JP2001347276A - 暗渠農業排水の浄化方法及び浄化システム - Google Patents

暗渠農業排水の浄化方法及び浄化システム

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Toshiaki Miyanaga
俊明 宮永
Yasuhiro Hirato
靖浩 平戸
Toru Oishi
大石  徹
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 暗渠排水システムにおいて、特に排水中の硝
酸性窒素を浄化する方法及びシステムを提供する。 【解決手段】 ロックウール、砂利、軽石、貝殻等を主
材とする暗渠疎水材4を用い、かつ土壌水分の捕集部位
から排水吐出口までの排水の流路内に水処理材、特に硝
酸性窒素脱窒剤を設置してなる暗渠農業排水の浄化方法
及び浄化システム。水処理材7は、暗渠配水管内に金網
かご等に収容して取出し可能に設置するか、暗渠疎水材
と混合又は積層して用いることがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、暗渠農業用排水の
浄化方法及び浄化システムに関し、更に詳しくは農地の
排水を目的として埋設される暗渠において、特に排水中
の硝酸性窒素を浄化する方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】湿田等の高含水農地は、水稲の生育時期
に合わせて水切りする場合や、稲作から畑作へ転換する
場合には含水比を下げる必要があり、また泥炭地を開墾
する場合にも排水する必要がある。このため、高含水土
壌に溝を掘って暗渠排水管を埋設し、これを通じて地中
の水分を抜くことが行われている。しかし、暗渠排水管
に用いられる有孔プラスチックパイプや素焼土管などを
そのまま埋設すると、その微細な孔に土砂が詰まって排
水できなくなる。これを防止するため、暗渠の周辺に暗
渠疎水材を充填し、暗渠排水管に土砂が直接触れないよ
うに工夫されている。この暗渠疎水材としては、籾殻、
麦旱、柳そだ等の天然有機質材料の他に、砂利、ホタテ
貝殻、カキ殻、発泡ポリスチレンなどや、人工無機質繊
維であるロックウールなどが用いられる。
【0003】一方、近年の過剰施肥傾向に伴う農業排水
の汚染問題、特に硝酸性窒素問題が深刻化していること
から、環境庁は平成11年3月に「硝酸性窒素及び亜硝
酸性窒素」「ホウ素」「フッ素」の3項目を、水質汚濁
に係る人の健康の保護に関する環境基準及び地下水の水
質汚濁に係る環境基準項目として新たに追加告示した
(一方井、「用水と排水」、第41巻、第10号、第8
81頁、1999年)。しかしながら、これまで農業排
水は河川や湖沼に垂れ流し状態であり、農業排水の処理
を目的とした水処理方法は確立していない。
【0004】また、暗渠排水中の硝酸性窒素について
は、水田の場合には水田土壌による除去作用によりほと
んど問題が発生していないが、畑地、茶畑、果樹園、牧
草地の暗渠排水については、土壌による硝酸性窒素の除
去作用が期待できず、高濃度の排水がそのまま排出され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、排水の発生現場付近で、特に動力源等を必要と
せず、メンテナンスが容易な暗渠農業排水の効率よい浄
化方法、特に硝酸性窒素の浄化方法、及びその浄化シス
テムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、暗
渠農業排水の効果的な浄化方法について鋭意検討した結
果、暗渠疎水材に水処理材特に硝酸性窒素脱窒剤を併用
することによって、農業排水を効果的に浄化する方法を
