JP3098049B2 - トルク検出機構を備える電動回転工具 - Google Patents

トルク検出機構を備える電動回転工具

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JP3098049B2
JP3098049B2 JP03018532A JP1853291A JP3098049B2 JP 3098049 B2 JP3098049 B2 JP 3098049B2 JP 03018532 A JP03018532 A JP 03018532A JP 1853291 A JP1853291 A JP 1853291A JP 3098049 B2 JP3098049 B2 JP 3098049B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば電動ドライバ
ー等の電動回転工具に係り、特に電動モータの出力軸と
従動軸との間に所定の負荷トルクを受けた際にこれを検
知して前記出力軸の回転出力伝達を遮断するためのクラ
ッチ機能を有すると共にトルク検出機構を備える電動回
転工具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電動回転工具によりボルト、
ナット、ねじ等の被緊締物が所定の締付けトルクで締上
げられているか、また一度締付けを完了したねじ等がど
れ位のトルクで緩むかを測定し、常に均一なトルクで締
付けを行う手段として、一般的にトルクドライバーが知
られている。このトルクドライバーは、渦巻きばねを使
用して、その機械的変形量をトルク値として目盛板に表
示するものであるが、このような機械的な検出手段に代
えて、物性歪みを電気抵抗の変化に変換するトランスジ
ューサとして所謂ストレンゲージを使用し、検出された
歪みトルク値を数値的に直接ディジタル表示するトルク
メータも開発されるに至っている。
【0003】また、従来の電動ドライバー等において
は、ねじ等の締付けに際しドライバービットに強力な反
対負荷が加わった場合に、これを予め設定した締付けト
ルクでで動作するクラッチ機構により所定のトルク値に
至った状態を検知して、前記クラッチ機構を作動させて
電動モータの出力軸と従動軸(ドライバービット)との
結合を一時的に遮断するよう構成したものが、提案され
実施されている。さらに、前記クラッチ機構の作動に際
し、これをリミットスイッチ等により検出して電動モー
タの駆動を停止するように構成した電動ドライバーも実
用化されている。
【0004】すなわち、このようなクラッチ機構を備え
た電動ドライバーとして、本出願人は、先に、電動モー
タの出力軸に遊星減速機構を介して従動軸(ドライバー
ビット)に結合し、この遊星減速機構の遊星歯車と噛合
するインターナルギヤを円筒状ケーシング内に回転自在
に遊嵌し、そしてこのインターナルギヤと円筒状ケーシ
ングの一端部側をそれぞれ閉塞して対向させ、前記円筒
状ケーシングの対向面には通孔を穿設してここに鋼球を
収納し、この鋼球を前記円筒状ケーシングの外側からフ
ランジ付きスリーブで弾力的に保持して前記鋼球をイン
ターナルギヤの前記対向面に設けた溝部内に嵌入当接し
て自動クラッチ装置を構成した電動回転工具を開発し、
特許を得た(特公昭60−13798号公報)。
【0005】前記の自動クラッチ装置は、ねじ等の締付
け作業において、電動モータの出力軸からの回転出力
は、遊星減速機構を介してドライバービットに伝達され
るが、ねじの締付けの完了に近ずくと、反対負荷がドラ
イバービットより遊星減速機構へ伝達されて遊星歯車を
介してインターナルギヤを回転させるように作用する。
そして、この反対負荷が鋼球を押圧している弾力に打ち
勝つと、すなわち所定の設定トルク以上になると、前記
鋼球がインターナルギヤの対向面に設けた溝部を乗り越
えるようにして前記インターナルギヤが回動し、この結
果電動モータの出力軸とドライバービットとの結合が一
時的に遮断されることになる。従って、前記鋼球を保持
するフランジ付きスリーブの弾力を調整することによ
り、クラッチ装置の動作点すなわちトルク設定値を変更
することができる。
【0006】一方、前述した電動回転工具のクラッチ装
置とは別に、実際にどの程度のトルク値でねじ等がその
取付け対象物に対し締付けられたかを、直接電動回転工
具で検出する手段として、ドライバービットに作用する
