JPH1166534A - 塗布型磁気記録媒体 - Google Patents

塗布型磁気記録媒体

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JPH1166534A
JPH1166534A JP21770397A JP21770397A JPH1166534A JP H1166534 A JPH1166534 A JP H1166534A JP 21770397 A JP21770397 A JP 21770397A JP 21770397 A JP21770397 A JP 21770397A JP H1166534 A JPH1166534 A JP H1166534A
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JP
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magnetic
vinyl acetate
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magnetic recording
binder
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Application number
JP21770397A
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English (en)
Inventor
Masahiro Sawaguchi
雅弘 沢口
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規樹脂系を磁気記録媒体用磁性塗料の結合
剤として用いることにより塗料物件を良好なものとし、
磁気記録媒体の静磁気特性、電磁変換特性、物理特性等
を改善する。 【解決手段】 非磁性支持体と、その上に、磁性粉と結
合剤とからなる磁性塗料を塗布して形成された磁性層と
からなる塗布型磁気記録媒体において、結合剤として、
数平均分子量(Mn)が20000以下であって且つ酢
酸ビニル成分を分子中に10.0〜20.0重量%の割
合で含有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性粉を含んだ磁
性層が非磁性支持体上に設けられてなる塗布型磁気記録
媒体(例えば磁気テープ)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、非磁性支持体上に、磁性粉と
結合剤とを含有する磁性塗料を塗布して形成された磁性
層を有する塗布型磁気記録媒体が広く用いられている。
【0003】このような磁性塗料の結合剤としては、ビ
ニル系樹脂(例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニル
アルコール等の重合体又はそれらの共重合体)、セルロ
ース系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が主成分として用い
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の樹脂には以下に説明するような問題がある。
【0005】例えば、ビニル系樹脂として汎用されてい
る塩化ビニル酢酸ビニル(ビニルアルコール)共重合体
(塩化ビニル成分90重量%以上)の場合には、弾性が
高く架橋性が良好で、耐久性や走行性に関し良好な結果
をもたらすが、磁性粉の分散性の観点からは満足のでき
るものではなかった。このため、磁性粉の分散性を高め
るために分子中に官能基を導入(置換)することが試み
られている(例えば、MR-110(日本ゼオン社製)、V
AGH(UCC社製))が、コストが増大するという問
題が生ずる。また、塗料物性の劣化を招く場合ある。
【0006】セルロース系樹脂として汎用されているニ
トロセルロースの場合には、高分散に必要な高濃度の磁
性粉の吸着(混練)がその分子構造上から不可能で、良
好な耐久性にも関わらず使用が限られていた。アセチル
セルロースの場合には磁性粉分散の点から使用量が制限
される。
【0007】また、ポリウレタン系樹脂の場合には、磁
性粉の分散性、非磁性支持体と磁性層との接着性等の点
で優れているが、磁性塗料の粘度が上昇して製造条件が
制限され、また、磁気記録媒体(テープ)走行時の摩擦
係数が上昇して磁気記録媒体の走行性や耐久性の劣化が
免れなかった。
【0008】なお、これらの結合剤を組み合わせて(例
えば、ポリウレタン樹脂−ビニル共重合体系、ポリウレ
タン樹脂−セルロース誘導体系等)使用することも検討
されている。このような場合、各樹脂単独で使用する際
の欠点がそれぞれ補われ、最終製品である磁気記録媒体
では良好な結果(特性)が得られるようになるが、しか
しそのために製造上多くの工程や煩雑な条件を必要とす
る。また、磁性塗料の物性が満足できるものではないと
いう問題もある。
【0009】以上の諸問題を解決するために、結合剤樹
脂に磁性体分散用官能基を導入することや、シランカッ
プリング剤やクエン酸等の表面改質剤を磁性塗料に添加
する試みもなされているが、これらの手法により得られ
る効果は磁性粉の表面処理状態に大きく影響され、また
これらの手法の適用対象も限定され且つ最適な条件を得
ることが困難である。
【0010】以上説明したように、上述したような従来
の樹脂は、磁気記録媒体用の磁性塗料の結合剤として充
分満足できる特性を持ち得なかった。
【0011】更に、磁気記録媒体の高密度高性能化の為
に磁性粉の更なる改良(微細化、高抗磁力化)が行わ
れ、それに対応する高分散で且つ良好な耐久性と走行安
定性とを示す結合剤が強く求められており、しかも生産
工程を簡略化できるような汎用性のある結合剤も強く求
められている。
【0012】本発明は、以上の従来の技術の課題を解決
しようとするものであり、磁性塗料の結合材として、磁
性粉の分散性を改良でき、しかも塗料の塗布性と安定性
とを改善できるものを使用し、それにより磁気記録媒体
の静磁気特性、電磁変換特性、物理特性等を改善できる
ようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、塩化ビニル
酢酸ビニル共重合体の数平均分子量(Mn)と酢酸ビニ
ル成分量とを特定の範囲に調整したものを、塗布型磁気
記録媒体用の磁性塗料の結合剤として使用することによ
り、上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
【0014】即ち、本発明は、非磁性支持体と、その上
に、磁性粉と結合剤とからなる磁性塗料を塗布して形成
された磁性層とからなる塗布型磁気記録媒体において、
該結合剤が、数平均分子量(Mn)が20000以下で
あって且つ酢酸ビニル成分を分子中に10.0〜20.
