JPH09325853A - 座標入力装置及びその制御方法 - Google Patents

座標入力装置及びその制御方法

Info

Publication number
JPH09325853A
JPH09325853A JP14421196A JP14421196A JPH09325853A JP H09325853 A JPH09325853 A JP H09325853A JP 14421196 A JP14421196 A JP 14421196A JP 14421196 A JP14421196 A JP 14421196A JP H09325853 A JPH09325853 A JP H09325853A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
vibration transmission
plate
calculated
pen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP14421196A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichiro Yoshimura
雄一郎 吉村
Ryozo Yanagisawa
亮三 柳沢
Katsuyuki Kobayashi
克行 小林
Atsushi Tanaka
淳 田中
Hajime Sato
肇 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP14421196A priority Critical patent/JPH09325853A/ja
Priority to US08/777,248 priority patent/US5761087A/en
Priority to DE69714484T priority patent/DE69714484T2/de
Priority to EP97100019A priority patent/EP0784286B1/en
Priority to CNB971022208A priority patent/CN1160662C/zh
Priority to KR1019970000346A priority patent/KR100259693B1/ko
Publication of JPH09325853A publication Critical patent/JPH09325853A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 座標検出において、振動伝達方向により振動
伝達速度が異なる異方性を持つ振動伝達板を用いる場合
に、座標検出精度が低下する。 【解決手段】 振動ペンから各振動センサまでの各距離
を1406の固定定数を用いて算出し、1404で概略
入力座標を算出する。該概略座標から1405で振動ペ
ンから振動センサへの振動伝達角度を算出し、1407
では、1405で算出された振動伝達角度に対応する振
動伝達速度を導出する。該振動伝達速度より高精度な入
力座標を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動伝達板上の振
動伝達時間から指示点座標を検出する座標入力装置及び
その制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、振動伝達板に対し圧電素子等
を内蔵した振動ペンにより振動入力を行い、振動伝達板
に設けた複数の振動センサにより入力点の座標を検出す
る座標入力装置が知られている。
【0003】上記振動を検出する座標入力装置の座標演
算では、振動伝達板を伝わる振動波の伝達速度を予め求
め、これを定数として、振動ペンから振動センサまでの
振動伝達時間にこの定数を乗じる等を基本とした計算に
より、振動ペンから振動センサまでの距離を求め、これ
から座標を求める手法が一般的に知られている。また、
特に、上記振動伝達板を伝わる振動波として板波を検出
して用いる場合、板波の伝達速度が、板厚と周波数に依
存することに着目し、従来に於ては、実測して求める以
外には、周波数の検出値と板厚の測定値により上記伝達
速度を求めることを行っていた。
【0004】具体的に、従来例として、特開平7−16
0407では、本発明は群速度が板厚のみの関数として
得られている事実の発見に基づき、板波の音速度設定
は、まず検出信号の位相同期より周波数を測定し、その
値と板厚より位相速度を測定し、群速度は、板厚のみに
より導出する、という提案がなされている。これは、位
置検出精度の向上、及び、信頼性、量産性向上等を目的
としたものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上記振動を検出する座標入力装置の伝達速度は、振動セ
ンサごとの各々の値の平均値、或は、代表的な一つの振
動センサに於て求めた値を全ての振動センサに対して一
つの定数として用いており、以下の欠点があった。
【0006】全ての振動センサに対して一つの定数を用
いた場合、均一等質媒体の振動伝達板を用いる場合には
問題は生じないが、振動伝達方向により振動伝達速度が
異なる異方性をもつ振動伝達板を用いる場合には、座標
検出精度が低下するという問題点があった。この異方性
をもつ振動伝達板を用いる場合の問題について、図13
〜図17を用いて説明を行う。
【0007】図13は、典型的な従来の振動を検出する
座標入力装置における振動伝達板及び振動センサの模式
的な構成図である。但し、振動伝達板は、振動伝達方向
により振動伝達速度が異なるという前記異方性をもった
ものである。今、振動センサを図のようにA、A′、
B、B′とする。
【0008】図14は、従来の振動を検出する座標入力
装置に於て、遅延時間により求めた各振動センサから振
動ペンまでの距離の誤差ΔLを各振動センサの振動伝達
速度の平均値を一つの定数として用いて算出し、示した
ものである。ここでは、従来例の問題点を前記距離の算
出結果において示すことが目的であるので、この算出法
等の詳細は本発明の実施例に於て触れる。図で示された
ΔLは、各振動センサに関して振動伝達板の対角方向に
振動ペンを走査して測定したもので、横軸は、振動セン
サからの距離、縦軸は、ΔLを示す。
【0009】また、前記走査距離の中心部に於て、その
点が基準点で誤差がゼロとなるような調整を行ってい
る。従って、図14に於て、中心部は誤差が小さくなっ
ている。さて、図から明らかなように、ΔLは、前記中
心部の調整点から離れた振動センサから最短点と最長点
