JPH09190272A - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

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JPH09190272A
JPH09190272A JP197496A JP197496A JPH09190272A JP H09190272 A JPH09190272 A JP H09190272A JP 197496 A JP197496 A JP 197496A JP 197496 A JP197496 A JP 197496A JP H09190272 A JPH09190272 A JP H09190272A
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vibration
sensors
vibration transmission
pair
sensor
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JP197496A
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Yuichiro Yoshimura
雄一郎 吉村
Ryozo Yanagisawa
亮三 柳沢
Katsuyuki Kobayashi
克行 小林
Hajime Sato
肇 佐藤
Masaki Tokioka
正樹 時岡
Atsushi Tanaka
淳 田中
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】振動伝達板を用いた座標入力装置において、振
動の入力位置から各振動センサまでの距離の算出の際に
既知の定数として使用する振動伝達速度の測定を簡略化
しつつ、入力座標の算出の精度を維持する。 【解決手段】振動伝達板8は、太線の矢印に示す2つの
軸の間で異方性を有する。したがって、振動センサ6
a、6dの組と、振動センサ6b、6cの組において、
振動センサに到達する振動の伝達速度が異なる。そこ
で、6a、6dの組と、6b、6cの組とで夫々振動伝
達速度を測定し、その値を既知の値として保持し、これ
を座標の算出に際して使用する定数とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、座標入力装置に係
り、特に振動伝達板を伝達する振動の伝達時間に基づい
て振動の入力位置を導出する座標入力装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、振動伝達板に対し圧電素子等
を内蔵した振動ペンにより振動を入力し、振動伝達板に
設けた複数の振動センサにより振動を検知し、入力点の
座標を検出する座標入力装置が知られている。
【0003】上記のような座標入力装置は、振動伝達板
を伝わる振動波の伝達速度を予め求めて定数として保持
しておき、振動ペンから各振動センサまでの振動伝達時
間にこの定数を乗じることにより振動ペンから各振動セ
ンサまでの夫々の距離を求め、各距離から入力座標を算
出するものが一般的である。
【0004】また、特に振動伝達板を伝わる振動波とし
て板波を利用する場合には、板波の伝達速度が、板厚と
周波数とに依存することに着目し、伝達時間を実測によ
り直接求める代わりに、検出する振動の周波数と板厚の
測定値より伝達速度を求める手法が採用されていた。
【0005】具体的には、位相速度は周波数と板厚の関
数として得られ、群速度は板厚のみの関数として得られ
ているという事実の発見に基づき、板波の音速度(伝達
速度)の設定は、先ず振動の検出信号の位相同期によっ
て周波数を測定し、その周波数と板厚より位相速度を測
定し、板圧より群速度を導出することにより行う手法が
提案されている。これは、位置検出精度の向上、信頼
性、量産性の向上等を目的とするものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の座標入力装置においては、各振動センサに関して伝
達速度を求め、その夫々を座標算出用の定数とする場
合、その平均値、或いは代表的な1つの振動センサに関
して求めた伝達速度を座標算出用の定数とする場合が考
えられるが、これらには以下のような欠点があった。
【0007】先ず、各振動センサに関して伝達速度を求
め、その夫々を座標算出用の定数とした場合において
は、工業化に伴う量産性における問題があった。つま
り、全ての振動センサに関して伝達速度を測定或いは算
定する必要があり作業工数が増加し、さらに座標算出時
における演算回路の負担が増加する。
【0008】一方、1つの定数を全ての振動センサに関
して共通に用いる場合においては、均一等質媒体の振動
伝達板を使用する場合には問題は生じないが、振動伝達
方向により振動伝達速度が異なる振動伝達板、すなわち
異方性を有する振動伝達板を使用する場合には、入力座
標の検出精度が低下するという問題点があった。
【0009】異方性は、例えば振動伝達板がアルミ等の
金属である場合は、一定の圧延方向に金属の結晶粒界が
並ぶことにより、振動の伝達条件が方向により異なるこ
とに起因して発生する。また、異方性は、金属のみなら
ず樹脂性のシート等に関してもその製造過程における伸
延方向に起因して発生し、樹脂シート自体を振動伝達板
として使用する場合の他、樹脂シートを他の板部材に貼
り付けてなる振動伝達板も全体として異方性を有するこ
とになる。
【0010】次に、異方性を有する振動伝達板を使用す
る場合の問題について具体的に説明する。図16は、従
来の座標入力装置における典型的な振動伝達板及び振動
センサの模式的な構成を示す図である。図示の振動伝達
板は、異方性を有し、振動伝達方向により振動伝達速度
が異なるという特性を有している。なお、図示のA、
A’、B、B’は、振動センサを示している。
【0011】図17は、従来の座標入力装置において、
