JPH1167106A - プラズマディスプレイパネル及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ＰＤＰの放電表示セルを構成する隔壁の形状欠
陥を低減し、安価かつ効率良く隔壁を成形し、隔壁と電
極との位置ズレを解消して製造歩留りを向上させ、均一
かつ高精度で微細なピッチを有する、３０インチ以上の
大型画面化と高精細度化が可能なＰＤＰ用基板を具備し
たＰＤＰとその製造方法を提供する 【解決手段】予め位置決め用の係合部８を形成した背面
板２の表面に隔壁成形用組成物から成る被覆層９を被着
形成し、位置決め用の係合部８に遊嵌した隔壁成形型１
０により塑性変形して隔壁成形体１１を成形し、対向す
る背面板２と正面板３との空間に設けた隔壁４と、隔壁
４で仕切られた放電表示セル５と、放電表示セル５内に
設けた複数の電極６と、放電表示セル５の内壁に設けた
蛍光体７と、背面板２上に設けた位置決め用の係合部８
とから成るＰＤＰ１を得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、高精度かつ安価な
軽量薄型の大型画面用カラー画像表示装置等の発光素子
として用いられるプラズマディスプレイパネル（以下、
ＰＤＰと略記する）及びその製造方法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来から画像表示装置として多用されて
きたＣＲＴは、容積及び重量が大で高電圧が必要である
という欠点から、近年のマルチメディアの浸透に伴い、
情報のインターフェースとして発光ダイオード（ＬＥ
Ｄ）や液晶表示素子（ＬＣＤ）、あるいはＰＤＰ等の大
型画面で高画質、その上、薄型軽量で設置場所を選ばな
い等の特徴を有する平面画像表示装置が開発され、これ
らの利用範囲が拡大しつつある。

【０００３】かかる要求に応える平面画像表示装置とし
ては、とりわけプラズマ発光を利用したＰＤＰが大型画
面用カラー画像表示装置の発光素子として将来性が注目
されている。

【０００４】このようなＰＤＰは、背面板と正面板を成
す一対の平坦な絶縁基板と、その空間を仕切る隔壁で囲
まれた微小な放電表示セル内に、対向する電極群を設け
ると共に、前記空間に希ガス等の放電可能なガスを気密
封入した構造を成しており、前記対向する電極間に電圧
を選択的に印加して放電によりプラズマを発生させ、該
プラズマから放出される紫外光により放電表示セル内に
形成した蛍光体を発光させて画像表示装置の発光素子と
して利用するものである。

【０００５】一般に、前記ＰＤＰの製造工程中、放電表
示セルを構成する隔壁の製造方法としては、背面板上に
隔壁成形用組成物から成るペーストをスクリーン印刷法
により隔壁パターンで印刷と乾燥を繰り返し、必要な高
さまで積み重ねて隔壁形状を成形する方法が良く知られ
ている。

【０００６】しかしながら、前記スクリーン印刷法では
１回の印刷で成形できる膜の厚さが約１０μｍ程度であ
ることから、印刷と乾燥を繰り返しながら約１００〜２
００μｍ程度の高さを必要とする放電表示セルの隔壁を
形成することから、何回も印刷と乾燥工程を繰り返して
積層しなければならない。

【０００７】従って、極めて工程数が多くなる上、印刷
時の印刷製版の位置ズレにより隔壁が変形し易く、かつ
印刷製版の伸び等も加わって良好な寸法精度が得られな
いことから、隔壁を微細なピッチで形成することに限界
があり、ＰＤＰとしての高精細度化の要求を満足するこ
とができず、その上、積層毎に精度よく印刷する必要が
あるため非常に歩留りが悪いという問題があった。

