JP2003102258A - 果樹又は野菜類等の栽培方法 - Google Patents

果樹又は野菜類等の栽培方法

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JP2003102258A
JP2003102258A JP2001299186A JP2001299186A JP2003102258A JP 2003102258 A JP2003102258 A JP 2003102258A JP 2001299186 A JP2001299186 A JP 2001299186A JP 2001299186 A JP2001299186 A JP 2001299186A JP 2003102258 A JP2003102258 A JP 2003102258A
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planting
drainage
water
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soil
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Kazuharu Shimogaki
一治 下垣
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KAMINOHARA ADEL FARM KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多様な地形の地盤面に対し排水勾配を有する
植栽溝の成形を能率よく簡単に行うと共に、適当な保水
性と通水性を有して植物の根張りを良好にしながら、客
土層の漏出並びに根腐れや病虫害の発生を防止した植物
の栽培を行うことができる果樹又は野菜類等の栽培方法
を提供する。 【解決手段】 地盤面に所定方向に連続した植栽溝5を
緩やかな所定の排水勾配を有して掘削形成すると共に、
該植栽溝5内の上方に普通土等からなる土壌鉱物と、通
水性,保水性を備えた有機質素材からなる客土層7と、
該客土層7の下方で溝底面5a上に通水性を備えた排水
層6とで植栽床1を形成し、上記排水層6を植栽溝5外
に設けた排水部9に接続せしめ、上記植栽溝5内の客土
層7に果樹又は野菜類を播種又は植栽する果樹又は野菜
類等の栽培方法にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物を多量に栽培
可能な植栽床と圃場を簡単に形成することができる地表
における果樹又は野菜類等の栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空き地等の地表(地盤面)に植栽
穴を掘削形成すると共に、該植栽穴に客土を充填して客
土層を形成し、この客土層に草木を植栽することによ
り、環境の緑化を図るようにした草木等の植物を栽培す
るようにした栽培手段は、特開平10−234225号
公報で示されるように既に公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然し、上記公報で示さ
れるような植物の栽培手段は、地盤面に掘削する植栽穴
はポット苗を移植可能な大きさの凹穴状のスポット穴で
あり、このような植栽穴に客土を施すので、地盤面に単
一の植栽穴を苗数毎に掘削形成する作業が著しく煩雑で
手間がかかる欠点があると共に、多数の植栽穴毎に客土
を入れる作業も面倒で非能率である等の問題がある。ま
たスッポット的に形成された植栽穴で、果樹等を植栽し
ようとすると、地盤面に大きな穴を多数穿設しなければ
ならないこと、及びこれに伴う植栽穴毎に必要になる給
水装置並びに排水装置の構造が複雑で施工も困難になる
ので、果樹を大量に栽培するための圃場の形成には、多
大の労力を要しコスト高になる等の課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明による地表における果樹又は野菜類等の栽培方
法は、第1に、地盤面に所定方向に連続した植栽溝5を
緩やかな所定の排水勾配を有して掘削形成すると共に、
該植栽溝5内の上方に普通土等からなる土壌鉱物と、通
水性,保水性を備えた有機質素材からなる客土層7と、
