JPH1165746A - 座標入力装置及びその制御方法 - Google Patents

座標入力装置及びその制御方法

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JPH1165746A
JPH1165746A JP21756097A JP21756097A JPH1165746A JP H1165746 A JPH1165746 A JP H1165746A JP 21756097 A JP21756097 A JP 21756097A JP 21756097 A JP21756097 A JP 21756097A JP H1165746 A JPH1165746 A JP H1165746A
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delay
signal
vibration
switch
pen
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JP21756097A
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Inventor
Hajime Sato
肇 佐藤
Atsushi Tanaka
淳 田中
Ryozo Yanagisawa
亮三 柳沢
Katsuyuki Kobayashi
克行 小林
Yuichiro Yoshimura
雄一郎 吉村
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】振動入力手段と装置本体とを接続するケーブル
の配線数を減らし、操作性の優れた座標入力装置を提供
する。 【解決手段】振動伝達板上に弾性波振動を入力する振動
入力ペンを有し、該振動入力ペンからの弾性波振動が振
動伝達板上に設けられた振動検出手段まで到達する到達
時間を基に指示された座標位置を算出する座標入力装置
において、振動入力ペンは、遅延回路とスイッチを有
し、スイッチの操作に応じて遅延回路の遅延時間が切替
る。振動入力ペンに対してディレイ信号を出力し、戻り
ディレイ信号が到着するまでの遅延時間TDを計測し
(ステップS11〜S14)、その遅延時間に基づいて
スイッチの操作状態を判定する(ステップS21)。そ
して、その判定結果に応じて、ペンスイッチの操作状態
を示すオン,オフ信号を発生する(ステップS22、S
23)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は座標入力装置、特に
振動ペンから入力された弾性波振動を振動伝達板に複数
設けられたセンサにより検出し、前記振動ペンから振動
伝達板に入力された弾性波振動の伝達時間に基づき、振
動ペンによる振動入力点の座標を検出する装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】超音波による座標入力装置として、例え
ば特公平5−60615に開示されているように、振動
ペンを振動伝達板に接触させ、入力された振動が振動伝
達板上を伝達し、振動伝達板上に設けられたセンサに到
達するまでの遅延時間をもとに、振動ペンの接触座標位
置を算出するものがある。この種の座標入力装置の振動
伝達板上には、マトリックス状電線等の細工を施す必要
がないので、コスト的に安価な装置を提供することが可
能である。しかも、振動伝達板に透明な板硝子を用いれ
ば、他の方式に比べて透明度の高い座標入力装置を構成
することができる。
【0003】この種の装置においては、環境温度により
遅延時間がオフセットずれを起こし、座標検出に誤差を
生じることが知られている。このオフセットずれの量
は、主にペン温度に依存して変化し、検出座標値に影響
を与える。このような不具合を解決するため、ペン内に
おいて駆動タイミングを温度による遅延量分ずらすこと
が提案されている。すなわち、振動入力ペン内に温度に
より遅延量の変化する遅延回路を設け、該遅延回路の温
度に対する遅延量を上記オフセット量と等しくなるよう
に構成し、オフセットずれを相殺する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成ではオフセットずれが主にペンの温度に依存している
ため、ペン内に発振回路等を設ける必要があり、ペン駆
動部の回路規模が増大し、ペンが太くなり使いにくいな
どの問題が生じる。
【0005】さらに、発振周波数のずれは特性に極めて
大きく関与するため、厳密な制御が必要であるととも
に、遅延時間量もペンで発生するオフセットずれ量に等
しく設定しなくてはならないため、厳密な調整が必要で
あったり、部品ばらつきの許容量が狭いなど、量産性が
悪いという問題もある。
【0006】また、振動入力ペンにペンスイッチを設
け、座標データの他に、このペンスイッチ操作を検出し
てホスト機器に出力し、アプリケーションの処理に反映
する座標入力装置がある。このような装置においては、
振動入力ペンと座標入力装置本体との間で、ペンスイッ
チ信号を送信するための配線が必要となる。しかしなが
ら、このような配線の増加は、次のような問題を生じ
る。
【0007】まず、コードの直径が太くなるため、デザ
イン上問題がある。特に小型装置に搭載される場合は装
置の大きさに対してペンコードとのバランスがとれない
のでデザインが制限される。また、ペンコードのコシが
強くなるため操作性が非常に悪くなる。更には、ペン処
理回路の基板、演算制御回路側の基板のコネクタも芯数
が多くなるため形状が大型化になり、装置自身が大きく
なってしまう。
【0008】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あり、温度変化によって生じるオフセットのずれを簡易
な回路構成で補正可能な座標入力装置および座標検出方
法を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明の他の目的は、振動入力手段
と装置本体とを接続するケーブルの配線数を減らし、操
作性の優れた座標入力装置及び座標検出方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の座標入力装置は以下の構成を備える。すな