【０００８】そこで、かかる問題を解消する方法とし
て、背面板上に必要な厚さで隔壁材料を層状に形成し、
該隔壁材料の層にレジスト層を被着してフォトリソグラ
フィ法によりレジストマスクを形成し、該レジストマス
クを介してサンドブラスト加工で隔壁以外の不必要な部
分を研削除去して所望形状の隔壁を成形することが提案
されている（特開平９−２９６３８号公報参照）。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記サ
ンドブラスト加工法ではスクリーン印刷法のような繰り
返し工程は不必要となり、隔壁の裾の乱れや隔壁底部の
広がりを生ずることは無く、切り立った断面形状を有す
る隔壁を成形できるものの、前記レジストマスク形成に
フォトリソグラフィの手法を用いるため、装置が高価で
製造工程が複雑となり、その上、研磨材の摩耗劣化によ
る研削力の低下や経時変化により研削加工が安定せず、
均一な高精細な隔壁の成形が困難となり、電極と隔壁成
形体の位置ズレを起こすことがあり、隔壁の成形歩留り
が悪化するという課題があった。

【００１０】また、前記サンドブラスト加工法では研磨
材が放射状に噴出するため、加工中、隔壁側面は長時間
研磨材に曝され、隔壁側面が不均一に細り、隔壁の強度
が低下して割れ等の欠陥を生じるという課題もあった。

【００１１】更に、前記サンドブラスト加工法では、隔
壁を形成する部分以外の殆どの隔壁材料を大量に研削屑
として除去しなければならず、製造コストが高くなると
いう課題もあった。

【００１２】

【発明の目的】本発明は前記課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、ＰＤＰの放電表示セルを構成
する隔壁の形状欠陥を低減すると共に、更に安価にかつ
効率良く隔壁を成形し、隔壁と電極との位置ズレを解消
して製造歩留りを向上させ、均一かつ高精度で微細なピ
ッチを有する、例えば３０インチ以上にも及ぶ大型画面
化が容易な高精細度化が可能な隔壁を有するＰＤＰ用基
板を具備したＰＤＰとその製造方法を提供することにあ
る。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題に
鑑み鋭意検討した結果、隔壁成形用組成物から成る被覆
層を形成したＰＤＰの背面板に予め位置決め用の係合部
を設けておき、該係合部に隔壁成形型を遊嵌させて前記
被覆層を塑性変形させて隔壁を成形することにより、背
面板上の電極と隔壁成形体の位置ズレが低減し、製造歩
留りが向上して生産性が高まり、高精度で微細なピッチ
を有するＰＤＰ用基板を具備したＰＤＰを安価にかつ効
率良く製造できることを見いだし、本発明に至った。

【００１４】即ち、本発明のＰＤＰは、ＰＤＰを構成す
る絶縁基板を成す背面板上に位置決め用の係合部を有す
ることを特徴とするものである。

【００１５】また、本発明のＰＤＰの製造方法は、予め
位置決め用の係合部を形成した絶縁基板を成す背面板上
に、隔壁成形用組成物から成る被覆層を被着形成し、隔
壁成形型を前記位置決め用の係合部に遊嵌させて前記被
覆層に押圧して塑性変形させ、隔壁成形体を成形した
後、脱バインダー処理してから背面板と共に焼成して一
体化したプラズマディスプレイパネル用基板を形成する
ことを特徴とするものである。

【００１６】また、本発明の他のＰＤＰの製造方法は、
予め位置決め用の係合部を形成した絶縁基板を成す背面
板上に、隔壁成形用組成物から成る被覆層を被着形成
し、前記位置決め用の係合部に遊嵌する溝又は突起と隔
壁形状に相当する複数の隔壁成形用溝を刻設したロール
状成形型により、前記位置決め用の係合部にロール状成
形型の溝又は突起を遊嵌させながらロール状成形型を前
記被覆層に回転押圧して塑性変形させて隔壁成形体を成
形し、脱バインダー処理後、背面板と共に焼成一体化し
てプラズマディスプレイパネル用基板を形成することを
特徴とするものである。

【００１７】

【作用】本発明のＰＤＰ及びその製造方法によれば、背
面板に被着形成した隔壁成形用組成物から成る被覆層を
塑性変形するに際し、背面板上に設けた位置決め用の係
合部に隔壁成形型を遊嵌して前記被覆層を塑性変形する
ことから、前記係合部が隔壁成形型の位置を決めるガイ
ドとして作用するため、電極と隔壁成形体の位置ズレが
低減され、製造歩留りも向上して生産性が高まり、高精
度で微細なピッチを有するＰＤＰ用基板を具備したＰＤ
Ｐを安価にかつ効率良く製造することが可能となる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明のＰＤＰ及びその製
造方法について図面に基づき詳細に説明する。