0重量%の割合で含有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合
体を含有することを特徴とする塗布型磁気記録媒体を提
供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明の塗布型磁気記録媒体は、非磁性支
持体と、その上に、磁性粉と結合剤とからなる磁性塗料
を塗布して形成された磁性層とからなる構造を有する。
そして、磁性層の結合剤として、数平均分子量(Mn)
が20000以下であって且つ酢酸ビニル成分を分子中
に10.0〜20.0重量%の割合で含有する塩化ビニ
ル酢酸ビニル共重合体を使用することを特徴とする。
【0017】本発明において、このような塩化ビニル酢
酸ビニル共重合体を磁性塗料の結合剤として使用する理
由を以下に説明する。
【0018】結合剤として使用される通常の塩化ビニル
系共重合体(例えば塩化ビニル酢酸ビニル共重合体)
は、塩化ビニル成分が90重量%以上であって、その数
平均分子量(Mn)が25000程度のものが多い。し
かしながら、このような塩化ビニル系共重合体を結合剤
の主成分として使用した場合には、強度(剛性)が高過
ぎ、磁性粉に対する吸着安定性や分散性が低く、また、
他樹脂との相溶性が不安定という問題が生じる。
【0019】そこで、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体の
分子量と酢酸ビニル成分の含有量とに着目し、それらと
磁気記録媒体の諸性質との間の関係を検討した。その結
果、分子量を相対的に小さくし(即ち、数平均分子量
(Mn)を20000以下(重合度約300程度)と
し)、且つ酢酸ビニル成分の含有量を相対的に多くした
(即ち、酢酸ビニル成分を10.0〜20.0重量%
(7.4〜15.4モル%)とした)塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体を磁性塗料の結合剤として使用することに
より、1)数平均分子量が比較的小さいので塗料時の粘
性が低下し安定性のよい磁性塗料が得られ、2)強磁性
微粉末への吸着が容易で分散性が向上し、3)磁気記録
媒体(磁気テープ)の物理特性や耐久性が良好となり、
そして4)他樹脂に対する相溶性が改善され、磁性塗料
の安定性が向上するので、得られる磁性層の静磁気特性
と電磁変換特性とを向上させることができ、しかも、良
好な耐久性と物理特性とを確保することができた。
【0020】本発明において、上述した塩化ビニル酢酸
ビニル共重合体の結合剤中の含有量は、少なすぎると所
望の効果が得られないので、好ましくは40重量%以上
である。
【0021】本発明において、結合剤は、上述した塩化
ビニル酢酸ビニル共重合体に加えて、塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体に相溶する他の高分子樹脂を含有すること
ができる。このような高分子樹脂としては、疑集力によ
る分散効果が高く、しかも物性や官能基の調整が容易に
選択可能となるという観点から、ポリエステルポリウレ
タン樹脂を好ましく使用することができる。このような
ポリエステルポリウレタン樹脂としては、数平均分子量
(Mn)が15000以下であって且つ分子量分布(M
w/Mn)が2.5以上のものを好ましく使用すること
ができる。
【0022】本発明において、磁性層の結合剤に対して
は、全結合剤のガラス転移点(Tg)の重量換算平均が
室温程度(約20℃)以上となるようにすることが好ま
しい。これは、ガラス転移点が室温以下になると、室温
走行下での摩擦係数が上昇して摺動性等が悪化するため
である。また、ガラス転移点が室温をかなり超えた温度
(約80℃)に設定すると走行性や耐久性が劣化するか
らである。なお、結合剤と磁性粉等の混合比は磁気記録
媒体の使用目的に対応して適宜調整することができる。
【0023】本発明において、結合剤は、更にニトロセ
ルロース、アセチルセルロース等のセルロース誘導体、
アクリル酸エステル等の共重合体、エポキシ系樹脂、ア
セタール系樹脂、フェノキシ系樹脂等の公知の樹脂を含
有することができる。これらの樹脂を使用することによ
り、磁気記録媒体のテープ耐久性等を改善することも可
能である。
【0024】本発明において、結合剤として使用する塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体は、その主鎖にポリビニル
アルコール成分を含有することが好ましい。ポリビニル
アルコール成分を含有する共重合体は高分子主鎖に水酸
基が結合している構造を有することとなり、硬化剤の添
加により架橋を期待することができる。また、水酸基
は、他の極性官能基へ変換可能である。
