JPH117247A - 三次曲面成形表示板の成形加工方法 - Google Patents

三次曲面成形表示板の成形加工方法

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JPH117247A
JPH117247A JP32959897A JP32959897A JPH117247A JP H117247 A JPH117247 A JP H117247A JP 32959897 A JP32959897 A JP 32959897A JP 32959897 A JP32959897 A JP 32959897A JP H117247 A JPH117247 A JP H117247A
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mold
decorative film
molding
outer peripheral
die
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JP32959897A
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Inventor
Masumi Kawagoe
益美 川越
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HOSHI SEISAKUSHO KK
Original Assignee
HOSHI SEISAKUSHO KK
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2229/00Manufacturing
    • H01H2229/044Injection moulding
    • H01H2229/047Preformed layer in mould

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加飾フィルムと射出成形からなる三次曲面成
形品の外周端部に曲がり角度のばらつきのない巻き込み
部を形成した一体成形加工、並びに電子機器等のキ−エ
ンボス部を備えた三次曲面成形加工方法を提供する。 【構成】 加飾フィルムでの抜き捨て部を接続する外周
抜き線孔、及び2箇所以上の位置決め孔部を設け、樹脂
の注入によって外周抜き線孔の箇所で切断すると共に、
外周端縁部に巻き込み部を形成する。また、金型に設け
た凹凸部の形状及びパンチの装着固定により、キ−エン
ボス部を備えた三次曲面成形品を得る。 【効果】 従来の熱曲げ加工を不要とし、曲がり角度の
位置決めが不安定である難点を解消し、また、所望の膨
隆部を形成したキ−操作部を効率よく成形でき、工程省
略、コスト低減を図り得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、三次曲面成形表示板の
成形加工方法に関し、さらに詳しくはスイッチ表示板等
のフィルムインサ−ト成形加工において、三次曲面を持
つ樹脂成形加工での加飾フィルムの位置決め並びに外周
端縁部での巻き込み部の形成、及び成形品の形成と同時
に装着したパンチによりキ−エンボス部の膨隆部が形成
された成形加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、家電製品、電子機器などで使用す
るキ−ボ−ド用軟質文字板、表示パネル、銘板等に貼り
付けた表示板は平面的であるとき操作感が悪く、加飾フ
ィルムと射出成形からなる三次曲面形状に押圧成形し一
体化した三次曲面を備えた一体成形物は、近年それの持
つデザイン的な優位性や防水性を兼ね備えたすぐれた機
能性などから家電・自動車・住宅機器・遊戯機器等、多
くの分野で採用され始めている。また、電子機器などで
使用するスイッチ部の操作性を改善するために、キ−操
作部を凸状若しくは膨隆状に盛り上げるいわゆるキ−エ
ンボスについて、このような成形体を形成するための種