【００１９】図１乃至図３は、本発明のＰＤＰの要部を
一部破断した斜視図である。図１乃至図３において、１
は対向する背面板２と正面板３との空間に平行に設けた
隔壁４と、隔壁４によって仕切られた放電表示セル５
と、放電表示セル５内に設けた複数の電極６と、放電表
示セル５の内壁に設けた蛍光体７と、背面板２上に設け
た位置決め用の係合部８とから成るＰＤＰである。

【００２０】前記位置決め用係合部８は、図１では背面
板２上に連続したレール状に突出して形成されており、
また図２では背面板２上に断続的に凸状に形成されてお
り、図３では背面板２上に連続した溝状に形成されてい
る。

【００２１】次に、図４及び図５は本発明のＰＤＰの製
造方法を説明するための隔壁成形用組成物から成る被覆
層を塑性変形中の状態を示す斜視図である。

【００２２】図４に示すように、本発明のＰＤＰの製造
方法は、予め位置決め用の係合部８を形成した背面板２
の表面には隔壁成形用組成物から成る被覆層９が所定の
厚さで被着形成されており、被覆層９には位置決め用の
係合部８に遊嵌した隔壁成形型１０を押し付けて塑性変
形させ、隔壁成形体１１をバッチ式に成形するものであ
る。

【００２３】かくして得られた隔壁成形体１１は、背面
板２と共に所定温度に加熱して脱バインダー後、焼成し
て背面板２と一体化した隔壁４が形成されることにな
る。

【００２４】一方、図５では、位置決め用の係合部８に
遊嵌する溝１２と隔壁成形用溝１３を刻設したロール状
成形型１４を用い、背面板２の表面に形成された位置決
め用の係合部８にロール状成形型１４の溝１２を遊嵌
し、被覆層９にロール状成形型１４を回転しながら押し
付けて隔壁成形用溝１３で塑性変形させて隔壁成形体１
１を連続的に成形するものである。

【００２５】本発明のＰＤＰ及びその製造方法におい
て、背面板に形成する位置決め用の係合部の形状は、突
出していても、窪んでいてもいずれでも良く、最終的に
隔壁と直交する断面での形状が成形型の遊嵌部と対向し
て嵌め合わせることができる形状になっていれば特に限
定するものではないが、例えば、頂角が丸みをおびた台
形、四角形及び三角形や半楕円、半円等で突起状や溝状
等、種々の形状を設定することができる。

【００２６】また、前記位置決め用の係合部の厚さは、
放電表示セルに設ける電極の厚さの１〜５倍の範囲が好
ましく、前記範囲未満では位置ズレ低減の効果が少な
く、また前記範囲を越える領域では、該係合部を形成す
るのが困難になるため、実用的には前記範囲が好適であ
り、また、位置決め用の係合部は複数個設けても何ら問
題ない。

【００２７】また、前記位置決め用の係合部を形成する
手段は、特に限定するものではないが、背面板への電極
形成時に同時に形成することが好ましく、例えば、厚膜
印刷法によって電極群部分と位置決め用の係合部を有す
る同一のスクリーン製版で同時に厚膜印刷して形成する
ことが最も好適である。

【００２８】更に、位置決め用の係合部だけを別のスク
リーン製版で積層印刷し、厚膜化することもでき、同様
にパターンマスクを用いたフォトリソグラフィ技術を用
いて係合部を形成することも可能である。

【００２９】一方、前記隔壁成形型は、金属製や樹脂
製、ゴム製等のいずれでも良く、勿論、金属製の母材に
表面だけ樹脂製やゴム製の部材を用いた複合型の隔壁成
形型を用いることも可能であり、更に、かかる隔壁成形
型の表面には、離型性の向上あるいは耐摩耗性の改善等
のために、表面処理等を施しても何ら問題ない。

