JPH1170306A - 水域浄化設備、水域浄化用マット、水域浄化用マットの押え杭用案内装置、ヘドロ回収設備および濾過式水域浄化装置の濾過材支持体 - Google Patents

水域浄化設備、水域浄化用マット、水域浄化用マットの押え杭用案内装置、ヘドロ回収設備および濾過式水域浄化装置の濾過材支持体

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JPH1170306A
JPH1170306A JP9249371A JP24937197A JPH1170306A JP H1170306 A JPH1170306 A JP H1170306A JP 9249371 A JP9249371 A JP 9249371A JP 24937197 A JP24937197 A JP 24937197A JP H1170306 A JPH1170306 A JP H1170306A
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water area
mat
purifying
purification device
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Tomoo Kimura
知雄 木村
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TANAKA SANSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】濾過式浄化装置は、新設の人口池や小規模で水
底を固化処理してある閉鎖水域においては、汚染物質が
少ないため有効であるが、汚染物質の多い閉鎖水域で
は、濾過式浄化装置の能力をこえて、閉鎖水域の浄化が
できないのが現状である。即ち、濾過槽が浮遊物質で短
期間のうちに詰まってしまい、水を浄化できなくなって
しまっている。さらに、規模が大きい閉鎖水域も同様
で、水域浄化装置を設置したにもかかわらず、その効果
が期待できないため運転をとりやめているところが大半
である。 【解決手段】池1に植栽した仕切り体2、3を配置して
形成した水路4と、水路4の下流側の端に濾過式水域浄
化装置13とを備え、仕切り体2、3は天然ゼオライト
等の天然多孔質岩石を包み込んだヤシ繊維のブロック
8、10によって構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水域浄化設備に係
り、特に汚染の進んだ池、湖沼等の閉鎖水域の水を浄化
することができる水域浄化設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、地球環境に関する意識が高まり、
環境保全と破壊された自然環境の改修に関心が集まって
いる。特に、池、湖沼等の閉鎖水域の富栄養化による水
質悪化とアオコの大量発生、これに伴うヘドロの堆積が
問題となっている。また護岸工事、浚渫などの土木工
事、さらに改修工事と称して閉鎖水域の水を抜き取り、
水底を固化剤で処理し固めるなどすることにより、本来
水域の自浄作用と生態系に重要な役割を果たしていた水
性植物群落が失われている。その結果、閉鎖水域が本来
持っていた自浄作用の低下による水質悪化の進行と自然
環境および生態系の破壊が問題となってきている。こう
した中で、様々な水域浄化装置が開発されている。水域
浄化装置は、濾過式のものが主流であり、小石、セラミ
ック等の濾過材が収容された濾過槽を備えており、閉鎖
水域の水を濾過槽に導入して、汚染物質を微生物によっ
て分解した後、閉鎖水域に戻す構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】濾過式浄化装置は、新
設の人口池や小規模で水底を固化処理してある閉鎖水域
においては、汚染物質が少ないため有効であるが、汚染
物質の多い閉鎖水域では、濾過式浄化装置の能力をこえ
て、閉鎖水域の浄化ができないのが現状である。即ち、
濾過槽が浮遊物質で短期間のうちに詰まってしまい、水
を浄化できなくなってしまっている。なお、浮遊物質は
堆積するとヘドロとなるものである。さらに、規模が大