各振動センサに関して求めた振動伝達時間の平均値に基
づいて振動ペンから各振動センサまでの振動伝達距離を
算出した場合の誤差ΔLと、各振動センサまでの距離と
の関係を示す図である。同図において、誤差ΔLは、各
振動センサに関して、振動伝達板の対角方向(矢印で示
す方向)に振動ペンを走査して測定した際の誤差であ
り、横軸は、この走査に係る振動センサからの振動ペン
までの距離を示している。
【0012】図示の例は、走査距離の中心部Oを基準点
とし、そこで誤差ΔLが最小となるように調整した座標
入力装置に関するものである。したがって、中心部Oに
おいては、誤差ΔLが最小となっているが、振動センサ
からの距離の最短点及び最長点において、誤差ΔLが最
大となっている。また、各振動センサA、A’、B、
B’に関する誤差ΔLの傾向は、振動センサA及びA’
の組み、振動センサB及びB’の組みに別れ、2つの組
の間の誤差ΔLの傾向は、略正反対をなす関係にある。
【0013】これは、振動伝達板に前述の如き異方性が
存在しているため、図16に示す2つの矢印の方向で振
動伝達速度が異なり、距離と振動伝達時間との関係が両
者で異なるにも拘わらず、1つの振動伝達速度(平均
値)に基づいて全ての振動センサに関する距離を算出す
ることに起因するもとである。
【0014】図18は、異方性のない振動伝達板を有す
る座標入力装置において、図17に示す例と同一の条件
で算出した誤差ΔLと、各振動センサからの距離との関
係を示す図である。図示の如く、異方性がない振動伝達
板を用いた場合には、1つの振動伝達速度(平均値)に
基づいて全ての振動センサに関する距離を算出しても上
記の問題が生じないことが理解される。
【0015】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、振動伝達板を用いた座標入力装置において、
振動の入力位置から各振動センサまでの距離の算出の際
に既知の定数として使用する振動伝達速度の測定を簡略
化しつつ、入力座標の算出の精度を維持することを目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明に係る座標入力装置は、振動伝達板を伝達する振
動の伝達時間に基づいて振動の入力位置を導出する座標
入力装置であって、前記振動伝達板は異方性を有し、前
記振動伝達板に対向配置された第1の一対の振動センサ
と第2の一対の振動センサを含み、前記振動の入力位置
から各振動センサの位置までの振動伝達時間を計測する
伝達時間計測手段と、前記振動伝達板を伝達する第1の
振動伝達速度と第2の振動伝達速度とを保持する伝達速
度保持手段と、前記第1の一対の振動センサに関して夫
々計測した振動伝達時間と前記第1の振動伝達速度とに
基づいて前記振動の入力位置から前記第1の一対の振動
センサの位置までの夫々の距離を算出すると共に、前記
第2の一対の振動センサに関して夫々計測した振動伝達
時間と前記第2の振動伝達速度とに基づいて前記振動の
入力位置から前記第2の一対の振動センサまでの夫々の
距離を算出する距離算出手段と、算出した各距離に基づ
いて前記振動の入力位置を算出する座標算出手段とを備
えることを特徴とする。
【0017】本発明の好適な実施の態様に拠れば、例え
ば、前記振動伝達板は長方形状をなし、前記振動センサ
は前記振動伝達板の4隅に位置する。
【0018】また、例えば、前記振動センサは圧電素子
である。
【0019】また、例えば、前記座標入力装置は、前記
第1の一対の振動センサの一方と、前記第2の一対の振
動センサの一方とを駆動して夫々に振動を発生せしめる
駆動手段と、前記第1の一対の振動センサ間の距離と、
前記第2の一対の振動センサ間の距離とを保持するセン
サ間距離保持手段と、前記第1の一対の振動センサの一
方から発せられた振動が前記第1の一対の振動センサの
他方に到達する第1のセンサ間振動伝達時間と、前記第
2の一対の振動センサの一方から発せられた振動が前記
第2の一対の振動センサの他方に到達する第2のセンサ
間振動伝達時間とを計測するセンサ間振動伝達時間計測
手段と、前記第1の一対の振動センサ間の距離と前記第
1のセンサ間振動伝達時間とから前記第1の振動伝達速
度を算出すると共に、前記第2の一対の振動センサ間の
距離と前記第2のセンサ間振動伝達時間とから前記第2
の振動伝達速度を算出する振動伝達速度算出手段とをさ
らに備える。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の好適な実施の形態を説明する。
【0021】[第1の実施の形態]図1は、本実施の形
態における座標入力装置の概略構成を示す図である。図
中、1は装置全体を制御すると共に、入力座標を算出す
る演算制御回路である。2は振動子駆動回路であって、
振動ペン3の振動子4に駆動信号を供給することにより
ペン先5を振動させる。8はアクリルやガラス板等の透
明部材からなる振動伝達板であり、座標の入力は、振動
ペン3を振動伝達板8上に接触せしめることによって行
うことができる。なお、実際に振動を入力する際は、振
動伝達板8上の有効エリアA内の所望の位置に振動ペン
3を接触させることになる。
【0022】振動伝達板8の外周には、反射した振動が
中央部に戻ることを抑制するための防振材7が設けら
れ、また、振動伝達板8の周辺部には圧電素子等の機械
的振動を電気信号に変換する4個の振動センサ6a〜6
dが角部に固定配置されている。以下、振動センサ6と
記すときは、振動センサ6a〜6dを包括的に表現する
ものとする。
【0023】各振動センサ6からの夫々の出力信号は、
各振動センサ6の近傍に夫々設けられた不図示の前置増
幅回路へ送られ、ここで所定のゲインで増幅された出力
信号が信号波形検出回路9に送られる。さらに各振動セ
ンサ6に対応して信号波形検出回路9において生成され
る振動の検出信号は、演算制御回路1に送られる。演算
制御回路1は、振動子駆動回路2を介して所定の周期で