該客土層7の下方で溝底面5a上に通水性を備えた排水
層6とで植栽床1を形成し、上記排水層6を植栽溝5外
に設けた排水部9に接続せしめ、上記植栽溝5内の客土
層7に果樹又は野菜類を播種又は植栽することを特徴と
している。
【0005】第2に、植栽床1を地盤面の一側から他側
に向けて複数列に並設すると共に、植栽床1の外部に設
置した給水本管3から分岐させた給水管30を各植栽床
1の上面側に沿設し給水することを特徴としている。
【0006】第3に、植栽床1の排水層6内に排水管6
aを沿設し、各植栽床1に配管した排水管6aの下手側
端を、地中内において植栽溝5外に設置した集合管6b
と接続し排水部9に連通せしめて排水することを特徴と
している。
【0007】第4に、客土層7の表面側に木材,竹材等
の植物性で粒状に破砕形成された有機質材からなる被覆
層8を形成したことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。図面において符号1は、本発明に係わる
方法及び構造によって、果樹又は野菜等の草木類(以下
植物という)を栽培又は育成可能に地盤面に構成した植
栽床であり、この植栽床1は図示例においては、一側か
ら他側に向けて単列状に形成したものを、図1,図2で
示すように適宜な場所と形状の地面(地形)において、
植栽床1を一側から他側に向けて多数の列状に設置する
ことにより、植物を多量に栽培可能な栽培用の圃場2を
様々な地形に適応させて構成するようにしている。
【0009】この植栽床1は、傾斜した地盤面に所定方
向に連続した植栽溝5を上記傾斜に沿った一定の緩やか
な排水勾配を有して、地形の高地側を上手側とし低地側
の下手側に向けて略直線状に掘削形成すると共に、後述
する方法によって植栽溝5内で、溝底面5a上に通水性
を備えた有機質素材からなる排水層6と、該排水層6の
上方に普通土等からなる土壌鉱物と、通水性、保水性を
備えた有機質素材からなる客土層7と、該客土層7を覆
う被覆層8とで構成している。そしてこの圃場2では、
各植栽床1の上手側端と下手側端を揃えた状態になし、
上手側に沿って設置した給水本管3から給水管30を分
岐連結して、該給水管30を後述する給水手段によっ
て、各植栽床1に対して給水を行うことができるように
している。
【0010】植栽床1自体は後述するように保水性,保
湿性が高いので通常は自然の雨水や地盤内の水分で植栽
物の成長には足りるので、上記給水は必ずしも常時行う
必要はなく、例えば7〜8月等の暑期その他の乾燥期又
は植栽物が特に水分を必要とする時期等に行えば良い。
【0011】また各植栽床1は、その植栽溝5の溝底面
5a側に形成する排水層6内に、排水手段の1形態とし
ての排水管6aを上下方向に敷設配管し、各植栽床1に
配管された複数の排水管6aの下手側端を、植栽溝5外
に設けた排水部9と連通する集合排水路の1例として示
す集合管6bと、地中内において排水可能に接続してい
る。上記集合管6bは、圃場2の区域外の近傍に設置せ
しめた、排水部9(溜池等の排水処理部)に適宜な水路
6cを介して接続する。これにより複数の植栽床1内の
排水を地下において一連の集合管6bに集合させた後、
排水処理部9に一時的に溜めることにより沈殿処理等を
的確に行い、環境等を損なうことのない排水を、簡潔な
排水構造によって円滑に行うことができるようにしてい
る。
【0012】また前記給水管30は、同図及び図2,図
5で示すように給水本管3から各植栽床1毎に分岐接続
し、給水上手側から給水下手側に沿って植栽床1の表面
に設置し、その全長にわたって給水を均等に行うように
している。このため図示例の給水装置3aは、圃場2内
或いはその近傍地にボーリング施工によって設けた井戸
31又はその他の水源から、送水ポンプ32によって汲
み上げた水を送水路34を介し、適数の貯水タンク33
に貯めると共に、貯水タンク33から導水路35を介
し、前記給水本管3に送水接続するようにしている。
【0013】従って上記のような給水手段によれば、図
1,図2で示すような給水形態及び圃場形態を、周囲の
環境或いは地形,地盤や栽培条件等によって地表に自由
に形成することができる。即ち、図示するように一方の
貯水タンク33からは、自然流下方式によって複数区画