強力な反対負荷を検出する機構も提案されている。
【0007】例えば、本出願人は、先に、回転駆動源に
接続するピニオンギヤと、このピニオンギヤに噛合する
遊星歯車と、この遊星歯車に内接噛合するインターナル
ギヤとにより構成される遊星減速機構と、この遊星減速
機構を収納する円筒状ケーシングとからなり、前記イン
ターナルギヤを円筒状ケーシング内に回転自在に遊嵌
し、前記遊星歯車を支持する従動軸にドライバービット
を結合してなる電動回転工具において、前記インターナ
ルギヤの外周の一部に対応する円筒状ケーシングにスリ
ットを穿設し、このスリットの開口部に接触しないよう
に前記インターナルギヤの一部にトーションバーを固着
してその他端を半径方向外方に延出させ、前記円筒状ケ
ーシングの一部に前記トーションバーと平行して半径方
向外方に延在する支持体を固定し、この支持体の外端部
において前記トーションバーの自由端部側をストッパに
よりインターナルギヤの回動を制限する方向に係止し、
更に前記トーションバーの一側面にトルク検出用のスト
レンゲージを取付けた構成からなるトルク検出器を開発
し、特許出願を行った(特開昭56−94233号公
報)。
【0008】このように構成されたトルク検出器は、駆
動源である電動モータが回転すると、その出力軸の回転
力は把持部ケーシング中の遊星減速機構により減速増強
されて従動軸すなわちドライバービットに伝達される。
この時、遊星減速機構の遊星歯車はインターナルギヤの
内歯と噛合して自転しつつ前記内歯に沿って公転し、ド
ライバービットには減速増強された回転力が得られる。
この場合、前記インターナルギヤは、円筒状ケーシング
の内部に回転可能に遊嵌されているが、半径方向外方に
延出しているトーションバーはその先端近傍において支
持板に設けたストッパに接触しているので、その回動は
阻止され、従って動力伝達が遮断されることはない。す
なわち、インターナルギヤの回動が円筒状ケーシングに
対して阻止されないとすれば、ドライバービットに強力
な反対負荷が加わるとインターナルギヤは空転し、動力
伝達が遮断されることになる。
【0009】そこで、例えばドライバービットにより、
タッピングねじをねじ込む作業を行う場合には、作業中
ドライバービットにはタッピングねじのねじ込み抵抗に
伴う反対負荷が加わっていることになるから、この反対
負荷は直接前記インターナルギヤに伝達され、このイン
ターナルギヤを円筒状ケーシングに対し回動させようと
する力となって現れる。しかし、前記インターナルギヤ
はストッパによりその回動を阻止されているから、前記
インターナルギヤに加わった反対負荷はトーションバー
に伝達される。従って、トーションバーには、ストッパ
とインターナルギヤにおけるトーションバーの接続部と
の間において、ねじ込み作業中の間連続的に変動推移す
る応力歪みがもたらされることになる。この応力歪み
は、前記ストレンゲージにより検出され、電気抵抗の変
化として、例えばオシロスコープやディジタルカウンタ
で直読監視することができる。
【0010】このようにして、前記トルク検出器は、ね
じ込み作業中において、連続的にトーションバーに伝達
される応力歪みを直読監視できることによって、ねじの
締付け開始から締付け完了に至る間のトルク値の変動を
測定し、最適な締付けトルクを知ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前述した従
来のクラッチ装置においては、ねじ等の締付け作業時
に、ドライバービットに加わる反対負荷を円筒状ケーシ
ングの内部に回転可能に遊嵌したインターナルギヤを介
して検知するよう構成されているため、例えば鋼球を保
持するフランジ付きスリーブの弾力を調整してクラッチ
動作を行うトルク設定値の変更を行う場合、インターナ
ルギヤの質量や機械的接触部の摩擦抵抗等が影響して精
度の高いトルク値の設定は困難である。
【0012】また、前述したトルク検出器を備えた電動
回転工具においては、ねじ等の締付け作業時に、トルク
の連続的な変動を監視して最適なトルク値を測定できる
点で、従来のトルクドライバーやトルクメータと比べて
優れている。
【0013】しかしながら、この種の電動回転工具にお
いても、前述したようにドライバービットに加わる反対
負荷を円筒状ケーシングの内部に回転可能に遊嵌したイ
ンターナルギヤを介して取出す場合、インターナルギヤ