わち、振動伝達板上に弾性波振動を入力する振動入力手
段と、前記振動入力手段からの弾性波振動が前記振動伝
達板上に設けられた振動検出手段まで到達する到達時間
を基に指示された座標位置を算出する算出手段と、前記
振動入力手段に格納され、該振動入力手段に設けられた
スイッチの操作によって遅延時間が切替る遅延手段と、
前記遅延手段による信号の遅延時間に基づいて前記スイ
ッチの操作状態を判定する判定手段とを備える。
【0011】また、好ましくは、前記遅延手段は、温度
によってもその遅延時間が変化し、前記遅延手段による
信号の遅延時間に基づいて前記到達時間を補正するため
の補正値を更新する更新手段を更に備える。
【0012】また、上記の目的を達成する本発明の座標
入力装置の制御方法は以下の工程を備える。すなわち、
振動伝達板上に弾性波振動を入力する振動入力手段を有
し、該振動入力手段からの弾性波振動が該振動伝達板上
に設けられた振動検出手段まで到達する到達時間を基に
指示された座標位置を算出する座標入力装置の制御方法
であって、前記振動入力手段に設けられたスイッチの操
作に応じて、該振動入力手段に内蔵された遅延手段の遅
延時間を切替える切替工程と、前記振動入力手段に対し
て信号を出力し、前記遅延手段を経た戻り信号を検出す
る検出工程と、前記検出工程で検出された戻り信号の遅
延時間に基づいて前記スイッチの操作状態を判定する判
定工程とを備える。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の好適な一実施形態を説明する。
【0014】<第1の実施形態>図1は第1の実施形態
における座標入力装置の構造を示す図である。図中、1
は座標入力装置の全体を制御すると共に、座標位置の算
出、ペンスイッチ信号の検出をする演算制御回路であ
る。2はペンコードで演算制御回路と振動入力ペン3間
を接続する信号線が通っている。3は振動入力ペンであ
り、演算制御回路1から出力される駆動信号に従って、
内蔵する振動子を駆動する。振動入力ペンの詳細は図2
を参照して後述する。
【0015】8は振動伝達板であり、アクリルやガラス
板等、透明部材からなる。この振動伝達板8の上面に
は、PET等からなる飛散防止フィルム(ラミネート)
が粘着層を介して設置されており、この粘着層は振動伝
達板8が割れた時の破片の飛散を防止する。振動入力ペ
ン3による座標入力は、この振動伝達板8上を振動入力
ペン3でタッチすることで行う。実際には、図示に実線
で示す符号Aの領域(以下有効エリア)内を振動入力ペ
ン3で指定することを行う。振動伝達板8の外周には、
反射した振動が中央部に戻るのを防止(減少)させるた
めの防振材7が設けられ、その境界に圧電素子等、機械
的振動を電気信号に変換する振動センサ6a〜6dが固
定されている。
【0016】9は各振動センサ6a〜6dで振動を検出
した旨の信号を演算制御回路1に出力する信号波形検出
回路である。11は液晶表示器等のドット単位の表示が
可能なディスプレイであり、振動伝達板8の背後に配置
されている。そしてディスプレイ駆動回路10の駆動に
より、振動入力ペン3によりなぞられた位置にドットを
表示し、それを振動伝達板8(透明部材からなる)を透
かしてみることが可能になっている。
【0017】上述した構成において、演算制御回路1
は、所定周期毎(例えば10ms)に振動入力ペン3内
の振動子を駆動させるための駆動信号を出力すると共
に、その内部タイマ(カウンタで構成されている)によ
る計時を開始させる。振動入力ペン3より発生した振動
は振動センサ6a〜6d迄の距離に応じて遅延して到達
する。
【0018】信号波形検出回路9は各振動センサ6a〜
6dからの信号を検出して、各振動センサへの振動到達
タイミングを示す信号を生成する。演算制御回路1は各
センサ毎のこの信号を入力し、各々の振動センサ6a〜
6d迄の振動到達時間を検出し、振動入力ペン3の座標
位置を算出する。また、演算制御回路1は、この算出さ
れた振動入力ペン3の位置情報を元にディスプレイ駆動
回路10を駆動して、ディスプレイ11による表示を制
御したり、あるいはシリアル、パラレル通信によって外
部機器(不図示)に座標出力を行う。
【0019】図2は第1の実施形態による振動入力ペン
の構成を表すブロック図である。図2に示すように演算
制御回路1はペンコード2を介してペン処理回路131
及び振動子駆動回路132に対して電源、GND、駆動
信号を供給している。また、ペン処理回路131から演
算制御回路1に対して、戻りディレイ信号、ペンSW信
号が供給される。
【0020】振動入力ペン3に内蔵された振動子4は、
振動子駆動回路132によって駆動される。振動子4の
駆動信号は演算制御回路1から低レベルのパルス信号と
して供給され、所定のゲインで増幅された後、振動子4
に印加される。電気的な駆動信号は振動子4によって機
械的な超音波振動に変換され、ペン先5を介して振動伝
達板8に伝達される。上記のようにして振動伝達板8に
伝えられる弾性波は板波であり、表面波などに比して振
動伝達板の表面の傷、障害物等の影響を受けにくいとい
う利点を有する。
【0021】ペン先5は、温度によって超音波振動の伝
達速度が変化することがわかっており、演算制御回路1
は、ディレイ信号を使用して温度による補正を行う。ペ
ン処理回路131は、温度によって遅延時間が変化する
遅延回路を有している。演算制御回路1がペン処理回路
131に対して所定幅のパルス信号(ディレイ信号)を
供給すると、ディレイ回路を経て、環境温度に対応した
所定時間だけ遅延されたパルス信号(戻りディレイ信
号)が演算制御回路1に返される。演算制御回路1は、
その遅延時間とメモリ上にある遅延時間−補正時間テー
ブル(以下、補正テーブルという)を参照して振動セン
サ6が検出した時間に対して補正を行う。
【0022】また、振動入力ペン3はペンスイッチ10
6を有し、その操作信号はペンSW信号として演算制御
回路1へ供給される。ペンSW信号は、各種のアプリケ
ーションに対応するためにマウスボタンと同様な役割を
果たす信号であり、ペンスイッチ106のON/OFF
の信号は、ハイレベル/ロウレベルの信号として演算制
御回路1で処理される。
【0023】図3は第1の実施形態による演算制御回路
1の構成を示すブロック図である。31はマイクロコン
