JPH1171105A - ガラス状カーボン材及びその製造法 - Google Patents

ガラス状カーボン材及びその製造法

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JPH1171105A
JPH1171105A JP9226933A JP22693397A JPH1171105A JP H1171105 A JPH1171105 A JP H1171105A JP 9226933 A JP9226933 A JP 9226933A JP 22693397 A JP22693397 A JP 22693397A JP H1171105 A JPH1171105 A JP H1171105A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造期間が短くても焼成炭素化時の発泡・キ
レツの発生を防止し、良好な性状のガラス状カーボン材
が歩留良く得られるガラス状カーボン材の製造法及び産
業用部材または電子関連部材として優れた特性のガラス
状カーボン材を提供する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂を含む原料をゴム硬度が8
〜75の状態まで硬化した後、減圧し、さらに硬化した
後に焼成炭素化することを特徴とするガラス状カーボン
材の製造法及び最大閉気孔径が100μm以下、比重が
1500kg/m3以上であるガラス状カーボン材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス状カーボン
材及びその製造法に係わり、特に耐食性に優れた半導体
製造装置用部材、CVD装置用部材、スパッタリングタ
ーゲット用部材などに適したガラス状カーボン材及びそ
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス状カーボン材は、一般の炭素材料
が有する軽量性、耐熱性、耐食性、電気伝導性、高純度
化が可能である等の性質を備えているほか、ガス不透過
性、低発塵性、硬度が高く鏡面加工が可能である等の特
徴を持っていることから、エレクトロニクス産業、原子
力産業、航空産業等各種の分野での広範な用途に使用さ
れつつある。ガラス状カーボン材は一般に、熱硬化性樹
脂を原料とし、これを硬化した後に不活性雰囲気中で焼
成炭素化して得られるが、成形から高温での熱処理まで
の製造工程においては終始固相を経由するために、気体
あるいは液体に対して不透過性である。
【0003】このため、熱硬化性樹脂の硬化過程におい
て、縮重合反応によって生成する縮合水や分解ガス、原
料樹脂に含まれる揮発性モノマーが拡散されにくく、成
形体中に閉気孔が生成する要因となる。また、焼成炭素
化過程においては、樹脂の熱分解に伴って発生する分解
ガスやタール成分の拡散が不十分になると成形体に発泡
・キレツが発生し、目的とする形状のガラス状カーボン
が得られなくなり、あるいは発泡・キレツが発生するに
至らないまでも、タール成分が膨張して成形体中に閉気
孔を生成する。焼成炭素化過程で発生する分解ガスと
は、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、メタン、エタンな
ど常温・常圧下において気体である低分子量物質を指
し、タール成分とは樹脂が熱分解して生成する雑多な物
質で、常温・常圧下において液体である中分子量物質を
指す。
【0004】従来の技術では、焼成炭素化過程でのター
ル成分の発生量を抑えるために長時間かけて硬化を行う
方法や、焼成炭素化時の昇温速度を小さくして分解ガス
およびタール成分を成形体外に徐放する方法などによっ
て発泡・キレツの発生や大きな閉気孔の生成を防止する
方法が行われていたが未だその解決方法は見出されてい
ない。そのため、硬化や焼成をはじめとする製造時間を
大幅に短縮し、かつ発泡、亀裂の発生や大きな閉気孔の
生成を防止して耐食性に優れ、且つ目的の形状のガラス
状カーボンを歩留良く製造する方法の開発が要望されて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した要求
を満足するものである。即ち請求項1記載の発明は、製
造期間が短くても焼成炭素化時の発泡・キレツの発生を
防止し、良好な性状のガラス状カーボン材が歩留良く得
られるガラス状カーボン材の製造法を提供するものであ
る。また、請求項2記載の発明は、産業用部材または電
子関連部材として優れた特性のガラス状カーボン材を提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱硬化性樹脂
