより検出されるトルク値に基づいて、適正なトルク値の場合には電動モータの駆動を一時的に自動停止させることができる。従って、前記ストレンゲージにより検出されるトルク値が不適正な場合には、アラームを発生するよううに設定することができる。
【0022】
【実施例】
次に、本発明に係るトルク検出および自動停止機構を備える電動回転工具の実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施例として電動ドライバーに適用した場合を示し、電動モータの出力軸から従動軸に至る駆動機構部の要部断面図である。
【0024】
図1において、参照符号10は内部に電動モータ(図示せず)を内蔵した電動回転工具の把持部を示し、上端部には前記電動モータの電源接続用の電源端子12が設けられると共にこの電源端子12と結合するコネクタおよび電源接続用ケーブルを備えた把持部カバー(図示せず)が装着される。
【0025】
前記把持部10の下端部には、電動モータの出力軸14と結合する遊星減速機構16を収納する円筒状の把持部ケーシング18と、前記遊星減速機構16と結合してドライバービット(図示せず)に対し出力軸14の回転出力が減速増強されて伝達される従動軸20を囲繞するスリーブカバー22とが順次接続される。
【0026】
また、遊星減速機構16は、2段構成の遊星歯車機構からなり、電動モータの出力軸14の先端部に設けられたピニオンギヤ24に第1段の遊星歯車26aが噛合し、次いでこの遊星歯車26aを支持する支軸28aが第2のピニオンギヤ30の円板状支持部31の一部に保持され、この第2のピニオンギヤ30に第2段の遊星歯車26bが噛合し、そしてこの遊星歯車26bを支持する支軸28bが前記従動軸20の一端部に形成した円板状支持部21に固定保持される。この場合、前記第1段の遊星歯車26aは前記把持部ケーシング18に固定されたインターナルギヤ32に噛合し、第2段の遊星歯車26bは前記把持部ケーシング18の内周面に回転自在に配置されたインターナルギヤ34に噛合する。しかるに、前記インターナルギヤ34は、把持部ケーシング18に固定されたインターナルギヤ32に対しスラストベアリング36を介して回転自在に保持され、また前記従動軸20の円板状支持部21は前記インターナルギヤ34の閉塞底面部35によって保持するよう構成する。
【0027】
なお、前記遊星減速機構16は、第1段の遊星歯車26aおよびこれを支持する第2のピニオンギヤ30並びに把持部ケーシング18に固定されたインターナルギヤ32を省略して、ピニオンギヤ24を回転自在に保持されたインターナルギヤ34に噛合する遊星歯車26bと直接噛合するように構成し得ることは勿論である。
【0028】
しかるに、前記インターナルギヤ34の閉塞底面部35には、その軸中心から放射状に1本もしくは複数本の長溝38を削設し、この長溝38中にローラ40を転動自在に嵌入する。この時、前記ローラ40は、その転動面半体を長溝38から外方へ突出するように予め設定して、前記閉塞底面部35をクラッチ面として構成する。
【0029】
また、前記インターナルギヤ34のクラッチ面が対向する把持部ケーシング18の円形底面部18aには、その一部に半径方向に開口する切欠部18bを設けて、この切欠部18bの内方に揺動検知片42の一端を進入配置する。そして、この揺動検知片42の前記切欠部18b内へ進入配置した部分に、鋼球44を嵌入するための孔部46を設けると共に、この孔部46内に前記揺動検知片42の板厚より十分大きな直径寸法を有する鋼球44を配置する。さらに、前記鋼球44が揺動検知片42から脱落するのを防止すると共に、これをインターナルギヤ34の閉塞底面部35のクラッチ面に強制的に押付けるために、把持部ケーシング18のボス部19の外周にフランジ付きスリーブ48を挿通配置して、そのフランジ部49により前記鋼球44を保持するよう構成する。
【0030】
また、前記把持部ケーシング18の切欠部18bから外方に突出した揺動検知片42はケーシング18の外側においてほぼ直角に折曲し、これを電動モータの出力軸14と平行させて延在させ、その他端をケーシング18の一部にねじ具50により固定する。そして、前記揺動検知片42の電動モータの出力軸14と平行する延在部42aに、適宜ストレンゲージ52を張設する。
