JPH116736A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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Publication number
JPH116736A
JPH116736A JP9161619A JP16161997A JPH116736A JP H116736 A JPH116736 A JP H116736A JP 9161619 A JP9161619 A JP 9161619A JP 16161997 A JP16161997 A JP 16161997A JP H116736 A JPH116736 A JP H116736A
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JP
Japan
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sensor
case
vibration
angular velocity
axis
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JP9161619A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Kanda
知幸 神田
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Priority to DE19756552A priority patent/DE19756552B4/de
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Publication of JPH116736A publication Critical patent/JPH116736A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動型の角速度センサにおいて、外部振動か
ら振動子を防振する防振機能、および外部衝撃による振
動子の損傷を防止する緩衝機能を両立させる。 【解決手段】 ケース10内に収納されたセンサ部20
は、振動子21とこの振動子21を支持する基板22と
を有する。基板22には、4つの円柱状の弾性材料から
なる防振部52が、基板支持部51を介して取り付けら
れ、これら防振部52によってセンサ部20は、ケース
10に対して浮遊支持されている。防振部52のせん断
方向であるx軸およびy軸方向において、基板支持部5
1からは、突出部51cおよび51dが形成され、両突
出部51c、51dは、ケース10の内壁11に対して
所定間隔の空隙L3、L4を設けて配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定軸回りの角速
度を電気的に検出する振動子を有する角速度センサに関
するものであり、特に、センサの耐振動、耐衝撃構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術として、特開平7−2
43857号公報に記載のものが提案されている。これ
は、振動子、振動子を支持するための回路基板、これら
振動子および回路基板を収納するためのケース、および
回路基板とケースとの間に設けられるクッション材(緩
衝部材)を含む角速度センサであり、落下などの外部か
らの衝撃に対して特性が安定である角速度センサを提供
するものである。
【0003】図13は、上記公報の角速度センサの一例
を示す断面図である。振動体14を含む振動子12のう
ち振動に影響のないノード点には、支持部材22が接合
され、支持部材22は取付板24に固着され、取付板2
4はクッション材30を介して短冊状のワークプレート
32に固定される。ワークプレート32には、振動子1
2を覆うようにしてワークカバー44が取付けられる。
ワークプレート32は回路基板58に強固に取付けら
れ、回路基板58とクッションカバー44の両端部はク
ッション材78に囲まれ、ケース88に収納される構成
となっている。
【0004】このような構成により、落下などでケース
88に過大な衝撃力が加わったときクッション材78で
緩和され、さらにクッション材30で振動子12に伝達
される衝撃力を低減することが可能となるため、振動子
12の支持部材22の塑性変形、クッション材30の捩
じれを防止でき、外部からの衝撃に対してセンサ特性が
安定である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、コリオリ力
を利用する振動型の角速度センサにおいては、振動子
を、振動子の固有モードのうちの或る固有周波数fで発
振、駆動し、振動子(質量m)に正弦波的に変化した速
度V・sin(ft)を与える。この速度で振動してい
る時に、振動子に所定の検知軸回りに角速度Ωが入力さ
れると、コリオリ力Fc=2mV・sin(ft)×Ω
が発生する。このコリオリ力による振動子(圧電体)の
歪みに応じて発生する電気的信号を、駆動周波数fと同
一周波数にて同期検波し角速度信号として出力する。
【0006】したがって、駆動周波数f近傍の周波数、
または駆動周波数fの奇数倍近傍の外部振動の帯域にお
いては、これら帯域の外部振動によるノイズ信号と入力
された角速度Ωによるコリオリ力の信号との分離が困難
であり、角速度の検出精度を悪化させてしまう。このよ
うな外部振動の対策として、単純には、前記の外部振動
帯域の振動加速度に対して十分大きいコリオリ力を発生
させてS/N比を大きくすることが、考えられるが、コ
リオリ力は、そもそも非常に小さいものであり、コリオ
リ力を大きくすることは、実用上困難である。そこで、
前記の外部振動の帯域を防振し振動子への外部振動の伝
達を低減させることが必要となる。
【0007】図13に示す従来構造は、クッション材7
8、クッション材30の2つクッション材によって構成
されているが、これらのクッション材は、ケース100
と振動体14の間で直列に接合されているため、事実
上、外部衝撃および外部振動に対しては、1つの構造で
ある。これらクッション材78、30は、落下などの過
大な衝撃力に対してのみ設計された構造となっており、
上記の外部振動帯域に対しては考慮されていない。この
ように、直列した1つの構造で落下などの過大な衝撃力
と上記の外部振動帯域に対して十分な効果を得られる構
造を設計することは設計上の制約(振動体の構造や駆動
周波数の限定等)となる。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みて、振動型の
角速度センサにおいて、外部振動から振動子を防振する
防振機能、および外部衝撃による振動子の損傷を防止す
る緩衝機能を両立させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来のよう
な直列した1つの構造では、落下などの過大な衝撃力の
衝撃緩和に適した弾性、および上記の外部振動帯域に対
して十分な防振効果を有する弾性を備えることは、上記
の設計上の制約等から困難であると考えた。また、上記
の従来構造(図13参照)では、衝撃を受けない通常使
用時においても、外部振動は、ケース100に直接接し
たクッション材78から、回路基板58、クッション材
30を通じて振動子12に伝達されてしまうと考えられ
る。
【0010】そこで、防振部材(52)と緩衝部材(5
1c〜51f)とを分離、独立させ、振動子(21)を
有する部分であるセンサ部(20)に対して、通常使用
時は防振部材が作用し、センサ部(20)を収納するケ
ース(10)に衝撃が加わった時のみ緩衝部材が作用す
るように、両部材(52、51c〜51f)の配置構成
等を検討することにより、防振、緩衝両機能の両立を図
ることとした。
【0011】すなわち、請求項1の発明においては、セ