に於て誤差ΔLは最大となっている。さらに、振動セン
サA、A′と振動センサB、B′の組に変動傾向が分か
れ、その2組の傾向は、ほぼ正反対となる。これは、振
動伝達板に、前記異方性が存在しているため、図13に
示す2つの矢印の方向で振動伝達速度が異なり、従っ
て、距離と振動伝達時間との関係が異なるにもかかわら
ず、一つの振動伝達速度の平均値を定数として用いて算
出したことによるものである。
【0010】比較として、振動伝達方向により振動伝達
速度が異ならない前記異方性のない振動伝達板に於て、
図14と同じ振動センサ構成での上記と同一条件で算出
したΔLと振動センサからの距離との関係を示したの
が、図15であり、異方性が存在しない場合には、一つ
の振動伝達速度の平均値を定数として用いて算出しても
問題とはならないことがわかる。
【0011】更に、全ての振動センサに対して一つの定
数を用いた場合、振動伝達方向により振動伝達速度が異
なる異方性をもつ振動伝達板を用いる場合には、定数が
固定値であることにより、一つの振動センサに対して振
動の振動伝達角度(入射角度)により振動伝達速度が異
なる状況に対応できず、振動センサまでの距離計算結果
に誤差が生じ、精度が低下する。つまり、図16で示す
ように、有効エリア内の振動ペンの座標入力点が異なる
と、それに伴い振動ペンから振動センサまでの振動伝達
経路が異なり、振動伝達方向が異なり、異方性をもつ振
動伝達板では、図でαで示す振動伝達角度が異なると振
動伝達速度が異なり、図17で示すように、上記固定定
数との差分だけ振動センサから振動ペンまでの距離の誤
差ΔLが誤差が生じる。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、振動伝達方向により振動伝達速度が異な
る異方性を有する振動伝達板と、前記振動伝達板上に入
力された振動発生源からの振動が振動伝達板上を伝播
し、この振動が振動発生源から振動検出手段まで振動伝
達板上を伝播する時間を計測して前記振動発生源の座標
を検出する座標入力装置であって、予め固定値として持
つ振動伝播速度を基に概略座標を算出する第1算出手段
と、前記第1算出手段により算出された概略座標から各
振動検出手段への振動伝達角度を導出する導出手段と、
前記導出手段により導出された振動伝達角度に基づい
て、振動伝達距離を求め、前記振動発生源の位置座標を
算出する第2算出手段とを有することを特徴とする座標
入力装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)以下、添付図面に従って本発明に関わる
実施形態を詳細に説明する。
【0014】図1は本実施形態に於ける座標入力装置の
構造の特徴を最もよく表す図である。
【0015】図中1は装置全体を制御すると共に、座標
位置を算出する演算制御回路である。2は振動子駆動回
路であって、振動ペン3内のペン先を振動させるもので
ある。8はアクリルやガラス板等、透明部材からなる振
動伝達板であり、振動ペン3による座標入力は、この振
動伝達板8上をタッチすることで行う。
【0016】振動伝達板8には、図示に実線で示す符号
Aの領域(以下有効エリア)を設ける。これは、この有
効エリアAは、この領域内を振動ペン3で指定した座標
のみが、有効な入力座標となる領域であり、図のように
方形であり、必要とされる座標入力精度、座標入力範囲
等の座標入力装置の仕様により決定される領域である。
【0017】そして、この振動伝達板8の外周には、反
射した振動が中央部に戻るのを防止(減少)させるため
の防振材7が設けられ、又振動伝達板8の周辺部には圧
電素子等、機械的振動を電気信号に変換する4個の振動
センサ6a〜6dが上記有効エリアAの領域外の角部に
配置固定されている。
【0018】本実施形態に於ける上記振動伝達板8は、
振動伝達方向により振動伝達速度が異なる異方性を有す
る振動伝達板である。この異方性は、圧延工程を経て製
造される金属板に存在し、また、異方性を持った樹脂性
のシートを前記振動伝達板に貼り付けることによっても
持つことになる。この異方性の方向は、直交している。
そして、上記対向する2つの振動センサ6aと6d及び
6bと6cを結ぶ2つの線分により形成される角の2等
分線上に、上記振動伝達板の直交するこの2つの異方性
の軸が来る様に振動伝達板8の向きを調整する。つま
り、例えば、金属板等であれば、この異方性が上記2等
分線の向きになるように切出し加工を行う。また、ガラ
ス板に樹脂シートを張り合わせる場合であれば、上記2
等分線の向きと樹脂シートの異方性の方向とを合わせ
て、貼り合わせを行う。
【0019】以上の振動センサ6からの出力信号は、図
に示すような振動センサ6近傍に設けられた不図示の前
置増幅回路へ送られ、ここで所定のゲインで増幅された
出力を信号波形検出回路9に送る。更に、各振動センサ
6a〜6dに対応する前記信号波形検出回路9の信号を
演算制御回路1に送り座標演算を行う。この入力座標の
演算は、まず固定定数で上記計測した振動伝達時間に対
して振動ペン3から振動センサ6までの概略の距離を算
出し、これより算出された概略入力座標から、振動ペン
3から振動センサ6への振動伝達角度を算出する。そし
て振動伝達角度より導出された振動伝達速度を用いても
う一度上記計測した振動伝達時間に対して振動ペン3か
ら振動センサ6までの正確な距離を算出し高精度の入力
座標演算を行う。この本発明の振動伝達板の異方性と振
動センサの配置及び振動伝達速度に関する定数の決定及
び座標算出に関する説明に関しては、後で詳述する。
【0020】11は前記振動伝達板8が透明な場合に設
けられる、液晶表示器、及び、その投射型表示器等のド
ット単位の表示が可能なディスプレイ、或は、CRT、
及び、その投射型表示器等であり、振動伝達板の背後に
配置している。そしてディスプレイ駆動回路10の駆動
により振動ペン3によりなぞられた位置に表示しそれを
振動伝達板8(透明部材の場合)を透してみる事が可能
になっている。
【0021】図2に示されるように振動ペン3に内蔵さ
れた振動子4は、同じく振動ペン3に内蔵された振動子
駆動回路2によって駆動される。振動子4の駆動信号は
演算制御回路1から低レベルのパルス信号として供給さ
れ振動子駆動回路2によって所定のゲインで増幅された
後振動子4に印加される。
【0022】電気的な駆動信号は振動子4によって機械
的な超音波振動に変換され、ペン先5を介して振動伝達
板8に伝達される。
【0023】ここで振動子4の振動周波数はガラスなど
の振動伝達板8に板波を発生する事が出来る値に選択さ
れる。また、振動子駆動の際、振動伝達板8に対して図