は単に円筒状ケーシング内面に摺動可能に収納されるた
め、前記と同様にインターナルギヤの質量や機械的接触
部の摩擦抵抗等が影響して、トーションバーに対する適
正なトルクの伝達を行うことは困難である。
【0014】そこで、本発明の目的は、電動モータの出
力軸に遊星減速機構を介して従動軸を結合し、前記遊星
減速機構にクラッチ機構を設けてこのクラッチ機構の動
作に伴い、反対負荷の動作点ないしはトルクの検出を行
うよう構成した電動回転工具において、クラッチ機構を
構成する部材の軽量化と摩擦抵抗の低減化を達成し、簡
単な構成で精度の高いトルク値の設定ないしは検出を行
うことができるトルク検出機構を備える電動回転工具を
提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るトルク検出
機構を備える電動回転工具は、電動モータを内蔵した把
持部を設け、この電動モータの出力軸に遊星減速機構を
介して従動軸を結合し、前記遊星減速機構を囲繞する円
筒状ケーシング内に前記遊星減速機構の遊星歯車と噛合
するインターナルギヤを回転可能に配置し、前記インタ
ーナルギヤと円筒状ケーシングとの間に鋼球を使用した
クラッチ機構を設けると共にこのクラッチ機構の動作を
検出する手段を設けたトルク検出機構を備え電動回転
工具において、前記遊星減速機構のインターナルギヤと
円筒状ケーシングとの間に設けたクラッチ機構の円筒状
ケーシング部分を一部開口して切欠を設け、この切欠に
隣接する円筒状ケーシングの外周部に半径方向外方に腕
部を突設し、この腕部の先端部に電動モータの出力軸と
平行に軸部材を回転可能に軸支し、この軸部材により一
端を前記クラッチ機構の鋼球と係合させて前記腕部と略
平行に延在するよう配置した揺動検知片の他端を旋回可
能に軸支し、さらに前記軸部材にストレンゲージを張設
したトーションバーを結合してこれを前記腕部に固定し
た保持手段により保持することを特徴とする。
【0016】前記のトルク検出機構を備え電動回転工
具において、遊星減速機構は複数段に構成され、第1段
の遊星歯車を電動モータの出力軸に噛合結合すると共に
その第1のインターナルギヤを円筒状ケーシングの内周
面に固定し、第1段の遊星歯車を従動軸に噛合結合する
と共にその第2のインターナルギヤを前記従動軸に対し
スラストベアリングを介して円筒状ケーシング内に回転
自在に保持し、前記第2のインターナルギヤと円筒状ケ
ーシングとの間に鋼球を使用したクラッチ機構を採用
ることができる。
【0017】
【0018】
【0019】
【作用】本発明に係るトルク検出機構を備える電動回転
工具によれば、遊星減速機構のインターナルギヤと円筒
状ケーシングとの間に設けたクラッチ機構の円筒状ケー
シング部分を一部開口して切欠を設け、この切欠に隣接
する円筒状ケーシングの外周部に半径方向外方に腕部を
突設し、この腕部の先端部に電動モータの出力軸と平行
に軸部材を回転可能に軸支し、この軸部材により一端を
前記クラッチ機構の鋼球と係合させて前記腕部と略平行
に延在するよう配置した揺動検知片の他端を旋回可能に
軸支し、さらに前記軸部材にストレンゲージを張設した
トーションバーを結合してこれを前記腕部に固定した保
持手段により保持することにより、クラッチ機構のクラ
ッチ動作に伴う従動軸側からの反対負荷トルクを前記ス
トレンゲージにより電気的に精度よく検出することがで
きる。
【0020】
【0021】
【実施例】次に、本発明に係るトルク検出機構を備える
電動回転工具の実施例につき、添付図面を参照しながら
以下詳細に説明する。
【0022】図1および図2は、本発明の一実施例とし
て電動ドライバーに適用した場合を示し、図1は電動モ
ータの出力軸から従動軸に至る駆動機構部の要部断面図
であり、図2は図1における遊星減速機構部の詳細を示
す要部拡大図である。
【0023】図1において、参照符号10は内部に電動
モータ(図示せず)を内蔵した電動回転工具の把持部を
示し、上端部には前記電動モータの電源接続用の電源端
子12が設けられると共にこの電源端子12と結合する
コネクタおよび電源接続用ケーブルを備えた把持部カバ
ー(図示せず)が装着される。
【0024】前記把持部10の下端部には、電動モータ
の出力軸14と結合する遊星減速機構16を収納する円
筒状ケーシング18と、前記遊星減速機構16と結合し