ピュータであり、演算制御回路1及び本座標入力装置全
体を制御する。マイクロコンピュータ31はCPU31
a、RAM31b、ROM31c、カウンタ31dを有
する。CPU31aはROM31cに格納されている制
御プログラム31eに従って各種の処理を実行する。R
AM31bは、CPU31aが各種処理を実行する際の
作業領域を提供する。ROM31cには、制御プログラ
ム31eと、温度変化に対する補正のための補正テーブ
ル31fが格納される。また、その他各種定数もROM
31cに格納される。また、カウンタ31dは、ディレ
イ信号を出力してから戻りディレイ信号が到着するまで
の時間を計測するのに用いられる。
【0024】32a〜32dは不図示の基準クロックを
計時するカウンタであって、振動子駆動回路132に振
動入力ペン3内の振動子4の駆動を開始させるためのス
タート信号を入力すると、その計時を開始する。これに
よって、計時開始とセンサによる振動検出の同期が取ら
れ、センサ(6a〜6d)により振動が検出されるまで
の遅延時間が測定できることになる。
【0025】信号波形検出回路9より出力される各振動
センサ6a〜6dよりの振動到達タイミング信号は、検
出信号入力回路34を介してカウンタ32a〜32dに
入力される。カウンタ32a〜32dのそれぞれは、各
振動センサ6a〜6dに対応している。
【0026】こうして全ての検出信号の受信がなされた
ことを判定回路33が判定すると、マイクロコンピュー
タ31にその旨の信号を出力する。マイクロコンピュー
タ31がこの判定回路33からの信号を受信すると、カ
ウンタ32a〜32dから各々の振動センサまでの振動
到達時間をラッチ回路より読み取り、所定の計算を行っ
て、振動伝達板8上の振動入力ペン3の座標位置を算出
する。
【0027】そして、I/Oポート35を介してディス
プレイ駆動回路10に算出した座標位置情報を出力する
ことにより、例えばディスプレイ11の対応する位置に
ドット等を表示することができる。あるいはI/Oポー
ト35を介し、インターフェース回路に、座標位置情報
を出力することによって、外部機器(ホスト装置)に座
標値を出力することができる。
【0028】また、ペンスイッチの操作によって入力さ
れたペンSW信号は、そのままI/Oポート35を介し
てホスト装置等に出力される。
【0029】[振動伝搬時間検出の説明(図4、図
5)]以下、振動センサ6a〜6dまでの振動到達時間
を計測する原理について説明する。
【0030】図4は第1の実施形態による信号波形検出
回路9の構成を示すブロック図である。また、図5は信
号検出回路9に入力される検出波形とそれに基づく振動
伝達時間の計測処理を説明するための図である。なお、
以下では振動センサ6aの場合について振動伝搬時間の
検出処理を説明するが、その他の振動センサ6b〜6d
についても全く同様である。
【0031】振動センサ6aヘの振動伝達時間の計測
は、振動子駆動回路132へのスタート信号の出力と同
時に開始することは既に説明した。このとき、振動子駆
動回路132から振動子4へはスタート信号51が印加
される。スタート信号51は、短い(例えば2発の)矩
形パルスである。スタート信号51によって、振動入力
ペン3から振動伝達板8に伝達された超音波振動は、振
動センサ6aまでの距離に応じた時間をかけて進行した
後、短い検出波形として振動センサ6aで検出される。
スタート信号51を短いパルスとする理由は、振動伝達
板8の主に端面での不要反射成分と検出すべき振動との
干渉(重畳)による誤検出を防ぎ、装置全体の小型化を
図るためである。図5の522で示す信号は振動センサ
6aが検出した信号波形を示している。
【0032】振動センサ6aが検出した信号波形522
は、521で示される群信号と522で示される位相信
号として、それぞれ後述する手順によって処理される。
【0033】まず、群信号521について説明する。エ
ンべロープ検出回路42により信号522からエンベロ
ープ53が取り出される。取り出されたエンベロープ信
号53は、エンベロープ変曲点検出回路422に入力さ
れ、2階微分波形54となる。また、エンベロープ信号
53はゲート信号生成回路43にも入力される。ゲート
信号生成回路43は入力されたエンベロープ信号53を
適当な振幅に減衰した上で、一定のオフセットを加えた
参照レベル信号541を生成する。また、ゲート信号生
成回路43には、帯域通過フィルタ450より得られる
信号52も入力され、信号52と参照レベル信号541
とを比較することでゲート生成信号542を出力する。
【0034】ゲート生成信号542は単安定マルチバイ
ブレータ44に入力される。単安定マルチバイブレータ
44は入力されたゲート生成信号542の立ち上がりタ
イミングから所定のパルス幅のゲート信号56を生成
し、これをtgコンパレータ423とtpコンパレータ
452に出力する。
【0035】tgコンパレータ423は、ゲート信号5
6と2階微分波形54とを入力とし、ゲート信号56が
開いている間のゼロクロス点をエンベロープ53の変曲
点としてtg信号55を生成する。
【0036】一方、位相信号については次のような処理
が行われる。まず、帯域通過フィルタ450によって、
信号522が所定幅の周波数成分の信号にされ、信号5
2となる。信号52は、さらにスライス回路451によ
って、所定の振幅レベル以下に波形がスライス(波形の
レベル圧縮)される。その出力である位相信号58とゲ
ート信号56とがtpコンパレータ452に入力される
と、tpコンパレータ452は、ゲート信号56の開い
ている間の位相信号(スライス回路の出力信号57)の
所定の順番の立ち上がり(所定の順番にあたる立ち上が
りのゼロクロス点)を検出し、位相遅延時間信号tpが
演算制御回路1に供給されることになる。図5の例で
は、tpは2番目の立ち上がりゼロクロス点である。
【0037】ここで、ゲート生成信号542を出力する
ための参照レベル信号541は、振動入力ペン3と振動
センサ6aの距離に応じて駆動パルス51に同期した可
変レベルとしてもよい。距離により検出レベルの変動幅
が大きい場合は、このように可変レベルとすることで検
出点が安定するので有効である。
【0038】さて、本実施形態の装置で用いられている
振動は板波であるため、振動伝達板8内での伝達距離に