ンサ部(20)は、防振部材(52)によってケース
(10)に対して支持され、緩衝部材(51c〜51
f)は、ケース(10)とセンサ部(20)との間に、
少なくとも一方と所定間隔の空隙(L3、L4)を設け
て配置されており、ケース(10)に衝撃が加わってセ
ンサ部(20)が所定間隔の空隙(L3、L4)を越え
て変位した時に、センサ部(20)とケース(10)の
内壁(11、10d)との間に緩衝部材(51c〜51
f)が挟まるようになっていることを特徴とする。
【0012】それによって、衝撃印加時に、センサ部
(20)がケース(10)の内壁(11、10d)に当
たっても、緩衝部材(51c〜51f)によって衝撃緩
和される。また、衝撃印加時以外(通常使用時)は、セ
ンサ部(10)は、防振部材(52)によってケース
(10)から浮遊支持され、且つ、緩衝部材(51c〜
51f)はケース(10)とセンサ部(20)との間
に、少なくとも一方と所定間隔の空隙(L3、L4)を
設けて配置されているため、ケース(10)からの外部
振動が、緩衝部材(51c、51d)を通って直接セン
サ部(20)に伝達されることが無く、防振部材(5
2)による防振作用のみが行われる。
【0013】よって、防振部材(52)においては、振
動子(21)の駆動周波数に対応した防振設計を行うこ
とができ、通常使用時には、センサの精度を維持できる
とともに、衝撃印加時には、衝撃による振動子(21)
およびセンサ部(20)の損傷を防止でき、防振、緩衝
の両機能を有する角速度センサを提供できる。ここで、
緩衝部材は、請求項2もしくは請求項3のように、ケー
ス(10)側もしくはセンサ部(20)側に取り付ける
ことができる。また、センサ部(20)およびケース
(10)の両方と所定間隔の空隙(L3、L4)を設け
た配置にもできる。
【0014】ここで、上記請求項3における緩衝部材
(51)のケース(10)への取付構成は、請求項4〜
請求項7に記載の発明の構成にすることができる。さら
に、請求項8の発明によれば、上記請求項1〜7に加え
て、緩衝部材(51c〜51f)による衝撃力の緩和作
用の方向が、防振部材(52)のせん断方向であること
を特徴とする。
【0015】弾性体である防振部材(52)において、
せん断応力は、圧縮・引っ張り応力に比べて弱い力で弾
性変形しやすい。そのため、せん断方向に衝撃力が加わ
った場合、センサ部(20)とケース(10)とが当た
りやすくなるが、本発明では、このせん断力の作用方向
に緩衝作用を備えているので、上記請求項1に記載の効
果に加えて、より効率的な緩衝作用を有する角速度セン
サを提供することができる。
【0016】また、請求項9の発明においては、緩衝部
材(51c〜51f)は、センサ部(20)とケース
(10)との間に、防振部材(52)によって防振され
る振動の経路とは並列的に配置されるので、この振動が
緩衝部材(51c〜51f)を介してセンサ部(20)
に伝わることは無い。しかも所定間隔の空隙(L3、L
4)を設けて配置されているので、ケース(10)から
の外部振動が、緩衝部材(51c〜51f)を通って直
接センサ部(20)に伝達されることが無い。そのた
め、防振部材(52)において最適な防振設計が可能と
なる。
【0017】さらに、緩衝部材(51c〜51f)の設
置部位は、防振部材(52)のせん断方向に設定されて
おり、センサ部(20)がせん断方向に所定間隔の空隙
(L3、L4)を越える変位をするとセンサ部(20)
を緩衝部材(51c〜51f)を介在してケース(1
0)により位置決めするので、上記請求項8に記載の効
果と同等の効果を実現できる。よって、本発明において
も、防振と緩衝の両機能を両立した角速度センサを提供
できる。
【0018】また、請求項10の発明によれば、請求項
8および請求項9に加えて、振動子(1)は、所定軸
(z)と直交するy軸方向に駆動振動するとともに、所
定軸(z)およびy軸と直交するx軸方向の検出振動に
より、所定軸(z)回りの角速度を検出するものであ
り、駆動振動および検出振動の方向が、防振部材(5
2)のせん断方向と平行であることを特徴とする。
【0019】それによって、防振部材(52)において
は、駆動、検出振動と平行な外部振動が共振周波数の小
さいせん断方向によって防振されるため、駆動、検出振
動に対する防振効果が一層向上できる。また、請求項1
1の発明においては、所定軸(z)回りの角速度を電気
的に検出する振動子(21)を有するセンサ部(20)
は、一方側がケース(10)に固定され、他方側がセン
サ部(20)に固定された弾性材料からなる防振部材
(52)によって支持されており、ケース(10)に
は、センサ部(20)の変位のうち防振部材(52)の
前記一方側と前記他方側とを結ぶ軸と交差する方向の最
大変位を規制するストッパ部(11、10d)が設けら
れており、ストッパ部(11、10d)とセンサ部(2
0)との間には、センサ部(20)に作用する衝撃力を
緩和する緩衝部材(51c〜51f)が配設されている
ことを特徴とする。
【0020】それによって、防振部材(52)の前記一
方側と前記他方側とを結ぶ軸方向の衝撃に対しては、主
に許容応力の大きい圧縮応力が作用する。そのため、こ
の方向には、センサ部(20)はケース(10)に当た
りにくく、ストッパ部(11、10d)および緩衝部材
(51c〜51f)を不要とできる。一方、上記の軸と
交差する方向の衝撃に対しては、主に許容応力の小さい
防振部材(52)のせん断応力あるいは曲げ応力が作用
することとなり変形し易い。そのため、この方向には、
ストッパ部(11、10d)を設けて、センサ部(2
0)が緩衝部材(51c〜51f)を介してストッパ部
(11、10d)に当たることで衝撃緩和されるように
している。よって、本発明においても、防振と緩衝の両
機能を両立した角速度センサを提供できる。さらに、上
記請求項8の効果と同等の効果も期待できる。
【0021】さらに、請求項12の発明によれば、請求
項11に加えて、振動子(1)は、所定軸(z)と直交
するy軸方向に駆動振動するとともに、所定軸(z)お
よびy軸と直交するx軸方向の検出振動により、所定軸
(z)回りの角速度を検出するものであり、防振部材
(52)の前記一方側と前記他方側とを結ぶ軸が、所定
軸(z)と平行であることを特徴とする。
【0022】それによって、駆動、検出振動に、それぞ
れ平行な方向の外部振動に対する防振は、主に防振部材
(52)のせん断方向の弾力によりなされるため、上記
請求項10と同様の効果を達成できる。また、請求項1
3の発明のように、緩衝部材(51c〜51e)と防振
部材(52)とが一体成形されているものにすれば、同
一材料にて一体化した構成とできるため、製造コストに
優れた角速度センサを提供できる。
【0023】また、請求項14のように、センサ部(2
0)は、振動子(21)を駆動し検出信号を処理する信
号処理部(20b)を有し、防振部材(52)はこの信
号処理部(20b)に取り付けられているものとして
も、上記請求項1〜請求項13の発明の効果を有する角
速度センサを提供することができる。また、請求項15
の発明においては、緩衝部材(51c〜51e)は、セ
ンサ部(20)とケース(10)との間に、防振部材
(52)によって防振される振動の経路とは並列的に配
置されているので、この振動が緩衝部材(51c〜51
f)を介してセンサ部(20)に伝わることは無い。ま
た、センサ部(20)が所定量変位をするとセンサ部
(20)を緩衝部材(51c〜51e)を介在してケー
ス(10)により位置決めするようになっている。よっ
て、防振と緩衝の両機能を両立する角速度センサを提供
できる。
【0024】さらに、防振部材(52)および緩衝部材
(51c〜51e)は同一弾性材料にて一体成形され、
この両者が一体部品としてケース(10)に組み付けら
れるので、上記請求項13の発明と同等の効果を達成で
きる。なお、上記請求項1〜請求項15の発明におい
て、ケース(10)内には、センサ部(20)と電気的