々の提案がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、まず、
三次曲面を備えた一体成形物について、製造サイドから
見ると位置決めのために加飾フイルムを予め外径形状に
打ち抜き、射出成型時に1枚々々手作業で金型内に挿入
するなどの手間がかかり、加えて加飾フィルムを成形金
型内に挿入する際のセッティング時の傾きによる位置ず
れが発生し、これを回避するため慎重な作業が要求さ
れ、只でさえ効率の悪い作業に追い打ちをかけるような
状況のため作業の効率化を図ることが困難であった。さ
らに、デザイン的な要求から加飾フィルムの外縁部を成
形樹脂端縁部に巻き込みを持たせたい場合等があり、こ
れを実現するために予め打ち抜いた外径外縁部を絞り加
工するなど、きわめて手間のかかる工程を経なければな
らないことが必要であった。
【0004】また、電子機器などで使用するスイッチ部
の操作性を改善するためのキ−エンボス部の形成につい
て、特公平4−11094号公報、或いは特公平7−4
0450号公報等の提案がみられる。しかしながら、例
えば特公平4−11094号公報についてみても、樹脂
の射出成形と同時に成形品に絵付けフィルムを付着さ
せ、成形品の窓抜き部分にエンボスを有する絵付けフィ
ルムが付着されたインサ−ト絵付け成形品の製造方法で
あるが、絵付フィルムを型内に供給し、位置合わせを行
って固定し、コア型と固定型とでキャビティを形成し、
同時にコア型の凹部と固定型の突出部により絵付フィル
ムにエンボスを形成するが、該絵付フィルムは供給され
たそのままの形状を挟み込んで決められる。従って、た
とえばキ−エンボス加工に供せられる代表的な素材であ
るPET(ポリエチレンテレフタレ−ト)素材の如きは
実質的に熱変形温度が150℃以上である為、一般的な
射出成形における90℃〜120℃前後の金型内温度で
は、該フィルムの熱可塑性によって成形金型内部温度に
よりキ−エンボスの形状及び/又は膨隆部を得ることは
できず、実施不可能である。
【0005】また、特公平7−40450号公報には、
単一の部分で構成でき、各部分を別個に製造した後にア
ッセンブルする手間が省略され、部品管理の手数が軽減
されるキ−ボ−ドパネルが提案されており、絵付けシ−
トの裏面の成形体の貫通孔部より露出した部分に突起部
を分離して有する構成で、指で押すとき撓みスイッチと
して働く構成に特徴があるが、該絵付けシ−トは射出成
形に先立ち、予め金型の形状に合わせて成形した成形シ
−トを用い、また、成形品の外周端縁部の巻き込み部の
形成については開示はない。
【0006】このように、従来法においては、三次曲面
形状に押圧成形する熱曲げ加工が必要であり、これに起
因して製造加工費もアップを余儀なくされる難点があっ
た。さらに、このような三次曲面形状に押圧成形する熱
曲げ加工では、外周端縁部の曲がり角度がばらつくた
め、位置決めが不安定であるなどの難点がある。また、
電子機器等で使用するスイッチ部の操作性を改善するた
め、キ−操作部を凸状若しくは膨隆状に形成するキ−エ
ンボスの形成の場合においても、金型固定部と金型移動
部で絵付けフィルムを挟み込んでエンボスを行うような
場合、該エンボス部に文字や拡散印刷層等の不連続部が
あった場合には不具合を生じ、塗膜の重なり合う不連続
部に異常な応力が加わり、重なり部分の境界線付近に塗
膜のクラックを生ずる等の問題点があった。
【0007】本発明は、加飾フィルムを金型固定型に押
し込みセットし射出成形により押圧成形し一体化してな
る三次曲面成形表示板の成形加工方法において、前記加
飾フィルムの加飾部と抜き捨て部をミシン目状に接続す
る外周抜き線孔、及び位置決めの為のピン孔部を少なく
とも2箇所以上設け、次いで前記加飾フィルムを金型固
定型に設置した位置決めピンに挿入してセットし、成形
金型の締め操作を行った後、前記加飾フィルムを挟んで
金型固定型のキャビティに樹脂の注入を行なう射出成形
によって、該フィルムの加飾部と抜き捨て部が外周抜き