に形成した圃場2に対しては、各導水路35から該導水
路35毎に接続した給水本管3に同時送水するようにし
ている。一方自然流下方式の給水が困難な別の圃場2で
は、他方の貯水タンク33からポンプ圧送方式によって
送水を行うようにしており、これにより各貯水タンク3
3から圃場2毎に求められる好適な給水形態を、簡潔で
廉価な構成を以て設置し得る等の特徴がある。
【0014】またこの際、数10メートルから長いもの
で100メートル程度の長さに至る植栽床1に対し、給
水を全長にわたって均等に行う上で、給水管30は管長
表面に所定の間隔毎に給水孔37を開口している(図
5)。この実施形態による給水管30は、水圧の変化に
大きく左右されることなく一定の灌水を行うことができ
るように、各給水孔37毎に灌水バルブ構造を設置した
汎用型の灌水ホースを用いており、植栽床1は下方傾斜
の所定の排水勾配を有しているので、この灌水ホースを
用いることにより自然流下によっても、植栽床1の全長
に対し各給水孔37から均一な一定量の給水を行うよう
にしている。
【0015】尚、灌水ホースは上記構成のものに限定さ
れることなく、管長全体に微細な通水孔を形成加工した
多孔質透水方式のホースを用いるようにしてもよい。ま
た排水管6aは土中埋設用の排水管として汎用されてい
るネット状パイプを用いるようにしており、これにより
植栽溝5内に埋設した際に、異物の侵入及び目詰まり等
を防止しながら、長期にわたって良好な集水と排出をす
ることができるようにしている。
【0016】次に植栽床1の構成について図3〜図5を
参照し説明する。圃場2は予め適度に傾斜した所定広さ
の平坦地であればそのまま使用できるが、山頂や山腹、
谷部等がある所では、所定の広さを有し適度な傾斜を付
した平坦地に造成する。
【0017】植栽床1は既述の如く、適宜な地形の地盤
面に対し所定方向に連続した植栽溝5を一定の緩やかな
排水勾配を有して圃場の傾斜に沿って掘削形成する。該
植栽溝5内には上方に普通土等からなる土壌鉱物と、通
水性、保水性を備えた有機質素材とを調合した客土層7
を形成し、該客土層7の下方で溝底面5a上に通水性を
備えた有機質素材からなる排水層6を形成する。
【0018】該植栽床1の排水層6は植栽溝5外に設け
た排水部9に接続され、植栽溝5内の客土層7に果樹又
は野菜類を播種又は植栽する。この植栽床1には後述す
る作業手順によってブルーベリーWの苗木を移植し、前
記したように給水と排水をコントロールしながらブルー
ベリーWの成長を促し、径年後(約5年程度)に成木と
なって実の収穫を可能にする。
【0019】上記植栽溝5に充填施工する各素材は、種
々の植物の育成に適し、自然に豊富に存在していると共
に、廉価で入手し易く簡単に使用することができる等の
条件を備えるものが望ましい。また本実施形態による植
栽溝5は、その深さを略600ミリ〜700ミリ程度と
し、溝底巾を約400ミリ、溝開口巾を約800ミリ程
度にしている。植栽溝5の最下層に位置する排水層6に
は、溝底面5aの中央部に直径約80ミリ程度の排水管
6aを沿設した状態において、籾殻,ピートモス,古代
木やカラマツ等の木材チップ,竹材等からなる通水性及
び耐腐蝕性を有する有機質の通水部材を選定し、植栽溝
5の溝底面5a上に略100ミリ程度の高さに敷設する
ことにより、排水層6を溝底面5a上の長さ方向に連続
的に形成している。
【0020】尚、排水層6には間伐材或いは建築廃材と
しての木材をチップ化して炭化させたもの、竹や籾殻を
炭化させたもの等の炭化物を、単一又は所定の割合で混
合し植栽溝5内に投入することにより、通水部材とする
ことができ、肥料成分の吸着等も行い、廃材の処理の促
進及び大量有効利用を図ることができる等の利点もあ
る。さらに排水層6への充填物としては砕石や砂利,ゼ
オライト粒等の鉱物のみであってもよい。
【0021】次いでこの排水層6上に、細断状のピート
モス,普通土としての黒ボク,数ミリ〜数十ミリ程度に
粒状化させたゼオライト,完熟堆肥化させたバーク等か
らなる床部材を混合主材とし、これに骨粉材等のミネラ
ル成分補給用の補助肥料を、適宜選定或いは組み合わせ
て盛土状に充填することにより、手間と熟練を要する地
盤面そのものの土づくりを省略し、ブルーベリーWを植
栽可能な客土層(土壌鉱物層)7を形成する。