振動子4を駆動しながら、振動子4を駆動してから信号
波形検出回路9より検出信号を受け取るまでの時間(す
なわち、振動伝達時間)を測定し、振動ペン3が振動伝
達板8に接触した位置から各振動センサ6までの夫々の
距離を得て、得られた各距離より入力座標を算出する。
【0024】11は、液晶表示器若しくはCRT及びそ
れらの投射型表示器等により構成され、振動伝達板8の
背後に配置されたドット単位の表示が可能なディスプレ
イである。デイスプレイ11は、ディスプレイ駆動回路
10により駆動され、例えば、振動ペン3によって描か
れた位置を表示する。ユーザは、この表示を振動伝達板
8(透明部材)を透かして見ることができる。
【0025】振動ペン3に内蔵された振動子4は、振動
子駆動回路2によって駆動される。振動子4の駆動信号
は、演算制御回路1から供給される低レベルのパルス信
号を振動子駆動回路2において所定のゲインで増幅する
ことによって生成される。そして、電気的な駆動信号
は、振動子4によって機械的な超音波振動に変換され、
ペン先5を介して振動伝達板8に伝達される。
【0026】振動子4の振動周波数は、ガラスなどの振
動伝達板8に板波を発生することが可能な値が選択され
る。また、振動子4の駆動には、振動伝達板8に対して
垂直方向に振動するモードが選択される。さらに、振動
子4の振動周波数は、ペン先5を含む振動伝達部材の共
振周波数とすることにより効率の良い振動変換が可能に
なる。
【0027】上記のように、振動伝達板8を伝播する弾
性波は板波であるため、表面波などに比して振動伝達板
の表面の傷、障害物等の影響を受けにくいという利点を
有する。
【0028】<演算制御回路の構成例>演算制御回路1
は、所定の周期(例えば、5ms)で振動子駆動回路2
を介して振動ペン3内の振動子4を駆動する駆動信号を
出力すると共に、その駆動信号を印加するタイミングで
カウンタを起動して計時を開始する。振動ペン3におい
て発生した振動は、進行する距離に応じて遅延して各振
動センサ6に到達する。
【0029】信号波検出回路9は、各振動センサ6から
の夫々の信号を検出し、各振動センサ6に振動が到達し
たことを示す検出信号を生成して演算制御回路1に供給
する。演算制御回路1は、各振動センサ6に対応する検
出信号を取り込み、各検出信号が示す振動の到達タイミ
ングにおけるカウンタの値から各振動センサ6に関する
振動伝達時間を認識し、それに基づいて各振動センサ6
までの振動伝達距離を算出し、振動ペン3による振動の
入力座標を算出する。
【0030】また、演算制御回路1は、算出した入力座
標に基づいて、例えばディスプレイ駆動回路10を駆動
して、例えば入力座標等を表示せしめたり、シリアル、
パラレル通信等によって外部機器に座標出力を行なう。
【0031】図3は、演算制御回路1の構成例を示すブ
ロック図である。同図において、31は、演算制御回路
1(座標入力装置全体)を制御するマイクロコンピュー
タであり、操作手順や各種定数(振動伝達速度を含む)
を格納したROM31b、演算等に使用するワークメモ
リRAM31c、それらを使用して演算・制御を実行す
るCPU31a等を有する。
【0032】33は、不図示の基準クロック信号に基づ
いて計時動作するカウンタであり、振動子駆動回路2を
介して振動子4を駆動する駆動信号(スタート信号)に
よって起動されて計時動作を開始する。また、カウンタ
33は、各振動センサ6に関する振動伝達時間を計測
後、リセット信号によって初期化される。これによっ
て、計時動作の開始と振動センサ6(信号波形検出回路
9)による振動の検出における同期が取られ、振動の発
生から各振動センサ6により振動が検出されるまでの遅
延時間(すなわち、振動伝達時間)が測定できることに
なる。
【0033】信号波形検出回路9から供給される各振動
センサ6に関する検出信号(タイミング信号)は、検出
信号入力回路35を介してラッチ回路34a〜34hに
入力される。検出信号には、後述するようにTp信号と
Tg信号の2種類があり、これらはセレクト信号によっ
て切り換えられ、各信号に基づく位相遅延時間、群遅延
時間が計測される。
【0034】ラッチ回路34a〜34hは、夫々振動セ
ンサ6a〜6bに対応しており、対応する振動センサ6
より検出信号を受信すると、その時のカウンタ33の計
時値をラッチする。判定回路36は、各振動センサ6に
関する全ての検出信号を受け取ったと判定したら、マイ
クロコンピュータ31にその旨の受信完了信号を出力す
る。マイクロコンピュータ31は、判定回路36から受
信完了信号を受信すると、ラッチ回路34a〜34dよ
り各振動センサ6までの振動到達時間を読み取り、所定
の計算を行なって、振動伝達板8上の振動ペン3の座標
を算出する。
【0035】算出した座標は、I/Oポート37を介し
てディスプレイ駆動回路10に出力され、例えばディス
プレイ11の対応する位置(座標)にドット等を表示す
ることができる。また、算出した座標は、I/Oポート
37を介して不図示のインターフェース回路に供給して
外部機器に提供することもできる。
【0036】図14は、マイクロコンピュータ31内の
ROM31bに保持されたプログラムコード及び定数を
概念的に示す図である。1401は、前述のように振動
子駆動回路2を介して振動ペン3を駆動し、各振動セン
サ6において振動が検出されるまでの時間、すなわち振
動伝達時間を計測するプログラムモジュールである。1
402は、計測した振動伝達時間と、定数として140
5に保持された振動伝達速度とから振動ペン3から各振
動センサまでの距離を算出するプログラムモジュールで
ある。1403は、算出した各距離を補正するプログラ
ムモジュールである。1404は、算出・補正した各距
離より振動の入力座標を算出するプログラムモジュール
である。
【0037】<振動伝達距離の算出例>先ず、振動ペン
3から各振動センサ6までの振動伝達距離を求める原理
について説明する。振動伝達時間の計測はプログラムモ