に接続され振動子(21)を駆動し検出信号を処理する
回路基板(80)が収納されているものであってもよ
い。さらに、振動子(21)は、一対のアーム部(2
4、25)と、これら両アーム部(24、25)の一端
を連結する連結部(26)とにより音叉形状に形成され
たものにすることができる。また、振動子(21)は、
PZTセラミックス等の圧電体よりなるものにできる。
【0025】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明を図に示す実施形態に基
づき説明する。図1〜図6に本実施形態の具体的構造を
示す。本実施形態は、例えば、車両の姿勢制御やカーナ
ビゲーション等の角速度センサとして使用される。図1
は、本実施形態の全体構成を示す分解斜視図である。
【0027】本実施形態は、車両等の被検出物に固定さ
れるケース10、振動子21を有するセンサ部20、ケ
ース10へセンサ部20を保持させケース10から伝達
される振動および衝撃を減衰させるホルダー50、セン
サ部20とホルダー50を締結するためのネジ60およ
びプレート61、ケース10へホルダー50を固定する
カラー65、センサ部20のハーメチック端子Pと回路
基板80との間を接続し電気信号を伝達するフレキシブ
ルサーキット(以下、フレキと略す)70、振動子21
への駆動信号を発生させ検出された信号を処理する回路
基板80、回路基板80への電源供給入力端子と回路基
板80にて処理された角速度信号出力端子とを含み回路
基板80をカバーする機能をもつコネクター90および
図示されていない締結用のネジ等にて構成されている。
【0028】まず、角速度センサのセンサ部20につい
て説明する。図2(a)は、センサ部20を図1のA方
向からみた全体構成図、図2(b)は図2(a)のB方
向からみた透過側面図であり、図3は、センサ部20の
主要部を示す斜視図であり、図4は、センサ部20の振
動子21を前後左右からみた展開図であり、振動子21
上の電極構成を示すものである。
【0029】図2(a)および図2(b)に示すよう
に、センサ部20は、表面に電極を有する振動子21、
振動子21とは略平行に配置された金属製の板状の基板
(基台)22、振動子21と基板22とを連結固定する
例えば42アロイからなる支持部23、振動子21を覆
う金属製のドーム状のシェル27を備えた構成となって
いる。なお、図2(a)においてはシェル27は省略し
ている。
【0030】図3に示すように、振動子21は、一対の
角柱状のアーム部24、25と、両アーム部の一端を連
結する連結部26とを有した音叉形状を有したいわゆる
音叉型振動子を構成している。そして、振動子21は、
首状のネック部23aを有する略エ字型の支持部23を
介して、基板22に固定されており、図2(b)に示す
ように、基板22には凹部22dが形成されており、振
動子21自身は基板22に対して平行に浮遊した形とな
っている。
【0031】次に、図4(a)〜(d)を参照して、振
動子21上の電極構成について述べる。(a)は、アー
ム部24、25の長手方向に延びて対向するU字形状の
振動子面のうち第1の振動子面(X1面)、(b)は上
記のU字形状の振動子面のうち第2の振動子面(X2
面)、(c)および(d)は、それぞれアーム部24、
25の配列方向であるy軸と直交するY1面およびY2
面上の電極構成を示すものである。
【0032】X1面には、表面に振動子21を駆動する
ための駆動電極30、31と、駆動状態をモニタし自励
発振させるため帰還用の参照電極32、33と、取出し
電極34、35と、ポスト電極36、37とが形成され
ている。一方、X2面には、基準電位用電極である共通
電極40がほぼ全面に形成されている。また、Y1、Y
2面には、コリオリ力によって発生する電荷を取出し角
速度を検出するための検出電極41、42が形成されて
いる。
【0033】ここで、取出し電極34、35は、それぞ
れ、Y1、Y2面上の短絡電極43、44を介して共通
電極40と電気的に導通しており、また、ポスト電極3
6、37は、それぞれ、Y1、Y2面上の引出し電極4
5、46を介して検出電極41、42と電気的に導通し
ている。また、振動子21は、図3の白抜き矢印に示す
ように、X1、X2面に直交するx軸方向に分極処理さ
れている。なお、上記の取出し電極34、35は、振動
子21を分極処理するための、分極用電極としても用い
られる。
【0034】ここで、本実施形態では、上記のx軸、y
軸、およびアーム部24、25の長手方向と平行且つ両
アーム部4、5の中央に位置するz軸(検知軸)によ
り、図3に示すxyz直交座標が構成される。以下、本
実施形態において、このxyz直交座標を用いて説明す
る。また、以下、x軸方向というのは、x軸と平行な方
向であることを意味する。y軸、z軸方向についても同
様である。
【0035】そして、図2(a)および(b)に示すよ
うに、上記のX1面上の駆動電極30、31、参照電極
32、33、取出し電極34、35、およびポスト電極
36、37は、基板22に設けられた複数のハーメチッ
ク端子Pと、導電性のワイヤ(例えば、Al線)Sに
て、結線されている。これらハーメチック端子Pは、基
板22を貫通して設けられ、基板22の振動子21とは
反対の面に突出している。本実施形態では、ハーメチッ
ク端子Pは、例えば、アーム部24側に6個、アーム部
25側に5個設けられている。各ハーメチック端子Pの
外周には、絶縁ガラス22aが配置され、ハーメチック
端子Pと基板22との電気絶縁、及び気密を保つ役割を
果している。なお、図3においては、これらワイヤSお
よびハーメチック端子Pは省略してある。
【0036】また、図2(a)に示すように、基板22
の外周には、ネジ穴22bを有する取付部22cが2ヵ
所突出して形成されており、この取付部(センサ部側取
付部)22cによって、後述する防振部材を有するホル
ダー50が基板22に取り付けられるようになってい
る。シェル27は、その外周を基板22の外周縁部と接
合され、シェル27内部を気密として、振動子21を保
護している。
【0037】次に、上記の振動子21を有するセンサ部
20の作製方法について述べる。振動子21は、圧電性
を有するセラミック(PZT、チタン酸バリュウム、な
ど)または単結晶材料(水晶、ニオブ酸リチュウムな
ど)を機械加工または化学的なエッチング加工によって
コの字型の音叉形状に加工される。本実施形態では、P
ZTバード材を用いて、振動子21の駆動周波数を決定
するアーム部24、25の長さ(例えば、17mm)、
厚み(例えば、2mm)、幅(例えば、2mm)を所定
の寸法に加工し、約3.2kHzの駆動周波数を有する
振動子21を作製する。
【0038】上記駆動電極30、31、参照電極32、
33、取出し電極34、35、およびポスト電極36、
37の各電極を銀、アルミなどの導電性材料を焼成また
は蒸着などによって形成後、x軸方向に対して均一に分
極軸が配向するように、除去可能な導電性ペーストなど
で表面をコート後、加熱されたシリコンオイル中で分極
処理を行う。
【0039】分極後、導電性ペーストを有機溶剤などで
除去し、Y1、Y2面に検出電極41、42を形成す
る。検出電極41、42は、分極状態維持するためにセ
ラミックのキュリー温度以下でセラミックとの接合が可
能で導電性を有する樹脂銀などの材料が望ましい。さら
に、配線作業が効率的にできるようにするため、Y1、
Y2面に短絡電極43、44および引出し電極45、4
6、を形成し、共通電極40および検出電極41、42
を、それぞれ、X1面の取出し電極34、35およびポ
スト電極36、37へ取出すようにする。短絡電極4
3、44と取出し電極34、35との接合及び引出し電
極45、46とポスト電極36、37との接合は、検出
電極41、42と同様、樹脂銀などが望ましい。
【0040】このように加工、分極、電極付与された振
動子21は、音叉の振動を閉じ込めるために首状のネッ
ク部23aを有する金属製の支持部23に接合される。