を含む原料をゴム硬度が8〜75の状態まで硬化した
後、減圧し、さらに硬化した後に焼成炭素化することを
特徴とするガラス状カーボン材の製造法に関する。また
本発明は、最大閉気孔径が100μm以下、比重が15
00kg/m3以上であるガラス状カーボン材に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のガラス状カーボンの製造
法では、熱硬化性樹脂を含む原料を用いる。前記熱硬化
性樹脂としては、フラン樹脂、フェノール樹脂、アミノ
樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキ
ッド樹脂、キシレン樹脂等を挙げることができる。ま
た、これら樹脂の混合物を用いることもできる。これら
の中で、炭化性、成形加工性等を考慮すると、フラン樹
脂又はフェノール樹脂が好ましく、フラン樹脂がより好
ましい。前記フラン樹脂の種類としては、フルフラール
樹脂、フルフラールフェノール樹脂、フルフラールケト
ン樹脂、フルフリルアルコール樹脂、フルフリルアルコ
ールフェノール樹脂などの樹脂の初期縮合物が好ましい
ものとして挙げられる。
【0008】熱硬化性樹脂を含む原料は、前記熱硬化性
樹脂のみである場合もあるが、必要に応じて前記樹脂の
硬化剤を用いることができ、その例としては酸又はアル
カリが挙げられる。酸としては硫酸、塩酸、硝酸、りん
酸等の無機酸、フェノールスルホン酸、硫酸アニリン、
ピクリン酸等の酸が好ましいものとして挙げられ、より
好ましくはフェノールスルホン酸、パラトルエンスルホ
ン酸p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有
機スルホン酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフロロ酢酸
等の有機カルボン酸等が好ましく、フェノールスルホン
酸及びパラトルエンスルホン酸がより好ましい。アルカ
リとしてはアンモニア、アミン類、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム等が好ましい。
【0009】硬化剤の使用量は、使用した樹脂の種類な
どによって変動するが、少なすぎると十分に硬化でき
ず、多すぎると急激に硬化反応がおこり発泡等がおこっ
てきれいな成形体を製造することが困難になるので、熱
硬化性樹脂に対して0.001〜20重量%の範囲とす
ることが好ましく、0.01〜15重量%の範囲とする
ことがより好ましい。硬化剤は、そのまま、または適宜
溶媒に溶解して熱硬化性樹脂に添加する。ここで用いる
溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアル
コール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、トル
エン等の芳香族類などが挙げられる。
【0010】本発明のガラス状カーボンの製造法では、
必要に応じて硬化剤や溶剤を樹脂に添加し、撹拌混合し
た出発原料を硬化してゴム硬度が8〜75の状態とし
(1次工程)、ここで減圧し(2次工程)、さらに硬化
する(3次工程)という3段階の工程を含み、ついで焼
成炭素化することを特徴とする。
【0011】ここでいう1次工程とは、熱硬化性樹脂に
必要に応じて硬化剤を添加して、初期の成形硬化をすす
める工程をいい、ゴム硬度が8〜75まで硬化を進め
る。ゴム硬度は10〜70になるまで硬化を行う進める
ことが好ましく、30〜60になるまで硬化を進めるこ
とがより好ましい。ここで、1次工程の硬化が8未満の
段階で2次工程である減圧工程に移行すると、減圧に続
いて行う、3次工程である加熱による硬化において架橋
を形成するために必要な量を超えるモノマー等を除去し
てしまうために、得られる製品には閉気孔が増えるとと
もに耐食性が低下する。一方、ゴム硬度が75を超える
段階で2次工程である減圧工程に移行しても、熱硬化性
樹脂の硬化がかなり進行しているために、縮合水や未反
応モノマーによる凝集跡が生成しており、得られる製品
には縮合水や未反応モノマーによる凝集跡に由来する閉
気孔が残存するとともに耐食性が低下する。
【0012】1次工程の硬化は、常圧下で行われること
が好ましく、硬化温度は成形加工性及び硬化反応制御の
容易さの点から、30〜100℃とすることが好まし
く、硬化時間は同様の点から、1〜70時間とすること
が好ましい。なお、本発明でいうゴム硬度とはJIS−
K−6301に準拠して測定することができる。測定装
置としては、例えば、(株)テクロック製ゴム硬度計(G
S−706N)を用いることができる。