見いだし、本発明を完成した。特に、本発明の農業排水
の浄化システムは、暗渠疎水材と暗渠排水管が施工され
た暗渠排水システムにおいて水処理材を存在させること
により、排水の自然流下により特に動力源等を必要とせ
ず、効果的な排水処理を実現するものである。
【0007】すなわち、本発明は、暗渠疎水材と暗渠排
水管が施工された暗渠排水システムにおいて、ロックウ
ール、砂利、軽石、貝殻などを主材とする暗渠疎水材を
用い、かつ土壌水分の捕集部位から排水吐出口までの排
水の流路内に硝酸性窒素脱窒剤を設置してなることを特
徴とする暗渠農業排水の浄化方法である。
【0008】上記農業排水の浄化方法において、硝酸性
窒素脱窒剤は、暗渠内に特に暗渠排水管の上部に暗渠疎
水材と混合又は積層して用いるか、あるいは暗渠排水管
内に設置することがよい。硝酸性窒素脱窒剤を暗渠排水
管中に設置する場合、硝酸性窒素脱窒剤をメッシュ材等
に収容して取出し可能にしたり、排水管内の水位を上げ
て硝酸性窒素脱窒剤を排水中に浸漬することがよい。
【0009】また、本発明は、ロックウール、砂利、貝
殻などを主材とする暗渠疎水材と、土壌水分の捕集部位
から排水吐出口までの排水の流路内に設置された硝酸性
窒素脱窒剤とからなることを特徴とする暗渠農業排水の
浄化システムである。
【0010】更に、本発明は、暗渠疎水材と暗渠排水管
が施工された暗渠排水システムにおいて、暗渠配水管内
に水処理材を取出し可能に設置していることを特徴とす
る暗渠農業排水の浄化システムである。
【0011】上記農業排水の浄化システムにおいて、暗
渠排水管中にセットされた水処理材によって水処理が容
易に行われるよう、暗渠排水管中に一定の排水液が貯水
されるように暗渠排水管出口に仕切り又は水量調節バル
ブを備え付けることがよい。また、硝酸性窒素除去を目
的とする水処理材が暗渠排水管中にセットされ、かつ水
処理材の出し入れと同時に暗渠排水管内にたまった土
砂、沈殿物を清掃除去可能な装置システムであることが
よい。
【0012】本発明の農業排水の浄化方法及び浄化シス
テム(以下、浄化システムは浄化方法を含む意味で使用
される)は、暗渠排水システムと水処理材、特に硝酸性
窒素除去を目的とする水処理材(硝酸性窒素脱窒剤)を
組合せたものである。その実施の形態としては、暗渠排
水管内に水処理材を空隙をもたせて充填したもの、暗渠
疎水材に水処理材を混合又は積層したもの、その両方を
共に実施したものが挙げられる。
【0013】
【発明の実施の態様】図1は、暗渠排水管内に水処理材
を設置する実施の態様を示す概略図である。畑表面1に
所定の溝2を掘削し、溝2の中に有孔プラスチックパイ
プ等の暗渠排水管3を設置し、暗渠疎水材4を所定高さ
(疎水材面5)まで溝2に充填し、その上に作土6を埋
め戻す。暗渠排水管3の出口から水処理材7を押し込
み、排水管3内に水処理材7を設置する。この水処理材
7は、図3に示すように、金網、プラスチック等のメッ
シュ材8に収容して取出し可能に暗渠排水管3内に設置
することが好ましい。
【0014】図2は、暗渠内に暗渠疎水材及び水処理材
を存在させる実施の態様を示す概略図である。畑表面1
に所定の溝2を掘削し、溝2の中に暗渠排水管3を設置
し、水処理材7’を混合した暗渠疎水材4’を所定高さ
(疎水材面5)まで溝2に充填し、その上に作土6を埋
め戻す。
【0015】更に、暗渠内に暗渠疎水材及び水処理材を
存在させる別の実施態様としては、排水管の上に暗渠疎
水材を充填し、その上に水処理材を積層することもよ
く、必要に応じて更にその上に暗渠疎水材を積層しても
よい。
【0016】本発明でいう暗渠排水システムは、特に限
定するものではないが、暗渠排水管の上に暗渠疎水材が