対して検出波形のエンベロープ521と位相522の関
係は振動伝達中に、その伝達距離に応じて変化する。こ
こでエンベロープ521の進む速度、即ち、群速度をV
g、そして位相522の進む速度、即ち、位相速度をV
pとする。この群速度Vg及び位相速度Vpから振動入
力ペン3と振動センサ6a間の距離を検出することがで
きる。
【0039】まず、エンベロープ521にのみ着目する
と、その速度はVgであり、ある特定の波形上の点、
(例えば変曲点)を検出すると、振動入力ペン3及び振
動センサ6aの間の距離は、その振動伝達時間をTgと
して、 d=Vg・Tg …(1) で与えられる。この式は振動センサ6aの一つに関する
ものであるが、同じ式により他の3つの振動センサ6b
〜6dと振動入力ペン3の距離も同様にして表すことが
できる。
【0040】更に、より高精度な座標決定をするため
に、位相信号の検出に基づく処理を行う。位相波形信号
522から先述のように検出したTpより、振動センサ
と振動ペンの距離は、 d=n・λp+Vp・Tp …(2) となる。ここでλpは弾性波の波長、nは整数である。
【0041】上記(1)式と(2)式から上記の整数n
は、 n=[(Vg・Tg−Vp・Tp)/λp+1/N] …(3) と表される。
【0042】ここでは、Nは“0”以外の実数であり、
適当な値を用いる。例えば、N=2とすれば±1/2波
長以内のTg等の変動であれば、nを決定することがで
きる。
【0043】上記のようにして求めたnを(2)式に代
入することで、振動入力ペン3及び振動センサ6a間の
距離を精度良く測定することができる。尚、以上説明し
た回路は振動センサ6aに対するものであり、他の振動
センサにも同じ回路が設けられている。
【0044】なお、上記Tg、Tpには、スタート信号
が回路を伝わって振動子4を駆動するまでの遅延時間
や、波形処理等における遅延時間も含まれている。更
に、上述したように、ペン先5は温度によって超音波振
動の伝達速度が変化することもわかっている。従って、
上記のようにして求めたTg、Tpを補正し、これらの
要因による誤差時間を消去してから式(2)、(3)を
適用する必要がある。上述の如く、本実施形態ではディ
レイ信号と戻りディレイ信号との時間差で補正テーブル
を検索し、適切な補正値を求め、これを上述のTg、T
pに反映させる。
【0045】<補正値獲得手順の説明(図6、図7、図
8)>上述した補正テーブルからの補正値の獲得手順に
ついて詳細に説明する。図6は第1の実施形態による駆
動信号を説明する図である。図6において21はスター
ト信号であり、座標検出のための信号である(上述のス
タート信号51と同じ)。22はディレイ信号であり、
環境温度による遅延時間の変化に対して補正を行うため
に演算制御回路1より出力される。このように、演算制
御回路1から出力される駆動信号はスタート信号21と
ディレイ信号22を含む。また、23は戻りディレイ信
号であり、ペン処理回路131に含まれる遅延回路によ
ってディレイ信号22が遅延されて得られる信号であ
る。演算制御回路1は、ディレイ信号22と戻りディレ
イ信号23との時間差、すなわち遅延時間TDを求め、
このTDによって補正テーブル31fを検索する。な
お、スタート信号21に対しても戻り信号が発生する
が、この信号は用いない。
【0046】ここで、駆動信号中のスタート信号21と
ディレイ信号23の間隔は、入力可能エリアと超音波振
動の音速によって決定され、振動センサ6a〜6dで検
出される信号が干渉しないように十分な時間Tintを有
している。
【0047】図7は、第1の実施形態による補正テーブ
ル3fのデータ構成例を説明する図である。補正テーブ
ル3fには、各遅延時間の範囲に対応して補正量が格納
されている。例えば、遅延時間TDが0.5μsecよ
り小さい場合は、xxxnsecという時間を、検出さ
れた到達時間(Tg、Tp)から差し引くことになる。
【0048】図8は第1の実施形態による補正値獲得手
順を説明するフローチャートである。なお、本フローチ
ャートに示される制御を実現する制御プログラムは、制
御プログラム31eの一部としてROM31cに格納さ
れ、CPU21aによって実行される。
【0049】まず、ステップS11において、ディレイ
信号22を出力する。ディレイ信号22は、上述のよう
に、スタート信号21を出力してから時間Tint後に出
力される。すなわち、スタート信号21を出力してから
Tint後に図8の処理が1回実行されることになる。
【0050】ステップS12では、カウンタ31dを起
動し、戻りディレイ信号の到達までの時間の計時を開始
する。ステップS13では、戻りディレイ信号23が到
着したかどうかを判断し、到着していなければステップ
S16へ進む。ステップS16では、戻りディレイ信号
23の到着に要する最大時間が経過したかどうかを判断
する。もし、最大時間を越えて戻りディレクトリ信号2
3の到着が検出されなければ、振動入力ペン3が外れて
いるか、ケーブルが断線したかであるので、ステップS
17でエラー処理を行う。エラー処理では、例えば、ホ
スト装置にその旨を伝えたり、表示器11にその旨を表
示することをおこなう。
【0051】所定時間内に戻りディレイ信号23の到着が
確認された場合はステップS14に進み、その時点カウ
ンタ31dの値から遅延時間TDを獲得する。そして、
ステップS15へ進み、図7の如き補正テーブル31f
を参照して補正値を得る。次回の座標検出処理において
は、この補正値によって得られた遅延時間を補正するこ
とになる。
【0052】<座標位置算出の説明(図9)>今、振動
伝達板8上の4辺の頂点近傍に3つの振動センサ6a〜
6dを符号Sa〜Sdの位置に設けると、先に説明した
原理に基づいて、振動入力ペン5の位置Pから各々の振
動センサ6a〜6dの位置までの直線距離da〜ddを
求めることができる。更に演算制御回路1でこの直線距
離da〜ddに基づき、振動入力ペン3の位置Pの座標
(x,y)を3平方の定理から次式のようにして求める
ことができる。
【0053】 x=X/2(da+db)・(da−db)/2X …(4) y=Y/2(da+dd)・(da−dd)/2Y …(5) ここでX,Yはそれぞれ振動センサ6a、6b間の距
離、振動センサ6a、6d間の距離である。以上のよう