【0031】
さらに、前記フランジ付きスリーブ48に対しては、コイルばね54の一端を係止すると共に、このコイルばね54の他端を前記スリーブカバー22の先端部に螺合したキャップ56により保持して、このコイルばね54の弾力により前記フランジ付きスリーブ48を前記鋼球44に対し押圧作用させる。
【0032】
このように電動ドライバーの駆動機構部を構成し、前記従動軸20にドライバービットを適宜結合して、ねじ等の締付け作業を行う場合、ねじ等が取付け対象物に回転螺入しつつあるときは、電動モータの回転出力はドライバービットに伝達されるが、ねじ等の締付けが完了に近ずくと、反対負荷がドライバービットより、従動軸20→遊星歯車26b→インターナルギヤ34→鋼球44→揺動検知片42の順に伝達される。
【0033】
そこで、この反対負荷が所定のトルク値を越えると、インターナルギヤ34の回転力が、その閉塞底面部35に対して当接する鋼球44を弾力的に保持するコイルばね54のばね弾力に打ち勝って、鋼球44を保持しているフランジ付きスリーブ48を下方へ押し戻す。この結果、インターナルギヤ34の閉塞底面部35に配置されたローラ40は、鋼球44を強制的に乗り越え、これによりインターナルギヤ34は把持部ケーシング18内を回動し、遊星減速機構16を介する電動モータの出力軸14からの動力伝達が一時的に遮断され、従動軸20の回動が停止することになる。すなわち、クラッチ動作が行われることになる。
【0034】
従って、本実施例において、揺動検知片42は、例えばドライバービットからの反対負荷の伝達を受けて遊星減速機構16のインターナルギヤ34に付与されるトルクが、鋼球44を予め設定したばね弾力で保持することによって規定される設定トルクを越えた場合、前記インターナルギヤ34の閉塞底面部35に設けたローラ40が鋼球44を強制的に乗り越える際に、前記インターナルギヤ34と共に、図2に示す矢印方向に応力変位することになる。このため、本実施例においては、図2に示すように、前記切欠部18bが揺動検知片42の一端における変位動作を許容し得る程度の間隙を有するよう設定する。
【0035】
このようにして、前記揺動検知片42の一端に付与されるトルクは、ストレンゲージ52を張設した揺動検知片42の平行延在部42aにねじり応力として伝達され、この応力はストレンゲージ52により歪み率として電気的に適正かつ確実に検出することができる。
【0036】
そこで、本発明においては、前記ストレンゲージ52に生じる歪み率は、クラッチ動作が行われるまでの間において、時間の経過と共に所要のピーク値を示すことから、図3に示すように、このピーク値をホールドするオペアンプ58を設け、このオペアンプ58で得られたピーク値をトルク検出回路60によりトルク値に換算して、適宜ディジタル表示回路62によりトルク値をディジタル表示させることができる。また、この場合、トルク検出回路60により検出されたトルク値が、予め設定したトルク値の上限値および下限値の範囲外となった際にアラームを発生するアラーム発生回路64を付設することもできる。
【0037】
さらに、本発明においては、前記ストレンゲージ52に生じる歪み率のピーク値をホールドするオペアンプ58の出力信号と、ストレンゲージ52の出力信号とを比較回路66により比較し、この比較回路66においてクラッチ動作が行われる際にストレンゲージ52の出力信号が急激に低下する状態を検出して、この検出信号により電動モータの電源回路に適宜組込んだ電源スイッチ回路68を動作させて、電動モータへの通電を一時的に遮断して電動モータの自動停止を行うように構成する。
【0038】
このように構成することにより、従来クラッチ動作の検出手段としてリミットスイッチを使用した構成と比較し、誤動作の問題が無くなり、設置スペースの制約が解消するばかりでなく、むしろ応答速度および精度を向上することができる利点が得られる。
【0039】
図4は、本発明に係るトルク検出および自動停止機構を備える電動回転工具の別の実施例を示すものである。なお、説明の便宜上、前記実施例と同一の機能を有する構成部分には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0040】