敷き詰められて埋設された施工方式のものが一般的であ
る。
【0017】暗渠排水システムに用いる暗渠疎水材とし
ては、特に限定するものではないが、籾殻、砂利、軽
石、木材チップ、麦竿、稲わら、そだ、貝殻、カキ殻、
ホタテ殻、ロックール、発泡ポリスチレンなどが一般的
であり、中でもロックウール、砂利、軽石、貝殻等の無
機系暗渠疎水材は優れた排水性を示すために好ましい。
特に、暗渠疎水材としてロックウールを用いると、軽量
であるため施工が容易で長期間耐久性があり、風化され
にくい発泡ポリスチレンとは異なり、土壌中で徐々に風
化され環境汚染のおそれがない。なお、一般に使用され
ている籾殻等の有機系暗渠疎水材は、水処理材として硫
黄石灰系硝酸性窒素脱窒材と混合して用いた場合、腐敗
したとき作物に有害な硫化水素等を発生し易くなるため
好ましくない。
【0018】暗渠疎水材としてロックウールを用いる場
合、ロックウールの形態には、粒状に丸めた粒状綿、マ
ット状の層状綿などがあるが、暗渠疎水材としては透水
性が要求され、粒状綿(例えば粒径1〜50mm程度)を
用いることがよく、またセメント、せっこう、スラグな
ど無機水硬性材料を配合するとよい。水硬性材料は、一
定期間排水した段階で、細孔を維持して硬化するため、
耐圧強度を維持しつつ優れた排水能を保持できる。
【0019】また、本発明で用いる水処理材としては、
特に限定するものではないが、昨今の農業排水汚染問題
を鑑みた場合、その一例として排水中の硝酸性窒素除去
を目的とした水処理材(硝酸性窒素脱窒剤)であること
がよく、好ましくは脱窒菌システムを利用した水処理
材、より好ましくは硫黄と石灰から構成される水処理材
である。
【0020】硫黄石灰系硝酸性窒素脱窒剤は、必須成分
として硫黄及び炭酸カルシウム含有物質が共存するが、
必要に応じて炭酸カルシウム含有物質の一部を陽イオン
交換性物質例えば天然ゼオライト、合成ゼオライト、ベ
ントナイト等で置換したり、更に微細孔隙物質例えば珪
藻土、珪藻土焼成物、凝灰岩、坑火石、溶岩、パーライ
ト、真珠岩、有孔隙セラミック、レンガ、ALC、軽
石、ポゾラン、シラス、シラスバルーン、膨張頁岩焼成
物、アタパルジャイト、セピオライト、クリストバライ
ト、セリサイト、酸性白土、イライト、鉄鋼スラグ、精
練滓、コンクリート、セメント固化物等の鉱産物や、そ
の他、例えば木炭、竹炭、籾殻燻炭、活性炭、石炭、亜
炭、泥炭、石炭コークス、石油コークス、ピッチコーク
ス等の炭化物などを共存させたものでもよい。炭酸カル
シウム含有物質としては、例えば炭酸カルシウム、石灰
石粉末及び破砕物、貝殻粉末及び破砕物、貝化石粉末及
び破砕物、サンゴ粉末及び破砕物、ドロマイト粉末及び
破砕物等の粉末の1種又は2種以上が挙げられる。
【0021】この硫黄石灰系脱窒剤は、硫黄100重量
部に対し炭酸カルシウムが100〜150重量部程度、
好ましくは100〜120重量部程度になるよう硫黄と
炭酸カルシウム含有物質を混合した後硫黄を加熱溶融す
るか、又は予め加熱溶融した硫黄と炭酸カルシウム含有
物質を混合し、溶融混合物を水で急冷固化し、固化物を
破砕又は造粒することにより、粒状物又は塊状物として
製造したものがよい。
【0022】水処理材、特に硝酸性窒素脱窒剤は、その
まま又は金網、プラスチック等に収容して暗渠排水管内
に設置してもよいし、あるいは暗渠排水管の上部に暗渠
疎水材と混合したり積層して存在させてもよい。
【0023】暗渠排水管内に水処理材を設置する場合、
粒状又は塊状の水処理材をそのまま用いることもできる
が、水処理材の設置、交換時に排水管への出し入れが困
難である。図3に示すように、金属、プラスチック等の
耐食性材料製の網、かご等のメッシュ材に水処理材を収