てドライバービット(図示せず)に対し出力軸14の回
転出力が減速増強されて伝達される従動軸20を囲繞す
るスリーブカバー22とが順次接続される。
【0025】遊星減速機構16は、図2に拡大して示す
ように、第1の遊星減速機構24と第2の遊星減速機構
26とからなる2段構造として構成される。第1の遊星
減速機構24は、電動モータの出力軸14の先端部に設
けられたピニオンギヤ28と噛合する遊星歯車30と
これを支持する前記従動軸20と同軸に配置した支軸3
2とから構成され、前記遊星歯車30はケーシング18
の内周面に固定した第1インターナルギヤ34に噛合す
る。
【0026】また、第2の遊星減速機構26は、前記支
軸32に設けられたピニオンギヤ36と噛合する遊星歯
車38とこれを支持する従動軸20とから構成され、前
記遊星歯車38は、その上端部において第1スラストベ
アリング40を介して前記第1インターナルギヤ34の
下端部に当接すると共に下端部においてケーシング18
に保持され、回転自在に配置された第2インターナルギ
ヤ42に噛合する。この場合、前記従動軸20の遊星歯
車38を支持する円板状支持部21の底面を、第2スラ
ストベアリング44を介して前記第2インターナルギヤ
42で保持する。
【0027】このように、遊星減速機構16を構成する
ことにより、電動モータの出力軸14の回転は、ピニオ
ンギヤ28→遊星歯車30→第1インターナルギヤ34
→支軸32のピニオンギヤ36→遊星歯車38→第2イ
ンターナルギヤ42を経て従動軸20に伝達される。す
なわち、この場合は、減速装置そのものとして好適に作
動する。
【0028】本発明においては、遊星減速機構16を2
段構造すなわち2分割とすることにより、各遊星減速機
構の構造の小形化と共に質量の低減化を図ることができ
る。そこで、本実施例においては、分割された第2イン
ターナルギヤ42の外側底面に少なくとも1つの半径方
向に延在する長溝46を切設し、この長溝46内にロー
ラ48を転動自在に嵌入する。このとき、ローラ48は
その転動面半体を長溝46から外方へ突出するように予
め設定して、前記第2インターナルギヤ42の外側底面
をクラッチ面として構成する。
【0029】また、この第2インターナルギヤ42のク
ラッチ面が対向するケーシング18の内側底面に、少な
くとも1つの通孔50を穿設し、この通孔50にはケー
シング18の底部板厚より十分大径の鋼球52を収納す
る。そして、この鋼球52がケーシング18の底部から
脱落するのを防止すると共にこれを第2インターナルギ
ヤ42のクラッチ面に強制的に押し付ける目的で、図1
に示すように、ケーシング18のボス部19の外周にフ
ランジ付きスリーブ54を挿通してそのフランジ部55
で前記鋼球52を保持するよう構成する。
【0030】なお、前記スリーブ54に対しては、コイ
ルばね56の一端を係止すると共に、このコイルばね5
6の他端を前記スリーブカバー22の先端部に螺合した
キャップ58により保持して、このコイルばね56の弾
力により前記フランジ付きスリーブ54を前記鋼球52
に対し押圧作用させる。
【0031】このように電動ドライバーの駆動機構部を
構成し、前記従動軸20にドライバービットを適宜結合
してねじ等の締付け作業を行う場合、ねじ等が取付け対
象物に回転螺入しつつあるときは、電動モータの回転出
力はドライバービットに伝達されるが、ねじ等の締付け
が完了に近ずくと、反対負荷がドライバービットより従
動軸20→遊星歯車38→第2インターナルギヤ42→
鋼球52→ケーシング18の順に伝達される。
【0032】そこで、この反対負荷が所定のトルク値を
越えると、第2インターナルギヤ42の長溝46は、鋼
球52を前記コイルばね56の弾力に抗して押圧し、つ
いにはこのばね弾力に打ち勝って鋼球52を保持してい
るフランジ付きスリーブ54を下方へ押し戻す。この結
果、前記第2インターナルギヤ42は、その長溝46が
鋼球52を強制的に乗り越えて、ケーシング18内を回
動し、第1遊星減速機構24からの動力伝達が一時的に
遮断され、従動軸20は回動を停止することになる。す
なわち、クラッチ動作が行われることになる。
【0033】このようなクラッチ動作により、前記フラ
ンジ付きスリーブ54が下方へ押し戻されることから、
前記フランジ付きスリーブ54のフランジ部55に対抗
してスリーブカバー22の一部にリミットスイッチ60