【0022】ピートモスは植物繊維でありながら耐食性
に優れ、最終的には肥料成分となるものの、客土層に保
水性,通水性,通気性を与え、黒ボクは土壌を軟質化さ
せ、通気性保持や根の張りを助長する。またゼオライト
は周知のように各種有害成分の吸着、水分の吸排出等の
ほか、土壌改良材としても機能し、バーク肥料も吸水
性,保水性を備えて樹等の成長を助ける。
【0023】尚、この実施形態ではブルーベリーWを能
率よく好適に栽培する客土層7を得る上で、容積比でピ
ートモスを30〜50%程度,黒ボクを20%程度,ゼ
オライトを20〜40%程度,バークを10%程度とし
た、所定の割合を以て混合することによって構成してい
る。上記のように構成される客土層7は改良土を客土用
の床土にしているので、保水及び通水性並びに耐久性に
優れ、また十分な保肥力を有し有効微生物にも好適環境
を呈するから、ブルーベリーW並びに他の草木等植物を
良好に際栽培することができる。
【0024】また上記の床部材及びその配合によれば、
床土の総重量も可及的に低減することができると共に、
取り扱いも綺麗な状態で容易にすることができるから、
圃場2や植栽溝5に対する運搬及び充填作業並びに必要
に応じて適期に行う客土の入れ替え等の植栽床形成作業
を、低コストで簡単に行うことができる等の特徴があ
る。
【0025】そしてこの後、本実施形態の植栽床1は客
土層7上に、チップ状のバーク或いは腐葉土等からなる
被覆層8を、略100ミリ前後の厚さで敷設すると共
に、該被覆層8は客土層7と植栽溝5の両側近傍の地面
を所定範囲で覆うようにすることにより、植栽床1内の
保水や水分の蒸散の抑制及び雑草繁茂の防止を確実且つ
廉価に行うようにしている。また、ブルーベリーWの植
付は、被覆層8を施工する前に客土層7内で植栽溝5巾
の略中央部に行う。
【0026】また、以上のように植栽床1を構成しブル
ーベリーWを栽培するにあたり、該植栽床1は多様な地
形の表面状況の地盤に対し、予め溝底面5aの勾配を1
00分の3〜5程度の緩傾斜角となるように圃場が形成
されているので、パワーショベル等の掘削手段によって
一側から他側に向けて連続的に間単に形成することがで
きると共に、この緩やかな勾配により、給水される灌水
並びに雨水の底部への浸透及び保水性を維持しながら、
余剰水を植栽溝5の溝底面5aより下方に向けて緩やか
に排出することを可能にする。従って、植物の水分過多
に伴う根腐れや病虫害の発生を防止しながら、植栽溝5
内の客土層7等内の有効成分の漏出及び排水管6aから
泥水状態で泥流排出される弊害を防止することができる
等の特徴もある。
【0027】またこの圃場2では、相隣る植栽床1の植
栽床間隔は、例えば軽トラックがブルーベリーWを損傷
させることなく走行移動を円滑に行う距離として、約3
〜4メートル程度に設定して植栽溝5を掘削形成してい
る。そして、植栽床1の条例長さ方向の植栽間隔は、約
2.5メートル程度に設定することにより、ブルーベリ
ーW等を栽培する場合に、収穫作業を容易に行うことが
できるほか、樹木の成長に応じて根張りを溝幅と溝方向
に沿って十分に確保できる利点がある。
【0028】以上のように本発明によれば、地盤面に所
定方向に連続した植栽溝5を、一定の緩やかな排水勾配
を有して掘削形成すると共に、該植栽溝5内の上方に普
通土等からなる土壌鉱物と、通水性、保水性を備えた有
機質素材からなる客土層7を形成し、該客土層7の下方
で溝底面5a上に通水性を備えた素材からなる排水層6
を形成し、該植栽床1の排水層6を植栽溝5外に設けた
排水部9に連通せしめ、上記植栽溝5内の客土層7に果
樹又は野菜類を播種又は植栽する地表における果樹又は
野菜類等の栽培方法にしているので、緩やかな排水勾配
を有する植栽床1は、パワーショベル等を用いたショベ
ル掘削によって一側から他側に向けて順次緩傾斜となる
ように、大きく深堀りすることなく掘削すればよいか
ら、植栽溝5の成形を能率よく簡単に行うことができ
る。
【0029】複数の植栽溝5を所定の間隔を有した並設
掘削作業も、多様な地形の表面状況の地盤に対し容易に
行うことができる。なお、溝の幅や深さ、植付(播種)
間隔、客土の調合材や配合比等は植え付ける樹種や野菜
の種類等に応じて適宜変更できる。特に被覆層8には植
付後もN,P,K等の基礎肥料の施肥やPH調整剤等の