きい閉鎖水域も同様で、水域浄化装置を設置したにもか
かわらず、その効果が期待できないため運転をとりやめ
ているところが大半である。なお、濾過式水域浄化装置
の濾過材を頻繁に洗浄したり、交換したりするのは、コ
スト的に到底見合うものではない。
【0004】一方、ヤシ繊維を丸太状に形成したりマッ
ト状とした植栽ベースを閉鎖水域の水辺に配置して、こ
の植栽ベースに水性植物等を植えて自然環境を回復する
試みがなされている。
【0005】ヤシ繊維の植栽ベースに植栽するために
は、カッター等の工具を用いて、ヤシ繊維の植栽ベース
に穴や切り込みを形成する作業を現場で行わなければな
らないが、カッター等の工具を現場に搬送しなくてはな
らず、しかも作業場所の足場が悪い場合もあり、極めて
作業能率が悪いという問題がある。また、現場で植栽ベ
ースの正確な位置に穴や切り込み形成するのは難しく、
設計通りに植栽することができないという問題もある。
【0006】本発明は上記従来の問題点に着目してなさ
れたものであり、水質のかなり悪化した閉鎖水域であっ
ても、濾過式水域浄化装置の濾過材の洗浄、交換を頻繁
に行うことなく、濾過式水域浄化装置を長期にわたって
運転することができ、また、植栽ベース等を用いた工事
において、作業能率がよく、しかも設計通りの位置に植
栽できる水域浄化設備を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、池、
湖沼等の閉鎖水域に仕切り体を配置して形成した水路
と、前記水路の下流側の端に濾過式水域浄化装置とを備
えたことを特徴とする水域浄化設備である。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載の水域浄
化設備において、仕切り体は天然ゼオライト等の天然多
孔質岩石を包み込んだヤシ繊維のブロックによって構成
されていることを特徴とする水域浄化設備である。
【0009】請求項3は、請求項2記載の水域浄化設備
において、ヤシ繊維のブロックには植栽用の穴があけら
れていることを特徴とする水域浄化設備である。
【0010】請求項4は、ヤシ繊維をマット状に成形
し、マット状のヤシ繊維の内部空間に天然ゼオライト等
の天然多孔質岩石を収容したことを特徴とする水域浄化
用マットである。
【0011】請求項5は、請求項4記載の水域浄化用マ
ットにおいて、水域浄化用マットを水底に固定するため
の押え杭を打ち込む位置に穴があけられていることを特
徴とする水域浄化用マットである。
【0012】請求項6は、水域浄化用マットを水底に固
定するための押え杭の案内装置として使用するものであ
って、水底に打ち込まれたガイド杭が貫通する貫通部
と、前記押え杭を水域浄化用マットの所定位置へガイド
するガイド部とを備えたことを特徴とする水域浄化用マ
ットの押え杭用案内装置である。
【0013】請求項7は、水中の浮遊物質を沈降させる
ための傾斜板と、前記傾斜板によって沈降させられたヘ
ドロが堆積する堆積部と、前記堆積部に溜ったヘドロを
吸い取るための吸い取りパイプと、ヘドロを吸い取る前
に堆積部に高圧水を吐出させるための吐出パイプとから
構成されるヘドロ回収設備である。
【0014】請求項8は、脚部によって支えられた基台
と、前記基台から上方へ突き出た突出部と、前記基台と
前記突出部に形成された多数の穴とを有し濾過式水域浄
化装置に装備され、水を浄化するための濾過材を支持す
る濾過材支持体において、前記基台には濾過材支持体ど
うしを並べて配置すると重なり合う重合部が形成されて
いることを特徴とする濾過式水域浄化装置の濾過材支持
体である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に従っ
て説明する。図1は、本発明の水域浄化設備20を複数
個設置した池1を概略的に示した図である。符号2、3
は仕切り体を示し、この仕切り体2、3によって水路4
が構成されている。図2、図3によって仕切り体2、3
の詳細な構造について説明する。同図において符号8、
10は直方体のブロックを示す。ブロック8はヤシ繊維
を圧縮加工して成形し、この中に天然多孔質岩石として
の天然ゼオライトや抗火石を装填して製造したものであ