容して用いると、排水管への出し入れが容易になる。こ
のメッシュ材は、特に限定するものではないが、円筒、
半割り円筒など排水管の形状に合わせて成形し、その中
に水処理材を充填したカセットとすることがよい。更
に、排水管と接触する部分にすべり止めを設けたり、カ
セットの前後に連結具や取り出し用係止具などを設けて
もよい。
【0024】また、水処理材を予めロックウール等の鉱
物繊維キャリアと混合し、この混合物を暗渠排水管内に
設置してもよい。排水管内の水位が低いと水面から出た
部分の水処理材は乾燥して微生物が死滅して処理効率が
低下するが、鉱物繊維キャリアを混合したものは排水が
吸い上げられ、効果的に処理することができる。鉱物繊
維としては、ロックウール、グラスウール、セラミック
ファイバー等が挙げられるが、好ましくはロックウール
である。水処理材と鉱物繊維の割合は、水処理材100
重量部に対し5重量部以上、好ましくは10〜500重
量部程度がよく、これらをドラムミキサー、リボンミキ
サー等の混合機を用いて攪拌混合することでよい。この
ように、水処理材を予めロックウール等の鉱物繊維キャ
リアと混合すると、鉱物繊維キャリアが疎水材としての
機能も兼備するため、この混合物を暗渠疎水材と併用す
る場合、暗渠疎水材の配合量を低減することができる。
【0025】次に、暗渠疎水材に水処理材を混合して用
いる場合、水処理材の混合量は、水処理材の能力等に応
じて決定すればよく、例えば1日排水量当たり0.2倍
重量部以上の水処理材を混合して埋設すればよい。な
お、暗渠排水システムにおける水処理材の埋設方法につ
いては、特に限定するものではないが、施工の便利上、
適切な水処理効果の発現性上から、暗渠排水管の長さ当
たりに均等に配分されるように暗渠疎水材と混合して埋
設することが好ましい。また、暗渠疎水材の施工方法つ
いても、特に限定するものではないが、好ましくは暗渠
排水管上に少なくとも15cm、より好ましくは地表下3
0cm程度にある作土の下底面まで充填するのがよい。ま
た、無機系暗渠疎水材の使用時には、暗渠排水管下側に
数cm程度暗渠疎水材を敷いてから暗渠排水管を設置する
方が管内への土砂の流入を防止する上で有効である。
【0026】暗渠排水管の上部に暗渠疎水材及び水処理
材を混合又は積層して用いる場合、暗渠疎水材と水処理
材との割合は、暗渠疎水材100重量部に対し水処理材
1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部程度がよ
い。水処理材が1重量部より少ないと処理能力が短期間
で失われる。暗渠疎水材特にロックウールと水処理材と
を混合する場合には、ドラムミキサー、リボンミキサー
等の混合機を用いて攪拌混合することでよい。暗渠疎水
材と水処理材を攪拌混合する際、必要に応じてバインダ
ーとして無機水硬性材料を混合してもよく、防塵剤、表
面処理剤等を少量混合すると製品に防塵性を付与でき、
水との親和性を高めることができる。
【0027】水処理材を混合した暗渠疎水材は、施工が
容易な粒状製品例えば10mm篩通過分が80%以上の粒
状製品とすることがよい。その施工方法は、トレンチャ
ー等を用いて地面に所定の溝を掘削し、この溝の中に有
孔プラスチックパイプ等の暗渠排水管を設置し、暗渠疎
水材を所定高さまで溝に充填する。所定高さは、土の湿
り具合や施工費用等を考慮して決定されるが、通常畑等
の表面から約30cm深さまで充填することが好ましい。
最後に溝を土で埋め戻す。
【0028】このように、水処理材を混合した暗渠疎水
材を施工すると、ロックウール等が土砂の通過を妨げ、
土壌中の水分を効率的に暗渠排水管に集水する。また、
ロックウールは、土壌中や水中で緩慢に風化、土壌化さ