【0013】続く2次工程は、前記1次工程の過程で生
成した縮合水や熱硬化性樹脂の初期縮合物に含有される
過剰な未反応モノマーを除去するための工程であり、減
圧することによりこの工程を行う。2次工程を省略した
場合、これに続く、加熱による硬化の過程において縮合
水や未反応モノマーが除去しきれずに樹脂成形体内部に
気孔を形成し、最終製品となるガラス状カーボン内部に
まで閉気孔を残留させる。また、1次工程の際に生成す
る縮合水や余分な未反応モノマーは、2次工程に続く硬
化を行う上で3次元網目構造の架橋形成反応を阻害する
要因となり、結果的に硬化時間の長期化や、3次元網目
構造が十分に形成されず、焼成炭素化時に多量のタール
成分を発生させる要因となる。なお、一般にこの減圧を
行う2次工程でも硬化は進行するが、硬化が全く進行し
なくともよい。
【0014】2次工程における、減圧の圧力は0.00
1〜3Torrが好ましく、0.01〜1Torrがより好まし
い。減圧における温度は、反応制御のしやすさの点か
ら、0〜70℃が好ましい。また、減圧時間は、対象と
なる成形体の大きさにより異なるが、一般に5時間〜1
ヶ月が好ましく、10時間〜20日がより好ましい。2
次工程は成形体の取り扱いの容易さの点から、得られる
成形体のゴム硬度が20〜85まで行うことが好まし
い。
【0015】続く3次工程では、さらに加熱により架橋
反応を進行させ、熱硬化性樹脂の3次元網目構造を発達
させ硬化させる。この工程は常圧下又は加圧下で行われ
ることが好ましい。3次工程の硬化は20〜300℃の
温度で行われることが好ましく、50〜200℃の温度
で行われることがより好ましい。硬化時間は3日〜30
日が好ましい。
【0016】以上により得られる樹脂成形体は、ついで
焼成炭素化してガラス状カーボン材とされるが、これは
不活性雰囲気下で行われることが好ましい。不活性雰囲
気下としては、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスや窒
素、水素、ハロゲン等の非酸化性ガスの少なくとも一種
又は二種以上の混合物からなる酸素を含まない気体雰囲
気下又は真空下をいう。焼成炭素化には、高度に純化さ
れた治具及び炉などを用いることができる。炭素化にお
ける温度は800〜3000℃が好ましいが、本発明で
は下記理由により1100〜2800℃が特に好まし
い。炭化時間は昇温速度、最高温度での保持時間等によ
り大きく異なるが、5時間〜30日が好ましい。
【0017】ここで焼成炭素化を1100℃未満の温度
で処理して得られるガラス状カーボンは比重が1500
kg/m3未満であったり、直径100μmを超える大きな
閉気孔を有するため耐食性が低下する傾向があり、28
00℃を超える温度で熱処理して得られるガラス状カー
ボンは耐食性が低下する傾向にある。
【0018】本発明のガラス状カーボン材は、以上の方
法により得ることができ、その特徴は、最大閉気孔径が
100μm以下、好ましくは50μm以下、より好まし
くは30μm以下、さらに好ましくは10μm以下、特
に好ましくは1μm以下であり、比重は1500kg/m3
以上、好ましくは1520kg/m3以上である。この最大
閉気孔径及び比重を満たすものは、耐食性に優れ、産業
用部材として、また、電子関連部材として大変優れた特
性を示すものである。なお、前記方法によれば、減圧工
程(2次工程)により、焼成炭素化時にタール成分が大
量に発生することによる残炭率の低下、ひいてはガラス
状カーボンの比重の低下を避けることができ、また、タ
ール成分の発生量が小さくなることにより最大閉気孔径
を抑制することができる。
【0019】なお、前記最大閉気孔径は製品の不特定の
断面における任意の位置の厚み方向を金属顕微鏡にて測
定した閉気孔径のうち最大のものをいう。また、前記比
重はJIS−R−7222−1979の方法にしたがっ
て測定することができる。本発明のガラス状カーボン材
は、プラズマエッチング用電極、ハードディスク基板、
りん酸型燃料電池セパレーター、耐酸容器部材、半導体
用装置部材、化学分析用電極、カーボンスパッタ用ター
ゲット等として有用である。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 原料樹脂にフラン樹脂(日立化成工業(株)製、VF−3
03)100重量部に対し、硬化剤としてパラトルエン
スルホン酸0.6重量部を加え、アルミシャーレに注形
して50℃加熱下で、3時間で成形し次いで7時間で硬
化を行い、厚さ6mmで直径300mm、ゴム硬度70の円
板形状の樹脂成形体を得た(1次工程)。この樹脂成形