線孔の箇所で切断されると共に、成形品の外周端縁部に
巻き込み部を形成せしめてなることを特徴とする三次曲
面成形表示板の成形加工方法を提供する。
【0008】また、本発明は、前記加飾フィルムを所望
の位置にセットし成形金型が締められたとき、該成形金
型の外径周端より少許外側を切除し、加飾フィルムを挟
んだ状態で樹脂を金型固定型内に注入し、該樹脂の充填
圧で前記加飾フィルムが金型固定型のキャビティに嵌ま
り込み成形加工品の外周端縁部での巻き込み部を形成せ
しめてなる三次曲面成形表示板の成形加工方法を提供す
る。
【0009】さらに、本発明は、前記金型固定型にキ−
エンボス部の膨隆部の加工を妨げないように凹部を設け
ると共に、金型移動型には別パ−ツとして所望の形態の
キ−エンボス部を形成するためのパンチを交換自在に装
着固定させ、該金型移動型及び金型固定型によって形成
されたキャビイティに射出成形樹脂を流入させ、一体化
した一体成形物を金型から取り出し、冷却を施し、中央
部に従って緩い三次曲面を備えた一体成形物ならびにキ
−エンボス部の膨隆部を形成せしめてなる三次曲面成形
表示板の成形加工方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者は鋭意検討の結果、加飾フィルムを成形金
型内で射出成形により三次曲面形状に押圧成形した一体
成形物からなる三次曲面成形表示板の成形加工方法、す
なわちフィルムインサ−ト成形加工方法において、金型
固定型に設置された位置決め機構と、加飾フィルムの抜
き捨て部に穿設された位置決めピン孔部に対応した位置
決めピンによって、簡便かつ確実に位置決め作業を行え
るようにすると共に、併せてデザイン、加飾上の要求か
らも成形品の外周端縁部への加飾フィルムの巻き込みを
形成する成形加工方法、並びに電子機器等で使用する凸
状若しくは膨隆状のキ−エンボス部を付与する方法は、
以下のように構成することで達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
(1)加飾フィルムを金型固定型に押し込みセットし射
出成形により押圧成形し一体化してなる三次曲面成形表
示板の成形加工方法において、(2)前記加飾フィルム
の加飾部と抜き捨て部をミシン目状に接続する外周抜き
線孔、及び位置決めの為のピン孔部を少なくとも2箇所
以上設け、(3)次いで前記加飾フィルムを金型固定型
に設置した位置決めピンに挿入してセットし、(4)成
形金型の締め操作を行った後、(5)前記加飾フィルム
を挟んで金型固定型のキャビティに樹脂の注入を行う射
出成形によって、該加飾フィルムの加飾部と抜き捨て部
が外周抜き線孔の箇所で切断されると共に、(6)成形
品の外周端縁部に巻き込み部を形成せしめてなることを
特徴とする三次曲面成形表示板の成形加工方法。
【0012】また、三次曲面成形表示板の成形加工方法
において、次のような構成とする。 (1)前記加飾フィルムを所望の位置にセットし、成形
金型が締められる際に、(2)該成形金型の外径周端よ
り少許外側を切除し、(3)加飾フィルムを挟んだ状態
で樹脂を金型固定型内に注入し、(4)該樹脂の充填圧
で加飾フィルムが金型固定型のキャビティに嵌まり込み
成形加工品の外周端縁部での巻き込み部を形成せしめて
なる成形加工方法によって達成される。
【0013】さらに、三次曲面成形表示板の成形加工方
法において、スイッチ部の操作性を改善する為にキ−操
作部を凸状若しくは膨隆状に盛り上げるキ−エンボス部
を付与するには次のような構成とする。 (1)金型固定型にキ−エンボス部の膨隆部の加工を妨
げないように凹部を設けると共に、(2)金型移動型に
は別パ−ツとして所望の形態のキ−エンボス部を形成す
るためのパンチを交換自在に装着固定させ、(3)該金
型移動型及び金型固定型によって形成されたキャビイテ
ィに射出成形樹脂を流入させ、(4)一体化した成形物
を金型から取り出し、冷却を施し、(5)中央部に従っ
て緩い三次曲面を備えた一体成形物ならびに(6)キ−
エンボス部の膨隆部を形成せしめてなる成形方法によっ