2の垂直方向に振動するモードが選択される。また、振
動子4の振動周波数をペン先5を含んだ共振周波数とす
る事で効率の良い振動変換が可能である。
【0024】上記のようにして振動伝達板8に伝えられ
る弾性波は板波であり、表面波などに比して振動伝達板
の表面の傷、障害物等の影響を受けにくいという利点を
有する。
【0025】<演算制御回路の構成例>上述した構成に
於いて、演算制御回路1は所定周期毎(例えば、5ms
毎)に振動子駆動回路2振動ペン3内の振動子4を駆動
させる信号を出力すると共に、その内部タイマ(カウン
タで構成されている)による計時を開始させる。そし
て、振動ペン3より発生した振動は振動センサ6a〜6
d迄の距離に応じて遅延して到達する。
【0026】振動波形検出回路9は各振動センサ6a〜
6dからの信号を検出し、後述する波形検出処理により
各振動センサへの振動到達タイミングを示す信号を生成
し、演算制御回路1は各振動センサ6a〜6dの信号を
入力し、各振動センサ6a〜6dの内、各振動センサま
での振動到達時間の検出を行い、振動ペンの座標位置を
算出する。
【0027】また演算制御回路1は、この算出された振
動ペン3の位置情報を元にディスプレイ駆動回路10を
駆動して、ディスプレイ11による表示を制御したり、
あるいはシリアル、パラレル通信によって外部機器に座
標出力を行なう(不図示)。
【0028】図3は実施形態の演算制御回路1の概略構
成を示すブロック図で、各構成要素及びその動作概略を
以下に説明する。
【0029】図中31は演算制御回路1及び本座標入力
装置全体を制御するマイクロコンピュータであり、操作
手順や各種定数(振動伝達速度を含む)を格納したRO
M31b、演算等に使用するワークメモリRAM31
c、それらを使用して演算・制御を実行するCPU31
a等を有する。
【0030】33は不図示の基準クロックを計時するタ
イマ(例えばカウンタなどにより構成されている)であ
って、振動子駆動回路2に振動ペン3内の振動子4の駆
動を開始させるためのスタート信号を入力すると、その
計時を開始する。これによって、計時開始と振動センサ
による振動検出の同期が取られ、振動センサ6により振
動が検出されるまでの遅延時間が測定できることにな
る。
【0031】その他各構成要素となる回路は順を追って
説明する。
【0032】振動波検出回路9より出力される各振動セ
ンサ6a〜6dよりの振動到達タイミング信号は、検出
信号入力ポート35を介してラッチ回路34a〜34d
に入力される。ラッチ回路34a〜34dのそれぞれ
は、各振動センサ6a〜6dに対応しており、対応する
振動センサよりのタイミング信号を受信すると、その時
のタイマ33の計時値をラッチする。こうして、各振動
センサ6a〜6dの内、振動センサ全ての検出信号の受
信がなされたことを判定回路36が判定すると、マイク
ロコンピュータ31にその旨の信号を出力する。
【0033】ここで、上記判定回路36への判定切り替
え信号であるセレクト信号を出力する。
【0034】判定回路36には、マイクロコンピュータ
31がこの判定回路36からの信号を受信すると、ラッ
チ回路34a〜34dから各々の振動センサまでの振動
到達時間をラッチ回路より読み取り、所定の計算を行な
って、振動伝達板8上の振動ペン3の座標位置を算出す
る。
【0035】そして、I/Oポート37を介してディス
プレイ駆動回路10に算出した座標位置情報を出力する
ことにより、例えばディスプレイ11の対応する位置に
ドット等を表示することができる。あるいはI/Oポー
ト37を介しインターフェース回路に、座標位置情報を
出力することによって、外部機器に座標値を出力するこ
とができる。
【0036】図11は、マイクロコンピュータ31内の
ROM31bに保持されたプログラムコード及び定数を
概念的に示す図である。1401は、前述の様に振動駆
動回路2を介して振動ペン3を駆動し、各振動センサ6
に於て振動が検出されるまでの時間、すなわち振動伝達
時間を計測するプログラムモジュールである。1402
は、計測した振動伝達時間と、定数としての振動伝達速
度とから振動ペン3から振動センサ6までの距離を算出
するプログラムモジュールである。本発明に於ては、ま
ず、概略入力座標を算出するために、1406で保持し
た固定定数で上記計測した振動伝達時間に対して振動ペ
ン3から振動センサ6までの概略の距離を算出する。さ
らに、もう一度、プログラムモジュール1407で振動
伝達角度より導出された振動伝達速度を用いて上記計測
した振動伝達時間に対して振動ペン3から振動センサ6
までの正確な距離を算出する。1403は、算出した各
距離を補正するプログラムモジュールである。1404
は、算出・補正した各距離より振動の入力座標を算出す
るプログラムモジュールである。上記1403及び14
04も前記プログラムモジュール1402により求めら
れた概略距離と正確な距離とに関してそれぞれ処理を行
う。1405は、上記プログラムモジュール1404で
算出された概略入力座標から、振動ペン3から振動セン
サ6への振動伝達角度を算出するプログラムモジュール
である。1407は、1405で算出された振動伝達角
度からその振動伝達角度に対応する振動伝達速度を導出
するプログラムモジュールである。
【0037】<振動伝達距離算出の説明(図4、図5)
>以下、振動センサ3までの振動到達時間の計測及び振
動伝達距離を求める原理に付いて説明する。
【0038】振動伝達時間の計測はプログラムモジュー
ル1401に基づいて、振動伝達距離の算出はプログラ
ムモジュール1402に基づいて実行される。図4は振
動波形検出回路9に入力される検出波形と、それに基づ
く振動伝達時間の計測処理を説明するための図である。
尚以下、振動センサ6aの場合に付いて説明するが、そ
の他の振動センサ6b〜6dについても全く同じであ
る。
【0039】振動センサ6aへの振動伝達時間の計測
は、振動子駆動回路2へのスタート信号の出力と同時に
開始することは既に説明した。この時、振動子駆動回路
2から振動子4へは駆動信号41が印加されている。こ
の信号41によって、振動ペン3から振動伝達板8に伝
達された超音波振動は、振動センサ6aまでの距離に応
じた時間tgをかけて進行した後、振動センサ6aで検
出される。図示の42で示す信号は振動センサ6aが検
出した信号波形を示している。
【0040】この実施形態で用いられてる振動は板波で
あるため振動伝達板8内での伝播距離に対して検出波形
のエンベロープ421と位相422の関係は振動伝達中
に、その伝達距離に応じて変化する。ここでエンベロー
プ421の進む速度、即ち、群速度をVg、そして位相