体を0.1Torrの減圧下、30℃で1日間硬化した(2
次工程)。このときのゴム硬度は80であった。次いで
70℃で5日、90℃で5日で加熱により硬化した(3
次工程)後、窒素雰囲気下にて0.5℃/分の昇温速度
で最高900℃で10時間保持して焼成炭素化を行った
後、アルゴン雰囲気下にて1℃/分の昇温速度で最高2
200℃で10時間保持し熱処理した。得られたガラス
状カーボンに発泡・キレツは発生しなかった。
【0021】上記のガラス状カーボンを破断して破面の
閉気孔観察と水中置換法による比重測定を行った。測定
結果を表1に示す。また、10mm×10mm×3mmの直方
体のテストサンプルを製作し、600℃の空気中で5分
間保持して酸化消耗を測定した結果を表1に併記する。
表1から、本実施例は最大閉気孔径が0.5μmと非常
に小さく、比重は1526kg/m3と高く、酸化消耗は
0.03mg/cm2・分と耐酸化性に優れており、非常に優
れた特性を示した。なお、ゴム硬度とはJIS−K−6
301に準拠して(株)テクロック製(GS−706N)
により測定し、酸化消耗とは製品から切出した試料片を
600℃空気中で5分間保持した時の重量減少から算出
した値をいい、比重はJIS−R−7222−1979
の方法で測定した値をいう。
【0022】実施例2 実施例1の原料樹脂及び硬化剤を用い、アルミシャーレ
に注形して50℃加熱下で3時間で成形し、次いで1時
間で硬化を行い、厚さ6mmで直径250mm、ゴム硬度1
0の円板形状の樹脂成形体を得た(1次工程)。この樹
脂成形体を0.1Torrの減圧下で20℃で5日間硬化し
た(2次工程)。このときのゴム硬度は28であった。
次いで70℃で5日、90℃で3日で加熱により硬化し
た(3次工程)後、窒素雰囲気下にて0.5℃/分の昇
温速度で最高900℃で10時間保持して焼成炭素化を
行った後、1×10-5Torrの真空中で1℃/分の昇温速
度で最高温度1100℃で8時間処理した。得られたガ
ラス状カーボンに発泡・キレツは発生しなかった。
【0023】上記のガラス状カーボンを破断して破面の
閉気孔観察と水中置換法による比重測定を行った。測定
結果を表1に示す。また、10mm×10mm×3mmのテス
トサンプルを製作し、600℃空気中で5分間保持して
酸化消耗を測定した結果を表1に併記する。表1から、
本実施例は最大閉気孔径が100μmと小さく、比重は
1500kg/m3と高く、酸化消耗は0.05mg/cm2・分と
耐酸化性に優れており、非常に優れた特性を示した。
【0024】実施例3 原料樹脂にフラン樹脂(日立化成工業(株)製、VF−3
03)100重量部に対し、硬化剤としてフェノールス
ルホン酸1重量部を加え、アルミシャーレに注形して7
0℃加熱下で1時間で成形し、次いで3時間で硬化を行
い、厚さ5mmで直径500mm、ゴム硬度60の円板形状
の樹脂成形体を得た(1次工程)。この樹脂成形体を
0.1Torrの減圧下で1日間硬化した(2次工程)。こ
のときのゴム硬度は65であった。次いで70℃で5
日、90℃で5日で加熱により硬化した(3次工程)
後、窒素雰囲気下にて0.5℃/分の昇温速度で最高9
00℃で10時間保持して焼成炭素化を行った後、次い
で1×10-4Torrの真空中にて最高温度1800℃で5
時間保持し熱処理した。得られたガラス状カーボンに発
泡・キレツは発生しなかった。
【0025】上記のガラス状カーボンを破断して破面の
閉気孔観察と水中置換法による比重測定を行った。測定
結果を表1に示す。また、10mm×10mm×3mmのテス
トサンプルを製作し、600℃空気中で5分間保持して
酸化消耗を測定した結果を表1に併記する。表1から、
本実施例は最大閉気孔径が25μmと非常に小さく、比
重は1546kg/m3と高く、酸化消耗は0.03mg/cm2
分と耐酸化性に優れており、非常に優れた特性を示し
た。
【0026】実施例4 原料樹脂にフラン樹脂(日立化成工業(株)製VF−30
3)100重量部に対し、硬化剤としてフェノールスル
ホン酸0.6重量部を加え、アルミシャーレに注形して
50℃加熱下で1時間で成形し、次いで3時間で硬化を
行い、厚さ5mmで直径500mm、ゴム硬度53の円板形
状の樹脂成形体を得た(1次工程)。この樹脂成形体を
0.1Torrの減圧下で1日間硬化した(2次工程)。こ
のときのゴム硬度は70であった。次いで70℃で5
日、90℃で5日で加熱により硬化した(3次工程)
後、窒素雰囲気下にて0.5℃/分の昇温速度で最高9
00℃で10時間保持して焼成炭素化を行った後、次い
で1×10-4Torrの真空中にて最高温度2200℃で5
時間保持し熱処理した。得られたガラス状カーボンに発
泡・キレツは発生しなかった。