て達成される。
【0014】さらに、その他の成形加工方法として、次
のごときを挙げることができる。 (1)前記加飾フィルムの抜き捨て部に少なくとも2箇
所以上の位置決めピン孔部を穿設し、金型固定型に設け
られた位置決めピンにより位置決めを行った後、(2)
金型固定型と可動型によって形成された切り刃により加
飾フィルムの加飾部と抜き捨て部を切断してなる成形方
法。ならびに(1)前記加飾フィルムに光電管読み取り
装置に対応した位置決めマ−クを配設すると共に、
(2)光電管式位置決め装置を装備し、かつ金型固定型
と金型可動型によって形成された切り刃により、(3)
該加飾フィルムの加飾部と抜き捨て部を切り離す機構を
備えた射出成形金型内に供給し、(4)連続的に一体成
形、及び切断分離してなる成形加工方法、さらに(1)
前記加飾フィルムに光電管読み取り装置に対応した位置
決めマ−クを配設し、(2)かつ一体成形後の外径部に
相当する箇所には切り離しの為の外周抜き線孔を持つロ
−ル状加飾フィルムを、(3)光電管式位置決め装置を
装備した射出成形金型内に供給し、(4)連続的に一体
成形及び切断分離してなる成形加工方法により達成され
る。
【0015】上記のように構成された本発明に係る成形
加工方法によれば、加飾フィルムと射出成形からなる一
体成形品で、かつ表示面等が平面的でない三次曲面表示
板のフィルムインサ−ト成形加工方法において、従来の
外径周縁部の絞り加工や熱曲げ加工を不要とし、さらに
加飾フィルムの外径周端を成形品の外周端縁部に巻き込
み形成できるため、デザイン向上と併せ工程簡略化なら
びにコスト低減できるように働く。
【0016】また、本発明に係る成形加工方法によれ
ば、従来位置決めの為に加飾フィルムを予め外径形状に
打ち抜き、さらに射出成形時での1枚毎の手作業での金
型への挿入、及びセッティングの際の傾きによる位置ず
れ等で、曲がり角度がばらつく為位置決めが不安定であ
ったが、定位置に正確な位置決めができるように働く。
【0017】さらに、本発明に係る成形加工方法によれ
ば、キ−操作部を凸状又は膨隆状に盛り上げるキ−エン
ボスの形成において、膨隆部の加工を妨げないように凹
部を設けると共に、金型移動型には別パ−ツとして所望
の形態のキ−エンボス部を形成するためのパンチを交換
自在に装着固定させ、キャビイティに射出成形樹脂を流
入させて成形し、金型から排出された時点でフィルムの
持つ弾性により平面復元作用が起こり平均化がなされ、
かつキ−エンボス部の外周端縁部では成形金型内で加わ
った応力が強く残る為、緩い三次曲面状態が得られるよ
うに働く。また、キ−エンボス部を金型固定型と金型移
動型で加飾フィルムを挟み込んでエンボス形成を行うよ
うな場合、塗膜の重なり合う不連続部に異常な応力が加
わり塗膜のクラックを生ずる欠点があるが、本発明の金
型構造によれば、加飾フィルムに加わる応力は、金型移
動型に取り付けられたパンチによるものだけであって、
このような欠点を解消できるように働く。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の一実施例を示す成形加工後の
三次曲面成形品の断面説明図、図2は本発明の方法に係
る三次曲面成形品の加飾部を切断分離する前の加飾フィ
ルムを示す平面説明図である。
【0019】図1〜2において、1は本発明の成形加工
方法により得られた三次曲面成形品本体、2は加飾フィ
ルム、該加飾フィルム2の内側には穿設した外周抜き線
孔5により囲繞された文字、記号、図形等による加飾部
3が配設されている。6は該加飾フィルム2の加飾部3
を切断分離した余白部分である抜き捨て部、4は位置決
めの為の位置決めピン孔部、7は成形品に成形加工され
たときの巻き込み部、8は加飾フィルム2の外径周端、
9は該成形品本体1に成形されたときの外周端縁部、1
0は成形樹脂である。
【0020】図3は本発明に係る成形加工方法での金型
操作前の金型要部を示す断面説明図であり、図4は金型
操作時の金型要部を示す断面説明図である。図3ないし