422の位相速度をVpとする。この群速度Vg及び位
相速度Vpから振動ペン3と振動センサ6a間の距離を
検出することができる。
【0041】まず、エンベロープ421にのみ着目する
と、その速度はVgであり、ある特定の波形上の点、例
えば変極点や図示43で示す信号のようにピークを検出
すると、振動ペン3及び振動センサ6aの間の距離は、
その振動伝達時間とtgとして、 d=Vg・tg (1) で与えられる。この式は振動センサ6aの一つに関する
ものであるが、同じ式により他の3つの振動センサ6b
〜6dと振動ペン3の距離も同様にして表すことができ
る。更に、より高精度な座標決定をするために、位相信
号の検出に基づく処理を行なう。位相波形信号422の
特定の検出点、例えば振動印加から、ある所定の信号レ
ベル46後のゼロクロス点までの時間とtp45(信号
47に対し所定幅の窓信号44を生成し、位相信号42
2と比較することで得る)とすれば、振動センサと振動
ペンの距離は、 d=n・λp+Vp・tp (2) となる。ここでλpは弾性波の波長、nは整数である。
【0042】前記(1)式と(2)式から上記の整数n
は、 n=〔(Vg・tg-Vp・tp)/λp+1/N〕 (3) と表される。
【0043】ここで、Nは“0”以外の実数であり、適
当な値を用いる。例えば、N=2とすれば±1/2波長
以内のtg等の変動であれば、nを決定することができ
る。上記のようにしてもとめたnを(2)式に代入する
ことで、振動ペン3及び振動センサ6a間の距離を精度
良く測定することができる。上述した2つの振動伝達時
間tgおよびtpの測定のため信号43及び45の生成
は、振動波形検出回路9により行なわれるが、この振動
波形検出回路9は図5に示すように構成される。
【0044】図5は実施形態の振動波形検出回路9の構
成を示すブロック図である。
【0045】図5において、振動センサ6aの出力信号
は、前置増幅回路51により所定のレベルまで増幅され
る。増幅された信号は、帯域通過フィルタ511により
検出信号の余分な周波数成分が除かれ、例えば、絶対値
回路及び、低域通過フィルタ等により構成されるエンベ
ロープ検出回路52に入力され、検出信号のエンベロー
プのみが取り出される。エンベロープピークのタイミン
グは、エンベロープピーク検出回路53によって検出さ
れる。ピーク検出回路はモノマルチバイブレータ等から
構成されたtg信号検出回路54によって所定波形のエ
ンベロープ遅延時間検出信号である信号tg(図4信号
43)が形成され、演算制御回路1に入力される。
【0046】一方、55は信号検出回路であり、エンベ
ロープ検出回路52で検出されたエンベロープ信号42
1中の所定レベルの閾値信号46を越える部分のパルス
信号47を形成する。56は単安定マルチバイブレータ
であり、パルス信号47の最初の立ち上がりでトリガさ
れた所定時間幅のゲート信号44を開く。57はtpコ
ンパレータであり、ゲート信号44の開いている間の位
相信号422の最初の立ち上がりのゼロクロス点を検出
し、位相遅延時間信号tp45が演算制御回路1に供給
されることになる。尚以上説明した回路は振動センサ6
aに対するものであり、他の振動センサにも同じ回路が
設けられている。
【0047】<回路遅延時間補正の説明>前記ラッチ回
路によってラッチされた振動伝達時間は、回路遅延時間
etおよび位相オフセット時間toffを含んでいる。
これらにより生じる誤差は、振動ペン3から振動伝達板
8、振動センサ6a〜6dへと行なわれる振動伝達の際
に必ず同じ量が含まれる。そこで、例えば図6の原点O
の位置から、例えば振動センサ6aまでの距離をR1
(=X/2)とし、原点Oにて振動ペン3で入力を行な
い実測された原点Oから振動センサ6aまでの実測の振
動伝達時間をtgz′、tpz′、また原点Oから振動
センサまでの真の伝達時間をtgz、tpzとすれば、
これらは回路遅延時間etおよび位相オフセットtof
fに関して、 tgz′=tgz+et (4) tpz′=tpz+et+toff (5) の関係がある。
【0048】一方、任意の入力点での実測値tg′t
p′は同様に、 tg′=tg+et (6) tp′=tp+et+toff (7) となる。この(4)(6)、(5)(7)両者の差を求
めると、 tg′-tgz′=(tg+et)-(tgz+et)=tg-tgz (8) tp′-tpz′=(tp′+et+toff)-(tpz+et+toff) (9) となり各伝達時間に含まれる回路遅延時間etおよび位
相オフセットtoffが除去され、原点Oの位置から入
力点Pの間の振動センサ6a位置を起点とする距離に応
じた真の伝達遅延時間の差を求めることができ、前記
(2)(3)式を用いればその距離差を求めることがで
きる。
【0049】振動センサ6aから原点Oまでの距離はあ
らかじめ不揮発性メモリ等に記憶してあり既知であるの
で、振動ペン3と振動センサ6a間の距離を決定でき
る。他の振動センサ6b〜6dについても同様に求める
ことができる。
【0050】上記、原点Oにおける実測値tgz′及び
tpz′は出荷時に不揮発性メモリに記憶しておき、プ
ログラムモジュール1403に基づいて、(2)式、
(3)式の計算の前に(8)(9)式が実行され精度の
高い測定ができる。
【0051】<本発明の振動伝達速度に関する定数の決
定及び座標算出に関する説明>ここでは、本発明の主要
部分である振動伝達板の異方性と振動センサの配置及び
振動伝達速度に関する定数の決定及び座標算出に関して
説明を行う。
【0052】前記振動伝達板の振動伝達速度がその伝達
方向により異なる異方性は、前にも少し触れたが、その
振動伝達板がアルミ等の金属である場合はそのある一定
の圧延方向に金属の結晶粒界が並ぶことにより、振動の
伝達条件が方向により異なることにより発生する。更に
は、金属のみならず、樹脂性のシート等もその製造過程
に於ける延伸方向により異方性が発生し、この樹脂シー
トを前記振動伝達板に貼り付けることにより、振動伝達
板全体としても異方性を持つことになる。もちろん、こ
の樹脂自体を振動伝達板として用いる場合にも、異方性
を持つことになる。
【0053】本発明に於ける振動伝達板としては、この
異方性つまり振動伝達方向により振動伝達速度が異なる
特性を持った振動伝達板8により装置を構成する。現在
工業的に、板材として流通している材料は、その製造上
の前記理由により多少なりとも異方性を有しており、特
に、異方性の大きい樹脂シートを飛散防止のために異方
性の小さいガラス板にラミネートする用途は多く、逆
に、上記異方性の小さな材料を振動伝達板として用いる