ジュール1401に基づいて、振動伝達距離の算出はプ
ログラムモジュール1402に基づいて実行される。図
4は、信号波形検出回路9に入力される信号と、それに
基づく振動伝達時間の計測の原理を説明するための図で
ある。
【0038】振動ペン3から各振動センサ6までの振動
伝達時間の計測は、前述の如く振動子駆動回路2に対す
る駆動信号(スタート信号)の出力と同時に開始する。
この時、振動子駆動回路2は、振動子4に駆動信号41
を印加する。駆動信号41に基づいて発生し、振動ペン
3から振動伝達板8に伝達された超音波振動は、各振動
センサ6までの距離に応じた時間tgをかけて進行した
後、各振動センサ6において夫々検出される。図示の信
号42は、振動センサ6が検出した信号波形の例を示し
ている。
【0039】本実施の形態においては、板波を使用して
いるため、検出波形のエンベロープ421と位相422
の関係は、振動伝達板8の内部における振動伝達距離に
応じて変化する。ここで、エンベロープ421の進む速
度、すなわち群速度をVgとし、位相422の進む速
度、すなわち位相速度をVpとし、群速度Vg及び位相
速度Vpから振動ペン3と各振動センサ6との距離を検
出する原理を説明する。
【0040】先ず、エンベロープ421にのみ着目する
と、その速度はVgであり、ある特定の波形上の点、例
えば変極点やピーク点(信号42、43参照)を検出す
ると、振動ペン3と各振動センサ6との距離は、その振
動伝達時間(群遅延時間)をtgとすると、(1)式で
与えられる。
【0041】d=Vg・tg ・・・(1) さらに、より高精度な座標決定をするために、位相信号
の検出に基づく処理を行なう。位相信号422の特定の
検出点、例えば振動の入力から所定の信号レベル46を
超えた後のゼロクロス点までの時間(位相遅延時間)を
tp(信号47に対し所定幅の窓信号44を生成し、位
相信号422と比較して生成した信号45より得る)と
すれば、振動ペン3と各振動センサ6との距離は、
(2)式で与えられる。ただし、λpは弾性波の波長、
nは整数である。
【0042】d=n・λp+Vp・tp ・・・(2) (1)式と(2)式から上記の整数nは、(3)式で与
えられる。
【0043】 n=[(Vg・tg−Vp・tp)/λp+1/N] ・・・(3) ただし、Nは0以外の実数であり、適当な値を用いる。
例えば、N=2とすれば±1/2波長以内のtg等の変
動であれば、nを決定することができる。上記のように
して求めたnを(2)式に代入することで、振動ペン3
と各振動センサ6との距離を精度良く測定することがで
きる。
【0044】上記の群遅延時間tgを示す検出信号T
g、及び位相遅延時間tpを示す検出信号Tpは、信号
波形検出回路9で生成されて演算制御回路1に供給され
る。
【0045】図5は、信号波形検出回路9の一部の構成
例を示すブロック図である。なお、図5に示す構成は、
振動センサ6の1つに対応するものであり、実際には各
振動センサ6に対応して4組の構成を有する。
【0046】同図において、振動センサ6の出力信号
は、その近傍に配された前置増幅回路51により所定の
ゲインで増幅される。増幅された信号は、帯域通過フィ
ルタ511により余分な周波数成分が除かれ(信号42
参照)、例えば、絶対値回路、低域通過フィルタ等によ
り構成されるエンベロープ検出回路52に入力され、エ
ンベロープ(信号421参照)のみが取り出される。エ
ンベロープのピークのタイミングは、エンベロープピー
ク検出回路53によって検出される。検出されたエンベ
ロープのピークのタイミングは、単安定マルチバイブレ
ータ等により構成されたTg信号検出回路54に供給さ
れ、エンベロープの遅延時間の検出を示す信号である検
出信号Tg(信号Tg参照)が生成され、演算制御回路
1に供給される。
【0047】一方、エンベロープ検出回路52で検出さ
れたエンベロープ(信号421参照)は、所定レベルの
閾値信号(図4の信号45参照)を越える部分のパルス
信号(信号47参照)を形成する。56は単安定マルチ
バイブレータであり、パルス信号の最初の立ち上がりで
トリガされた所定時間幅のゲート信号(信号44参照)
を開く。Tpコンパレータ57は、ゲート信号の開いて
いる間の位相信号(信号422参照)のゼロクロス点を
検出信号Tp(信号Tp参照)として演算制御回路1に
供給する。この例においては、位相信号の最初の立ち上
がりのゼロクロス点までの時間を位相遅延時間tpとし
ている。
【0048】演算制御回路1は、前述のように、各振動
センサ6に関する検出信号Tg及びTpに基づいて各振
動センサ6に関する振動伝達時間を取得し、各距離を算
出する。
【0049】<回路遅延時間の補正例>前述の演算制御
回路1内のラッチ回路34a〜34dにおいてラッチさ
れたカウント値(振動伝達時間)は、回路遅延時間et
および位相オフセット時間toffを含んでいる。これ
らにより生じる誤差は、振動ペン3から振動伝達板8、
振動センサ6を通して振動が伝達する際に同じ量が含ま
れる。
【0050】図6は、振動伝達板の平面図である。同図
において、原点Oにて振動ペン3で振動を入力し、原点
Oから振動センサ6aまでの振動伝達時間(群遅延時
間、位相遅延時間)の実測値をtgz’、tpz’と
し、また原点Oから振動センサ6aまでの真の振動伝達
時間をtgz、tpzとすれば、回路遅延時間et及び
位相オフセットtoffに関して(4)式、(5)式の
関係がある。
【0051】tgz’=tgz+et ・・・(4) tpz’=tpz+et+toff ・・・(5) 一方、任意の入力点P点での実測値tg’、tp’に関
しては、(6)式、(7)式の関係がある。
【0052】tg’=tg+et ・・・(6) tp’=tp+et+toff ・・・(7) ここで、(4)式と(6)式、(5)式と(7)式の差
を夫々求めると、(8)式、(9)式の関係がある。