【0025】また、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体に
は、磁性粉の分散性を向上させることのできる極性官能
基を導入することが好ましい。このような極性官能基と
しては、例えば、−SO4M、−SO3M、−SO2M、
−COOM、−NH2、−NR3、−OH、−OPO
32、−OPO33、−SH、−CN、エポキシ基(M
は水素原子又はアルカリ金属を示し、Rは炭化水素基等
を示す)等を挙げることができる。これらのニ種以上が
同時に塩化ビニル酢酸ビニル共重合体に導入されてもよ
い。
【0026】これらの官能基の塩化ビニル酢酸ビニル共
重合体中の含有量は、少なすぎると所望の効果が得られ
ず、多すぎると磁気記録媒体(磁気テープ)の耐久性等
に悪影響を与えることが懸念されるので、共重合体1g
当たり、好ましくは約1.0E−6〜1.0E−3モル
程度である。
【0027】なお、複数の樹脂を結合剤として併用する
際は、それぞれの樹脂が有する官能基種をできるだけ統
一するか、あるいは同様の特性を持つ官能基とすること
が好ましい。
【0028】塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を含有する
結合剤の磁性層中の含有量は、磁気記録媒体(磁気テー
プ)の耐久性や走行性等の点から強磁性粉末100重量
部に対して10〜40重量部が好ましい。
【0029】本発明において使用する磁性粉としては、
従来より塗布型の磁気記録媒体において用いられている
磁性粉を使用することができる。例えば、強磁性酸化鉄
粉末(γ−Fe23、Fe34等)、Co含有の強磁性
酸化鉄粉末、強磁性二酸化クロム粉末、強磁性金属粉
末、バリウムフェライト、炭化鉄粉末等を挙げることが
できる。これらの磁性粉には、用途によりB、C、A
l、Si、P、S、Ca、Sc、Ti、V、Cr、M
n、Co、Ni、Cu、Zn、Sr、Y、Mo、Rh、
Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、R
e、Au、Hg、Pb、Bi等の原子を含有してもよ
い。また、事前に無機物や有機物での表面処理(酸化
膜、有機物汚染以外)を行ったものを使用してもよい。
【0030】これらの強磁性粉末の大きさは、通常約2
0〜60m2/gの比表面積(BET法)を持ち、形状
としては、針状形状のものの他、磁気記録媒体の用途に
応じて適宜選択することができる。
【0031】磁性層は、以上の結合剤と磁性粉とを含有
する磁性塗料から形成されるが、磁性塗料には、結合剤
の一部となる硬化剤(例えば、ポリイソシアネート系硬
化剤等)を必要に応じて含有させることが好ましい。こ
のような硬化剤を添加することにより、架橋硬化が促進
され磁気記録媒体の耐久性を向上させることができる。
このようなポリイソシアネート系硬化剤としては、トリ
レンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネ−
ト、o−トルイジンジイソシアネート、トリフェニルメ
タントリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート等のイソシアネート類、これらと多価アルコールと
の反応物、イソシアネートの縮合物(ポリイソシアネー
ト類)等を使用できる。具体的な商品名としては、コロ
ネート−L、コロネート−HL、コロネート−203
0、コロネート2031(以上日本ポリウレタン社
製)、タケネートD−200、タケネートD−202
(武田薬品社製)、デスモジュールL、デスモジュール
IL(住友バイエル社製)等を挙げることができ、これ
らは単独であるいは二種以上を併用することができる。
【0032】硬化剤の使用量は、使用する硬化剤の種類
や結合剤の種類などにより適宜決定することができる。
【0033】また、磁性層を形成するための磁性塗料に
は、必要に応じて更に潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、分
散剤等の公知の添加剤を含有させることができる。例え
ば、研磨剤としては、各種金属の酸化物、硫化物、硫酸
化物、炭酸化物、窒化物、炭化物やコランダム、人造ダ
イヤモンド等のモース硬度が6程度以上の公知の充填剤
等を使用することができる。帯電防止剤としては、導電
性微粉末、界面活性剤等を使用できる。分散剤として
は、高級脂肪酸とその金属塩系分散剤、エステル系分散
剤、アミド系分散剤、シランカップリング剤、チタンカ
ップリング剤等を使用することができる。潤滑剤として
は、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸塩、高級アルコー