と無延伸材の低強度をおぎなうための処理をほどこした
材料等、特別な材料を用意しコストが高くつく場合があ
る。
【0054】本発明の実施形態は、図1のところでも簡
単に説明したが、図7に示すように、上記異方性を有す
る振動伝達板8を用いる際の定数の決定及び座標算出に
関するものである。
【0055】前記<振動伝搬時間検出の説明>のところ
で述べたように、振動ペン3及び振動センサ6a〜6d
間の距離を算出するには予め定数として、振動伝達速
度、つまり、群速度Vg及び位相速度Vpを求めておか
なくてはならない。本発明に於ては、振動伝達角度によ
り振動伝達速度が異なるという異方性を持つ振動伝達板
を用いた場合、振動伝達角度に対応した振動伝達速度で
振動ペン3から振動センサ6までの正確な距離を算出
し、振動の入力座標を算出するものである。
【0056】前記図16のところで述べたように、振動
センサ6に対する振動ペン3からの振動伝達経路により
振動伝達速度が異なるのが異方性をもつ振動伝達板であ
り、この振動伝達速度は、振動センサ6に対する振動ペ
ン3からの入射する振動伝達角度で一意に決定される。
図7は同様に向きXと向きYに異方性の軸がある振動伝
達板であり、それぞれの振動伝達速度を向きXをx、向
きYをyとすると、この振動伝達板に於て、xかyがそ
れぞれ振動伝達速度の最大値か最小値をとることにな
る。仮に、xが振動伝達速度の最大値を、yが振動伝達
速度の最小値をとるとすると、図に示された振動ペンか
ら振動センサまでの伝達経路を通る振動の振動伝達速度
Vはx≧V≧yの値を取り、向きX(或はY)との成す
角度(振動伝達角度)で一意的に決定されることにな
る。そして、図7に示す振動伝達角度βと振動伝達角度
γ(β<γ)のそれぞれの振動伝達速度VβとVγは、
Vβ>Vγとなることは明らかである。つまり、今 、
振動伝達角度をα、とすれば、その振動伝達経路に応じ
た振動伝達速度Vは、導出関数Gにより、V=G(α)
で求められる。この導出関数Gは、予め前記異方性をも
つ振動伝達板8に対して、上記振動伝達角度を変化させ
た振動伝達速度のデータを測定しておき、これから求め
てもよい。振動伝達速度の測定は、ステージ等により振
動ペンを走査させて測定するが、他の手法でも構わな
い。また、振動伝達角度と振動伝達速度の対応付けは、
上記導出関数Gによらず、振動伝達角度ごとの振動伝達
速度を予めテーブルにもって対応させてもよい。
【0057】従って、本発明に於ては、まず振動センサ
ごとに振動伝達角度を求め、それを基にその振動伝達経
路に応じた振動伝達速度を振動センサごとに導出し、そ
の振動伝達速度を用いて振動ペン3から各振動センサ6
までの距離を算出するので、図8で示されるようにΔL
の少ない正確な距離が算出される。
【0058】更に、本実施形態に於ては、上記対向する
2つの振動センサ6aと6d及び6dと6cを結ぶ2つ
の線分により形成される角の2等分線上に、上記振動伝
達板の直交するこの2つの異方性の軸が来る様に振動伝
達板8の向きを調整する。図9で示すように、四隅に4
つの振動センサ6a〜6dを配置された上記振動伝達板
8を考える。この振動センサの内、対向する6aと6
d、6bと6cを結ぶ2つの線分をそれぞれ線ad、線
bc、振動伝達板の異方性の方向を示す線をef、線g
h、交点をoとすると、線adと線bcの成す角、例え
ば∠aocと∠aobの二等分線上に異方性の軸の線e
f及び線ghが来るように振動伝達板の向きを調整す
る。つまり、∠aoe=∠coe、∠aog=∠bog
となるようにする。このような振動センサ配置と異方性
の向きの構成をとることにより、異方性の軸の線ef及
び線ghは線adと線bcよりなる角の二等分線上にあ
るため、線ad及び線bcは、異方性の軸線ef及び線
ghに対する角度が等しく、振動伝達特性が等価にな
る。従って、図10に示すように各振動センサに関わる
振動伝達角度を異方性の軸の向きXとのなす角度と定義
すれば、図のように振動ペン3で指示した場合の振動セ
ンサ6a〜6dの振動伝達角度はa〜dとなり、これら
の振動伝達角度から、各振動センサ共通の前記導出関数
Gにより振動伝達経路に応じた振動伝達速度Vを求める
ことができる。
【0059】次に、本発明の振動センサごとに振動伝達
角度を求める手法について説明する。本実施形態に於て
は、まず、固定定数で上記計測した振動伝達時間に対し
て振動ペン3から振動センサ6までの概略の距離を算出
し、これより算出された概略入力座標から、振動ペン3
から振動センサ6への振動伝達角度を算出する。この固
定定数は、例えば、前記有効エリアAの対角線方向の各
振動センサの振動伝達速度の平均値等を用いる。もちろ
ん、これは、概略座標値を求めるものであるので、他の
定数、例えば、代表的な一つの振動センサに関する振動
伝達速度を用いてもよい。これにより、本来のその振動
ペン3の指示点と振動センサ6とを結ぶ方向に対応した
振動伝達速度とずれた振動伝達速度を定数として用い距
離を算出するので算出された座標値にはその分の誤差は
含まれるが、振動伝達角度を算出するために必要な概略
座標値としては十分である。概略座標値から、振動伝達
角度を算出するのは、例えば、振動センサ6aの座標を
(h、i)、振動ペン3の指示点を(j、k)とする
と、 振動伝達角度α=tan−1((j−h)/(k−
i)) で簡単に求まる。また、他の方法で振動伝達角度を求め
てもよい。
【0060】以上の本発明の振動伝達速度に関する定数
の決定及び座標算出に関して、図11を使って時系列的
に説明する。まず、振動ペン3から各振動センサ6まで
の振動伝達時間の計測がプログラムモジュール1401
で実行される。次に、1406で保持した固定定数で上
記計測した振動伝達時間に対して振動ペン3から振動セ
ンサ6までの概略の距離をプログラムモジュール140
2で算出し、プログラムモジュール1403で算出した
各距離を補正する。
【0061】次に、プログラムモジュール1404で算
出・補正した各振動センサに関する距離より振動の概略
入力座標を算出する。そして、算出された概略入力座標
から、プログラムモジュール1405で振動ペン3から
振動センサ6への振動伝達角度を算出する。次に、プロ
グラムモジュール1407で、プログラムモジュール1
405で算出された振動伝達角度からその振動伝達角度
に対応する振動伝達速度を導出する。
【0062】そして、再度、上記プログラムモジュール
1402で各振動センサごとの振動伝達角度に対応する
振動伝達速度を用いて、前記振動伝達時間に対してもう
一度振動ペン3から振動センサ6までの正確な距離を算
出し、プログラムモジュール1403で算出した各距離