すなわち、本実施例においては、遊星減速機構16を構成する把持部ケーシング18に対し回転自在に配置されたインターナルギヤ34の外周部に、一定の円周溝34aを刻設し、さらにその一部に電動モータの出力軸14と平行な長溝38を削設し、この長溝38中にローラ40を転動自在に嵌入した構成からなる。従って、本実施例においては、前記ローラ40は、その転動面半体を長溝38から外方へ突出するように予め設定して、前記インターナルギヤ34の外周部の円周溝34aがクラッチ面として構成される。
【0041】
そこで、前記インターナルギヤ34のクラッチ面が対向する把持部ケーシング18の一部を、その半径方向外方に突出させてトルク調整ばね収納ケース70をを形成する。この収納ケース70の把持部ケーシング18に近接する一部に切欠部70bを設けて、この切欠部70bの内方に揺動検知片42の一端を進入配置する。そして、この揺動検知片42の前記切欠部70b内へ進入配置した部分に、鋼球44を嵌入するための孔部46を設けると共に、この孔部46内に前記揺動検知片42の板厚より十分大きな直径寸法を有する鋼球44を配置する。さらに、前記鋼球44が揺動検知片42から脱落するのを防止すると共に、これをインターナルギヤ34のクラッチ面に強制的に押付けるために、前記収納ケース70内にクラッチ板72を介してトルク調整ばね74を収納すると共に、前記収納ケース70の他端部70aにおいてトルク調整キャップ76を調整可能に取付ける。
【0042】
また、前記収納ケース70の切欠部70bから外方に突出した揺動検知片42は、これを電動モータの出力軸14と平行させて延在させ、その他端をケーシング18の一部にねじ具50により固定する。そして、前記揺動検知片42の電動モータの出力軸14と平行する延在部42aに、適宜ストレンゲージ52を張設する。
【0043】
このように構成した本実施例の電動ドライバーにおいても、ねじ等の締付け作業を行う場合、前記実施例と全く同様にクラッチ動作を達成することができる。また、ドライバービットからの反対負荷の伝達を受けた場合、前述したように揺動検知片42の一端に付与されるトルクは、ストレンゲージ52により確実かつ適正に検出することができると共に、電動モータの一時的な自動停止を適正に達成することができる。
【0044】
以上、本発明の好適な実施例につき説明したが、本発明は前述した実施例に限定されることなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の設計変更をなし得ることは勿論である。
【0045】
【発明の効果】
前述した実施例から明らかなように、本発明によれば、電動モータを内蔵した把持部を設け、この電動モータの出力軸に遊星減速機構を介して従動軸を結合し、前記遊星減速機構を囲繞する把持部ケーシング内に前記遊星減速機構の遊星歯車と噛合するインターナルギヤを回転可能に配置し、前記インターナルギヤと把持部ケーシングとの間に鋼球を使用したクラッチ機構を設けると共にこのクラッチ機構の動作を検出する手段を設けたトルク検出機構を備える電動回転工具において、遊星減速機構のインターナルギヤと把持部ケーシングとの間に設けたクラッチ機構の把持部ケーシング部分を一部開口して切欠部を設け、この切欠部に揺動検知片の一端を進入させて前記クラッチ機構の鋼球と係合させ、揺動検知片の他端をクラッチ機構のクラッチ動作に伴うトルク伝達を有効に行えるように保持することにより、従動軸側からの反対負荷トルクをストレンゲージにより電気的に精度よく検出することができると共に、クラッチ動作に伴う電動モータの一時停止をリミットスイッチを使用することなく、適正かつ高精度に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルク検出および自動停止機構を備える電動回転工具の要部の一実施例を示す一部断面側面図である。
【図2】図1のA−A線要部断面図である。
【図3】本発明に係る電動回転工具に使用するトルク検出と電動モータの駆動停止とを行う電気回路の概略構成を示すブロック結線図である。
【図4】本発明に係るトルク検出および自動停止機構を備える電動回転工具の要部の別の実施例を示す一部断面側面図である。
【符号の説明】
10 把持部
12 電源端子