れ、かつそれ自身も土壌成分に近く、植物に対する有害
性が実質的に認められないことから、環境汚染や農作業
の障害物になることがない。また、本発明の水処理材と
して硝酸性窒素脱窒剤用いた場合には、硝酸性窒素脱窒
剤が硫黄酸化細菌の栄養源となり、繁殖した硫黄酸化細
菌の作用により、暗渠疎水材を通過する排水が効率的に
脱窒される。暗渠疎水材としてロックウールを使用した
場合には、ロックウールがMn、Zn、Cu、Mo、Fe、B等の
ミネラル成分に富み、これが溶出して硫黄酸化細菌を活
性化する効果がある。
【0029】次に、暗渠排水管中に水処理材を設置する
ケースについて説明する。排水管の周囲に暗渠疎水材を
埋設し、排水管内には水処理材、好ましくはメッシュ材
に収容した水処理材を設置する。降雨時以外は排水管内
の水位が低いため、水処理材は大部分が水面上に出て脱
窒効率が低下する。これを解決するには、排水管の吐出
口に仕切りや水量調節バルブ等を備え付け、排水管内の
水位を上げることによって、水処理材を排水中に浸漬さ
せることができる。また、水処理材の出し入れと同時に
排水管内に溜まった土砂、沈殿物を清掃除去できるよう
に、排水管の吐出口に掻き出し棒や高圧水噴射機等の洗
浄装置を備えてもよい。
【0030】上記の説明では、水処理材を暗渠排水管内
に設置する場合、あるいは水処理材を暗渠疎水材に混合
して暗渠内に存在させる場合について説明したが、必要
に応じてその両方を組み合わせてもよい。
【0031】
【実施例】実施例1 水処理材として、(株)ニッチツ・新日鐵化学(株)製の硝
酸性窒素脱窒剤(120℃に加熱溶融した粉末硫黄とブ
レーン比表面積2800cm2の重質炭酸カルシウムとの
等量混合物を冷水で急冷固化したのち粒径5〜20mm程
度に破砕したもの)を用いた。次いで、ロックウール粒
状綿(エスファイバー粒状綿 新日化ロックウール株式
会社製 平均粒径30mm)100重量部に対し、上記脱
窒剤15重量部をリボンミキサーに装入し、脱窒機能を
有する暗渠疎水材を製造した。この暗渠疎水材は、10
mm篩通過分が95%、透水係数が10-2cm/secであり、
暗渠疎水材として要求される0.004cm/sec以上を十
分満たした。なお、暗渠疎水材の透水性能評価試験方法
は、JIS A 1218「土の透水試験方法」に従い定水位試験
方法で行った。測定温度20℃、試験結果は15℃の透
水係数(cm/sec)で示した。
【0032】図2に示すように、試験圃場に深さ60c
m、幅20cm、長さ3.6mの水平の溝を掘り、その底部
に片方の端を閉止した直径10cmの硬質塩ビ製有孔管か
らなる暗渠排水管を埋設した。この溝に上記暗渠疎水材
を1日当たりの平均排水液量の約1/3になるように、
深さ40cm、充填密度250Kg/m3で充填し、その上か
ら畑土を20cm厚さに充填して溝を埋め戻した。この試
験圃場に100mm/時の降水量に当たる人工降雨を実施
して排水状況を観察したところ、35日経過後において
1.3リットル/分であり、通常の疎水材と同等の水捌
けを示した。また、暗渠排水管出口で採取した排水中の
硝酸性窒素はわずか7ppmであり、暗渠疎水材を充填す
るが排水管内に脱窒剤を設置しないケースの硝酸性窒素
200ppmと較べて著しく改善され、本発明の排水浄化
システムの優れた効果が確認された。
【0033】実施例2 図1に示すように、実施例1の脱窒機能を有する暗渠疎
水材の代わりにロックウール粒状綿(エスファイバー粒
状綿 新日化ロックウール株式会社製 平均粒径30m
m)のみからなる暗渠疎水材を用い、実施例1の脱窒剤
をステンレス製金網に収容したもの(図3)を脱窒剤が1
日当たりの平均排水液量の約1/3になるように排水管