を設けて、前記クラッチ動作をリミットスイッチ60に
より検出して、これにより電動モータの電源遮断を行う
ように構成することができる。
【0034】特に、本実施例においては、前記第2イン
ターナルギヤ42が質量の少ない小さい部材で構成さ
れ、しかも軸方向に対し第2スラストベアリング44で
保持するのみで、回転方向に対しては全くフリーである
ため、前述したようなドライバービットからの反対負荷
の伝達を損失なく伝達することができ、従って極めて精
度の高いトルク検出を実現することが可能となる。
【0035】そこで、図3に示す実施例は、前述したよ
うな複数段構造(実施例では2段構造を示す)の遊星減
速機構16を備えた電動ドライバー等に応用し得るトル
ク検出機構を示すものである。なお、説明の便宜上、図
1および図2に示す構成部分と同一の構成部分について
は、同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略す
る。
【0036】図3において、円筒状ケーシング18の外
周の一部に半径方向外方に突出する腕部62を設け、こ
の腕部62の先端部に電動モータの出力軸14と平行に
軸部材64をベアリング66を介して回転可能に挿通配
置し、この軸部材64の一部を一端においてクラッチ動
作を行う鋼球52と係合する揺動検知片68の他端に軸
支させる。この場合、揺動検知片68は、図4に示すよ
うに、円筒状ケーシング18の底部に半径方向に開口す
る切欠70を設けて、この切欠70の内方に前記揺動検
知片68の一端を進入させると共にこの揺動検知片68
の一端部側に前記ケーシング18の底部に設けた通孔5
0と対応して鋼球52を嵌入する孔部72を設ける。
【0037】従って、このように配置された揺動検知片
68は、例えばドライバービットからの反対負荷の伝達
を受けて遊星減速機構16のインターナルギヤ82に付
与されるトルクが、鋼球52を保持する所定の設定トル
クを越えた場合、前記インターナルギヤ82に設けた長
溝46が鋼球52を強制的に乗り越える際に、前記イン
ターナルギヤ82と共に軸部材64を支点として図4に
示す矢印方向に旋回変位することになる。このため、本
実施例においては、図4に示すように、前記切欠70が
揺動検知片68の旋回動作を許容し得る程度の間隙を有
するよう設定することが必要である。
【0038】また、前記腕部62の先端には、電動モー
タの出力軸14と平行に延在する支持片74の一端を固
定すると共にその他端に前記軸部材64と対向する保持
部76を設け、この保持部76と前記軸部材64との間
にトーションバー78を結合保持し、このトーションバ
ー78に適宜ストレンゲージ80を張設する。
【0039】このように構成することにより、揺動検知
片68の一端に付与されるトルクは、軸部材64を介し
てトーションバー78の一端に損失なく伝達され、これ
によりトーションバー78に付与されるねじり応力はス
トレンゲージ80により確実かつ適正に検出することが
できる。
【0040】従って、前記構成からなるトルク検出機構
は、特に図2に示す構成からなる2段構造の遊星減速機
構16を備えた電動ドライバー等に適用した場合、ねじ
締付けに際してのトルク検出はさらに精度の高いものと
なる。
【0041】また、前記構成からなるトルク検出機構
は、前述した2段構造の遊星減速機構に限らず、従来公
知の遊星減速機構を採用した電動回転工具に適用して
も、従来のトルク検出機構のトルク検出精度と較べて、
その検出精度を十分高めることができる。
【0042】以上、本発明の好適な実施例につき説明し
たが、本発明は前述した実施例に限定されることなく、
本発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の設計変
更をなし得ることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】前述した実施例から明らかなように、本
発明によれば、遊星減速機構のインターナルギヤと円筒
状ケーシングとの間に設けたクラッチ機構の円筒状ケー
シング部分を一部開口して切欠を設け、この切欠に隣接
する円筒状ケーシングの外周部に半径方向外方に腕部を
突設し、この腕部の先端部に電動モータの出力軸と平行
に軸部材を回転可能に軸支し、この軸部材により一端を
前記クラッチ機構の鋼球と係合させて前記腕部と略平行