ル、多価アルコール、多価アルコールエステル系、アミ
ド、シリコーンオイル、フッ素含有有機化合物等を使用
することができる。また、必要によりグラファイト等の
固体潤滑剤を添加してもよい。
【0034】磁性塗料には、更に、可塑剤、抗菌(防か
び)剤、消泡剤等を必要に応じて添加することができ
る。
【0035】なお、磁性塗料は、以上説明した結合剤と
磁性粉と必要に応じて他の成分とを、メチルエチルケト
ンやトルエン等の公知の有機溶媒中に分散処理、場合に
より混練処理することにより調製することができる。
【0036】本発明において使用する非磁性支持体とし
ては、公知のフィルム状あるいはシート状の支持体を使
用することができ、例えばポリエチレンテレフタレート
(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等の
ポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロース誘導体
類、ポリカーボネート類、ポリアミド(イミド)類、芳
香族ポリアミド類、セラミックス、アルミニウム、ガラ
ス等を使用することができる。なお、非磁性支持体とし
ては、表面粗度制御や磁性塗料との接着等を高める目的
で表面処理を施したものを使用することができる。ま
た、カオリンや炭酸カルシウム等の無機物フィラーや有
機物フィラーにより、表面粗度の制御を行ったものも使
用することができる。
【0037】本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上
に磁性塗料を公知の方法に従って塗布して磁性層を形成
し、適宜配向処理、表面処理を行うことにより製造する
ことができる。
【0038】本発明の磁気記録媒体は、従来の音楽用磁
気テープやビデオテープ等と同様に使用することができ
る。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0040】実施例1 表1の原材料を攪拌均一化し、サンドミル工程を任意
(約1時間)行い、磁性塗料を調製した。そして、得ら
れた磁性塗料を、ポリエステルフィルム上に塗布厚5μ
mになるように塗布し、磁場配向処理した後、乾燥し、
カレンダー処理を施すことにより塗布型の磁気記録媒体
を得た。
【0041】なお、表1に示した磁性粉の比表面積は約
25m2/g(表面積測定装置(BET法)による測
定)であった。また、使用した塩化ビニル酢酸ビニル共
重合体(a)の特性は以下の通りであった。
【0042】酢酸ビニル成分:約10重量% 数平均分子量(Mn):18000(分子量の測定は、
GPC法(高速液体クロマトグラフイ(Water社:
Model500/検出機:ShodexRISE−6
1),カラム(Shodex kF−804+KF−8
03+KF−802+KF−801))で測定した。) Mw/Mn比:2.6 ガラス転移点(Tg):70℃(ガラス転移点の測定は
バイブロン法(昇温速度2.0℃/分,10Hz)で行
った。) 導入極性基:−SO3Na基/0.05mmol/g
【0043】
【表1】 成分 重量部 強磁性酸化鉄粉末(γ−Fe23 100 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(a) 20 カーボンブラック 1 アルミナ 1 潤滑剤(ミリスチン酸) 1 分散剤(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン) 2 メチルエチルケトン 100 トルエン 100 シクロヘキサノン 100
【0044】実施例2 実施例1の場合に比べ、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体
中の酢酸ビニル成分を増やし、しかも水酸基を導入した
場合の影響を確認するために、塩化ビニル酢酸ビニル共
重合体(a)に代えて、酢酸ビニル成分が約20重量%
であり、ビニルアルコール(水酸基−OH)成分が約2
重量%であり、数平均分子量(Mn)が17000であ
り、Mw/Mn比が2.8であり、そしてガラス転移点
(Tg)が60℃である塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体(b)を20重量部使用する以外は、実施例1と同様
にして磁性塗料を調製し、磁気記録媒体を作製した。
【0045】実施例3 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体と分子量の比較的小さい
ポリエステルポリウレタン樹脂とを結合剤として併用し
た場合の影響を確認するために、塩化ビニル酢酸ビニル
共重合体(a)20重量部のうち6重量部を、数平均分