内に押し込み、実施例1と同様に排水処理を行った。暗
渠排水管出口から水量は実施例1とほぼ同じであり、ま
た水処理材入りの装置セット前の暗渠排水中に含まれる
硝酸性窒素体の濃度はほぼ200ppmであったが、セッ
ト後の暗渠施工箇所の排水液中の硝酸性窒素体はわずか
5ppmであり、本発明の排水浄化システムの優れた効果
が確認された。
【0034】
【発明の効果】本発明の暗渠農業排水の浄化システムに
よれば、排水の発生現場付近で動力源等を必要とせず、
メンテナンスが容易で効率的な排水浄化を可能とした。
また、暗渠排水管に目詰まりを起こすことなく、長期間
にわたって効率的に排水することができた。更に、排水
中の硝酸性窒素を大幅に低減でき、農業排水による地下
水や河川、湖沼汚染対策に大きく貢献できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】暗渠排水管内に水処理材を設置する実施態様を
示す図面である。
【図2】水処理材を混合した暗渠疎水材を用いる実施態
様を示す図面である。
【図3】メッシュ材に収容した水処理材を示す図面であ
る。
【符号の説明】
3 : 暗渠排水管 4,4’: 暗渠疎水材 7,7’: 水処理材 8 : メッシュ材
フロントページの続き (72)発明者 大石 徹 千葉県木更津市新港15−1 新日鐵化学株 式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4D038 AA08 AB31 BB19 4D040 BB42 BB82

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 暗渠疎水材と暗渠排水管が施工された暗
    渠排水システムにおいて、ロックウール、砂利、軽石、
    貝殻などを主材とする暗渠疎水材を用い、かつ土壌水分
    の捕集部位から排水吐出口までの排水の流路内に硝酸性
    窒素脱窒剤を設置することを特徴とする農業排水の浄化
    方法。
  2. 【請求項2】 硝酸性窒素脱窒剤が暗渠排水管内に取出
    し可能に設置されてなる請求項1記載の農業排水の浄化
    方法。
  3. 【請求項3】 暗渠内に暗渠疎水材及び硝酸性窒素脱窒
    剤を存在させてなる請求項1に記載の暗渠農業排水の浄
    化方法。
  4. 【請求項4】 暗渠疎水材と暗渠排水管が施工された暗
    渠排水システムにおいて、ロックウール、砂利、貝殻な
    どを主材とする暗渠疎水材と、土壌水分の捕集部位から
    排水吐出口までの排水の流路内に設置された硝酸性窒素
    脱窒剤とからなることを特徴とする暗渠農業排水の浄化
    システム。
  5. 【請求項5】 暗渠疎水材と暗渠排水管が施工された暗
    渠排水システムにおいて、暗渠配水管内に水処理材を取
    出し可能に設置していることを特徴とする暗渠農業排水
    の浄化システム。
  6. 【請求項6】 暗渠排水管内にセットされた水処理材に
    よって水処理が容易に行われるべく、暗渠排水管内に一
    定の排水液が貯水されるように暗渠排水管の出口に仕切
    り又は水量調節バルブが備え付けられなる請求項5記載
    の暗渠農業排水の浄化システム。
  7. 【請求項7】 硝酸性窒素除去を目的とする水処理材が
    暗渠排水管内にセットされ、かつ水処理材の出し入れと
    同時に暗渠排水管内にたまった土砂、沈殿物を清掃除去
    可能な装置システムである請求項5又は6記載の暗渠農
    業排水の浄化システム。
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