供給を行うことができ、これらの作業は毎年植栽物の種
類、成長及び収穫時期に応じて適宜行われる。
【0030】また植栽溝5内上方の普通土及びゼオライ
ト等からなる土壌鉱物と、通水性、保水性を備えた有機
質素材を混合してなる客土層7は、植物の根張りを良好
にしながら、適当な保水性を備えて給水過多時の通水性
を有すること、及びその下方に形成した通水性を備えた
素材からなる排水層6と、緩やかな溝底面5aにより、
余剰水を植栽溝5の排水層6を介して下方に向けて円滑
に排出することを可能にするので、植物の水分過多に伴
う根腐れや病虫害の発生を防止しながら、植栽溝5内の
客土層7等の漏出やこれに伴う弊害を防止することをが
できるから、植物の生育を良好にすることになり、植物
の有機栽培や省農薬等の環境に好適な農業を可能にする
ことができる等の特徴がある。
【0031】そして、上記のように構成した植栽床1
は、多様な地形の表面状況の地盤面であっても緩勾配の
平坦地に造成すれば、植栽溝5の掘削成形を簡単に行う
ことができると共に、客土層7の充填作業及び排水層6
の形成作業等も簡単に行うことができるから、植栽床1
を地盤面の一側から他側に向けて多数列に並設する施工
作業も能率よく行うことができ、また植栽床1の上手側
端を揃えた状態で、上手側に沿って設置した給水本管3
から分岐させた給水管30を各植栽床1に沿設させるの
で、簡潔な配管構造によって各植栽床1に能率よく適切
に給水することができる。
【0032】また植栽床1はその排水層6内に排水管6
aを沿設しているので、植栽溝5内の余剰水を排水層6
を介して緩やかに集水し、この余剰水を排水管6aの下
手側端から地中内において、植栽溝5外に設置した集合
管6bと接続し排水部9に排水するから、植栽床1内の
余剰水を効率よく円滑に排出することができる。また集
合管6bを地上に露出させることなく埋設し地中で接続
しているので、圃場2の排水用の目詰まり等のトラブル
を防止した配管構造を簡単にすることができると共に、
作業が行い易い植栽床1の下手側における軽トラック等
の走行を支障なく行うことができ、収穫並びに栽培管理
等の作業を能率よく行うことができる等の特徴がある。
【0033】従って本発明によれば、様々な地形に適応
させて植栽床1を多数並設した、多量栽培可能な利便性
の高い圃場2の形成を低コストに提供することができる
から、環境に適応させた農地保全並びに農地の高度利用
等、農業の発展進化に大きく寄与することができる等の
利点もある。尚、本実施形態ではブルーベリー栽培用の
植栽床1及び圃場2について図示したが、他の植物を栽
培する場合には植栽床1の大きさ並び植栽床間隔等を適
宜に設定するとよい。
【0034】また本発明によれば、植栽床1は長い凹溝
状の植栽溝5を地盤面に一連に形成し、該植栽溝5内に
地盤面とは別の軽量富化肥料構造の客土層7を充填形成
するので、例えば硬い痩せ地の山地や岩盤地や干拓地等
であっても、地盤を略平坦面に均した後は、植栽溝5の
掘削形成は容易であり、この植栽溝5に排水層6及び客
土層7を充填すればよいから、従来植物の栽培が不能と
されているような場所であっても、上記の様な植栽床1
を構成することによって、植物の早期の栽培が可能とな
る。
【0035】また植栽床1を湿地や砂礫地に形成するよ
うな場合には、図5の点線で示すように、植栽溝5の側
壁或いは溝底面5aを地盤と区画する仕切壁1aを設置
することが望ましく、この場合には該仕切壁1aによっ
て地盤面下の水や異物等の植栽溝5内への浸入を防止す
ると共に、植栽溝5内の漏出を防止して所期の栽培を適
切に行うことができる、圃場2の形成を簡単に行うこと
ができる等の利点がある。
【0036】
【発明の効果】本発明は以上説明したような、地表にお
ける果樹又は野菜類等の栽培方法にしているので、以下
に記載するような効果を奏する。 (1)地盤面に所定方向に連続した植栽溝を緩やかな所
定の排水勾配を有して掘削形成すると共に、該植栽溝内
の上方に普通土等からなる土壌鉱物と、通水性,保水性
を備えた有機質素材からなる客土層を形成し、該客土層
の下方で溝底面上に通水性を備えた有機質素材からなる
排水層を形成し、該植栽床の排水層を植栽溝外に設けた
排水部に連通せしめ、上記植栽溝内の客土層に果樹又は
野菜類を播種又は植栽するようにしたことにより、多様