にして、座標をリアルタイムで検出できる。
【0054】以上のように、第1の実施形態によれば、
振動入力ペン3内では、環境温度による補正のための構
成としては、遅延回路を設けるのみで済む。従って、振
動入力ペン3内の構成が簡素化される。また、補正テー
ブル3fのデータによって補正量を調整できるので、製
造時の微調整等が不要となり、量産性が向上する。
【0055】<第2の実施形態>上記第1の実施形態で
は、ペンコード2に内包される線数は、電源、GND、
戻りディレイ信号、ペンSW信号、駆動信号の5本にも
なる。また、ペン処理回路の半導体の動作用電圧と振動
子駆動用の電圧が異なる場合も考えられるため電源が2
系統となることもある。その場合は線数は6本にもな
る。このように線数が増えることにより、次のような問
題が発生してしまう可能性がある。
【0056】まず、コードの直径が太くなるため、デザ
イン上問題がある。特に小型装置に搭載される場合は装
置の大きさに対してペンコードとのバランスがとれない
のでデザインが制限される。また、ペンコードのコシが
強くなるため操作性が非常に悪くなる。更には、ペン処
理回路の基板、演算制御回路側の基板のコネクタも芯数
が多くなるため形状が大型化になり、装置自身が大きく
なってしまうという大きな問題が生ずる。
【0057】第2の実施形態は、第1の実施形態の効果
を有しながら、ペンコード内に含まれる線数を低減し、
上記の問題を解決するものである。
【0058】第2の実施形態における座標入力装置の構
造は第1の実施形態(図1)と同様である。第2の実施
形態では、演算制御回路(第2の実施形態では演算制御
回路201とする)の処理と振動入力ペン(第2の実施
形態では振動入力ペン203とする)内のペン処理回路
が上記第1の実施形態とは異なるので、それらの動作を
説明する。
【0059】図10は第2の実施形態による振動入力ペ
ンの構成を説明するブロック図である。第2の実施形態
による超音波を利用した座標入力装置の振動入力ペン2
03は、図10に示すように、振動伝達板側にある演算
制御回路201とペンケーブル202を介して接続され
ている。ペンケーブル202は、電源、GND、戻りデ
ィレイ信号兼ペンSW信号、駆動信号の4本の線を内包
している。
【0060】図11は第2の実施形態による演算制御回
路の構成を示すブロック図である。図11において、図
3と同じ構成には同一の参照番号を付してある。ただ
し、ROM31cに格納されている制御プログラム31
gは、同一の信号線から入力される戻りディレイ信号と
ペンSW信号を識別し、戻りディレイ信号であれば補正
テーブル3fを参照して補正値の更新を行い、ペンSW
信号であればこれを外部回路へ出力する。
【0061】図12は、第2の実施形態による駆動信号
を説明する図である。図12において21はスタート信
号であり、座標検出のための信号である。22はディレ
イ信号であり、環境温度による遅延時間の変化に対して
補正を行うために演算制御回路1より出力される。この
ように、駆動信号はスタート信号21とディレイ信号2
2を含む。また、23、24は戻りディレイ信号であ
り、ペン処理回路131に含まれる遅延回路によってデ
ィレイ信号22が遅延されて得られる信号である。演算
制御回路201は、ディレイ信号22と戻りディレイ信
号23との時間差、すなわち遅延時間TDがTD1の場
合はこのTD1によって補正テーブル31fを検索して
補正値の更新を行い、遅延時間TDがTD2の場合はペ
ンスイッチ貸そうさされたものと判断し、その旨の信号
を発生する。
【0062】なお、駆動信号中のスタート信号21とデ
ィレイ信号23の間隔は、入力可能エリアと超音波振動
の音速によって決定され、振動センサ6a〜6dで検出
される信号が干渉しないように十分な時間Tintを有し
ている。
【0063】図13は第2の実施形態によるペン処理回
路におけるペンスイッチとディレイ回路の構成を説明す
る図である。ペンスイッチ26は通常の状態で接点A側
に接続されており、ペンスイッチ26を押下することで
接点B側に接続される。従って、ペンスイッチ26を解
放した状態では、ディレイ回路261だけを経て演算制
御回路201への戻りディレイ信号23が生成される。
また、ペンスイッチ26を押下した状態では、ディレイ
回路261と262を経た戻りディレイ信号24が生成
されることになる。
【0064】演算制御回路1は所定周期毎(例えば10
ms毎)に図12に示すスタート信号21を振動子駆動
回路232およびペン処理回路231に出力する。座標
取得のためには、スタート信号21のような短いパルス
を振動入力ペン3内の振動子を駆動させる信号として出
力すると共に、マイクロコンピュータの内部タイマ(カ
ウンタで構成されている)による計時を開始させる。そ
して、振動入力ペン3より発生した振動は振動センサ6
a〜6d迄の距離に応じて遅延して到達する。この遅延
時間を計測し、上記第1の実施形態で説明したようにし
て座標値を算出する。
【0065】また、演算制御回路201が、図12にお
けるディレイ信号22のパルスを出力すると、ペン処理
回路231内のディレイ回路を経て、振動入力ペン3の
周囲温度に従った時間TD1だけ遅延した戻りディレイ
信号23となり、再び演算制御回路201に入力され
る。演算制御回路201はこの遅延時間TD1によって
補正値の更新を行う。
【0066】さらに、第2の実施形態では、このディレ
イ信号22が、各種アプリケーションに対応するための
ペンSW信号を兼ねる構成となっている。上述したよう
に、ペンスイッチ26は、操作者によって、接点A側及
びB側に切り替えることができるようになっている。操
作者がペンスイッチ26を押していない状態、すなわち
OFFの状態ではペンスイッチ26は図13のA側に接
続され、演算制御回路1に返される信号は、図12の戻
りディレイ信号23となる。すなわち、温度によって遅
延されたTD1を使用して温度によるオフセットを演算
制御回路201で補正することができる。
【0067】一方、操作者がペンスイッチ26を押した
状態、すなわちONの状態では、ペンスイッチ26は図
13のBに接続され、演算制御回路1に返される信号は
図12の戻りディレイ信号24となる。すなわち、演算
制御回路201は、遅延時間としてTD2を検出する。