る。天然ゼオライトは細く砕かれ、しかも加熱処理され
ている。またブロック10にはヤシ繊維の一部が削除さ
れ円形や長方形の穴11が形成されている。この穴11
には、植物Pが植えられている。穴11はブロック10
を工場で製作する際に形成されるので、施工現場で工具
を用いて穴11をあける作業を行う必要はない。
【0016】図4に示すように仕切り体2、3は、ブロ
ック8、10を組み合わせて積み重ね、さらに池1の水
底14に打ち込んだ杭5にロープやネットを用い連結固
定することによって形成されている。仕切り体2、3は
ブロック8とブロック10を組み合わせて構成されてい
るので、植物Pを植えたい部分に、穴11が形成された
ブロック10を配置すれば、設計通りに植栽することが
可能となる。
【0017】このようにブロック8、10を組み合わせ
て用いることにより、仕切り体2、3を作業能率よく製
作でき、しかも植栽を希望する箇所に穴11を有するブ
ロック10を配置して設計通りに植栽することができる
ようになる。池1の水辺や水底14には、後述する水域
浄化用マット49、ブロック9、10が備えられてい
る。
【0018】なお、ブロック8、10を構成しているヤ
シ繊維は、ヤシの実油等の生産に伴い大量に発生する産
業廃棄物であり、これを利用することはリサイクルとし
て役立つ。そしてヤシ繊維は天然繊維のなかで最も腐敗
しにくく、常時冠水する場所で10年以上使用できる。
さらにヤシ繊維は、保水性が良く多孔質であるため、微
生物の生息繁殖に適した構造であり、植物の根の成長を
促進する。また、植物が成長した後は、天然有機物であ
るため土に還元する等の特徴を備えている。
【0019】また、ブロック8、10に使用される天然
ゼオライトは、土壌改良材や水域浄化材として利用され
ている。天然ゼオライトの特性は、微細な多孔質で吸着
性にすぐれ、好気性微生物の繁殖に役立つ。特に、日本
で産出される天然ゼオライトのうち、ゼオライト含量約
79%、カチオン交換容量(cec)170(乾物10
0g当たりmeg)の高品質のものは、イオン交換性が
高く、またアンモニアを選択的に吸着する性質が高い。
従って、植物を栽培するための土壌として極めて有用で
ある。
【0020】水路4を通る水は、図1において矢印で示
す方向へ流れ、この流れ方向の上流側の端には、浮遊物
質除去装置6が設けられている。図4、図5に詳細に示
すように浮遊物除去装置6には、間隔をあけて配置され
た枠体7が備えられている。さらに枠体7の間には、拳
大以上の大きさの天然ゼオライト9a、抗火石9bが収
容されている。
【0021】水路4の上流側の端には、濾過式水域浄化
装置13が設けられている。図5、図6によって濾過式
水域浄化装置13の詳細な構成について説明する。符号
15はコンクリート製の濾過槽を示し、この濾過槽15
の水路4側の壁面には供給パイプ17が取り付けられ、
水路4から濾過槽15内に水を導入するようになってい
る。濾過槽15の底には濾過材支持体19が配置されて
いる。
【0022】図7、図8に濾過材支持体19の詳細な構
造を示す。符号21は矩形の基台を示し、この基台21
には6本の脚部23が設けられている。また基台21の
上面には突出部24が形成され、この突出部24は内部
が空洞となっている。即ち、突出部24は濾過材支持体
19の底面側から見ると凹んだ形状となっている。基台
21と突出部24には多数の小孔25が形成されてい
る。突出部24の各面は60度傾斜しており、また突出
部24の上面は平坦に形成されている。さらに、基台2
1の4つの辺のうちの隣合う2箇所には、重合部27が
形成され、他の2箇所には重合部29が形成されてい
る。重合部27は重合部29より低い位置に設けられ、
重合部27と重合部29は重なり合うようになってい
る。
【0023】濾過槽15はコンクリートによって製作す
るため、どうしても寸法誤差があるが、濾過材支持体1
9は、重合部27と重合部29との重なり合った部分の
寸法を調節することによって、対応することができる。
即ち、濾過槽15の内部の幅寸法(長さ寸法)が、大き
い部分では重合部27と重合部29との重なり合う部分
の寸法を小さくして複数並べた濾過材支持体19の幅寸
法(長さ寸法)を大きくし、濾過槽15の内部の幅寸法