を補正する。そして、プログラムモジュール1404で
算出・補正した各振動センサに関する距離より振動の高
精度な入力座標を算出する。上記処理を前記所定(駆
動)周期毎に繰り返す。各処理ごとの1402、140
3、1404の繰返し用いられるプログラムモジュール
は、フラグ等をたててループを制御することは言うまで
もない。また、プログラムモジュール1401で実行さ
れるプログラムモジュール振動伝達時間の計測の結果は
再利用されるので、プログラムモジュール1401で実
行される振動伝達時間の計測の結果を例えばプログラム
モジュール1401′(不図示)に格納し、これを取り
出して再利用してもよい。
【0063】以上の実施形態に於て、対向する2つの振
動センサ6aと6d及び6bと6cを結ぶ2つの線分に
より形成される角の2等分線上に、上記振動伝達板の直
交するこの2つの異方性の軸が来る様に振動伝達板8の
向きを調整する構成としたが、本発明の主眼とする振動
伝達経路に対応した振動伝達速度を用いて正確な距離の
算出を実現するためには、この形態に何ら限定されるも
のではない。振動伝達板の異方性の向きがいかなる場合
でも、この振動伝達板の異方性に対応した各振動センサ
ごとの振動伝達角度と振動伝達速度との対応関数或は対
応テーブルをプログラムモジュール1407内に設け、
各振動センサごとにこの対応付けを行えば良い。
【0064】同様な理由で、本発明の振動センサ配置は
構成上記振動伝達板8の四隅に配置される場合に限られ
るものではない。例えば、振動伝達板および有効エリア
に対し、四隅ではなく、十字状に振動センサを配置した
場合に於ても振動伝達経路に対応した振動伝達速度を用
いて正確な距離の算出を実現できる。
【0065】<座標位置算出の説明(図6)>次に実際
に振動ペン3による振動伝達板8上の座標位置検出の原
理を図6を用いて説明する。
【0066】座標算出式は、3平方の定理から算出され
る。
【0067】振動センサ6a、6b、6cを図1の位置
に設けると、先に説明した原理に基づいて、振動入力ペ
ン3の位置Pから各々の振動センサ6a、6b、6cの
位置までの直線距離da、db、dcを求めることがで
きる。更に演算制御回路1でこの直線距離da、db、
dcに基づき、振動入力ペン3である図6の位置Pの座
標(x、y)を次式のようにして求めることができる。
【0068】 x=X/2+(da+db)・(da-db)/2X (10) y=Y/2+(da+dc)・(da-dc)/2Y (11) ここでX、Yはそれぞれ振動センサ6a、6b間の距
離、振動センサ6a、6c間の距離である。
【0069】以上のようにして振動ペン3の位置座標を
リアルタイムで検出することができる。
【0070】(実施形態2)以上の本発明の実施形態に
於ては、概略入力座標から振動ペン3から振動センサ6
への振動伝達角度を算出し、算出された振動伝達角度か
らその振動伝達角度に対応する振動伝達速度を導出した
が、この概略入力座標から直にこの座標から各振動セン
サまでの振動伝達速度を導出してもよい。この場合のマ
イクロコンピュータ31内のROM31bに保持された
プログラムコード及び定数を概念的に図12で示す。1
401は、前述の様に振動駆動回路2を介して振動ペン
3を駆動し、各振動センサ6に於て振動が検出されるま
での時間、すなわち振動伝達時間を計測するプログラム
モジュールである。1402は、計測した振動伝達時間
と、定数としての振動伝達速度とから振動ペン3から振
動センサ6までの距離を算出するプログラムモジュール
である。本発明に於ては、まず、概略入力座標を算出す
るために、1406で保持した固定定数で上記計測した
振動伝達時間に対して振動ペン3から振動センサ6まで
の概略の距離を算出する。さらに、もう一度、プログラ
ムモジュール1408で概略入力座標より導出された振
動伝達速度を用いて上記計測した振動伝達時間に対して
振動ペン3から振動センサ6までの正確な距離を算出す
る。1403は、算出した各距離を補正するプログラム
モジュールである。1404は、算出・補正した各距離
より振動の入力座標を算出するプログラムモジュールで
ある。上記1403及び1404は前記プログラムモジ
ュール1402により求められた概略距離と正確な距離
とに関してそれぞれ処理を行う。1408は、上記プロ
グラムモジュール1404で算出された概略入力座標か
ら、振動ペン3から振動センサ6への振動伝達速度を導
出するプログラムモジュールである。振動伝達角度の値
を経ないで直に振動伝達速度に対応させるため、入力座
標値と振動ペン3から各振動センサ6への振動伝達速度
との対応テーブルが、プログラムモジュール1408に
保持される。この対応テーブルは、有効エリア内の数カ
所に分割された領域ごとに振動伝達速度を割り当てたも
のでも良い。
【0071】以上の本発明の振動伝達速度に関する定数
の決定及び座標算出に関して、図12を使って時系列的
に説明する。まず、振動ペン3から各振動センサ6まで
の振動伝達時間の計測がプログラムモジュール1401
で実行される。次に、1406で保持した固定定数で上
記計測した振動伝達時間に対して振動ペン3から振動セ
ンサ6までの概略の距離をプログラムモジュール140
2で算出し、プログラムモジュール1403で算出した
各距離を補正する。
【0072】次に、プログラムモジュール1404で算
出・補正した各振動センサに関する距離より振動の概略
入力座標を算出する。そして、算出された概略入力座標
から、プログラムモジュール1408で振動ペン3から
振動センサ6への振動伝達経路に対応する振動伝達速度
を導出する。そして、再度、上記プログラムモジュール
1402で各振動センサごとにその振動伝達経路に対応
する振動伝達速度を用いて、前記振動伝達時間に対して
もう一度振動ペン3から振動センサ6までの正確な距離
を算出し、プログラムモジュール1403で算出した各
距離を補正する。そして、プログラムモジュール140
4で算出・補正した各振動センサに関する距離より振動
の高精度な入力座標を算出する。上記処理を前記所定
(駆動)周期毎に繰り返す。各処理ごとの1402、1
403、1404の繰返し用いられるプログラムモジュ
ールは、フラグ等をたててループを制御することは言う
までもない。また、プログラムモジュール1401で実
行されるプログラムモジュール振動伝達時間の計測の結
果は再利用されるので、プログラムモジュール1401
で実行される振動伝達時間の計測の結果を例えばプログ
ラムモジュール1401′(不図示)に格納し、これを
取り出して再利用してもよい。
【0073】以上の概略入力座標から直にこの座標から