子量(Mn)14000、Mw/Mn比2.7、そして
ガラス転移点(Tg)40℃のポリエステルポリウレタ
ン樹脂(c)に代える以外は、実施例1と同様にして磁
性塗料を調製し、磁気記録媒体を作製した。
【0046】実施例4 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体と分子量の比較的小さい
ポリエステルポリウレタン樹脂とを結合剤として併用し
た場合の影響を確認するために、塩化ビニル酢酸ビニル
共重合体(a)20重量部のうち12重量部を、ポリエ
ステルポリウレタン樹脂(c)に代える以外は、実施例
1と同様にして磁性塗料を調製し、磁気記録媒体を作製
した。
【0047】実施例5 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体と分子量の比較的小さい
ポリエステルポリウレタン樹脂とを結合剤として併用し
た場合の影響を確認するために、塩化ビニル酢酸ビニル
共重合体(b)20重量部のうち12重量部を、ポリエ
ステルポリウレタン樹脂(c)に代える以外は、実施例
1と同様にして磁性塗料を調製し、磁気記録媒体を作製
した。
【0048】実施例6 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体と官能基を導入したポリ
エステルポリウレタン樹脂とを結合剤として併用した場
合の影響を確認するために、塩化ビニル酢酸ビニル共重
合体(a)20重量部のうち10重量部を、数平均分子
量(Mn)13500、Mw/Mn比2.8、ガラス転
移点(Tg)45℃、そして官能基として分子中に−S
3Na基0.05mmol/g含有するポリエステル
ポリウレタン樹脂(d)に代える以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、磁気記録媒体を作製した。
【0049】実施例7 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体と官能基を導入したポリ
エステルポリウレタン樹脂とを結合剤として併用し、且
つ硬化剤を添加した場合の影響を確認するために、塩化
ビニル酢酸ビニル共重合体(b)20重量部のうち10
重量部を、ポリエステルポリウレタン樹脂(c)に代
え、且つ塗布前に硬化剤としてヘキサメチレンジイソシ
アネートを2重量部添加する以外は実施例1と同様にし
て磁性塗料を調製し、磁気記録媒体を作製した。
【0050】実施例8 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体とポリエステルポリウレ
タン樹脂とニトロセルロースとを結合剤として併用した
場合の影響を確認するために、塩化ビニル酢酸ビニル共
重合体(a)20重量部のうち8重量部をポリエステル
ポリウレタン樹脂(c)に代え、2重量部を数平均分子
量(Mn)28000、Mw/Mn比2.3、そしてガ
ラス転移点(Tg)100℃のニトロセルロース(e)
に代える以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製
し、磁気記録媒体を作製した。
【0051】実施例9 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体とポリエステルポリウレ
タン樹脂とアセタール樹脂とを結合剤として併用した場
合の影響を確認するために、塩化ビニル酢酸ビニル共重
合体(a)20重量部のうち8重量部を、ポリエステル
ポリウレタン樹脂(c)に代え、2重量部を数平均分子
量(Mn)28000、Mw/Mn比1.6、そしてガ
ラス転移点(Tg)105℃のアセタール樹脂(f)に
代える以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製
し、磁気記録媒体を作製した。
【0052】実施例10 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体とポリエステルポリウレ
タン樹脂とフェノキシ樹脂とを結合剤として併用した場
合の影響を確認するために、塩化ビニル酢酸ビニル共重
合体(a)20重量部のうち8重量部を、ポリエステル
ポリウレタン樹脂(c)に代え、2重量部を数平均分子
量(Mn)27000、Mw/Mn比2.3、そしてガ
ラス転移点(Tg)75℃のフェノキシ樹脂(g)に代
える以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、
磁気記録媒体を作製した。
【0053】比較例1 酢酸ビニル成分が含まれていない結合剤を使用した場合
の影響を確認するために、塩化ビニル酢酸ビニル共重合
体(a)20重量部に代えて、ビニルアルコール成分約