支持部23は、圧電セラミックとの熱膨張による応力が
小さくなるような材質、例えば、42アロイ、コバール
などの低膨張の材料が望ましい。振動子21と支持部2
3との接合は、分極状態を維持するために圧電セラミッ
クのキュリー温度以下で圧電セラミックとの接合が可能
な接着が望ましく、熱膨張が小さく縦弾性係数が大きい
エポキシ系接着剤による接着が好適である。
【0041】支持部23と接合された振動子21は、支
持部23を介して、金属製の基板22に接合される。接
合はスポット溶接、レーザ溶接、接着などによって行
う。接合後、基板22に形成されているハーメチック端
子Pと振動子21のX1面に形成された各電極とを、ア
ルミ線の超音波圧接にてワイヤボンディングする。この
とき、ワイヤSの共振が、振動子21の振動に影響しな
いようなアルミ線径、線長とすることが望ましい。
【0042】ワイヤボンディング後、振動子21を密封
するために、振動子21をシェル27で覆い、シェル2
7の外周と基板22の外周縁部とをプロジェクション溶
接する。このようにして、振動子21、基板22、ハー
メチック端子P、ワイヤSおよびシェル27から構成さ
れるセンサ部20が完成する。また、上記の回路基板8
0は、駆動・検出回路(図示しない)を有している。こ
の駆動・検出回路は、上記した振動子21への駆動信号
(交流電圧)を発生させ振動子21を所定の駆動周波数
で励振させると共に、振動子21の振動状態から発生す
る電気信号を駆動周波数で同期検波する等の検出処理を
行い、z軸(検知軸)回りの角速度Ωzを検出するよう
に構成されている。
【0043】そして、図1に示すように、基板22の振
動子21とは反対の面にて、ハーメチック端子Pと回路
基板80とを、フレキ70によって電気的に接続するこ
とにより、振動子21上の各電極と、上記の駆動・検出
回路との電気信号の入出力が可能となる。なお、フレキ
70は、電気信号を増幅するオペアンプを有している。
【0044】さらに、回路基板80は、コネクタ90と
電気的に接続されている。コネクタ90は、例えば、車
両のECUのハーネス(図示せず)等に、電気的に接続
されるようになっている。そして、振動子21からの電
気的信号は、回路基板80の駆動・検出回路で処理さ
れ、コネクタ90を通じてECU等に送信されるように
なっている。
【0045】以上のように回路基板80と電気的に接続
された振動子21の作動について、図5を参照して説明
する。図5は、振動子21の作動原理を示すものであ
る。角速度の検出にはコリオリの力を利用する。各駆動
電極30、31に、互いに180°位相の異なる交流電
圧(駆動電圧)を印加し、圧電変換によって発生する応
力により、y軸方向にアーム部24、25を質点速度V
にて励振(駆動振動)させる。駆動周波数は、効率が高
く同一電圧で速度最大となる振動子21の1次対称振動
モードの共振周波数(約3.2kHz)で駆動する。発
振の安定化を図るため参照電極32、33から振動子2
1の振動状態(振幅・位相)をモニタし、駆動電圧にフ
ィードバックして自励発振制御を行う。
【0046】このように振動子21に質点速度Vの駆動
振動を与えた状態で、角速度Ωzを入力させると質点速
度V方向と角速度入力軸(z軸)に対して垂直方向(x
軸方向)にコリオリ力Fcが発生する。コリオリ力Fc
によりアーム部24、25が厚み方向(x軸方向)へた
わみ振動(検出振動)し、たわみ量に比例して発生する
振動子21のY1、Y2面上の電荷を検出電極41、4
2からポスト電極36、37を介して取出し、回路基板
80の駆動・検出回路へ信号として伝達する。駆動・検
出回路で処理され入力角速度Ωzに比例した直流電圧が
コネクター90からECUへ出力される。
【0047】次に、本実施形態の防振構造および衝撃緩
和構造について説明する。図1に示すように、ケース1
0は、アルミダイカスト製であり、一面が開口した箱型
形状をなしている。内壁11の4か所の隅部には、ホル
ダーを取付け固定するためのU字溝を有する座面10a
が、内壁11から突出して設けられている。なお、ケー
ス10の内壁11は、後述するセンサ部20の最大変位
を規制するストッパ部としての機能を有している。ここ
で、図1において、ケース10の上側の2つの座面は省
略している。
【0048】また、ケース10の外周部には被測定物
(車両等)に取付け固定されるための取付け部10bが
形成されている。そして、被測定物(車両等)に対し
て、取付け部10bを天地の下側として固定される。図
6は、センサ部20にホルダー50が取り付けられ、ケ
ース10に収納された状態を示すものであり、(a)は
図1のA方向からケース10を透過してみた図、(b)
は(a)の右側面透過図である。
【0049】センサ部20は、2つのホルダー50を介
して、シェル27側からケース10の開口部を通してケ
ース10内部に収納固定される。ここで、センサ部20
は、z軸を天地方向として配置される。各ホルダー50
は、基板支持部(緩衝部材側取付部)51と、この基板
支持部51に一端部を固定された2つの円柱状の防振部
(防振部材)52とが一体に成形されたものとなってい
る。そして、防振部52の他端部はケース10の内壁1
1に固定されるようになっている。
【0050】基板支持部51は、上述した基板22の取
付部22cの断面形状に対応した四角形状の挿入穴51
a、およびネジ穴51b(図1参照)を有している。そ
して、挿入穴51aに取付部22cが挿入され、両ネジ
穴22b、51bを貫通するネジ60およびプレート6
1によって、基板支持部51と取付部22cとは締結さ
れ、ホルダー50は基板22に固定される。
【0051】また、基板支持部51の外周は、ケース1
0の内壁11と対向する方向において、センサ部20の
外周よりも、内壁11に近くなっている。具体的には、
図6(a)に示すように、y軸方向において、基板支持
部51の外周は、基板22の取付部22cの外周より
も、所定距離L1分突出した部分であるy軸突出部51
cを形成している。また、図6(b)に示すように、x
軸方向において、基板支持部51の外周は、センサ部2
0の外周すなわちシェル27の外周よりも、所定距離L
2分突出した部分であるx軸突出部51dを形成してい
る。なお、x軸突出部51dは、ネジ60の頭部よりも
x軸方向に突出している。
【0052】本実施形態では、基板支持部51の一部と
して、基板支持部51と一体に成形された両突出部51
cおよび51dが、本発明の緩衝部材として構成されて
いる。そして、y軸突出部51cおよびx軸突出部51
dの外周とケース10の内壁11とは、図6に示すよう
に、それぞれ、所定間隔の空隙L3およびL4を有して
配置されている。この空隙L3、L4は、ケース10に
衝撃が加わらない通常使用時において、防振部52の弾
性変形により想定されるセンサ部20の最大変位量以上
を確保するような間隔に設計されており、例えば、L3
およびL4はおおよそ2mm程度である。
【0053】なお、もし、この空隙L3、L4がなく、
各突出部51c、51dがケース10の内壁11とくっ
ついていると、外部振動が、ケース10から各突出部5
1c、51dを介して、センサ部20に伝わってしま
う。そうなると、防振部52による防振効果が阻害され
てしまう。また、センサ部20の基板22の取付部22
cに対して、各突出部51c、51dは、x、y軸方向
に配置され、防振部52は、z軸方向に配置されてい
る。すなわち、各突出部51c、51dは、センサ部2
0に対して、防振部52とは並列して配置された形とな
っている。これら空隙L3、L4および並列配置の効果
により、緩衝部材である各突出部51c、51dと防振
部52とは独立に機能できると共に、両部それぞれの最
適設計が可能となる。
【0054】次に、ホルダー50の防振部52は、通常
の使用環境で想定される外部振動に対して振動子21か
ら出力されるノイズ信号がある一定レベル以下になるよ
うに防振設計されている。そして、防振部52は、防振