【0053】 tg’−tgz’=(tg+et)−(tgz+et)=tg−tgz ・・ ・(8) tp’−tpz’=(tp+et+toff)−(tpz+et+toff) =tp−tpz ・・・(9) すなわち、各振動伝送時間に含まれる回路遅延時間et
および位相オフセットtoffが除去され、原点Oの位
置から入力点Pまでの、振動センサ6a位置を起点とす
る真の伝達遅延時間の差を求めることができる。その結
果、(2)式、(3)式より、その距離の差を求めるこ
とができる。
【0054】振動センサ6aから原点Oまでの距離は、
予め不揮発性メモリ等に記憶してあり既知であるので、
振動ペン3と振動センサ6a間の距離を決定できる。他
のセンサ6b〜6dについても同様に求めることができ
る。
【0055】原点Oにおける実測値tgz’及びtp
z’は、出荷時に不揮発性メモリに記憶しておき、プロ
グラムモジュール1403に基づいて、(2)式、
(3)式の計算の前に、(8)式、(9)式による計算
を実行することにより精度の高い測定ができる。
【0056】<振動伝達速度に関する定数の決定例>振
動伝達板の振動伝達速度が振動の伝達方向により異なる
異方性は、振動伝達板がアルミ等の金属である場合は、
一定の圧延方向に金属の結晶粒界が並ぶことにより、振
動の伝達条件が方向により異なることに起因して発生す
る。また、異方性は、金属のみならず、樹脂性のシート
等に関してもその製造過程における伸延方向に起因して
発生し、樹脂シート自体を振動伝達板として使用する場
合の他、樹脂シートを他の板部材に貼り付けてなる振動
伝達板も全体として異方性を有することになる。
【0057】本実施の形態は、異方性、すなわち振動伝
達方向により振動伝達速度が異なる特性を有する振動伝
達板8を使用して座標入力装置を構成する場合に好適で
ある。現在、流通している板材料は、前述のような製造
上の理由により多少なりとも異方性を有しており、特
に、異方性の大きい樹脂シートを飛散防止のために異方
性の小さいガラス板にラミネートした形態が一般的であ
る。その1つの理由は、異方性の小さな板材料を振動伝
達板として使用すると、工業的に特別な材料を必要と
し、コストが高くなるからである。
【0058】図7は、本実施の形態における振動伝達板
の異方性を概念的に示す図である。図示の如く、異方性
を有する長方形の振動伝達板8には、その4隅に振動セ
ンサ6a〜6dが配置されている。また、長方形状の有
効エリアAは、4隅に配置された振動センサ6a〜6d
がなす長方形の略中央に置かれ、有効エリアAの夫々の
角は、振動センサ6a〜6dがなす長方形状の略対角線
上に位置する。以上のような、振動センサ6と有効エリ
アAとの関係は、この種の座標入力装置においては一般
的なものである。
【0059】前述のように、振動ペン3と各振動センサ
6との夫々の距離を算出するためには、振動伝達時間、
すなわち群遅延時間Vg及び位相遅延時間Vpを予め定
数として求めておく必要がある(例えば、不揮発性メモ
リに保持しておく)。前述のように、従来は、コスト削
減等の見地から各振動センサ6に関して測定した振動伝
達時間の平均値を求めて保持しておくものが一般的であ
った。しかし、本実施の形態は、対角の位置する振動セ
ンサの2つの組、すなわち6aと6dの組と、6bと6
cの組に関して夫々振動伝達速度を求め、それをROM
31bの領域1405に保持しておくものである。
【0060】定数として保持するための振動伝達速度の
測定は、例えば、XY軸ステージにより、振動ペン3、
或いは振動伝達板8を走査させて、振動ペン3から各振
動センサ6までの距離と振動伝達時間を測定し、両実測
値から求めても良いし、他の方法によっても良い。
【0061】ここで、振動伝達板8が有する異方性に関
する軸の方向(以下、単に異方性の方向という)が図7
において太い矢印で示された方向の場合を考える。振動
伝達速度に関する異方性の傾向は、通常、直交する2つ
の軸における各振動伝達速度の差が最大になることは容
易に理解できる。したがって、図示の例では異方性の向
きを示す矢印が直交している。かかる異方性を有する振
動伝達板8において、対角に位置する振動センサの組
(6aと6dの組、6bと6cの組)の両振動センサ
は、異方性の向きに関して対称な関係にある。したがっ
て、対角に位置する両振動センサに関しては、同一の振
動伝達速度を使用すれば十分であると言える。その結
果、対角に位置する振動センサの組毎に1つの振動伝達
速度を使用すれば良く、全体として2つの振動伝達速度
を定数としてROM31に保持しておけば十分である。
【0062】図8は、2つの対角をなす振動センサの組
に関して夫々1つの振動伝達速度を使用して算出した、
4つの振動センサがなす長方形の対角線上における振動
ペンから各振動センサまでの夫々の距離の誤差ΔLと、
各振動センサまでの距離の関係を示す図である。
【0063】図9は、4つの振動センサに関して平均し
た1つの振動伝達時間を使用し、図8に示す例と同様の
条件で算出した、振動ペンから各振動センサまでの夫々
の距離の誤差ΔLと、各振動センサまでの距離の関係を
示す図である(従来例)。
【0064】本実施の形態における誤差ΔL(図8参
照)は、従来例における誤差ΔL(図9参照)に比して
小さいことは明らかである。なお、各振動センサ6に関
して夫々振動伝達速度を定数として保持する場合であっ
ても図8に示す結果と同様になるが、本実施の形態に拠
れば、対角に位置する振動センサ6のいずれか一方に関
してのみ振動伝達速度を計測すれば良いため、全ての振
動センサに関する計測を要求する従来例と比較して工業
性に優れていると言える。
【0065】さらに、一般に、同一の製造ロットにおい
ては、振動伝達板の有する異方性が製造上一定になるこ
と、板波の伝達速度が板厚と周波数に依存することに着
目し、予め対角に位置する振動センサの組毎に、検出す
る周波数の値及び板厚の測定値と、振動伝達速度との関
係を測定しておき、個々の振動伝達板に関しては、板厚
のみを測定して、上記2つの振動伝達速度を求めても良