な地形の地盤面に対し緩やかな排水勾配を有する植栽溝
の成形を能率よく簡単に行うことができる。植栽溝内上
方の客土層を普通土及びゼオライト等からなる土壌鉱物
と、通水性、保水性を備えた有機質素材を混合している
ことにより、適当な保水性と通水性を有して植物の根張
りを良好にしながら、余剰水分をその下方の排水層から
排水部へ円滑に排出することができ、客土層の漏出並び
に根腐れや病虫害の発生を防止した植物の栽培を行うこ
とができる。
【0037】(2)植栽床を地盤面の一側から他側に向
けて複数列に並設すると共に、植栽床の上手側端を揃え
た状態で、上手側に沿って設置した給水本管から分岐さ
せた給水管を各植栽床に沿設し給水するようにしたこと
により、地盤面に複数列に並設した植栽床の上手側端を
揃え、これに沿って水源に通ずる給水本管を設け分岐さ
せた給水管を各植栽床に沿設して植栽床に給水するの
で、給水管は植栽床が長い場合でもその下方傾斜の所定
の排水勾配によって、植栽床の全長に対し給水孔から均
一に給水を行うと共に、水源から圃場毎に求められる好
適な給水形態を簡潔で廉価な構成を以て設置し得るの
で、様々な地形に適応させた植栽床を多数並設した、多
量栽培可能な利便性の高い圃場の形成を低コストに提供
できる。
【0038】(3)植栽床1の排水層内に排水管を沿設
し、各植栽床に配管した排水管の下手側端を、地中内に
おいて植栽溝外に設置した集合管と接続し排水部に連通
せしめて排水するようにしたことにより、植栽床は植栽
溝内の余剰水を排水層を介し排水管に速やかに集水し
て、複数の排水管の下手側端から地中内において、植栽
溝外に設置した集合管に送り排水部に排水するから、植
栽床内の余剰水を効率よく円滑に排出することができる
と共に、集合管を地上に露出させないで排水管と地中で
接続しているので、圃場の排水用の配管構造を簡単にす
ると共に、圃場内の栽培管理等の作業を能率よく行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる植栽床によって形成される圃場
の構成を示す平面図。
【図2】図1の圃場の実施形態を示す平面図。
【図3】図2の横断面図。
【図4】図2の植栽床の側断面図。
【図5】植栽床の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 植栽床 2 圃場 3 給水本管 5 植栽溝 6 排水層 6a 排水管 6b 集合管 7 客土層 8 被覆層 9 排水部 30 給水管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤面に所定方向に連続した植栽溝
    (5)を緩やかな所定の排水勾配を有して掘削形成する
    と共に、該植栽溝(5)内の上方に普通土等からなる土
    壌鉱物と、通水性,保水性を備えた有機質素材からなる
    客土層(7)と、該客土層(7)の下方で溝底面(5
    a)上に通水性を備えた排水層(6)とで植栽床(1)
    を形成し、上記排水層(6)を植栽溝(5)外に設けた
    排水部(9)に接続せしめ、上記植栽溝(5)内の客土
    層(7)に果樹又は野菜類を播種又は植栽する果樹又は
    野菜類等の栽培方法。
  2. 【請求項2】 植栽床(1)を地盤面の一側から他側に
    向けて複数列に並設すると共に、植栽床(1)の外部に
    設置した給水本管(3)から分岐させた給水管(30)
    を各植栽床(1)の上面側に沿設し給水する請求項1の
    果樹又は野菜類等の栽培方法。
  3. 【請求項3】 植栽床(1)の排水層(6)内に排水管
    (6a)を沿設し、各植栽床(1)に配管した排水管
    (6a)の下手側端を、地中内において植栽溝(5)外
    に設置した集合管(6b)と接続し排水部(9)に連通
    せしめて排水する請求項1又は2の果樹又は野菜類等の
    栽培方法。
  4. 【請求項4】 客土層(7)の表面側に木材,竹材等の
    植物性で粒状に破砕形成された有機質材からなる被覆層
    (8)を形成した請求項1又は2又は3の果樹又は野菜
    類等の栽培方法。
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