部52のうち基板支持部51と一体に固定された端部と
反対側の端部は、防振部52と一体に成形された鍔部5
2aを有した構成となっており、ホルダー50は、この
鍔部52aがケース10の内面に弾性的に圧着すること
により、ケース10に固定される。
【0055】そして、防振部52においてケース10に
固定された端部側と基板支持部51に固定された端部側
とを結ぶ軸、すなわち円柱の長手方向の中心軸が、z軸
方向および基板22に平行に配置されている。こうし
て、センサ部20および両突出部51c、51dは、防
振部52を介してケース10に連結されて、ケース10
内に浮遊支持された形となっている。
【0056】ここで、センサ部20およびホルダー50
以外の構成要素について、ケース10への取付け構造を
述べる。図1に示すように、カラー65は、その外周が
ケース10の内周よりも小さく、たとえば長方枠形状を
なしている。カラー65の枠部65bには、ケース10
の座面10aと対応する位置に、U字溝を有する座面6
5aが一体に形成されている。
【0057】そして、ホルダー50が取付けられたセン
サ部20を、ケース10内に収納した後、ケース10と
カラー65の両座面10a、65aの両U字溝で防振部
52をはさみ付けて、ホルダー50をケース10に固定
する。つまり、ホルダー50は上記の鍔部52aおよび
これら座面10a、65aの作用により、ケース10に
固定されている。
【0058】続いて、フレキ70は、このフレキ70に
形成された各穴に、基板22のハーメチック端子Pを挿
入することで、センサ部20と電気的に接続される。そ
して、フレキ70と回路基板80とを電気的に接続した
後、カラー65および回路基板80を、ケース10内に
形成された図示しないネジ穴および図示しないネジ等を
用いて、ケース10内部に固定する。
【0059】その後、回路基板80とコネクタ90とを
配線部材等により電気的に接続し、コネクタ90の外周
とケース10の外周とを、ケース10の外周の隅部に設
けられたネジ穴10c(図1中、4個)およびネジ(図
示せず)により接合する。以上により、本実施形態の角
速度センサが完成する。次に、ケース10内に取り付け
られたセンサ部20およびホルダー50により構成され
る防振・衝撃緩和構造の作用について、さらに、詳細に
説明する。まず、防振構造について述べる。
【0060】防振部52は、使用環境での振動パワース
ペクトラム(周波数と振幅)を考慮して設計される。本
実施形態では、角速度センサを適用するシステム仕様値
から許容される出力誤差以下になるよう、駆動周波数で
ある3.2kHzの振動周波数帯域を−40dB以下に
減衰するように、防振部52とセンサ部20とによって
構成されるバネ・質量系の1次固有振動数を100〜3
00Hzに設定している。また、防振部52の減衰率
は、防振性能上0.5以下に小さくすることが望まし
い。
【0061】そのため、ケース10からの上記の駆動周
波数近傍の周波数、または駆動周波数の奇数倍近傍の帯
域の外部振動は、防振部52によって減衰され、センサ
部20および緩衝部51に影響を与えない。よって、角
速度センサの検出精度が向上できる。なお、防振部52
は、使用環境温度内でのバネ定数変化を考慮し材質を選
定することが望ましい。ここで、シリコンゴムはバネ定
数の温度変化が小さく、使用温度範囲が広い場合好適で
ある。
【0062】また、これら4つの防振部52は、これら
の合成弾性中心は、センサ部20の重心と略一致するよ
うに配置されている。そのため、おり、外部振動が加わ
ったときに、センサ部20に回転運動が連成されないよ
うに構成されている。図7(a)〜(c)に、本実施形
態の防振構造(図6参照)をモデル化した図を示す。セ
ンサ部20を四角形、センサ部20の重心を白丸M、防
振部52をバネによって表現している。図7(a)は、
振動子21のX1面からみたもの、図7(b)は、振動
子21のY2面からみたもの、図7(c)は、振動子2
1の下方(つまり、天地の下方)からみたものとして示
されている。
【0063】一般的に、防振ゴムには、力を作用させる
と、力の方向と弾性変位の方向が一致し、かつ角変位を
生じないような軸が3方向に存在する。このような軸
は、防振ゴムの弾性主軸と呼ばれ、力の作用線が弾性中
心(3つの弾性主軸の交点)を通る時は、防振ゴムには
並進的な変位のみが発生し、角変位は生じない。図7で
は、各防振部52の各方向の合成弾性主軸を、上記した
振動子21に基づくxyz直交座標系を用い、それぞれ
矢印Dx、Dy、Dzで示す。そして、各合成弾性主軸
Dx、Dy、Dzの交点である合成弾性中心は、図中の
黒丸D1に示す位置となる。
【0064】また、この時のx、y、z各軸方向の力の
作用は、センサ部20の質量中心、つまりセンサ部20
の重心M(白丸)に対して働く。ちなみに、図7(a)
におけるx軸方向、図7(b)におけるy軸方向、図7
(c)におけるz軸方向は、それぞれ、各図における紙
面手前方向である。本実施形態によれば、防振部52の
弾性変位は、z軸方向(角速度の検出軸方向)に圧縮方
向、x、y軸方向にせん断方向となるように配置されて
いる。
【0065】本実施形態の防振構造は、4つの防振部5
2の合成弾性中心D1とセンサ部20の重心Mとが一致
している。この様な場合は、回転モーメントを発生しな
いので、図8に示す様に、外部からの振動(車両振動
等)に対し、センサ部20は、角変位を発生せず並進運
動のみとなる。従って、本実施形態の防振構造では、セ
ンサ部20が、車両振動等の外部振動に対し回転運動を
連成しない、つまり、角速度を出力しない構造であり、
オフセット出力の低減等、角速度センサのとしての誤差
を低減することができる。
【0066】また、上述したように振動子21の駆動、
検出振動は、それぞれx、y方向であるが、本実施形態
では、x、y軸方向が、防振部52の弾性体の圧縮方向
ではなく、共振周波数の小さいせん断方向としている。
そのため、駆動、検出振動に対する防振効果が、一層向
上している。また、センサ体格に制約がある場合、通常
使用時における上記防振構造の1次固有振動数での振動
変位量を考慮し、通常使用時では、センサ部20がケー
ス10に当たらないようにすることが必要である。
【0067】本実施形態では、上記のせん断応力による
防振効果を達成させるため、z軸方向に圧縮・引張り応
力、x軸およびy軸方向にせん断応力が作用するので、
通常使用時におけるx軸およびy軸方向への振動変位量
が、これと検知軸(z軸)方向に比べて大きくなる。よ
って、図6に示すように、防振部52を配置し、検知軸
方向へのケース10の高さを低く、x軸、y軸方向への
ケース10の幅を広くして、各突出部51c、51dと
ケース10の内壁11との空隙L3、L4をx軸、y軸
方向で広めにしている。
【0068】また、図6に示すように、円柱状の防振部
52は、基板22と略同一平面内に、基板22の左右両
側に配置されている。さらに、各防振部52の基板支持
部51側の端部は、z軸方向におけるセンサ部20の略
中央に位置している。そのため、センサの厚み方向(x
軸方向)の体格を薄くできるとともに、防振部52のセ
ンサ部20側の固定部位を、基板22の上下両側に設け
る場合に比べて、センサの上下方向(z軸方向)の体格
を小さくできる。
【0069】また、本角速度センサは、車両のコンソー
ルボックス等、検知軸(z軸)方向の高さの制約が多い
部位に、検知軸を天地として搭載されるため、検知軸方
向の高さを低くした本角速度センサの構成は好ましい。
次に、衝撃緩和構造に関する作動について説明する。衝
撃緩和構造は落下や車両衝突時などの、偶発的に発生す
る過大な衝撃力に対してセンサ部20内の振動子21等
の破損を防止するものである。もし、本実施形態におい
て、上記の両突出部51c、51dが無く防振部52の
みの場合、ケース10の内壁11との空隙L3、L4を
十分確保しないと、衝撃力に対して衝撃力の減衰ができ
ず、いたずらにケース10しいてはセンサの体格が大き