に延在するよう配置した揺動検知片の他端を旋回可能に
軸支し、さらに前記軸部材にストレンゲージを張設した
トーションバーを結合してこれを前記腕部に固定した保
持手段により保持することにより、クラッチ機構のクラ
ッチ動作に伴う従動軸側からの反対負荷トルクを前記ス
トレンゲージにより電気的に精度よく検出することがで
きる。
【0044】
【0045】そこで、この場合において、前記遊星減速
機構として前述した複数段に構成し、第1段の遊星歯車
を電動モータの出力軸に噛合結合すると共にその第1の
インターナルギヤを円筒状ケーシングの内周面に固定
し、第1段の遊星歯車を従動軸に噛合結合すると共にそ
の第2のインターナルギヤを前記従動軸に対しスラスト
ベアリングを介して円筒状ケーシング内に回転自在に保
持し、前記第2のインターナルギヤと円筒状ケーシング
との間に鋼球を使用したクラッチ機構とすることによ
り、トルク検出精度をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルク検出機構を備える電動回転
工具の要部の一実施例を示す一部断面側面図。
【図2】図1に示す遊星減速機構の詳細を示す要部拡大
断面図。
【図3】本発明に係るトルク検出機構を備える電動回転
工具の要部の別の実施例を示す一部断面側面図。
【図4】図3のA−A線要部断面図。
【符号の説明】
10 把持部 12 電源端子 14 出力軸 16 遊星減速機
構 18 円筒状ケーシング 19 ボス部 20 従動軸 21 円板状支持
部 22 スリーブカバー 24 第1遊星減
速機構 26 第2遊星減速機構 28 ピニオンギ
ヤ 30 遊星歯車 32 支軸 34 第1インターナルギヤ 36 ピニオンギ
ヤ 38 遊星歯車 40 第1スラス
トベアリング 42 第2インターナルギヤ 44 第2スラス
トベアリング 46 長溝 48 ローラ 50 通孔 52 鋼球 54 フランジ付きスリーブ 55 フランジ部 56 コイルばね 58 キャップ 60 リミットスイッチ 62 腕部 64 軸部材 66 ベアリング 68 揺動検知片 70 切欠 72 孔部 74 支持片 76 保持部 78 トーション
バー 80 ストレンゲージ 82 インターナ
ルギヤ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータを内蔵した把持部を設け、こ
    の電動モータの出力軸に遊星減速機構を介して従動軸を
    結合し、前記遊星減速機構を囲繞する円筒状ケーシング
    内に前記遊星減速機構の遊星歯車と噛合するインターナ
    ルギヤを回転可能に配置し、前記インターナルギヤと円
    筒状ケーシングとの間に鋼球を使用したクラッチ機構を
    設けると共にこのクラッチ機構の動作を検出する手段を
    設けたトルク検出機構を備え電動回転工具において、 前記遊星減速機構のインターナルギヤと円筒状ケーシン
    グとの間に設けたクラッチ機構の円筒状ケーシング部分
    を一部開口して切欠を設け、この切欠に隣接する円筒状
    ケーシングの外周部に半径方向外方に腕部を突設し、こ
    の腕部の先端部に電動モータの出力軸と平行に軸部材を
    回転可能に軸支し、この軸部材により一端を前記クラッ
    チ機構の鋼球と係合させて前記腕部と略平行に延在する
    よう配置した揺動検知片の他端を旋回可能に軸支し、さ
    らに前記軸部材にストレンゲージを張設したトーション
    バーを結合してこれを前記腕部に固定した保持手段によ
    り保持することを特徴とするトルク検出機構を備え
    動回転工具。
  2. 【請求項2】 遊星減速機構は複数段に構成され、第1
    段の遊星歯車を電動モータの出力軸に噛合結合すると共
    にその第1のインターナルギヤを円筒状ケーシングの内
    周面に固定し、第1段の遊星歯車を従動軸に噛合結合す
    ると共にその第2のインターナルギヤを前記従動軸に対
    しスラストベアリングを介して円筒状ケーシング内に回
    転自在に保持し、前記第2のインターナルギヤと円筒状
    ケーシングとの間に鋼球を使用したクラッチ機構を設け
    てなる請求項記載のトルク検出機構を備え電動回転
    工具。
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