い。
【0066】また、上記の振動伝達速度の計測は、4つ
の振動センサ6がなす長方形の対角線上を対象とする
が、この対角線には有効エリアAの頂点、すなわち振動
センサ6から最遠距離に位置する点が含まれている。す
なわち、振動センサ6から振動ペン3までの距離の算出
誤差が最大となり得る領域における計測結果に基づいて
振動伝達速度を求めるため、座標算出誤差を小さくする
ことができる。
【0067】なお、図8及び図9に示す例は、4つの振
動センサ6がなす長方形状の対角線上における測定結果
であるが、該対角線上以外の領域においても本実施の形
態が従来の1つの定数を用いる例よりも優れていること
は言うまでもない。ただし、4つの定数を用いた場合で
あっても、本実施の形態の如く2つの定数を用いた場合
であっても、振動伝達板が異方性を有する以上、校正を
行った上記対角線上以外の領域においては、相応の誤差
が発生する。
【0068】次に、上記の振動伝達距離の決定は、振動
伝達板が有する異方性の向きに依存しないことを説明す
る。図10は、異方性の向きが4つの振動センサがなす
長方形の辺に平行する例を示す図である。なお、この例
は、振動伝達板8の異方性の向きが異なる以外は図7に
示す例と同様の構成である。
【0069】図11は、図10に示す構成において、2
つの対角をなす振動センサの組に関して夫々1つの振動
伝達速度を使用して算出した、4つの振動センサがなす
長方形の対角線上における振動ペンから各振動センサま
での夫々の距離の誤差ΔLと、各振動センサまでの距離
の関係を示す図である。
【0070】図12は、4つの振動センサに関して平均
した1つの振動伝達時間を使用し、図11に示す例と同
様の条件で算出した、振動ペンから各振動センサまでの
夫々の距離の誤差ΔLと、各振動センサまでの距離の関
係を示す図である(従来例)。
【0071】この例においても、上記の例と同様に振動
伝達板8の有する異方性の方向が、各振動センサ6に関
して同一の条件となる。したがって、2つの振動伝達速
度を使用した際の距離の誤差ΔL(図11参照)は、各
振動センサに関して夫々個別に振動伝達速度(定数)を
使用した場合と同様に小さくなる。
【0072】また、異方性の方向は、図7または図10
に示す方向には限定されない。すなわち、異方性の方向
は如何なる方向であっても、直交方向で振動伝達速度の
差が最大になる異方性を有する限り、各組の振動センサ
に関して1つの振動伝達速度を使用することができる。
直交方向で振動伝達速度の差が最大になる場合、対角を
なす位置の両振動センサに関して、その異方性が均等に
作用するからである。
【0073】<座標の算出例>次に、振動ペン3によっ
て振動伝達板8上に振動を入力された座標を算出する原
理について図6を参照しながら説明する。座標の算出式
は、3平方の定理より導かれる。
【0074】図6に示す構成において、振動ペン3の位
置P(x,y)から振動センサ6a〜6cまでの夫々の
距離da、db、dcは、前述の如く振動伝達時間と予
めROM31に設定された振動伝達速度とを乗じ、これ
を補正することにより算出することができる。
【0075】演算制御回路1は、距離da、db、dc
を算出した後、さらに各距離に基づいて振動ペン3が接
触している座標P(x,y)を(10)式、(11)式
より算出する。
【0076】 x=X/2+(da+db)・(da−db)/2X ・・・(10) y=Y/2+(da+dc)・(da−dc)/2Y ・・・(11) ここで、X、Yはそれぞれ振動センサ6a−6b間の距
離、振動センサ6a−6c間の距離である。以上のよう
にして振動ペン3の位置座標をリアルタイムで検出する
ことができる。なお、この例では、3つに振動センサ6
a〜6cまでの各距離より座標を算出するものである
が、振動センサ6dまでの距離は、算出した座標の妥当
性を評価するため、或いは座標の算出の精度を向上させ
るために使用することができる。
【0077】上記の実施の形態は、振動伝達板8の四隅
に振動センサ6を配置した例を示しているが、例えば、
有効エリアAの各辺の中央部に十字型に振動センサを配
置した構成のように、対向して配置された振動センサに
関して1つの振動伝達時間を定数として使用可能な配置
であれば良い。
【0078】[第2の実施の形態]上記第1の実施の形
態においては、対向配置された振動センサの組毎に1つ
の振動伝達時間を定数として保持しておくために、振動
ペン3或いは振動伝達板8を走査して振動ペン3から振
動センサ6までの距離と振動伝達時間を測定する。これ
に対して本実施の形態は、対向配置された2つの振動セ
ンサのうち一方を駆動して振動を発生せしめることによ
り振動伝達時間を測定し、これに基づいて振動伝達速度
(1405)を決定するものである。
【0079】図13は、本実施の形態における座標入力
装置の構成例を示すブロック図である。本実施の形態
は、第1の実施の形態における座標入力装置に対して、
2つの振動センサ駆動回路12及び駆動制御回路13を
付加するものであり、他の部分については第1の実施の
形態と同様である。
【0080】振動センサ駆動回路12a、12cは、例
えば、振動子4を駆動する振動子駆動回路2と同様の態
様で夫々振動センサ6aまたは6cを駆動する。振動セ
ンサ6a及び6cは、対応する振動センサ駆動回路より
駆動信号を印加される場合には、振動子4の如き振動子
として機能し、座標を入力する際には、振動センサとし
て機能する。
【0081】駆動制御回路13は、振動センサ6aまた
は振動センサ6cを別個に駆動するため、演算制御回路
1より供給される駆動信号(スタート信号)を振動セン
サ6aまたは振動センサ6cに対して選択的に供給す
る。
【0082】本実施の形態においては、振動センサ6a
から6dまでの振動伝達時間は、演算制御回路1が振動
子4を駆動する如き態様で振動センサ駆動回路12aを
介して振動センサ6aを駆動して振動を発生させ、その
振動を振動センサ6dで検出することによって測定する