図4において、成形金型12では金型固定型13と金型
可動型14が対峙して配設されており、金型固定型13
には位置決めピン15および該位置決めピンと対応する
金型孔部16が設けられ、成形金型12が締められると
き、すなわち金型孔部16と位置決めピン15により位
置決めされた加飾フィルム2が、金型可動型14によっ
て金型固定型13の内側に押し込まれた後、次に射出成
形によって金型固定型13のキャビティ11に押し込ま
れ形成された成形樹脂10の外周端縁部9の全周囲に、
加飾フィルム2の巻き込み部7を有し、全体が三次元形
状をもった一体成形樹脂製品である三次曲面成形品本体
1を形成することができる。
【0021】上記図3ないし図4において、金型固定型
13に加飾フィルム2がセットされ該金型固定型13に
設けた位置決めピン孔部4に位置決めピン15を挿入
し、金型可動型14が締められた後、射出成形により樹
脂を注入して加飾フィルム2の外径周端8が一体成形後
の成形樹脂10の外周端縁部9の全周囲に、巻き込み部
7を、その全周にわたって形成することができる構成と
なっている。この場合、セットされた加飾フィルム2は
挟まれた状態で金型固定型13と金型可動型14が締め
られるが、加飾フィルム2は挟み込まれ、射出成形によ
り樹脂が金型固定型13のキャビティ11の箇所に嵌ま
り込み、成形後の一体成形品の外周端縁部9の全周囲に
巻き込み部7が形成される。金型固定型13と金型可動
型14が締まった状態であるが、例えば125μmの加
飾フィルム2の場合、約100μm前後のクリアランス
を持つキャビティ11の存在が推認される。
【0022】上記の成形加工方法において、例えば通常
の巻き込み部7は1〜2mmであるが、成形加工処理後
は加飾フィルムが少許伸びることに起因し、1.5〜
2.5mmに仕上げることができる。また、該外周抜き
線孔5の箇所は、いわゆるミシン目接続の方式を採択し
ているが、成形加工製品の仕上がりからみても、例えば
加飾フィルム2の保持が安定すれば、該外周抜き線孔5
の箇所はできるだけ少なくするのが好ましい。
【0023】また、別実施例として、該加飾フィルム2
を上記のとおり金型固定型13にセットし、金型可動型
14により成形金型12が締まった状態で、該金型12
の外径周端8より少許略1〜2mm、必要により1〜5
mm外側を切除し、加飾フィルム2を挟んだ状態で、射
出成形による樹脂注入による流動押圧で該加飾フィルム
2が成形金型12内に嵌まり込み、成形後の三次曲面成
形品本体1での外周端縁部9の巻き込み部7、すなわち
曲がり角度部分を形成した三次曲面成形品本体1が得ら
れる。上記成形加工方法では、金型固定型13と可動型
14が加飾フィルム2を挟んで浮いている状態のためバ
リの発生を伴う虞れはあるが、成形加工の条件などを適
宜設定することによりバリ発生を防ぐことができる。
【0024】上記の成形加工方法によれば、加飾フィル
ム2の外径周端8の外周切り加工が不要となり、1工程
を削減できる利点があり、また、たとえばロ−ル状のフ
ィルムを使用することにより自動成形加工が可能とな
る。なお、ロ−ル状の加飾フィルム2を使用する自動成
形加工は可能であるが、1工程が余分に付加される。
【0025】次に、電子機器などで使用するスイッチ部
の操作性を改善するために、キー操作部を凸状若しくは
膨膨状に盛り上がるいわゆるキーエンボスは、従来から
多くの公知例ないし提案がみられるところであるが、本
発明に係る方法において、キーエンボス部を付与する方
法について説明する。
【0026】図5は、本発明に係るキーエンボス部周辺
の成形金型内の断面説明図である。金型固定型13に
は、キーエンボス部19の膨膨部24の加工を妨げない
ように凹部23が設けられている。また、金型可動型1
4には、キ−エンボス部19を形成するためのパンチ1
8がセットされている。パンチ18は、キーエンボス部
19の出来映えに合わせて修正や変更が可能なように、
別パーツで構成され金型移動型14に固定されている。