14 出力軸
16 遊星減速機構
18 把持部ケーシング
18a 円形底面部
18b 切欠部
19 ボス部
20 従動軸
21 円板状支持部
22 スリーブカバー
24 ピニオンギヤ
26a、26b 遊星歯車
28a、28b 支軸
30 第2のピニオンギヤ
31 円板状支持部
32 インターナルギヤ(固定)
34 インターナルギヤ(回転)
34a 円周溝
35 閉塞底面部
36 スラストベアリング
38 長溝
40 ローラ
42 揺動検知片
42a 平行延在部
44 鋼球
46 孔部
48 フランジ付きスリーブ
49 フランジ部
50 ねじ具
52 ストレンゲージ
54 コイルばね
56 キャップ
58 オペアンプ
60 トルク検出回路
62 ディジタル表示回路
64 アラーム発生回路
66 比較回路
68 電源スイッチ回路
70 トルク調整ばね収納ケース
70a 切欠部
70b 他端部
72 クラッチ板
74 トルク調整ばね
76 トルク調整キャップ

Claims (5)

  1. 電動モータを内蔵した把持部を設け、この電動モータの出力軸に遊星減速機構を介して従動軸を結合し、前記遊星減速機構を囲繞する円筒状ケーシング内に前記遊星減速機構の遊星歯車と噛合するインターナルギヤを回転可能に配置し、前記インターナルギヤと把持部ケーシングとの間に鋼球を使用したクラッチ機構を設けると共にこのクラッチ機構の動作を検出する手段を設けたトルク検出機構を備える電動回転工具であって、前記遊星減速機構のインターナルギヤと把持部ケーシングとの間に設けたクラッチ機構のインターナルギヤの一部を開口する切欠を設け、この切欠に揺動検知片の一端を前記クラッチ機構の鋼球と係合させて配置し、この揺動検知片の他端を把持部ケーシングの一部に固定してクラッチ動作に際し応力変位を受けるよう構成すると共に、前記揺動検知片の変位部にストレンゲージを張設し、さらに前記ストレンゲージの出力信号に基づいてトルク値の検出を行うトルク検出回路と、前記トルク値に基づいて電動モータの駆動停止を行う自動停止回路とを設けた電動回転工具において、
    自動停止回路は、ストレンゲージから収得される出力信号に基づいて、出力信号のピーク値を検出すると共にクラッチ動作によりストレンゲージの出力信号が低下することを検出すると同時に電動モータの電源スイッチ回路を一時的に遮断する信号を発生する比較回路を設けることを特徴とするトルク検出および自動停止機構を備える電動回転工具。
  2. 揺動検知片は、遊星歯車の支軸の一端側に形成されるインターナルギヤのクラッチ面としての閉塞底面部が対向する把持部ケーシングの円形底面部の一部の切欠部内に配置し、把持部ケーシングの一部に設けた切欠部から突出する外部において直角に折曲げて、前記揺動検知片を電動モータの出力軸と平行に延在させると共に、前記揺動検知片の他端を把持部ケーシングの一部に固定し、前記揺動検知片の平行延在部にストレンゲージを張設してなる請求項1記載のトルク検出および自動停止機構を備える電動回転工具。
  3. 揺動検知片は、インターナルギヤの外周部に刻設したクラッチ面としての円周溝が対向する把持部ケーシングの一部を半径方向外方に突出して形成したトルク調整ばね収納ケースの把持部ケーシングに近接する一部の切欠部内に配置し、把持部ケーシングの一部に設けた切欠部から突出する外部において電動モータの出力軸と平行に延在させると共に、前記揺動検知片の他端を把持部ケーシングの一部に固定し、前記揺動検知片の平行延在部にストレンゲージを張設してなる請求項1記載のトルク検出および自動停止機構を備える電動回転工具。
  4. トルク検出回路は、ストレンゲージから収得される出力信号に基づいて、出力信号のピーク値を検出すると共にこのピーク値を所要のトルク値に変換してトルク値を表示するよう構成してなる請求項1記載のトルク検出および自動停止機構を備える電動回転工具。
  5. トルク検出回路により検出されたトルク値を予め設定したトルク値と比較してトルク値の適正状態を判別し、不適正の際にアラームを発生するアラーム発生回路を設けてなる請求項4記載のトルク検出および自動停止機構を備える電動回転工具。
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