【００３０】また、前記隔壁成形型の形状は、位置決め
用の係合部に遊嵌する凹凸関係を成す溝又は突起と、隔
壁形状に相当する複数の溝を刻設した平板状やロール状
等の成形型を用いることができるが、特に隔壁成形型の
作製のし易さ、及び成形体の寸法精度及び量産性の点か
らは、ロール状の隔壁成形型が最適である。

【００３１】次に、本発明における隔壁成形用組成物と
しては、焼成後にガラス質となり、気密性を保持できる
ガラス材料であれば何れでも良く、例えば、低融点ガラ
ス粉末と酸化物セラミック粉末の混合物等を無機成分と
して使用することができ、該無機成分とバインダー、溶
剤、各種添加物等の有機物との混合物を適宜、隔壁の成
形条件に応じて調製して使用することができる。

【００３２】そして、最終的に隔壁成形用組成物の被覆
層が塑性変形性を有するようになればよく、例えば、塑
性変形性を有する隔壁成形用組成物で被覆層を形成する
か、あるいは隔壁成形用組成物の被覆層を形成した後、
該被覆層に塑性変形性を付与させることも可能である。

【００３３】尚、塑性変形性を有する前記隔壁成形用組
成物に好適な有機物として、バインダーには、例えば、
アクリル系、ブチラール系等の熱可塑性バインダーある
いは紫外線硬化性樹脂や光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等
の反応硬化性樹脂を用いることができる。

【００３４】一方、背面板に形成した前記隔壁成形用組
成物の被覆層に塑性変形性を付与する方法としては、前
記塑性変形性を呈する有機物を予め隔壁成形用組成物に
添加しておく以外に、先ず、背面板に被覆層を形成した
後、乾燥、ゲル化等の後処理を施して塑性変形性を付与
しても良い。

【００３５】また、本発明の背面板及び正面板に用いる
絶縁基板としては、ソーダライムガラスや低ソーダガラ
ス、鉛アルカリケイ酸ガラス、ホウケイ酸塩ガラス等の
透明ガラス基板を用いることができ、特に高歪点低ソー
ダガラスが好適である。

【００３６】また、背面板の電極としては、銀（Ａ
ｇ）、ニッケル（Ｎｉ）、アルミニウム（Ａｌ）等の導
体金属、あるいはこれらの合金、または前記導体金属や
その合金に少量のガラスを混合した導電性ペーストを用
いて形成することができる。

【００３７】尚、表示面側の絶縁基板である正面板には
酸化インジニウムや酸化スズ等を蒸着した透明電極が形
成されている。

【００３８】前記隔壁成形体は、所定温度に加熱して脱
バインダー処理した後、焼成工程を経て、背面板と一体
化した隔壁を有するＰＤＰ用基板を得ることができる。

【００３９】その後、蛍光体を各々の放電表示セル内に
マスクパターンを介して塗布し、焼き付けた後、背面板
と正面板とを封着し、ＸｅやＨｅ−Ｘｅ、Ｎｅ−Ｘｅ等
を主成分とする放電ガスを１０〜６００Ｔｏｒｒ気密封
入して放電表示セルが完成される。

【００４０】

【実施例】次に、本発明のＰＤＰ及びその製造方法につ
いて以下のようにして評価した。

【００４１】（実施例１）先ず、厚さ２ｍｍの４０イン
チサイズのソーダライムガラスから成る背面板上に、厚
膜印刷法によりＡｇを主成分とする電極ペーストを用い
て幅５０μｍの電極をストライプ状に２２０μｍピッチ
で全面に形成して焼き付けると共に、位置決め用の係合
部として、電極ラインに平行に幅５００μｍの連続した
突起を電極群の両端に形成して焼き付け、電極及び位置
決め用の係合部を有する背面板を作製した。

【００４２】一方、幅が４０μｍ、高さが２００μｍ、
ピッチが２２０μｍに相当する隔壁形状の凹型の溝を多
数形成した溝群の両端に、幅５１０μｍ、深さ５００μ
ｍの位置決め用の溝を形成したロール状の金属製の隔壁
成形型を準備した。

【００４３】次に、前記電極及び位置決め用の係合部を
有する背面板上に低融点ガラス粉末とブチラール樹脂、
溶媒、分散剤から成る隔壁成形用組成物をロールコータ
ーにて均一に塗布して被覆層を形成した。