各振動センサまでの振動伝達速度を導出することによ
り、マイクロコンピュータ31内のROM31b等の負
担を軽減し、処理速度を向上することができる。
【0074】(実施形態3)上記実施形態に於ては、固
定定数を用いて概略の距離を算出し、これより算出され
た概略入力座標で振動伝達角度を経て、或は直に、対応
する振動伝達速度を求めこれを用いて再度座標演算をし
ていたが、この座標演算結果を基に再度、振動伝達角度
を経て、或は直に、対応する振動伝達速度を求め、これ
を用いて再度座標演算すると言うように繰返し処理を行
ってもよい。この繰返し処理により、更に正確な入力座
標をもとに正確な振動伝達角度を経て、或は直に、対応
するより正確な振動伝達速度を求めることができ、従っ
て、より高精度な入力座標を得ることができる。
【0075】なお、本発明は、複数の機器から構成され
るシステムに適用しても、一つの機器からなる装置に適
用してもよい。また、本発明の目的は、前記振動センサ
の配置と相俟って、前述した実施形態の機能を実現する
ソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体
を、システム或は、装置に供給し、そのシステムあるい
は装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶
媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する
ことによっても、達成されることは言うまでもない。
【0076】この場合、記憶媒体から読み出されたプロ
グラムコード自体が上記振動センサの配置と相俟って、
本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログ
ラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を実現すること
になる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、固定定
数で計測した概略座標から、振動ペンから振動検出手段
への振動伝達角度を算出し、算出された振動伝達角度よ
り導出された振動伝達速度を用いて位置座標を算出する
ので、振動伝達板の異方性を考慮して、正確な座標を検
出することができる。
【0078】また、位置座標をリアルタイムに検出する
ことができる。
【0079】また、概略入力座標から直ちに各振動検出
手段までの振動伝達時間を導出することにより、処理速
度を向上することができる。
【0080】また、繰り返し処理を行うことにより、よ
り高精度な入力座標を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特徴を最もよく表す図である。
【図2】振動ペンの構成を示す図である。
【図3】実施形態に於ける演算制御回路の内部構成であ
る。
【図4】信号処理のタイムチャートである。
【図5】信号検出回路のブロック図である。
【図6】座標位置算出のための説明図である。
【図7】本発明の振動伝達板の異方性と振動センサの配
置及び定数決定法の説明図である。
【図8】本発明の振動伝達板の異方性と振動センサの配
置及び定数決定法の説明図である。
【図9】本発明の振動伝達板の異方性と振動センサの配
置及び定数決定法の説明図である。
【図10】本発明の振動伝達板の異方性と振動センサの
配置及び定数決定法の説明図である。
【図11】本発明の実施形態に於けるマイクロコンピュ
ータ内のROMに保持されたプログラムコード及び定数
を概念的に示す図である。
【図12】本発明の実施形態2の説明図である。
【図13】従来例の説明図。
【図14】従来例の説明図。
【図15】従来例の説明図。
【図16】従来例の説明図。
【図17】従来例の説明図。
【符号の説明】
1 演算制御回路 2 振動子駆動回路 3 振動入力ペン 4 振動子 5 ペン先 6a〜6d 振動センサ 7 防振材 8 振動伝達板 9 信号波形検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 佐藤 肇 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動伝達方向により振動伝達速度が異な
    る異方性を有する振動伝達板と、前記振動伝達板上に入
    力された振動発生源からの振動が振動伝達板上を伝播
    し、この振動が振動発生源から振動検出手段まで振動伝
    達板上を伝播する時間を計測して前記振動発生源の座標
    を検出する座標入力装置であって、 予め固定値として持つ振動伝播速度を基に概略座標を算
    出する第1算出手段と、 前記第1算出手段により算出された概略座標から各振動
    検出手段への振動伝達角度を導出する導出手段と、 前記導出手段により導出された振動伝達角度に基づい
    て、振動伝達距離を求め、前記振動発生源の位置座標を
    算出する第2算出手段と、 を有することを特徴とする座標入力装置。
  2. 【請求項2】 前記振動は板波となって振動伝達板上を
    伝播することを特徴とする請求項1記載の座標入力装
    置。
  3. 【請求項3】 前記振動伝達角度は、振動発生源から振
    動検知手段へ振動が伝達する向きと、異方性の向きで構
    成されることを特徴とする請求項1記載の座標入力装
    置。
  4. 【請求項4】 前記複数の振動検出手段の内、対向する
    2個の振動検知手段を結ぶ2つの線分より成る角の2等
    分線と、前記振動伝達板の異方性の軸とが重なるよう
    に、振動伝達板と振動検知手段が配置されることを特徴
    とする請求項1記載の座標入力装置。
  5. 【請求項5】 振動伝達方向により振動伝達速度が異な
    る異方性を有する振動伝達板と、前記振動伝達板上に入
    力された振動発生源からの振動が振動伝達板上を伝播
    し、この振動が振動発生源から振動検出手段まで振動伝
    達板上を伝播する時間を計測して前記振動発生源の座標
    を検出する座標入力装置の制御方法であって、 予め固定値として持つ振動伝播速度を基に概略座標を算
    出する第1算出工程と、 前記第1算出手段により算出された概略座標から各振動
    検出手段への振動伝達角度を導出する導出工程と、 前記導出手段により導出された振動伝達角度に基づい
    て、振動伝達距離を求め、前記振動発生源の位置座標を
    算出する第2算出工程と、 を有することを特徴とする座標入力装置の制御方法。
  6. 【請求項6】 前記振動は板波となって振動伝達板上を
