JP2011234624A - 暗渠 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】暗渠20は、圃場10に設けられた長溝22と、長溝22の底部に敷設され、上面壁に孔を設けられた給排水管24と、長溝22内の給排水管24上に疎水材26を充填し、充填した疎水材26により形成される疎水材層16と、疎水材層16を被覆する作土層12とを有してなる。また、暗渠20は、疎水材26として竹チップが用いられ、圃場10へ給排水される水に、竹に含有される有効成分の特性を付与し、圃場環境を改善する。
【選択図】図1
Description
図1に例示するように、圃場10には、複数の暗渠20が並行して設けられている。暗渠20は、長溝22と、給排水管24と、疎水材26とから構成されている。
本例では、給排水管24は、割り竹又は竹管を繋いで形成されている。竹管は、節を取り除いて、内部を貫通させ、上壁面に孔を設けた竹である。割り竹又は竹管の内部を通った水には、後述する竹チップと同様の有効成分が竹管から染み出し、圃場排水環境の改善に役立つ特性が付与される。
本例では、疎水材26は、生竹を細かく裁断して形成される竹チップである。竹チップの大きさは、給排水量に応じて、適宜変更されればよいが、最大径(最大直径)が5mm以上40mm以下であることが好ましい。
より具体的には、疎水材26を介して排水される水は、竹チップから染み出したアルカリ成分により、弱アルカリ性となり、圃場10の土壌から排水される水に溶け出した鉄分が酸化するのを防止する。これにより、給排水管24から排水される水に含まれる酸化鉄の量が軽減され、酸化鉄による小動物の死滅などの周辺環境への悪影響がなくなる。さらに、竹チップから放出されるマイナスイオンによっても、排水される水の水質浄化が期待される。
また、疎水材26を介して給水される水では、竹チップからしみ出したメチオ二ン成分が酸化分解する過程でエチレンガスが発生して殺菌効果と防虫の忌避効果が得られる。また、メチオ二ンは抗酸化ミネラルであるセレン・セレ二ウムの運搬役であるため抗酸化作用も期待できる。
また、疎水材26を介して給水される水は、竹チップから染み出たアミノ酸成分により、乳酸菌・酵母菌等の有用微生物が増殖し抗酸化・抗菌・消臭効果作用を付与され、圃場10における作物の病害虫を防止することができる。
また、疎水材26を介して給水される水は、竹チップから染み出したアミノ酸類(グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸など)により、作物の成長及び土壌環境の改善、並びに排水浄化に貢献する有用微生物を増殖させる特性を付与され、この有用微生物の働きにより、圃場環境を改善させる。さらに、竹の組織構造は、多孔質であるため、竹チップに有用微生物が定着しやすい。
また、竹チップは、従来の籾ガラ及び木チップに比べ、土中での耐腐食性に優れる。これにより、疎水材26を入れ替える時期の間隔が、籾ガラの場合は、5〜10年、木チップの場合は、およそ10〜30年であったのが、竹チップの場合は、およそ30年以上になる。
また、近年、竹林の拡大による森林被害が問題となっており、多くの竹が伐採されている。暗渠20は、この伐採された竹を有効利用することができるものと期待されている。
図2は、補助暗渠130を設けられた圃場110の一部断面を含む斜視図である。
図2に例示するように、圃場110には、暗渠20に交差するように、複数の補助暗渠130が、並行して設けられている。補助暗渠130は、長溝132と、疎水材134とから構成されている。なお、本図では、図1の各構成と実質的に同一のものには、同一の符号が振られている。
本例では、疎水材134は、暗渠20の疎水材26と同様に、竹チップであり、疎水材134を介して給排水される水には、竹チップから染み出した有効成分により、圃場環境の改善に役立つ特性が付与される。
また、補助暗渠130の疎水材134として、竹チップを用いることにより、上記実施例と同様に、補助暗渠130を介して給排水される水に、竹に含有される有効成分の特性を付与し、圃場環境を改善することができる。
上記竹チップに、微生物を担持させてもよい。効果としては、水質浄化などが期待できる。
上記竹チップに、アルカリ酵素を排出する微生物を担持させてもよい。効果としては、酸化予防などが期待できる。
上記実施例及び変形例1では、疎水材26及び134として、竹チップのみを用いたが、これに限定するものではなく、竹チップとその他素材とを用いて、竹チップにより形成される層と、その他素材により形成される層とからなる疎水材層16を形成してもよい。なお、その他素材は、例えば、破砕瓦、ホタテ貝殻、カキ貝殻、木チップ、籾ガラ、クリンカアッシュ、砕石、又は火山礫などであればよい。
12 作土層
14 耕盤
16 疎水材層
18 心土層
20 暗渠
22 長溝
24 給排水管
26 疎水材
110 圃場(変形例1)
130 補助暗渠
132 長溝
134 疎水材
Claims (5)
- 圃場に設けられた長溝と、
前記長溝の底部に敷設され、筒状壁面に孔を設けられた給排水管と、
前記長溝内の前記給排水管上に疎水材として竹チップを充填し、充填した竹チップにより形成される疎水材層と、
前記疎水材層を被覆する作土層と
を有する
暗渠。 - 前記疎水材層は、5mm以上40mm以下の最大径を有する竹チップにより形成される
請求項1に記載の暗渠。 - 前記給排水管は、節を抜いて内部を貫通させ、割り竹又は竹チップを繋いで形成される
請求項1に記載の暗渠。 - 前記疎水材層は、竹チップにより形成される層と、破砕瓦、ホタテ貝殻、カキ貝殻、木チップ、籾ガラ、クリンカアッシュ、砕石、又は火山礫により形成される層とからなる
請求項1に記載の暗渠。 - 圃場において、暗渠に交差するように、暗渠が有する給排水管より上位に設けられた長溝と、
長溝内に疎水材として竹チップを充填し、充填した竹チップにより形成される疎水材層と、
前記疎水材層を被覆する作土層と
を有する
補助暗渠。
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