ことができる。また、振動センサ6cから6bまでの振
動伝達時間は、演算制御回路1が振動子4を駆動する如
き態様で振動センサ駆動回路12cを介して振動センサ
6c駆動して振動を発生させ、その振動を振動センサ6
bで検出することによって測定することができる。
【0083】図15は、本実施の形態におけるマイクロ
コンピュータ31内のROM31bに保持されたプログ
ラムコード及び定数を概念的に示す図である。なお、第
1の実施の形態と同一のものには同一の符号を付し、説
明を省略する。また、ROM31bのうち、少なくとも
振動伝達速度を格納する領域1405は、EEPROM
等の電気的に消去可能なメモリであるものとする。
【0084】図15において、1406は、駆動制御回
路13、及び振動センサ駆動回路12aまたは12cを
介して振動センサ6a及び振動センサ6cを選択的に駆
動し、駆動した振動センサの対角に位置する振動センサ
において振動を検知するまでの振動伝達時間を計測する
ためのプログラムモジュールである。1407は、計測
した振動センサ間の振動伝達時間と、1408に保持さ
れたセンサ間距離(6a−6d間の距離、6c−6b間
の距離)とから、6a−6d間の振動伝達速度と、6c
−6b間の振動伝達速度を算出するプログラムモジュー
ルである。
【0085】以上のように本実施の形態によれば、予め
定数として設定する振動伝達速度を計測するための特定
の測定設備を使用する必要がなくなり、工業性に優れて
いる。また、製品を出荷した後においても、振動伝達速
度を再設定することができるため、環境の変化に応じ
て、或いは部品の交換の際に容易に振動伝達速度を調整
(書換え)することができるため、座標の検出制度を高
精度に維持することができる。
【0086】なお、本発明は、複数の機器から構成され
るシステムに適用しても、一つの機器からなる装置に適
用してもよい。また、本発明の目的は、前述した実施形
態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを
記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、
そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCP
UやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコード
を読出し実行することによっても、達成されることは言
うまでもない。
【0087】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することに
なり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発
明を構成することになる。
【0088】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディス
ク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD
−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMな
どを用いることができる。
【0089】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0090】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように本発明に拠れば、振
動伝達板を用いた座標入力装置において、振動の入力位
置から各振動センサまでの距離の算出の際に既知の定数
として使用する振動伝達速度の測定を容易にしつつ、入
力座標の算出の精度を維持することができるという効果
がある。
【0092】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における座標入力装置の概略構成
を示す図である。
【図2】振動ペン及び振動伝達板の構成例を示す図であ
る。
【図3】演算制御回路の構成例を示すブロック図であ
る。
【図4】信号波形検出回路に入力される信号と、それに
基づく振動伝達時間の計測の原理を説明するための図で
ある。
【図5】信号波形検出回路の一部の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図6】振動伝達板の平面図である。
【図7】実施の形態における振動伝達板の異方性を概念
的に示す図である。
【図8】2つの対角をなす振動センサの組に関して夫々
1つの振動伝達速度を使用して算出した、4つの振動セ
ンサがなす長方形の対角線上における振動ペンから各振
動センサまでの夫々の距離の誤差ΔLと、各振動センサ
までの距離の関係を示す図である。
【図9】4つの振動センサに関して平均した1つの振動
伝達時間を使用し、図8に示す例と同様の条件で算出し
た、振動ペンから各振動センサまでの夫々の距離の誤差
ΔLと、各振動センサまでの距離の関係を示す図である
(従来例)。
【図10】異方性の向きが4つの振動センサがなす長方
形の辺に平行する例を示す図である。
【図11】図10に示す構成において、2つの対角をな
す振動センサの組に関して夫々1つの振動伝達速度を使
用して算出した、4つの振動センサがなす長方形の対角
線上における振動ペンから各振動センサまでの夫々の距
離の誤差ΔLと、各振動センサまでの距離の関係を示す
図である。
【図12】4つの振動センサに関して平均した1つの振
動伝達時間を使用し、図11に示す例と同様の条件で算
出した、振動ペンから各振動センサまでの夫々の距離の
誤差ΔLと、各振動センサまでの距離の関係を示す図で
ある(従来例)。
【図13】第2の実施の形態における座標入力装置の構
成例を示すブロック図である。
【図14】第1の実施の形態におけるマイクロコンピュ
ータ内のROMに保持されたプログラムコード及び定数