    伝播することを特徴とする請求項5記載の座標入力装置
    の制御方法。
  7. 【請求項7】 前記振動伝達角度は、振動発生源から振
    動検知手段へ振動が伝達する向きと、異方性の向きで構
    成されることを特徴とする請求項5記載の座標入力装置
    の制御方法。
  8. 【請求項8】 前記複数の振動検出手段の内、対向する
    2個の振動検知手段を結ぶ2つの線分より成る角の2等
    分線と、前記振動伝達板の異方性の軸とが重なるよう
    に、振動伝達板と振動検知手段が配置されることを特徴
    とする請求項5記載の座標入力装置の制御方法。
  9. 【請求項9】 予め固定値として持つ振動伝播速度を基
    に概略座標を算出する第1算出工程と、 前記第1算出工程により算出された概略座標から各振動
    検出手段への振動伝達角度を導出する導出工程と、 前記導出工程により導出された振動伝達角度に基づい
    て、振動伝達距離を求め、前記振動発生源の位置座標を
    算出する第2算出工程とを含む、コンピュータが読むこ
    とができるプログラムを格納した記憶媒体。
JP14421196A 1996-01-10 1996-06-06 座標入力装置及びその制御方法 Withdrawn JPH09325853A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14421196A JPH09325853A (ja) 1996-06-06 1996-06-06 座標入力装置及びその制御方法
US08/777,248 US5761087A (en) 1996-01-10 1996-12-31 Coordinate input device and a control method therefor
DE69714484T DE69714484T2 (de) 1996-01-10 1997-01-02 Vorrichtung und Verfahren zur Koordinateneingabe
EP97100019A EP0784286B1 (en) 1996-01-10 1997-01-02 A coordinate input device and a control method therefor
CNB971022208A CN1160662C (zh) 1996-01-10 1997-01-09 坐标输入装置及其控制方法
KR1019970000346A KR100259693B1 (ko) 1996-01-10 1997-01-09 좌표 입력 장치 및 그 제어 방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14421196A JPH09325853A (ja) 1996-06-06 1996-06-06 座標入力装置及びその制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09325853A true JPH09325853A (ja) 1997-12-16

Family

ID=15356827

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14421196A Withdrawn JPH09325853A (ja) 1996-01-10 1996-06-06 座標入力装置及びその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09325853A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100473515B1 (ko) * 2001-03-23 2005-03-09 세이코 엡슨 가부시키가이샤 좌표 입력 장치, 액정 표시 장치, 일렉트로루미네선트 표시 장치, 표시 장치 및 전자 장치

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100473515B1 (ko) * 2001-03-23 2005-03-09 세이코 엡슨 가부시키가이샤 좌표 입력 장치, 액정 표시 장치, 일렉트로루미네선트 표시 장치, 표시 장치 및 전자 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3320138B2 (ja) 座標入力装置及び方法
EP0169538A2 (en) Tablet type coordinate input apparatus using elastic waves
KR100259693B1 (ko) 좌표 입력 장치 및 그 제어 방법
JPH07141089A (ja) 座標入力装置
JP3167801B2 (ja) 座標入力装置及びその方法
US5570299A (en) Coordinate input apparatus, vibration sensing device and method of evaluating same
JP3113699B2 (ja) 座標入力装置
US6041284A (en) Apparatus and method for determining coordinates of a designated point
JPH09325853A (ja) 座標入力装置及びその制御方法
JP3066162B2 (ja) 座標入力装置
JP3167804B2 (ja) 計時装置及びそれを利用する座標入力装置
JPH09190272A (ja) 座標入力装置
US6407731B2 (en) Vibration-transmitting tablet and coordinates input apparatus
JP3258433B2 (ja) 振動検出装置
JP2537542B2 (ja) 座標入力装置
JP2655704B2 (ja) 座標入力装置における有効領域決定方法
JP3274184B2 (ja) 座標入力装置
JP3166989B2 (ja) 座標入力装置および方法
JPH07134631A (ja) 座標入力装置
JPH10320103A (ja) 座標入力装置
JPH0562772B2 (ja)
JPH0922326A (ja) 座標入力装置
JPH05189131A (ja) 座標入力装置
JPH02130617A (ja) 座標入力装置
JPS63106822A (ja) 座標入力装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030902