(長さ寸法)が、小さい部分では重合部27と重合部2
9との重なり合う部分の寸法を大きくして、複数並べた
濾過材支持体19の幅寸法(長さ寸法)を小さくする。
【0024】濾過槽15の底に配置された濾過材支持体
19の上には、天然ゼオライト、抗火石等の濾過材31
が載せられ、濾過槽15に収容されている。パイプ33
は濾過材支持体19と濾過槽15の底面との間に連通
し、さらにパイプ33は、ポンプ34を介して送水パイ
プ35に連結されている。送水パイプ35は池1内へ延
び、分岐している。
【0025】池1には、4つのヘドロ回収設備37が設
けられている。図9、図10によってヘドロ回収設備3
7の詳細な構造を示す。符号39は堆積部を示し、この
堆積部39はすり鉢状で、この堆積部39の上方に複数
の傾斜板41が配置されている。傾斜板41は池の水の
流れ方向に対し約60度の傾きをもち、しかも下端が堆
積部39の方向へ向くように傾斜している。
【0026】符号40は吸い取りパイプを示し、この吸
い取りパイプ40の一端には拡大部43が設けられ、こ
の拡大部43は堆積部39の底に備えられ、吸い取りパ
イプ40の他端42は、池1の外へ延びている。吐出パ
イプ45の一端には分岐部47が設けられている。この
分岐部47は吸い取りパイプ40の拡大部43内に位置
しており、また吐出パイプ45の他端48は池1の外へ
延びている。
【0027】池1の底部には複数の水域浄化用マット4
9が敷設されている。図11、図12に水域浄化用マッ
ト49の詳細な構造を示す。水域浄化用マット49はヤ
シ繊維製の平板51を、同様にヤシ繊維製のスペーサ5
3を介して収容部55が形成されるように連結し、この
収容部55に天然ゼオライト9を封入して構成されてい
る。水域浄化用マット49の四隅には穴59が形成され
ている。
【0028】図13に水域浄化用マット49を固定する
押え杭52を水域浄化用マットの押え杭用案内装置58
を示す。水域浄化用マットの押え杭用案内装置58の構
成について説明する。符号61はガイドを示し、このガ
イド部61には上下方向へ延び、押え杭52が差し込ま
れる案内溝63が形成されている。またガイド部61に
は案内溝63に連なるスリット65が形成されている。
ガイド部61の下端には、設置部69が設けられてい
る。またガイド部61の背面には円筒状の貫通部66が
一体に設けられている。押え杭52にはT字形の頭部6
0が形成されている。
【0029】水域浄化用マットの押え杭用案内装置58
を用い押え杭52によって水域浄化用マット49を固定
する作業について説明する。まず、ガイド杭67を打ち
込む位置を出すため基準糸を張設し、この基準糸を目安
にして、図14に示すように複数のガイド杭67を水底
14に打ち込む。ガイド杭67は、水域浄化用マット4
9の穴59の間隔と等しい間隔をあけて配置する。次い
で、図15に示すように、ガイド杭67を水域浄化用マ
ット49の穴59に貫通させ、水域浄化用マット49を
水底14に沈める。
【0030】そして、図16に示すように押え杭用案内
装置58の貫通部66に押え杭52を通し、設置部69
を水域浄化用マット49に設置する。次に押え杭52を
案内溝63の上端から差し込む。押え杭52の頭部60
はT字形に形成されているので、頭部60の横方向へ延
びる部分は案内溝63に収容され、縦方向へ延びる部分
はスリット65から突出する。押え杭60は案内溝63
に案内され、その先端部が穴59に入り込む。次に、案
内溝63の上端部から棒状のハンマーを挿入して押え杭
60を水底14に打ち込み、頭部60によって水域浄化
用マット49を押えて固定する。その後、図17に示す
ようにガイド杭67を抜いて、水域浄化用マット49の
固定を終了する。上記のようにして水域浄化用マット4
9を敷設すれば、水止めや水抜きのできない池等でも所
望の位置に、水域浄化用マット49を敷設することがで
きる。
【0031】水域浄化用マット49の作用について説明
する。閉鎖水域の富栄養化の原因であるアオコ等の藻類
の繁殖に必要な主栄養素はリンと窒素である。さらに、
藻類の成長促進物質には、鉄、マンガン、プリン、ピリ
ミジンがある。これら藻類の主栄養素、成長促進物質
は、主として閉鎖水域外から流入するが、水底に堆積し