くなってしまう。特に、防振部52のせん断方向(x
軸、y軸方向)へは固有振動数(共振周波数)が100
Hz程度と低いため十分クリアランスを確保する必要が
ある。
【0070】本実施形態では、制約されたセンサ体格内
で衝撃力を緩和するために、防振部52のせん断方向
(x軸、y軸方向)に対して、緩衝部51が緩衝作用を
するようにしている。すなわち、ケース10に対して所
定の大きさ以上の衝撃力が作用した場合、防振部52
は、せん断方向へ変形する。そして、センサ部20が、
上記の空隙L3、L4を越えて、せん断方向、例えばx
軸(y軸)方向に変位した時には、センサ部20が上記
のx軸突出部51d(y軸突出部51c)が、ストッパ
部である内壁11に衝突して、センサ部20と内壁11
との直接の当たりを防止し、ゴム変形による衝撃緩和を
行う。つまり、各突出部51c、51dは、センサ部2
0とケース10の内壁11とに挟まれる。
【0071】このように、本実施形態では、x軸突出部
51d、y軸突出部51cが形成されていることによ
り、結果的に、防振部52の圧縮・引っ張り方向(z軸
方向)以外の変形しやすいせん断方向(x、y軸方向)
にかかる過大な衝撃力に対して緩衝作用を行うことがで
きる。なお、z軸方向の衝撃緩和作用は、防振部52の
中心軸方向に作用する圧縮応力によりなされるので、z
軸方向では、緩衝部材が不要とできる。
【0072】略言すれば、本実施形態のように、防振部
材として円柱状の防振部52を用いた防振構造におい
て、せん断方向での防振効果を実現しつつ、変形しやす
いせん断方向に、緩衝作用を行う緩衝部材を設けること
は有効である。また、図6に示すように、各突出部51
cおよび51dが、ケース10の内壁11と当たる面積
は、それぞれ、防振部52の円柱の断面積よりも大きく
なっている。本実施形態では、防振部52および両突出
部51c、51dは同一弾性材料にて一体形成されてい
るので、両部のヤング率は当然同じである。z軸方向の
衝撃は、防振部52の長手方向で緩和できるが、x、y
軸方向は、上記のセンサ体格の制約もあるため、緩和の
ストロークを長く出来ない。そのため、上記面積を大き
くすることで緩和作用を確保している。
【0073】緩衝部51の突出量と衝撃緩和効果に関す
る試験結果を図7にしめす。ここで、突出量は、上記の
y軸突出部51cの突出距離L1である。図9は、同一
の落下高さでの、突出量0mmを基準とした時の突出量
L1と落下衝撃緩和効果の関係を示す試験結果である。
横軸は突出量L1、縦軸は、本発明者が衝撃絶縁性向上
量と呼ぶもので、20log( 振動子上の衝撃加速度/
ケース上の衝撃加速度)dBを、突出量0mmを0dB
として相対的に表示したものである。突出量L1の増大
により耐落下衝撃性が向上する傾向にあることを確認し
た。本実施形態では、センサ体格と落下高さの必要許容
値及び通常の使用環境で想定される防振構造の最大変位
量を考慮し、突出量を3.2mmに設定している。
【0074】以上のように、本実施形態によれば、緩衝
部材である各突出部51c、51dおよび防振部材であ
る防振部52を、センサ部20に対して、並列に配置し
ているので、防振と緩衝の作用方向が分離、独立した形
となっている。また、通常使用時は、防振部52が作用
し、センサ部20に衝撃が加わった時のみ、各突出部5
1c、51dが作用するような構成としている。
【0075】よって、防振、緩衝の両機能が両立できる
とともに、振動体の構造や、駆動周波数が限定されるこ
となく、また限られたケース容積内で、防振、緩衝両機
能をそれぞれ最適設計するに効率的な構成を提供するこ
とができる。また、本実施形態では、防振部材である防
振部52と緩衝部材である各突出部51c、51dとを
同一部材にて一体化した構成である為、製造コストに優
れた角速度センサを提供できる。
【0076】なお、基板支持部51のうち、x軸および
y軸突出部51c、51dのみが弾性材料であるように
構成されていればよく、その他の基板支持部51部分は
剛体材料であってもよい。また、衝撃時にx軸およびy
軸突出部51c、51dが当たるのは、ケース10の内
壁11でなくともよく、ケース10内に、別体のストッ
パ部を設けた構成としてもよい。
【0077】なお、回路基板80およびコネクタ90
は、ケース10内に収納されていなくともよく、ケース
10の外部の別部位に配設されるようにしてもよい。 (第2実施形態)上記第1実施形態においては、防振部
材と緩衝部材とがホルダー50の一部として一体に形成
され、緩衝部材はセンサ部20側に取り付けられた形と
なっている。本実施形態は、緩衝部材をケース10側に
取り付けたものとしている。なお、本実施形態におい
て、上記第1実施形態と同一の構成部分については、図
中、上記第1実施形態の各図と同一符号を付して説明を
省略する。
【0078】図10に、本第2実施形態の一例を示す。
本例は、四角形状の枠体10dを有した構成となってい
る。枠体10dは、シリコンゴム等の弾性体からなり、
その外周がケース10の内周に対応した形状を有してい
る。そして、枠体10dは、ケース10内面に嵌め込ま
れ、ケース10の内壁の一部を構成するとともに、後述
するように、センサ部20の最大変位を規制するストッ
パ部としても構成される。
【0079】枠体10dには、z軸方向に対向する内周
面を跨いで、本発明の防振部材としての円柱状の防振部
52および基板22と固定される取付部52cが一体に
形成されている。各取付部52cの両側からは、2本の
防振部52がz軸方向に延び、防振部52の取付部52
cと反対側の端部は、枠体10dの内周面に固定された
形となっている。
【0080】取付部52cは、上記第1実施形態の基板
支持部51(図6参照)において、両突出部51c、5
1dが無いものと同じ構成となっている。防振部52
は、上記第1実施形態の防振部材と同様の防振機能を有
し、センサ部20に伝わる所定帯域の外部振動を減衰さ
せるようになっている。また、図10に示すように、枠
体10dのうち防振部52の両端が固定されている内周
面と直交する内周面からは、本発明の緩衝部材としての
2つの緩衝部51eが突出して形成されている。そし
て、緩衝部51eとセンサ部20とは、y軸方向、すな
わち防振部52のせん断方向に所定の空隙L3が設けら
れている。つまり、本例では、上記第1実施形態のy軸
突出部に相当する緩衝部51eをケース10の内壁側に
もうけた形となっている。
【0081】これら防振部52、取付部52cおよび緩
衝部51eは、シリコンゴム等の弾性体で、枠体10d
に一体に形成されている。そして、基板22の取付部2
2cがネジ60およびプレート61によって、取付部5
2cに取り付けられ、センサ部20は、枠体10dの内
周面内に配置される。そして、枠体10dとともに、セ
ンサ部20はケース10内に収納固定される。ここで、
枠体10dは、締結あるいは接着等により、ケース10
内に固定される。
【0082】本例では、緩衝部51eとセンサ部20と
は、y軸方向に所定の空隙L3が設けられているため、
過大な衝撃によってセンサ部20が、y軸方向に所定の
空隙L3以上変位した時に、センサ部20が緩衝部51
eに当たって、衝撃が緩和され、枠体10dにより位置
決めされる。なお、本例において、枠体10dは、弾性
材料でなくとも剛体材料であってもよく、枠体10dに
設けられる防振部52および緩衝部51eが弾性材料で
あればよい。
【0083】図11に、本第2実施形態の他の例を示
す。本例では、防振部材と緩衝部材とを別体の弾性材料
から成形している。本例のホルダー50は、上記第1実
施形態のホルダー50の基板支持部51(図6参照)に
おいて、x軸およびy軸突出部51c、51dが無いも
のと同じ構成となっている。従って、本例のホルダー5
0は、防振部材としての防振部52、この防振部52を
センサ部20に取り付ける取付部52c、および鍔部5
2aとから構成される。防振部52は、上記第1実施形