本実施形態の場合は、ペン処理回路231内のディレイ
回路は温度によって遅延する時間が同じ回路を2つ用い
ているので、TD2=TD1×2となる。演算制御回路
1は、TD1と比較し、検出された遅延時間がTD1の
ほぼ2倍であるならばペンスイッチ26がONであると
判断する。あるいは、検出された遅延時間が、1つのデ
ィレイ回路の最大遅延時間よりも大きい場合に、ペンス
イッチ26がONである判断する。
【0068】図14は第2の実施形態による演算制御回
路の戻りディレイ信号に関る制御手順を示すフローチャ
ートである。なお、図14において図8と同様の処理に
は同じステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0069】スタート信号21が出力されてから所定時
間Tint後に図14の処理が起動され、ディレイ信号2
2を出力すると共にカウンタ3dの係数を開始し、戻り
ディれ信号の到着を待つ(ステップS11〜S13)。
ここで、戻りディレイ信号が検出されないまま所定時間
が経過した場合は、その旨を通知するエラー処理を実行
する(ステップS16、S17)。なお、ステップS1
6における所定時間とは、2つのディレイ回路261、
262による最大の遅延時間よりも大きい値とする。
【0070】戻りディレイ信号が検出された場合は、カ
ウンタ31dの値から遅延時間TDを獲得し(ステップ
S14)、最も最近の戻りディレイ信号23の遅延時間
TD1(ステップS23によって保持される)を用い
て、TDが2×TD1±αの範囲にあるかどうかを判定
する(αは、測定誤差や環境温度による遅延時間の変動
を許容するための適当な定数)。この結果、YESであ
れば、2つのディレイ回路を経た戻りディレイ信号であ
るとして、ステップS22へ進み、ペンスイッチ信号を
ONとして出力する。一方、ステップS21の判定がN
Oであれば、ステップS15において補正値を更新し、
ステップS23へ進み、ペンスイッチ信号をOFFとし
て出力する。そしてステップS24において、その時の
TDの値をTD1として保持する。
【0071】以上のように第2の実施形態によれば、ペ
ンSW信号用の線と戻りディレイ信号用の線を共用でき
るので、配線数を減らすことができる。
【0072】なお、ステップS21の判定は、得られた
遅延時間TDとディレイ回路261による最大の遅延時
間TD1maxとを比較することでも行える。すなわち、
獲得した遅延時間TDがTD1maxより大きければ、2
つのディレイ回路を経た戻りディレイ信号であるとし
て、ステップS22へ進み、ペンスイッチ信号をONと
して出力する。一方、遅延時間TDがTD1max以下で
あれば、ステップS15において補正値を更新し、ステ
ップS23へ進み、ペンスイッチ信号をOFFとして出
力する。この場合、直前のTD1は不要となるので、ス
テップS24の処理は省略できる。
【0073】<第3の実施形態>第2の実施形態では、
演算制御回路201は、ペンSW信号のON/OFF判
定を、ディレイ信号の返り値が2倍になるかどうかで判
定していたが、ディレイ回路による遅延時間が既知であ
れば異なるディレイ回路を複数使用して判定してもよい
ことは言うまでもない。これにより、複数のペンスイッ
チを設けることが可能となる。例えば、遅延時間がTの
ディレイ回路を3つ用いて、遅延時間がTDがT±βの
範囲ならば補正値の更新、遅延時間TDが2×(T±
β)の範囲ならば第1のペンスイッチの押下、遅延時間
がTDが3×(T±β)の範囲ならば第2のペンスイッ
チの押下というように判断することができる。
【0074】また、ディレイ信号の返り値があるかない
かで判定してもよい。その場合を以下に説明する。な
お、振動入力ペンの構成は第2の実施形態(図10)と
同様であるが、ペン処理回路231内のディレイ回路の
構成が異なる。
【0075】図15は第3の実施形態による駆動信号と
戻り信号を説明する図である。上記各実施形態と同様
に、スタート信号21とディレイ信号22を含む駆動信
号が振動子駆動回路232及びペン処理回路231に出
力される。座標取得のためには、図15のスタート信号
21を振動入力ペン3内の振動子を駆動させる信号とし
て出力すると共に、マイクロコンピュータの内部タイマ
(カウンタで構成されている)による計時を開始させ
る。そして、振動入力ペン3より発生した振動は振動セ
ンサ6a〜6d迄の距離に応じて遅延して到達し、その
遅延時間を基に座標値を算出する。
【0076】一方、補正値の更新及びペンスイッチの操
作判定にはディレイ信号22が用いられる。以下、詳細
に説明する。
【0077】図16は第3の実施形態によるペン処理回
路内のディレイ回路の構成を示す図である。ペンスイッ
チ26がB側に接続されている場合において、演算制御
回路201が図15におけるディレイ信号22のパルス
を出力すると、ディレイ信号22はペン処理回路231
内のディレイ回路261に入力され、その信号はディレ
イ回路内で振動入力ペン3の周囲温度に従った時間TD
だけ遅延し再び演算制御回路201に入力される。ま
た、ペンスイッチ26がA側にある時には、ディレイ信
号22は遅延回路を経ずに、戻りディレイ信号22’と
して演算制御回路201に入力される。
【0078】ペンスイッチ26は操作者によってA側及
びB側に切り替えることができるようになっている。操
作者がペンスイッチ26を押している状態すなわちON
の状態ではペンSW86は図16のBに接続されてい
る。このとき、演算制御回路201に返される信号は、
図15の戻りディレイ信号23となる。すなわち、温度
によって遅延されたTDを使用し、温度によるオフセッ
トを演算制御回路201で補正する処理(補正値の更
新)が行われる。
【0079】一方、操作者がペンスイッチ26を押して
いない状態、すなわちOFFの状態では、ペンスイッチ
26は図16のAに接続される。そのとき、演算制御回
路201に返される信号は図15の戻りディレイ信号2
2’に示す信号となる。すなわち、演算制御回路201
には、ディレイ信号22がそのまま返されることとな
る。
【0080】図17は第3の実施形態による演算制御回
路の戻りディレイ信号に関る制御手順を示すフローチャ
ートである。なお、ステップS11〜S14、S16、
S17に関しては第2の実施形態(図14)と同様であ