ているヘドロから溶出する割合も無視できない。閉鎖水
域の自浄作用が正常に働いている場合には、ヘドロから
溶出するこれらの物質は、水性植物により吸収された
り、酸化分解されて、水質は浄化されることになる。し
かし、汚染の進んだ閉鎖水域では、水性植物の植生が乏
しいため、藻類の主栄養素、成長促進物質の植物による
吸収量が少なく、また溶存酸素も少ないのであまり酸化
分解されない。従って、閉鎖水域が富栄養化状態とな
り、アオコ等の藻類が異常発生することになる。
【0032】水域浄化用マット49を水底14に敷設す
ることによって、ヘドロを覆い、藻類の主栄養素、成長
促進物質の溶出を抑えることができる。また、水域浄化
用マット49は、上述のようにヤシ繊維と天然ゼオライ
ト9によって構成されているので、水性植物が繁茂しや
すく、この水性植物によって藻類の主栄養素、成長促進
物質が吸収されることになる。さらに、水域浄化用マッ
ト49に予め水性植物を植えてから敷設すれば、より迅
速に藻類の主栄養素、成長促進物質が吸収されることに
なる。さらに、水域浄化用マット49は、ヤシ繊維と天
然ゼオライト9によって構成される多孔質構造であるた
め、水性植物の根がはりやすく、根と茎から放出される
酸素によって、藻類の主栄養素、成長促進物質が酸化分
解されることになる。また、水域浄化用マット49の多
孔質構造は、ヘドロを食料とするミミズや貝類等、さら
にヘドロを分解する微生物の生活環境を整えるので、こ
れらの小動物や微生物によるヘドロの分解も助長するこ
とになる。このようにして水域浄化用マット49によ
り、池1の水質が浄化される。
【0033】ヘドロ回収設備37の作用について説明す
る。堆積するとヘドロとなる浮遊物質は池1の水中を浮
遊しているが、この浮遊物質は、水流にのって傾斜板4
1に当たると、堆積部39へ導かれて堆積する。堆積部
39に堆積したヘドロは、吸い取りパイプ40の他端4
2に吸引ポンプを接続し、吸引して排出する。堆積部3
9のヘドロは流動性が悪くなるので、吸引開始時また
は、その直前に吐出パイプから高圧水を噴射し堆積39
部内のヘドロを撹拌すれば、確実に吸引することができ
る。
【0034】吸引したヘドロや底泥混濁水は、凝集剤を
利用した固液分離装置により固液分離される。そして処
理した水は池に戻し、固形物(凝集分離物)は土壌還元
するか廃棄処分する。上記のように水域浄化用マット4
9とヘドロ回収設備37により、ヘドロが除去され、し
かもその発生が抑制されるので、池1内のヘドロがかな
り減少することになる。そして池1内のヘドロがかなり
減少した状態で、以下に説明する水域浄化設備20によ
って、浮遊物質の殆どが除去される。
【0035】水域浄化設備20の作用について説明す
る。濾過式水域浄化装置13のポンプ34が作動する
と、池1内の水が浮遊物除去装置6を通り、水路4に流
れ込み、この際に浮遊物除去装置6によって比較的大き
な浮遊物が除去される。水路4に流入した水は、仕切り
体2、3に植えられている植物や微生物の作用によって
浄化され、浮遊物質が分解除去される。
【0036】次いで、水は濾過式水域浄化装置13の供
給パイプ17を通り、濾過槽15へ収容される。濾過槽
15へ収容された水は濾過材31によって濾過され、浮
遊物質が分解除去される。濾過材支持体19には突出部
24が設けられているので、小孔があいた平板状の濾過
材支持体より、接水面積が約35%増加し、水を迅速且
つ確実に濾過することができる。そして、濾過された水
はポンプ34によって送水パイプ35から池1へ送られ
る。なお、水路4へ流入する水の量、流速はポンプ34
がどの程度水を吸引するかよって決められるが、水が水
路4を通過する間にヘドロを充分に除去できる流量、流
速となるようにポンプ34の運転条件を決定する。
【0037】以上、本発明の実施の形態について詳述し
てきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設
計の変更などがあっても本発明に含まれる。例えばブロ
ック8、10は直方体状に限らず、円柱状等の形状とし
てもよい。またブロック8、10には、天然ゼオライト
と抗火石の両方を装填しているが、天然ゼオライト又は
抗火石を単独で使用してよい。また、上記実施の形態で