6重量%、数平均分子量(Mn)20000、Mw/M
n比2.4、そしてガラス転移点(Tg)70℃の塩化
ビニルビニルアルコール共重合体(h)を使用する以外
は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、磁気記録
媒体を作製した。
【0054】比較例2 酢酸ビニル成分の比較的少ない塩化ビニル酢酸ビニル共
重合体(酢酸ビニル成分約3重量%)を結合剤として使
用した場合の影響を確認するために、塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体(a)に代えて、酢酸ビニル成分約3重量
%、ビニルアルコール成分約2重量%、数平均分子量
(Mn)17500、Mw/Mn比2.5、そしてガラ
ス転移点(Tg)70℃の塩化ビニル酢酸ビニルビニル
アルコール共重合体(i)を使用する以外は、実施例1
と同様にして磁性塗料を調製し、磁気記録媒体を作製し
た。
【0055】比較例3 酢酸ビニル成分の比較的多い塩化ビニル酢酸ビニル共重
合体(酢酸ビニル成分約30重量%)を結合剤として使
用した場合の影響を確認するために、塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体(a)に代えて、酢酸ビニル成分約30重
量%、数平均分子量(Mn)18000、Mw/Mn比
2.5、そしてガラス転移点(Tg)55℃の塩化ビニ
ル酢酸ビニル共重合体(j)を使用する以外は、実施例
1と同様にして磁性塗料を調製し、磁気記録媒体を作製
した。
【0056】比較例4 数平均分子量が比較的大きい塩化ビニル酢酸ビニル共重
合体(数平均分子量27000)を結合剤として使用し
た場合の影響を確認するために、塩化ビニル酢酸ビニル
共重合体(a)に代えて、酢酸ビニル成分約10重量
%、数平均分子量(Mn)27000、Mw/Mn比
2.6、そしてガラス転移点(Tg)70℃の塩化ビニ
ル酢酸ビニル共重合体(k)を使用する以外は、実施例
1と同様にして磁性塗料を調製し、磁気記録媒体を作製
した。
【0057】比較例5 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体に加えて数平均分子量が
比較的大きいポリエステルポリウレタン(数平均分子量
23000)を結合剤として併用した場合の影響を確認
するために、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(a)20
重量部のうち12重量部を、数平均分子量(Mn)23
000、Mw/Mn比2.0、そしてガラス転移点(T
g)45℃のポリエステルポリウレタン(l)に代える
以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、磁気
記録媒体を作製した。
【0058】比較例6 結合剤中の塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(a)の含有
量を相対的に低減された場合(塩化ビニル系共重合体3
0重量%)の影響を確認するために、塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体(a)20重量部のうち14重量部を、ポ
リエステルポリウレタン(c)に代えること以外は、実
施例1と同様にして磁性塗料を調製し、磁気記録媒体を
作製した。
【0059】(評価)実施例1〜10及び比較例1〜6
で得られた磁気記録媒体について、磁気特性(角形比、
残留磁束密度)及び耐久性、走行性、物理特性を以下に
説明するように試験し評価した。また、使用した磁性塗
料の塗料特性を以下に説明するように試験し、評価し
た。
【0060】磁気特性 磁気特性として、角形比と残留磁束密度とを磁気特性測
定装置(VSM、東英工業(株)製)を用いて測定し
た。
【0061】耐久性 耐久性は、対固定ヘッド100回走行後の磁性膜欠落
(粉落ち)量を数値化し、比較例1を基準とし相対評価
した。欠落質量が50%未満の場合“◎“、50以上8
0%未満の場合“○“、80以上120%未満の場合
“△“、それ以上の場合“דとランク付けした。
【0062】走行性 走行時のワウフラッターを測定し、得られた数値を、比
較例1の場合に得られた数値に対し相対評価した。数値
が90%未満の場合“◎“、90以上100%未満の場
合“○“、100以上110%未満の場合“△“、11
0%以上の場合“דとランク付けした。
【0063】物理特性 物理特性として、磁性膜の3%伸び強度を測定し、比較
例1の場合に得られた強度に対し、120%以上の強度
を持つ場合“◎“、105%以上20%未満の場合“○
“、90%以上105%未満の場合“△“、90%未満