金属固定型13に設けられた凹部の垂直部は0度乃至3
0度のテーパー角を持って形成されており、また、金型
移動型14に取り付けられたパンチ18の垂直部先端は
3度乃至45度のテーパー角を持って形成されている。
パンチ18の天面部は完全な平面若しくは緩い3次曲面
状に形成されており、その形状は膨隆部24の狙いの形
状によって決定される。
【0027】図6は、上記のような構成において、金型
固定型13及び金型移動型14によって形成されたキャ
ビティ11に射出成形樹脂を流入し一体化した状態に形
成されたものである。17は成形樹脂部、25は外周縁
部である。
【0028】図7は、図6で示した一体成型物を成形金
型から取り出し、冷却した後の状態である。加飾フィル
ムのキーエンボス形状は成形金型12内では金型固定型
13及び金型移動型14によって規制された状態を保っ
ているが、金型から排出された時点で本来の加飾フィル
ム2の持つ弾性によって平面復元作用が起こり、平均化
がなされる。このとき、成形樹脂部17によって固定さ
れているキーエンボス部19の外周縁部25では成形金
型12内で加わった応力が強く残るため、比較的成形金
型12内での形状に近い形状となり、中央部にいくに従
って緩い3次曲面状態を呈する。
【0029】本発明に係る方法では、金型固定型13及
び金型移動型14の凹凸部に設けられたテーパー角とパ
ンチ天面部形状は、要するにキーエンボス部19の加飾
フィルム2の延びしろと外周縁部25の形状を確保する
ものであって、公知例の一部にみられるような形状を挟
み込んで決めるものではない。これらの公知例では、加
飾フィルム2の熱可塑性によって、成形金型12の内部
温度によりキーエンボス形状が得られることを前提にし
ている由であるが、例えばキーエンボス加工に供せられ
る代表的な素材であるポリエチレンテレフタレート材の
実質的な熱変形温度は、150℃以上であり、一般的な
射出成形に於ける90℃乃至120℃前後の金型内温度
では到底実施不可能である。さらに、公知例でみられる
ようなキーエンボス部19を、金型固定型13と金型移
動型14で加飾フィルム2を挟み込んでエンボス形成を
行うような構造とした場合、該キーエンボス部19に文
字部21や拡散印刷部20などの不連続部があった場合
は不具合を生じる。
【0030】図8は、本発明において、キーエンボス部
19にスイッチ部の説明文字「電源源入切」及び内部に
発光LEDを設置し、且つそれの対応位置には、半透明
の拡散印刷部20を持つエンボスキーの一例である。ま
た、図9は図8の該エンボスキ−部19の断面図であ
る。
【0031】図8および図9において、加飾フィルム2
には、文字部21と拡散印刷部20およびベース色22
からなる加飾部3が印刷手法により形成されている。文
字部21とベース色22が重なり合う部分、また、ベー
ス色22と拡散印刷部20が重なり合う部分ではインキ
塗膜の厚みに不連続状態が生じる。さらに、かかる構成
においては、金型固定型13と金型移動型14で挟み込
んで成形加工を行った場合、これら塗膜の重なり合う不
連続部に異常な応力が加わり、重なり部分の境界線付近
に塗膜のクラックを生じる難点がある。しかし、本発明
の方法に係る金型構造では、加飾フィルム2に加わる応
力は金型移動型14に取り付けられたパンチ18による
ものだけであるので、インキ塗膜の厚みの不連続状態の
発生、或いは重なり部分の境界線付近に塗膜のクラック
を生ずることがない。
【0032】以上本発明に係る一実施例を図面により詳
述したが、具体的な構成はこの実施例に限られるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等が
あっても本発明に含まれる。
【0033】
【発明の効果】本発明は上記のごとく構成したので、成
形金型枠内で三次曲面形状に押圧成形してなるフィルム
インサ−ト成形加工方法で、従来の熱曲げ加工を不要と
し、加飾フィルムと樹脂との一体成形品の外周端縁部に
巻き込み部を形成し、工程省略ならびにコスト低減を図