【００４４】その後、前記被覆層が形成された背面板を
金属製の平面状の支持体上に設置し、前記隔壁形成型を
背面板の位置決め用の係合部の突起と、成形型の位置決
め用の溝の凹形状を遊嵌させて前記被覆層が形成された
背面板に加圧圧着し、隔壁成形用組成物から成る被覆層
を塑性変形させて隔壁形状を付与した後、隔壁成形型を
離型して背面板上に隔壁成形体を形成した。

【００４５】次いで、前記隔壁成形体を密着した背面板
を所定温度に保持して脱バインダーした後、各材料主成
分により焼成雰囲気を適宜変更し、５５０〜５８０℃の
温度で１０分間焼成して背面板と一体化した評価用のＰ
ＤＰ用基板を作製した。

【００４６】かくして得られた評価用のＰＤＰ用基板を
前面板と接する方向から、隔壁ラインと電極ラインの間
隔を寸法測定機にて測定し、全隔壁ラインの内、１０ラ
インを抽出し、隔壁ラインと電極ラインの平均間隔ばら
つきを位置ズレとして評価した。その結果、平均間隔ば
らつきは約１５μｍであった。

【００４７】（実施例２）実施例１と同様にして隔壁成
形用組成物を背面板上に均一に塗布した後、８０℃の温
度で１時間、乾燥処理を施した後、他は実施例１と同様
にして評価用のＰＤＰ用基板を作成した。

【００４８】かくして得られた評価用のＰＤＰ用基板の
隔壁ラインと電極ラインの平均間隔ばらつきを実施例１
と同様に評価した結果、平均間隔ばらつきは約１２μｍ
であった。

【００４９】（実施例３）次に、厚さ２ｍｍの４０イン
チサイズのソーダライムガラスから成る背面板上に、実
施例１と同様にして電極を被着すると共に、位置決め用
の係合部を電極ラインに平行に幅５００μｍの連続した
突起を電極群の両端に印刷形成することを２回繰り返し
て焼きつけ、電極及び位置決め用の係合部を有する背面
板を作製した。他は実施例１と同様にして評価用のＰＤ
Ｐ用基板を作製した。

【００５０】かくして得られた評価用のＰＤＰ用基板の
隔壁ラインと電極ラインの平均間隔ばらつきを実施例１
と同様に評価した結果、平均間隔ばらつきは約８μｍで
あった。

【００５１】（実施例４）実施例２の電極及び位置決め
用の係合部を有する背面板に、実施例１のロール状の金
属製隔壁成形型の表面にテフロンコーティング処理を施
した成形型を準備し、他は実施例１と同様にして評価用
のＰＤＰ用基板を作製した。

【００５２】かくして得られた評価用のＰＤＰ用基板の
前記平均間隔ばらつきを実施例１と同様に評価した結
果、平均間隔ばらつきは約８μｍであった。

【００５３】（実施例５）実施例１の電極及び位置決め
用の係合部を有する背面板に、実施例１のロール状の金
属製隔壁成形型に換えて平板状の金属製の隔壁成形型を
準備し、順次、隔壁成形型を位置決め用の係合部に遊嵌
しながら被覆層を押圧して塑性変形させて隔壁成形体を
成形し、他は実施例１と同様にして評価用のＰＤＰ用基
板を作成した。

【００５４】かくして得られた評価用のＰＤＰ用基板の
前記平均間隔ばらつきを実施例１と同様に評価した結
果、平均間隔ばらつきは約１８μｍであった。

【００５５】（比較例）厚さ２ｍｍの４０インチサイズ
のソーダライムガラスから成る背面板上に、厚膜印刷法
によりＡｇを主成分とする電極ペーストを用いて幅５０
μｍの電極をストライプ状に２２０μｍピッチで全面に
焼きつけ、電極付き背面板を作製し、他は実施例１と同
様にして評価用のＰＤＰ用基板を作製した。

【００５６】かくして得られた評価用のＰＤＰ用基板の
隔壁ラインと電極ラインの平均間隔ばらつきを実施例１
と同様に評価した結果、平均間隔ばらつきは約５０μｍ
であった。