態の防振部材と同様の防振機能を有し、センサ部20に
伝わる所定帯域の外部振動を減衰させるようになってい
る。
【0084】本例の緩衝部材は、図11に示すように、
断面L字型形状を有した緩衝片51fであり、ケース1
0の内壁面に接着等により取り付け固定される。ケース
10内に面した2つの面が、それぞれ、x軸およびy軸
方向において、ホルダー50の取付部52cとは、所定
の隙間を開けて配置されている。そのため、過大な衝撃
によって、防振部52がせん断方向(x軸、y軸方向)
に変形して、センサ部20がx軸およびy軸方向に所定
の隙間以上変位した時に、センサ部20は緩衝片51f
に当たって、衝撃が緩和されるようになっている。
【0085】本例では、緩衝片51fを防振部52と別
体としているため、互いに材質の異なるものとできる。
そのため、緩衝片51fは、衝撃緩和効果の大きい減衰
率0.4近傍の部材を使用することができ衝撃緩和効果
を更に向上できる。なお、緩衝片51fは、例えば、図
11において、シェル27と対向するケース10の内壁
に取り付けられていてもよい。
【0086】また、上記各例において、緩衝部材は、ケ
ースの内壁およびセンサ部の両方と所定の空隙を設け
て、ケースの内壁に取り付けられ、ケースに衝撃が加わ
った時に、防振部材が変形してセンサ部とケースとの間
に緩衝部材が挟まるように構成されたものであってもよ
い。 (第3実施形態)上記各実施形態においては、振動子を
駆動し検出信号を処理する駆動・検出回路を有する回路
基板80が、センサ部20とは別体に設けられている。
本実施形態は、上記各実施形態の回路基板に相当する部
分を、センサ部の一部に組み込むという技術思想に基づ
くものである。なお、本実施形態中、上記第1および第
2実施形態と同一の構成部分については、図12中、上
記各図と同一符号を付して説明を省略する。
【0087】図12は、本第3実施形態を示すものであ
る。本実施形態のセンサ部20は、図に示すシェル2
7、振動子21、基板22等からなるセンサ本体部20
aと、振動子21を駆動し検出信号を処理する信号処理
部20bとから構成されている。センサ本体部20a
は、基板22が上記各実施形態の取付部22cを有して
いないこと以外は、上記第1および第2の各実施形態の
センサ部と同一の構成である。信号処理部20bは、上
記各実施形態の回路基板80と略同一構成であり、振動
子を駆動し検出信号を処理する駆動・検出回路(図示せ
ず)を有する基板部20cから構成されている。
【0088】信号処理部20bの基板部20cには、セ
ンサ本体部20aのハーメチック端子Pが挿入される複
数の端子穴20dが形成され、これら端子穴20dによ
り、センサ本体部20aと信号処理部20bとは、一体
に接合され電気的に接続される。従って、本実施形態に
おいては、信号処理部20bは、基板部20cの作用に
よって基板22を介して振動子21を固定支持するた
め、基台としても機能する。
【0089】さらに、基板部20cは、その外周から突
出しホルダー50の挿入穴51aが挿入される取付部2
0eを有している。ここで、ホルダー50は、上記第1
実施形態のホルダーと同等の構成、機能を有し、防振部
材、緩衝部材として作用する。ここで、ケース10は、
上記各実施形態におけるコネクタの機能も有しており、
信号処理部20bと導通部71によって電気的に接続さ
れている。導通部71は、上記各実施形態のフレキ70
に相当する機能を有している。
【0090】また、ケース10は、その開口部を遮蔽す
る蓋体12を有したものとなっている。この蓋体12
は、隅部において、ケース10の座面10aと対応する
位置に、U字溝を有する座面12aが一体に形成されて
いる。これら座面12aは、上記のカラー65の座面6
5aと同様の機能を有する。組み付けは、センサ部20
の取付部20eに、図示しないネジおよびプレートにっ
てホルダー50が取り付けられた後、センサ部20およ
びホルダー50がケース10内に、収納固定される。そ
して、蓋体12をケース10の開口縁部に固定して、角
速度センサが完成する。
【0091】本実施形態においても、上記第1実施形態
にて述べた防振、緩衝の両機能を有する角速度センサが
提供される。なお、緩衝部材の緩衝作用方向について
は、上記第1〜第3各実施形態においては、防振部材の
せん断方向としているが、本発明においては、少なくと
も、このせん断方向とすることが好ましく、さらに、防
振部材の圧縮・引っ張り応力作用方向にも緩衝作用する
ものとしてもよい。また、角速度センサの搭載状態に応
じて、防振部材のせん断方向に限らず、衝撃力の加わり
やすい方向を緩衝作用方向としてもよい。
【0092】また、防振部材は、長手の円柱状のものに
限定されるものではなく、例えば、ケースに固定される
端部とセンサ部に固定される端部との間の長さ、すなわ
ち軸方向の長さが、短いもの、極端に言えば、円板に近
いものであってもよい。また、任意の形状のものであっ
てもよく、その場合、任意の2点の一方側をケースに、
他方側をセンサ部に固定したものとなり、前記一方側と
前記他方側とを結ぶ軸が主に圧縮方向となる。
【0093】なお、本発明は、上記第1〜第3の各実施
形態を組み合わせたものとしてもよい。また、振動子
は、上記の音叉型振動子に限定されるものではなく、所
定の振動で駆動、検出を行う振動子であれば、材質、形
状等どのようなものであってもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る角速度センサの全
体構成を示す分解斜視図である。
【図2】(a)は図1におけるセンサ部のA視構成図、
(b)は(a)のB視透過図である。
【図3】図2のセンサ部の主要部構成を示す斜視図であ
る。
【図4】図3の振動子を前後左右からみた展開図であ
る。
【図5】図3の振動子の作動を示す説明図である。
【図6】図1におけるケース内に収納されたセンサ部の
A視構成図、(b)は(a)の右側面透過図である。
【図7】図6の角速度センサの防振構造をモデル化して
示す説明図である。
【図8】図7の防振構造の防振作用を示す説明図であ
る。
【図9】本発明の衝撃緩和効果を示す線図である。
【図10】本発明の第2実施形態の一例を示す分解斜視
図である。
【図11】上記第2実施形態の他の例を示す分解斜視図
である。
【図12】本発明の第3実施形態を示す分解斜視図であ
る。
【図13】従来の角速度センサの構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10…ケース、10d…枠体、11…ケースの内壁、2
0…センサ部、20b…信号処理部、20c…基板部、
20e…取付部、21…振動子、22…基板、22c…
取付部、51…基板支持部、51a…挿入穴、51c…
y軸突出部、51d…x軸突出部、51e…緩衝部、5
1f…緩衝片、52…防振部、L3…ケース内壁とy軸
突出部との空隙、L4…ケース内壁とx軸突出部との空
隙。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定軸(z)回りの角速度を電気的に検
    出する振動子(21)を有するセンサ部(20)と、 前記センサ部(20)を収納するケース(10)と、 前記ケース(10)に対して前記センサ部(20)を支
    持するとともに、前記ケース(10)から前記センサ部
    (20)へ加わる振動を減衰させる弾性材料からなる防
    振部材(52)と、 前記ケース(10)と前記センサ部(20)との間に、
    少なくとも一方と所定間隔の空隙(L3、L4)を設け
    て配置され、外部の衝撃から前記センサ部(20)を保
    護する緩衝部材(51c〜51f)とを備え、 前記ケース(10)に衝撃が加わって前記センサ部(2
    0)が前記所定間隔の空隙(L3、L4)を越えて変位
    した時に、前記センサ部(20)と前記ケース(10)
    の内壁(11、10d)との間に前記緩衝部材(51c