は、水域浄化用マット49を池1の水抜きをしないで、
水底14に敷設する場合を示したが、本発明はこれに限
定されず、池1の水抜き、又は水止めを行い、浚渫した
後に敷設してもよい。さらに、水域浄化用マット49は
水底14に敷設するだけでなく、ブロック8、9と共に
水辺に配置してもよい。このようにすれば、土砂が池1
に流入するのを抑えることができる。
【0038】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
仕切り体によって形成された水路を水が通過する間に浄
化され、濾過式水域浄化装置の負担を軽減することがで
き、かなり汚染が進んだ閉鎖水域でも、濾過材の交換、
洗浄を頻繁に行うことなく濾過式水域浄化装置を長期に
わたって運転することが可能となる。請求項2の発明で
は、仕切り体を天然ゼオライト等の天然多孔質岩石を包
み込んだヤシ繊維のブロックによって構成したので、仕
切り体に植えた植物の根付きが良く、さらに良好な生育
状態を得ることができる。
【0039】請求項3の発明では、ヤシ繊維のブロック
には任意の形状の植栽用の穴があけられているので、現
場でヤシ繊維のブロックに穴を開ける必要がなく、効率
の良い作業を行うことができるようになる。さらに、設
計通りの植栽を行うことが可能となる。請求項4の発明
の水域浄化用マットを水底に配置すれば、藻類の繁殖を
抑制でき、またヘドロを分解することができるようにな
る。さらに、この水域浄化用マットと共に請求項2のブ
ロックを水辺に配置すれば、土砂が閉鎖水域に流入する
のを防止することができる。
【0040】請求項5の発明の水域浄化用マットを使用
すれば、穴に通した押え杭を水底に打ち込んで、固定す
ることができる。請求項6の水域浄化用マットの押え杭
用案内装置を使用すれば、水域浄化用マットを水底の所
定位置に、抑え杭を用いて容易に固定することができる
ようになる。
【0041】請求項7のヘドロ回収設備では、浮遊物質
を堆積部に堆積させ、堆積部に堆積したヘドロを閉鎖水
域外に吸引して回収することができるようになる。請求
項8に濾過式水域浄化装置の濾過材支持体を用いれば、
濾過材支持体を配置する濾過槽の内部の幅寸法(長さ寸
法)に誤差があっても、重合部の重なり合う部分の寸法
を調節して対応でき、濾過式水域浄化装置の濾過材支持
体を隙間なく配置することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水域浄化設備を複数個設置した池を概
略的に示した図である。
【図2】本発明の水域浄化設備を構成する仕切り体の平
面図である。
【図3】本発明の水域浄化設備を構成する仕切り体の側
面図である。
【図4】本発明の水域浄化設備の水路部分の横断面図で
ある。
【図5】本発明の水域浄化設備の水路部分の部分平面図
である。
【図6】本発明の水域浄化設備の水路部分の縦断面図で
ある。
【図7】本発明の濾過式水域浄化装置の正面図である。
【図8】本発明の濾過式水域浄化装置の平面図である。
【図9】本発明のヘドロ回収設備の断面図である。
【図10】図9の部分拡大図である。
【図11】本発明の水域浄化用マットの平面図である。
【図12】図11のA−A断面図である。
【図13】水域浄化用マットの押え杭案内装置の使用方
法を説明するための斜視図である。
【図14】水域浄化用マットの押え杭案内装置を用い水
域浄化用マットを水底に敷設する作業手順を説明するた
めの図である。
【図15】水域浄化用マットの押え杭案内装置を用い水
域浄化用マットを水底に敷設する作業手順を説明するた
めの図である。
【図16】水域浄化用マットの押え杭案内装置を用い水
域浄化用マットを水底に敷設する作業手順を説明するた
めの図である。
【図17】水域浄化用マットの押え杭案内装置を用い水
域浄化用マットを水底に敷設する作業手順を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1 池 2、3 仕切り体 4 穴 8、10 ブロック 9 天然ゼオライト 11 穴 14 水底 13 濾過式水域浄化装置 15 濾過槽 19 濾過材支持体 20 水域浄化設備 27、29 濾過材支持体の重合部 37 ヘドロ回収設備 39 堆積部 40 吸い取りパイプ 41 傾斜板 45 吐出パイプ 49 水域浄化用マット 52 押え杭 58 水域浄化用マットの押え杭用案内装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】池、湖沼等の閉鎖水域に仕切り体を配置し