【００５７】尚、本発明は前記詳述した実施例に何等限
定されるものではない。

【００５８】

【発明の効果】本発明のＰＤＰ及びその製造方法によれ
ば、背面板上に位置決め用の係合部を有し、該係合部と
隔壁成形型の位置決め用の溝又は突起を遊嵌しながら隔
壁成形体が成形されることから、係合部が隔壁成形型の
位置決め用のガイドとなり、形状欠陥のない高精度の隔
壁成形体を成形することができ、電極と隔壁との位置ズ
レを低減することができて製造歩留りが向上し、生産性
が高まると共に均一かつ高精度で微細なピッチの隔壁を
有するＰＤＰ用基板から成る、例えば３０インチ以上に
も及ぶ大型画面化が容易な高精細度化が可能な隔壁を有
するＰＤＰ用基板を具備したＰＤＰとそのＰＤＰを低コ
ストで効率良く製造する方法を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のＰＤＰの一実施例の要部を一部破断し
た斜視図である。

【図２】本発明のＰＤＰの他の例の要部を一部破断した
斜視図である。

【図３】本発明のＰＤＰの他の例の要部を一部破断した
斜視図である。

【図４】本発明のＰＤＰの製造方法を説明するための隔
壁成形用組成物から成る被覆層を塑性変形中の状態を示
す一実施例の斜視図である。

【図５】本発明のＰＤＰの製造方法を説明するための隔
壁成形用組成物から成る被覆層を塑性変形中の状態を示
す他の実施例の斜視図である。

【符号の説明】

１ ＰＤＰ ２ 背面板 ３ 正面板 ４ 隔壁 ５ 放電表示セル ６ 電極 ７ 蛍光体 ８ 位置決め用の係合部 ９ 隔壁成形用組成物から成る被覆層 １０ 隔壁成形型 １１ 隔壁成形体 １２ 溝 １３ 隔壁成形用溝 １４ ロール状成形型

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 逆瀬川 清浩 鹿児島県国分市山下町１番４号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 酒井 久満 滋賀県八日市市蛇溝町長谷野1166番地の６ 京セラ株式会社滋賀工場内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】背面板と正面板を成す一対の絶縁基板と、
   該絶縁基板間の対向空間を仕切る隔壁とで複数の放電表
   示セルを構成し、該放電表示セル内に複数の電極を設け
   て放電ガスを気密封入し、前記電極間に電圧を選択的に
   印加してプラズマを発生させ、放電表示セル内壁に形成
   した蛍光体を発光させて画像表示装置の発光素子とする
   プラズマディスプレイパネルであって、前記背面板上に
   位置決め用の係合部を有することを特徴とするプラズマ
   ディスプレイパネル。
2. 【請求項２】絶縁基板を成す背面板上に予め位置決め用
   の係合部を形成し、該背面板上に隔壁成形用組成物から
   成る被覆層を被着形成した後、前記位置決め用の係合部
   に遊嵌して位置決めした隔壁成形型を前記被覆層に押圧
   して塑性変形させて隔壁成形体を成形し、次いで脱バイ
   ンダー処理をした後、背面板と共に焼成一体化してプラ
   ズマディスプレイパネル用基板を形成することを特徴と
   するプラズマディスプレイパネルの製造方法。
3. 【請求項３】絶縁基板を成す背面板上に予め位置決め用
   の係合部を形成し、該背面板上に隔壁成形用組成物から
   成る被覆層を被着形成した後、前記位置決め用の係合部
   に遊嵌する溝又は突起と隔壁形状に相当する複数の隔壁
   成形用溝を刻設したロール状成形型により、前記位置決
   め用の係合部にロール状成形型の溝又は突起を遊嵌させ
   て前記被覆層に該ロール状成形型を回転押圧しながら塑
   性変形させて隔壁成形体を成形し、次いで脱バインダー
   処理をした後、背面板と共に焼成一体化してプラズマデ
   ィスプレイパネル用基板を形成することを特徴とするプ
   ラズマディスプレイパネルの製造方法。