    〜51f)が挟まるようになっていることを特徴とする
    角速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記緩衝部材(51e、51f)は、前
    記センサ部(20)に対して前記所定間隔の空隙(L
    3、L4)を開けて、前記ケース(10)側に取り付け
    られていることを特徴とする請求項1に記載の角速度セ
    ンサ。
  3. 【請求項3】 前記緩衝部材(51c、51d)は、前
    記ケース(10)に対して前記所定間隔の空隙(L3、
    L4)を開けて、前記センサ部(20)側に取り付けら
    れていることを特徴とする請求項1に記載の角速度セン
    サ。
  4. 【請求項4】 前記センサ部(20)は、前記振動子
    (21)を固定する基台(22、20c)を有し、この
    基台(22、20c)の外周には前記緩衝部材(51
    c、51d)が取り付けられるセンサ部側取付部(22
    c、20e)が形成されていることを特徴とする請求項
    3に記載の角速度センサ。
  5. 【請求項5】 前記センサ部側取付部(22c、20
    e)に取り付けられる緩衝部材側取付部(51)を備
    え、この緩衝部材側取付部(51)には、前記緩衝部材
    (51c、51d)が一部として構成されていることを
    特徴とする請求項4に記載の角速度センサ。
  6. 【請求項6】 前記緩衝部材側取付部(51)は、前記
    センサ部側取付部(22c、20e)の形状と対応した
    挿入穴(51a)を有し、 前記センサ部側取付部(22c、20e)を前記挿入穴
    (51a)に挿入することにより、前記センサ部(2
    0)と前記緩衝部材(51c、51d)とが結合される
    ことを特徴とする請求項5に記載の角速度センサ。
  7. 【請求項7】 前記防振部材(52)は柱形状を有し、
    一端部が前記センサ部側取付部(22c、20e)に固
    定され、他端部が前記ケース(10)の内壁(11)に
    固定されていることを特徴とする請求項6に記載の角速
    度センサ。
  8. 【請求項8】 前記緩衝部材(51c〜51f)による
    衝撃力の緩和作用の方向が、前記防振部材(52)のせ
    ん断方向であることを特徴とする請求項1ないし7のい
    ずれか1つに記載の角速度センサ。
  9. 【請求項9】 所定軸(z)回りの角速度を電気的に検
    出する振動子(21)を有するセンサ部(20)と、 前記センサ部(20)を収納するケース(10)と、 前記センサ部(20)を前記ケース(10)に対して弾
    性的に支持する防振部材(52)と、 前記ケース(10)に衝撃が加わった際に、前記センサ
    部(20)の衝撃を弾性的に緩和する緩衝部材(51c
    〜51f)とを備え、 前記防振部材(52)は、圧縮方向およびこの圧縮方向
    と直交するせん断方向にも弾性的に変位可能な状態で、
    前記センサ部(20)と前記ケース(10)との間に配
    置されて、前記ケース(10)から前記センサ部(2
    0)に伝達される振動を減衰し、 前記緩衝部材(51c〜51f)は、前記センサ部(2
    0)と前記ケース(10)との間に、前記防振部材(5
    2)によって防振される振動の経路とは並列的に、しか
    も所定間隔の空隙(L3、L4)を設けて配置されてお
    り、 さらに、前記緩衝部材(51c〜51f)の設置部位
    は、前記防振部材(52)に対して前記せん断方向の部
    位に設定されており、 前記センサ部(20)が前記せん断方向に前記所定間隔
    の空隙(L3、L4)を越える変位をすると前記センサ
    部(20)を緩衝部材(51c〜51f)を介在して前
    記ケース(10)により位置決めすることを特徴とする
    角速度センサ。
  10. 【請求項10】 前記振動子(1)は、前記所定軸
    (z)と直交するy軸方向に駆動振動するとともに、前
    記所定軸(z)および前記y軸と直交するx軸方向の検
    出振動により、前記所定軸(z)回りの角速度を検出す
    るものであり、 前記駆動振動および前記検出振動の方向が、前記防振部
    材(52)のせん断方向と平行であることを特徴とする
    請求項8または9に記載の角速度センサ。
  11. 【請求項11】 所定軸(z)回りの角速度を電気的に
    検出する振動子(21)を有するセンサ部(20)と、 前記センサ部(20)を収納するケース(10)と、 前記センサ部(20)を支持するとともに、一方側が前
    記ケース(10)に固定され、他方側が前記センサ部
    (20)に固定された弾性材料からなる防振部材(5
    2)と、 前記ケース(10)に設けられ、前記センサ部(20)
    の変位のうち、前記防振部材(52)の前記一方側と前
    記他方側とを結ぶ軸と交差する方向の最大変位を規制す
    るストッパ部(11、10d)と、 前記ストッパ部(11、10d)と前記センサ部(2
    0)との間に配設され、前記センサ部(20)に作用す
    る衝撃力を緩和する緩衝部材(51c〜51f)とを備
    えることを特徴とする角速度センサ。
  12. 【請求項12】 前記振動子(1)は、前記所定軸
    (z)と直交するy軸方向に駆動振動するとともに、前
    記所定軸(z)および前記y軸と直交するx軸方向の検
    出振動により、前記所定軸(z)回りの角速度を検出す
    るものであり、 前記防振部材(52)の前記一方側と前記他方側とを結
    ぶ軸が、前記所定軸(z)と平行であることを特徴とす
    る請求項11に記載の角速度センサ。
  13. 【請求項13】 前記防振部材(52)および前記緩衝
    部材(51c〜51e)は同一弾性材料にて一体成形さ
    れ、この両者が一体部品として前記ケース(10)に組
    み付けられることを特徴とする請求項1ないし12のい
    ずれか1つに記載の角速度センサ。
  14. 【請求項14】 前記センサ部(20)は、前記振動子
    (21)を駆動し検出信号を処理する信号処理部(20
    b)を有し、前記防振部材(52)はこの信号処理部
    (20b)に取り付けられていることを特徴とする請求
    項1ないし13のいずれか1つに記載の角速度センサ。
  15. 【請求項15】 所定軸(z)回りの角速度を電気的に
    検出する振動子(21)を有するセンサ部(20)と、 前記センサ部(20)を収納するケース(10)と、 前記センサ部(20)を前記ケース(10)に対して弾
    性的に支持することにより、前記ケース(10)から前
    記センサ部(20)に伝達される振動を減衰する防振部
    材(52)と、 前記ケース(10)に衝撃が加わった際に、前記センサ
    部(20)の衝撃を弾性的に緩和する緩衝部材(51c
    〜51e)とを備え、 前記緩衝部材(51c〜51e)は、前記センサ部(2
    0)と前記ケース(10)との間に、前記防振部材(5
    2)によって防振される振動の経路とは並列的に配置さ
    れており、 前記センサ部(20)が所定量変位をすると前記センサ
    部(20)を緩衝部材(51c〜51e)を介在して前
    記ケース(10)により位置決めするようになってお
    り、 さらに、前記防振部材(52)および前記緩衝部材(5
    1c〜51e)は同一弾性材料にて一体成形され、この
    両者が一体部品として前記ケース(10)に組み付けら
    れることを特徴とする角速度センサ。
JP9161619A 1996-12-18 1997-06-18 角速度センサ Pending JPH116736A (ja)

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