り得る。また、金型固定型に設けた凹部及び相対峙する
両金型の間隙箇所のテ−パ−角や形状、並びに金型移動
型に別パ−ツとして装着固定したパンチ操作により、電
子機器等で使用するスイッチ部での所望の凸状又は膨隆
状のキ−操作部のキ−エンボス成形加工を効率よく実施
できる。さらに、モ−ルド成形等での複雑な装置、機構
を必要とせず、従来の成形加工方法で、曲がり角度がば
らつく為位置決めが不安定である等の難点を解消し、構
成簡易で、加工工程の短縮と簡易化等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す成形加工後の三次曲面
成形品の断面説明図である。
【図2】本発明に係る方法での加飾フィルムの一実施例
を示す平面説明図である。
【図3】本発明に係る成形加工方法での成形金型の要部
を示す断面説明図である。
【図4】上記成形金型の締められた状態を示す金型の要
部を示す断面説明図である。
【図5】本発明に係るキーエンボス部周辺の成形金型内
の断面説明図である。
【図6】キャビティに成形樹脂を流入させた一体成形物
の状態を示す断面説明図である。
【図7】図6の一体成形物を金型から取り出し冷却した
状態を示す断面説明図である。
【図8】本発明におけるエンボスキ−の一例を示す斜視
説明図である。
【図9】エンボスキ−部の断面説明図である。
【符号の説明】
1 三次曲面成形品本体 2 加飾フィルム 3 加飾部 4 位置決めピン孔部 5 外周抜き線孔 6 抜き捨て部 7 巻き込み部 8 外径周端 9 外周端縁部 10 成形樹脂 11 キャビティ 12 成形金型 13 金型固定型 14 金型可動型 15 位置決めピン 16 金型孔部 17 成形樹脂部 18 パンチ 19 キ−エンボス部 20 拡散印刷部 21 文字部 22 ベース色 23 凹部 24 膨隆部 25 外周縁部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加飾フィルムを金型固定型に押し込みセ
    ットし射出成形により押圧成形し一体化してなる三次曲
    面成形表示板の成形加工方法において、前記加飾フィル
    ムの加飾部と抜き捨て部を接続する外周抜き線孔、及び
    位置決めの為のピン孔部を少なくとも2箇所以上設け、
    次いで前記加飾フィルムを金型固定型に設置した位置決
    めピンに挿入してセットし、成形金型の締め操作を行っ
    た後、前記加飾フィルムを挟んで金型固定型のキャビテ
    ィに樹脂の注入を行なう射出成形によって、該フィルム
    の加飾部と抜き捨て部が外周抜き線孔の箇所で切断され
    ると共に、成形品の外周端縁部に巻き込み部を形成せし
    めてなることを特徴とする三次曲面成形表示板の成形加
    工方法。
  2. 【請求項2】 前記加飾フィルムを所望の位置にセット
    し、成形金型が締められる際に、該成形金型の外径周端
    より少許外側を切除し、該加飾フィルムを挟んだ状態で
    樹脂を金型固定型内に注入し、該樹脂の充填圧で加飾フ
    ィルムが金型固定型のキャビティに嵌まり込み成形加工
    品の外周端縁部での巻き込み部を形成せしめてなる請求
    項1記載の三次曲面成形表示板の成形加工方法。
  3. 【請求項3】 前記金型固定型にキ−エンボス部の膨隆
    部の加工を妨げないように凹部を設けると共に、金型移
    動型には別パ−ツとして所望の形態のキ−エンボス部を
    形成するためのパンチを交換自在に装着固定させ、該金
    型移動型及び金型固定型によって形成されたキャビイテ
    ィに射出成形樹脂を流入させ、一体化した成形物を金型
    から取り出し、冷却を施し、中央部に従って緩い三次曲
    面を備えた一体成形物ならびにキ−エンボス部の膨隆部
    を形成せしめてなる請求項1又は2記載の三次曲面成形
    示板の成形加工方法。
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