を概念的に示す図である。
【図15】第1の実施の形態におけるマイクロコンピュ
ータ内のROMに保持されたプログラムコード及び定数
を概念的に示す図である。
【図16】従来の座標入力装置における典型的な振動伝
達板及び振動センサの模式的な構成を示す図である。
【図17】従来の座標入力装置において、各振動センサ
に関して求めた振動伝達時間の平均値に基づいて振動ペ
ンから各振動センサまでの振動伝達距離を算出した場合
の誤差ΔLと、各振動センサまでの距離との関係を示す
図である。
【図18】異方性のない振動伝達板を有する座標入力装
置において、図17に示す例と同一の条件で算出した誤
差ΔLと、各振動センサからの距離との関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 演算制御回路 2 振動子駆動回路 3 振動入力ペン 4 振動子 5 ペン先 6a〜6d 振動センサ 7 防振材 8 振動伝達板 9 信号波形検出回路 11 ディスプレイ 12 振動センサ駆動回路 13 振動センサ駆動制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 肇 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 時岡 正樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田中 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動伝達板を伝達する振動の伝達時間に
    基づいて振動の入力位置を導出する座標入力装置であっ
    て、前記振動伝達板は異方性を有し、 前記振動伝達板に対向配置された第1の一対の振動セン
    サと第2の一対の振動センサを含み、前記振動の入力位
    置から各振動センサの位置までの振動伝達時間を計測す
    る伝達時間計測手段と、 前記振動伝達板を伝達する第1の振動伝達速度と第2の
    振動伝達速度とを保持する伝達速度保持手段と、 前記第1の一対の振動センサに関して夫々計測した振動
    伝達時間と前記第1の振動伝達速度とに基づいて前記振
    動の入力位置から前記第1の一対の振動センサの位置ま
    での夫々の距離を算出すると共に、前記第2の一対の振
    動センサに関して夫々計測した振動伝達時間と前記第2
    の振動伝達速度とに基づいて前記振動の入力位置から前
    記第2の一対の振動センサまでの夫々の距離を算出する
    距離算出手段と、 算出した各距離に基づいて前記振動の入力位置を算出す
    る座標算出手段と、 を備えることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装
    置。
  2. 【請求項2】 前記振動伝達板は長方形状をなし、前記
    振動センサは前記振動伝達板の4隅に位置することを特
    徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  3. 【請求項3】 前記振動センサは圧電素子であることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の座標入力装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1の一対の振動センサの一方と、
    前記第2の一対の振動センサの一方とを駆動して夫々に
    振動を発生せしめる駆動手段と、 前記第1の一対の振動センサ間の距離と、前記第2の一
    対の振動センサ間の距離とを保持するセンサ間距離保持
    手段と、 前記第1の一対の振動センサの一方から発せられた振動
    が前記第1の一対の振動センサの他方に到達する第1の
    センサ間振動伝達時間と、前記第2の一対の振動センサ
    の一方から発せられた振動が前記第2の一対の振動セン
    サの他方に到達する第2のセンサ間振動伝達時間とを計
    測するセンサ間振動伝達時間計測手段と、 前記第1の一対の振動センサ間の距離と前記第1のセン
    サ間振動伝達時間とから前記第1の振動伝達速度を算出
    すると共に、前記第2の一対の振動センサ間の距離と前
    記第2のセンサ間振動伝達時間とから前記第2の振動伝
    達速度を算出する振動伝達速度算出手段と、 をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の座標
    入力装置。
JP197496A 1996-01-10 1996-01-10 座標入力装置 Pending JPH09190272A (ja)

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EP97100019A EP0784286B1 (en) 1996-01-10 1997-01-02 A coordinate input device and a control method therefor
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9983671B2 (en) 2013-10-25 2018-05-29 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Electronic device

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US9983671B2 (en) 2013-10-25 2018-05-29 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Electronic device

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