【0027】上記のガラス状カーボンを破断して破面の
閉気孔観察と水中置換法による比重測定を行った。測定
結果を表1に示す。また、10mm×10mm×3mmのテス
トサンプルを製作し、600℃空気中で5分間保持して
酸化消耗を測定した結果を表1に併記する。表1から、
本実施例は最大閉気孔径が10μmと非常に小さく、比
重は1550kg/m3と高く、酸化消耗は0.02mg/cm2
分と耐酸化性に優れており、非常に優れた特性を示し
た。
【0028】比較例1 原料樹脂にフラン樹脂(日立化成工業(株)製VF−30
3)100重量部に対し、硬化剤としてパラトルエンス
ルホン酸0.5重量部を加え、アルミシャーレに注形し
て50℃加熱下で3時間で成形を行い、次いで5時間で
硬化を行い、厚さ5mm、直径300mm、ゴム硬度55の
円板形状の樹脂成形体を得た。この樹脂成形体を70℃
で30日、90℃で30日で加熱硬化した後、窒素雰囲
気下にて0.5℃/分の昇温速度で最高900℃で10
時間保持し焼成炭素化を行った。焼成炭素化後に成形体
を取出したところ、成形体は発泡によって元の形状を留
めていなかった。水中置換法により上記の発泡したガラ
ス状カーボンの破片について比重測定を行った。測定結
果を表1に示す。また、10mm×10mm×3mmのテスト
サンプルを製作し、600℃空気中で5分間保持して酸
化消耗を測定した結果を表1に併記する。
【0029】比較例2 原料樹脂にフラン樹脂(日立化成工業(株)製VF−30
3)100重量部に対し、硬化剤としてフェノールスル
ホン酸1重量部を加え、アルミシャーレに注形して50
℃加熱下で1時間で成形し、次いで1時間で硬化を行
い、厚さ5mmで直径500mm、ゴム硬度5の円板形状の
樹脂成形体を得た。この樹脂成形体を0.1Torrの減圧
下で1日間硬化した。このときのゴム硬度は7であっ
た。次いで70℃で5日、90℃で5日で加熱により硬
化した後、窒素雰囲気下にて0.5℃/分の昇温速度で
最高900℃で10時間保持して焼成炭素化を行った
後、次いで不活性雰囲気中にて最高温度1100℃で5
時間保持し熱処理した。得られたガラス状カーボンに発
泡・キレツは発生しなかった。上記のガラス状カーボン
を破断して破面の閉気孔観察と水中置換法による比重測
定を行った。測定結果を表1に示す。また、10mm×1
0mm×3mmのテストサンプルを製作し、600℃空気中
で5分間保持して酸化消耗を測定した結果を表1に併記
する。
【0030】比較例3 原料樹脂にフラン樹脂(日立化成工業(株)製VF−30
3)100重量部に対し、硬化剤としてフェノールスル
ホン酸3重量部を加え、アルミシャーレに注形して50
℃加熱下で2時間で成形し、次いで5時間で硬化を行
い、厚さ5mmで直径500mm、ゴム硬度80の円板形状
の樹脂成形体を得た。この樹脂成形体を0.1Torrの減
圧下で1日間硬化した。このときのゴム硬度は89であ
った。次いで70℃で5日、90℃で5日で加熱により
硬化した後、窒素雰囲気下にて0.5℃/分の昇温速度
で最高900℃で10時間保持して焼成炭素化を行った
後、次いで1×10-4Torrの真空中にて最高温度240
0℃で5時間保持し熱処理した。得られたガラス状カー
ボンに発泡・キレツは発生しなかった。上記のガラス状
カーボンを破断して破面の閉気孔観察と水中置換法によ
る比重測定を行った。測定結果を表1に示す。また、1
0mm×10mm×3mmのテストサンプルを製作し、600
℃空気中で5分間保持して酸化消耗を測定した結果を表
1に併記する。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】請求項1記載のガラス状カーボン材の製
造法によれば、製造期間が短くても焼成炭素化時の発泡
・キレツの発生を防止し、耐食性等に優れる良好な性状
のガラス状カーボン材が歩留良く得られる。また、請求
項2記載のガラス状カーボン材は、産業用部材または電
子関連部材として優れた耐食性等の特性を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂を含む原料をゴム硬度が8
    〜75の状態まで硬化した後、減圧し、さらに硬化した
    後に焼成炭素化することを特徴とするガラス状カーボン
    材の製造法。
  2. 【請求項2】 最大閉気孔径が100μm以下、比重が
    1500kg/m3以上であるガラス状カーボン材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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