るので図示を省略した。ステップS21’では、遅延時
間TDがγより小さいかどうかを判定する。ここで、γ
は、ディレイ回路の最小遅延時間よりも小さい値であ
る。NOであればディレイ回路を経た戻り信号23である
と判断してステップS15へ進み、補正値テーブル31
fから補正値を獲得する。そして、ステップS22へ進
み、ペンスイッチ信号のONを発生する。
【0081】一方、遅延時間TDがガンマよりも小さけ
れば、ディレイ回路を経ていない戻り信号23’である
と判断し、ステップS23でペンスイッチ信号のOFF
を発生する。
【0082】この構成の場合、操作者がペンSWを押し
た時のみTDが検出されることとなり、補正値の更新が
行われると共にペンスイッチの押下が検出される。通
常、ペンスイッチを押す時間は、通常の入力(ペンスイ
ッチを押していない状態)に比べると短い時間であるた
め、ペンスイッチを押したときのみ温度による補正を行
うことで、装置の低消費電力化も図れるという効果もあ
る。
【0083】なお、上記第2及び第3の実施形態では、
環境温度に対応した補正を行うための戻りディレイ信号
を用いたが、必ずしも環境温度補正のための構成と併用
する必要はない。ペンスイッチの操作状態を判定するた
めの戻りディレイ信号専用の信号線としてもよい。例え
ば、上述したように、ペンスイッチが複数の操作状態を
有する場合(例えば、複数のペンスイッチが設けられて
いるような場合)に、それぞれのディレイ時間を検出す
るようにすれば、1本の信号線で済むことになり、配線
数を減少させる効果が得られることは明らかである。
【0084】なお、本発明は、複数の機器(例えばホス
トコンピュータ,インタフェイス機器,リーダ,プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0085】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU
やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによっても、達成されることは言う
までもない。
【0086】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現するこ
とになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は
本発明を構成することになる。
【0087】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディス
ク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD
−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMな
どを用いることができる。
【0088】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0089】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
温度変化によって生じるオフセットのずれが簡易な回路
構成で補正可能となる。
【0091】また、本発明によれば、振動入力手段と装
置本体とを接続するケーブルの配線数を減らし、操作性
の優れた座標入力装置を提供できる。
【0092】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における座標入力装置の構造を
示す図である。
【図2】第1の実施形態による振動入力ペンの構成を表
すブロック図である。
【図3】第1の実施形態による演算制御回路1の構成を
示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態による信号波形検出回路9の構
成を示すブロック図である。
【図5】信号検出回路9に入力される検出波形とそれに
基づく振動伝達時間の計測処理を説明するための図であ
る。
【図6】第1の実施形態による駆動信号を説明する図で
ある。
【図7】第1の実施形態による補正テーブル3fのデー
タ構成例を説明する図である。
【図8】第1の実施形態による補正値獲得手順を説明す
るフローチャートである。
【図9】座標位置の算出例を説明するための図である。
【図10】第2の実施形態による振動入力ペンの構成を
説明するブロック図である。
【図11】第2の実施形態による演算制御回路の構成を
示すブロック図である。
【図12】第2の実施形態による駆動信号を説明する図
である。
【図13】第2の実施形態によるペン処理回路における
ペンスイッチとディレイ回路の構成を説明する図であ
る。
【図14】第2の実施形態による演算制御回路の戻りデ
ィレイ信号に関る制御手順を示すフローチャートであ
る。
【図15】第3の実施形態による駆動信号と戻り信号を
説明する図である。
【図16】第3の実施形態によるペン処理回路内のディ
レイ回路の構成を示す図である。
【図17】第3の実施形態による演算制御回路の戻りデ
ィレイ信号に関る制御手順を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 演算制御回路 2 ペンコード 3 振動入力ペン 4 振動子 5 ペン先 6a〜6d 振動センサ 7 防振材 8 振動伝達板 9 信号波形検出回路 10 ディスプレイ駆動回路 11 ディスプレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 克行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 吉村 雄一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動伝達板上に弾性波振動を入力する振
    動入力手段と、 前記振動入力手段からの弾性波振動が前記振動伝達板上
    に設けられた振動検出手段まで到達する到達時間を基に
    指示された座標位置を算出する算出手段と、 前記振動入力手段に格納され、該振動入力手段に設けら
    れたスイッチの操作によって遅延時間が切替る遅延手段
    と、 前記遅延手段による信号の遅延時間に基づいて前記スイ