の場合“דととランク付けした。
【0064】塗料特性 塗料特性として、塗料の粘度をB型回転粘度計を用い4
号ローテイターで測定した。得られた粘度結果を、比較
例1の場合に得られた粘度に対し相対評価し、70%以
下の粘度の場合“◎“、70%より大きく90%以下の
場合“○“、90%より大きく120%以下の場合“△
“、120%を超える場合“דとランク付けした。
【0065】なお、比較例1の磁気記録媒体は、各特性
において実用上問題の無いレベルを示していた。
【0066】得られた評価結果を表2に示す。
【0067】
【表2】 角形比 残留磁束密度 耐久性 走行性 物理特性 塗料特性 Rs[-] Br[mT] 実施例1 0.87 165 △ △ ○ ○ 実施例2 0.86 160 ○ △ ○ △ 実施例3 0.87 165 △ ◎ ○ ○ 実施例4 0.89 165 △ ○ △ ○ 実施例5 0.89 165 ○ ○ ○ ◎ 実施例6 0.89 165 ○ ○ ○ ○ 実施例7 0.88 160 ◎ ◎ ◎ ○ 実施例8 0.87 160 ◎ ◎ ○ △ 実施例9 0.86 160 ○ ○ ○ △ 実施例10 0.89 165 ◎ ◎ ○ ○ 比較例1 0.88 160 − − − − 比較例2 0.88 160 △ △ △ △ 比較例3 0.85 155 △ △ × × 比較例4 0.87 165 ○ ○ △ × 比較例5 0.89 160 △ △ △ △比較例6 0.88 165 △ △ △ △
【0068】表2から明らかなように、酢酸ビニル成分
を10又は20重量%含有する塩化ビニル酢酸ビニル共
重合体を使用した磁気記録媒体は各特性を満足している
ことがわかる。
【0069】また、硬化剤を添加したり、機能性樹脂を
若干量添加することでその効果を大きくすることが可能
である。しかしながら、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体
の含有量が40%未満の場合や、同時に添加する結合剤
樹脂の物性によっては充分な効果を引き出すことが難し
くなる。
【0070】これに対して、酢酸ビニル成分が10重量
%未満又は20重量%を超える塩化ビニル酢酸ビニル共
重合体を使用した場合、耐久性、走行性を安定して得る
ことが難しい。また、この分子設計の場合、他結合剤と
の相溶性にも不安定があり物理特性や塗料物性に影響を
与えることがわかる。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、磁性塗料の結合材とし
て、磁性粉の分散性を改良でき、しかも塗料の塗布性と
安定性とを改善できるものを使用するので、それを使用
する磁気記録媒体の静磁気特性、電磁変換特性、物理特
性等を改善することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体と、その上に、磁性粉と結
    合剤とからなる磁性塗料を塗布して形成された磁性層と
    からなる塗布型磁気記録媒体において、該結合剤が、数
    平均分子量(Mn)が20000以下であって且つ酢酸
    ビニル成分を分子中に10.0〜20.0重量%の割合
    で含有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を含有するこ
    とを特徴とする塗布型磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体の結合剤
    中の含有割合が少なくとも40重量%である請求項1記
    載の塗布型磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 結合剤が、更に、数平均分子量(Mn)
    が15000以下であって且つ分子量分布(Mw/M
    n)が2.5以上であるポリエステルポリウレタン樹脂
    を含有する請求項1又は2記載の塗布型磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体が、ポリ
    ビニルアルコール成分を含有する請求項1〜3のいずれ
    かに記載の塗布型磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体が、磁性
    粉の分散性を向上させる極性基を含有する請求項1〜4
    のいずれかに記載の塗布型磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 磁性塗料が硬化剤を含有する請求項1〜
    5記載の塗布型磁気記録媒体。
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