    て形成した水路と、前記水路の下流側の端に濾過式水域
    浄化装置とを備えたことを特徴とする水域浄化設備。
  2. 【請求項2】請求項1記載の水域浄化設備において、仕
    切り体は天然ゼオライト等の天然多孔質岩石を包み込ん
    だヤシ繊維のブロックによって構成されていることを特
    徴とする水域浄化設備。
  3. 【請求項3】請求項2記載の水域浄化設備において、ヤ
    シ繊維のブロックには植栽用の穴があけられていること
    を特徴とする水域浄化設備。
  4. 【請求項4】ヤシ繊維をマット状に成形し、マット状の
    ヤシ繊維の内部空間に天然ゼオライト等の天然多孔質岩
    石を収容したことを特徴とする水域浄化用マット。
  5. 【請求項5】請求項4記載の水域浄化用マットにおい
    て、水域浄化用マットを水底に固定するための押え杭を
    打ち込む位置に穴があけられていることを特徴とする水
    域浄化用マット。
  6. 【請求項6】水域浄化用マットを水底に固定するための
    押え杭の案内装置として使用するものであって、水底に
    打ち込まれたガイド杭が貫通する貫通部と、前記押え杭
    を水域浄化用マットの所定位置へガイドするガイド部と
    を備えたことを特徴とする水域浄化用マットの押え杭用
    案内装置。
  7. 【請求項7】水中の浮遊物質を沈降させるための傾斜板
    と、前記傾斜板によって沈降させられたヘドロが堆積す
    る堆積部と、前記堆積部に溜ったヘドロを吸い取るため
    の吸い取りパイプと、ヘドロを吸い取る前に堆積部に高
    圧水を吐出させるための吐出パイプとから構成されるヘ
    ドロ回収設備。
  8. 【請求項8】脚部によって支えられた基台と、前記基台
    から上方へ突き出た突出部と、前記基台と前記突出部に
    形成された多数の穴とを有し濾過式水域浄化装置に装備
    され、水を浄化するための濾過材を支持する濾過材支持
    体において、前記基台には濾過材支持体どうしを並べて
    配置すると重なり合う重合部が形成されていることを特
    徴とする濾過式水域浄化装置の濾過材支持体。
JP9249371A 1997-08-28 1997-08-28 水域浄化設備、水域浄化用マット、水域浄化用マットの押え杭用案内装置、ヘドロ回収設備および濾過式水域浄化装置の濾過材支持体 Pending JPH1170306A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0720288A1 (de) * 1994-12-30 1996-07-03 Endress + Hauser Gmbh + Co. Verschraubung für Einführungen von Kabeln und/oder Leitungen
KR100487595B1 (ko) * 2002-08-13 2005-05-06 여인봉 무반송 연속 정화공정을 이용한 하천수처리설비 및하천수처리공법
JP2007006819A (ja) * 2005-07-01 2007-01-18 Public Works Research Institute 浅い湖沼における沈水植物の再生・復元方法
JP2008168295A (ja) * 2002-12-19 2008-07-24 Kato Construction Co Ltd 湿地型水質浄化処理装置における汚泥の処理方法
WO2009069156A1 (en) * 2007-11-26 2009-06-04 Reef Consulting S.R.L. Underwater structure for biopurification of waters

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