    ッチの操作状態を判定する判定手段とを備えることを特
    徴とする座標入力装置。
  2. 【請求項2】 前記遅延手段は、温度によってもその遅
    延時間が変化し、 前記遅延手段による信号の遅延時間に基づいて前記到達
    時間を補正するための補正値を更新する更新手段を更に
    備えることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装
    置。
  3. 【請求項3】 前記遅延手段は、 所定の遅延特性を有する複数の遅延回路と、 前記複数の遅延回路のうち、前記スイッチの操作状態に
    応じた数の遅延回路を直列に接続する接続手段とを備
    え、 前記スイッチの操作状態に応じた個数の遅延回路で信号
    を遅延することを特徴とする請求項1に記載の座標入力
    装置。
  4. 【請求項4】 前記スイッチはオンとオフの2つの操作
    状態をとるものであり、 前記遅延手段は、所定の遅延特性を有する2つの遅延回
    路を有し、前記スイッチがオン状態の場合は前記2つの
    遅延回路を接続して信号を遅延し、該スイッチがオフ状
    態の場合は前記2つの遅延回路のうちの一方のみで信号
    を遅延することを特徴とする請求項1に記載の座標入力
    装置。
  5. 【請求項5】 前記判定手段は、信号の遅延時間が前記
    遅延回路の遅延特性のほぼ2倍であった場合に前記スイ
    ッチがオン状態であると判定することを特徴とする請求
    項4に記載の座標入力装置。
  6. 【請求項6】 前記スイッチはオンとオフの2つの操作
    状態をとるものであり、 前記遅延手段は信号を遅延するための遅延回路を有し、
    前記スイッチがオンの場合は入力された信号を該遅延回
    路で遅延させた信号を出力し、前記スイッチがオフの場
    合は該入力された信号を該遅延回路を経由せずに出力す
    ることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  7. 【請求項7】 前記判定手段によって前記スイッチがオ
    ン状態であると判定された場合、前記遅延回路による信
    号の遅延時間に基づいて前記到達時間を補正するための
    補正値を更新する更新手段を更に備えることを特徴とす
    る請求項6に記載の座標入力装置。
  8. 【請求項8】 振動伝達板上に弾性波振動を入力する振
    動入力手段を有し、該振動入力手段からの弾性波振動が
    該振動伝達板上に設けられた振動検出手段まで到達する
    到達時間を基に指示された座標位置を算出する座標入力
    装置の制御方法であって、 前記振動入力手段に設けられたスイッチの操作に応じ
    て、該振動入力手段に内蔵された遅延手段の遅延時間を
    切替える切替工程と、 前記振動入力手段に対して信号を出力し、前記遅延手段
    を経た戻り信号を検出する検出工程と、 前記検出工程で検出された戻り信号の遅延時間に基づい
    て前記スイッチの操作状態を判定する判定工程とを備え
    ることを特徴とする座標入力装置の制御方法。
  9. 【請求項9】 前記遅延手段は、温度によってもその遅
    延時間が変化するものであり、 前記遅延手段を経た信号の遅延時間に基づいて前記到達
    時間を補正するための補正値を更新する更新工程を更に
    備えることを特徴とする請求項8に記載の座標入力装置
    の制御方法。
  10. 【請求項10】 前記切替工程は、所定の遅延特性を有
    する複数の遅延回路のうち、前記スイッチの操作状態に
    応じた数の遅延回路を直列に接続し、該スイッチの操作
    状態に応じた個数の遅延回路で信号を遅延することを特
    徴とする請求項8に記載の座標入力装置の制御方法。
  11. 【請求項11】 前記スイッチはオンとオフの2つの操
    作状態をとるものであり、 前記切替工程は、前記スイッチがオン状態の場合は所定
    の遅延特性を有する2つの遅延回路を接続して信号を遅
    延し、該スイッチがオフ状態の場合は前記2つの遅延回
    路のうちの一方のみで信号を遅延することを特徴とする
    請求項8に記載の座標入力装置の制御方法。
  12. 【請求項12】 前記判定工程は、信号の遅延時間が前
    記遅延回路の遅延特性のほぼ2倍であった場合に前記ス
    イッチがオン状態であると判定することを特徴とする請
    求項11に記載の座標入力装置の制御方法。
  13. 【請求項13】 前記スイッチはオンとオフの2つの操
    作状態をとるものであり、 前記切替工程は、前記スイッチがオンの場合は入力され
    た信号を該遅延回路で遅延させた信号を出力し、前記ス
    イッチがオフの場合は該入力された信号を該遅延回路を
    経由せずに出力することを特徴とする請求項8に記載の
    座標入力装置の制御方法。
  14. 【請求項14】 前記判定工程によって前記スイッチが
    オン状態であると判定された場合、前記遅延回路による
    信号の遅延時間に基づいて前記到達時間を補正するため
    の補正値を更新する更新工程を更に備えることを特徴と
    する請求項13に記載の座標入力装置の制御方法。
  15. 【請求項15】 振動伝達板上に弾性波振動を入力する
    振動入力手段を有し、該振動入力手段からの弾性波振動
    が該振動伝達板上に設けられた振動検出手段まで到達す
    る到達時間を基に指示された座標位置を算出する座標入
    力装置を制御するための制御プログラムを記憶するコン
    ピュータ可読メモリであって、外制御プログラムが、 前記振動入力手段に設けられたスイッチの操作に応じ
    て、該振動入力手段に内蔵された遅延手段の遅延時間を
    切替える切替工程のコードと、 前記振動入力手段に対して信号を出力し、前記遅延手段
    を経た戻り信号を検出する検出工程のコードと、 前記検出工程で検出された戻り信号の遅延時間に基づい
    て前記スイッチの操作状態を判定する判定工程のコード
    とを備えることを特徴とするコンピュータ可読メモリ。
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